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書籍紹介(企業法務・金融)

書籍紹介(不動産・建築)

書籍紹介(法律)

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2020年5月31日 (日)

【建築・不動産】 リフォーム・改修工事トラブルの解決ポイント(R2・2出版)

 ぎょうせいから出版されたリフォーム・改修工事トラブルの解決ポイントです。

 本書は、「リフォーム・改修工事の瑕疵については、新築工事と同様の論点のみならず、リフォーム・改修工事独自の論点も想定されるところ、各種データベースでリフォーム・改修工事の瑕疵に関する裁判例を収集し、その中から興味深い裁判例32件を抽出し、その事案の概要・判旨を紹介し、その上で、前回に引き続き、各執筆者が、当該裁判例について、率直な感想、疑問点、リフォーム会社や注文者が気を付けておくべき事項等を自由に述べることとしました。また、必要な限度で改正民法への対応についても言及しました。さらに、今回は、これら裁判例を基にリフォーム・改修工事の瑕疵についての全体的な傾向を総論として論述しました」と説明されています。

 田舎弁護士は、現在、建築トラブルを複数件取り扱っております。基本的には、事業者側からの依頼が多くを占めています。愛媛では、田舎弁護士は、住宅に詳しいということになっているようですが、さにあらず、通常のマチ弁に比べて少しだけ取り扱いがあるというに過ぎません。

 このような中で、本書のようなものがあると、田舎弁護士も大いに助かります。 

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(今治・笠松山登山入り口)

2020年5月30日 (土)

【金融・企業法務】 第三者委員会(改訂版)(R2・3出版)

 金融財政事情研究会から出版された「第三者委員会(改訂版)」です。

 企業などで不祥事が生じると、調査のための委員会が設置されることがあります。

 その中で、「第三者委員会」というネーミングはよくききますが、実は、法令上の定義があるわけではありません。

 日弁連ガイドラインでは、企業等から独立した委員のみをもつて構成され、徹底した調査を実施した上で、専門家としての知見と経験に基づいて原因を分析し、必要に応じて具体的な再発防止策等を提言するタイプの委員会を指しているようです。

 ただ、「第三者」という響きで、利害関係のない純粋な外部の専門家のみのように思いがちですが、そうではなくて、会社でいえば、社外役員も委員になりうるようです。

 いずれにせよ、法令上の定義のないところで、何が「第三者」であるかを議論する必要はなく、結局のところ、委員の独立性、中立性をどのように確保していくのかが大切です。

 

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(今治・笠松山)

2020年5月29日 (金)

【金融・企業法務】 逐条解説会社法第6巻(R2・4月出版)

 中央経済社から、逐条解説会社法第6巻 計算等・定款変更・事業の譲渡等・解散・清算(第437条~第574条)が出ましたので、購入しました。 

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(今治・笠松山)
 田舎弁護士ですが、企業法務もかなり多く取り扱っていることから、計算、定款の変更、事業譲渡、解散・清算の相談は比較的多く受けます。
 都会では、最近は、専門領域がかなり分化しつつありますが、地方では、そういうわけにもいきません。
 とはいえ、知識がなければ、よい結果を得られるのは難しいので、それを教えていただける本書はありがたいです。

2020年5月28日 (木)

【労働・労災】 外国人雇用の法律相談(R2・3出版)

 法学書院から、「外国人雇用の法律相談」が出版されました。 編者は、中央大学真法会労働法研究会です。真法会というのは司法試験受験団体と思っていましたが、このような書籍も出版されているんですね。

 

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(今治・笠松山)
 構成は、5章からなります。①入管法、在留資格、②採用時の問題、③雇用契約存続中の問題、④雇用契約終了時の問題、⑤社会保険・労働保険です。
 
 最近は、在留外国人、特に、中国人、ベトナム人、フィリピン人などの方が関連する相談が、この地域でも少しずつ増えています。
 交通事故がらみでもありますね。
 今のところは、相談のみで終わっておりますが。。。

 

2020年5月27日 (水)

【刑事】 クレプトマニアによる執行猶予期間中の万引き事案につき、実刑とした原判決を破棄して、再度の執行猶予を付した事例 東京高裁平成30年8月31日判決

 判例時報No2438号で紹介された東京高裁平成30年8月31日判決です。

 昭和15年生まれの女性 平成28年4月、スーパーでの万引き事案(栄養ドリンク470円) 平成12年(起訴猶予)、平成15年(起訴猶予)、平成17年(執行猶予)、平成21年(執行猶予)、平成25年(懲役1年2月、5年間執行猶予)という事案です。

 原審は、懲役10ヶ月の実刑判決。。。

 まあ、やむをえないというところです。

 ところが、東京高裁は、原判決後の事情として、①親族との同居生活がはじまったこと、②認知症がすすんだこと、③通院治療や自助グループへの参加も続けていることから、懲役1年、執行猶予5年、保護観察という温情判決に変更されました。

 

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(今治・朝倉)
 クレプトマニアの基本的特徴は、個人的に用いるためでもなく、また、その金銭的価値のためでもないのに、物を盗みたいという衝動に抵抗するのに繰り返し失敗する精神疾患です。
 なお、本件は、国選弁護事件ではなくて、私選弁護事件です。

2020年5月26日 (火)

【金融・企業法務】 銀行員さんに、高配当が見込める投資案件があるとして、だまされた事案

 判例タイムズNo1471号で紹介された東京地裁平成30年11月27日判決です。 

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(今治・古墳)
 被告(銀行)の従業員が原告らに対して行った「架空投資案件」への勧誘行為が、被告の事業の範囲内の行為ではなく、また、仮に事業の範囲内内とみる余地があるとしても、同従業員の担当する職務の範囲内に属する行為ではないとして、被告の使用者責任(民法715条1項)が否定されました。
 
 銀行員さんから出た話だと、信じてしまいそうです💦

2020年5月25日 (月)

【金融・企業法務】 株式会社の発行済株式全部の譲渡契約に付された表明保証条項の違反に基づく損害賠償請求が、当該契約に完全合意条項が含まれていることを踏まえて認容された事例 東京地裁平成31年2月27日判決

 金融法務事情No2138号で紹介された東京地裁平成31年2月27日です。 

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(笠松山)

 本件株式譲渡契約に完全合意条項が付されていることに照らすと、同契約において表明保証されている「解約不能又は解約に際して重要な解約金が発生するような契約が存在しないこと」とは、解約権が留保されていない契約または解約権が留保されているものの解約権を行使した場合には重要な解約金が発生する契約を意味するものと解するのが相当であり、解約権を留保する旨の合意のない売買契約は、「解約不能な契約」に該当する。

