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2015年5月31日 (日)

ベテラン弁護士ほど、質が低下している・・・・

 日弁連法務研究財団編「法と実務11」が法務財団から贈られてきましたので、興味がありそうな論文だけ読んでみました。

 その中に、「民事弁護の質:弁護士による評価」という論文がありましたので、紹介いたします。

 弁護士の民事弁護の質ですが、「弁護士としての実務経験が短いほと、ないし、若い弁護士ほど、民事弁護の質が高いという、結果になっている」というのです。

 また、尋問についても、例えば、主尋問についても、弁護士になってから10年目くらいまで主尋問の技法は向上し、その後15年間から20年間はそのレベルが維持され、それ以降は徐々に主尋問の技法が衰えていくこと、また、反対尋問については、年齢経験ともに一貫して直線的に低下しているというのだそうです。

 えっ・・・・・

 なぜなの?

 びっくり! です

 理由については、本論文によれば、仮説ですが、①経験が短いほど、手持ち事件が少なく1件1件により多くの時間と努力と情熱を注ぐことができるとか、②司法試験の勉強のせいかがより新鮮に残っているとか、③実務経験が長くなると手抜きの仕方をマスターするようになるとか、あげられていました。

 私自身、必ずしも、ベテランほど、質が低下しているというようには感じませんが、ベテランの中には、そろそろ退場していただいた方がよいのではないかと思われる方もおられます。

 そのような方をみて共通的なものを感じるのは、事件に対する情熱が乏しいということです。

 私自身も、若い弁護士から、反面教師にされないよう、「PPPな弁護士」を目指したいと思います。

2015年5月30日 (土)

【交通事故】 交通事故捜査と過失の認定

 東京法令出版から、3月、交通事故捜査と過失の認定 という書籍が発行されました。

 著者は、瓦検察官です。

 11講にわかれています。①総論(過失、信頼の原則、直近過失・過失併存、過失認定の手順)、②信号看過による事故、③見通しの悪い非信号交差点における事故、④直進車と右折車の衝突事故、⑤交差点の右左折時における後続車巻き込み事故、⑥路外施設に出入りする際の事故、⑦車道上における車両対歩行者事故(横断歩道上)、⑧車道上における車両対歩行者事故(横断歩道以外)、⑨二重れき過事故・追突事故、⑩運転中止義務違反の過失による事故、⑪その他の事故 です。

 各種ケースにおける、過失認定の手順がわかりやすく解説されており、交通事故を取り扱う弁護士にとっては、最重要の必読書のように思います。

 良書に巡り会えました。

2015年5月29日 (金)

【労働・労災】 労災裁判例にみる労働者の過失相殺

 労働調査会から、1月、労災裁判例にみる労働者の過失相殺 が出版されていました。著者は、安西愈弁護士です。

 3章から構成されています。

 ①労働災害の過失相殺概論、②労働災害の過失相殺の割合別事例の一覧表、③労働災害の過失割合ごとの類型別事例についてです。

 安西先生は、高松で開催された法務財団の研修会の時にお会いしてお話させていただいたことがあります。大変気さくな先生でした。

 今後の業務の参考にさせてもらいます。

2015年5月28日 (木)

【労働・労災】 弁護士・社労士・税理士が書いた労働事件と労働保険・社会保険・税金

 日本加除出版から、昨年12月に、「労働事件と労働保険 社会保険 税金 」という書籍が出版されていました。著者の中には、司法研修所同期の弁護士もいます。

 労働事件を扱う場合、弁護士って、労働保険、社会保険、税金については、知識が豊富では無いこともあってか、あまり関心を払うことはないように思います。

 私の事務所では、労働案件は、使用者側で対応することがほとんどですが、交渉の相手方である労働組合等の方が、労働保険等の実務的な知識が豊かであることも少なくなく、恥ずかしながら、教えてもらうこともありました。(^^;)

 とはいえ、労働事件に関連する労働保険、社会保険、税金の理解は、一度、学習してしまえば、おおよそのことは対応できるようになれるのですが、労働保険 社会保険 税金という、弁護士にとっては苦手とする分野をまとめて解説された書籍は、意外と乏しかったように思います。

 本書は、①労働保険・社会保険・所得税の基礎知識、②在職中の手続、③離職した場合の手続、④解雇を争う場合の手続、⑤未払賃金を請求する場合の手続、⑥労災、損害賠償請求の場合の手続にわかれており、しかも、解雇事件受任時チェックシート、和解条項例等も、紹介されています。

2015年5月27日 (水)

