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書籍紹介(企業法務・金融)

書籍紹介(不動産・建築)

書籍紹介(法律)

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2015年3月31日 (火)

【行政】 LP 国家賠償訴訟

 青林書院から今年の1月に発行された「LP国家賠償訴訟 」です。

 5章に分かれています。①国家賠償訴訟の現代的意義と適用範囲、②国家賠償法1条関係事件の要件事実、③国家賠償法2条関係事件の要件事実、④賠償責任者・求償、⑤訴えの提起とその審理です。

 LPなので、当然のことながら、必読書になろうかと思いますが、なんとこの書籍は完成するまで8年以上の年月を費やしたようです。。。。 

2015年3月30日 (月)

【法律その他】 和解交渉と条項作成の実務

 学陽書房から昨年12月に発行された「和解交渉と条項作成の実務 」という書籍です。

 7章からなります。①和解の意義・要件・効果、②和解の運用、③和解交渉の手順と心得、④和解条項の体系、⑤和解条項作成のポイント、⑥和解条項に誤りがある場合の措置、⑦事件類型別 モデル文例と留意点 です。

 事件分類では、①建物明渡請求事件、②請負代金請求事件、③離婚請求事件、④労働事件の、4つの和解条項が紹介されています。

 和解条項を作成する時にでも参考にしたいと思います。pencil 

2015年3月29日 (日)

【交通事故】 要約交通事故判例140

 学陽書房から昨年9月あの高野真人先生執筆の要約交通事故判例140 が出されていましたので、購入しました。

 5章に分かれています。①責任の発生、賠償額の減額・調整、②休業損害・逸失利益の算定、③積極損害算定の問題点、④慰謝料の問題点、⑤物損の問題点 です。

 コメントは、高野節のコメントがなされています。

 我が国の交通事故事案の第一人者の弁護士によるものとして、必要不可欠な書籍の1つですね。 

2015年3月28日 (土)

【建築・不動産】 建築トラブル対処術

 日経アーキテクチュアから昨年12月に出版された「建築トラブル対処術」 を購入しました。

 5章に分かれています。①変わる建築トラブル、②建築トラブルの基本、③リノベーションに思わぬクレーム、④反射光トラブルの原因と解決策、⑤近隣トラブルの重要・注目判例 です。

 建築士と弁護士の手によるものです。

 一般書ですが、結構、難しいです・・・・・ 

2015年3月27日 (金)

【金融・企業法務】 税理士 弁護士 のための 税務調査の後の不服申立手続ガイド

 日本加除出版から、昨年7月に発行された「税務調査の後の不服申立手続ガイド 」という書籍を購入しました。

 著者は、平成11年に弁護士登録した、松井淑子弁護士です。ということは、田舎弁護士と司法修習同期の可能性が高いですね。

 平成22年7月から平成26年7月までの4年間、国税不服審判所の国税審判官として審査請求に関わる仕事をされていた方です。

 弁護士って、特に、地方では、税金に関わる紛争についてはかかわることがほとんどありませんでした。医療過誤のような専門分野と思われていました。

 最近では、昨年当事務所に所属していた弁護士も国税審判所の国税審判官になったり、或いは、現在働いている弁護士も選択科目を税務にしていたことから、税務に関心の強い方が少しですが増えているように思います。

 私自身は、もう、税務に関わる紛争を専門的に取り扱うことができる自信はありませんが、業務として最低限の知識は得ておこうと思って購入しました。

 6章にわかれています。①前提知識、②税務調査段階、③不服審査ー不服申立ての概要と留意点、④異議申立て(平成26年改正再調査の請求)、⑤審査請求、⑥不服申立ての理由ー不服申立てにおける最重要ポイント です。

 この書籍は、きちんと、一読しておく必要があるなあと強く感じました。 

 

2015年3月26日 (木)

【建築・不動産】 未処理・困難登記をめぐる実務

 新日本法規から、今年の1月に出版された「未処理・困難登記をめぐる実務 」という書籍を購入しました。

 例えば、大正時代の仮差し押さえがついているという不動産の、仮差し押さえ登記を抹消したいという相談・・・・・

 きいているだけで、coldsweats02 coldsweats02 coldsweats02  です。

 購入していても、登記になると・・・・・ 難しいです。 

 登記の専門家である司法書士の先生に教えて貰うしかないです。

 そのときは宜しくご指導お願いいたします happy01 

 

2015年3月25日 (水)

【金融・企業法務】 企業情報管理実務マニュアル

 民事法研究会から今年の1月に発行された「企業情報管理実務マニュアル 」という書籍を購入しました。

 3部構成です。①企業情報管理の基礎知識、②Q&A企業情報の種類と管理、③Q&A企業情報をめぐるリスク対応となっております。

 例えば、退職者が他の従業員を勧誘して競業会社に引き抜きをした場合の対応策については、実にわかりやすくまとめられています。

 具体的な質問とその回答、そして、その具体的な解説、さらには、豊富な書式が用意されています。

 企業情報管理については当事務所でもセミナーを依頼されることがありますが、その際に参考にさせてもらいます。happy01 

 

2015年3月24日 (火)

【金融・企業法務】 デッド・リストラクチャリングのための各手法の比較検討 DDS  

 DES・DDSの実務(第3版)の続きです(P138~)。

 DDSについては、以下のような説明がなされています。 

 「DDSとは、債権者が債務者に対して有する既存の債権を、別の条件による債権に変更することをいう。通常、金融機関の既存の貸付金を他の債権よりも劣後する劣後ローンや劣後債に変更する意味で使われる。

