励みになります。クリックお願いします。<(_ _)>

  • にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

<(_ _)>

  • 弁護士ドットコム|無料法律相談・弁護士/法律事務所検索ポータル

書籍紹介(企業法務・金融)

書籍紹介(不動産・建築)

書籍紹介(法律)

« 2014年6月 | トップページ | 2014年8月 »

2014年7月31日 (木)

【交通事故】 交通事故の後遺症って!?

 交通事故の後遺症(後遺障害)は、どのように決まるのでしょうか?

 「自賠責保険」における後遺障害は、傷害が治ったとき身体に存する障害であり、自賠法施行令別表に定める後遺障害等級に応じて保険金額が定められています。

 この等級認定は、原則として、労働者災害補償保険における障害の等級認定基準(労災認定基準)に準じて行うものとされています。

 労災認定基準については、労災補償障害認定必携に解説がなされています。

 例えば、「障害」(後遺障害)とは、傷病が治ったときに残存する当該傷病と相当因果関係を有し、かつ、将来においても回復が困難と見込まれる精神的・身体的毀損状態で、その存在が医学的に認められ、労働能力の喪失を伴うものとされています。「治ったとき」とは、傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法をもってしても、その効果が期待し得ない状態で、かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達したときをいうと解説されています。ここでいう「労働能力」は、一般的な平均的労働能力をいうのであって、被害者の個別事情については障害の程度を決定する要素とはなっていないことに注意が必要です。

 介護を要する後遺障害とそれ以外の後遺障害が残存する場合には、介護を要する後遺障害の等級を認定することになります。

 この後遺障害等級の構造は、身体をまず解剖学的観点から部位に分け、次にそれぞれの部位における後遺障害を機能の面に重点をおいた生理学的観点から1種又は数種(系統)に分けています。

 さらに、系統ごとにその介護の必要性と後遺障害の程度に応じて、介護を要する後遺障害を第1級と第2級の2段階、その他の後遺障害を第1級から第14級までの14段階に区分しております。

 これに対して、裁判所は自由心証主義に基づき、法令に反しない範囲で障害認定を行うことができるために、労災保険の認定基準に沿わないで障害等級を認定することや、被害者の職種や実際の減収額等を考慮して労働能力喪失率や労働能力喪失期間を定めることができます。

 その結果として、自賠責保険の認定と判決の認定との間に差が生じることは、しばしばあることです。

 自賠責保険の後遺障害認定と判決との違いを理解しておく必要があります。 

【金融・企業法務】 役員報酬と監査役 月刊監査役7月号

 月刊監査役7月号が届きました。

 第78回監査役会全国会議での講演やパネルディスカッションを収録されていました。グローバル経済と資本市場における監査役の役割を論じたものです。

 企業の場合は、海外での販売網の設置、製造拠点の設置、或いは海外市場への上場等非常に幅広い形での海外に出ていることから、監査役も当然のことながら、グローバル化が進む中で、監査対象が広がっております。

 ただ、地方の弁護士業では、個人相手なので、なかなかそこまでの広がりはありませんね。離婚の際に外国籍の方が当事者とか、外資系の損保・金融機関が相手だとか、その位でしょうか・・・

 12月に入所する予定の弁護士は、英語・中国語が堪能なので、田舎弁護士もそろそろグローバル化を目指すかな (^_^;)

 さて、伊藤靖史同志社大学教授の連載記事では、監査役の報酬について、わかりやすい文章になっていました。

 まず、監査役報酬の決定についての、会社法387条の趣旨の説明から始まり、株主総会での決議の方法、監査役の個人別の報酬額の決定、監査役の報酬等に関する意見陳述権、その他、監査役の報酬を業績連動型報酬にすることについての妥当性について、解説されています。

 ただ、私自身は、非業務執行役員である監査役が、業務連動型報酬というのは、あまり好ましいことではないなあと思います。監査役の独立性に大きな影響を与えるのでは?と思うからです。 

2014年7月30日 (水)

【交通事故】 親族からの代金支払いの約束のない代車車両借用に関する謝礼 大阪地裁平成25年6月25日判決

 交通事故民事裁判例集第46巻第3号で紹介された大阪地裁平成25年6月25日判決です。

 種々の論点がありますが、とりあえず2つの論点を紹介します。 

 

 親族からの代金支払いの約束のない代車車両借用に関する謝礼については、

 社会儀礼としての儀礼の範囲内では損害として事故との相当因果関係を認めることができるとし、

 実費ではなくあくまで社会儀礼の範囲内での金額にとどまるのであることを考慮すると、

 相当とすべき範囲は最大でも一日3000円にとどまるとし、その期間は、事故車両保管費と同様、事故から約1か月程度が相当な期間であると認められるとし、代車車両借用費として30日分の9万円を認めました。

