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介護・遺言・相続

2009年1月24日 (土)

【介護・遺言・相続】 相続放棄の熟慮期間

 家裁裁判月報平成21年1月第61巻第1号、つまり、No1号が、法曹会から送られてきました。

 今回の号は、家庭裁判所が60周年を迎えることから、特集号になっていました。

 裁判例概観では、やはり相談の多い相続放棄の熟慮期間の起算点の問題だと思います。

 相続放棄の申述は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから、3ヶ月以内にしなければなりません。

 従って、原則として、死亡という事実を知った場合には、そこから起算されることになります。

 ただ、死亡という事実をしった場合でも、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じており、かつ、相続人においてそのように信ずるについて相当な理由があると認められる場合には、相続人が相続財産の全部若しくは一部の存在を認識したとき又は通常これを認識し得べかりし時から起算されます(最高裁昭和59年4月27日)。

 この例外的な取り扱いの範囲が、最近の高裁判例では、広がりをもっているようです。

 名古屋高裁平成19年6月25日決定では、被相続人に積極財産があるとは認識していたものの、公正証書遺言で別の相続人に相続させる事情があったことから、死亡時において、自ら相続すべき財産がないと信じたことについて相当の理由があり、相続債務についても、その存在を知らず、債務の存在を知り得るような日常生活にはなかったと推認させることから、別件訴訟の訴状を受け取るまで、相続債務について存在を認識しなかったことについても相当な理由があるとして、別件訴訟の訴状を受け取ったときから、起算した事例です。

 仙台高裁平成19年12月18日決定では、未成年者である相続人の法定代理人(親権者母)が、被相続人である元夫の住宅ローンの保証人でもあった案件で、ローンに係る住宅には元夫の両親が居住していること、住宅ローン債務は離婚の際の協議により被相続人側で処理することになっていたこと、団体生命保険で完済されていると考えていたことから、債権者から主債務者の相続人に向けた照会文書を同法定代理人が受領したときから起算するとした事例です。

 東京高裁平成19年8月10日決定では、相続人において被相続人に積極財産があると認識していてもその財産的価値がほとんどない場合でも、最高裁昭和59年判決の適用があるとした事例です。

 例外的に処理される場合を、限定的に頭で考えてしまうのではなく、思い切って勝負することも必要かもしれませんね。

(追記)

  この記事は、現役裁判官の方のブログなどでもとりあげられたことから、アクセス数がものすごいことになっています。法律実務家や研究者の方からの貴重なコメントをいただければ幸いなので、コメント欄を開放します。 

 

2008年10月20日 (月)

【介護・遺言・相続】 相続放棄 家裁裁判月報平成20年No10

 家裁裁判月報平成20年No10号に搭載された事例です。

 原審に松山家裁の相続放棄の申述を却下した決定を取り消して、相続放棄の申述を受理した抗告審(高松高裁平成20年3月5日)決定です。

 甲さんが、平成18年6月×日に死亡しました。甲さんの相続人は、妻Cと、次男Dと、抗告人である長男Eでした。

 Dは、相続人らを代表して、農協を訪ね、甲さんの債務の存否について確認したところ、農協からは、債務はないとの回答を得ました。

 そこで、相続人らは、相続手続を行い、農協の貯金などの名義変更手続を行いました。

 ところが、甲さんは、農協を貸主とする消費貸借契約の連帯保証人になっており、その金額は3億円にもなっていました。

 平成19年9月ころに至って、農協は、甲さんの相続人らに対して、債権回収を図るために、通知した。

 この通知に接したEさんは、平成19年11月、松山家裁に、相続放棄の申述受理申立を行いました。

 松山家裁は、形式的に、熟慮期間の起算点は、甲が死亡した平成18年6月×日であり、平成19年11月は、既に3ヶ月が経過していることを理由に申述を却下しました。

 これに対して、高松高裁は、松山家裁の決定を取り消し、相続放棄の申述を認めました。

 裁判要旨は、以下のとおりです。

 相続債務について調査を尽くしたにもかかわらず、債権者からの誤った回答により、債務が存在しないものと信じて限定承認又は放棄をすることなく熟慮期間が経過するなどした場合には、