 完全合意条項とは、その契約書に記載された内容こそが当事者間の最終的かつ完全な合意であり、契約書作成前に当事者間で交わされた口頭ないし書面におけるやりとりを契約の解釈に影響させない旨の条項を指します。

 英米法における口頭証拠排除法則に由来すると言われています。

 完全合意条項は、いうたいわんというようなトラブルを予防して当事者の予測可能性を高めるものであり、M&A契約を中心に、近年我が国の契約実務においても採用される例が増加しつつあって、その重要性は否定できなくなっています。

2020年5月24日 (日)

【金融・企業法務】 IPO(新規株式上場)審査の概要と留意点 続き

 監査役に対するヒアリング事項の続きです💦  

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(奈良)
⑦ 経営者に対する評価について
  →「監査役の立場から見て、経営者に適切なコンプライアンス意識(会社法、金商法、会計面、業界特有の業法、倫理観含む)やパブリックカンパニーとなる自覚があるかを確認する」とされています。
⑧ 関連当事者取引や経営者が関与・主導する取引への牽制状況について
  → 「関連当事者取引や経営者が関与・主導するような取引に対する適切な牽制が効くような体制となっているか、不当に利益を供与・享受するような取引が行われていないかどうか、監査役として確認・指摘した内容を確認する」とされています。
⑨ 内部管理体制/コンプライアンス体制に対する評価について
  → 「子会社を含めた内部管理体制は十分であると評価できるか、そのように評価した根拠、背景は何かを確認する」とされています。
⑩ 内部通報制度の整備状況について
  → 「内部通報制度が存在する場合、通報制度が適切に機能しているか、当該制度における監査役の関与状況を確認する。また、内部通報制度が存在しない場合、必要性の認識、今後の導入に向けた検討状況を確認する」とされています。
⑪ 会計監査人に対する評価について
  → 「監査役として、会計監査人の体制についてどう理解し、どのように評価しているのかを確認する。特に、監査法人、監査法人代表者、申請会社監査報告書の署名者等が他社における虚偽記載等の重要な事象に関与している場合、本事項を踏まえた会計監査人としての選任に対する評価については慎重に確認する。」とされています。
⑫ 訴訟や不祥事等に係る対応・再発防止策の評価について
  → 「重要性の高い訴訟や不祥事等の内容について、申請会社の対応状況や再発防止策が適切であるかどうかを、監査役としてどのように把握しているか、その確認結果について監査役の見解を確認する。上記の質問事項は、一般的な内容であるが、申請会社の規模や事業内容、管理体制などの状況に即した懸念事項についても質問が行われる。上場審査においては、監査役監査が適切に実施され、機能を果たしているか否かがポイントとなる。」とされています。
 当然と言えば当然のことですが、1つ1つの検証ということになると時間を要することです。

 

2020年5月23日 (土)

【金融・企業法務】 IPO(新規株式上場)審査の概要と留意点

 月刊監査役5月号では、IPO(新規株式上場)審査の概要と留意点が解説されています。

 田舎弁護士も、現物で株取引などを行っていることから、IPOについては興味を抱いております。 

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(大阪城)
 そもそも、「市場」ですが、東証は、現在、市場第一部・市場第二部・マザーズ・JASDAQ(スタンダード及びグロース)の5つの市場区分としておりますが、2022年4月をめどに、プライムス市場・スタンダード市場・グロース市場(仮称)の3つの市場区分への見直しを実施するとしているようです。
 
 何じゃ、それは?
 さておき、市場第一部は、時価総額250億円以上、市場第二部は、20億円以上、マザーズは、10億円以上 JASDAQは規定がありませんが、流通株式の時価総額は5億円以上(マザーズと同じ)とされています。
 独立役員に指定される社外監査役については、独立役員面談として、ヒアリングが行われます。ヒアリング事項としては、
 ① 各監査役の就任経緯
  → 「どのような経歴・つながり・紹介などを経て就任するに至ったかを確認する。監査役の独立性を担保できないような状況が発生していないか留意が必要である。」とされています。
 ② 各監査役間の役割分担について
  → 「各監査役の役割分担の状況、分担の趣旨(各監査役のバックラウンドを踏まえて、適切に分担されているか)を確認する」とされています。
 ③ 監査の内容等について
  → 「事業内容、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、経営計画等様々な観点を踏まえ、内部統制上若しくはビジネス上のリスクとして捉えられている内容、監査における重点監査項目及び主な改善・指摘事項、その改善状況、確認帳票や往査の対象先・頻度、往査時における監査ポイント等を確認する。申請会社の規模や事業内容等に即した監査役の職務執行が適切に行われているかを確認する」とされています。
 ④ 監査役会の開催状況について
  → 「監査役会の開催タイミング、最近の議題、議論の状況等、監査役会が適切に機能しているかを確認する」とされています。
 ⑤ 内部監査室及び会計監査人との情報交換・連嶺の実施状況について
  → 「監査役監査、会計監査人監査、内部監査による三様監査が機能しているか、申請会社に対する監査の実効性を確認する。」とされています。
 ⑥ 申請会社の役員構成に対する見解・取締役会における議論の状況について
  → 「取締役間の牽制状況、社外役員の構成(人数・メンバー)等に対する監査役の見解、取締役会における議論は十分に行われているかを確認する」とされています。
 
011
                             (奈良・大仏) 

2020年5月22日 (金)

【金融・企業法務】 月刊監査役 4月号

 月刊監査役4月号ですが、積ん読状態です。 

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(奈良公園の鹿)
 関心のある記事としては、①2020年6月定時株主総会開催に向けた留意点、②企業法務最前線新型コロナウィルスと株主総会での対応、③監査役等のための働き方改革入門講座外国人雇用、④監査役等のための決算書の仕組みと経営分析の進め方講座です。
 
 その中でも、①2020年6月定時株主総会開催に向けた留意点は参考になります。
 新型コロナウィルスの影響として、定時株主総会の延期、定時株主総会の開催時の工夫、改正会社法の概要としては、株主総会資料の電子提供制度、株主提案権の濫用などです。
 議決権行使助言機関の動向や国内機関投資家の動向、株主提案の動向などにも解説がされています。
 田舎弁護士も、複数の会社の社外役員をしておりますので、株主総会の準備をしているところです💦
 
 どうぞ、よろしくお願い申し上げます (^_^;)
 

2020年5月21日 (木)

なんと自爆してしまった (@_@)

