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2015年10月30日 (金)

【金融・企業法務】 コーポレートガバナンス・コードと独立社外取締役

 東証が策定したコーポレートガバナンス・コード(以下、「コード」といいます。)は、「基本原則4」として「取締役会等の責務」を定めております。

 「基本原則4」は、さらに14の原則から構成されていますが、そのうち、3つの原則が直接、独立社外取締役に関するものです。

 「原告4-7」は、「独立社外取締役の役割・責務」を定めています。具体的には、

(ア)上場会社に対して、

(イ)独立社外取締役には特に以下の役割・責務が期待されることに留意しつつ、

① 経営の方針や経営改善について助言すること

② 経営陣幹部の選解任その他の取締役会の重要な意思決定を通じ、経営の監督を行うこと

③ 会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反を監督すること

④ 独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に反映させること

(ウ) 独立社外取締役の有効活用を図ることを求めています。

 「原則4-8」は、「独立社外取締役の有効活用」を定めています。

 1例をあげると、

(ア) 独立社外取締役に対し、

(イ) 会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するような役割・責務を果たすこと

を求め、

(ウ) 上場会社に対し、

(エ) その資質を備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すること

を求めています。

 そして、さらに、2つの補充原則を定め、独立社外取締役の有効活用をするための取組を定めております。

 「原則4-9」は、「独立社外取締役の独立性判断基準及び資質」について定めています。

 独立性判断基準については、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえて、独立性判断基準を策定・開示することが求められています。

 東証が定めている独立性基準は、上場管理等に関するガイドラインにおいて定められており、例えば、「C 上場会社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者をいう。)」と定められています。

 従って、上場会社と顧問契約を締結している弁護士法人に所属する弁護士の場合は、「多額の金銭を得ている」と評価された場合には、独立性を有しないということになります。

 基準については各社の判断に委ねられていますが、例えば、日本航空㈱の場合には、取引高の1%を超えた場合には独立性基準に抵触しますので、例えば、売上高2億円の弁護士法人が当該会社から200万円を超えた報酬をもらった場合には、日本航空では独立役員ではなくなりそうです。

 なお、独立性基準については開示すべきとされていますので、顧問弁護士を独立役員としている上場会社の場合には、注意が必要です。

2015年10月29日 (木)

【金融・企業法務】  御社は「内部通報制度」を整備されていますか!?

 東京証券取引所が策定したコーポレートガバナンス・コード(以下、「コード」という。)が平成27年6月1日から施行されました。

 コードは上場会社のコーポレートがバンスに重大な影響を及ぼしうる原則を幅広く含んでいるために、実務上様々な対応が求められています。

 コードは、全部で73の原則からなります。この73原則は、抽象度・具体度に応じて、5つの基本原則、30の原則、38の補充原則という3つの階層で構成されています。

 「基本原則2」として、株主以外のステークホルダーとの適切な協働が定められています。その中に、「原則2-5」として、「内部通報」が定められています。

 「原則2-5」は、上場会社に対して、①従業員等が不利益を被る危険を懸念することなく、違法または不適切な行為・情報開示についての情報や疑念を伝えることができるよう、②また、伝えられた情報や疑念が客観的に検証され適切に活用されるよう、内部通報に係る適切な体制整備を行うことが求めています。

 従って、御社において、もしまだであれば、速やかに、本原則に従って、内部通報制度を構築する必要があります。

 また、「補充原則2-5①」は、上場会社に対して、①内部通報体制の一貫として、経営陣から独立した窓口を設置すること、②情報提供者の秘匿と不利益取扱いの禁止に関する規律を整備することを求めています。

 このような内容をもつ内部通報制度は、多くの上場会社においても、すでに対応されていると思いますが、もしまだであれば、本補充原則2-5①に即した内部通報制度を整備する必要があります。

 コーポレートガバナンス・コードの読み方・考え方(商事法務)P81には、「このうち①通報窓口の整備については、本補充原則が例示するように、社外取締役と監査役による合議体を窓口とすることのほか、監査役を窓口とすること、内部監査部門を窓口にすることなどが考えられる。また、社外の法律事務所に委託する例も増えている。」と紹介されています。

 内部通報の窓口については、例えば、㈱フジ(東証一部上場)では、社内窓口と社外窓口の2通りの窓口を用意して、社内窓口は内部監査部門、社外窓口は社外の法律事務所である当事務所に委託されています。

 社外の法律事務所であれば、従業員や取引先も気兼ねなく通報ができることから、窓口のチャンネルは複数あることの方が望ましいと考えています(会社にとっては負担は大きくなりますが)。

 コードは、東証が策定したものであるため、上場会社向けではありますが、内部通報制度は内部統制システムの1つとして必要不可欠なものであることから、上場会社以外も、様々なステークホルダーとの適切な協働を志向される企業様も、内部通報制度をもうけられることをご検討されたらどうかと思います。

 内部通報制度の整備の仕方、内部規程等の策定の方法等ご不明な点がありましたら、当事務所にご相談いただければと思います。

2015年10月28日 (水)

【法律その他】 個人情報保護法の改正!?

 改正された個人情報保護法が9月3日に成立しました。

 全面施行は平成29年からですが、平成27年1月から少しずつ施行していくようです。

 個人情報保護については時折セミナーの講師を担当させていただくことがありますが、今回の改正はマイナンバーの改正とからみ規模が大きいので、再度勉強しておく必要がありそうです。

 とりあえず日弁連発行の自由と正義9月号から、消費者庁の担当官による論文から目次だけでも拾い上げたいと思います。

1 個人情報の定義の明確化

 ① 個人情報の定義

 ② 要配慮個人情報

2 適切な規律の下での個人情報等の有用性確保

 ① 匿名加工情報

 ② 個人情報保護指針の作成、公表、届出

3 個人情報保護の強化

 ① トレーサビリティの確保

 ② データベース提供罪の規定

4 個人情報保護委員会の新設とその権限

5 個人情報の取扱いのグローバル化

 ① 域外適用

 ② 執行協力

 ③ 外国事業者への第三者提供

 ④ 国際的整合のとれた制度の構築

6 その他の改正事項

 ① 第三者提供の際の届出

 ② 開示の求め等

 ③ 5000件要件の撤廃

 ④ 利用目的変更

 ⑤ 不要となった個人データ消去の努力義務

 個人情報保護法関連の書籍は数多く所持していますが、あ~あ~ またも、買換が必要です。。。。

 ただ、個人情報保護法関連は、当事務所では、紛争性のある事案を取り扱うことがなく、もっぱら、セミナーや顧問先様の契約書や約款等のチェックにとどまっているので、投資回収が図れない分野の1つでもあります。