【労働・労災】 労働事件における慰謝料

 経営書院から、2月に、労働判例からみる慰謝料の相場が説明されている「労働事件における慰謝料 」という書籍が出版されました。

 本書は、事案を、内定取消、解雇、懲戒処分、ハラスメント、労働災害、不当労働行為等の14類型に分け、1件ごとに、事案の概要、慰謝料算定の理由もしくは棄却の理由、請求額・認容額等をコンパクトに解説しています。

 例えば、パワハラについては、以下のようにまとめられています。

 「パワハラ事案については、上記のとおり、セクハラ事案に比べ、行為の存否よりも行為の不法行為該当性が問題となることが多い。この場合、他人に心理的負担を過度に蓄積させるような行為は原則として違法であるが、例外的に、その行為が合理的理由に基づいて、一般的に妥当な方法と程度で行われた場合には、正当な職務行為として違法性が阻却される場合があるとされ、業務の適正な範囲を超えているかどうかが問題となる。

 この点、暴行、暴言、執拗な嫌がらせ等、社会通念上許容される態様を超えていれば、指導の範囲を超えるといえ、慰謝料請求が認容されている。

 一方で、被害者が主張する事実のうち、一部ないしは全部が存在しないとされた事例も散見されるところ、このような事例では、被害者の供述以外の根拠による裏付けが特に重要となる。」

 500頁近い大書なので、事案の相談を受けることに参考書的に利用したいと思います。

 

2015年5月26日 (火)

【金融・企業法務】 業界別事業再生事典

 今年の3月に、きんざいから、業界別事業再生事典 が発行されました。

 1600頁を超える書籍であり、また、60もの業種別に、業界の特徴、再生局面における論点、再生のポイントが記載されています。

 事業再生事案のご相談は少なくありませんが、本書はそのような相談に際して、大いに参考になるものと思います。

2015年5月25日 (月)

【交通事故】 平成27年度日本交通法学会定期総会に参加しました

 23日に東京の日弁連会館において開催された平成27年度日本交通法学会定期総会に参加いたしました。

 個別報告は、①英米の定期金賠償について、②「運行によって」概念について、シンポジウムは、「損害賠償の調整」というテーマで、①過失相殺法理の今日的課題、②素因減額の本質と現状、③損益相殺的調整の現代的意義と課題についての報告と質疑応答でした。

 素因減額って、田舎弁護士が仄聞する範囲では、被害者にヘルニア等の既往症があればなんでもかんでも、しかも、過大とも思われる割合の減額を主張している場合が少なくないように思います。

 まあ、難しいところは、裁判所に考えてもらって・・・・ という感じです。

 過失相殺法理の構造についての学説は、パラレル原理説、領域原理説、損害の再転嫁説があるようですが、考えたことがないですね。事理弁識能力論、被害者側の過失、素因競合における類推適用論の判例との整合的な理解への試みだそうですが、昔の司法試験の短答式でもてできそうな感じです・・・・・

 また、素因減額の本質についても、交通事故の場合と労災民事事件の場合との対比についても考えたことありませんでしたので、大変勉強になりました。

 さらに、損益相殺については、最高裁が平成27年3月に一部判例変更したので、その最高裁判例の意義や射程等についても勉強させてもらいました。平成27年判決は、労災保険法による遺族補償年金ですが、厚生年金保険法による遺族厚生年金にも射程が及ぶのかという悩ましい問題です。

 シンポジウムの後は、学者や弁護士からの質疑応答がありました。

 学者の先生は総じて理論的な整合等についての質問がなされており、大変参考になりました。

 弁護士は、現在相談を受けている案件についての相談で、懇親会できいてもらえればよいような質問が多かったように思います。報告にそった形での実務的な相談であればよかったのになあと、自戒を込めて思いました。

 

2015年5月24日 (日)

【金融・企業法務】 債権回収 第2版

 平成27年3月に、きんざいから、「法人融資手引シリーズ」の1冊として、「債権回収 第2版」が出版されました。

 著者は、大手金融機関で債権回収を担当されていた実務家です。

 3章で構成され、①回収のための準備、②回収のための手段、③回収のための諸問題に分かれています。

 金融機関の顧問として相談が少なくないのは、やはり、融資金や保証債務の履行等であり、債務者に対して請求しているものの、債務者が誠実に対応してくれないというようなケースです。

 支払われないのであれば、例えば、各種法的倒産手続を検討していただけば処理が可能ですが、何も手続きをとらないばかりか、第三者に資産を移転してしまっているようなケースも散見されます。

 このような場合に、債権者としてどのように対応すべきのかをこの書籍は教えてくれます。

2015年5月23日 (土)

