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2022年5月10日 (火)

【流通】 商品にベーコンビッツの骨片の残存可能性についての警告表示がなかったことをもって、商品が通常有すべき安全性を欠いていたとはいえないとした事例 東京高裁令和2年1月15日判決

 事案は、Yが、Zからベーコンビッツを仕入れて、それにレタス、トマト等を加えてハイローラーブレッドで巻いたものを輪切りにした惣菜(本件商品)を販売していた者であるところ、Xは、平成29年3月、本件商品を購入して食べたところ、本件商品内に残存していた骨片により、歯冠破損の傷害を負ったという事案です。

 Xは、Yに対して、本件商品に骨片が混入していたこと又は本件商品に骨片の残存可能性についての警告表示がなかったことにつき、製造物責任法2条2項の「欠陥」にあたる等と主張して、治療費等の損害賠償を求めました。

 第一審は、本件商品には指示・警告上の欠陥があったと判断しましたが、第二審は、本件商品には指示・警告上の欠陥はないと判断しました。

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(大三島)
 第二審は、①本件商品は、目視によりベーコンピッツの分量や性状まで認識可能であること、②本件商品は、全体として比較的軟らかく、そしゃくしやすい食品として認識され、特に強い力で噛み切ろうとしたりかみ砕こうとしたりすることが一般的には想定されないものであること、③食肉加工商品一般に骨片が残存する可能性があることは一般消費者にもある程度知られていること、④比較的軟らかい食品をそれに即した通常の強さで咀嚼する限りにおいては、被害発生の蓋然性は低いこと、⑤カリエス(虫歯)等があって歯を傷つけやすい者にあっては、そしゃくの強度を調整する自助努力も必要であること、⑥ベーコンビッツに残存ずる骨片により歯を痛める可能性があることは、食品の安全性に関する情報の中では相対的に重要性はそれほど高くないこと
                         ↓
 これらの事実を総合すると、警告表示を行うべき必要性はそれほど高くなく、その情報を必要とする購入者に対して適切に情報を伝える効果は限定的であるといえるから、本件商品にベーコンビッツの骨片の残存可能性についての警告表示がなかったことをもって、本件商品が通常有すべき安全性を欠いていたということはできない。
 
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(大三島鷲ケ頭山)
 過去に同様の異物混入案件もあったということですから、第一審のように指示・警告上の欠陥があったと考えることができそうですが、控訴審は第一審の判断を否定したわけです。
 第1審も請求が認められたとはいえ、請求金額が約750万円で、15万円程度なので、金額的には割に合わないものになっています。原告にも落ち度があったとして、70%の過失を認めています💦

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