 これって、損保会社からご相談があれば、消極的なアドバイスを行うことが多いように思いますが、今後は注意する必要がありそうです。

 次に、いわゆるレッドブックにも価格記載がなく、初度登録は約14.5年前、走行距離約6万8000㎞メートルの車両(購入価格104万5000円)を、定率減価償却法により計算した残存時価額約10万5000円は修理費用を下回ることから、経済的全損にあたり、車両損害はその範囲でのみ認められると判断しました。

 なお、この場合において、買換諸費用として、消費税、登録費用、車庫証明、納車手数料、解体処分費用、抹消登録費用のほか、

 減価償却法による金額算定が必ずしも具体的な取引実情を反映してなされたものではないという本件の個別的な事情の下では、車検登録料を含んだ整備費用12万5000円は、車両時価額に算入すべき費用として相当性を欠くものではないと判断しました。

 物損事案なのに、慰謝料として、75万円の他、追加慰謝料として、40万円弱程度の請求をしています。そのため、288万程度の請求に対して、認められたのは、12万円という金額です。一昔前なら弁護士がついているのであればありえないような請求のように思われます。原告の損害費目をみると、弁護士費用が計上されていないので、本人訴訟だったのでしょうか?

 

 

 

2014年7月29日 (火)

【金融・企業法務】 NISA時代の説明責任 銀行法務21No774

 銀行法務21No774が、NISA時代の説明責任という特集記事を組んでいました。

 5人の方が論文を執筆されています。

 ① NISAと投信販売を巡る留意点・投信制度の改正動向、

 ② 投資初心者の金融リテラシーと判例に見る説明義務の外延

 ③ 高齢顧客に対するリスク性商品の販売に関するルールの運用ポイント

 ④ 個人年金の解約資金・満期資金の受け皿となる投資信託等の販売における留意点

 ⑤ 元本保証から元本保証のない金融商品へ~投資販売における説明義務とは

 斜め読みする程度ですが、今後増えてきそうな相談のような気がしました。

 なお、銀行法務21NO774は、その他にも、自行で販売した投資信託に対する仮差押えの方法が紹介されていました。これも今後少しずつ増えてくるのではと思います。 

2014年7月28日 (月)

【金融・企業法務】 特定遺贈等と相続預金の払戻し 銀行法務21No774

 銀行法務21No774の「営業店からの質疑応答」です。

 第78回は、特定遺贈等と相続預金の払戻しですが、この種の相談は、地方金融機関の支店からの相談としては、比較的多い分野の1つですね。

 甲銀行の預金取引先Aが死亡して相続が開始しました。Aは、甲銀行の預金をBに遺贈するとの遺言を遺しており、遺言執行者Cが選任されています。今般Cが来店して、受遺者Bが受けた預金全額の払い戻請求がされたのですが、このまま支払いに応じてよいでしょうか?

 ある。ある。

 遺言執行者が選任されている場合には、遺言執行者を相手にすれば問題がありませんが、遺言執行者が選任されていない場合には、問題ですね。

 後者の場合は、遺言執行者選任の申立てを行うか、相続人全員の同意が必要ということになります。

 勉強しなくちゃ。 

2014年7月27日 (日)

【金融・企業法務】 投資信託を販売した銀行と投信会社の説明義務 銀行法務21No774

 銀行法務21No774にて、平成26年3月11日に東京地裁から投資信託の説明義務に関する重要な判決(合議)についての論文が掲載されていました。

 この判決は、投資信託の特別分配金に関して、その内容(元本が取り崩されること)等を説明していないことにつき登録金融機関である銀行の説明義務を認めただけではなく、投資信託組成者である投資信託会社に対して、目論見書等の記載に不備があったとして、銀行と同様の節目義務違反を認め、共同不法行為が成立するとしました。

 解説者によれば、この判決を前提にすると、変更前の規則に基づいて作成された目論見書には、すべて欠陥があり、説明義務違反が認められ、登録金融期間等の販売業者のみならず、投信会社までが責任を負うことになりそうなので、さあ大変というわけです。

 「昨今の弁護士数の急増と相まって、訴訟となる紛争の拡大が憂慮される。」として、本判決を踏まえた紛争対応をわかりやすく紹介されています。

 また、苦情が発生した場合には、「投資商品に関する金融機関側の経験豊富な弁護士に相談すべきである。」と説明されています。

 う~ん。投資商品に関する金融機関側の経験豊富な弁護士かあ。地方ではなかなか難しそうですね。 

2014年7月26日 (土)

【交通事故】 後遺障害逸失利益を請求する場合に注意する点!?