 今度の改正で、データーベース提供罪が新設されたり、また、開示の求めについて個人情報保護法が裁判規範性が認められることになったことから、今後は、紛争性のある事案も取り扱うことができるかもしれません (^_^;) 。 万が一、ご依頼があった場合に、速やかに対応できるよう、勉強しておく必要があります。。。

引き続き、新人弁護士さんを募集しています (^o^)

 先日、東京から、司法試験に合格された方が面接のために訪ねてきました。

 面接の後、今治国際ホテルで、池田弁護士と一緒に美味しい中華ランチをとりました。

 その後は、しまなみ海道(大山祇神社)を案内させていただきました。

 夜は、郷土料理のお店で、家内と一緒に食事をとりました。

 交通費と宿泊費は事務所にて負担しますので、我こそは!と思う方は、どうぞ     (^o^)

 ただし、業務の際に、私の事務所が要求する水準は、高いレベルを要求しています   (^_^;)

2015年10月27日 (火)

【金融・企業法務】 相続預金払戻拒否による金融機関の不法行為責任!?

 金融法務事情No2026号で紹介された大阪高裁平成26年3月20日判決です。

 預金払戻拒否行為が不法行為となるかどうか?という論点です。

 一般的には、「原則として、預金の払い戻しについては債務不履行を認定しつつも、金銭債務の不履行が不法行為となるのは、履行拒絶行為が公序良俗に違反する態様でされたというべき特段の事情が認められる例外的な場合に限られるとして、弁護士費用等の、法定利率を超える損害賠償を否定してきたといえる」としてコメントされています(堂園論文本書P8)。

 大阪高裁は、Y銀行は、甲の死亡による相続開始によりXが法定相続分2分の1について当然に甲名義の普通預金を分割取得し、法律上、Xの預金分割払戻請求を拒むことができないことを十分認識しながら、

 後日の紛争を回避したいという自己都合から他の法定相続人Aの同意ないし意思確認ができない限り、預金分割払戻請求には応じられないという不合理な理由で頑なに拒絶し、殊更故意にXの預金債権に対する権利侵害に及び、Xをして預金払戻しの本件訴訟の提起ならびにその追行に要する弁護士の選任および弁護士費用の負担を余儀なくさせ、財産上の損害を与えたのであるから、

 上記預金分割払請求があった日からさらに預金手続きに要するであろう期間2か月程度が経過した時点で、単なる債務不履行の域を超えて不法行為が成立する。

 不法行為まで認定した高裁事例は他には見当たらないとのことです。

今治市建築審査会委員を拝命しました

 平成27年10月14日、引き続き、今治市建築審査会委員を拝命しました。

 任期は、2年です。

 頑張ります。

2015年10月26日 (月)

【弁護過誤】 不動産の競売手続申立の依頼を受けたのに、自己入札まで受けたことにされるの!?

 判例タイムズNo1415号で紹介された東京地裁平成25年4月22日判決です。

 弁護士Yが、X(外国人)から、元金1億円の被担保債権について抵当権を有する別紙物件目録1~36記載の土地建物を目的とする不動産競売申立事件の処理を、着手金105万円で受任をしました。

 不動産競売申立てを行ったところ、裁判所が目録1~5、36(不動産1),と目録6~35の不動産(不動産2)の2個の売却単位に分けられて売却されることになりました。

 Xは、不動産2個の買受けの申し出保証として、保証金の合計額をまとめて金融機関に振り込んだために、不動産1については競落して、不動産2については一旦取り下げして、再度申立を行い、不動産2についても競落しました。

 Xは、Yに対して、不動産の入札手続に係る事務まで依頼をしたと主張し、そうでなくても、入札手続について説明すべき信義則上の義務を負っていたと主張して、約290万円弱の損害を弁護士Yに対して請求したという事案です。

 裁判所は、Xの主張は認めませんでした。

 しかしながら、このような訴訟の被告となっていまった弁護士Yの負担も決して小さくないと思います。

 「近年、弁護士人口が増加するに伴い、弁護士の債務不履行や付随義務違反などを主張して紛争に至る事例は増加するものと予想されるところであり、本判決は、契約書の内容のみならず、法律相談におけるやりとりや委任事務に係るその後の経過をも踏まえて弁護士業務における委任契約の範囲、信義則上の付随義務違反の有無を判断した事例として実務上の参考になると思われる」とコメントされています。

 難しい問題ですが、外国人など特にコミニケーションに問題が生じうるようなケースの場合には、特に慎重に対応すべきでしょう。

2015年10月25日 (日)

【倒産】 民事再生と消滅時効の延長!?

 判例タイムズNo1415で紹介された東京地裁平成26年7月28日判決です。

 この判決は、再生計画認可の決定が確定し、再生債権に基づき再生計画の定めによって認められた権利に基づき再生計画の定めによって認められた権利については、再生債権者表の記載は確定判決と同一の効力を有するので、再生債権者表に記載された債権の消滅時効期間は、民法174条の2第1項により10年となるところ、再生債権者表に記載された債権を主債務とする保証債務の消滅時効期間は、民法457条1項に顕れるところの消滅時効制度の適用場面における保証債務の附従性から延長の効果が生じ、10年となると判断しました。

 当然のことだと思いますが、この点について直接判断されたものがなかったようです。

2015年10月24日 (土)

【法律その他】 第1回調停期日で調停を打ち切った措置!?

