【金融・企業法務】内部統制入門講座 J-SOXへの対応
月刊監査役2月号の内部統制入門講座です。今回は、J-SOXへの対応(2023年改訂)について、基本から解説されています。
1 財務報告に係る内部統制の品質は、全社的な内部統制の品質が基盤となる。
2 全社的な観点から整備・運用・評価する決算・財務報告プロセスは、取締役会における承認の直前プロセスとして、J-SOXにおける要、あるいは最後の砦ともいえる。外部監査人としても、統制環境に次いで重視する分野であり、取締役会や監査役等においても、今回の改訂によって、注視することが明示的に求められている。
3 業務プロセスの中で、必要とされる内部統制の機能を果たすプロセスがコントロールであり、全てのプロセスがコントロールとなるわけではない。文書化の対象は、このコントロールである。
4 文書化の3点セットは、その高い効用を再認識し、プロセスマイニングやAIを活用した更なる効率化を検討すべきであり、特にRCMは、不正リスクへの対応や、サステナビリティ報告においても活用可能である
5 テクノリジーリスクが、事業リスクや財務報告リスクに影響を与え始めていることに留意する。特にレガシーシステムは、二つの大きな問題、つまり、本社や海外関係会社などにおける脆弱性につけ込まれるサイバー攻撃による甚大な被害、及び、イノベーション投資とレガシー対応に向けたシステムにおける技術的負債への対応投資がせめぎあいとなるといった課題がある中、これらの課題への対応状況を見極める必要がある。
6 整備状況の評価の結果、有効であると判断された場合に初めて、運用状況の評価に進む。これは整備が不十分なコンロトールの運用状況を評価する意味がないからである。そもそも効率の悪いプロセスについて、評価したり外部監査を受けたりするような不効率な積み重ねに陥らぬよう注意が必要である
7 J-SOX担当要員の確保育成については、今後の非財務報告、例えばサステナビリティ報告などに視野に入れ、経営環境の変化により、ビジネスモデルの進化などが内部統制にどのような影響を与えるのか、将来の見通しを持ち、全社的な観点から、財務・非財務報告に係る内部統制の見直しが図れるような人材が内部統制担当部門に不可欠となる。
8 今回のJ-SOXの改訂を機に、経営者のみならず、監査役等も一緒になって、J-SOXとして何をどこまで実質的に対応すればいいのか、事業リスクからくる重要な財務報告リスクとは何か、J-SOX対応の実効性をどうすれば最大化できるか、といった点に着目して外部監査人とコミュニケーションを適時に行う
9 16年以上前にJ-SOX導入時の保守的な仕組みが残ったままで適切に解消されてていないか再吟味し、経営者の強いリーダーシップの下、少なくともproject to Processの視点からプロジェクト状態を脱して、効率性の高い定常非行を更に目指すべきである。
(楢原山)
あ~ 難し😵
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