 債権放棄やDESの場合と異なり、債権(債務)としては存続するものの、劣後化することによって実質的に債務者の財務状態を改善し信用力を高めることにより、再建可能性を高める手法である。

 また劣後させた債務については、金融機関側の事情によって元本回収・返済が突如行われるということもなく、債務者を含めた利害関係人の予測可能性が高まるため、安定的な経営を行うことができるようになる。」

 そして、本書では、DDSについては、金融機関・中小企業のニーズに合致する旨の説明がなされています。

 「DDSが債権放棄やDESと最も異なるのは、債権を別の債権に転換するだけの手法であり、債務者が最終的に返済義務を負う点については変わりがないことから、他の手法と比べて比較的容易に実行できるし、債務者のモラルハザードの問題が生じにくい点である。このため、地域金融機関や中小企業のニーズにも合致しやすい。

 DDSによって債務の一部を劣後化すると、債権放棄やDESの場合と同様、①実質的には過剰債務の状態が解消され、債務者の信用力が高まり、再建可能性が高まる。

 DDSの対象となった債務が劣後化されている間は、②当該債務については元本返済がなくなるため、資金繰りが改善されるし、それにより、他の借入金の返済能力が向上し、③他の借入金についても不履行となる危険性が減少する。

 債権者は、DDSによって劣後化された債権についても、④約定で定められた期間経過後に元本を回収することが可能であるし、⑤劣後化している間も利息を受け取ることが可能である。

 また、⑥DDSの実行に際して債務者に特約を課せば、株式所有による経営支配、経営責任の問題を回避しつつ、債務者の経営内容や財務状態・キャッシュフォロー等の監視やコントロールが実質的に可能となる。

 さらに、DDSが一定の条件を満たす場合には、⑦DDSの対象外の債権について債権者区分を上位遷移することが可能となる。」

 これまで、債権放棄、DES、DDSの概要について説明してきましたが、経営者責任としては、「債権放棄の場合、本来株式よりも優先的地位にある債権を債権者が放棄することから、一定の株主責任、経営者責任を問うことが要請される。

 DESについても債権を原則として既存の株式と同順位の権利に変更することから、債権放棄の場合まででなくとも一定の株主責任、経営者責任を問うことが要請されることが多い。

 他方、DDSについては、債権を他の条件の債権に変更するだけで、株式よりも回収において優先的地位にあるものにとどめている。したがって、DDSを行う場合、当然に株主責任、経営者責任を問うということにならない」と説明されています(P160)。

 DESやDDSの法律相談があった場合には事前に読んでおく必要がある書籍ですね。 

 

2015年3月23日 (月)

【金融・企業法務】 デッド・リストラクチャリングのための各手法の比較検討 DES  

 引き続き、 DES・DDSの実務(第3版) の勉強です。

 DESって、最近、田舎弁護士にとっても身近な言葉になっています。

 DESとは、債権者が債務者に対して有する債権を債務者の株式と交換することをいいます。

 DESのメリットは、以下のように整理されています(実務P136~P137)。

 「DESによっても債権放棄と同様、債務は完全に消滅するため、 ①債務者は過剰債務を解消し、有利子負債を削減することができるため、これにより債務者の信用が高まり再建可能性が高まる。DES

  DESの場合、債権放棄に比べると事業価値の毀損や信用の低下が生じないともいえる。

 ②DESを行った債務の元利金返済がなくなるため、資金繰りも改善される点、資金繰りが改善することにより、他の借入金の返済能力が向上し、③他の借入金についても不履行となる危険性が減少する点も、債権放棄と同様である。

 債権放棄と大きく異なるのは、DESにより、債権者は債権よりもリスクの高い株式を取得するが、債務者が再建に成功した場合、④債権者は再建よりも高いリターンを得ることが可能となる点である。

 また、債権放棄の場合、債務者のモラルハザードの発生の可能性が大きな問題となるが、DESの場合には、デッドからエクイティへの転換という債権者のいわば投資スタンスの変更であるといえ、債務者に対する一方的な利益供与とならないため、⑤債権放棄と比較して債務者のモラルハザードを一定程度防止することができる。

 このほか、⑥配当収入の確保、⑦議決権付株式を保有する場合、債務者の経営に対する監督・関与を確保することができる。

 合理的な再建計画に基づいてDESを実行し、これにより債務超過が解消され財務状態が改善するのが通常であることから、⑧DES後の残再建についての債務者区分を上位遷移することが可能となるのは、債権放棄の場合と同様である。」

 もっとも、中小企業の場合、通常株式に流通性がなく、株式の売却によりキャピタルゲインを得られる可能性が少ないために、債権者にとってDESを実行するインセンティブが働きにくいようにも思われます。DESによって、配当収入の確保ができそうな業績のよい中小企業の場合くらいでしょうかね。 

2015年3月22日 (日)