 自賠責保険で後遺障害認定を受けている被害者の方が、損害額、例えば、後遺障害逸失利益等の金額に不満なために、ご相談にみれられることは度々です。

 自賠責保険での後遺障害認定については、例えば、労災保険の障害認定基準上、障害補償の対象は「当該傷病と相当因果関係を有し、将来においても回復が困難と見込まれる身体的または精神的なき損状態であって、その存在が医学的に認められ、労働能力のそう失を伴うもの」とされていることや、「労働能力」とは、一般的な平均的労働能力をいうのであって「年齢、職種、利き腕、知識、経験等の職業能力的諸条件については、障害の程度を決定する要素にはなっていないこと」などのルールに基づいて行われます。

 これに対して、裁判所は、自由心証主義に基づき、法令に反しない範囲で障害認定を行うことができるため、労災保険の認定基準に沿わないで障害等級を認定することや、被害者の職種や実際の減収額等を考慮して労働能力喪失率や労働能力喪失期間を定め、損害賠償額を算定することが可能です。

 つまり、自賠責保険の後遺障害認定と、裁判所の後遺障害認定との間に、差が生じることもよく経験することです。

 確かに、弁護士に依頼して裁判をすれば、損害額の認定は、自賠責基準や任意保険基準ではなく、裁判基準にそうことが通常であるため、示談交渉段階での金額よりもUPすることは少なくありません。

 しかし、裁判では、後遺症の程度を具体的かつ詳細に主張しておくこと、当該後遺障害が被害者の従事する職業の性質上いかに不利益な影響を及ぼすものかを具体的に主張しておくことが、必要です。

 従って、ご相談の場合に、ご相談者様から、「裁判すれば確実にUPしますか?」と言われると、「UPすることが多いが、裁判の場合は個別具体的な判断になるために、リスクが全くないわけではない。」と述べて、予想されるリスクを説明して、その上で、裁判するかどうかを判断してもらうようしております。 

 

2014年7月25日 (金)

【交通事故】 軽微な追突事故で、10年以上入通院を繰り返した例

 軽微な追突事故で、実に10年以上にわたり、むち打ち症で、入通院を繰り返したという事案があります。

 最高裁昭和63年4月21日判決の事案です。

 この事案で、最高裁は、第1に、10年以上にわたる入通院について、相当因果関係のある損害の範囲を、事故後3年間に生じた損害に限定しています。 

  第2に、事故後3年間に生じた損害についても、被害者の心因的要因を寄与を理由に60%の減額をしております。

  第3に、「心因的要因」の内容としては、(1)被害者の特異な性格、(2)初診医の安静加療約50日という常識はずれの診断に対する過剰な反応、(3)本件事故前の受傷及び損害賠償請求の経験、(4)加害者の態度に対する不満などが具体的に挙げられています。

  軽微な追突事故等にもかかわらず、治療が3年とか4年に渡るような事案に遭遇することがあります。

  ただ、単に、「性格」や「精神的傾向」を理由とするだけでは、素因減額に至るまでの事案は少ないように思います。

  また、仮に素因減額が認められても、10%とかせいぜい20%程度にとどまるように思われます。

  とはいえ、最近の加害者側損保会社は、むち打ち症例で、半年程度の治療で、心因的な要因に基づく素因減額云々を主張してくることもあり、そうなると、裁判が長期化することも少なくありません。

 結果的には遅延損害金がかさむことにもなり、損保会社にとっては負担が増えるだけなのですが・・・・  

2014年7月24日 (木)

【建築・不動産】 公共用地の寄付に基づく所有権移転登記手続請求に対し、寄付者から主張された先履行又は同時履行の抗弁が認められなかった事例 津地裁平成25年9月2日判決

 判例時報の2221号で紹介された津地裁平成25年9月2日判決です。

 裁判所は、X市においては、本件のように、市民から土地の寄付を受けて下水路の工事を実施する場合には、後のトラブルを避けるためにも、土地所有者から土地寄附申出書等の提出を受けて完全な所有権の移転がされることを確実に期した上で整備工事をする運用を採っていたことが認められるところ、本件でも、Yから土地寄附申出書が提出されるのを受けて、完全な所有権を取得したものとして、下水路工事に着手していることがうかがわれるとした。

 その上で、本判決は、Yが指摘する事項は、基本的に本件下水路の施工の不備をいうものであるが、仮に当該不備が認められるとしても、その原状回復義務が、本件土地の所有権移転登記手続に対して、先履行ないし同時履行の関係にあると解するのは困難であり、本件土地の所有権移転登記手続に条件を付す形での原状回復の合意の存在は認められず、また、仮に本件下水路の施工の不備による条理上の原状回復義務が存在するとしても、これが本件土地の所有権移転登記手続に対して先履行ないし同時履行の関係には立たないとして、Yの主張を排斥しました。

