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2014年11月30日 (日)

【建築・不動産】 不動産取引における心理的瑕疵の裁判例と評価

 平成26年3月に、不動産取引における心理的瑕疵の裁判例と評価ー自殺・孤独死等によって、不動産の価値はどれだけ下がるか? という書籍が発行されています。

 自殺があった場合に賃貸建物の損害がいくらになるのかについては、4つ程の裁判例を紹介・分析した上で、「判決では、賃貸事例において自殺等が発生した場合には、約2年分の賃料相当額の損害を認めるにとどまる」と解説されています。

 すなわち、①平成13年11月29日付東京地裁判決では、差額賃料2万円の2年分の賃料から年5%の中間利息を控除した額を損害として認め、②平成19年8月10日付東京地裁判決では、損害額の算定において、賃貸不能期間を1年と考え、賃貸不能期間経過後さらに一定期間(2年)が経過した3年後には、従前賃料での賃貸が可能であるとし、③平成22年9月2日付東京地裁判決も、②と同じく、損害賠償額の算定において、賃貸不能期間を1年とし、また、賃貸不能期間経過後さらに一定契約期間(2年)は半額の賃料でなければ賃貸し得ないが、それ以降は従前での賃貸が可能であると判断し、④平成16年11月10日付東京地裁判決は、自殺と土地の価格低下との因果関係を否定し、粗大ゴミ処理費用についてのみ損害と認めたに過ぎません。

 損害額としては、抑制的に裁判所はみているようです。 

 

2014年11月29日 (土)

【行政】 福祉事務所(八幡浜市)が行った生活保護停止決定及び廃止決定の両決定に対する執行停止申立が認められた事例

 消費者法ニュースNo101号で紹介された平成26年7月11日付松山地裁決定です。

 この決定は、脚が悪く立つことができないため就労できない申立人に対し、福祉事務所が脚が悪いというのは詐病であるとして就労指導を続け、申立人が指導指示に従わないとして行った生活保護の停廃止決定につき、その執行停止を認めたものです。

 福祉事務所が生活保護の停廃止決定後に申立人代理人がした保護の再申請を却下したため、停廃止決定に対する審査請求、再申請却下決定に対する審査請求をするとともに、停廃止決定について取消訴訟を提起し、その執行停止を申し立てたものです。

 裁判所は、「一件記録から看取される申立人の就労能力、本件各処分に至る経緯等からすると、本件各処分が違法である疑いがまったくないとはいえず、さらなる審理を尽くす必要がある」と述べています。

 執行停止決定を受けて、申立人に対する保護は再開されています。

 市の停止決定は、「Aさんの法第28条4又は第62条3により停止します」というものであり、事実関係が一切明示されておらず、また、どの条文により停止されたものなのかも不明であり、さらに、日本語としても意味が通らないものだったようです。

 裁判所の決定文を前提とする限り、人間の生存にかかわる問題について、ずさんだったのではないかという疑いを払拭できません。生活保護費の支給を停止するのであれば、やはり裁判所を説得できる程度の根拠を示して行うべきです。  

 

野口頼夫先生(元裁判官・元弁護士)がお亡くなりになりました。

 野口頼夫先生が今年の3月に80歳でお亡くなりになられていたことを、奥様の喪中のお葉書で知りました。

 野口先生は、私が司法修習生(高松で修習)のころ、高松地裁丸亀支部の支部長裁判官をされておられました。

 私の大学の先輩が裁判所の職員をしているのですが、その先輩の結婚披露宴で、仲人をされていたことから、その時にご挨拶させていただいたのが初めてです(その時は私は司法浪人でしたが)。 

 とても雲の上の方なので、司法修習生のときには、親しくお話させていただくことはありませんでしたが、私が愛媛弁護士会に登録した平成11年に、野口先生も裁判官を定年で退官され、期を同じくして登録された関係で、それ以降は、親しくおつきあいをさせていただきました。

 いつもにこにこされておられ、非常に気さくな方で、また、弁護士になってからも、公の機関からセミナーの講師として呼ばれるなど活躍されていました。 

 数年前にお身体を壊されて弁護士登録は抹消されたとうかがい心配しておりました。

 

 本当にお人柄の良い方だったので、残念です。 

 野口先生のご冥福をお祈り申し上げます。 

 

2014年11月28日 (金)

【行政】 原子力発電所の設置許可処分  

 民事法研究会から、11月13日に、「行政処分差止め・取消訴訟の実務と書式」 という書籍が出版されました。

 各種処分の取消訴訟や差止処分について、コンパクトに解説されている良書です。 

 その中で、原子力発電所の設置許可処分についての解説、なかんずく、改正後の原子炉規制法の内容についても、わかりやすく説明されています。

 改正原子炉規制法では、発電用原子炉を設置しようとする者は、原子力規制委員会の許可を受けなければならないこととされており、その許可基準が定められています。また、原子炉設置許可を受けた者が、「発電用原子炉施設の位置、構造及び設備」や「事故が発生した場合における当該事故に対処するために必要な施設及び体制の設備に関する事項」等を変更しようとするときには、原子力規制委員会の許可を受けなければなりません。

                 ↓

 原子炉設置許可・原子炉設置変更許可の基準の1つとして、発電用原子炉施設の位置、構造及び設備が核燃料物質若しくは核燃料物質によって汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止上支障がないものとして原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであることが要求されています。 

                 ↓

 原子力規制委員会規則として、実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則が定められ、その解釈指針として、実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈と題する規程が制定・施行されています。これらの規則及び規程で示された基準は、「新規制基準」とよばれています。

                 ↓

 停止中の原子炉の運転を再開させるためには、まず、発電用原子炉設置者(電力会社)は、原子炉設置変更許可の申請を行い、新規制基準に適合することの確認を得て、原子炉設置変更許可処分を受けることが必要です(原子炉設置変更許可申請)。また、原子力規制委員会から、工事計画の認可を受けることおよび保安規定の変更認可を受けることも必要です(工事計画認可申請、保安規定変更認可申請)。

                 ↓

 これらの①原子炉設置変更許可申請、②工事計画認可申請、③保安規定変更認可申請をあわせて、再稼働申請とよばれており、それぞれの申請について、許可基準・認可基準を満たしていると認められれば、原子力規制委員会による許可処分・認可処分がされることになります。

                 ↓

 原子力発電所の設置に反対する周辺住民がとりうる手段としては、(1)処分行政庁である原子力規制委員会が所属する国を被告として、原子炉設置(変更)許可処分の取消し又は無効確認を求める抗告訴訟を提起する方法と、(2)原子力発電所を設置稼働させる電力会社を被告として、人格権・環境権を根拠として、当該発電所の建設・運転の差止めを求める民事訴訟を提起する方法とがありますが、本書では(1)について検討対象とされています。