【金融・企業法務】 デッド・リストラクチャリングのための各手法の比較検討  債権放棄

 平成26年11月に発行された「DES・DDSの実務」(第3版)です。

 DESについては、時折、ご相談を受けることがありますが、数年前は???でしたが、最近は、このような書籍を購入して、少し勉強するようにしております。

 デッド・リストラクチャリング、つまり、財務再構築のための各手法の比較検討については、本書P134以下でわかりやすく記載されていますので、少し引用します。

 「債権放棄とは、債権者(主に金融機関)が債務者に対して有する債権(主に貸付金)の一部を放棄する(債務者の側からみると免除を受ける)ことをいう。」

 「債権放棄のメリット 債権放棄は、債務者の債務を確定的に消滅させる手法であるため、①過剰債務を解消し、有利子負債を削減することができ、これにより債務者の信用力が高まり、再建可能性が高まる。②免除を受けた債務については元利金の返済がなくなるため、資金繰りも改善される。資金繰りが改善することにより、他の借入金の返済能力が向上し、③他の借入金についても不履行になる危険性(デフォルトリスク)が減少する。④債務免除益により、累積損失(繰越欠損金)等の解消が可能となる。

 また、合理的な再建計画に基づいて債権放棄を実行し、これにより債務超過が解消され財務状態が改善するのが通常であることから、⑤放棄後の残債権についての債務者区分を上位遷移することが可能となる。」

 「債権放棄のデメリット 債権放棄によって債権者の債権は完全に消滅することから、①放棄によって確定的に損失が生じることになる。引当金の計上が不足していた場合などは、債権放棄に伴う損失により債権者の損益に影響が及ぶ。また、債権放棄によって債務者の負担は完全に消滅するにもかかわらず、債権放棄を行っただけでは債権者による経営への関与・監視が強化されることはないことから、②債務者のモラルハザードを招くおそれがある。

  他方、債務者にとっては、債権放棄を伴う私的整理の実行により、法的倒産手続を申し立てた場合ほどではないにせよ、③事業価値の毀損や信用低下が生じうるというデメリットもある。

  なお、債務免除を受ける場合、④税務上は債務免除益として益金算入され、課税の対象となってしまう。前事業年度以前の事業年度以前の事業年度から繰り越された欠損金がある場合、欠損金額が免除益と相殺されるため、相殺された益金については課税の対象とはならないが、欠損金と当期損失の合計額が免除額に満たない場合、課税が発生し、資金の流失を招くおそれがある。」 

 本書は、まず債権放棄のメリット・デメリットを以上のようにまとめています。 

 

2015年3月21日 (土)

【金融・企業法務】 コンプライアンス時代における事故対応・損害賠償の実務の手引

 民事法研究会から、今年の1月に、コンプライアンス時代における事故対応・損害賠償の実務の手引 という書籍が出版されていましたので、購入しました。

 基本的には、交通事故が中心ですが、それ以外にも、①運送事故、②製品事故、③労災事故、④建設事故、⑤医療事故、⑥海洋汚染事故が発生した場合の、対応等についての説明もなされていました。

 最近の事象までとりあげられている良い本だと思います。 

 

2015年3月20日 (金)

【労働・労災】 改訂版 企業のための労働契約の法律相談

 青林書院から昨年11月に出版された「企業のための労働契約の法律相談 」(改訂版)を購入しました。

 全部で13章から構成されています。①労働契約の当事者、②さまざまな労働契約、③労働契約の成立ー募集・採用、内定、使用期間、④就業規則、⑤賃金、賞与、退職金、⑥労働時間、休日、休暇、⑦人事権の行使ー昇格、昇進、配転、出向、転籍その他、⑧懲戒処分、⑨従業員の健康問題、労働災害、⑩労働契約の終了ー退職、解雇、⑪女性労働、ワークライフバランス、⑫M&Aと労働契約、⑬紛争解決手段 です。

 700ページを超える大書なので、問題が生じるごとに参考にさせていただきます。 

2015年3月19日 (木)

【金融・企業法務】 開示規制違反に係る課徴金事例集の公表について

 月刊監査役No638では、証券取引等監視委員会の課長補佐の方が書かれた頭書タイトルの論文が紹介されていました。

 平成17年4月に課徴金制度が開始され、証券監視委は、平成26年6月末までに、開示規制違反等に対して、85件、計約78億円の課徴金納付命令勧告を行っているとのことです。

 開示規制違反の手法としては、①不適切な会計処理の隠蔽を図るために、海外子会社や海外ファンドが利用されるケース、②海外子会社等において不適切な会計処理が行われ、連結財務諸表に影響が及ぶケース、③経営者や取締役等の会社幹部が主導して不適正な会計処理が行われるケースが多いようです。

 課徴金は大きな金額になることもあるため、注意が必要です。 

3月20日、日本交通法学会の人身賠償補償研究会に出席します。

 3月20日、霞ヶ関の日弁連会館で開催が予定されている日本交通法学会・人身賠償補償研究会に、参加します。

 テーマは、東京地裁民事27部における最近の判決等についてで、

 報告者は、部総括の白石部長 外2名です。

 

2015年3月18日 (水)

【医療事故】 仮死状態で出生した新生児が、医師及び助産師の分娩監視義務違反により脳性麻痺を発症し重度の後遺障害が残ったとして、病院に対し求めた診療上の債務不履行に基づく損害賠償請求が認容された事例

 判例時報NO2244号で紹介された名古屋地裁平成26年9月5日判決です。

 判決の概要を説明します。

 X2(母親)はY市の開設する市民病院に分娩を目的として入院し、甲医師がこれを担当したこと、

 甲医師は陣痛促進剤投与の必要性があるとしてプロスモルタン?Fの点滴注入をしたが、X1(新生児)の頸部に臍帯が巻き付いていたため臍帯を止血切断の上でX1を出生させたこと、