 土地を寄附してやる代わりに、いろんな条件をつけたという主張です。 

 

2014年7月23日 (水)

 新人弁護士の募集について

 私の事務所では、12月弁護士登録予定の、複数の司法修習生に対して内定を出している関係で、現在、新人弁護士の募集は行っておりません。

 7月以降、司法修習生の方から複数のお問い合わせがありましたので、再度、告知させていただきます。

 なお、当事務所が求める弁護士は、お客様からいただいた仕事を誠心誠意一生懸命に取り組める方です。決して手抜きをしないということです(もっとも、その分、当事務所の報酬は安くはありません。)。「人間国宝」のような弁護士を目指しています。

 6月末で退職した市川元弁護士も、このような志のある方でした。 

 とはいえ、なかなか極みに到達するのは至難の業ですが、志はそう有りたいと思っております。

 それと、私も今年で47歳になり、そろそろ事務所の将来を考えるようになっています。是非、後継者を育て、「しまなみ」のブランドを、20年先、30年先までに伝えたいものです。

 引き続き宜しくお願い申し上げます。 

 

 

 

 

【交通事故】 詳説後遺障害 等級認定と逸失利益算定の実務

 平成26年6月1日に発行された「詳説 後遺障害 ー等級認定と逸失利益算定の実務- 」という書籍です。

 損害保険料率算出機構の実務家と、沖縄を中心とする弁護士のグループによる共著となっております。

 第1章は、損害序論、第2章は、後遺障害逸失利益算定の実務、第3章は、因果関係をめぐる現代的課題、第4章は、後遺障害・労働能力喪失率判例類型、第5章は、裁判例の総括、そして、資料編の、6つにわかれています。

 損保料率機構の実務家が共著者となっていることから、自賠責保険関係もわかりやすく書かれており、中堅弁護士である田舎弁護士にとっては、とっても勉強になりました。  

 うちにくる新人弁護士?にも読ませたい書籍の1つですね。 

2014年7月22日 (火)

【交通事故】 後遺症の場合、いつまでの期間を補償してくれる!?

 後遺障害逸失利益についてのお話です。

 以前お話させていただいたように、後遺障害逸失利益は、1年当たりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するホフマン係数又はライプニッツ係数 で算定されます。

 今日のお話は、「労働能力喪失期間」についてです。

 労働能力喪失期間の始期は症状固定日であり、終期は原則67歳とされています。

 後遺障害は、そもそも、一生残るものであるから、労働能力喪失期間の終期は、死亡逸失利益における稼働能力喪失期間の終期と同じになるはずですが、実際には、軽度の後遺障害では、労働能力喪失期間が短縮されて認定されることも少なくありません。

 いわゆるむち打ち損傷は典型的であり、12級で10年程度、14級で5年程度に制限されています。

 他方で、欠損障害、変形障害、短縮障害などの器質的障害の場合には、67歳までの期間を認定されることが通常です。

 最近では、植物状態になった被害者の余命期間は、健常者のそれよりも短いと推認されるから、後遺障害逸失利益の算定期間の終期も、健常者のように67歳とするのではなく、それ以前の例えば40歳までとすべきではないか?という議論があります。

 積極的に考えることが仮にできるとすると、将来介護料の算定の他、40歳から67歳の部分については死亡逸失利益として算定されることから、生活費控除の問題が出てきます。

 この点については、昭和60年4月18日の高松高裁が、事故により植物状態になった事故当時7歳の男児の生存期間を40歳までとし、逸失利益を40歳までの分しか認定しませんでしたが、平成6年11月24日の最高裁は、生存期間を40歳までとした判断については認めたものの、40歳を超えて就労可能上限年齢まで生存することができなくなったのは、交通事故に起因するものだとして、被害者の逸失利益としては、就労可能上限年齢までの逸失利益を算定・認容すべきであるとして、高松高裁の判断を違法としました。

 労働能力喪失期間は、金額に大きな影響を与えますので、的確な主張と立証が必要になります。 

2014年7月21日 (月)

【交通事故】 子どもの補償はどうなる!?

