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2024年12月13日 (金)

【労働・労災】 労基法第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。

 労基法第91条は、減給に対して、2段階の制限をかけております。

 まず、減給が1回付された事案では、その額が平均賃金(労基法12条)の1日分の半額以下でなければならず(昭和23.9.20基収1789号)、複数回にわたる減額は許されていません。

 次に、減給が複数回付された事案では、各回の減給額が上記規制の範囲内に収まることに加えて、減給の合計額が1賃金支払期において賃金総額の10%以内であることを要し(基収1789号)、これを超える減額は、次期の賃金支払期で実施されなければなりません。

 本状に違反する制裁としての減給を実施した場合には、30万円以下の罰金に処せられます(労基120条)。

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                            (院内・東頭神社前)

 労基法第91条との関連では、例えば、ニュースで、「◎◎の責任をとって、1年間20%の減給が決まった」等の報道に接することがあります。これは、労働基準法の適用を受けない役員や公務員の場合ですので、通常の従業員の場合には、労基法第91条の制限を受けるわけです。

 もっとも、1日に2個の懲戒処分に該当する行為があれば、その2個の行為についてそれぞれ平均賃金の1日分の半額ずつ減給することは差し支えないと考えられています。但し、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはなりませんので、その場合には、その部分の減給は、次期の賃金支払期に延ばさなければなりません。

 賞与についても、「制裁として賞与から減額することが明らかな場合には、賞与も賃金であり、労基法第91条の減給の制裁に該当する。従って、賞与から減額する場合も、1回の事由については平均賃金の2分の1、また、総額については、1賃金支払期における賃金すなわち賞与額の10分の1を超えてはならない」(昭和63.3.14基発150)とされているため、制裁対象事実が1つである限りは、定例給与からの減給であれ賞与からの減給であれ、いずれも、平均賃金の半額を超えてはならないことになります。まちがっても、賞与額の10%を控除しないよう願います。

 以外とですが、役員や公務員の減給と同じように考える方が散見されますので、いろいろと注意が必要な条文だと言えます。

 

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