【学校】 地方大学再生 生き残る大学の条件
地方大学再生 生き残る大学の条件を読みました😅
P233以下のまとめには、以下のとおり説明されています。
「大都市圏と地方圏では多少、違った動きが見られる可能性がある。地方都市の企業のなかには、新規採用に当たって、特定の職業高校や短大の卒業生の方が、信頼性が高いと判断するものもある。大都市圏と異なり、地方都市では地元大学へ進学した場合の投資対効果が見えやすい。地元の高校生たちに支持される学部構成、教育内容をもった大学や短大がある都市と、そのような大学が不在の都市では、高校生の進学率も変わってくるだろう。地域に大きな役割を果たす大学があるか否かによって、その都市の活力自体が左右されることになる。
また人口減少は確実に予測できるが、大都市圏と地方など地域別の動向の予測は難しい。ただ、生産年齢人口を吸収し続けてきた大都市圏では、人口の高齢化が相当なスピードで進みつつある。医療介護の費用が財政を圧迫するようになり、地方税が上昇して住みにくくなる。一方の地方都市では、交通インフラや商業インフラなどが一通りそろい、高齢人口が都市部より早くに消えていくことから、財政的余裕も生まれ、若年層が地元に残る道を選ぶ、あるいは大都市圏の若年層が地方移住する傾向も進むかもしれない。その際に魅力的な大学があるか否かは、大きな意味を持つことになる。
地方都市の私大の場合、現状と同様に地域社会に根を張っているか否かによって、存続可能性は決まってくる。良質な教育を施された卒業生たちが地域の官庁企業に就職するなど、地域社会の人々の目にみえるかたちで活躍する、あるいは都市に出ていって活躍する人材を送り出す、さらには国内外の大学の大学院などに進学して活躍する、などの成果を上げて、地域社会からの評価を得ることが求められる。
また学部構成によっては大学院を開設し、地元の官庁や企業の人材のレカレント(学び直し)教育も含めて、地域で求められる高度な人材養成の役割を果たすこともありうる。」
本書P224では、地方国立大学には気になる将来についても説明があります。
「(20年代からの大学再編)国立大学については、旧帝大系などの有力大学が周辺の地方国立大学を法人傘下に統合し、学部・学科を選別しながら再編していく方向が基本となる。当面は、文系学部の縮小など、財界などの顔色を見ながらの再編が基本となろうが、中長期的には有力大学を中心として、学部学生数を減らし、海外留学生を含めた優秀な学生を対象とした大学院教育を拡充し、より高度な教育に重点が置かれることになる。その過程で、地方国立大の整理統廃合は進められるだろうが、戦前からの地場産業に直結するなど、地域にかかさせない大学は容易に整理されないはずだ」
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