 相続人において、遺産の構成につき錯誤に陥っているから、その錯誤が遺産内容の重要な部分に関するものであるときは、

 錯誤に陥っていることを認識した後改めて民法915条1項所定の期間内に、錯誤を理由として、単純承認の効果を否定して、限定承認又は放棄の申述受理の申立をすることができる。

 これって、結構ありませんか? 特に保証債務って、相続人にはわからない場合が少なくないですよね。

 私も、遺産の相談を受ける場合、保証債務含めて負債はないのか、あるとすればその額は、受け取るべき遺産に見合うものなのか、必ず確認しています。

 金融機関に債務の存在を確認する場合には、保証債務も忘れずに確認してください。後で泣かないためにも・・・

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2008年10月14日 (火)

【介護・遺言・相続】 特別養護老人ホームにおける入所者の誤嚥死亡事故について、ホームを設置した社会福祉法人の不法行為責任が認められた事例(松山地裁平成20年2月18日)

 判例タイムズNo1275(10月15日)号の事案です。

 一般に、老人や脳血管障害などの疾患のある者は、食事の際に、嚥下障害を起こすことが少なくないため、食品や調理方法、摂食方法などについて特段の配慮が必要と言われていますが、今回の事案では、特別の配慮をされていたのかどうかが争われたケースです。

 松山地裁は、

 Aは、医師からは、脳梗塞、脳血管障害等により食事の飲み込みが悪くなってきており、今後も嚥下障害が進行したり、誤嚥性肺炎の発症の可能性があるとの説明がなされていたことからすれば、

 Yとしては、食事の介助を行う職員が、①覚醒をきちんと確認しているか、②頸部を前屈させているか、③手、口腔内を清潔にすることを行っているか、④一口ずつ嚥下を確かめているかなどの点を確認し、これらのことが実際にきちんと行われるように介護を担当している職員を教育指導すべき中義務があった。

 しかし、Yは、上記のような教育、指導を特に行わず、職員が朝食介助を行った際にも、①覚醒の確認は十分におこなっておらず、②頸部を前屈させるということを全く行っておらず、③手、口腔内を清潔にするということも行っていないのであるから、Yに対する不法行為責任を是認し、Yに対して、賠償を認めました。

 控訴されているみたいです。

 介護施設からはご相談を受ける時がありますが、高齢者相手なので、大変な仕事だなと思います。油断すると取り返しの付かないことになりますので、皆さんご注意下さい。

 なお、判タNo1275には、過払金返還請求訴訟の弁護士費用が民法704条後段の損害には当たらないとされた「嫌な」裁判例が紹介されています(東京高裁平成19年12月19日)。crying 全くけしからんです。

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   閑話休題

 (弁)しまなみ法律事務所の事務所報ができあがりました。近々、皆様のお手元に届くかと思いますが、宜しくお願い申し上げます。happy01

2008年9月21日 (日)

【介護・遺言・相続】 遺産分割事件の運営 家庭裁判月報No9 

 今日は、雷が伴った雨が降り、近くの小学校の運動会もとりやめになってしまいました。

 午後からは、事務所に出て、準備書面をせっせと作成するなど、明日の準備に追われてしまいました。グレーゾーン金利の収受が不法行為を構成する判例は結構あるのですが、大半が慰謝料にとどめられており、過払金全額が損害として認められているのは、現時点で私に判明しているのは、松山地裁西条支部と神戸地裁くらいです(但し、慰謝料が認められている裁判例は、過払い金も不当利得として認められているので、過払い金が損害にあたるのかという判断がいらなくなっているのですね。)。兵庫県弁護士会の判例検索システムで、調査する必要がありそうです。

 夜は、家庭裁判月報No9(法曹会)を少しだけ読みました。大阪高裁の永井裁判官が、遺産分割事件の運営について 初めて遺産分割事件を担当する裁判官のためにと題された論文が載っていました。