                 ↓

 段階に応じた争訟手段として、Ⅰ原子炉設置(変更)許可処分前であれば、①差止請求(行訴37条の4)、②仮の差止めの申立て(行訴37条の5第2項)、Ⅱ許可処分後であれば、①異議申立てを経た上での、取消訴訟(行訴14条1項・2項)・無効確認訴訟(行訴3条4項)、②執行停止の申立て(行訴25条2項)を検討することになります。

 本書は、原子力発電所の設置許可処分以外にも、墓地・風俗営業等の経営許可・営業許可の処分、課税処分、運転免許をめぐる処分、生活保護をめぐる処分、入国管理をめぐる処分、建築確認をめぐる処分等をとりあげています。

 是非、一冊購入しておきたいものですね。 

2014年11月27日 (木)

【交通事故】 低髄液圧症候群!?

 自保ジャーナルNo1929で紹介された東京高裁平成26年8月21日付け判決です。

 乗用車を運転停止中の63歳男子のXは、Y運転の乗用車に追突され、低髄液圧症候群及び腰椎ヘルニア等を発症したとする事案でした。

 今回の判決は、起立性頭痛がないこと、ブラッドパッチによる永続的な改善が認められないことから、低髄液圧症候群が否認されてしまいました。

 判旨を引用します。

 低髄液圧症候群の徴表である起立性頭痛は、座位又は立位をとると15分以内に増悪するものであって、臥位の状態では症状がでないものであるから、極めて特異な症状であるといえ、

 仮に、本件事故直後からXに起立性頭痛の症状が現れていれば、このような症状をB医師も診療録にその旨を記載していたと考えられるが、B整形外科の診療録では・・・本件事故の翌日である平成17年12月26日と平成18年10月30日に頭痛を訴えたとの記載が存在するだけで、起立性頭痛の症状を窺わせる記載はないことからも、

 平成18年10月当時においても、Xには起立性頭痛の症状はなかったとして、Xの主張する起立性頭痛を否認しました。

 ブラッドパッチによる症状の改善につき、

 XはB整形外科で計4回ブラッドパッチ療法を受け、その都度一過性ではあるが、症状の改善が見られたと述べたこと、B医師は甲損保代理人宛の回答書において、Xの頭痛等がブラッドパッチ療法によって劇的な改善があり、唯一有効な療法と思われたと記載していることが認められるが、

 (1)本件事故当時、Xには起立性頭痛の症状は認められないこと、

 (2)海外では起立性頭痛は1回のブラッドパッチによって治癒しているのに、国内では複数回のブラッドパッチが行われているところに特徴があり、ブラッドパッチによっても治癒しない症例では、低髄液圧症候群以外の病態が合併している症例が実際には多いであろうとの指摘があること、

(3)さらに本件では、Xが自らインターネットなどでブラッドパッチ療法について調べて、B医師に対して積極的に同療法の実施を希望した経緯等があり、Xがブラッドパッチ療法を受けたことによって頭痛の自覚症状が一時的に改善したことは事実であり、B医師の上記回答書にそれに沿う記載があるとしても、永続的な改善効果は得られなかったことは明らかであるから、Xに起立性頭痛があり、これがブラッドパッチ療法によって改善したとまで認めることは相当でないとして、

 低髄液圧症候群を否認しました。

 起立性頭痛がないような事案では、まず、低髄液圧症候群を認めて貰うのは困難なようです。 

 

 

2014年11月26日 (水)

【交通事故】 確定申告していないお坊さんの休業損害!?

 自保ジャーナルNo1929で紹介された松山地裁平成26年3月7日判決です。

 確定申告をしていない40歳~44歳男子僧侶の原告の休業損害が争点になっております。

 裁判所は以下のとおり判断しています。

 事故前3ヶ月に原告が受領した額を算定すると、その平均額は81万8333円となる。

 しかし、他方で、原告は確定申告をしていないため、上記の正確性には疑義を差し挟まざるを得ないこと、

 仮に上記受領額を前提としても、同受領額には、要した経費(出張した際の宿泊費、交通費、食費等)は含まれていないこと、

 原告はG寺に対する収入申告は口頭で行っていたところ、その申告額は平成22年分のもので400万円程度であったとされていること、

 原告は、B整形外科退院後の通院期間中も仕事は行っていたこと、

 上記申告額は少ない年でも200万円程度はあったこと

 各点を総合考慮すれば、休業損害の算定基礎となる基礎収入は400万円とみたうえで、

 休業期間340日に対する労働能力喪失割合を50%として算出するのが相当である

 と判断しました。

 ほとんどなにも客観的な資料がないにもかかわらず、400万円の認定ですが、やはり、壮年のお坊さんだからでしょうね。 

 

2014年11月25日 (火)

【行政】 横浜市空き缶等及び吸い殻等の散乱の防止等に関する条例の趣旨、目的等からすれば、同条例に基づく喫煙禁止地区内での路上喫煙に対する過料を科すためには、違反者に少なくとも過失が必要であるとした上で、その過失が肯定された事例 東京高裁平成26年6月26日判決

 判例時報No2233号で紹介された東京高裁平成26年6月26日判決です。

 行政上の義務の履行を確保するための制度に、「行政罰」があり、行政罰には、「行政刑罰」と「行政上の秩序罰」の2種類があります。

 行政上の秩序罰は、行政上の秩序の維持のために違反者に制裁として金銭的負担を課すもので、刑法総則、刑事訴訟法の適用はないとされています。

 行政上の秩序罰を課すために、違反者の主観的要件である故意又は過失が必要なのかについては、昔から、田舎弁護士も研究のテーマにしているところですが、よくわかりません。

 考え方としては、刑法総則の適用がないのだから、主観的要件は不要とする見解、行政上の秩序罰も制裁である以上、刑法の原則が基本的に妥当するという見解があります。

 所属する弁護士とも議論したことがありますが、やはり、後者の見解が妥当ではないかということになりました。

 判例時報の解説は、「秩序罰も制裁である以上、刑罰でないことから直ちに主観的要件の要否が決せられるものではなく、秩序罰の性質、目的、内容等の諸要素を具体的、総合的に検討した上で、その要否が決せられるべき」と説明されています。ケースバイケース説でしょうかね。

 難しいです・・・・ 

2014年11月24日 (月)