 判例タイムズNo1415号で紹介された最高裁平成27年3月5日判決です。

 判決要旨を紹介いたします。

 公害紛争処理法26条1項に基づく調停において、調停委員会が、調停期日への出席を求めるに当たり、「出席する意志がある場合は、下記の日時・場所へお越しください。」等の記載をした期日通知書を被申請人らに送付し、第1回調停期日において調停を打ち切った措置は、(1)~(3)など判示の事情の下では、その裁量権の範囲を逸脱したものとはいえず、国賠法1条1項の適用上違法であるとはいえない。

(1)当該調停に係る紛争は、相当以前に処分された産業廃棄物等に係るもので、それらに対する被申請人らの関与の態様や程度は様々である上、被申請人らはいずれも、調停委員会からの事前の意見聴取に対し、調停に応じない旨の意思を明確にしていた

(2)調停委員会が期日通知書に「出席する意志がある場合、」との文言を含む記載をしたのは上記(1)の意思を明確にしていた被申請人らに対して手続への参加を強制されたとの誤解を与えないようにとの配慮に基づくものであった

(3)被申請人らは、いずれも第1回調停期日に出席しなかった。

 なんと、原審の高松高裁は、「出席する意志がある場合」という記載をしたことと、第1回調停期日で調停を打ち切ったということが、調停委員会の裁量の範囲を逸脱しているとして、1人あたり慰謝料を10万円認めていたのです。

 当・不当の問題は生じるでしょうが、違法とまではいえないという事案であることが判決文からは明らかだと思うのですが、何か背景事情があったのでしょうかね。

2015年10月23日 (金)

【消費者法】 借りていた債権が他のサラ金に譲渡されてしまった場合!?

 判例タイムズNo1415号で紹介された最高裁平成27年6月1日判決です。

 過失又は重過失ある譲受人が民法468条1項前段により保護されるか否かについては、学説上、A善意説、B善意無重過失説、C善意無過失説の3説が存在しており、私の感覚では、Bか、Cかどちらかの裁判例が多かったように思います。

 サラ金の場合、債権が他社に譲渡されることも相当数あり、債権譲渡にかかる契約書には、異議ない承諾が盛り込まれていることが通常だからです。

 最高裁は、債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合において、譲渡人に対応することができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても、このことについて譲受人に過失があるときは、債務者は、当該事由をもって譲受人に対抗することができる と判断しました。

2015年10月22日 (木)

【交通事故】 乗用車に逆突された男子勤務医のうつ病との因果関係を認め、12級13号認定し、被告の素因減額の主張を否認した事例 東京地裁平成27年2月26日判決

 自保ジャーナルNo1950号で紹介された東京地裁平成27年2月26日判決(合議)です。

 判決要旨を紹介いたします。

 ① 男子脳外科勤務医の原告は、平成20年9月27日、乗用車を運転中、後退してきた被告乗用車に逆突され、非器質性精神障害の自賠責12級13号認定も、脊髄損傷及びうつ病を残したとする事案につき、

 原告は、脳神経外科医であるところ、本件事故後に右手指のしびれ等の自覚症状があったため、精査目的で入院し、これに伴い勤務先の病院を休職する中、右手指等の症状が続き、仕事に復帰できるか不安になったことから、入院中に抑うつ状態となり、退院後も抑うつ状態が続いて退職することになり、 更に症状が悪化し、精神科専門医から、うつ病と診断され、平成21年7月3日、症状小手診断を受けるに至ったものであるとし、

 原告が脳神経外科医として手術を実施するなどの必要上、手指の機能・感覚の異常等を精査するため入院する必要性があったということができ、これによって休職し、復職への不安等から抑うつ状態となったことのほか、精神科専門医受診の経緯及び診断内容等に照らすと、

 本件事故とうつ病の発症との間の相当因果関係を認めるのが相当であると、事故とうつ病発症との因果関係を認めました。

 原告の後遺障害につき、原告は、本件事故によりうつ病を発症したことが認められる。認定事実によれば、うつ病は、平成21年7月3日後遺障害等級12級13号の後遺障害を残して症状固定したものと認めるのが相当であると12級13号後遺障害を認定しました。

 被告主張の原告の性格・器質等についての素因減額に対しては、

 脳神経外科医である原告にとって、右手指の自覚症状は原告の職業生活を左右しかねないものであることに加え、前記認定の本件事故後の治療の内容、症状の推移、症状固定までの期間、後遺症の程度に鑑みると、本件事故との相当因果関係を認めた損害額について、原告の性格・器質等の寄与を理由に減額をせず、被告に損害額全部を賠償させるのが公平を失するということはできない。

 したがって、被告の主張は採用できないとして、被告の素因減額の主張を否認しました。

2015年10月21日 (水)

【建築・不動産】 Q&A 道路・通路に関する法律と実務

 「Q&A道路・通路に関する法律と実務 」が、日本加除出版から平成27年6月10日に出版されました。

 著者は、司法書士の末光祐一先生(愛媛の先生です!)です。

 3編と付録からなっております

 ① 道路 ② 通行権 ③ 日常生活と道路通行 です。

 ①の道路については、(1)道路の概説と定義、(2)道路の種類、(3)公道の成立と管理、(4)公道の通行、(5)公道と私権の関係、(6)建築基準と道路、(7)私道の通行と管理、(8)公私中間道です。

 ②の通行権については、(1)法定通行権、(2)契約通行権、(3)黙示的通行権、(4)時効による通行権、(5)不成文通行権、(6)政策的立入・通行権です。

 ③の日常生活と道路通行については、(1)通行の確保と禁止、(2)私道の形態、(3)駐車場問題、(4)借地借家と通行権、(5)導管等(ライフライン)設置権、(6)道と不動産取引、(7)建築確認と民事上の効力、(8)道路通行に関する紛争の処理です。

 末光先生は、他にも「Q&A農地・森林に関する法律と実務」という専門的な書籍を出されており、数年前にこのブログでも紹介させていただきました。

 昭和64年に愛大工学部を中退され、平成元年に司法書士登録されているので、おそらくは、田舎弁護士とほぼ変わらない年代かも・・・・(間違っていたらすみません(^_^;  )

 もうすでに、実務上非常に役に立つ体系書を2冊出版されています。

 田舎弁護士も見習わなければ・・・・

 

2015年10月20日 (火)

第3回今治市行政改革推進審議会が11月2日に開催されます。

 11月2日に第3回今治市行政改革推進審議会が開催されます。そのための資料を、今治市役所の企画財政部企画課の担当者の方が、持参されました。

 議題は、(1)今治市行政改革ビジョン案についてとして、①ビジョン全体の構成、②第1章 これまでの行政改革の取組、③第5章 改革への取組、(2)第2次今治市総合計画について ということでした。

 大変残念なことに、既に先約の裁判のために、審議会には参加することができないので、資料を読んで疑問に感じたこと等をメモしたものを作成して、今治市の担当者に送っておきました。

【建築・不動産】 老朽貸家・貸地問題(清文社)

