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2025年3月21日 (金)

【建築・不動産】 所有者不明土地管理命令申立て 備忘録

 民法264条の2第1項は、管理命令に係る土地の所在地を管轄する地方裁判所は、所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができない土地(土地が数人の共有に属する場合にあっては、共有者を知ることができず、または所在を知ることができない土地の共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その請求に係る土地または共有持分を対象として、所有者不明土地管理人による管理を命ずる処分(所有者不明土地管理命令)をすることができるとされました。

  所有者不明土地管理命令の請求権者は、利害関係人でなければなりません(なお、地方公共団体の長等は特別措置法で適切な管理のため特に必要と認める時は申立ては可能)。

 利害関係人とは、対象となる土地が適切に管理されていないために不利益を被るおそれがある隣接地所有者や、土地の共有者の一部が不特定または所在不明である場合の他の共有者、その土地を取得してより適切に管理しようとする公共事業実施者が例示として示されています。

  申立の際の添付資料としては、民事法研究会の書籍によれば、申立書副本、委任状、資格証明書、登記事項証明書、固定資産評価証明書、公図、経路図、現状調査報告書、所有者・共有者の探索等に関する報告書があげられています。

 申立てを行うと、①申立人が利害関係人に該当すること、②土地の所有者を知ることができずまたはその所在を知ることができないこと、③具体的な管理行為を行うために管理命令の必要があると認められることなどの要件について、審理確認し、審問期日を指定することになります。

 登記の嘱託ですが、管理命令の対象となる土地について、所有権に登記はされているものの、登記簿上の所有者が被相続人名義のままとなっている場合、管理命令の登記の前提として、選任された管理人において相続登記を行う必要がある※。裁判所書記官としては、管理人による相続登記の後に登記嘱託を行うことになる。

 所有者であると主張する者が、所有者不明土地等の所有権が自己に帰属することを証明した場合(所有者であると主張する者が、所有者不明土地管理人に対して所有者不明土地の所有権確認訴訟を提起し、勝訴判決を得た場合など)は、裁判所は、その者の申立てにより、所有者不明土地管理命令を取り消さなければなrない。この場合、管理人は、その者に対して事務の経過および結果を報告し、所有者不明土地を引き渡すことになる。 

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(八幡浜駅で)
※所有権の登記名義人が死亡し、相続登記が未了である場合において、その相続人が所有者となった土地又は共有持分について所有者不明土地管理命令がされたときは、所有者不明土地管理命令の登記をするためには、その前提として、相続登記をする必要がある。この相続登記の申請は、所有者不明土地管理命令の対象とされた土地又は共有持分に係る相続人が登記申請人となり、所有者不明土地管理人がその代理人となって行うことになる。この場合には、裁判所に提出された戸籍関係書類の裁判所書記官の認証に係る謄本を相続を証する情報として取り扱うことができるものとする。また、裁判所書記官の作成に係る所有者不明土地管理人選任及び印鑑証明書又は所有者不明土地管理命令の裁判所謄本が代理人の権限を証する情報となる。

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