【労働・労災】 労働審判制度がもたらす民事司法イノベーション

 判例時報No2251号で、労働審判制度がもたらす民事司法イノベーションという論文が公表されていました。

 労働審判制度ができてからはや10年を経過しましたが、労働審判の申立てがあった事案のうち、約7割が和解的解決で終了していること、3割近くが第1回期日で、4割強が第2回期日で解決していることなどが紹介されています。

 「妖怪のせい」ではないくらいの驚異的な数値ということですが、これを支えているのが、①口頭主義、②一括提出主義、③審尋主義という秘密兵器と、PPP(プロフェッショナルな、汗をかき、情熱的な)法曹実務家ということです。

 ただ、私が感じるのは、多くの場合、申立人は労働者ということになりますが、労働者側の場合は、十分な準備を経ての申立てであることが通例でありますが、使用者側である会社の場合は、労働審判の申立てをされて、初めて相談に訪ねられる会社もあるために、もう少し会社のための準備の時間を確保していただいてもいいのではないかと思っております。

 その意味で、労働審判制度は、相手方となる会社にとっては、負担感の多い制度であり、その意味で、特に相手方となる会社側の代理人弁護士は、PPPな弁護士でなければ、十分な対応ができないのではないかと思います。

 

2015年5月22日 (金)

【交通事故】 今治の小学校の校庭で、小学生の蹴ったサッカーボールが校庭から飛び出てバイクを運転した高齢の男性が負傷後死亡したケース

 自保ジャーナルNo1941号で紹介された最高裁平成27年4月9日判決です。

 判決要旨は、以下のとおりです。

 ① 11歳男子Yの蹴ったサッカーボールが小学校の校庭から道路に飛び出し、それを避けようとした85歳の男子A運転の自動二輪車が転倒、受傷等した事案につき、

 Yは、友人らと共に、放課後、児童らのために開放されていた校庭において、使用可能な状態で設置されていたゴールに向けてフリーキックの練習をしていたのであり、このようなYの行為自体は、ゴールの後方に道路があることを考慮に入れても、校庭の日常的な使用方法としての通常の行為であるとして、

 本件事故は、Yがゴールに向けてサッカーボールを蹴ったところ、ボールが南門の門扉の上を越えて南門の前に架けられていた橋の上を転がり、本件道路上に出たことにより、折から同所を通行していたAがこれを避けようとして生じたものであって、Yが、殊更に本件道路に向けてボールを蹴った等の事情もうかがわれないと

 事故態様を認定した。

 ② 両親ZらのYに対する監督義務につき、

 責任能力のない未成年者の親権者は、その直接的な監視下にない子の行動について、人身に危険が及ばないよう注意して行動するよう日頃から指導監督する義務があると解されるが、

 本件ゴールに向けたフリーキックの練習は、上記各事実に照らすと、通常は人身に危険が及ぶような行為であるとはいえない。

 また、親権者の直接的な監視下にない子の行動についての日頃の指導監督は、ある程度一般的なものとならざるを得ないから、通常は人身に危険が及ぶものとはみとめられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合は、当該行為について具体的に予見可能であるなど特別の事情が認められない限り、子に対する監督義務を尽くしていなかったとすべきではないとし、

 Zらは、危険な行為に及ばないよう日頃からYに通常のしつけをしていたというのであり、Yの本件における行為について具体的に予見可能であったなどの特別の事情があったこともうかがわれない。

 そうすると、本件の事実関係に照らせば、Zらは、民法714条1項の監督義務者としての義務を怠らなかったというべきであると認定して、Zらの賠償責任を否認しました。

 新聞やテレビで大きく報道された今治の小学校の校庭で発生した交通事故の事案です。

 第1審、第2審は、小学生の両親が負けていましたが、最高裁は、小学生の両親を勝たせました。

 最高裁の判決については、比較的好意的な報道が多かったように思いました。

 平成16年の交通事故ですね。長くかかりましたね。

 

㈱フジ(東証1部上場)の社外監査役に選任されました

 昨日、㈱フジ(東証1部上場)の第48回定時株主総会が開催され、田舎弁護士が引き続き社外監査役に選任されました。

 引き続き、㈱フジの企業価値向上のために、尽力させていただく所存です。

 決議事項は、①剰余金の処分の件、②定款の一部変更の件、③取締役10名選任の件、④監査役4名選任の件、⑤退任取締役および退任監査役に対し退職慰労金贈呈の件でした。

 いずれも可決されています。

 新たに選任されました取締役の中には、女性の社外取締役の方がおられます。また、退任された取締役の方、監査役の方、お疲れ様でした。

 

2015年5月21日 (木)