 清文社から、7月31日に、「老朽貸家・貸地問題 」というタイトルの書籍が出版されました。

 6章にわかれています。

 ① 貸家・貸地にかかわる法律と税金の基礎知識

 ② 貸家問題の法律と税金の問題解決策

 ③ 空家等対策特別措置法の成立とその影響及び問題解決策

 ④ 借地問題の法律と税金の問題解決策

 ⑤ 民法改正が老朽化貸家・貸地に与える影響

 ⑥ こうして解決する老朽貸家と貸地の問題

 昨今の空屋等対策の推進に関する特別措置法にもわかりやすく触れられています。

 

 

2015年10月19日 (月)

【金融・企業法務】 金融商品取引被害救済の手引 6訂版

 平成27年9月に、民事法研究会から、「金融商品取引被害救済の手引」(6訂版)が出版されましたので、購入いたしました。5訂版が572頁でしたが、約100頁増えています。値段も5300円から6800円にUP です。

 7章にわかれています

 ①の総論では、金融商品取引法や消費者契約法、金融商品販売法についての解説がなされています。

 ②の金融商品取引と損害賠償法については、被害者救済のための法律構成、因果関係、損害、過失相殺、消滅時効、損失補てん等の禁止と損害賠償について説明されています。

 ③の違法行為の類型については、適合性原則違反、説明義務違反、合理的根拠の法理、不当勧誘、損失保証等を伴う勧誘、過当取引、助言義務違反、一任売買、無断売買、手仕舞い違反、開示義務違反、市場に対する不正行為、インサイダー取引について説明がなされています。

 ④の各取引類型の概要と問題点については、株式現物取引、信用取引、投資信託、公社債、デリバティブ取引、仕組商品、外国証券、集団投資スキーム、特定預金、特定保険、ネット取引、未公開株についての説明がなされています。

 ⑤は相談から訴訟まで、⑥、⑦は、英米の取引被害救済法の概要です。

2015年10月18日 (日)

【金融・企業法務】  監査役監査基準等の改定

 日本監査役協会から、7月23日、監査役監査基準の改定が公表されました。

 平成27年5月に改正会社法及び改正会社法施行規則等が施行され、同年6月にはコーポレート・ガバナンス(コード)が適用開始されたことに伴う改定です。

 主な改訂内容を一部紹介します。

(1) 会社法及び会社法施行規則等の改正を踏まえ、会計監査人の選解任等議案の内容の決定について規定しました。

 また、監査の実効性を確保するための体制に関する事項をはじめとする業務の適正を確保するための体制に関する事項を追加しました。

 その他、親会社等との利益相反取引に関する監査報告への意見記載、支配権の異動を伴う第三者割当等に関する意見表明及びいわゆる多重代表訴訟に関する規定を追加しています。

(2) コード基本原則2,基本原則4等を踏まえ、監査役の職責と心構えの内容を拡充したほか、監督機能の一翼を担う監査役の役割やコードを踏まえた対応について規定しました。

 ここでいう監督機能とは、会社法により規定されている取締役会による取締役の職務の執行の監督より広義の概念であり、監査役(会)と取締役会とが協働することによる包括的な監督機能を指し、監査役(会)による監査は、この広義の監督の一部であると考えられています。コード基本原則4に、監督機能として、3つの役割・責務が示されており、当該役割・責務の一部は、監査役(会)も担うこととされています。

 これらの監督機能に対する監査役の関与の在り方としては、取締役会がこれらの監督職務を適切に果たしているかを監査することのほか、例えば、適切なリスクテイクの礎となる内部統制システムについて構築の段階から積極的に意見を表明することが挙げられる。また、各社の置かれている環境によっては、リスク管理の観点や経営判断の合理性の観点等から、個別案件だけではく、中期経営計画策定に係る議論において積極的に発言することも考えられています。

 ただし、これらの関与の度合いは各社の事情により異なるべきものであり、この点はレベル分けにおいても勘案されています。

 細かい所もあげれば、キリがありませんが、コードの適用開始により、監査役の実務に大きな影響が及ぼされました。

 ガバナンス報告書は、こちら から検索可能です。

2015年10月17日 (土)

【金融・企業法務】 廃業支援

 経営不振に陥っている中小企業の場合、リスケや債権放棄等による再生が可能なケース、法的整理による再生が可能なケースの場合には、再生支援の他、事業支援も検討されるべきですが、キャッシュフォロー上の赤字が改善できないような再生支援が困難な場合には、事業承継の途は閉ざされることから、「廃業支援」を検討せざる得なくなります。

 つまり、破産による廃業ではなく、私的清算による廃業を検討するということになります。

 会社について破産手続を回避し廃業支援による私的清算を行うことができれば、取引債権者を巻き込むことなく、また、破産による廃業という風評も回避することができます。

 廃業支援による私的整理の一般的なスキームは、事業を段階的に縮小しながら、一部事業の売却や資産の換価を行いつつ、公租公課・労働債権・取引債務等をすべてを支払い、最終的に金融債権者のみになった段階で特別清算手続を申立てて、同手続において換価した代金をもって金融機関に対して配当を行うというものです。

 これを行うためには、金融債権者にとって、清算価値保障の充足、つまり、破産手続によって廃業するよりは、金融債権者にとってトクという経済的合理性が必要になります。

 もっとも、債務超過の会社の廃業を弁護士に相談した場合、相当多くの弁護士は、破産による廃業を進めます。

 それは、特に地方の弁護士の多くは、私的整理による廃業の経験が少なく、このことは、特別清算の相当数は東京地裁の案件が占めるということからもうかがえます。

 私的整理による廃業の場合には、①一定期間の事業継続が想定されますが、その間の運転資金は確保できるか、②公租公課や労働債権等の優先債権の滞納や取引債務の未払いはないか、③事業継続しつつ換価することで回収メリットがある資産はどの程度あるか、④従業員の理解協力は得られるか、⑤取引金融機関の理解・協力は得られるか等、クリアすべき事項はたくさんあります。

 銀行法務21・9月増刊号の「第6章 事業承継と再生支援」は、これらのこととわかりやすく解説されており、特に、再生支援・廃業支援に携わる専門家の方には一読をお勧めいたします。

2015年10月16日 (金)

就活  (^o^)  (^o^)  (^o^)

 日弁連の就職サイトに求人情報を載せてから、複数の司法試験合格者の方から、積極的なお問い合わせをいただいております。

 近日中に、事務所見学に訪れる方もいます。

 最近は、司法修習に入る前に、就職先を決める方も増えているようです。

 大変な時代になったものです。

 私のころは、司法修習中に進路を決めていたものですが。。。

 事務所見学は大歓迎です。旅費と宿泊費も支給しております。夜は旨いモノを一緒にいただいています。

 今治は、料理は旨いです。(^o^)