 幼児・児童・生徒・学生の逸失利益については、賃金センサス第1巻第1表の産業計・企業規模計・学歴計・「男女別」全年齢平均の賃金額を基礎とします。

 ここで問題となるのは、平均賃金の男女格差です(一般に女子の平均賃金は男子の概ね6割程度と言われています。)。

 最高裁昭和62年1月29日判決は、事故当時14歳の女子中学生の死亡逸失利益につき、女子労働者平均賃金(高卒)を基準として算定した原審の判断を不合理なものとはいえないと是認しています。

 最近の下級審裁判例では、男子を含めた全労働者の全年齢平均賃金を基礎とする方式が主流になりつつあるようです。

 なお、平成14年7月9日付けの最高裁の2つの決定において、女児の死亡事案において、賃金センサスの女子労働者の平均賃金を基礎収入として算定した原判決、賃金センサスの全労働者の平均賃金を基礎収入として算定した原判決、いずれも是認しています。

 最高裁は、事実審の専権事項であって、どちらでもよいと考えているようです。

 とはいえ、少女の場合の基礎収入については、請求の段階では、賃金センサスの全労働者の平均賃金、或いは、成績がよい子の場合には女性大卒者の平均賃金で、請求する場合が少なくないように思います。 

 

連休は、仕事で東京に出かけていました。

 ある仕事のために、連休は、連泊で、東京に出かけていました。

 弁護士って、普段の休みでも、書面を作成したり、記録を読んだりして、過ごす人が多いように思います。

 休みでも、緊急事態が発生して対応せざるを得ない場合も時々ありますね。

 私も、駆け出しのころは、平日でも午後10時打ち合わせとか、祝日打ち合わせとか、或いは、交渉の現場を訪ねたりしたことが、時折ありました。

 今の若い勤務弁護士さんって、お客様からこんな要求されたらいやがりますよね。

 その意味では、ソクドクの先生の方が将来的には経営者として成功するのではないかとも思ったりしています。

 経営弁護士の場合は、小さくても、お客様からの要望に対応していかないと、事務所が維持できないことを理解していますから。

 とはいえ、齢を重ねていくと、楽な方に走りがちですが・・・・ 

 

 

2014年7月20日 (日)

【交通事故】 外国人の補償はどうなる!?

 一時的に日本に滞在し将来出国が予定される外国人の逸失利益については、最高裁平成9年1月28日判決が以下のとおり説明しています。

 「予測される我が国での就労可能期間ないし滞在可能期間内は我が国での収入を基礎とし、その後は想定される出国先(多くは母国)での収入等を基礎として逸失利益を算定するのが合理的ということができる。そして、我が国における就労可能期間は、来日目的、事故の時点における本人の意思、在留資格の有無、在留資格の内容、在留期間、在留期間更新の実績及び蓋然性、就労資格の有無、就労の態様等の事実的及び規範的な諸要素を考慮して、これを認定するのが相当である。」 

 例えば、短期在留資格で来日したが、不法残留し、日本国内で稼働していたパキスタン国籍の男子(25歳)が、右手人指し指末節部分切断という労災事故に遭ったというもので、裁判所は、事故後につとめた会社を退社した日の翌日から3年間は日本における実収入額を、その後は来日前にパキスタン回教共和国で得ていた収入を基礎として逸失利益を算定しました。

 我が国における就労可能期間は、来日目的、事故の時点における本人の意思、在留資格の有無、在留資格の内容、在留期間、在留期間更新の実績及び蓋然性、就労資格の有無、就労の態様等の事実的及び規範的な諸要素を考慮して、認定されますので、外国人の事案の場合には、これらの諸要素をうまく主張立証する必要がありそうです。

 

 

2014年7月19日 (土)

【交通事故】 主婦(主夫)の補償はどうなる!?

 無職の主婦(主夫)の逸失利益については、賃金センサス第1巻第1表の産業計・企業規模計・学歴計・女子労働者の全年齢平均賃金を基礎として算出することが一般的です。

 そうすると、平成24年の賃金センサスでは、約354万円程度になります。

 とはいえ、概ね60歳前後からは年齢別平均賃金を基礎として算出することが多くなっているようです。さらに、高齢主婦については、家事労働の実態から平均賃金以下で評価されることも少なくありません。

 概ね60歳以上の主婦の場合の家事労働について、約354万円程度の基礎収入を認めて貰うためには、主張や立証に工夫をする必要がありそうです。

 なお、有職の兼業主婦については、実際の収入と上記の平均賃金を比較して、どちらか高い方を基礎収入とします。

 最近は、男性が家事労働に従事しているようなケース(主夫)も増えております。

 この場合の賃金センサスについては、女子平均賃金を基礎収入とするのが一般的です。

 主夫であることの立証も結構大変ですね。。。。 

 

2014年7月18日 (金)

【交通事故】 事業所得者の補償はどうなる!?

