【倒産】 今治海事クラスターにみる村上水軍の系譜
金融法務事情No2078号に、園尾隆司弁護士の論説文 今治海事クラスターにみる村上水軍の系譜が掲載されていました。
園尾弁護士は、倒産法の大家の元裁判官というイメージがありますが、ご出身は四国・徳島のようです。
同論説の前書きを紹介します。
「今治海域の島々と沿岸部を市域とする愛媛県今治市は世界4大船主都市の1つに数えられており、その中核に村上水軍の末裔といわれる方々が存在する。しかし、村上水軍は豊臣秀吉の海賊禁止令により中世末に瀬戸内海から放逐されて滅亡したというのが文献上の通説であり、村上水軍と今治海域を結ぶ直接の史料・記録はない。にもかかわらず、今治の地元では村上水軍の末裔がこれを支えていると信じられている。」
「筆者は、国際海運会社の民事再生事件を代理人の一人として担当し、その事件の債権者で、再生債務者の自主再生に理解を示して多額の資金提供をしてくれた今治の船主の方々と接する中で、村上水軍と村上水軍哲学の存在を感じてきた。その後、たちたび今治海域の島々を訪れ、史料・記録に表れない江戸時代の村上水軍の存在について聞き取り調査を行う中で、村上水軍が江戸時代を生き抜いてきた事実及び村上水軍哲学が倒産手続における日本型債権者行動の起源の1つであることに行きあたった。」
すごいことが書かれています。
「日本の保有外航船舶の3分の1がここで保有されており、日本で建造される船舶の17%がここで建造されている。世界に目を転じると、北欧、香港、ビレウス(ギリシャ)、と並んで、今治は、世界4大船主都市の1つである。」
確かに、今治地域においては、今治人の田舎弁護士からみても、造船、海運が盛んのようにみえます。都会の海事を専門とする法律事務所も、2つも支店を出しており、また、ロイドや大手商社の営業所もあります。
弁護士の関連からすれば、昨今の司法改革の影響で、今治地区は、急激に弁護士の数が増加したところでもあります。
都会の大手の法律事務所も、非常に関心をいだいている地域であり、また、園尾弁護士が所属する事務所は、いわゆる4大法律事務所の1つでもあります。
このように、厳しい環境にありますが、田舎弁護士も、村上水軍の末裔として、豊臣秀吉のような大きな法律事務所に対して、縦横無尽に、闘っていきたいと思います。
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