【金融・企業法務】 企業内承継の手法と課題

 銀行法務21・9月増刊号で、頭書テーマで、東京都民銀行の行員さんの論文が紹介されていました。

1.企業内承継のメリット・デメリット

(1) 企業内承継の視点での事業承継とは

① 経営者の事情

② 後継者・後継候補者の事情

③ プロセス

④ 事業承継計画

⑤ 儲かる仕組み、経営理念の承継

⑥ 関係者の理解

⑦ その他の環境整備

  名義株・経営不関与株主の整理

  事業用資産

  会社と経営者間の金銭貸借

  不振子会社など

(2) 地域金融機関としての関わり方

① 支店長の役割

② 本部専担者の役割

③ 企業内承継に関わることの難しさ

2 企業内承継のヒトの承継ポイント

(1) 後継者の選定

① 後継者に求められる資質、選定される条件

② 後継者・経営者になる覚悟を持つこと

(2) 後継者の育成

① 育成方法・手段

② 社内での具体的な育成方法

③ 社外での教育

(3) 経営の引継ぎとフォロー

① 後継者を役員にする

② 現経営者と後継者の役割分担を行う

3.企業内承継のモノ・カネの承継のポイント

(1) モノについて

(2) カネについて

① 自社株買取資金

② 事業用資産の買取資金

③ 事業承継税制の活用

 

2015年10月15日 (木)

【金融・企業法務】 親族内承継の手法と課題 

 銀行法務21・9月増刊号では、頭書テーマで、西日本シティ銀行の行員さんの論文が紹介されていました。

1.親族内承継のメリット・デメリット

(1) 親族内承継における近年の傾向

(2) メリットとデメリット

(3) 親族内承継の留意点

2.親族内承継の際のヒトの承継のポイント

(1) ヒトの承継の重要性

① 後継者の選定

② 関係者の理解

(2) 後継者教育

① 内部での教育

② 外部での教育

3.親族内承継の際のモノ・カネの承継のポイント

(1) モノ・カネの承継

(2) 自社株式の後継者への集中

① 生前贈与・遺言(相続・遺贈)による移転

② 譲渡による移転

③ 会社法の活用

④ その他の手法

4. 親族内承継における地域金融機関の関わり方

(1) サポートの必要性

(2) 取引深耕・拡大

2015年10月14日 (水)

【金融・企業法務】 事業承継のニーズを探るポイントと承継方法

 銀行法務21・9月増刊号に、第2章として、中国銀行の行員さんの頭書タイトルの論文が紹介されていました。

 4つにわけて構成されています。

1.取引先の事業承継ニーズを察するポイント

 (1) 当行の事業承継対策提案フロー

 (2) 営業店に対する働きかけ

 (3) お客様に対する働きかけ

 (4) 本部における営業店の支援体制

 (5) 訪問先から事業承継に関するニーズを把握するための声かけポイント

2.事業承継のヒト・モノ・カネ

3.取引先の分析と事業承継の手法

4.地域金融機関の役割

2015年10月13日 (火)

【金融・企業法務】 近年の法改正等と事業承継に与える影響!?

 銀行法務21・9月増刊号で前記タイトルでの相原智行弁護士(元中小企業庁事業環境部財務課)の論文が掲載されていました。

 ごくごく簡単ですが、その概要を説明します。

 後継者への事業承継に際しては、支配権、すなわち、株主総会における議決権の全部又は大部分を確実に後継者に承継することが重要です。

 こうした観点から、従来、後継者に株式(議決権)を集中的に承継させる手法について、様々な提案が行われてきました。

 その手法は、大きくわけると、A 売買、贈与、遺言といった民法上の各種制度を活用した手法と、B 相続人等に対する株式売渡請求、種類株式といった会社法上の各種制度を活用する手法とがあります。

 今回、会社法の改正で、①「議決権の90%以上を保有する特別支配株主であれば、少数株主が保有する株式の全部の売渡請求の制度」が新設されました。

 また、②株式併合についても、従前は、締め出される少数株主の保護手続が整備されていなかったことから、これをスクイーズアウト(株式会社の支配株主が、現金を対価として、少数株主から強制的にその保有する株式の全部を取得すること)目的で利用することについては消極的な見解が多かったようですが、今回の改正により、事前・事後の開示制度、反対株主の株式買取請求、差止請求といった少数株主の保護手続が整備されたことにより、スクイーズアウト目的で、株式併合を利用することができるようになりました。

 平成27年改正中小企業経営承継円滑化法についても、改正法が成立すれば、遺留分に関する民法の特例が、親族内承継だけではなく、親族外承継も適用対象となり、親族外承継の場合の事業承継対策の手法として、選択肢が1つ増えました。

 

 

2015年10月12日 (月)

品のない弁護士広告(過払い金)!?

 

 最近、少し減っているのかわかりませんが、それでも、法律事務所による「過払い金」の新聞の折り込みチラシを見ることがありますが、次第に、その内容が品のないものになっているように感じています。

 大きく、赤地に、「借金問題ご相談下さい。」 と大書され、「過払い金無料調査致します。」と付記されています。

 そればかりか、

 「あの時取り戻していれば・・・なんてことにならないように!」

 「急いで下さい!! 破綻する消費者金融が増えています!」

 「迷っている時間はない! 過払金請求は1日でも早くはりましょう!」

 等々、田舎弁護士からみると、品のないうんざりする表現が続いています。

 同じように品のない弁護士にみられるのも心外なので、いつも同種の広告をみる度毎に、不愉快になっています。 

2015年10月11日 (日)

【交通事故】 内縁の妻の損害として、扶養請求権侵害を理由に月額6万円10年間分の損害、及び固有の慰謝料500万円を認めた事例

 交通事故判例速報No591で紹介された東京地裁平成27年5月19日判決です。

 交通事故で死亡したA(月18万円の収入)と内縁関係にあったX(月7万~8万円の収入)が、民法709条に基づき、扶養請求権等を主張して、加害者に対し損害賠償請求訴訟を提起したという事案です。

 裁判所は、Xの扶養請求権侵害につき、AとXとの内縁関係を認めた上でこれを認定し、その損害額については、Xの扶養請求権を月額6万円としてAの平均余命の2分の1である10年間につき認定した。