 個人事業主の逸失利益は、原則として、事故前年の「所得税確定申告所得」によって認定します。

 一般的には、事故の前年の年収から、その収入を得るために要した経費を控除した後の純収入をもって、事故の年以降の「得べかりし純収入」と推定して、これを基礎収入として算定しています。

 但し、ここでいう収入は、例えば、家族やスタッフによって生み出されている部分が含まれています。

 青色申告所得において、従業員の給料や専従者給与が適正に計上されていれば、純収入算出の過程で既にこれらは収入から控除されているから、この意味での寄与部分は清算ずみといえます。

 但し、実際には、青色申告における専従者の寄与部分が適正に清算されていると思われない事案は少なくなく、白色申告における場合は、一層それが強くなります。

 このような場合には、純収入に専従者控除もしくは専従者給与を加算し、そこに企業主本人の寄与率を乗じて、企業主の個人的寄与部分を抽出することになります。

 最高裁昭和43年8月2日判決も、「企業収益中に占める企業主の労務その他企業に対する個人的寄与に基づく収益部分の割合によって算出すべきであり、企業主の死亡により廃業のやむなきに至った場合等特段の事情の存しない限り、企業主生存中の従前の収益の全部が企業主の右労務等によってのみ取得されていたとみることができない。」と判断しています。

 時折、裁判なので、この点の検討を加えることなく、漫然と請求されている事案がありますが、損保会社からは当然反論されるところなので、後で慌てないよう準備しておく必要がありますね。 

2014年7月17日 (木)

【交通事故】 会社役員の補償はどうなる!?

 症状が固定した後に、収益能力を全部又は一部喪失させるような障害が残る場合には、それにより見込まれる収入の喪失又は減少を、「後遺障害逸失利益」と言います。

 後遺障害逸失利益の算式は、以下のとおりです。

 1年当たりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するホフマン係数又はライプニッツ係数 です。

 ここでは、基礎収入として問題となる例を挙げていきます。

 まずは、会社役員です。

 例えば、役員報酬として年1500万円貰っています。これをそのまま基礎収入として算定できるかという問題です。

 それがなかなか難しいのです。

 裁判例の大勢は、会社役員の報酬については、その内の労務提供の対価部分(労働対価部分)のみが逸失利益を構成し、利益配当の実質をもつ部分(利益配当的部分)は損害として認められません。

 東京地裁昭和61年5月27日判決も、結論として、役員報酬1500万円のうち、会社の規模や担当していた職務を勘案して、900万円をもって基礎収入としました。

 労働対価部分は、役員報酬の額、企業の規模、当該役員の勤務状況、その他諸般の事情をきめ細かく考慮して、具体的・個別的に判断するしかありませんので、弁護士がアドバイスをする際には、これらの事情も相談者から聴取する必要があります。

 難しいものです。 

2014年7月16日 (水)

【交通事故】 減収なければ損害なし!?

 交通賠償における損害については、差額説という立場が一応通説とされています。

 差額説は、減収なければ損害なしと考える見解で、例えば、交通事故にあっても、休業損害が現実には発生しない場合には、休業損害は請求できないと考えることになり、休業損害については差額説は自然のように思います。差額説との対比では、人間の労働能力(稼働能力)の喪失それ自体を執られる見解があり、労働能力喪失説を言われています。 

 しかし、将来の損害である逸失利益についてまで、厳格な差額説をとることになれば、例えば、左腕が切断されていても、請求できないというのは、妥当性に大きな問題があります。

 最高裁昭和42年11月10日判決は最高裁として差額説を採用した判決ですが、最高裁昭和56年12月22日判決は、結論的には差額説的な立場を維持したものの、やや軌道修正を図っております。昭和56年判決は、減収がなくても逸失利益が肯定される特段の事情として、

 ①事故の前後を通じて収入に変更のないことが本人において労働能力低下による収入の減少を回復すべく特別の努力をしているなど事故以外の要因に基づくものであって、かかる要因がなければ収入の減少を来しているものと認められる場合と、

 ②労働能力喪失の程度が軽微であっても、本人が現に従事し又は従事すべき職業の性質に照らし、特に昇給、昇任、転職等に際して不利益な取扱いを受けるおそれがあるものと認められる場合

 を挙げています。

 現在の裁判例は、休業損害については差額説を前提に、逸失利益については、労働能力喪失的な考え方を取り入れているといえるでしょう。 

 

2014年7月15日 (火)

【交通事故】 平成4年12月交通事故に遭い、平成24年8月症状固定、同年9月後遺障害併合10級の事前認定、その6ヵ月以内である平成25年2月に訴訟提起したところ、民法724条後段(除斥期間)の適用を否定し、損害賠償請求を容認した事案 水戸地裁下妻支部平成25年10月11日判決