 後記の報道などによれば、黒川弘務氏が、緊急事態宣言発令下に新聞記者らと賭けマージャンを行ったと認めているということですが、なんと自爆した形で、この問題は収束してしまいました。田舎弁護士は、同じ法曹として、事態の収束のために、もっと早期に辞任するのではと思っていましたが、身から出たさびで、辞職を余儀なくされてしまいました。

 緊急事態宣言発令下に新聞記者らと賭けマージャンを行うというのは、3つの意味で大きな問題があります。まずは、賭け麻雀です。犯罪ですから、高検検事長としては絶対にやってはいけないことです。また、緊急事態宣言下で3密を避けるように強く言われた時期に行ったということですから、この意味でもありえないことです。そして、一緒に遊んだのが、新聞記者・・・ 検察庁のみならず新聞社の国民の信頼も大きく傷つきました。

 組織に引き続き必要な人材として例外的に定年延長をさせた人物が、このような形で辞任となったのは残念です。

 昭和の時代の事件をみているような気分です。

 政府には、コロナの一日も早い収束と、地域経済及び国民の生活の一日も早い立て直しを要望します。

~~~

 森法務大臣は、21日、賭けマージャンをしていた東京高検の黒川弘務検事長(63)が安倍晋三首相に辞表を提出したと記者団に明らかにした。22日の閣議で承認を得るとし、黒川氏を訓告処分としたと述べた。後任人事は「速やかに決める」と話し、「責任を痛感している」と語った。組織トップとして監督責任が問われる稲田伸夫検事総長(63)の処遇も焦点となる。安倍政権は1月末、検察庁法の従来の法解釈を急きょ変更し、黒川氏の定年を半年間延長。野党が違法性を指摘したが、組織に引き続き必要な人材だと反論していた。黒川氏が不祥事で辞職することで、政権の信頼性は大きく揺らぐ。

【法律その他】 高齢者の医療の確保に関する法律による後期高齢者医療給付を行った後期高齢者医療広域連合が当該後期高齢者医療給付により代位取得した不法行為に基づく損害賠償請求権に係る債務についての遅延損害金の起算日 最高裁令和1年9月6日判決

 判例時報No2437号で紹介された最高裁令和元年9月6日判決です。 

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(卯之町)
 被害者A(当時74歳)は、交差点を歩行中に加害者Yの運転する自動車に衝突されて傷害を負い(本件事故)、同傷害に関して後期高齢者医療広域連合であるXの後期高齢者医療給付(本件医療給付)を受け、その価額の合計は302万8735円であった。
 本件は、Xが、Yに対して、AのYに対する不法行為に基づく損害賠償請求権を高齢者医療確保法58条1項により代位取得したとして、本件医療給付の価額の合計額(302万円程度)からAの過失割合5%を控除した残残額(287万円余)と弁護士費用相当額57万円余の合計345万円余とこれに対する本件事故の日から支払い済みまでの遅延損害金の支払いを求めたという事案です。
 原審の仙台高裁(平成30年8月3日)は、主たる請求について、前記287万円余及び弁護士費用相当額30万円の合計額317万円余の支払を求める限度で認容すべきものとした上で、これに対する遅延損害金の請求につき、XがYに対してその支払いを請求したことが明らかな訴状送達の日の翌日からの分のみを認容すべきものとしました。
 なんとなく、違和感が残る判断です。
 弁護士費用請求できるの? 事故日からなの?
 Xは、遅延損害金の起算日に関する事項のみを上告受理申立て理由として上告受理の申立てをしたところ、最高裁は、上告審として事件を受理して、
 要旨 高齢者医療確保法による後期高齢者医療給付を行った後期高齢者医療広域連合会は、その給付事由が第三者の不法行為によって生じた場合、当該第三者に対し、当該後期高齢者医療給付により代位取得した当該不法行為に基づく損賠賠償請求権に係る債務について、当該後期高齢者医療給付が行われた日の翌日からの遅延損害金の支払いを求めることができる旨判示して、原判決のうち遅延損害金の支払請求に関する部分を一部破棄して原審に差し戻しをしました。
 余り深く考えたことがない論点ですが、時折、代位請求はされることがあるので、知っておく必要はありますね。
 
 
 

2020年5月20日 (水)

【金融・企業法務】アパートの賃貸事業等のための融資金の繰上返済の手数料にかかる特約について、消費者契約法の規定により無効なものになるとは認められないとして、同手数料相当額の返還請求が棄却された事例

 金融法務事情No2020号で紹介された東京地裁平成31年3月20日判決です。

 

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(卯之町)

 アパートの経営等をしている者が、その事業等の借り入れにかかる消費貸借契約をしたものであるから、消費者契約法2条1項のかっこ書の規定により、同人は消費者される個人から除外され、同法10条の規定は適用されない。

 消費者契約法第10条は、消費者の利益を一方的に害する条項の無効を定めたものですが、東京地裁は、そもそも原告が消費者とされる個人では無いと判断しました。

 アパートの融資金を繰上返済したところ、手数料としてなんと100万円近くとられてしまったという事案です。

 なお、本判決とは異なり、絵画の購入の事案で、その個人が絵画のレンタル等の事業の具体的な準備として行ったものとは認められないとして、消費者契約法2条1項の消費者にあたるとした東京地判平成27年2月5日判決があるようです。

 

2020年5月19日 (火)

検察庁法改正案騒動の後始末

 所轄官庁が法案(人事案)を上申するというのは、形式上当然のことだと思いますが、この記事によれば、実質的にも、法務省側から持ってきたということを言いたいのだろうか。この点について、法務大臣はどのように説明するのだろうか。定年延長の基準も示せないようなものをもってくれば、当然のことながら、強い非難を受けるということは認識されていたはずです。

 法務省内に派閥闘争があるかのような報道もされており、実際のところはよくわかりません。

 例えば、仮に検事総長が難色を示していれば、法務省事務次官がそのようなものを法案として持っていくことができるものなのだろうか。

 ただ、そもそも、下記報道にあるように、法務省から持ってきた話であれば、最初からそのように説明すればいいようにも思えます。また、渦中の人物を検事総長にすることが目的でなければそのように説明すれば、ここまでの大きな騒ぎになることもなく、コロナ対策にもっと時間が割けたのにと思うと、残念です。

 また、渦中の人物の方も、これまで順調な人生を送られてきたはずなのに(ここまで騒がれていながら、マスコミなどからは、悪い噂話が出てこないので、真面目な役人生活をおくられてきたのではないかと思います。)、官僚として最後の段階で、ご自身では解決できないような政治的な話に巻き込まれて、内心ではとてもつらい思いをされていたのではないかと想像しています。

 最優先すべきことは、コロナの早期の収束と、疲弊した経済及び国民生活の立て直しです。

 よろしくお願いします。

