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2016年11月13日 (日)

【流通】 宿泊施設での価格表示について (*´ω`*)

 最近、ネットの旅行社を通じて、宿泊予定地域の複数の宿泊施設、また、同じ宿泊施設の中での複数のプランの内容を比較検討して、もっとも合理的と思われるプランを選択して申し込むことが当たり前になっております。

 また、申し込みの際に、先行してクレジット払いを要求するプランもありますが、このタイプのプランはキャンセルをすると返金がなされない場合も少なくないので注意が必要です(反面、申込者がリスクを負担する以上、このようなプランは、相当料金を割り引いている場合が少なくありません。)。

 例えば、年末に県外に宿泊するために、10月初旬ころに、例えば、宿泊日から15日前予約ということで、15%割引(仮)というプラン(Aプラン)が出ており(但しクレジット決済が前提。キャンセルしても返金なし)、その時点での、当該施設のプランの中では、経済的に最も負担が小さいこと(仮に3万円とします)から、Aプランを選択したとします。

 ところが、11月初旬に入って、Aプランと全く同じ内容で、さらに安いBプラン(仮に2万円とします)が表示されていたとします。

 10月初旬時点で、申し込む者の意識としては、決済方法はクレジットのみでしかもキャンセルしても返金なしという内容であること、Aプラン申込みの時点では「あと残り2つ」と表示されていること、さらに、Aプラン発売の文言にも販売価格が安いことを謳っていることからすれば、当該宿泊施設においては、Aプラン以上得なプランは発売されないであろうということを信じて、申し込むものだと容易に想像できるところです。

 ところが、Aプランが発売されてわずか1ヶ月も経過しないうちに大幅に安いBプランが発売されたとすれば、消費者としては、リスクを負担させられており、騙されたと思ってしまっても仕方がないように思います。

 年末直前になって、予約を埋めるために、急きょ、Bプランを提示したというのであれば、まだ理解できなくはありませんが、宿泊日よりもかなり以前の段階でBプランを提示されると、Aプランはキャンセルができないプランであることから、Aプランの申込者としては大きな不満を抱くことになります。

 不満をいだく以上、これについてはクレームとなり、口コミ等に記載され、それを見た他の消費者からは警戒されかねません。

 では、この場合はどうでしょうか。例えば、Bプランの説明についても、Aプランと同じく割引価格として15%(仮)と表示されていたとします。

 この場合には、景品表示法の「有利誤認表示」の問題が出てくるのではないでしょうか。

 景品表示法第4条第1項第2号は、不当表示として、「商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの・・・よりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示」は、有利誤認表示として禁止されています。

 価格に関する有利誤認表示については、価格表示ガイドライン を平成12年に公正取引委員会が公表し、現在は、消費者庁 がそれを承継しております。

 この事案の場合、本来あるべき価格よりも割り引いていることから二重価格表示の問題となります。

 まず、Aプランは、15%引きになっておりますが、そうすると、過去の販売価格等を比較対照価格としていることになります。

 価格表示ガイドラインは、過去の価格を比較対照価格とする二重価格表示については、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」(最近相当期間価格)という概念をおいて、それを前提に割引率を算出するように定めています。

 最近相当期間とは、セール開始時点からさかのぼる8週間についての検討が必要ですので、その期間において最近相当期間価格を算出しなければなりません。

 次に、Aプラン及びBプランともに、15%割引でありながら、実際の販売価格は大きく異なっております。

 しかし、これであれば、算出の基礎となる価格が2とおり存在することになり、それについての合理的な説明が必要であり、それができなければ問題があります。

 表示については消費者はそれを信頼して商品や役務の提供を受けるわけですから、それが法律に違反していたり、或いは、道義的に問題があるようなものであれば不信や不満を抱くだけになります。

 そういえば法律事務所も不当表示について消費者庁から指摘を受けたことが報道されていました。田舎弁護士も反面教師にならないよう、表示には注意していきたいと思います。

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                   (桂浜)

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