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2014年4月30日 (水)

【金融・企業法務】 座談会 弁護士法23条の2の照会に対する金融機関の対応

 金融法務事情No1991号で紹介された座談会です。

 弁護士法23条の2で、弁護士会は公私の団体に対して、照会をかけることが可能です。

 問題は、照会先が回答した場合、回答したことによって守秘義務違反等を理由に、照会先が顧客からクレームや損害賠償請求を受けることがあるということです。

 弁護士と金融実務家との座談会になっていましたが、少し議論がかみ合っていないように思いました。

 金融機関側は、顧客からのクレーム等を受けた場合にクレーム等の対応に手間とコストがかかること、照会に応じたことによって損害賠償請求を受けるおそれがある以上回答には慎重にならざるをえないこと、慎重に判断するといっても利益衡量が必要であれば大きな負担が発生すること等を、消極的な事情としてあげています。

 これに対して、弁護士側は、弁護士会照会については慎重に判断していること、回答義務が守秘義務よりも優先されること等を挙げて理解を求めています。

 座談会の記事を読んだ印象ですが、積極的に金融機関に応じさせるのであれば、少なくとも、顧客のクレームは弁護士会が対応すること、顧客から訴訟告知された場合には弁護士会自身が金融機関に補助参加すること、万が一敗訴した場合には弁護士会が損害を補償することは、必要なのではないかと思いました。

 とはいえ、弁護士会も慎重に検討はしているとは思いますが、やはり照会依頼をした弁護士が、可能な限り正確な情報を弁護士会に提供することが必要なのでしょう。 

2014年4月29日 (火)

【交通事故】 行政書士への34ヵ月間の交通事故相談は、必要性かつ行政書士法1条3第3号の相談の範囲内とは認められないと弁護士費用等補償保険金請求を棄却した事案 大阪地裁平成25年11月22日判決

 自保ジャーナルNo1915で紹介された大阪地裁平成25年11月22日判決です。

 自保ジャーナル記載の判決要旨は以下のとおりです。

 原告は、B行政書士に本件交通事故の相談をして、報酬を支払ったことから、原告が自動車保険契約を締結する甲損保に弁護士費用等補償保険金を請求する事案につき、

 B行政書士に対する相談の内容を具体的に認定し得る客観的証拠の提出はなく、

 原告が、甲損保から支払を受けた19万円の範囲を超えて、平成21年11月から平成24年9月までの約34ヵ月間にもわたり継続してB行政書士に相談する必要性があり、かつ、その相談内容が行政書士法1条の3第3号に規定する相談の範囲内のものであったことを認めるに足りる証拠もないとして、

 原告の弁護士費用等保険金の請求を棄却しました。

 交通事故のご相談の場合、

 弁護士の場合は、①弁護士が行う法律相談

 司法書士の場合は、②司法書士が行う、司法書士法3条1項5号及び同項7号に規定する相談

 行政書士の場合は、③行政書士が行う、行政書士法1条の3第3号に規定する相談

 の場合に、弁護士費用等保険金の対象となります。

 今回の事案の場合は、行政書士法1条の3第3号の相談であることを裏付ける証拠がないことから、保険会社から否認されてしまったわけです。

 弁護士による法律相談の場合には、法律相談について範囲に制限がついていませんので、交通事故のご相談の場合には、最初から弁護士にご依頼される方がいいのではないかと思います。

  なお、交通事故判例速報No574にも、同じ裁判例が紹介されています。解説によれば、「原告は交通事故に関する相談料として、P行政書士に対して毎月2万円の相談料を数年にわたって合計69万円も支払っていたのであるが、これは被告も指摘しているように弁護士の報酬基準としてはありえない高額請求である。」と書かれています。

 つまり、「本件では、原告が高額な金銭負担を被る結果となり、その原因は、原告自身が保険金支払いの対象とならない取扱業務外の相談サービスを継続して受けてしまったことに帰するしかない。」ことになります。

 ところが、「交通事故」「相談」のキーワードで検索すると、行政書士のHPが複数ヒットします。行政書士に交通事故の相談を行うということは、行政書士法1条の3第3号の範囲内であることが条件ですが、消費者の方はそれがよくわからない。とすれば、判例速報の解説者もコメントしているように、「次善の対応として、取扱分野の仕切りを大きく踏みだした活動に対してしかるべき対処を行い、相談者を含めた一般消費者に対してそのような事例や問題点を広く知らせていくほかない」と思います。

 被害者はどのような相談を行政書士としていたのでしょうか。また、それは行政書士の権限の範囲を超えた相談だったのでしょうか?この当たりは主張も立証もされていないのですが、被害者の相談した行政書士は何らかの協力をされたのでしょうか?