【金融・企業法務】 座談会 地域金融のための法務セクション進化論

 金融法務事情No2017号では、地域金融のための法務セクション進化論というテーマの座談会での発言が紹介されていました。

 その中で、田舎弁護士のような金融機関の顧問弁護士について言及している部分がありましたので、少し紹介いたします。

 「最近は地元の弁護士には、かかりつけの医者のように相談する一方で、かなり難しい案件については大手の法律事務所に相談することも増えています。今後は、どちらかというと、そういう大手の法律事務所に相談する機会が増えてくるのではないかと感じています。今後の相談内容は、事務手続ではなくて、風評リスク、顧客保護という観点からになってくるのではないかと思っているからです。そうすると、法律問題だけでなく、金融庁のガイドラインなどいろんなことを総合的に検討した上で判断する必要があると思います。そういう点から、今までの弁護士との関わり方が少し変わってくるのではないかと思います。」

 「当行は複数箇所に依頼していますので、それぞれ得意分野に応じて依頼しています。例えば、債権回収や相続が得意だとか、人事労務管理が得意だとか、得意分野が様々あると思いますので、それぞれに応じてお願いしています。」

 業法等のがらみ、また、得意分野に着目しても依頼というのは、すでに、田舎弁護士の地域でも、大きな会社様の場合には、当たり前になってきています。

 とはいえ、まだまだ田舎弁護士の地域では、私は、「労務管理」しかやりませんという弁護士は存在しないと思いますので、しばらくの間は、かかり付けの医者のようにある程度広く(浅く・・・)ご相談を受けさせていただくことになりそうです。

2015年5月20日 (水)

【金融・企業法務】 営業店のコンプライアンスQ&A

 銀行法務21・5月号(No786)で紹介された営業店のコンプアイアンスQ&Aです。

 銀行の支店の担当者から時々受ける典型的な相談が含まれており、大変参考になります。また、金融法務を一部でも取り扱う弁護士は、一読しておく必要があります。

 ①本人以外の者との手続処理、②預金者死亡時の対応、③顧客の手続援助、④後見関係が存在する場合の預金払戻しに対する対応、⑤預金の差押えがされた場合の対応、⑥他の金融機関との関係、⑦SNS利用におけるコンプライアンスの各テーマにおける、具体的な質問と回答という形式になっています。

 一読の価値はあると思います。

2015年5月19日 (火)

【金融・企業法務】 M&Aにおける株価評価(非上場会社)

 銀行法務21・5月号で、非情状会社のM&Aの際に、市場で株を売買できないことを理由に株価を低く見積もることが認められるかという論点についての、最高裁平成27年3月26日決定が、法務時評及び金融商事実務判例で紹介されていました。

 最高裁は、将来の収益等を基に計算する収益還元法を使う場合、さらに、減額することは認められないと判断しました。決定の理由で、最高裁は、収益還元法は、当該会社において将来期待される純利益を一定の資本還元率で還元することにより株式の現在の価格を算定するものであって、

 同評価方法には、類似会社比準法等とは異なり、市場における取引価格との比較という要素は含まれてないと指摘し、収益還元法にない要素を反映させて株価をさらに減価するのは不当だと初めての判断を示しました。

 但し、銀行法務21の解説によれば、この決定は、会社法172条の事案限りであり、会社法172条の事案には及ばないとコメントされています。

 

2015年5月18日 (月)

【金融・企業法務】 事前求償権を被保全債権とする仮差押えの事後求償権に係る消滅時効中断効

 銀行法務21・No786号の金融商事実務判例で紹介された最高裁平成27年2月17日判決です。

 争点は、最高裁昭和60年2月12日判決が事前求償権と事後求償権とは別個の権利であると判断していることから、事前求償権を被保全債権とする仮差押えによっては、事後求償権の消滅時効は中断するのかどうかということでしたが、

 最高裁は、

 事後求償権を確保するために認められた権利であるという関係にあるから、委託を受けた保証人が事前求償権を被保全債権とする仮差押えをすれば、事後求償権についても権利を行使しているのと同等のものとして評価することができること、

 事前求償権と事後求償権との関係に鑑みれば、委託を受けた保証人が事前求償権を被保全債権とする仮差押えをした場合であっても、民法459条1項後段所定の行為をした後に改めて事後求償権について消滅時効の中断の措置をとらなければならないとすることは、当事者の合理的な意思ないし期待に反し相当ではない

 と判断して、事前求償権を被保全債権とする仮差押えは、事後求償権の消滅時効をも中断する効力を有するとしました。

 事前求償権の場合の消滅時効って、たまにご相談があり、悩ましく思っていました。とげが一本抜けたような気持ちがしますね。

2015年5月17日 (日)

【倒産】 経営状態が極めて悪化した会社が商品を購入してその代金が支払い不能となった場合、会社の代表取締役の任務懈怠につき重大な過失があったとして、その損害賠償責任が認められた事例