【倒産】 再生債務者が支払の停止の前に再生債権者から購入した投資信託受益権に係る再生債務者の再生債務者に対する解約金の支払債務の負担が、民事再生法93条2項2号にいう「前に生じた原因」に基づく場合に当たらず、上記支払債務に係る債権を受働債権とする相殺が許されないとされた事例 最高裁平成26年6月5日判決

 金融法務事情No2005で紹介された最高裁平成26年6月5日判決です。

 第2審の判決が破棄されてしまったという逆転判決です・・・

 判決要旨を紹介いたします。

 再生債務者Xが、その支払の停止の前に、投資信託委託会社と信託会社との信託契約に基づき設定された投資信託の受益権をその募集販売委託を受けた再生債権者Yから購入し、上記信託契約等に基づき、上記受益権に係る信託契約の解約実行請求がされたときにはYが上記信託会社から解約金の交付を受けることを条件としてXに対してその支払債務を負担することとされている場合において、

 次の(1)~(3)など判示の事情のもとでは、

 Yがした債権者代位権に基づく解約実行請求により、Yが、Xの支払の停止を知った後に上記解約金の交付を受け、これにより上記支払債務を負担したことは、民事再生法93条2項2号にいう「支払の停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たるとはいえず、Yが有する再生債権を自働債権とし上記支払債務に係る債権を受働債権とする相殺は許されない。

 (1) 上記解約実行請求は、YがXの支払停止を知った後にされた

 (2) Xは、Yの振替口座簿に開設された口座で振替投資信託受益権として管理されていた上記受益権につき、原則として自由に他の振替先口座への振替をすることができた

 (3) Yが上記相殺をするためには、他の債権者と同様に、債権者代位権に基づき、Xに代位して上記解約実行請求を行うほかなかったことがうかがわれる

 最近、資産の運用方法として投資信託がより一般的なものになりつつあります。金融実務においても、投資信託からの債権回収が注目されており、確か、銀行法務21でも取り上げていたと思います。

 銀行にとっては厳しい判断ですが、債権保全のためにどうしておけば相殺が可能だったのか考えてみる必要があります。 

12月に開催される㈱フジカンパニーズ監査役連絡会様での研修会講師を担当します。 (*^_^*)

 来月開催される株式会社フジ(東証1部上場)関連会社監査役連絡会様での研修会講師を担当します。

 役員(取締役、監査役)が知っておきたい法的責任というテーマになっていますが、1時間弱程度の研修会なので、法的責任の対象はさらに広いので対象はもっと絞り込むことになろうかと思います。

 いろいろ考えて一通りレジュメは作成しましたが、難解な裁判例や会社法等をわかりやすく解説するのには、なかなか難しいところです。

 フジカンパニーズ様の企業価値の向上に少しでも力になれたら嬉しいです。(*^_^*) 

 

 

2014年11月23日 (日)

【交通事故】 将来介護料って!?

 交通事故による被害者に高次脳機能障害等の重度の後遺障害が残存した場合に、被害者の方から、症状固定後も近親者あるいは職業付添人の介護が必要な場合があるとして、将来分の介護費が請求される事案が散見されます。

 交通事故損害賠償実務においては、将来介護費について、一般的に「医師の指示又は症状の程度により必要があれば被害者本人の損害として認める。」、「職業付添人は実費全額、近親者付添人は1日につき8000円。但し、具体的看護の状況により増減することがある。」と説明されています。

 これまでの裁判例を概観する限り、症状固定時に既に職業付添人に依頼している場合においては、職業付添人の介護の蓋然性が認められれば実費相当額の将来介護費が認定されることも多いように思われますが、近親者付添人の場合は、日額2000円のものもあれば、日額1万円を超えるものもあり、必ずしも、日額8000円で固定されているようには思われません。

 いわゆる赤い本の講演録によれば、「被害者の後遺障害の内容・程度、被害者の要介護状態・日常生活の自立の程度、必要とされる介護の内容・程度、介護のために必要な時間、介護主体の属性、介護仕様の家屋の建築、介護用具の使用等の要素を総合的に勘案し、介護主体にとっての肉体的・精神的負担の程度を具体的、実質的に検討して、将来介護費を算定している。」と説明されています。

 交通事故判例速報の581号(交通春秋社発行)で紹介された平成25年9月27日判決は、高次脳機能障害(2級)を残す69歳男性の将来介護費につき、自動車や自転車の運転が可能で1人でゴルフ練習場に行けるなど一定の社会行動ができるに至っているが、なお日常生活における声かけなど随時看視や見守りを要する状況にあるとして、日額2000円を認めました。

 将来介護料については、その必要性を予測して、一定額の将来介護費を認定するのは、不確定な要素も多く、困難な作業です。

 赤い本の講演録で説明されているように、画一的に説明できるものではないところが、難しいですね。 

2014年11月22日 (土)

愛媛県異業種交流研究会第3回全体会議に参加しました(新居浜リーガロイヤルホテル)

 昨日は、新居浜で開催された愛媛県異業種交流研究会第3回全体会議に出席いたしました。

 旧広瀬邸、別子銅山記念館で、館長さんの長時間の、熱心なご案内をいただきました。

 その後、リーガロイヤルホテル新居浜に移動して、全体会議、委員会活動(私は人材開発委員会に所属)を行いました。

 午後6時からは待ちに待った懇親会でしたが、乾杯の挨拶は日本食研の大沢会長でした。大沢会長のお話によれば、同社は消費者のニーズの研究を積み重ねた結果、前年比の30%を超える売上げを達成している部門があるということで、法律事務所の経営にも役立ちそうな良いお話でした。 

 事務局も日本食研様がご担当されていますが、今治までケイオーホテルのバスで送迎していただきました。ありがとうございました。

 

【建築・不動産】 平成26年度紛争処理委員実務研修

 今回の研修会の主要なテーマは、①住宅の騒音問題等に関する基本的知識と、②紛争処理や専門家相談への対応ということでした。

 私自身、「騒音問題」って事件としては全く取り扱ったことがないために、勉強になりました。

 ①では、そもそも、音に関する基本知識から入りました。

 音って何?から、音の種類、性質、吸音と遮断の説明を経て、騒音問題に対する基本的知識の概略を教わりました。

 その上で、騒音に関する法令、建築物の遮音性能基準、騒音の調査・測定方法と瑕疵修補方法についての説明がありました。

 ②では、実際の紛争処理事例を用いて、専門家相談への対応について学びました。

 盛りだくさんで、やや消化不良気味でしたが、なんとか無事研修を終えることができました。

 なお、住宅の相談、紛争処理等に関する最新状況についての説明資料も綴られていました。これによれば、電話相談は、愛媛では、平成25年は、199件でしたが、平成26年は9月末日時点で132件ですから、昨年度と同じくらいの件数なのでしょう。専門家相談については、平成25年は7件、平成26年は9月末日時点で12件ですから急増しているといってよいように思います。ただ、専門家相談といっても、地方ですと、建築問題を得意に取り扱っている弁護士ってそんなにはいないような印象を受けます。近県ですと、広島が熱心ですが、四国では残念ながら広島ほどの取り組みがなされているようには思われません。私は他の弁護士から建築事案を比較的よく取り扱っていると思われているようですが、それでも常時1~2件程度です。特に消費者側の場合は協力をいただける建築士の先生をみつけるのに大変です。