 交通事故判例速報(交通春秋社)の577号で紹介された水戸地裁下妻支部平成25年10月11日判決です。

  平成4年12月に2歳の女の子が交通事故に遭い、平成24年8月に、自賠責11級脊柱変形、12級骨盤変形、12級外貌醜状の併合10級の後遺障害が症状固定したとして、それから6ヵ月以内である平成25年2月23日に提訴したという事案です。

 民法は事故発生日から20年が経過することにより、加害者に請求することができなくなる条文を設けています。除斥期間といわれるものです。

 平成4年12月に事故が発生して、それから20年以上経過している平成25年2月に裁判されているので、除斥期間で、請求権がなくなっているのではないかが問題となりました。

 裁判所は、原告が症状固定の診断書を被告側任意保険会社に提出し事前認定の手続を進めさせてから平成25年2月23日に本訴を提起するまでの経過は、原告が本件交通事故による損害賠償請求権を行使する一連一体の行為と捉えることができるので、本件では本件交通事故から20年の除斥期間内に権利行使がなされたとみるのが相当と判示して、除斥期間の適用を否定しました。

 建前上は、原告は、事前認定の手続を進めず、原告側にて後遺障害等級を自己判断して提訴することも可能だったはずなので、除斥期間を適用して原告の請求を否定することも可能なように思えます。

 しかし、交通事故当時2歳の女の子の被害救済という見地からは、妥当性に問題があります。

 裁判官がぎりぎりのところで被害者救済のための理論構成を考えたもので、すばらしいと思いました。 

2014年7月14日 (月)

【交通事故】 自動二輪車で転倒衝突の44歳男子は既往の頸椎ヘルニアが増悪したと12級13号の後遺障害を認定した 名古屋地裁平成26年1月31日判決

 自保ジャーナルNo1921号で紹介された名古屋地裁平成26年1月31日判決です。

 判決要旨を引用します。

 ①平成21年12月8日、自働二輪車を運転中の44歳男子調理師の原告が被告タクシーと転倒、衝突して歩行困難の障害を残したとする事案につき、

 「本件事故前には原告は特に支障を感じることなく調理師として仕事に従事するなどしていたところ、本件事故によって転倒し、頚部挫傷等の強い外力を受けた結果本件事故後に両上肢のしびれ感等の症状が出現したこと

  医師によって頸椎ヘルニア及び脊柱管狭窄の存在によって本件事故による症状が増悪した可能性は否定できないと評価されていることが認められる。

  したがって、原告に本件事故後に頸部痛、頭痛、両上肢のしびれ等の症状が残存したが、これらはいずれも本件事故と相当因果関係にある後遺障害と認められ、椎間板ヘルニアによる脊髄への圧迫所見から上記症状が説明可能であることから後遺障害等級は12級13号に該当し、労働能力の14%を喪失したものと認める。」と認定しました。

  となると、「素因減額」といって、頸椎ヘルニア及び脊柱管狭窄の存在をもって、損害額を減額すべきだという反論が損保会社からありそうです。

  これについては、裁判所は、以下のように述べています。以下、判決要旨を引用します。

 ② 素因減額については、「脊柱管狭窄はもちろん頸椎ヘルニアも本件事故によって生じたものとはいえないが、本件事故前に具体的な症状が出ていたことを認めるに足りる証拠はなく、その程度は加齢に伴う通常の変性の範囲内のものであるというのであるから、素因減額をすべきとはいえない。」と述べています。

 損保は、症状固定時期はもっと前だったという主張もしているようですが、これについては、裁判所は以下のとおりに述べています。

 ③ 「症状固定時期については、本件後遺障害診断書では症状固定は平成23年2月1日とされていること、原告の受傷内容、既往症である頸椎ヘルニア等が増悪したものであること、平成23年2月1日まで原告は治療を継続していたこと、また、平成22年6月頃には手術をするか否かが検討されていたことから、平成23年2月1日に症状が固定したものと認める」と認定しました。

 症状固定後の治療費は、原則として賠償の対象とならないことから、症状固定日を診断書記載の日時よりも前の日時を主張する損保会社も多くはありませんがあります。 

 交通事故の裁判で後遺障害が絡んだ場合には、医学的な知見も相当必要になりますので、大変な作業になることが多いです。 

 

2014年7月13日 (日)

【交通事故】 減収のない45歳有職主婦の休業損害に家事労働加算認められないと家事休業損害を否認した 福岡高裁平成26年2月28日判決

 自保ジャーナルNo1921号で紹介された福岡高裁平成26年2月28日判決です。

 裁判所は、45歳有職(会社員)主婦Xの休業損害につき、主婦業については、

 Xは、「本件事故当時45歳で、会社勤務の夫と2人暮らしであり、本件事故の前年である平成22年には約542万円、本件事故のあった平成23年は約558万円の給与収入があり、これは、平成23年の賃金センサス女性の学歴計全年齢平均賃金(355万9000円)、同学歴計45歳から49歳の平均賃金(392万5900円)より高額な収入であった。