 X1は出生啼泣がなく出生1分後のアプガースコアは心拍数100以下、呼吸なし、筋緊張弛緩等の状態であったため、甲医師はX1の背部を刺激し、バック&マスクによる人工呼吸を開始したこと、

 甲医師と交代した乙医師もバック&マスクによる換気を継続したところ、アプガースコアの改善が認められたものの自発呼吸の徴候がみられなかったため、出生後4~9分までの間に気管挿管を実施し処置が続けられた後、X1は大学病院に搬送され新生児集中治療室で治療を受け、重症新生児仮死及び低酸素性虚血性脳症と診断されたこと

 ところで、甲医師によるプロスタルモン・Fの投与判断及び投与量にかかる注意義務違反は認められないが、

 甲医師・助産師の分娩監視義務違反については、15時40分頃から15時45分頃の所見に照らし、甲医師らには、母体の体位転換、陣痛促進剤の投与停止を行い、並行して急速分娩(緊急帝王切開)の準備を行うべき注意義務があり、母体の体位転換や陣痛促進剤の投与停止等によりX1の状態が改善しない場合には、15時45分頃の時点において急速分娩の措置をとるべきであったことが認められること

 甲医師及び助産師らの分娩監視義務違反により、X1は16時36分に出生するまで約48分間胎内で胎児機能不全の状態に置かれ、その間にX1の脳性麻痺が発生したと推認できること

 などを理由に、病院の責任を認めました。

 平成20年2月に社団法人日本産婦人科医会が発行した「胎児の評価法ー胎児評価による分娩方針の決定ー」には、胎児機能不全への対応として、母体の体位変換、母体への酸素投与、陣痛促進剤投与の中止等により胎児低酸素状態の改善のための処置を実施しつつ、急速分娩術の準備を行い、児の状態が改善しない場合には、急速分娩を行うことが記載されています。

 急速分娩を行う必要があるにもかかわらず、それを怠ったという過失が認められるわけです。 

弁護士メディカル応用コース(東京)を受講します。

 明日から、日本損害保険協会が主催している「弁護士メディカル応用コース(2日間)」を受講いたします。

 場所は、お茶の水の日本損害保険協会医研センター研修室です。

 第1日目が、骨折講義・頭部外傷講義、第2日目が、後遺障害認定の基礎と着眼点、医療審査講義となっております。

 受講後、ご報告いたします。

2015年3月17日 (火)

【金融・企業法務】 金商法172条の2第1項に基づき課徴金の納付を命じるに当たり、発行開示書類の虚偽記載につき発行者に故意又は過失のあることを要するか?

 判例時報No2244で紹介された東京地裁平成26年2月14日付判決です。

 判例時報の解説を一部紹介します。

 「本件判決と同様に主観的要件を不要とする見解がある一方で、責任主義の原則は行政制裁一般にも妥当すべきであるとして、課徴金を課すに当たり少なくとも過失が必要であるとの見解もみられる。

 また、過失までは不要としても、何らかの責任要素は必要であるとの見解も有力である。

 しかし、行政上の措置である課徴金と刑罰である罰金とでは性質を異にするから、要件にも自ずと差が生じるというべきであるし、過失を課徴金賦課の要件とすると、処分庁がこれを立証しなければならず、課徴金の円滑な運用が困難になって、発行開示規制の実効性を確保できない。

 また、発行者がいわゆる組込方式を用いた場合を含め、本件課徴金条項に違反する行為があれば、その管理体制に何らかの不備があることが通常であって、そのような不備を正当化する事由は容易に想定しがたいと思われる。」

 この論点については、このブログでも何度か紹介させていただいております。今なお、考えがまとまりません。 

 

 

2015年3月16日 (月)

【行政】 土地又は家屋につき賦課期日の時点において登記簿又は補充課税台帳に登記又は登録がされていない場合における、賦課決定処分時までに賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている者の固定資産税の納税義務の有無

 判例時報の2244号で紹介された最高裁平成26年9月25日判決です。

 地方税法343条1項、359条は、固定資産の賦課期日現在の「所有者」が固定資産税の納税義務者である旨を定め、343条2項前段は、ここにいう土地又は家屋の「所有者」とは、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者をいう旨を定めています。

 本件においては、賦課期日現在の真の所有者であっても、その時点で登記簿又は補充課税台帳に所有者として登記又は登録されていない限り、固定資産税の納税義務者である「所有者」に該当せず、当該賦課期日に係る年度の固定資産税の納税義務を負わないものと解すべきか否かが争われました。

 原審は、形式的に考えて、納税義務を負わないと判断しました。

 しかし、最高裁は、概ね以下のように述べて納税義務を負うと判断しました。

 地方税法は、固定資産税の納税義務の帰属につき、固定資産の所有という概念を基礎とした上で、これを確定するための課税技術上の規律として、登記簿又は補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者が固定資産税の納税義務を負うものとして定める一方で、

 その登記又は登録がされるべき時期につき特に定めを置いていないことからすれば、

 その登記又は登録は、賦課期日の時点において具備されていることを要するものではない

 と述べました。

 まあ、納税義務を負わないとすれば、家屋の新築後に登記申請を遅らせることにより容易に租税回避が可能となるので、なんで、高裁が納税義務を負わないことを認めた方が不思議です。 

 

 

 

2015年3月15日 (日)