 私自身は、発注者、請負業者いずれの側からもご相談を受けております。じゃないと、建築についての経験を積み重ねることができません。

 頑張っていきたいと思います。 

 

 

2014年11月21日 (金)

【建築・不動産】 耐震性不足マンションの解消方法について 相談体制

 以上、3日間、耐震性不足マンションの解消方法の概略について説明をしてきましたが、皆さん、ご理解されたでしょうか。

 なかなか難しいお話だったと思います。

 マンションの住民や管理組合も、耐震改修、建替え、一棟丸ごとの売却については、ほとんど知見がないと思います。

 そこで、住宅紛争審査会を運営する各地の弁護士会に対して、こうした耐震改修や建替え、さらには売却などマンション問題の弁護士・建築士等による専門家相談を行うことにしたわけです。

 平成26年改正マンション建替法は、平成26年12月24日施行が予定されています。

 各地の弁護士会においても、マンション問題について専門家相談が可能なように準備を進めているところですが、都会と地方とで準備について差が出ているような印象を抱いております。

 地方だとなかなかマンション問題についてはまとまった需要がないので、平成26年改正マンション建替法について深く勉強する弁護士が少ないのでは?と思っています。

 ご迷惑をおかけしないよう、少し勉強していきたいと思います。 

 

2014年11月20日 (木)

【建築・不動産】 耐震性不足マンションの解消方法について ③マンション敷地売却事業

 最後に、マン建法改正に創設された③マンション敷地売却事業について説明いたします。

 マンション建替事業とは異なり、耐震性不足の認定を受けてマンションの建物・敷地を一括して敷地売却組合から特定の者に売却する手法です。解体後の敷地をどのように使うかは自由であり、オフィスビルを建築することも可能です。

 これまでになかったマンションの共有関係を解消する手段だともいえます。

 以下、手続きの概要を説明いたします。

(1)マンションが耐震性不足で除却することの必要性を特定行政庁に認定してもらいます。

(2)買受人や売却価格等を説明して区分所有者の総会で、区分所有者、議決権者及び敷地利用権の持分価格の各5分の4以上の決議をすることになります。反対区分所有者に対しては、マンション建替事業と同じく、売渡し請求が可能です。

(3)他方、借家人や担保権者の同意は不要であり、借家人には公共用地買収時と同等の補償金を支払うことで借家人は退去が義務付けられています。また、担保権者は、売却して各区分所有者に分配される金銭が供託され、その供託金に物上代位することによって権利保護を図っています。借家権や担保権は、権利消滅期日に一斉に消滅し、指定された買受人は制限的権利のついていないマンション及びその敷地として、いわばまっさらな権利となったマンションを購入することができます。

(4)売却代金から一体いくら分配されるのかが各区分所有者の最大の関心事ですので、分配金の配分は分配金取得計画として特定行政庁の認可を受けることになります。また、敷地売却制度でもマンション建替事業でも要除却認定を受ければ、容積率の緩和措置を受けることができます。

2014年11月19日 (水)

【建築・不動産】 耐震性不足マンションの解消方法について ②マンションの建替え

 次に、②マンション建替えについてのお話です。

 マンション建替えについては、厳密には(1)区分所有法に基づく建替えと(2)マンション建替法に基づくマンション建替事業の2とおりがありますが、(1)の方法では様々な欠点があったことから、これを解消するために、(2)の方法が新たに設けられました。

 (2)の方法は、耐震性不足マンションに限定されていませんが、耐震性不足の認定と特定行政庁から受けると容積率の特例というメリットを受けることもできます。

 もっとも、(2)の方法も、区分所有法上の建替え決議を前提としています。

 反対区分所有者に対しては、マンション建替組合が売渡請求をします。建替組合には、デベロッパーやゼネコンが参加組合員として参加することができるという特徴を有しています。

 建替組合が策定する権利変換計画に従って、建替事業が実施され、既存マンションの解体、新マンションの建設が行われます。

 なお、マン建法では、担保権者や借家人といった、区分所有者以外の関係権利者の全員の同意が要件となっています。 

 権利変換と呼ばれる手法ですが、都市再開発法の市街地再開発事業で用いられる手法を活用しています。これによって、旧マンションから新マンションへと時間の間断なく移行することになり、空白期間によって権利者が不足の損害を被ることを防いでいます。 

 

2014年11月18日 (火)

田村承三先生(元高松地裁所長)がお亡くなりになっていました。

 本日、田村承三元高松地裁所長の奥様から、田村先生がお亡くなりになられたお葉書をいただいました。

 大変残念です。

 田村先生は、私が司法修習を高松でした当時(平成9年)の高松地方裁判所の所長であり、また、修習中には親身な指導を賜り、さらには、プライベートなことですが、私の結婚披露宴では乾杯の挨拶をしていただいた方でもあります。

 裁判所修習当時、勤務時間が終わってから所長宅訪問という行事があったのですが、酒豪の多い高知出身の所長でもあり、樽に入ったビールと奥様の手調理で私たち修習生を歓迎していただきました。 

 私も当時はお酒を飲める方だったので、所長宅でずいぶんお酒を飲んで騒いでしまったことを今も時折ちょっぴり苦い思い出として思い出すことがあります。

 翌日、他の修習生から、修習生罷免とか驚かされて、また、部長からは、私も謝りに行ってあげるからとフォローされて、付添人の修習生3人を連れて、謝罪に訪ねたところ、案に相違して、田村先生は大変おもしろがっていただき、異例なことですが、2回目の所長宅訪問が実現したばかりか、私が近々結婚することを聞いてお祝いをしたいと仰られ、わざわざ、結婚披露宴の会場である今治国際ホテルにまでおいでいただき、田村先生からは、心暖まるお祝いを頂戴いたしました。