 判例時報No2250で紹介された大阪高裁平成26年12月19日判決です。

 事案はありそうな内容になっています。

 Xは、平成24年4月21日から5月31日までに、A会社に約660万円の商品を売り渡しましたが、6月1日に、A会社は、破産手続の開始の申立てをする旨通知し、8月29日に破産手続開始決定に至ったために、XがA会社に対する売掛金を回収することができなくなったという事案です。

 そこで、Xは、A会社の代表者であったYに、会社法429条1項等に基づき、損害賠償請求を行いました。

 第1審は、Xの請求を認めませんでしたが、高裁は、Xの請求を認めました。

 判決の概要は以下のとおりです。

 A会社は、平成24年1月の決算時において既に経営状態が悪化しており、同年4月21日以降Xと取引し、支払いのため手形を振り出しても決済できる見込みはもはやなかったものと認められるし、

 Yは、A会社の代表取締役として、A会社の経営状態を認識していたのであるから、経営改善のための抜本的な対策を講じない限り、Xと取引をしたとしてもその代金を支払が不可能となって、Xら債権者に損害が発生することを容易に認識し得たというべきである

 そうであれば、Yとしては、取引停止や倒産処理等を検討し、選択すべきであったのにこれを怠り、漫然とA会社のXからの商品購入取引を継続させ、Xに損害を与えたと認められるので、Yは、重大な過失により任務を懈怠したというべきであり、会社法429条1校の責任を免れない

 会社倒産による債権回収不能の場合、会社の役員に対する損害賠償請求を検討することがありますが、破産管財事件において、管財人から役員の損害賠償の査定もそれほど例がないように思いますので、このような直接に会社債権者から会社の役員に対する訴訟も、田舎弁護士の地域でも、多くはありませんが、散見されることがあります。

 感覚的には、重過失が必要であることから、ハードルが高いと思っていましたが、今回の事案では高裁はハードルを越えました。

 破産事件を受ける際には、この点についても注意していく必要があると思いました。

2015年5月14日 (木)

弁護士秘書を募集します (^o^)

 弁護士秘書を募集します。

 当事務所は、現在、弁護士2名(男性)、スタッフ4名(全員女性)の体制ですが、新たに、スタッフ1名募集いたします。

 希望しているのは、四年制大学出身の、22歳~30歳くらいまでの女性です。シングルマザーも大歓迎です。

 スキルとしては、PCやワープロ・エクセルが一通りできること、国語が苦手でないこと、接客電話の応対が苦手でないことが要求されます。

 お気軽に八木(0898-23-2136)にまでお問い合わせ下さい。

 

平成27年度第1回今治市行政改革推進審議会に出席しました

 本日、平成27年度第1回今治市行政改革推進審議会に出席しました。

 4月24日に今治市長から、今治市行政改革推進審議会会長が、新たな行政改革のための計画策定についての諮問を受けたことに伴い、実施されたものです。

 諮問の趣旨は、今治市行政改革大綱及び今治市集中改革プランを包括した今治市の新たな行政改革のための計画策定に向けて、審議会の意見を求められたわけです。

 まずは、今治市の現状についての説明を受け、第2次今治市総合計画の基本構想等について、議論を重ねたわけです。

  なお、本日の審議会で、田舎弁護士が、副会長に選任されました。(^o^)

2015年5月13日 (水)

本日、今治法人会青年部会の会員会議・交流会に出席しました

 本日、今治国際ホテルで開催された今治法人会青年部会平成27年度会員会議・交流会に参加しました。

 平成26年度事業報告、平成27年度事業計画案の説明の後、マイナンバー等の報告を経て、交流会となりました。

 勉強になりました。

2015年5月11日 (月)

愛媛県異業種交流研究会第3回経営開発委員会の研修会に出席しました

 本日、愛媛県異業種交流研究会・経営開発委員会主催の研修会に、参加させていただきました。

 第1部は、太陽石油㈱様で、太陽石油の事業内容及び重点施策等についての講話と、事業所見学でした。

 第2部は、菊間国家石油備蓄基地様で、国家石油備蓄の在り方と、石油備蓄基地見学でした。

 太陽石油は、国道196線沿いにあることから、しばしば通行するルートですが、施設の中に入って見学したことはありませんので、勉強になりました。

2015年5月10日 (日)

【金融・企業法務】 社外取締役及び社外監査役の注意義務基準

 銀行法務21・5月号で、山田剛志成城大学教授が、内部統制構築義務をめぐる判例を題材にして、社外取締役及び社外監査役の注意義務基準をめぐる考察を発表されていました。