 ~~~

  首相の言及は、ジャーナリストの櫻井よしこ氏のインターネット番組でのやりとりの中であった。記事配信の数日前に公開されたもので、安倍首相は、法務省が人事案を持ってきて、それを「我々が承認をする」と述べていた。

共同「無関係強調に疑問の声」

 共同通信(ウェブ版)は2020年5月19日、「『法務省が提案』首相発言が物議 定年延長、無関係強調に疑問の声」の記事を配信した。「検察庁法改正案に反対する前川喜平・元文部科学事務次官」と、国民民主党の小沢一郎衆院議員の2人のコメントが紹介され、前川氏は「(略)首相の言っていることは形式論」と、小沢氏は「総理は何事でも平気でうそをつく」と述べている。

 17日にも、櫻井氏のネット番組(15日)での安倍首相の言及内容に触れながら、「(黒川検事長の定年延長に関し、)安倍晋三首相は、法務省側が提案した話であって、官邸側はこれを了承したにすぎないとの説明に乗り出す構えだ」と指摘する別記事も流していた。

 今回の19日共同記事をツイッターで紹介しつつ、共産党の志位和夫委員長は同じ日、

「『黒川氏の定年延長は法務省の提案』なる首相の主張は、15日の桜井よし子氏(編注:原文ママ)とのネット番組で突然言い出したことだ。到底信じられない話だが、そういう『事実』があるというなら、国会で説明してもらわねばならない」

 とツイートした。

 一方、同じ記事を批判的に取り上げたのは、産経新聞出版の書籍編集部アカウントである「産経新聞出版1」で、

「この記事がヤフーニュースのトップに置かれて『首相発言』がトレンドにもあがっていますが、本文に出てくるのは前川喜平元文科事務次官と小沢一郎氏だけ。『元官僚らからは疑問の声が上がる』って...」

と、19日共同記事の前文の一部を引用しながら違和感を表明していた。前川氏も小沢氏も、従来から安倍政権に批判的な発言を行っていることで知られている。

 櫻井氏の指摘に「全くその通りですね」

 15日の櫻井氏のネット番組(言論テレビ)での安倍首相と櫻井氏とのやりとりは、19日夕現在、言論テレビ公式サイトの動画で確認できる。黒川検事長の定年延長に関する箇所は、以下のような流れだった。

櫻井氏「政府高官に取材をしました。黒川さんの定年延長の問題も、検察庁つまり法務省の側から持ってきたものを官邸が了承しただけだと聞いたんです。かなり詳しく。本当なんですか」
安倍首相「全くその通りですね。検察庁を含めて法務省が、こういう考えでいきたいという人事案を持ってこられて、それを我々が承認をする、と」
櫻井氏「(編注:法務省幹部の具体的役職名も挙げながら、その人物が人事案を)官邸に持ってきて頼んだことも本当ですか」
安倍首相「詳細は承知してないですが、基本的に検察庁の人事については、検察のトップも含めた総意で『こういう人事で行く』と持って来られ、それはそのままだいたい我々は承認している、ということなんですね」
櫻井氏「官邸が介入するとか、介入して変えるとかは?」
安倍首相「あり得ないですね」

といったやりとりがあった。

 3月の国会説明では

 また、櫻井氏は17日放送の「日曜報道 THE PRIME」(フジテレビ系)にリモート出演し、黒川検事長の定年延長を「前代未聞の卑劣なこと」と批判した若狭勝弁護士(元東京地検特捜部副部長)に反論した。15日ネット番組での指摘のように、自身の取材の結果として、法務省内の意思決定の時系列も示しながら、「官邸は法務省および検察庁から上がっているものをそのまま受け入れているだけ、と言ってもいい」と強調した。

 一方の若狭氏は「まったくもって事実と反する。(略)実質的な発案者は官邸、内閣で間違いない。ただ、形式的な国の組織としては検察庁は法務省、法務大臣が管轄してますから形の上では法務大臣から上申した形は当たり前なんです」と、「法務省から提案」といった見方に対し、形式論に過ぎないと再反論を繰り広げた。

 安倍首相はこれまでに国会で、黒川検事長の定年延長について、どのような説明を行っていたのか。

 たとえば3月9日の参院予算委では、小西洋之議員(立憲民主党などの共同会派)の質問に対し、

「(定年延長が可能だとの)今回の解釈についての変更は、検察庁を所管する法務省において適切に行われたものと承知しています。その上で黒川検事長については、検察庁の業務遂行上の必要性に基付き、検察庁を所管する法務大臣からの閣議請議により、閣議決定され、引き続き勤務させることとしたものであり、何ら問題ないと認識しております」

と答弁した。

 黒川検事長の定年延長との関連の有無も含め与野党で議論が対立していた検察庁法の改正案は、今国会での成立が見送られた。菅義偉官房長官は19日の会見で、改正案の見送りは黒川氏の今後の人事には「全く影響はない」との考えを示した。

【行政】 近年における地方議会の内部紛争における「部分社会の法理」の扱い

 判例時報No2435号(4月21日号)で掲載中の論文(統治構造において司法権が果たすべき役割第2部【第7回】「部分社会の法理」と司法権の限界)です。執筆者は、木下智史関西大学教授です。 