 あれから20年近く経過いたしました。

 田村先生が期待されたような立派な法曹にはまだまだ道のりが遠い状態ですが、今のところ、道を外さず、まじめにこつこつ仕事をしています。

 田村先生のような立派な法曹には到底なれないとは思いますが、いつか田村先生にお会いして恥ずかしくない法曹になれるよう努力していきたいと思います。 

 田村先生のご冥福をお祈り申し上げます。 

 

 

【建築・不動産】 耐震性不足マンションの解消方法について ①耐震改修工事 

 先日、東京の大手町サンケイプラザにおいて開催された「改正マン建法等講習会」に出席いたしました。

 国土交通省の推計では、マンションの総戸数は全国で約590万戸であり、そのうち、旧耐震基準によるもの(耐震不足マンション)が約2割弱の106万戸存在しているようです。 

 耐震不足マンションは、首都直下型地震や南海トラフ地震に備えて、その多くは、耐震改修や建替えの必要があります。

 そのために、耐震改修法やマンション建替え円滑化法の改正が行われました。

 耐震不足マンションの耐震性不足を解消するためには、3つの方法があります。

 ① 耐震改修工事

 ② 新しいマンションへの建て替え

 ③ マンションを売却して購入者が解体・除却する方法

です。

 本日は、①耐震改修工事について、解説します。

 マンションの耐震改修工事は、壁や柱等の共用部分を変更する工事となります。

 共用部分の変更については、区分所有法上は、区分所有者及び議決権の各々4分の3以上の賛成が必要になります。

 但し、所管行政庁から耐震改修の必要性の認定を受けた場合には、決議要件が、4分の3から、2分の1に緩和されます。また、容積率の緩和や融資の特例等の大きなメリットも受けることが可能となります。 

 

2014年11月17日 (月)

「若い弁護士さんって大変なんですね・・・」

 最近、顧問先等の方から、「若い弁護士さんって大変なんですね」とよく言われるようになりました。

 また、「テレビで法律事務所のコマーシャルを見るけど、違和感を感じますね。」という趣旨の話も言われることが増えました。

 弁護士の数の増加等に伴い、法律事務所の間で顧客獲得競争が激しくなり、その結果、法律事務所の経営基盤が揺らぐようになったこと、また、新人弁護士を受け入れる容量のある事務所は限られていることから、司法研修所を卒業した司法修習生が法律事務所に就職することができない、或いはできたとしても経済的な条件等が悪いというようなことが相当数発生しているようです。

 訴訟に発展するような事案って、個人間では限られていることから、どうしても少ないパイを奪い合うような状況になってしまいます。また、以前と比べて経営に余裕がないことから、新人弁護士を採用しても、労働力とみて、後進の弁護士を育てるという発想が年々希薄になっているように思います。

 私の事務所も経済的に余裕があるわけではありませんが、来年からは思い切って弁護士を2名採用することにしました(そのため、私の役員報酬はかなり大幅に削ることにしました。)。

 幸いなことに、2人とも能力の高い優秀な後輩であるため、育て甲斐があります。

 市川聡毅さんのように能力的に高い優秀な弁護士に育つことを期待しております。

 コマーシャルについては、弁護士って、どうしても、不幸事を飯の種にする職業なので、私も違和感を感じます。

 不幸事の処理をテレビやラジオ等で積極的に勧誘するという姿勢が、これまでの弁護士像と大きくかけ離れているのではないかと思います。

 性格の不一致で離婚するかどうか迷っている夫婦が法律事務所のコマーシャルを見て、離婚を決意して依頼するということもあるかも知れません。でも、これって本当にいいことなのかな?と疑問に感じることもあります。

 もし弁護士に相談ということになれば、離婚に発展しなければ売上げにはつながりませんので、もしかしたら、受注につなげるために、離婚を決意させるようなアドバイスをするかもしれません。

 でも、これって、本当にいいことなのかな?

 弁護士って、離婚専門の書籍とか、事務所のホームページとか、悩んでいる方が、積極的に求めたら、探し出せるという程度にとどめるべきではないのかなと思っています。

 でも、積極的にアピールをしていかないと、法律事務所として経営が維持できないということになれば、経営を維持していくためにはやむを得ないのかもしれません。

 難しい問題です。 

 

2014年11月16日 (日)

平成26年度紛争処理委員実務研修会に参加します

 (公財)住宅リフォーム紛争処理支援センターの実務研修会に参加します。

 研修会場は、東京丸の内の大手町サンケイプラザです。

 2部構成となっております。

 第1部は実務研修です。

 (1)住宅紛争処理制度及び住宅瑕疵担保責任制度の概要について

 (2)住宅の騒音問題等に関する基本的な知識

 (3)住宅の騒音問題等に関する紛争処理や専門家相談への対応

 第2部は改正マン建法等講習会

 (4)マンションの建て替え等の促進策について

 (5)改正マン建法の概要と相談対応に必要となる関連法制について

 (6)老朽化マンションの建て替え等に係る想定事例について

 以上のとおりになっております。

 午後1時から午後5時30分まで、ずっしりと予定が組まれています。(^_^;)

 勉強しに行ってきます。(^_^) 

 

2014年11月15日 (土)

経験の浅い弁護士さんの失敗!?

 判例時報No2232号で紹介された東京高裁平成25年10月30日決定です。

 この事案は、近隣居住者間の紛争の当事者から交渉を受任した経験の浅い弁護士さんが、自分の依頼者が絶対的に正しいという判断のもとで、相手方の勤務先会社に対し、相手方が嫌がらせ行為をしているので指導監督など必要な対応を要望する旨の通知書を送付することは、弁護士の行為として不適切であり、その品位を失うべき非行に当たり、所属弁護士会による戒告の懲戒処分を相当とする判断には、裁量権の逸脱又は濫用はないと判断しました。

 裁判所は、この経験の浅い弁護士さんに対して、「軽率の誹りを免れない」等と厳しい言葉を投げかけています。

 プライベートなトラブルを記載した内容の通知書を相手方の勤務先に送りつけ、さらに、指導監督その他の必要な対応を求める等弁護士であれば、やってはいけないという一線をこえてしまっています。

 所属弁護士会は、「浅慮の極み」と述べていますが、まさにそのとおりです。 

 

2014年11月14日 (金)

 弁護士と結婚する方法・・・・というサイト

 知り合いから、「弁護士と結婚する方法」と題するサイトの存在を教えて貰いました。 

 記載されている情報としては、概ね正確なように思われますが、このサイトが作成されたのは司法修習生の支給が給付制の時代だと思われますので、いささか情報としては古くなっております。

