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2016年1月 4日 (月)

【金融・企業法務】 日本公認会計士協会からの回答 NO1

 先日、日弁連ライブ研修「弁護士が理解しておくべき監査法人の監査の実務」について、受講した田舎弁護士が(恐れ多くも)3点質問をさせていただいていたところ、日本公認会計士協会から回答が届きましたので、ご紹介させていただきます。的外れの質問だらけだと思いますが、日本公認会計士協会からは丁寧な回答をいただいておりますので、恥を忍んでご紹介させていただきます。coldsweats01

 質問1

 レジュメP21ですが、「重要性の基準値」、「手続実施上の重要性」、「集計しても明らかに財務諸表に重要な影響を与えないと想定する虚偽表示の金額」について、以下の点をご教示下さい。

 「重要性の基準値」については、この金額を超える虚偽表示が発見された場合には、監査意見に影響するという目的を有するということですが、「手続実施上の重要性」はどのような目的を有するのかがよくわかりません。「重要性の基準値を上回る可能性を適切な低い水準に抑えるため」と説明されていますが、今一つ理解できません。また、「集計しても明らかに財務諸表に重要な影響を与えないと想定する虚偽表示の金額」の意味として、「重要性の基準値よりごく少額な水準をいう」と説明されていますが、例としてあげている「1億円」が、重要性の基準値の例としてあげている「20億円」に比してごく少額な水準と評価できないように思えます。レジュメP22の「特定割合」にも関係しますが、例えば、例としてあげている5%とか2.5%は監基報で例示されているものなのか、それとも個々の会社によって異なるものなのかをご教示下さい。

 回答

 監査の計画や実施の段階で使用する重要性については、監査基準委員会報告320「監査の計画及び実施における重要性」にて定められています。

 「手続実施上の重要性」はレジュメに記載の定義が監基報320第8項(3)にて明示されています。財務諸表における勘定残高や開示等に対して実施する監査手続においては、何らかの基準を持って、例えばその監査手法、監査実施時期及び監査サンプル数等を決定していくことになります。

 当該基準は、質的なものと量的なものがあり、

 前者は、リスク評価手続において、固有のリスクや統制リスク等を勘案することになりますが、

 後者は、何らかの数値的な重要性が必要になります。

 当該重要性を、「手続実施上の重要性」として、「重要性の基準値」より低い金額を監査人が設定することになります。この手続実施上の重要性は、単一のものではなく、複数設定されることもあります。

 例えば、100億円の勘定残高に対する監査手続を検討するに際して、適用する「手続実施上の重要性」を10億円とします。ここでは例を単純化するために、重要な虚偽表示リスクが低いという前提で考えます。

 監査手続の決定は、監査人による判断によりますが、100億円の勘定残高のうち、詳細テストの対象とならない残高合計を10億円未満とするように特定項目抽出による試査(例えば、残高を構成する金額降順に監査手続を適用し、合計残高が90億円を超えるようにする)を実施するという監査計画が想定されます。

 この場合、100億円の残高のうち、監査対象とした90億円の虚偽表示が発見されなければ、手続未実施の残高10億円に虚偽表示が発見されたとしての、最大の虚偽表示額は、10億円であり、当該金額は、「重要性の基準時」より小さい金額であるため、監査意見に影響することにはなりません。

 当然、財務諸表は複数の勘定科目から構成されますので、それが集計される場合に「重要性の基準時」を超えるリスクを十分に考慮した上で、「手続実施上の重要性」を決定する必要があります。

 「集計しても明らかに財務諸表に重要な影響を与えないと想定する虚偽表示の金額」は、「重要性の基準値」よりごく少額な水準(監基報450A2項)であることが求められます。これは、個別の虚偽表示を集計した総額が、容易に「重要性の基準値」を超えることがないようにするためです。したがって、リスク評価手続を通じて監査人の判断により設定されることになります。

 今回の研修では、何らかの数値例を示すことで受講者にイメージをつかんでいただくために、「重要性の基準値」を20億円、「集計しても明らかに財務諸表に重要な影響を与えないと想定する虚偽表示の金額」を1億円としていますが、監査基準や監基報において、具体的な割合が決められている、もしくは例示が示されているということはありません。

 なお、レジュメにおける「特定割合:で、5%や2.5%を数値例として使っていますが、こちらも監査基準や監基報において、具体的な割合が定められているわけではなく、監査人の判断により決定されるものです。これをレジュメで示した目的は、上述と同様です。

 ちなみに、監基報320第A6項において、「例えば、監査人は、製造業を営む営利を目的とする企業においては、税引前利益を指標する場合には5%が適切であると考えることがあるが、状況によっては、これとは異なる割合が適切であると判断することもある。」との記載があります。

 丁寧な回答、ありがとう!

 Kimg0483                        (日弁連会館)

 

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