 以上からすると、Xは給与収入により整形を立てていることは明らかであり、家事労働分を加算すべき事情は認められない。

 Xの負傷による苦痛や、家族が家事の手伝いをしたとしても、収入減少として勘案することは妥当ではなく、この点のXの主張は採用できない。」として、否認しました。 

 有職主婦の場合には、有職の収入が、女性の学歴計全年齢の賃金センサスを上回る場合には、家事労働分は加算されないことになります。

 納得できない方も少なくないと思いますね。 

2014年7月12日 (土)

今治市「公務災害補償等認定委員会」委員に委嘱されました。

 平成26年7月1日、今治市公務災害補償等認定委員会委員に委嘱されました。

 委嘱期間は、平成29年3月31日までです。

 地方公務員災害補償法に基づき、条例により議会の議員その他非常勤の職員に対する公務上の災害又は通勤上の災害に対する補償の制度を定めておりますが、実施にあたっては、公務災害補償等認定委員会を設置し、認定の際には意見を聴かれるというとても大事な委員会の委員です。 

 頑張ります。 

 

2014年7月 9日 (水)

マイベストプロ愛媛に登録しました

 マイベストプロ愛媛に、登録しました。

 宜しくお願い申し上げます。 

2014年7月 4日 (金)

多忙のため、暫くブログの連載を停止いたします <(_ _)>

2014年7月 3日 (木)

【消費者法】 地裁事件のレベルの場合の過払い金返還請求を依頼するのであれば、やはり、司法書士よりも弁護士の方がよいようです。

 金融法務事情No1996号で、過払金返還請求が、司法書士が訴訟行為を策定する事務を包括的に受任されたとして、弁護士法72条等から却下された富山地裁平成25年9月10日判決が紹介されていました。

 解説者によれば、「本件判決は、司法書士の弁護士法違反行為を認定し、司法書士に警告を発した。司法書士が訴訟行為をすることができない事案について、事実上の訴訟活動を禁止することは結果的に依頼者の保護にもなる。」と評価しているコメントをのせています。

 確かに、富山地裁が述べるように、訴状、答弁書又は準備書面等の作成は、他人から嘱託された趣旨内容の書類を作成する場合であれば、司法書士の業務範囲に含まれるが、いかなる趣旨内容の書類を作成すべきかを判断することは、司法書士の固有の業務には含まれないというべきです。

 この判決は、本人が当該司法書士の行為について追認しているわけですが、裁判所は追認を認めませんでした。

 田舎弁護士の地域でも、他の士業が、弁護士法や税理士法違反ではないかと思われるような活動をしているのを見聞することがあります。

 依頼人にとって大きな不利益をもたらすことがありますので、お互い、職域の範囲はまもりながら業務をしていきたいものです。

 なお、金融法務事情No1996は、他にも、反社会的勢力との融資取引の解消として、融資取引解消の判断基準をわかりやく説明されていました。暴排条項を速やかに適用しないことがやむをえない場合については、悩みながら記述されているのが伝わってくるような感じでした。 

2014年7月 1日 (火)

【金融・企業法務】 株主の死亡により退職となったときに株式を会社に額面金額又は額面以内で譲渡するという合意が公序良俗に反しないとされた事例 大阪高裁平成25年9月20日判決

 判例時報No2219号で紹介された大阪高裁平成25年9月20日判決です。 

 最高裁は、会社が非公開会社であり、従業員が当該条項に自由意思で合意したなど諸般の事情を総合考慮の上、その有効性を認める事例判断を重ねているようです(最高裁平成7年4月25日判決、最高裁平成21年2月17日判決)。

 今回の高裁も、有効性を認めたわけですが、考慮した事情として、Yにおいて過去に退職したすべての株主において額面金額の買収が行われており、回数は少ないものの利益配当も行われていること、Yが閉鎖会社で売却先を探すことは困難であることからすると、株式譲渡合意が株主の投下資本を害するとまではいえない。

 Yにおいては、過去に、株主との紛争により経営が混乱した経緯があり、本件株式譲渡合意がされた当時Yの筆頭株主であり、創業者の長男として次期代表取締役候補だった亡Aにとっても、本件株式譲渡合意によって安定した株主構成を得られるというメリットがあった。

 閉鎖会社からの相談を受ける田舎弁護士は、まれにですが、これに類する相談を受けることがあります。業務の相談の参考になります。 

« 2014年6月 | トップページ | 2014年8月 »

2018年7月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

書籍紹介(労働・労災)

無料ブログはココログ