 今月1月から施行された改正会社法では、社外取締役の活用による監督機能の強化がテーマの1つとされ、今般の株主総会では、社外取締役を設置する会社も相当に増加するものと想定されています。

 この考察では、社外監査役と社外取締役との注意義務基準の異同について検討を加えており、参考になります。

 一番大きな違いは、社外取締役は、取締役会の構成メンバーであり、業務執行について権限を持つのに対して、社外監査役は、業務執行についての権限は持たないことから、取締役の業務執行に対する監査、監視義務違反しか問われないということです。

 つまり、社外取締役は、監視義務違反にとどまることなく、法令違反や経営判断の誤りについても責任を負うことになり、社外監査役と比べると、より責任の範囲が広いということになります。

 山田先生は、最後に、「社外取締役選任の圧力は、国内外から高まっているが、安易に形式的要件を満たすためだけに任用するのではなく、社外役員の側も、その役割および責任を理解して就任することが望ましい」と指摘されています。

2015年5月 8日 (金)

【法律その他】 川内原発稼働等差止仮処分 鹿児島地裁決定骨子 

 4月22日、鹿児島地裁で、川内原発稼働等差止仮処分につき、住民の稼働等の差止め命令の申立てを却下する決定が言い渡されました。

 決定の骨子は以下のとおりです。

① 原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる運転差止仮処分申立事件における裁判所の審理・判断は、福島第一原発における事故の経験をも踏まえた細心の科学的知見及び原子力規制委員会が作成した安全目標に照らし、同委員会が策定した新規制基準の内容及び同委員会が示した当該原子炉施設に係る新規制基準への適合性判断不合理な点があるか否かという観点から行われるべきである。 

② 新規制基準は、最新の調査・研究を踏まえ、専門的知見を有する原子力規制委員会が相当期間・多数回にわたる審議を行うなどして定められたものであり、最新の科学的知見等に照らし、その内容に不合理な点は認められない。

③ 債務者は、新規制基準に従って、敷地周辺の地震・地質等に関する詳細な調査を実施した上で、将来の自然現象の予測に伴う「不確かさ」を相当程度考慮して基準地震動を定め、本件原子炉施設の耐震設計を行っているものと認められるから、原子力規制委員会が示した新規制基準への適合性判断に不合理な点は認められない。

 債務者は、耐震設計等で安全上の余裕を確保するとともに、多重防護の考え方に基づく安全確保対策や福島第一原発における事故を踏まえた重大事故対策を施しており、これらの債務者の取組等も本件原子炉施設の耐震安全性の確保に寄与するものと評価できる。

 債権者らは、本件原子炉施設には大規模な地震が発生した場合の「冷やす」機能及び「閉じ込める」機能の維持について重大な欠陥があると主張するが、このような欠陥に基づく事故の発生が避けられないと認めるに足りる的確な疎明はないといわざるを得ない。

④ 債務者は新規制基準に従って、各種調査を実施した上で、火山現象により本件原子炉施設が受ける影響を評価していることが認められ、その評価は火山学の知見により一定程度裏付けられているといえるから、原子力規制委員会が示した新規制基準への適合性判断に不合理な点は認められない

⑤ 本件原子炉施設周辺の地方公共団体が策定した避難計画を含む緊急時対応は、現時点において一応の合理性、実効性を備えているものと認められる。

⑥ 以上のとおり、債権者らが本件原子炉施設の運転に当たって具体的危険性があると主張する点を検討しても、債権者らの人格権が侵害され又はそのおそれがあると認めることはできないから、本件仮処分命令の申立てには理由がない。

 なお、本決定には、「本件避難計画等については、新たに得られた知見、住民の実態、防災訓練の結果等を踏まえ、さらなる改善、充実に向けて不断の見直しが求められるべきものであり、そうした不断の努力を怠れば、避難計画等の内容が住民実態とかい離したり、緊急時対応に対する担当者や住民の意識低下を招くなどし、実際に重大事故が発生した場合に避難計画等に沿った具体的行動が採れない事態に陥ってしまいかねないのであって、債務者においては、国、地方公共団体との連携の下でこれらの不断の努力を継続すべきであることはいうまでもない」という裁判所からの注文がついています。

 また、「もっとも、地震や火山活動等の自然現象も十分に解明されているものではなく債務者や原子力規制委員会が前提としている地震や火山活動に対する理解が実態とかい離している可能性が全くないとは言い切れないし、確率論的安全評価の手法にも不確定な要素が含まれていることは否定できないのであって、債権者らが主張するように更に厳しい基準で原子炉施設の安全性を審査すべきであるという考え方も成り立ち得ないものではない。したがって、今後、原子炉施設について更に厳しい安全性を認めるという社会的合意が形成されたと認められる場合においては、そうした安全性のレベルを基に周辺住民の人格的利益の侵害又はそのおそれの有無を判断すべきこととなるものと考えられる。」と末尾に記載されています。