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(笠松山)
 131頁から132頁にかけて以下のとおり解説されています。
 「近年、地方議会における議員の処分をめぐる紛争が増加傾向にある。処分が議会の「内部的な問題」にとどまる限り「法律上の争訟」性を充たさず、司法権が及ばないと判断する判決がある一方、議会の自律性尊重をうたうものの、司法審査の排除とは結びつけない判決もある。」
 「前者の例として、議場の規律保持に関する地方自治法129条1項に基づき、ある議員の一般質問における発言の一部を取り消すよう命じた愛知県議会議長の命令の取消しが求められた発言取消請求事件に関する最高裁判決(最一小判平成30・4・26判時2377号10頁)がある。
  最高裁は、村議会出席停止事件判決(最大判昭和35年・10・19民集14巻12号2633頁)を参照して、「普通地方公共団体の議会における法律上の係争については、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、その自主的、自律的な解決に委ねるのを適当とし、裁判所の司法審査の対象とはならないと解するのが相当である」との「部分社会の法理」の原則を再言したうえで、「県議会議長により取消しを命じられた発言が配布用会議録に掲載されないことをもって、当該発言の取消命令の適否が一般市民法秩序と直接の関係を有するものと認めることはできず、その適否は県議会における内部的な問題としてその自主的、自律的な解決に委ねられるべきもの」とした。
  後者の例として、議会による調査旅行に参加せず旅行の実施を批判したため厳重注意処分に付された市議会議員が、当該処分と議長による処分の公表について名誉毀損にあたるとして国家賠償を請求した名張市議会事件についての最高裁判決(最一小判平31・2・14民集73巻2号123頁)がある。
  最高裁は、まず、「私法上の権利利益の侵害を理由とする国家賠償請求であり、その性質上、法令の適用による終局的な解決に適しないものとはいえないから、本件訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たり、適法というべきである。」と認めた。
  そのうえで、判決は、村議会出席停止事件判決を参照にしつつ、「普通地方公共団体の議会は、地方自治法の本旨に基づき自律的な法規範を有するものであり、議会の議員に対する懲罰その他の措置については、議会の内部規律の問題にとどまる限り、その自律的な判断に委ねるのが適当である」との一般原則を示しつつ、
  地方議会の議員に対する懲罰等が議員の私法上の権利利益を侵害とすることを理由とする国家賠償請求の当否を判断するに当たっては、「当該措置が議会の内部規律の問題にとどまる限り、議会の自律的な判断を尊重し、これを前提として請求の当否を判断すべきもの」とし、議会の処分と公表について「違法な公権力の行使に当たるものということはできない」との結論を導き出した。
  いずれの最高判決も原告の請求を認めなかったが、前者は「法律上の争訟」にあたらないとし、後者は本案判断を行った。
  前者の判決が「法律上の争訟」性を認めなかった理由は「一般市民法秩序と直接の関係を有」しないというものであり、後者の判決が「法律上の争訟」性を肯定したのは「私法上の権利利益の侵害を理由とする国家賠償請求」であることが理由とされている。
  両者の違いについては、権利・利益の性質の違いや「内部事項」・「重大事項」といった処分の性格の違いによって説明しようとする見解もある。
  しかし、むしろ「懲罰や決議の効力それ自体を争うのではなく、市民法レベルでの損害賠償を請求する場合はどうであるかは同判決(村議会出席停止判決)の射程外と考えられる」との説明の方がよりよく符号するように思われる。すなわち、前者の判決は、議会内での発言の取消命令の取消請求が訴訟物であり、議会の内部規律そのものの効力が争われていたのに対し、後者の判決は、名誉毀損に基づく損害賠償請求が訴訟物であり「当事者の権利義務ないし法律関係の存否に関する争訟」であることは明らかであった。このように最高裁は、地方議会の内部紛争に関しては、基本的に、訴訟物が議会内部決定の効力を争うものか、一般民事法上の争いかどうかによって「法律上の争訟」性の有無を判断し、後者の場合、地方議会の自律性の保護は請求の当否をめぐる判断のなかで考慮するという姿勢を確立しつつあるといえよう。」
 
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2020年5月18日 (月)

【法律その他】 橋下徹さんが原告の事件ですね。。。

 判例時報No2434号で紹介された大阪地裁令和1年9月12日判決です。

 他人がした投稿を引用する形式で自己のアカウントから投稿する方法(リツイート)によりなされたツイッター上の投稿が、名誉棄損に該当するとして、民法709条の不法行為責任が認められた事例です。 

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(世田山)
 解説では以下のとおりコメントがされています。「ツイッター等のいわゆるSNSが普及している現代社会においては、市民が簡便・容易に情報を発信することができる一方で、その裏返して、内容の真偽を確認しないまま安易に当該情報を紹介・拡散してしまう危険性がある。本件のように、ツイッター上に他人が投稿したツイートをそのままリツイートした場合の当該リツイート者の責任の有無について判断した裁判例はあまり見られないが」「ツイーター上に他人が投稿したツイートをそのままリツイートした者にも一定の責任を認めたもの」
 
 裁判所は、「何らのコメントも付加せず元ツイートをそのまま引用するリツイートは、ツイッターを利用する一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準にすれば、例えば、前後のツイートの内容から投稿者が当該リツイートをした意図が読み取れる場合など、一般の閲読者をして投稿者が当該リツイートをした意図が理解できるような特段の事情の認められない限り、リツイートの投稿者が、自身のフォロワーに対し、当該元ツイートの内容に賛同する意思を示して行う表現行為と解するのが相当である」
 
 怖いですね。。。。

2020年5月17日 (日)

【行政】 保佐人の浪費費消で、市が訴えられる !?

 判例時報No2434号で紹介された大地地裁平成30年11月27日付判決です。被告の市にとっては、訴えられてびっくりしたのではないかと思います。

 ケースは以下のとおりです。

 交通事故により高次脳機能障害等の後遺障害の残存したXが、Xの妻であり保佐人であったAから、暴行・暴言等の身体的及び心理的虐待並びに交通事故に関して受領した損賠賠償金を無断で使用される等の経済的虐待を受けていたことについて、Y市がXからの虐待届出を受理すべき義務を怠って更なる虐待を惹起し、また、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律に基づいて行政指導を行うべき義務を怠り、経済的虐待が継続されてXの財産が散逸してしまったと主張して、Y市に対して、国賠法1条1項に基づいて、約2400万円程度の支払いをもとめた事案です。

 裁判所は、約400万円程度の支払いを認めています。

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(笠松山)
 

 

2020年5月16日 (土)

検察庁法の改正は、今は、やめてもらいたいです。

 検察庁法の改正が大きく問題になっております。検察庁法は司法試験でも余り取り扱いをしない法律なので、勉強不足のところがありますが、検察庁法を改めてみると、第15条で、検事総長の任免は、内閣が行うことになっております。定年は、第22条で、検事総長は65歳と規定されています。

 形式的に考えると、検察官の定年延長については、検察庁法の改正手続を国会で経れば、法律上は、問題がないように思います。

 検察庁に内閣のコントロールが全く及ばないとすれば、独善的な機関となりうる可能性があるため、検事総長の任免権が内閣にあるのは当然だと思います。

 しかしながら、この検察庁法の改正が、今噂がでている方を検事総長にするためのものであるとすれば、法律上は問題がないとしても、憲法上の問題は出てくるのではないかと思います。憲法の授業でも、検察官の職務については、準司法的性質を有するものだと習った記憶があります。

 検察庁は、内閣に任免権はあるとしても、検査官の準司法的性質を有する職責を考えると、時の政権の恣意的な判断によって、今取り出されている方を検事総長にするためのものだとすれば、検察庁への国民の信頼を大きく傷つけるものです。

