【金融・企業法務】 株主総会の決議に関する訴えをめぐる諸問題 NO1
判例タイムズNo1727で掲載された「決議の方法に関する瑕疵(各論)」です。
Q&A方式で、利用しやすくなっております。
索引しやすくするために、Qの方をまとめておきたいと思います。
第1 決議の方法に関する瑕疵(各論)
第1-1 特定の株主総会の決議に必要な手続の瑕疵(1)
次の場合における株主総会の計算書類等の承認決議は、どのような瑕疵があり得るか。
(1)計算書類等について監査役等の監査を経ていなかった場合 →決議の取消事由
(2)取締役会設置会社において、招集通知に際して、計算書類等の全部又は一部が提供されなかった場合 →決議の取消事由
第1-2 特定株主総会の決議に必要な手続の瑕疵(2)
計算書類等の備置に不備があった場合における株主総会の計算書類等の承認決議は、どのような瑕疵があり得るか 決議の取消事由 但し裁量棄却の余地あり
第1-3 特定の株主総会の決議に必要な手続の瑕疵(3)
次の場合における株主総会の取締役選任の決議は、どのような瑕疵があり得るか。
(1)招集通知に株主総会の目的である事項として「取締役全員任期満了につき改選の件」との記載・記録がされ、取締役の数の記載・記録がされなかった場合 →不適法であるとはいえない
(2)複数の取締役を選任するに当たり、各株主総会で1人ずつ選任することとされた場合 →決議の取消事由
第1-4 議事運営の瑕疵(1) 議長の選任
株主総会の決議は、議長の選任等に関する瑕疵を生ずることがあり得るか。 → 決議の取消事由に該当する場合があり得る なお、裁判例には、決議の不存在事由に該当すると判断したものあり。
第1-5 議事運営の瑕疵(2) 議事運営における株主の平等
株主総会の議事運営において出席株主の一部に有利な措置を行った場合、当該株主総会の決議は、どのような瑕疵があり得るか
→決議の取消事由に該当する場合があり得る
第1-6 議事運営の瑕疵(3) 取締役等の説明義務
株主総会の決議は、取締役等の説明義務に関する瑕疵を生じることがあり得るか
→決議の取消事由に該当する場合があり得る。
第1ー7 議事運営の瑕疵(4) 取締役等の説明義務
株主総会の退任取締役等に対する退職慰労金贈呈議案の決議は、どのような説明義務違反による瑕疵があり得るか
第1-8 議事運営の瑕疵(5) 株主提案権の行使
次の場合における当該決議は、どのような瑕疵がありうるか。
(1)取締役会設置会社が株主から株主総会前に提案された議題を無視したまま、当該株主総会で他の議題についての決議がされた場合
→決議の取消事由の該当性は問題とならない。
(2)議長が株主から提案された議案や動議を取り上げないまま、株主総会の決議がされた場合
→決議の取消事由に該当しうる
第1-9 議決権行使の瑕疵(1) 議決権行使の妨害
株主総会の決議に当たり、株主の一部の議決権の行使が制限された場合、当該決議は、どのような瑕疵があり得るか
→決議の取消事由に該当しうる
第1-10 議決権行使の瑕疵(2) 名義書換未了の株主等
株式会社が次の者に議決権を行使させて成立した株主総会の決議は、どのような瑕疵があり得るか
(1)株主名簿の記載又は記録がされていない株主(名義書換未了の株主)
→決議の取消事由には該当しない
(2)譲渡制限株式の譲渡を受けたが、当該株式会社の承認を受けていない者(譲受人)
→決議の取消事由に該当しうる
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