 もっとも、「更に厳しい安全性を認める社会的合意が形成されたと認められる場合」とは、どのような場合なのかについては、例示がありません。

2015年5月 7日 (木)

【交通事故】 松山地裁今治支部平成26年3月25日判決

 交通事故民事裁判例集第47巻第2号で紹介された松山地裁平成26年3月25日判決をご紹介いたします。

 ① 道路を横断中に転倒して座り込んでいたところ、加害者(普通乗用自動車)に衝突され、前額部挫創、頭部打撲、右脛骨内果骨折等の傷害を受けた被害者(男・事故時83歳・年金生活者)が、入院後、長期臥床に伴う活動低下により循環不全に陥り、肺炎・脳梗塞を併発して死亡した場合について、事故と死亡との間の相当因果関係を認めた事例

 ② 妻と2人で生活していた被害者の死亡逸失利益(年金収入の喪失)について、平均余命を7年間、生活費控除率を40%として、ライプニッツ方式により中間利息を控除して算定した事例

 ③被害者の死亡については、被害者の高血圧症や高脂血症などといった持病も一因となったというべきであるとして、民法722条2項を類推適用して損害の30%を減額するのが相当であるとした事例

 ④ 深夜に発生した事故につき、事故現場から約30メートル付近には、信号機による交通整理の行われた横断歩道があるにもかかわらず、中央分離帯が設けられた幅員15メートル以上もある県道を横切ろうとした被害者にも相応の落ち度があるとして、30%の過失相殺を認めた事例

 結論としては、被害者の遺族からの請求を棄却しております。

2015年5月 6日 (水)

【交通事故】 ヘルニアと素因減額

 交通事故民事裁判例集第47巻第2号に、ヘルニアによる素因減額を論じた内容の裁判例として、東京地裁平成26年4月23日判決が紹介されていました。

 加害者側は、既往症である腰椎椎間板ヘルニア等を理由に、5割の素因減額を主張していたという事案です。

 裁判所は、

ア 原告車両は、時速約60㎞で進行してきた被告車両との衝突によりはね飛ばされ、その左前部がガードレールに衝突した。その際、原告は、意識がもうろうとした状態になるほどの衝撃を受けた。

イ 本件事故及びその後のガードレールとの衝突により、原告車両の前部フロントバンパー等は146万円以上の修理費を要する損傷を受けた。

ウ 本件事故は以前から原告のL4/5腰椎には自覚症状のない椎間板ヘルニアが存在したが、本件事故により同腰椎椎間板にヘルニアが発症した。一般的に、自覚症状のない椎間板ヘルニアの患者のうち、実際に発症に至るのは5%程度である。

 以上の認定事実に照らせば、本件事故による衝撃は相当程度重大であり、原告が受けた外力の作用も強かったと認められ、これが椎間板ヘルニアの発症に大きく影響したと考えられる。

 また、本件事故より前に原告が罹患していた椎間板ヘルニアは、本件事故がなければ発症に至る可能性が低かったことがそれぞれ認められる。

 これらからすれば、原告の既往症が椎間板ヘルニアの発症に影響を与えた可能性は否定できないものの、その影響の程度は小さいというべきであり、損害の公平な分担等の観点に照らして、上記既往症を理由に素因減額を行うのは相当とはいえない。

 よって、原告の既往症を理由に素因減額をすべきとする被告の主張は採用できない。

 既往症があった事案ですが、影響の程度が小さかったことから、素因減額を否定しました。裁判になったときに、被害者側で利用できそうな裁判例ですね。

2015年5月 5日 (火)

【金融・企業法務】 改正会社法 ~企業集団における内部統制システム~

 株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして、企業集団における業務の適正を確保するための体制が含まれる旨、会社法に定められることなりました。

 会社法への規定を受けて、施行規則には、企業集団における業務の適正を確保するための体制の例示として以下の事項が定められました。

 ① 子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員等の職務の執行に係る事項の親会社に対する報告に関する体制

 ② 子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制

 ③ 子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

 ④ 子会社の取締役等及び使用人の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

 上記①~④については、施行規則において例示がされましたが、従来の解釈を拡大するという趣旨ではなく、①~④につき実質的に当該事項について決議がされればよいことになっております。

 また、当該親会社が個々の子会社における内部統制システムを整備する義務や子会社を監督する義務まで定めるものではありませんが、企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制を整備していないと不測の事態が発生した場合、取締役、或いはそれを放置した監査役も善管注意義務違反が問われることになります。