【倒産】 支払承諾依頼者について法的倒産手続が開始した場合の留意点

 金融法務事情No2012では、最高裁平成23年11月22日、同月24日判決を前提に、支払承諾依頼者についての法的倒産手続が開始した場合の留意点についての論文が紹介されていました。

 解説者は、「支払承諾(債務保証)取引において、支払承諾依頼者(保証依頼債務者)についての法的倒産手続が開始したときの金融機関担当者の留意点」について、以下のようにまとめられています。

 1 被保証債権の調査

 支払承諾依頼者について法的倒産手続が開始された場合、支払承諾取引における被保証債権が財団債権または民事再生法もしくは会社更生法上の共益債権ではないか、調査・検討することが肝要である。

 2 被保証債権の債権者への助言

 被保証債権が財団債権等である場合またはその可能性がある場合、被保証債権の債権者に対し、次の助言をすべきである。

 ア 安易な債権届出をしないこと

 イ 財団債権等かどうか不明なときは、予備的債権届出の形式にすること

 ウ 破産管財人・再生会社・更生会社に対し、財団債権等として支払を請求すること

 エ 裁判所に対して、破産管財人・再生会社・更生会社に対して、財団債権等として弁済するよう指導されたい旨上申するなど監督権の行使を促すこと

 3 不適切な債権届出がされた場合の対応

  不適切な債権届出がされてしまった場合には、次の対応を検討すべきである。

 ア 被保証債権の債権者に、債権届出の補正または取り下げを促すこと

 イ 金融機関自ら、債権調査手続において、届出債権者として異議を述べること

 4 付議決定がされてしまった場合の対応

 ア 裁判所に対して、付議決定を取り消すよう上申してみること

 イ 併せ、裁判所に対し、破産管財人・再生会社・更生会社に対し、財団債権等として弁済するよう指導されたい旨上申するなど監督権の行使を促すこと

 

  これって、被保証債権の債権者が、財団債権等でありながら、間違って、再生債権として届出し、しかも、付議決定されてしまった場合、金融機関と、被保証債権の債権者との間で、トラブルが発生することが必至です。

 契約書に盛り込む等して、事前の予防策が必要ですね。 

 

2015年3月14日 (土)

【交通事故】 歯についての将来の治療費!?

 交通事故民事裁判例集第47巻第1号で紹介された東京地裁平成26年1月27日判決です。

 交通事故の被害者(女・48歳)が、事故により喪失した4歯にセラミックによる補綴処置が施されたものの、セラミックの強度及び周囲歯肉等との親和性に照らして、その交換が必要とし、交換費用1歯につき10万円補綴物が口腔内で健全に機能するためには定期的な検診が必要で、その費用は1回5000円として、36万9259円を認めました。 

 10万円×4本×(0.481+0.2313)+5000円×16.8679=36万9259円 

 セラミックの強度及び周囲歯肉等との親和性に照らして、その交換が必要として、将来の治療費を認めているので、そのことについての立証が必要なようです。 

2015年3月13日 (金)

【交通事故】 メーカーオプション価格の補償について!?

 交通事故民事裁判例集第47巻第1号で紹介された平成26年1月21日付け大阪地裁判決です。

 被害者が、タイヤ3万1500円、セーフティーシステム14万7000円、クリアランスソナー4万2000円、ムーンルーフ10万5000円、合計32万5500円のメーカーオプション価格を支払ったという事案で、このメーカーオプションが補償の対象にならないかが問題となりました。

 裁判所は、メーカーオプションについては、車両の価値向上に資するオプションで、かつ、容易に他の車両に転用が効くものではないと認められることから、その価格については、車両時価額に加算して計算されるべきものだと判断しています。

 とはいっても、これらのオプション価格は新品価格であるところ、車両購入から事故まで約1年が経過しており、これらのオプションについては新品の状態であるとは認められないことから、しかるべき残存価格を算出する必要があるとします。

 そして、車両本体価格が、購入時に650万円、事故時に524万円であることから、事故時点で概ね新品の8割程度の価格になっていたものと考えられることから、オプション価格についても、新品購入時の8割の価格が残存していると判断し、結局、購入時の価格である32万5500円の8割である26万0400円を、加算すべきオプション価格と算定しました。

 忘れやすい損害費目なので、押さえておく必要がありますね。 

2015年3月12日 (木)

【行政】 原付が町道の穴にはまって怪我してしまった場合!?

 交通事故民事裁判例集第47巻第1号で紹介された東京高裁平成26年1月15日判決です。

 被害者(女・73歳)運転の原動機付自転車が、時速15~20㎞で、町道(幅員約5m程度で、中央線がない)を走行中、町道の穴にタイヤがはまり転倒し、負傷したという事故です。

 裁判所は、穴は町道の右端から約1.5mの位置にあって大きさが約20㎝×約30㎝、深さは約5㎝であり、地元の地区から補修の要請が出されていて町はその穴の存在とその危険性を認識していたことから、町道は通常の安全性を欠いていたとして、町に設置管理の瑕疵を認めました。

 もっとも、被害者も、町道を日常的に通行し、穴の存在をよく知っていたこと、事故が発生したのは昼間でありかつ現場の見通しが良いこと、町道の左側に隣接する空地と町道の左側部分に跨がる形で駐車していた軽トラックを避けることに気をとられ、同車の右斜め前方にあった穴の存在を失念していたこと、穴を避けて運転することは困難であったとはいえないことから、

