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2024年12月 1日 (日)

【相続】限定承認の利用

 限定承認という制度は、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐという制度で、バラ色の制度のように思われますが、実際の利用件数は非常に少ないです。

 少し古いデータですが、2018年の実績で、相続放棄が21万件であるのに対して、限定承認は700件程度です。

 ネックになっているのは、限定承認制度が清算手続を予定しているためにかなり面倒(1年~2年程かかります)という点に加えて、故人から相続人への相続財産の時価による譲渡とみなされ含み益は譲渡所得として課税される(しかも、相続開始を知った日から4か月以内に申告をする必要があります)というデメリットがあります。

 田舎弁護士の経験でも、10件程度の申立てです。しかも、いずれも相当に面倒でした😅

 ただ、最近は、毎年のように1件程度のご相談や依頼が続いております

 限定承認を選ぶ動機としては、①プラスの財産、マイナスの財産がいくらなのかよくわからない場合、②先祖代々の実家のようにどうしても残したい不動産がある場合、③次の順位の相続人に迷惑をかけずに自分たちの代で処理したい場合などがありました。 

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(笠松山・野々瀬奥登山口)
限定承認については、以下の11のステップを踏む必要があります。
1.相続財産・負債の調査
2.限定承認の熟慮期間の延長(必要であれば)
3.相続人全員に連絡
4.申述書と相続財産目録の作成
(家裁へ)
5.限定承認の申述
6.限定承認申述受理の審判
7.相続財産清算人の選任
8.債権申出の公告・催告  (限定承認者5日以内、相続財産清算人10日以内)
9.鑑定人選任の申立
10.請求申出を行った相続債権者・受遺者への弁済
11.残余財産の処理等
 限定承認を利用するに際して、いくつか注意点があります。
 第1に、相続財産・負債の調査ですが、弁護士に依頼されたからといって、100%完璧な調査ができるかといえば難しいところがあります。
 第2に、清算手続に関する弁護士費用については、相続財産から支弁できず、限定承認者自身の負担となります。
 第3に、官報広告費用(数万円)が発生します。これは相続財産から支払うことが可能です。
 第4に、準確定申告が必要です。
 第5に、相続財産を責任の限度としての負担が継続します。

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(野田古墳)
 ただ、辞めてもらいたいのは、弁護士の中には、限定承認を勧めるものの、実際の清算手続は本人に委ねるパターンです。結局のところ、民法が予定手続は踏んでおらず、そのまま放置されてしまっていることが散見されます。

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