 とりわけ街弁の初任給が年600万円+歩合制と紹介されていますが、現在では年400万円位が相場まで下がっていると思います。

 過払いバブル後、事件数の減少に加えて、弁護士等の供給数が増えているのですから、弁護士の年収が減少するのは至極当然です。 

 なお、サイトでは、「上記の話は若手でも旧試験で受かった人や、大手事務所に就職できた人の話で、今後試験に受かった若手弁護士はここまで条件が良くないと思います。最近司法制度改革で弁護士が急増しており、初任給が500万を割ることも珍しくなく、300万台の人もいるそうです。 最近では就職することすら難しい状況があるので、田舎に行って、最初から自分で事務所を開く人もいます。日本にはまだまだ人口に対して弁護士の少ない地域(弁護士過疎地域)があるので、そういうところにビジネスチャンスが転がっているかもしれません。 弁護士人口の急増で、これからの弁護士は儲からないと言われていますが、管理人個人の見解としては、「実力」と「経営センス」次第かなと思います。」とも記載されており、これについては的を得ているように思います。

 ただ、愛媛でも既に弁護士過疎地域というのはなく、また、弁護士過疎地域は今後大幅な人口減が予想される地域ですから、今からでは、ビジネスチャンスとまではいえないように思います。

 10年前であればともかく、現状では、弁護士と結婚しても、「玉の輿」というのは、ほど遠いように思います。

 ただ、今後、事務所が生き残るためには、実力と経営センス次第ということですが、それはどの業界にとってもいえることで、以前は、弁護士の数が少なかったことから、実力がなくても、或いは、経営センスがなくても、それなりの生活ができていましたが、今は、この両者がなければ事務所を維持するのが難しい時代になっております。

 とはいえ、経営センスを求めるということになると、売上げには直結しないような事件については誰も引き受け手がなくなるということにもなりかねませんが・・・・

 

2014年11月13日 (木)

【労働・労災】 新労働事件実務マニュアル 第3版

 ぎょうせいから、2月に出版された「新労働事件実務マニュアル第3版 」です。

 以前は参考書的な感じで参照する程度でした。

 A4サイズで、600頁を超える分厚い書籍になっています。値段も7000円程度します。

 東京弁護士会労働法制特別委員会が編著者になっていることから、かなり実務的な書籍となっています。

 来年からは新しい弁護士が入るので、定例の勉強会の教材にしようしようと思います。 

 ところで、腰椎の術後、2ヶ月は自宅で安静と言われていますが、十分な安静が出来ていないようです。自宅での腰痛体操は欠かさずしていますが、最近、食事も少し量が増えているような・・・・

 椎間板をとってしまった以上、腰の筋肉を強化し、体重を落とす必要があるのですが・・・・ 

2014年11月12日 (水)

【労働・労災】 西谷敏 労働組合法 第3版 

 最近、団体交渉事案が増えていますので、労務関係の書籍を読む機会も増えています。

 今回、有斐閣から出ている労働組合法第3版 (西谷敏)を購入しました。

 9章から構成されています。序章の他、①労働基本権、②労働組合、③不当労働行為、④組合活動、⑤団体交渉、⑥労働協約、⑦争議行為、⑧労働紛争の調整です。

 私の事務所で労務問題が増えているのは、労働者の権利の高まりの他、私の顧問先、就中、中小企業の方々と顧問契約を締結することが増えているからでしょう。

 労務問題は、一旦発生すると、企業の社長や担当役員にも負担が大きく、対応に窮してしまうことがしばしばです。

 問題が大きくならないよう、企業側の労務問題を取り扱う弁護士にご相談されることをお勧めいたします。 

 

2014年11月11日 (火)

【金融・企業法務】 金融機関と社外取締役!?

 銀行法務21No779号では、地銀コンプライアンス担当者と金融庁への出向経験を持つ弁護士の、「金融庁から今夏に公表された金融モニタリングレポート、金融検査結果事例集、金融モニタリング基本方針の公表を踏まえた、今後の内部管理態勢、ガバナンス等についての座談会」のお話が報告されていました。

 その中で、私が気になったのは、「社外取締役」です。社外取締役って、銀行業務を知らない方も相当多いのではないかと思います。例えば、弁護士が社外取締役になることもあるかと思いますが、弁護士は法律のプロですが、経営のプロじゃないです。 

 社外取締役を入れて取締役会の議論の活性化をするためには、社内の取締役と知識の水準をある程度合わせていかなければなりませんが、事前説明がなければ、取締役会に出席したとしても、その議論に対して意見を述べることが難しいと思います。

 社外取締役の導入がゴールではなくて、あくまで様々な議論をしてもらうことが目的だと思います。そうすると、例えば、専任のスタッフを設ける等の措置も必要ではないかと思います。

 社外性ということは、当該企業の業務については知識が乏しいということも当然想定されます。社外取締役から意味のある意見を述べて貰うためには、それ相応のフォローが必要ではないかと思います。

 ところで、座談会の弁護士さんって、弁護士登録して、5年、或いは、8年くらいして、金融庁に出向しています。私の事務所にいた市川さんも、4年程して国税審判所に転籍しました。若い弁護士は、今後このような形で専門的な知識を習得していけば、より顧客にとって上質なリーガルサービスを影響できるなあと思いました。 

 

2014年11月10日 (月)

【金融・企業法務】 平成26年会社法改正の監査への影響

 月刊監査役11月号では、第36回監査役スタッフ全国会議についての概要が報告されていました。

 今年の6月、会社法が改正されました。法務省令に関するパブリックコメントが10月~11月ころをめどに実施され、施行は来年4月~5月ころになるようです。

 気になる改正の内容ですが、①企業統治の在り方、②親子会社に関する規律、③その他に大きく分類されています。

 企業統治の在り方の改正では、取締役会の監督機能、会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定が監査に影響を及ぼすことになります。

 取締役会の監督機能の改正内容は、(1)監査等委員会設置会社の新設、(2)社外取締役及び社外監査役に関する規律の厳格化、(3)内部統制です。

 監査等委員会設置会社は、監査等委員会に株主総会における意見陳述権があり、利益相反取引について監査等委員会が事前承認した場合は任務懈怠の推定は適用しないことが特徴です。

 社外取締役及び社外監査役に関する規律の厳格化は、経過措置はあるものの、親会社の取締役・従業員の社外性を否定したことが実務に与える影響が大きいようです。

 内部統制は、会社法施行規則の改正によるものとされていますが、監査を支える態勢、監査役による使用人からの情報収集に関する体制が決定すべき事項に追加され、また、内部統制システムの運用状況が事業報告の記載事項になる予定とされています。

 会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定は、監査役(会)、監査等委員会が決定権を有するようになります。

 親子会社に関する規律の改正においては、多重代表訴訟の導入、親子会社間の利益相反取引に関する改正が影響を及ぼします。多重代表訴訟とは、親会社の株主による完全子会社の役員に対する代表訴訟ですが、完全子会社の資産規模要件、原告株主の適格要件により、使用しにくい制度になりました。親子会社の利益相反に関する改正では、子会社の事業報告及び監査役会監査報告の記載事項となります。

 その他においては、監査役の監査の範囲(会計監査限定)が登記事項になりました。

 ご講演は葉玉匡美弁護士が担当されましたが、葉玉先生は私が司法試験受験生時代に司法試験予備校の講師をされ、私も熱心な?受講生の1人でした。懐かしいなあ~。 

2014年11月 9日 (日)

【交通事故】 保険金後払い事案における人身傷害保険金の算定方法!?