 被害者に60%の過失相殺をしました。

 結局、町に責任は問えても、損害としては、40%部分しか請求できないことになりました。

 もっとも、高裁では、町に責任を認めましたが、第1審ではそもそも町の責任を否定しています。

 やはり、道を走る場合には、注意しながら走る必要があるようです。

 

2015年3月11日 (水)

【弁護過誤】 本人確認情報提供制度の趣旨からすれば、司法書士である被告には、本人確認を行うに当たり高度な注意義務が課せられているところ、被告はこれを怠ったため、過失責任が認められた事例 平成24年12月28日付東京地裁判決

 判例タイムズの1408号(2015.3号)で紹介された所有権移転登記の依頼を受けた司法書士の先生が訴えられたという事案です。

 解説には、旧現の本人確認情報提供制度についての説明が記載されていましたので、その一部を引用します(一部略)。

 「平成16年改正前不動産登記法(旧法)では、登記申請書に添付すべき書類として、登記義務者の意思を確認するため、登記義務者の権利に関する登記済証を添付して提出することになっており、登記済証が滅失したようなときには、登記済証の代用の制度として、保証書の制度があった。そして、保証書を利用した登記申請が行われた場合には、登記義務者に対して登記申請があったことを葉書で通知し、登記義務者がその受け取った葉書を登記官に提出して間違いない旨の申し出をした場合に初めて登記手続をするという事前通知制度が設けられていたが、

 保証書を利用した不正登記が行われているという批判があった。

 そこで、改正法においては、保証書制度を廃止する代わりに、登記義務者について住所変更登記がされている場合には、現住所のほかに前住所にも通知書を発送し、かつ本人限定受取郵便によって通知することとするなど厳格な手続によって登記義務者に事前通知をすることとする一方で、

 司法書士や公証人等の資格を有する者が、登記申請者が登記義務者本人であることを確認するために必要な情報を提供し、かつ、登記官がその内容を相当と認めたときは、事前通知をしないままに登記手続を行うこととされた。」

 裁判所は、司法書士の先生が、運転免許証の偽造が見抜けなかったことについて、注意義務違反の程度は大きいと述べています。

 誕生日が昭和10年5月23日と記載されているのであれば、免許証の有効期限は平成24年6月23日と記載されていなければならないはずなのに、平成24年5月23日と記載されていることが、一見として不審な運転免許証であると気づくべきだと言うのです。

 ・・・・・・・

 裁判所は、「必ずしも過大な要求をしているものではない」と述べています。

 田舎弁護士からみたら過大な要求のようが気がしますが、実際のところ、どうなんでしょうか? 

 

2015年3月10日 (火)

【損益相殺】 最高裁判所大法廷平成27年3月4日判決,遺族補償年金につき消極損害の元本から差し引く計算方法に統一 (T_T)

 先日の愛媛新聞でも紹介されていた最高裁判決です。残念ながら、被害者にとって、不利益な判決です。遺族補償年金ですが、消極損害の原本から差し引く計算方法に統一されてしまいました。

 ただ、「制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り場合には、別なようです。でもこんな場合ってどういう場合が想定されるのでしょうか? 

 平成24年(受)第1478号 損害賠償請求事件・最高裁判所大法廷平成27年3月4日判決の全文は、以下のとおりです.

                        主 文
 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人らの負担とする。

                        理 由
上告代理人川人博ほかの上告受理申立て理由第2について

1 本件は,過度の飲酒による急性アルコール中毒から心停止に至り死亡したAの相続人である上告人らが,Aが死亡したのは,長時間の時間外労働等による心理的負荷の蓄積によって精神障害を発症し,正常な判断能力を欠く状態で飲酒をしたためであると主張して,Aを雇用していた被上告人に対し,不法行為又は債務不履行に基づき,損害賠償を求める事案である。

2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
(1) A(昭和55年▲月▲日生まれ)は,ソフトウェアの開発等を業とする会社である被上告人にシステムエンジニアとして雇用されていた。
Aは,長時間の時間外労働や配置転換に伴う業務内容の変化等の業務に起因する心理的負荷の蓄積により,精神障害(鬱病及び解離性とん走)を発症し,病的な心理状態の下で,平成18年9月15日,さいたま市に所在する自宅を出た後,無断欠勤をして京都市に赴き,鴨川の河川敷のベンチでウイスキー等を過度に摂取する行動に及び,そのため,翌16日午前0時頃,死亡した。
被上告人は,Aの死亡について,被上告人の従業員がAに対する安全配慮義務を怠ったことを理由として,不法行為(使用者責任)に基づく損害賠償義務を負う。
もっとも,Aにも過失があり,過失相殺をするに当たってのAの過失割合は3割である。

(2) Aの死亡による損害は,Aの逸失利益4915万8583円及び慰謝料1800万円,Aの父母である上告人らの固有の慰謝料各200万円並びに上告人X1の支出に係る葬儀費用150万円である。
Aの相続人は,上告人らのみである。

(3) 上告人X1は,平成19年10月16日,労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)に基づく葬祭料として68万9760円の支給を受けたほか,原審の口頭弁論終結の日である平成24年2月9日の時点で,労災保険法に基づく遺族補償年金(以下,単に「遺族補償年金」という。)として原判決別紙1の受給額欄記載のとおり合計868万9883円の支給を受け,又は支給を受けることが確定している。
上告人X2は,原審の口頭弁論終結の日である上記同日の時点で,遺族補償年金として原判決別紙2の受給額欄記載のとおり合計151万6517円の支給を受け,又は支給を受けることが確定している。