 また、民法711条の類推適用により、X固有慰謝料として500万円の損害を認定しました。

 扶養請求権侵害についての認定については、被害者の逸失利益を算定した上で、そのうち何割かを内縁配偶者の扶養請求権分に該当すると判断しているものが多いが、この裁判例は、毎月の具体的な家計負担額を参考に、Xの扶養請求権を月額で認定している点に特徴があります。

 また、内縁配偶者固有の慰謝料としては、500万円という金額が散見されます。

 内縁配偶者が登場する場合には、法定相続人の請求権にも影響を与えるので、注意が必要です。

2015年10月10日 (土)

【交通事故】 追突された38歳トラック運転手の症状は、事故から4ヵ月経過後の発症として、事故との因果関係を否認した事例 名古屋地裁平成27年3月25日判決

 自保ジャーナルNo1949号で紹介された名古屋地裁平成27年3月25日判決です。

  被害者は、腰椎椎間板ヘルニア、脊髄損傷の傷害を負い、3日入院、59日通院し、自賠責非該当も、歩行障害、両下肢麻痺等の1級後遺障害を残したとして、既払金約373万円を控除した4000万円を請求したという事案です。

 裁判所は、症状と事故との因果関係を否認しております。

 以下、その理由を述べます。

 ①右下肢の麻痺に関する訴えは、本件事故から約4ヵ月を経過した平成22年12月に歩行障害や右下肢の筋力低下が認められ、

 ②約5ヵ月経過した平成23年11月に歩行障害及び右足関節以下完全麻痺が生じ、

 ③約15ヵ月経過した平成23年11月に左下肢に筋力低下、右下肢の感覚が消失したというのであり、

 本件事故から発症までに相当の時間が経過している以上、次第に症状が悪化して拡大している

 通常、外傷による症状は、受傷後が最も強く、次第に軽快するか不変であるという経過をたどるところ、原告の上記症状の経過はこれと異なるものであり、本件事故による外傷から生じた症状とは考えがたい

 原告が本件事故により脊髄障害を負い、現在の症状が残ったと認めるのは困難というほかない

 腰椎椎間板ヘルニアと本件事故との間に相当因果関係は認められないから、その摘出術のための治療費は、本件事故と相当因果関係のある損害と認めることはできないと、原告の請求を棄却しました。

 時折ですが、事故当時よりも、症状が悪化している方がいます。 

 被害者の方は、症状の悪化は事故が原因と主張されますが、事故との因果関係がきっちりわかる案件は少なく、多くの場合は、被害者からみて不誠実な加害者側保険会社の対応等が原因で神経症状を悪化させているように感じます。

 このような案件は、相談を重ねる度に、神経症状が重くなっていると感じることもありますが、賠償論の話になれば、やはり、「通常、外傷による症状は、受傷後が最も強く、次第に軽快するか不変であるという経過をたどる」ために、経年で益々悪化するケースは事故とは異なる別の要因があると思われ、対応が難しい場合が多いです。

 

 

2015年10月 9日 (金)

【交通事故】 名古屋高裁平成26年11月13日判決 No2

 引き続き、自保ジャーナルNo1949号で紹介された名古屋高裁平成26年11月13日判決です。

 胸髄損傷等から自賠責3級3号等併合2級後遺障害認定も、

 2級1号後遺障害を残し常時介護を要すると主張する72歳主婦のXの将来介護費につき、

 Xが介護保険法上は見の回りの世話全般に見守りや手助けが必要等とされる要介護2と認定されていることや、身体障害2級と認定されていることと整合性を欠く旨主張するが、

 介護保険法や身体障害者福祉法上の認定基準は、対象者の現状を前提としてどの程度の福祉サービスの利用を可能とすべきかとの見地から検討されるべきであり、他方、自賠法上の認定基準は、当該交通事故との相当因果関係にある後遺障害を明らかにするとの見地から検討されるべきものであるから、同一の認定がなされるべきものとはいえないと常時介護を否認し、

 Xは、症状固定時に、入浴に介助を要し、玄関のスローブを使用して出入りするにも介助を要する状況にあり、家族の介助を得ており、また、介護サービスを利用しており、その継続が見込まれている等から、

 後遺障害の程度、同居の親族による随時の介助であること等を考慮すると、1日当たり1000円、介護期間は14年と認めるのが相当であると認定しました。

2015年10月 8日 (木)

【交通事故】 名古屋高裁平成26年11月13日判決 No1

 自保ジャーナルNo1946号で紹介された名古屋高裁平成26年11月13日判決です。

 判決要旨を紹介いたします。

 ① 胸髄損傷・左鎖骨骨折等から歩行障害・排尿障害等で自賠責3級3号等併合2級後遺障害認定も、自賠責2級1号後遺障害が残存したとする72歳主婦Xにつき、

 本件事故の5日後の平成19年6月12日から入院したC病院では、食事については、当初は、介助が必要であったが、

 同年7月2日付けのリハビリのレポートでは、食事は完全自立、上更衣は最大介助とされていること、

 D病院の平成19年11月7日付けの看護サマリーでは、入浴以外の日常生活動作(排泄、更衣、整容、車いすへの移乗等の動作)は自立しているとされていること、

 退院時のサマリーでは、食事、更衣上半身については、自立度評価が最大ポイントが7であるうち、それぞれ6,5とされていること、

 同病院の医師が作成した同年10月25日付けの診療情報提供書では、当院受診時、両上肢軽度麻痺が認められたが、現在両上肢麻痺は改善し、実用肢レベルまで改善し、食事も自力で可能とされていること、

 E病院作成の同年12月27日付けの身体障害者診断書・意見書では、食事、排泄、更衣のほか、ブラシで歯をみがく、タオルを絞る、背中を洗う等も自立とされていること、

 F病院での平成20年1月29日付けのFIM評価表では食事、排泄、車椅子等への移乗は自立とされていること、

 同病院では、主たる目的は歩行訓練や車椅子でのADL機能の維持とされ、FIM評価表では、同病院中に、食事、排泄だけではく、更衣(上半身、下半身)も自立となっていることが認められること

 等から、

 Xの両上肢については麻痺を認めることはできないし、

 Xの症状固定時において、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要する状態であったと認めることもできない

 として、Xには、本件事故により、別表第2の3級3号及び12級5号に該当する後遺障害が生じたため、Xの後遺障害は別表第2の併合2級に相当するとして、

 併合2級後遺障害を認定しました。

 