 前回の続きです。

 保険金後払い事案における人身傷害保険金の算定方法について、どう考えるかというお話です。

 つまり、保険金を算出する基準を、裁判基準によるのか、人傷基準によるのかということです。

 仮に、裁判基準による損害額を100万円とした場合、契約者の過失割合を50%、人傷基準による金額を40万円とします。

 加害者に対する判決で、100万円×50%で、加害者から50万円を支払ってもらった場合、人身傷害保険金として保険会社から50万円をさらに貰えるか?という論点です。

 裁判基準によれば、100万円となりますから、加害者からもらっていない残りの50万円を保険金として貰えます。

 しかし、50万円は人傷基準の40万円を上回っていますので、保険金は0円となります。

 人傷保険金の支払いが先行している場合には、裁判基準によりますので、このような問題は発生しません。

 問題が生じるのは保険金後払いの場合です。

 この点について、大阪高裁平成24年6月7日判決は、残念ながら、人傷基準によるとしましたので、被害者が受け取る金額は0円となりました。

 この見解については、請求するタイミングにより受け取る保険金の額に大きな差が生じるとして、批判が多いところです。現に第1審は、裁判基準を採用しています。

 ただ、交通事故を専門的に取り扱う弁護士としては、この点についても注意を払っておく必要がありますね。 

2014年11月 8日 (土)

【交通事故】 人身傷害保険金先行払いの場合の保険会社の代位の範囲!?

 今回は、少し難しいお話です。

 昨年9月に発行された「保険法Map」で紹介された「人身傷害保険金先行払いの場合における保険会社の代位の範囲」についての2つの最高裁判例です。

 人身傷害保険金先行払いの事案において、保険契約者に過失がある場合に、保険契約者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得できる範囲が問題となりました。

 最高裁平成24年2月20日判決は、被害者が損害賠償請求をした事案、最高裁平成24年5月29日判決は、保険会社が求償請求をした事案ですが、いずれの判決も同様の判断を示しています。

 例えば、最高裁平成24年2月20日判決は、「上記保険金を支払った訴外保険会社は、保険金請求権者に裁判基準損害額に相当する額が確保されるように、上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が裁判基準損害額を上回る場合に限り、その上回る部分に相当する額の範囲で保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する」と判断しています。

 少なくとも、人身傷害保険金先行払いの事案においては、裁判基準損害額説の立場をとることが明確にされ、人身傷害保険契約を締結する一般の保険契約者の理解にそうものとなっております。

 問題は、保険金後払い事案における人身傷害保険金の算定方法です。これは次のコラムに執筆します。 

2014年11月 7日 (金)

【金融・企業法務】 整理屋との戦い  金融法務事情

 金融法務事情No2004号で連載中の「管理部長の回収日記・実践的回収論」第6話の記事です。

 銀行の取引先が、整理屋にのっとられ、商号や代表者を変更して、整理屋から差し入れている約束手形を0号不渡にての返却を依頼され、銀行が、それを看過して、資金不足で1号不渡で返却すれば、整理屋から損害賠償請求をされるところであったというのです。

 さらに、取引先からは債権譲渡を銀行は受けていたのですが、譲渡通知を商号変更の前日付で発送しなければ、整理屋はそれをとられて商号や代表者が異なっていることから、譲渡通知の有効性を問題にしてくるところであったというのです。

 整理屋の用意周到な戦術に対しては、法と約定に従って、難を逃れたというのですが、その整理屋は、以前は弁護士バッチをつけていたところ、その後は弁護士会を除名されて、そのころは整理屋らしきことをしていたというのです。 

 元弁護士がここまで堕ちてしまうとは残念ですが、なまじ素人ではないので、対応が大変です。

 経営に行き詰まった場合には、整理屋に食い物にされないよう、信頼ができる弁護士にご相談されることをお勧めします。  

2014年11月 6日 (木)

【交通事故】 有給休暇を使用した場合!?

 交通事故民事裁判例集第46巻第5号で紹介された大阪地裁平成25年10月29日判決です。

 有給休暇を利用した場合の、損害額の計算って、実はいろいろ難しいのですね。

 ご紹介させていただく裁判例は、有給休暇使用日数11日とする被害者(男・事故時43歳・アパレルショップ店長)の休業損害算定に際して、

 休業損害の基礎となる1日当たりの金額計算が休日を含めた日数で計算されていることから、休業日数も休日を含めた期間全体である15日として計算することを認めました。

 実際の有給休暇使用日数は、11日ですが、日当の計算の前提が休日まで含めていることから、休業日数も休日を含めて15日とした訳です。

 簡単なように見えて、実はやや複雑なので、注意が必要です。 

2014年11月 5日 (水)

【交通事故】 深夜幹線道路を横断した歩行者の過失が20%とされた事例 東京地裁平成25年9月18日判決

 交通事故民事裁判例集第46巻第5号が届きました。

 東京地裁平成25年9月18日判決によれば、

 中央分離帯のある片側二車線の幹線道路において、加害車が減速した先行車を車線変更して追い抜き、横断中の被害者をはねとばしたという事故について、

 裁判所は、加害者は制限速度を約20㎞毎時超過し、前方車両を追い抜くため車線変更を繰り返したうえ、先行車が急に減速したにもかかわらず、漫然と同車を追い抜くために車線変更を行い、前方不注視により車道横断中の被害者の発見が遅れたことなど著しい過失があるが、

 被害者にも、深夜に幹線道路を横断していた過失があるとして、被害者と加害者の過失割合を20対80と判断して、横断者の過失を20%としました。

 深夜幹線道路を横断すると、20%程度の過失は歩行者でもとられるということです。注意しましょう。 

 

2014年11月 4日 (火)

