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2024年11月16日 (土)

【建築・不動産】 不動産の取得時効 No2 ★執筆記事6000件達成★

 昨日の続きです。

 「訴訟における主張立証責任の観点からみると、『占有者は所有の意思で占有するものと推定されるのであるから(民法186条1項)、占有者の占有が自主占有に当たらないことを理由に取得時効の成立を争う者は右占有が他主占有にあたることについての立証責任を負う』(最三小判昭和54・7・31判事942号39頁)。

  もっとも、裁判実務の上では、単に占有があるだけで所有の意思が推定されることはない。自主占有か否かは権原(占有をするに至った原因)によって判断される。

  最一小判昭和44・5・22判時561号38頁では、『取得時効の要件としての所有の意思の有無は、占有の根拠となった客観的事実によって決定されるべき』であると述べられ、その上で、『占有者がその性質上所有の意思のないものとされる権原に基づき占有を取得した事実が証明されるか、又は占有者が占有中、真の所有者であれば通常はとらない態度を示し、若しくは所有者であれば当然とるべき行動に出なかったなど、外形的客観的にみて占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有していなかったものと解される事情が証明されるときは、占有者の内心の意思のいかんを問わず、その所有の意思を否定し、時効による所有権取得の主張』は排斥されるものとされている(最一小判昭和58・3・24判時1084号66頁。お綱の譲り渡し事件)。」

 「3 取得時効の登記上の取り扱い

 取得時効が成立する場合の法律関係は、実体法上は、前所有者の所有権が占有者に承継されるのではなく、前所有者が所有権を失い、占有者が所有権を原始取得する。

 しかし、登記上は、占有者が原始取得したとは取り扱われず、前所有者の所有権を取得したものとみなされている。」「この方法は確定した判例法理(大判大14・7・8民集4巻9号412頁)、登記実務である(明44・6・22民事第414民事局長回答)。占有者が不動産の時効取得をした場合には、「前所有者の権利登記抹消+占有者の保存登記」という方法ではなく、占有者が移転登記によって所有権の移転登記を受ける方法(法律構成)が採られる。

 東京地判昭50・1・22訟月21巻13号2651頁では、不動産が甲から乙に、乙から丙にそれぞれ譲渡された後に丙が占有を続け、丙が時効取得したけれども登記名義が甲のままになっている場合において、『不動産の登記簿上の所有者と、その時効取得を主張する者との間に、その不動産を前者から買い受けて後者に売り渡した中間者があるということだけでは、その不動産を永続して占有するという事実状態を権利関係に高めようとする民法162条の適用を拒むに足りる理由があるとは考えられない』、『不動産を時効取得した者は、直接、登記簿上の所有者に対し、所有権移転登記の登記請求権を取得するのであるから、いわゆる中間省略登記の問題を生ずる余地もない。』として、丙はに対して、直接に時効取得を原因とする移転登記手続を請求することができるものとされた。」

 「訴訟においては、時効取得が登記上は原始取得ではなく承継取得として扱われることから、時効取得を原因とする所有権移転登記手続を求める必要がある。請求の趣旨における登記原因の日付(不登59条3号、不登令3条6号)は、時効の起算点となる。時効の起算点を登記原因の日付とする理由は、『時効の効力として権利の得喪が生じるのは、時効期間満了の時であるが、その効力は、時効期間開始の時、その起算日に遡る』(民144条)からである」 

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 本日の記事で、執筆数6000となります。振り返ると、20年近くにわたって、「田舎弁護士の訟廷日誌」を綴ることができました。現在でも、1日3~500件程のアクセスがあります😄 

 当初は、息子ちゃん曰く、尖った雰囲気があるものだったようです。

 今は、基本的には、書籍や裁判例等を勉強した際の備忘録的な内容になっております。

 昨年に、家族問題、交通事故トラブル、医療関係事故を綴った他の3つのブログは削除しました。

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