【金融・企業法務】 私的年金契約に基づく年金債権が差押禁止債権(民事執行法152条1項1号)に該当しないとされた事例
金融法務事情No2110号で紹介された東京高裁平成30年6月5日決定です。
私的年金契約に基づく年金債権について、原審は、差押えの対象となる本件債権が差押禁止債権に該当するとして、その4分の1の限度で差押えを認め、その余の申し立てを却下しました。
これに対して、本件債権のうち、4分の3の差押を却下した部分について執行抗告を申立てをしました。
東京高裁は、本件債権が民事執行法152条1項1号所定の差押禁止債権に該当しないとして、本件債権の4分の3の部分を含めて債権差押えを認める変更決定をしました。
本決定は、上記判断の根拠として、本件保険契約は、債務者の祖母が贈与税圧縮するために締結したもので、債務者に対して年金保険の形式で生前贈与したものであること、債務者は本件債権を受給しなくても生活に貧窮する状態ではないことを挙げています。
« 榎本保郎 牧師 との想い出 | トップページ | 【金融・企業法務】 自賠と労災との関係 最高裁平成30年9月27日判決 »
最近のコメント