 この疑惑が事実かどうかはわかりません。しかし、疑惑がある以上、真偽を確かめるために、国会での追及が必要でしょう。

 しかしながら、今、国会で優先的にしていただきたいことは、コロナ対策です。

 この時期に、政治的な思惑のために難しい政治問題を含む検察庁法の改正はやめていただきたいと思います。

 なお、森法務大臣は現在いろいろと非難を受けておりますが、法務大臣になる前の森さんのこれまでの活動や人柄などを鑑みると、内心は忸怩たる想いがあるのではないかと思います。

 政府が今優先してすべきことは、コロナの1日も早い収束、そして、大きく傷ついた企業や個人、日本で生活する人々の生活の立て直しだと思います。

 検察庁法の改正は、コロナが収束してから、国会でしっかり審議して、やっていただきたいと思います。

 

最近、セカンドオピニオンが増えています。

 ここ1,2年の傾向ですが、すでに依頼している弁護士の仕事ぶりに疑問がある等という理由で、田舎弁護士に相談されるセカンドオピニオンが増えております。また、前の弁護士を解任したので受けてほしいという相談も、軌を一にします。

 以前は、2,3年に1件あるかないか位の相談でした。ですが、最近では、2,3か月に1件くらいはあります。

 昔は、第1審で敗訴したから、第2審から引き受けてほしいというものがほとんどでした。依頼中のセカンドオピニオンはほどんどありませんでした。

 そして、依頼中のセカンドオピニオンは、依頼されている弁護士の「仕事ぶり」に疑問があるというのが大半です。

 今のご相談者の不満が多いのは、相談の時と受任後の対応が異なるというものです。

 担当弁護士と連絡がとれない、打ち合わせをしてくれない、アドバイスがない等というものが大半です。

 また、依頼人への、無神経な発言というのも、少なくありません。

 とはいっても、すでに依頼されている弁護士を解任ということになると、着手金やみなし報酬規定の問題もあることから、担当されている弁護士とよくご相談くださいとしかアドバイスができないのですが、不満を抱かれている法律事務所というのは、都会・地方問わず、概ね特定の事務所に限られているように思われます。

 弁護士にとって大切なのは、地域の、ご依頼していただける個人や法人様です。相手方から不満がでるのは仕方がありません。ご依頼人にとって味方であるはずの弁護士が、ご依頼人から不満を抱かれるというのは、弁護士としてあってはならないことと考えております。

 もちろん、田舎弁護士も、ご依頼人様からご依頼中に不満をぶつけられたことはあります。その場合には、ご依頼人様からの不満を打ち合わせで素直にお聞きし、至らない点については謝罪し、今後はそのようなことがないよう努めています。

 また、ご依頼事件においては、その都度、現在の状況や今後の流れなどを記載した打ち合わせメモを作成して、お渡しさせていただいております。

 そして、ご依頼人様から電話やメールがあれば、即日、遅くても翌日には、直接弁護士が返信するよう努めています。

 数ある法律事務所の中から選んでいただき、それ相応の弁護士費用をいただいておりますので、当然だと思っております。

 なお、ある論点で議論がないところについて、あるいは議論があっても実務上の考え方がわかれるようなところについては、最新の書籍なども分析して自分なりの見解を伝え、また、自らセカンドオピニオン(論点についての意見)を勧めることもあります。

 以上のとおり、ご依頼人様からのご依頼事件は、1件1件丁寧にオーダーメイドで対応させていただいております。

 おかげで、過去20年の間、ご依頼人様から、紛議調停や懲戒申し立てをされたことは1度もありません。

 とはいえ、ご依頼人様が不満を弁護士に伝えるというのはハードルが高いことですので、もしかしたら、内心は田舎弁護士にも不満に感じている方も少なくないのかもしれません。 

 セカンドオピニオンの相談は、いつもわが身のことと考えて、相談に対応させていただいております。 

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2020年5月15日 (金)

【金融・企業法務】 被用者から使用者に対する求償(逆求償)

 銀行法務21・5月号(No856)が届きました。

 Yは、大手の貨物運送会社ですが、そのトラック運転手Xが、Yの業務としてトラックを運転中訴外Aを死亡させる事故を起こしました。

 Aの相続人である長男は、なぜか、Xのみを被告として、損害賠償請求訴訟を提訴して、約1400万円の支払いを命ずる判決を言いわたしました。Xは、長男のために1552万円を弁済供託しました。

 Xは、これにより、Yに対する求償権を取得したとして、Yに対して、求償金の支払い等を求めました。

 しかし、原審は、被用者から使用者に対する求償(逆求償)を否定しました。

 最高裁は、被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え、その損害を賠償した場合には、被用者は、損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について、使用者に対して求償することができると判断して、原審の判断を破棄して、差戻しをしました。

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(笠松山)

 

2020年5月14日 (木)

弁護士であるY2が非弁護士(元弁護士)であるY1に自己の名義を利用させていたことから、依頼者Xとの間でトラブルが生じたという事例

 判例タイムズNo1470号で紹介された東京地裁平成30年9月10日判決(合議)です。

 中身もそうですが、関係者がすごすぎる。。。

 被告Y2(昭和14年生)・・・B事務所を開設。平成29年12月、本件とは別の事件処理に関し、売買代金を騙取した、非弁提携を行った等の理由から、業務停止6か月の懲戒処分。平成30年2月、自らの請求で弁護士名簿登録取消

 被告Y1・・・昭和39年弁護士登録、平成7年6月、本件とは別の事件処理に関して、清算金の支払いを約束しながら履行しなかったなどの理由で、退会命令の懲戒処分。Y1は、D事務所に客員参与として活動、D弁護士が業務停止1年の懲戒処分を受けた後は、B事務所の参与として活動。

 E・・・昭和51年に弁護士登録。平成5年ころ、除名の懲戒処分。Eは、B事務所の開設、運営に関与していたものです。

 依頼を受けた事案も、裁判上の和解を成立させておきながら、再審請求をしたいという超難事件です。なんと、Y1は、相談者から、500万円をかしてほしい、必ず1か月後に200万円の配当金をつけて返還するという信じられない説明をしております。

 Y2は、昭和51年ころ、Eを勤務弁護士として雇用していたが、Eが弁護士資格を失ってからも、Y2に事件をあっせんすることがあった関係です。Y2は、平成23年に軽度の認知障害と診断され、平成26年ころに古巣の事務所のパートナー弁護士から、物忘れがひどくなった、そろそろ弁護士を引退した方がいいといわれ、不満を感じて、独立を考えるようになったところ、Eにその旨を話をしたところ、Eから、そういうことから自分が新しい事務所を用意して事件をもってくる、自分にまかせてくれなどと言われ、まかせることになったようです。