 遺産分割事件を扱う要領がコンパクトにまとめられており、参考になりました。

 ただ、代理人にとっても耳の痛い話がありました。

 「基本的な裁判例や新しい裁判例(最近では、後述する賃料債権や生命保険についての判例のほか、再転相続における特別受益の取り扱いについて最高裁判所平成17年10月11日決定については常にフォローする必要があり、当事者や代理人弁護士が古い文献に基づいて攻防を展開するようなときは、早い段階で軌道修正する必要がある。」と書かれています。

 でも言い訳する訳ではありませんが、なかなかフォローするのは時間的余裕がなく、難しいのです。私など、交通事故、保険法、離婚、遺産分割、金融法務、企業法務、消費者問題については、なるべく注意してフォローするようにしていますが、刑法、刑事訴訟法などについては、司法研修所を卒業してからというものの、まともなフォローはしていません。受験時代は、刑法は得意科目だったのですが、弁護士になってなってみると、刑事弁護は、私の性格とは余り合わないみたいです。

  (閑話休題)

 ところで、いきなり話が飛ぶのですが、●猫先生のブログが大炎上しているようです。いつもは感心して拝見させていただいているのですが、ここ最近の記事はどうかな?と思われる印象を受けます。coldsweats01ちなみに、私の嫁は、A学院卒です。M治やA学院は、十分に立派な学校だと思うのですがね・・・私の出身高校(田舎ですが一応進学校です)でも、成績は上の方でなければ、入れない学校です。というか、そもそも、18歳時点での学業成績で、将来性があるとかないとか考えるなんてナンセンスだと思うのですが・・・coldsweats02 いつものように、民法や保険法などの解説記事をお願いしたいと思います。そちらの方が勉強になります。<(_ _)> 

 依頼者にとって少しでも有利な結果が得られるよう、日々研修や尋問技術などを磨き、また、依頼者から信頼が得られるよう日々徳を高めていきたいと思います。

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2008年4月 1日 (火)

【介護・遺言・相続】 (相続) 相続預金の誤払いと実務対応

 甲銀行の預金者Aが死亡し、その相続人は、Aとその前夫との間の子Dと、Aとその後夫との間の子B及びCの3人であり、D、B、Cの法定相続分は、各3分の1でした。甲銀行は、相続人は、BとCのみであると誤認して、Aの相続預金4500万円全額を、B、Cに支払ました。後日、Dから法定相続分1500万円の支払いを求められた場合、どのように対応すればいいのでしょうか(銀行法務21・2008年4月号・営業店からの質疑応答から引用)。

 ① B・Cへの甲銀行の支払いが有効な場合

 相続預金の誤払いにつき、債権の準占有者弁済が認められるような場合には、Dから、支払いを求められたとしても、支払いを拒否することができます。

 そのため、Dとしては、B、Cに対して、不法行為又は不当利得に基づき、請求することになります。

 ② B・Cへの甲銀行の支払いが無効な場合

 この場合には、Dから支払いを求められた甲銀行は、支払いを拒否することができません。

 一般的には、甲銀行は、Aの戸籍を調査することで容易に相続人Dの存在を確認できるはずであり、そうだとすれば、甲銀行に過失が認められる場合が多いのではないかと思います。

 そうすると、甲銀行は、1500万円について、2重弁済を強いられることになります。

 そこで、甲銀行は、B・Cに対して、1500万円について、不法行為又は不当利得に基づき、請求を行うことになります。

 そこで、いつの時点で、不当利得返還請求ができるのかが問題となります。

 最高裁平成17年7月11日は、類似の案件で、甲銀行の損害1500万円は誤払いの時点で発生するので、その時点であれば、受益者B、Cに対して、不当利得の返還を請求することができるとしています。

 但し、B、Cが無資力の可能性があるため、甲銀行としては、ケースに応じて、B・Cの財産に対して適切な保全措置が必要になります。

 何故、甲銀行がこのような誤った支払いをB,Cにしたのか、その理由を知りたいものです。

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