2015年5月 4日 (月)

【金融・企業法務】 改正会社法 ~監査役等の監査の実効性の確保~

 監査役等の監査の実効性の確保として、下記の事項が追加されることになりました。

(1) 内部統制システムに追加された事項

 ① 企業集団における業務の適正を確保するための体制

    →明日、詳しく解説します。

 ② 監査役等の補助使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項

 ③ 取締役、その他使用人等及び子会社の取締役、監査役、使用人等が監査役等に報告をするための体制

 ④ 監査役等に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取り扱いを受けないことを確保するための体制

 ⑤ 監査費用の前払又は償還の手続その他の監査費用等の処理に係る方針に関する事項

(2) 内部統制システムの運用状況の概要の記載について

 内部統制システムの運用状況の概要が、事業報告の記載事項となりました。

 ③について、「実務対応」には、「内部通報制度等については、監査役等が窓口となることも一案ではあるが、すべからく監査役等が窓口になることが要求されているわけではなく、所管部門や外部専門機関を経由した間接的な報告も認められる。」と記載されています。

 

2015年5月 3日 (日)

【金融・企業法務】 改正会社法 ~会計監査人の選解任等~

 改正前は、株主総会に提出する会計監査人の選解任等に関する議案の内容は取締役会が決定し、監査役会は同意権を有するのみでした。

 改正会社法では、会計監査人の選解任等に関する議案の内容は、監査役会が決定することになりました。

 また、施行規則において、①会計監査人の解任・不再任に関する議案を提出する場合は、監査役が議案の内容を決定した理由を株主総会参考書類に記載しなければならないこと、②会計監査人の報酬等に監査役が同意した場合には、その理由を事業報告に記載しなければならないと規定されました。

 

2015年5月 2日 (土)

【金融・企業法務】 改正会社法 ~社外取締役・社外監査役~

 5月1日から、新しい会社法・法務省令(施行規則)が施行されました。

 本日は、「社外取締役及び社外監査役に関する規律」について説明いたします。

Ⅰ 社外取締役を置いていない「有価証券報告書提出義務がある公開かつ大会社の監査役会設置会社」は、下記の場合に、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を説明・開示しなければなりません。

 ① 株主総会での説明義務(会社法)

 ② 株主総会参考書類への記載義務(施行規則)

 ③ 事業報告への記載義務(施行規則)

 弥永会社法(14版)に「相当でない理由」でおもしろい記載がなされていました。引用します。「株主の納得が得られるかどうかはともかく、相当でない理由の客観的合理性は求められない。」「たとえば、創業者が夢枕に立って、社外取締役を置くべきではないと告げたというような奇抜なものでも違法とは評価できないであろう。」おもしろいですね。

 注意しなければならないのは、事業年度末に社外取締役を置いておらず、当該事業年度に関する定時株主総会で社外取締役の選任議案を上程する場合には、②株主総会参考書類への記載は必要ではないが、③の事業報告への記載のほか、④株主総会での説明は行わなければならないということです。

 もっとも、商事法務一問一答によれば、「選任議案が上程される場合には、その説明は比較的簡潔なものでよい」と記載されているようです。

Ⅱ 社外取締役及び社外監査役の要件の厳格化及び緩和

 社外取締役・社外監査役の要件として、下記が追加され、厳格化されました。

 ① 親会社等の関係者でないこと

 ② 兄弟会社の業務執行取締役等でないこと

 ③ 取締役等の近親者でないこと

 他方で、社外取締役・社外監査役に就任する前10年間に限り業務執行取締役等でなかったことが要件とされることになり、要件が緩和されています。

 Ⅲ 責任限定契約を締結することが認められる範囲の拡大

 今回の改正により、責任限定契約を締結することができる者が、非業務執行役員全般までに拡大されることになりました。社内監査役も、OKとなります。

 

2015年5月 1日 (金)

【金融・企業法務】 改正会社法が本日から施行されました (^o^) 

 月刊監査役No639号に、日本監査役協会が3月5日に公表した「改正会社法及び改正法務省令に対する監査役等の実務対応」が紹介されていました。

 改正法務省令が2月6日に公布され、改正会社法・改正法務省令は、本日から、施行されました。

 会社法って、新会社法になってから条文数も膨大になり、また、法務省令も読み込みが必要になってしまったため、薄い時代に商法を勉強した身としては、学習にかなりきついものがあります。(T_T)

 ですが、田舎弁護士の居住している地域は、商売が盛んな地域であることから、会社数も多く、学習しておく必要があります。

 明日から、実務対応を読んで特にご紹介が必要な事項についての、簡単な解説をしたいと思います。

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