【流通】 ビル内の飲食店で飲食した者がビル内の下りエスカレーターの手すりに接触し、乗り上げ、転落して死亡した事故について、ビルの共有者・管理者の土地工作物責任、エスカレーターの製造業者の製造物責任を否定した原判決に対する控訴が棄却された事例
判例時報No2230で紹介された東京高裁平成26年1月29日判決 です。
第1審判決については以前このブログでも紹介いたしましたが、第2審判決も同様の判断だったようです。
第2審判決も、
本件事故は、エスカレーターの本来の用法とは大きく異なるAの行動の結果として発生したものであり、本件エスカレーターは、その本来の用法に従った利用を前提とする限り、移動手すりに利用者の身体が乗り上げるという事態が生じるとは認めがたく、通常有すべき安全性を欠くものということができない
少なくとも本件事故以前において、Aのとった行動をとる者がいることを予見して、本件エスカレーターを設置保存すべきであったということはできない
として、控訴を棄却しました。
Aのとった行動が気になりますが、「意図して、本件移動てすりに接近し、身体の背面の中心線をその折り返し部分に接着させ、後ろ無期にこれに寄りかかった」と認定されています。この認定事実が前提だと、欠陥という評価は難しいでしょうね。
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