3 原審は,上記事実関係等の下において,遺族補償年金についての損益相殺的な調整につき,次のとおり判断して,上告人X1の請求を1817万5861円及びこれに対するAの死亡の日である平成18年9月16日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,上告人X2の請求を568万8987円及びこれに対する上記と同様の遅延損害金の支払を求める限度で,それぞれ認容した。

(1) 遺族補償年金は,これによる塡補の対象となる損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する関係にあるAの死亡による逸失利益の元本との間で損益相殺的な調整をすべきであり,同元本に対する遅延損害金を遺族補償年金による塡補の対象とするのは相当ではない。

(2) 遺族補償年金は,制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,その塡補の対象となる損害が不法行為の時に塡補されたものとして損益相殺的な調整をすることが相当である。そして,本件の事実関係によれば,不法行為の時に損害が塡補されたものと法的に評価して上記の調整をすることができる。

4 所論は,遺族補償年金についてAの死亡による逸失利益の元本との間で損益相殺的な調整をした原審の判断は,遺族補償年金等がその支払時における損害金の元本及び遅延損害金の全部を消滅させるに足りないときは,遅延損害金の支払債務にまず充当されるべきものであるとした最高裁平成16年(受)第525号同年12月20日第二小法廷判決・裁判集民事215号987頁に反するというものである

5(1) 被害者が不法行為によって死亡し,その損害賠償請求権を取得した相続人が不法行為と同一の原因によって利益を受ける場合には,損害と利益との間に同質性がある限り,公平の見地から,その利益の額を相続人が加害者に対して賠償を求める損害額から控除することによって損益相殺的な調整を図ることが必要なときがあり得る(最高裁昭和63年(オ)第1749号平成5年3月24日大法廷判決・民集47巻4号3039頁)。そして,上記の相続人が受ける利益が,被害者の死亡に関する労災保険法に基づく保険給付であるときは,民事上の損害賠償の対象となる損害のうち,当該保険給付による塡補の対象となる損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有するものについて,損益相殺的な調整を図るべきものと解される(最高裁昭和58年(オ)第128号同62年7月10日第二小法廷判決・民集41巻5号1202頁,最高裁平成20年(受)第494号・第495号同22年9月13日第一小法廷判決・民集64巻6号1626頁,最高裁平成21年(受)第1932号同22年10月15日第二小法廷判決・裁判集民事235号65頁参照)。


 労災保険法に基づく保険給付は,その制度の趣旨目的に従い,特定の損害について必要額を塡補するために支給されるものであり,遺族補償年金は,労働者の死亡による遺族の被扶養利益の喪失を塡補することを目的とするものであって(労災保険法1条,16条の2から16条の4まで),その塡補の対象とする損害は,被害者の死亡による逸失利益等の消極損害と同性質であり,かつ,相互補完性があるものと解される。

 他方,損害の元本に対する遅延損害金に係る債権は,飽くまでも債務者の履行遅滞を理由とする損害賠償債権であるから,遅延損害金を債務者に支払わせることとしている目的は,遺族補償年金の目的とは明らかに異なるものであって,遺族補償年金による塡補の対象となる損害が,遅延損害金と同性質であるということも,相互補完性があるということもできない。

 したがって,被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,損害賠償額を算定するに当たり,上記の遺族補償年金につき,その塡補の対象となる被扶養利益の喪失による損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきものと解するのが相当である。

(2) ところで,不法行為による損害賠償債務は,不法行為の時に発生し,かつ,何らの催告を要することなく遅滞に陥るものと解されており(最高裁昭和34年(オ)第117号同37年9月4日第三小法廷判決・民集16巻9号1834頁参照),被害者が不法行為によって死亡した場合において,不法行為の時から相当な時間が経過した後に得られたはずの利益を喪失したという損害についても,不法行為の時に発生したものとしてその額を算定する必要が生ずる。しかし,この算定は,事柄の性質上,不確実,不確定な要素に関する蓋然性に基づく将来予測や擬制の下に行わざるを得ないもので,中間利息の控除等も含め,法的安定性を維持しつつ公平かつ迅速な損害賠償額の算定の仕組みを確保するという観点からの要請等をも考慮した上で行うことが相当であるといえるものである。

 遺族補償年金は,労働者の死亡による遺族の被扶養利益の喪失の塡補を目的とする保険給付であり,その目的に従い,法令に基づき,定められた額が定められた時期に定期的に支給されるものとされているが(労災保険法9条3項,16条の3第1項参照),これは,遺族の被扶養利益の喪失が現実化する都度ないし現実化するのに対応して,その支給を行うことを制度上予定しているものと解されるのであって,制度の趣旨に沿った支給がされる限り,その支給分については当該遺族に被扶養利益の喪失が生じなかったとみることが相当である。そして,上記の支給に係る損害が被害者の逸失利益等の消極損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有することは,上記のとおりである。


 上述した損害の算定の在り方と上記のような遺族補償年金の給付の意義等に照らせば,不法行為により死亡した被害者の相続人が遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定することにより,上記相続人が喪失した被扶養利益が塡補されたこととなる場合には,その限度で,被害者の逸失利益等の消極損害は現実にはないものと評価できる。