 

2015年10月 7日 (水)

【金融・企業法務】 民法478条における無過失の判断と本人確認

 金融法務事情No2025号で紹介された福岡高裁平成26年12月18日判決です。

 従業員が、社長が保管していた預金通帳と届出印を窃取して、普通預金口座を引き出したというとんでもない事件ですが、会社が銀行相手に裁判を起こしたところ、第一審判決は、半分だけの取り戻しを認めたものの、第二審判決は、会社の請求を棄却したという事案です。

 解説者によれば、「両判決の結論を分けた真の要因は、特段の事情の有無を判断するにあたり、両判決が採った観点の違いにある。

 すなわち、第一審判決は、特段の事情の有無を判断するにあたり、まず、①本人確認をすべきであったかという観点と、②本人確認を試みたが確認が取れなかった場合にどう対応すべきかという観点との違いがあるとしている。

 そして、①について、口座開設支店ではなく、入出金が日常的にされていた支店でもないこと、払戻請求者が預金者の代表者でもなく、窓口職員において払戻権限を有する者として認識されていなかったということ、計290万円という高額の払戻請求であったことから、本人確認をすべきであるとし、

 ②について、名刺・免許証の提示があったこと、細かく分けて払戻請求しており経理担当者の行為としては自然なこと、払戻し後も130万円の残額があること、本人に電話確認をしようとしたことは、①において、本人確認をしなかったことを正当化するものではないとしている。

 これに対して、本判決は、①②のように観点を分けることなく、本件払戻しに関する事情を同列に取り上げ、第一審判決とは逆に、第一審判決が②について挙げた事情を重視して、本件口座の払戻請求権限を有する者として不自然な言動があったとはいえないとし、第1審判決が①について挙げた事情があっても、特段の事情があったと認めることができないとしました。

 第一審判決が本人確認について2段の観点を区別しているのは、本人確認をすることは、預金の払い戻しにおいてまずクリアーしなければならない手続きであり、これを怠れば、原則として銀行には過失があるという考え方が基礎にあるからであるように思われるとコメントされています。

 これについては、第二審判決が、「なお、犯罪における収益の移転防止に関する法律及び同法施行令上の金融機関の取引時確認義務の規定は、債権の準占有者に対する弁済の効力の有無を規律する民法478条とは趣旨・目的を異にし、それが直ちに同条適用上の弁済者の注意義務を構成するものとはいえない」と述べており、やや特殊な考え方という位置づけをしているようです。

2015年10月 6日 (火)

【金融・企業法務】 銀行が共同相続人の1人による貯金の払戻請求を拒否したことの不法行為の該当性 東京高裁平成26年4月24日判決

 金融法務事情No2025号で紹介された東京高裁平成26年4月24日判決です。

 銀行が共同相続人の1人による法定相続分に応じた貯金の払い戻し請求を拒否した場合、債務不履行だけではなく、不法行為にも当たるのかが問題とされました。 

 不法行為に該当するとされれば、弁護士費用が損害として認定されることから、問題となったわけです。

 本判決は、

 ① 金銭債務の履行の拒絶が不法行為となるのは、履行拒絶行為が公序良俗に違反する態様でされたというべき特段の事情が認められる例外的な場合に限られるという見解を明らかにし、

 ② その根拠として、民法419条1、2項の定めに基づけば、金銭債務の履行遅滞による損害賠償の額は法定利率又は約定利率にこととされ、それを超える損害の賠償は請求できないと解するべきであることを指摘した上で、

 ③ 本件事案における貯金の払い戻し拒絶は不法行為に当たらないことから、弁護士費用相当額の賠償請求は認められないという判断を明らかにしました。

 不法行為とまではなかなか評価されないようです。

2015年10月 4日 (日)

【金融・企業法務】  マイナンバー制度のご相談を承ります (^o^)

 10月から、いよいよ役場から番号通知が送られてきます。皆様、マイナンバーへの対応は十分でしょうか?

 9月下旬ころから、マイナンバー制度についてのご相談を承ることが増えています。

 大きな会社の場合にはまず間違いなくその対応を終わらせているかと思いますが、現在、お問い合わせのある団体様は中小規模会社様となっております。

 人的スタッフの関係でやはり後回しになることが少なくないようです。

 時間的に余裕があれば、書式を含んだ良い専門書もありますので、本屋さんで購入されて、御自身で作成されることも勉強になります。

 時間がおしいという方は、当事務所でも簡単な書式であればご用意できます。

 当事務所の方でご用意できますのが、

 団体様に応じた番号法に基づく体制整備のチェックリスト

 特定個人情報の適正な取扱いに関する基本方針

 中小規模事業者用の特定個人情報規程

 特定個人情報委託契約書

 就業規則(抄)

 です。

 書式の中では、特定個人情報規程が一番作成が複雑ですが、当事務所では、20万円以上+税から、承ります。

 

訃報:木村一三さん 79歳=元県弁護士会長 /香川

 香川の弁護士である木村一三先生が3月19日でお亡くなりになっていたことを、香川県弁護士会の会報で知りました。

 今から20年前に、私がちょうど香川県高松市で司法修習生をしていたころに、弁護士会主催の研修旅行のための寄付金?集めのために、先生の事務所を訪ねたのがきっかけで、以降、弁護士会の会合等で声をかけていただけるようになりました。

 すでに弁護士会の重鎮として高名であり、私と同期の若林さん(現弁護士)と一緒に、緊張しながら、寄附?をお願いにあがり、多忙の中、30分くらい、後進のために貴重なお話をうかがうことができました。

 研修旅行の後に御礼に事務所を訪ねた時も、「楽しかった?」と声をかけていただいたのを昨日のように覚えております。

 大変品のよい方で、陽気で明るくお話をされ、私も将来は先生のような弁護士になりたいと思ったものです。

 ご冥福をお祈り申し上げます。

 合掌

2015年10月 3日 (土)

東大卒で年収220万円。高学歴プアの実態 という記事!?

