【倒産】 法律事務所が、国を訴えた事例!?
金融法務事情No2083号で紹介された東京高裁平成28年3月23日判決です。
破産の申立代理人の法律事務所が、財産散逸防止義務違反があったということで、破産管財人から訴えられたという事案です。
(日比谷公園・松本楼)
10年程前から、法律事務所の不祥事が続いている印象を受けます。これも、申立代理人が、管財人や国を訴えるという事案です。少なくとも田舎弁護士が開業した20年程前にはきいたことがないような裁判です。弁護士が事実上裁判所を敵にするわけですから、よほど勝算がなければ通常はやらないと思います。
判決要旨は以下のとおりです。
破産裁判所の裁判官による破産法78条2項10号に基づく訴えの提起についての許可は、
事柄の性質上、争訟の裁判と異なるものではないから、国家賠償法1条1項の違法性が認められる要件については、争訟の裁判と同様、
当該裁判官が違法または不当な目的をもって裁判したなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に背いてこれを行使したと認め得るような特別な事情があることが必要であるところ、
破産裁判所が破産管財人の破産申立人に対する訴えの提起および仮差押命令の申立てを許可したことについて、上記の特別の事情があるとは認められないから、同項の違法性は認められない。
(松山城)
判決文の内容は、違和感のないものであり、正当だろうと思いました。
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