 以上によれば,被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,その塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが公平の見地からみて相当であるというべきである(前掲最高裁平成22年9月13日第一小法廷判決等参照)。

 上記2の事実関係によれば,本件において上告人らが支給を受け,又は支給を受けることが確定していた遺族補償年金は,その制度の予定するところに従って支給され,又は支給されることが確定したものということができ,その他上記特段の事情もうかがわれないから,その塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが相当である。

(3) 以上説示するところに従い,所論引用の当裁判所第二小法廷平成16年12月20日判決は,上記判断と抵触する限度において,これを変更すべきである。

6 以上によれば,上記3の原審の判断は正当として是認することができる。論旨は採用することができない。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。


                   

2014年住宅紛争処理機関検討委員会第3回全体会議

 本日午後1時から霞ヶ関の日弁連会館で開催された「2014年度日弁連住宅紛争処理機関検討委員会・第3回全体会議」に電話会議で出席いたしました。

 大きな議題としては、①住宅紛争審査会の記録・情報開示に関するモデル基準についての説明、②弁護士会におけるマンション敷地売却・建替えに関する専門家相談パイロット事業の実施(平成27年度)についての注意点でした。

 マンション敷地売却・建替えに関する専門家相談については、今年の2月1日現在で、15会の単位会にて実施することになるようです。四国では、香川県が実施しており、他の件は未検討、実施しないとなっております。愛媛で専門家相談を実施するかどうかは、他会の状況をみて検討したいと思っております。

 なお、民法改正に伴う住宅品確法・履行確保法については、以下のとおりの説明がありました。

 ① (売買・請負) 瑕疵担保責任について

 「瑕疵」の文言を削除し、「目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない」場合の責任について規定されることになりました。

 ② (売買) 売買の瑕疵の「隠れた」ものであるという要件の削除について

 これまで「隠れた」瑕疵についての担保責任について規定されていたが、「隠れた」との要件は設けないことになりました。

 ③ (売買・請負) 債務不履行による損害賠償と契約の解除について

 (1)請負の瑕疵担保責任に関し、土地工作物についても契約の解除が可能となりました。

 (2)売買及び請負の瑕疵担保責任に関し、債務不履行による損賠償及び契約の解除については、これまでと異なり、債務不履行による損害賠償の一般原則及び契約解除の一般原則に基づくものとなりました(これにより、損害賠償責任は、無過失責任から過失責任となりました)

 ④ (売買)  売買の履行追完義務(修補請求)について

 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものである場合において、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足文の引渡しによる履行の追完を請求することができるようになりました。

 ⑤ (売買・請負) 代金減額請求及び報酬減額請求について

 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものである場合において、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができることになりました(請負についても同様であり、報酬の減額の請求が可能となりました)。

 ⑥ (売買・請負) 瑕疵担保責任の期間制限について

 (1)売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合の事実を知った時から1年以内に当該事実を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができなくなりました。ただし、目的物の引渡しの時に、売主が悪意又は重過失である場合は、上記期間制限は適用しない(請負についても同様)。

 

 (2) 請負について、土地工作物に係る瑕疵担保責任の期間制限の特例(通常は引き渡し後1年。工作物については、地盤・木造は5年、コンクリ造り等は10年)が削除されます。 

 なお、来年度の日弁連住宅紛争処理機関検討委員会の会議日程(案)は、①6月10日(第1回全体会議)、②12月10日(第2回全体会議、全国住宅紛争処理機関連絡会議)、③来年3月1日(第3回全体会議)になっています。

2015年3月 7日 (土)

日弁連総合研修センター発足記念研修 第4回ツアー研修(松山)

 昨日、日弁連総合研修センター発足記念研修第4回ツアー研修(松山)に参加しました。

 第1部は、裁判官による講義で、「裁判官からみた事実認定・和解に関する留意点及び要望」で、第2部は、弁護士による講義で、「弁護士にとっての事実認定・和解」でした。

 ただ、全体的に、抽象的な話が少なくなく、あやうく、船をこぎ出す手前でした gawk

 裁判官の講義の中で、「主尋問の留意点」として、①点(動かし難い事実)をつなぐ線(ストーリー)を提示、②ストーリーが経験則に反するときは例外にあたること(特段の事情)示す、③具体性・迫真性のある供述をさせる」という説明は、当然のことですが、再確認させられました。

 また、「反対尋問の留意点」として、①動かし難い事実との整合性がないこと、②経験則に反すること、③供述に矛盾があることを示すということが、留意点として紹介されました。

 弁護士による講義の中では、主尋問では、①尋問には、陳述書をより深めるものや間接事情、それになぜそうなったかの理由を入れてみること、②一般の経験則では説明がつかない事情の説明、③準備にしたがって、ただ淡々と尋問を進めてしまい、実際の法廷の供述と陳述書との齟齬などのフォローをしないことについては、注意するよう説明がありました。

 反対尋問については、①断定的に言っていることを曖昧にすることにも力をいれるべき、②かみつくのではなく、絡んでいくような尋問等についても示唆がありました。

 研修後は、日弁連の幹部の方との意見交換会、そして、懇親会に出席させていただきました。

 昨日の研修会などには、当事務所からは、田舎弁護士の他、池田弁護士の参加しました。本日午後は、池田弁護士は、愛媛県結婚支援センター主催で、個人情報についてのセミナー(愛媛県美術館)を担当しております。 

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