 インターネットでこのような記事が紹介されていました。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 東京大学の文科三類を卒業後、晴れて大手商社に入社した長谷巧さん(仮名)だが、入社早々自信を失った。

「自信満々で入社したものの、仕事が全然できなかったんです。同期と比べても覚えが悪かったし、いろいろ融通が利かなくて。ハーバードとか海外の名門大学を出た人間も何人もいましたから、東大卒といっても特別ではなくて、“そこそこ勉強できたヤツ”という程度。自分の唯一の武器だった学歴は何の意味も持ちませんでした」

 自分より学歴の低い同期も、問題に直面した時の対応力やメンタルの強さなどは、自分と比べ物にならなかった。

「総合的な人間力の差を感じました。特に関西の某名門私立のアメフト部出身の奴は凄かったです。みんなを引き付ける魅力を持っていて。プロジェクトを引っ張るような人間は、ああいう男なんですね。“勉強はもちろん、ほかの面でも自分を高めてきた奴ら”ばかりで、そりゃ勝てないよ、俺は勉強しかがんばったことないもん、と思いました。周囲との差に負い目を感じて、3年で退社しました」

 退社後、数か月の転職活動を経て中村さんが入社したのはまたも商社。とはいえ、一社目のような総合商社ではなく、文具などの消耗品を扱う商社だ。

「社員数は百数十人でしたけど、事業規模は前の会社と比べ物にならない小さな会社でした。“何でうちに来たの?”って1000回くらい聞かれたかな。年収は3分の2以下になりましたけど、緊張感のない会社だったので毎日気楽でしたね。二流、三流大出身者が大半で、以前のような劣等感も無ければ血の気が引くようなプレッシャーもなく、楽しかったですよ。“東大出て何してんだ”って気持ちはありましたが、それでも今よりはマシでしたね。今では毎日高卒や中卒の人たちと働いてますから」

 そう語る長谷川さんは現在日雇い派遣労働者だ。昨年、10年近く務めた二社目の商社が倒産した。

「業績が悪化していたので早くほかへ移っておけば良かったのですが、頭ではわかっていても面倒で。なんか、努力するスタミナが残ってないんです。大学受験と就活で使い果たしちゃった気がして。今は日給1万円のバイトで年収は220万円ほど。独身なので生活は十分に成り立ちます。それゆえに、ますます次の仕事を探す気力もわかないんです」

 毎日ヘルメットを被り工事現場などで汗を流す長谷川さん。国内最高学府卒の面影はどこにもない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 この記事は、東大出身者だから、その後の生活は保障されるという神話が前提なのかもしれません。

 司法試験も同じで、司法試験合格するとその後の生活は安泰と思っている方がいたとすれば、世の中はそんなに甘くありません。

 厳しい環境の下、法律事務所も十分な経済的な利益が出るよう経営基盤を安定させないと、最終的には、クライアントの預かり金に手を付けてしまうことになりかねません。

 良い仕事をするためにも、様々な企業努力を重ねて、裁判所からの信頼や安定した顧客を獲得する必要があります。

 それと、望みたいのは、やはり、ガッツですね。この記事にあるように体育会系の方は、成長が早いような気がします。

 田舎弁護士も、遅まきながら、ほぼ毎日水泳で基礎体力をつけています・・・・ 体育会系にはほど遠いですが。

 これまで以上に頑張っていきたいと思いますので、宜しくお願いもうしあげます。

 

 

2015年10月 2日 (金)

法曹養成制度の迷走 BY 内田貴

 月刊監査役10号の「羅針盤」では、内田貴教授の「法曹養成制度の迷走」というテーマで執筆されていました。

 現在の法科大学院を前提とする司法試験制度のままでは、法曹を目指す母集団の縮小を招いていること、また、法科大学院制度は研究者養成という点でも大きな弊害をもたらせているということについて、警鐘を鳴らしておられます。

 母集団の縮減が質の低下をもたらすことは疑問の余地はないと断定されています。

 政策上の失敗を実証的に検証し、早期に新たな方向での転換が図られるべきと提言されています。

 田舎弁護士も、法科大学院制度が法曹養成制度に与える悪影響については、以前からブログ等で指摘してきたとおりです。

 旧司法試験の時代は、5万人程度の出願者があり、その中から様々な工夫を重ね、また、運にも恵まれたタフな少数精鋭が、選抜されてきました。

 内田先生は、「制度の存続を前提とした弥縫策に終始することは政策転換の機会を失わせ、将来の日本に大きな禍根を残す」とまで言い切っています。

 このままでは、実務法曹や実務を支える学問の水準の低下に拍車をかけるばかりです。

  一日も早く、予備試験を原則とする制度に転換させるべきです。

 そうじゃないと、母集団は益々減少していくでしょう。

 

 

 

2015年10月 1日 (木)

勤務弁護士を募集いたします。

 勤務弁護士1名を募集します。

 給料は、月額40万円

 執務時間は、午前9時から午後6時まで

 取扱いが多い分野は、個人分野であれば、交通事故、離婚・相続等家事事件、債権回収が、企業分野であれば、契約上のトラブル、労務問題、セミナーの講師が多いです。

 社会人経験者、女性、年齢の高い方、大歓迎です!

 日弁連HPのひまわりにUPしましたが、興味のある方は、担当八木(0898-23-2136)にまでお電話下さい!

【保険金】 被保険自動車運転中の自損事故について飲酒免責が認められた事例 名古屋地裁平成27年3月25日判決

 判例時報No2261号で紹介された名古屋地裁平成27年3月25日判決です。

 判決の概要は以下のとおりです。

 ①免責条項は、酒気を帯びて被保険車を運転した場合に生じた損害の保険金支払義務を免除している。ここに「酒を帯びて」とは、身体にその者が通常保有する程度以上にアルコールを保有していることが、外観上(顔色、呼気等)認知できる状態にあることをいう。

 ②そうしたところ、本件事故直後のAの呼気から0.1㎎/ℓのアルコールが検出されている。Xは、Aは、本件事故当時飲酒しておらず、事故直後に飲食店で飲酒したものであると主張するが、事故後のAの行動は不自然かつ不合理である。

 ③Aの事故態様に関する供述は、枢要部において変遷があり、具体性や迫真性に乏しいなどと指摘し、これらの事情を総合すると、Aは、本件事故当時、通常の状態で身体に保有する程度以上にアルコールを保有していることが、顔色や呼気等により、外観上認知することができるような状態にあったもので、これを隠蔽するために本件事故後に初めて飲酒をしたかのような工作をしたものであり、免責事由が存在する。

 以上のことを述べて、車両保険金の請求を棄却しました。

 呼気0.1㎎/ℓ程度のアルコールですが、免責事由ありとしております。

 飲んだら乗るなですね。

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