【交通事故】 53歳女子主張の5級外傷性てんかんは軽度外傷性脳損傷認められず脳波にも異常ない等から発症を否認して頚椎捻挫等の14級認定した事案 大阪高裁平成25年5月15日判決

 自保ジャーナルNo1928号で紹介された大阪高裁平成25年5月15日付け判決です。

 軽度外傷性脳損傷が否認された事案です。

 被害者は、加害者に対して、約4400万円の請求をしていましたが、第1審判決では、約138万円、第2審判決では、約140万円しか認められていません。

 事案の概要及び判決要旨を一部紹介します。

 乗用車を運転中にY貨物車に追突され、頚椎捻挫等から自賠責併合14級、労災併合9級認定を受けていました。

 被害者である53歳女子Xさんは、軽度外傷性脳損傷(MTBI)等により、外傷性てんかんに罹患して5級後遺障害を残したと主張しました。

 裁判所は、Xさんは事故の際に、頭部をどこにもぶつけておらず、MRIの検査結果でも脳内に異常は認められない等から、脳に器質的損傷が生じたとは認められないこと、

 軽度外傷性脳損傷の診断基準は、錯乱や見当識障害、30分以下の意識障害、24時間未満の外傷性健忘、その他の一過性の神経学的異常のうち、1つ以上が生じることとされているが、Xの愁訴を前提としても、Xに上記の症状が生じたことを認められないとして、軽度外傷性脳損傷を否認しました。

 MTBI事案は、後遺傷害等級が大きくて、そのため、請求金額も大きくなりますが、なかなか被害者が希望するような金額に達することは、余りないように思います。 

 なお、過去の自保ジャーナルの掲載判決を見る限り、都会の方では、MTBIは散見されるようですが、田舎弁護士の周囲ではほとんどありません。事件としても最近では1回程度しか経験しておりません。 

 もっともっとMTBIを勉強したいと思っているのですが。  

 

 

2014年11月 3日 (月)

【交通事故】 自動車保険契約の人身傷害条項に基づく保険金請求において、被保険者が工場内で運転・操作していたトラックに輪禍され死亡した事故について、被保険者にとって予測できない原因から傷害の結果が発生したという偶然性の要件の主張立証ができていないとして保険金請求が否定された事例 東京高裁平成26年5月28日判決

 判例時報No2231号で紹介された平成26年5月28日付東京高裁判決です。

 人身傷害条項に基づく保険金請求者は、発生した事故が「急激かつ偶然な外来の事故」であることについて主張立証責任を負います。

 今回の大きな争点の1つは、偶然性ありといえるか?という点でした。

 偶然性とは、被保険者にとって予見できない原因から傷害の結果が発生することをいいます。そのため、保険金請求者は、被保険者がトラックに轢かれて傷害を被るまでの事実経過のメカニズムを主張立証しなければなりません。

 裁判所は、被保険者がトラックに轢過されて傷害を被るまでの事実経過について詳細に検討して、保険金請求者の主張事実は不合理であるのに対して、保険会社の主張する方法でAがトラックに自身を轢過させることは十分可能であると判断して、結局、保険金請求者の偶然性の立証が十分ではないということを理由に、保険金請求者の控訴を棄却しました。

 人身傷害条項に基づく保険金請求の中には、モラルリスク事案もあり、そのような事案でも、偶然性が争点になります。

 本件事案でも、保険会社は、自殺事案ではないかと疑っていたようです。

 人身傷害条項に基づく保険金請求って、私の場合は、相談でも、相手方のいる交通事故の事案しか経験したことがありませんが、単独事故の場合でも、条件さえみたせば請求できる可能性はあるのですね。 

 

 

2014年11月 2日 (日)

【流通】 ビル内の飲食店で飲食した者がビル内の下りエスカレーターの手すりに接触し、乗り上げ、転落して死亡した事故について、ビルの共有者・管理者の土地工作物責任、エスカレーターの製造業者の製造物責任を否定した原判決に対する控訴が棄却された事例

 判例時報No2230で紹介された東京高裁平成26年1月29日判決 です。

 第1審判決については以前このブログでも紹介いたしましたが、第2審判決も同様の判断だったようです。

 第2審判決も、

 本件事故は、エスカレーターの本来の用法とは大きく異なるAの行動の結果として発生したものであり、本件エスカレーターは、その本来の用法に従った利用を前提とする限り、移動手すりに利用者の身体が乗り上げるという事態が生じるとは認めがたく、通常有すべき安全性を欠くものということができない

 少なくとも本件事故以前において、Aのとった行動をとる者がいることを予見して、本件エスカレーターを設置保存すべきであったということはできない

 として、控訴を棄却しました。

 Aのとった行動が気になりますが、「意図して、本件移動てすりに接近し、身体の背面の中心線をその折り返し部分に接着させ、後ろ無期にこれに寄りかかった」と認定されています。この認定事実が前提だと、欠陥という評価は難しいでしょうね。 

 

2014年11月 1日 (土)

【倒産】 再生債務者と別除権者との間で締結された別除権の行使等に関する協定における同協定における同協定の解除条件に関する合意が、再生債務者がその再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定を受けた時から同協定が効力を失う旨の内容を含むものとされた事例 最高裁平成26年6月5日判決

 判例時報No2230号で紹介された最高裁平成26年6月5日付判決です。

 簡単にいえば、再生債務者との間で、別除権協定を結んでいたところ、再生手続終結決定後に、結局、破産してしまった場合、別除権協定が失効するのか?という論点です。

 別除権協定書の中では、「本件別除権協定は、再生計画認可の決定の効力が生じないことを確定すること、再生計画不認可の決定が確定すること又は再生手続廃止の決定がされることを解除条件とする」という解除条件条項が入っていました。

 破産手続開始決定により、別除権協定が失効するかが問題となったわけですが、文言上は破産手続開始決定自体は含まれていないように思われます。

 最高裁は、

 別除権の行使等に関する協定中にある再生手続廃止の決定がされること等を同協定の解除条件とする旨の合意は、再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定がされることが解除条件として明記されていなくても、これを解除条件から除外する趣旨であると解すべき事情がうかがわれないなど判示の事情の下では、

 再生債務者が上記破産手続開始の決定を受けたときから同協定はその効力を失う旨の内容をも含むものと解すべきである

 と判示して、別除権協定が失効していると判断しました。

 第1審は、別除権協定が失効

 第2審は、別除権協定が有効

 第3審は、別除権協定が失効

 ということになったわけです。

 単純化すれば、形式を重視するか、実質を重視するかということなのでしょう。

 まあ、別除権者とすれば、「え~」、「そんなん。うまくいったときの話でしょう」と思うも、無理からぬ話ですね。 

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