 Y2は、Eやその友人の元弁護士などに氏名や職印を冒用させるなどして、その結果、使用者責任により巨額の損害賠償を求める訴訟数件や懲戒請求もされています。

 Y2が、あの時に、パートナー弁護士からの、弁護士を引退した方がいいといわれた言葉を反発することなく、素直に従っておれば、このようなトラブルにも巻き込まれることはなかったと思います。

 元弁護士の非弁が、判断能力が弱った弁護士を利用したという事案です。今回は、高齢者の弁護士ですが、若手弁護士も狙われるかもしれません。

 田舎弁護士を含めて、注意をしていきたいと思います。

 

2020年5月13日 (水)

【金融・企業法務】 債権執行における差押えによる請求債権の消滅時効の中断の効力が生ずるためにその債務者が当該差押えを了知し得る状態に置かれることの要否

 金融法務事情No2136号で紹介された最高裁令和元年9月19日判決です。 

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(笠松山)
 原審は、民法155条の「差押え、仮差押え及び仮処分は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知した後でなければ、時効中断の効力を生じない」と規定する法意から、債権執行における差押えによる請求債権の消滅時効の中断の効力が生ずるためには当該請求債権の消滅時効期間が経過する前にその債務者が当該差押えを了知し得る状態に置かれることを要すると判断して、Xの請求(請求異議訴訟)を認容したのに対して、
 最高裁は、債権執行における差押えによる請求債権の消滅時効の中断の効力を生ずるためには、その債務者が当該差押えを了知し得る状態におかけることを要しないと判断して、Xの請求を棄却しました。
 勉強になります💦

2020年5月12日 (火)

【金融・企業法務】 新型コロナウィルス問題と中小企業の再建

 金融法務事情No2136号のトッピクスで掲載された論文です。

 以下、概要を紹介します。

 新型コロナウィルス問題(本件問題)の長期化に伴い、資金繰り対策に奔走せざる得ない中小企業が増えておりますが、大きく分けて2つの対応があり、1つは資金調達の問題、もう1つは支出の削減・繰り延べの問題です。 

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(笠松山)
 資金調達については、公的金融機関の対応と問題点として、①そもそも業況が悪かった状態で本件問題が生じた場合と、②業況が悪くなかった状態で本件問題が生じた場合の2つのケースがあるということです。
 
 ①は、緊急融資に慎重な手当てが必要となるという問題が生じます。②についても、本件問題が解決すれば一件落着になりそうであるが、話はそう簡単でなく、本件問題を契機に日本経済のサイクル自体が新しい形態に移行している可能性もあることが指摘されています。
 また、安易に緊急貸し付けを行うと、モラルハザードや金融機関の財務内容も悪化させる可能性があることから金融機関の中には今回の貸付については優先性の確保を求める場合もあるということです。
 支出削減についても、①金融機関への元利金のリスケ、②営業時間の短縮・バイト費用の削減・正社員中心の運営・一部従業員への休職依頼、③賃料の削減依頼・賃料のリスケ等の方法が実施されています。
 そして、様々な手法を用いて資金繰りを乗り越えたとしても、次に問題となるのが、再建計画の立案です。なぜなら、本件問題が収束してもV字回復に向かわない場合が考えられるからです。
 多くの法律事務所にとっても、本件問題は悩ましいでしょう。

2020年5月11日 (月)

【行政】道路の占用料を、道路敷地の固定資産税及び都市計画税の額と同額と定めた当該占用料の納入告知が裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となるとされた事例

 判例時報No2435号で紹介された大阪地裁令和元年7月31日判決です。 

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(笠松山ふもとの古墳)
 本件においては、Yは、要するに、それまで免除されていた固定資産税等が賦課されることになったという一事のみをもって占用料の減免をしないこととし、かつ、固定資産税等の全額を占用料としてXに転嫁することとしたものであり、このような課程が合理的であったかといえるかが問題とされた事例です。
 本判決は、本件ビルの特殊性、Xが占用料の前払い的な性格を有するものと認められる多額の費用を分担したこと等が十分考慮されていないことに鑑みて、本件各納付告知は、いずれも、裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となる旨判断しております。
 なお、占用料については、道路法39条1項本文は、Yは、道路の占用につき占用料を徴収することができる旨規定し、道路法施行令19条1項は、占用料の額について規定している。その一方で、道路法施行令19条3項6号は、Yは、前記の額の占用料を徴収することが著しく不適当であると認められる占用物件で、国土交通大臣が定めるものについて、特に必要があると認めるときは、前記の額の範囲内において別に占用料の額を定め、又は占用料を徴収しないことができる旨規定している。道路法39条1項本文や道路法施行令19条3項の文言に加え、同項の定める占用料の減免の要件は、「特に必要があるとき」という抽象的なものを含む上、占用料をどの程度減額するかについて法令上の基準がないことなどに鑑みれば、占用料を徴収するか否か、およびこれを徴収する場合の額の決定は、Yの合理的な裁量にゆだねられているとされています。
 占用料を安くしたのはいかんという裁判かなと思ったら、反対でした。。。

2020年5月10日 (日)

【金融・企業法務】 民法910条についての最高裁令和元年8月27日付判決

 金融法務事情No2135号で紹介された最高裁令和元年8月27日判決です。

 解説は以下のとおりです。

 「民法910条は、相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有すると定めている。

  本件は、被相続人が死亡し、その法定相続人であった配偶者および長男が被相続人の遺産について遺産分割協議を成立させた後、認知の訴えに係る判決の確定によって被相続人の子として認知された原告が、長男を被告として民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額について、積極財産の価額から消極財産の価額を控除すべきか否かが争われました。

 最高裁は、遺産の分割の対象とされた積極財産の価額とすべきであり、消極財産の価額を控除すべきではないとして、これと同旨の原判決の判断を正当として是認し、消極財産を控除すべきであると主張した被告の上告を棄却しました。  Kimg2973 (笠松山)

 なんか、不公平だなと一瞬思いましたが、「すでに相続債務が弁済されていれば、被認知者が弁済した共同相続人に対して不当利得返還債務を負うことがあり得ると考えられるところ、当該共同相続人が民法910条の支払い請求の相手方であれば、相殺によって処理することが考えられ、本件でも、原審において、被告からこのような総裁の抗弁が予備的に主張され、その一部が認められている。」と解説されていました。

2020年5月 9日 (土)

「地域社会における地方銀行の使命」 IRC5月号

 IRC5月号の視点は、「地域社会における地方銀行の使命」というテーマの、株式会社伊予銀行の三好賢治頭取の論文が掲載されていました。

 伊予銀行においても、人口減少、少子高齢化、グリーバル化などによる構造変化や、社会経済が成熟化する現在、地域の課題は多様化、高度化しており、伊予銀行においても、それぞれの課題に対するソリューション、価値提供を行っております。

 具体的には、ビジネスマッチング、事業承継、M&A、ICTコンサルティング、人材紹介などのソリューションメニューの拡充をはかり、潤いと活力のる地域の明日を創っています。

 そして、今、新型コロナウィルス感染拡大により、地域に深刻な影響が出ている中、地域に貢献するという気持ちを持って、地域のお客様の相談に真摯に対応して、この難局を乗り越えていくために、地域のお客様の皆様とともに歩んでいく。

 以上のことを、三好頭取は述べられています。

 田舎弁護士の仕事、つまり、リーガルサービスにおいても、多様化、高度化している課題に対応するソリューションや価値提供を行っていけているのだろうかと、反省することが少なくありません。

 毎月送られてくるIRCをしっかりと読み込んで、良質なリーガルサービスの提供に心がけたいと思います。

 

2020年5月 8日 (金)

企業というのは社会の役に立って初めて存在価値がある  IRC4月号

 IRC4月号に(株)フジの尾﨑英雄会長のインタビュー記事が掲載されていました。

 尾﨑会長は、「企業というのは社会の役に立って初めて存在価値がある」 もう少し具体的にいうと、「本当にお客様に喜んでもらえる商品やサービスをそろえ、感動と一緒に届けることが地域貢献であり、そうすることで地域が元気になる」と述べておられます。

 インタビュー記事は、フジの創業の経緯から始まります。初代社長である尾山謙造氏が、昭和42年10月に、第1号店としてフジ宇和島店をオープン以降、県内各地に積極的な出店を続けました。昭和42年というと、田舎弁護士が誕生した年ですから、フジと田舎弁護士は同級生ということになります。

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(フジ宇和島店) 

 2代目の尾山悦造氏のもとで、昭和56年に念願の広島に出店し、昭和59年に高知県、昭和62年に山口県、平成11年に香川県、平成13年に徳島県に出店し、中四国での経営基盤を確立しました。そして、平成9年には東京証券取引所と大阪証券取引所第1部に上場しました。

 平成20年には売上350億円のエミフルMASAKIをオープン、平成19年にはレデイ薬局と資本提携、平成27年にはツルハとの業務提携、平成30年にはイオンとの資本業務提携を締結されました。

 今後のフジは、リアル店舗の魅力を磨き、新たな取り組みにも挑戦し、地域との連携を強化し、未来志向のために常に機会志向で可能性とリスクを考え挑戦し続け、100年企業を目指していきます。

 フジは、創業以来、一貫として地域貢献を第一に考え、社会の役に立つ、この地域になくてはならない存在になる、そうすれば、必ずお客様がフジを利用して下さるという、まさに尾山謙造氏の「商いとは売ることなり」を体現してきました。

 尾﨑会長は以上のことをお話をされています。

 尾﨑会長のインタビュー記事を読んでものすごく感じたのは、フジが地域の支えによって成り立っていること、今後も、地域と一緒に強くやさしくなっていくということです。  

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 田舎弁護士は、フジと同級生ではありますが、田舎弁護士が経営する法律事務所は昨年で20周年を迎えたばかりです。

 しまなみ法律事務所が提供しているサービスは、地域のお客様に喜んでもらえているだろうか、地域のお客様に感動を一緒に届けられているだろうか、そして、その結果、地域が元気になつているだろうかと、考えました。

 法的なトラブルを抱えている方は、心身共に、疲れ果てています。そのような相談者や依頼人の気持ちに十分に配慮できているだろうか。また、提供するサービスの質についても、良質なものが提供されているだろうか。日々、反省することが少なくありません。

 尾﨑会長からは、田舎弁護士に、「赤ひげ たれ」とアドバイスをいただいたことがあります。昭和40年に公開された映画ですが、「原作は山本周五郎の『赤ひげ診療譚』(新潮社ほか)で、江戸時代後期の享保の改革徳川幕府が設立した小石川養生所を舞台に、そこに集まった貧しく病む者とそこで懸命に治療する医者との交流を描く。決して社会に対する怒りを忘れない老医師の赤ひげと、長崎帰りの蘭学医である若い医師・保本登との師弟の物語を通して、成長していく若い医師と貧しい暮らしの中で生きる人々の温かい人間愛を謳いあげた」ものです。

 田舎弁護士の世代だと、おそらく、NHKで放送された「大草原の小さな家」のベイカー医師のような存在といえば、わかりやすいのかもしれません。病気で苦しんでいれば、人間だろうと動物だろうと誠実に治療にあたり、治療費も金銭的に困っている方であれば料金らしいものはとらない、まさに、アメリカ版「赤ひげ」のような方でした。

 田舎弁護士の場合は、現在のところ、弁護士費用については、十分に時間をかけることができるよう、相応の費用をいただいているので、なかなか「赤ひげ」までのレベルには達せられません。

 地域の皆様に、リーズナブルな価格で、良質な、そして、あたたかいリーガルサービスが提供できるよう、努力していきたいと思います。

 

2020年5月 6日 (水)

【法律その他】 業務委託契約において、消費税相当額に対応する合意を行っていなかった場合に、消費税法に基づき、業務委託報酬として、消費税相当額の支払いを求めることは認められないとされた事例

 判例時報No2436号で紹介された大阪地裁平成31年1月25日判決(確定)です。

 事案は、被告である日本放送協会の放送受信料の集金、放送受信契約締結の取次等の業務を受託していた個人事業者である原告らが、被告から支払いを受けるべき業務委託報酬として、消費税相当額が支払われていないとして、被告に対して、消費税法に基づき、消費税相当額の報酬支払いを求めたという事案です。

 裁判所は、業務委託契約において、消費税相当額に対応する合意を行っていなかった場合に、消費税法に基づき、業務委託報酬として消費税相当額の支払いを求めることは認められないと判断しております。

 解説によれば、「消費税相当額分につき、対価の一部として明示的に定めていたにもかかわらず、その部分だけ支払わなかった場合であればともかく、そうではない場合には、消費税法に基づいてこれを消費者である被告に請求できる権利は認められないものとした」とコメントされています。

 勉強になります。 

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(今治・水大師)

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