 このような場合、当初から弁護士に依頼しておれば、被害者の代理人になって、保険会社に保険金請求(弁護士費用)を行ってくれると思います。 

 交通事故のご相談は、まずは、弁護士にご相談されるのが、安心だと思います。 

2014年4月28日 (月)

【労働・労災】 賃金・賞与・退職金の実務 Q&A

 三協法規から平成23年6月に発行された「賃金・賞与・退職金の実務Q&A」 という書籍です。

 日弁連会館の本屋さんを訪ねた際に先日購入したものです。 

 12章から成っております。

 ① 賃金の意義、② 賃金請求権の成否と賃金の決定・変更、③ 賃金の支払い、④ 賃金控除と賃金カット、⑤ 休業手当・解雇予告手当、⑥ 割増賃金、⑦ 年次有給休暇と賃金、⑧ 賞与・一時金、⑨退職金・退職年金・退職慰労金、⑩年俸制、⑪倒産時の賃金支払確保、⑫その他です。

 多数のQ&Aが紹介されていますので、個別の事案が生じた場合にその都度参考にしたいと思います。 

2014年4月27日 (日)

【労働・労災】 企業再編をめぐる労働問題と実務対応 (清文社)

 愛媛の弁護士の寄井です。

 「企業再編をめぐる労働問題と実務対応 」という書籍です。

 6章に区分されています。

 ①企業再編が労使関係に与える影響、②合併をめぐる労働問題、③事業譲渡をめぐる労働問題、④会社分割をめぐる労働問題、⑤持株会社と企業再編をめぐる労働問題、⑥組織のダウンサイジリングをめぐる労働問題です。

 第一芙蓉法律事務所という、労使関係に関するケースを多く取り扱っている事務所の弁護士によるものです。

 チェックポイントや、会社の対応なども記載されていることから参考になると思います。 

 

2014年4月26日 (土)

【法律その他】 学校の再編と再建(商事法務)

 先日、日弁連会館を訪ねた際に地下の本屋さんで購入してきました。

 商事法務からでている「学校の再編と再建」という書籍です。 

 数年前、専門学校の清算人に就任した関係で、少し学校については興味をもっております。

 私立学校法や教育基本法は、私のような田舎弁護士にとっては、なじみの薄い法律ですが、

 少し勉強をするようにしています。

 先日、日弁連会館の本屋さんで偶然本書をみつけました!

 具体的な学校の再建事例などが盛り込まれており、わかりやすく感じました。 

2014年4月25日 (金)

【交通事故】 当事務所が関与した松山地裁今治支部平成20年12月25日判決が「実務裁判例交通事故における過失割合」(日本加除出版)で紹介されました。

 平成26年2月に、「実務裁判例 交通事故における過失割合 」という書籍が、日本加除出版から発行されました。

 その中の、「第1編 交通事故に基づく損害賠償請求と消滅時効」として、当事務所が関与した松山地裁今治支部平成20年12月25日判決が紹介されています。

 以下、引用されている判旨を紹介します。

 「なお、物損に関する損害賠償請求権は人身損害に関するそれとは別個の訴訟物と解されるところ、①の修理費が支払われた平成14年6月30日から本件訴え提起に先立つ調停申立の日までの間に3年以上経過しているから、消滅時効が完成していることが明らかである。

 この点、人身損害については、症状固定日から3年経過しないうちに原告により民事調停が申し立てられ、その不調から1か月以内である平成18年3月17日に本件訴えが提起されているから、平成16年法律第147条による改正後の民法151条により時効期間は中断しており、消滅時効は完成していないが、

 別個の訴訟物である以上、物損についてのみ消滅時効により消滅することに問題はない。」

 この裁判例は、交通民集や判例時報でも紹介されています。 

 なお、本書は、それ以外に、②代車料、休車損及び評価損、③過失割合についての裁判例が紹介されています。 

2014年4月24日 (木)

【交通事故】 自賠責保険のすべて 12訂版

 愛媛の弁護士の寄井です。

 保険毎日新聞社から、3月に、「12訂版 自賠責保険のすべて 」が出版されました。

 自賠責保険って、通常、ご依頼人自身でも容易に申請できるものなので、余り関与することがありません。

 後遺障害に不服が有る場合、因果関係が問題となる事案、休業損害が問題となる事案など、特殊な場合が関与することがありますが、そのようなケースって多くはありません。

 「第3章 事故発生から保険金支払まで」の項目は、一通り目を通しておけば、今後の実務に役立つと思いました。 

2014年4月23日 (水)

【交通事故】 交通法学会と賠償科学会の機関誌

 愛媛の弁護士の寄井です。

 交通法学会と賠償科学会の機関誌が送られてきました。

 まずは、交通法学会ですが、昨年のシンポジウムは、交通事故と責任能力が取り上げられています。

 堀切弁護士が、おもしろい指摘をされています。未成年者に対する損害賠償請求の場面で、親権者が責任無能力を主張すれば、親権者には714条責任が成立してしまう。子と親権者とで利害が対立するので、利益相反の問題が生じるという問題意識です。

 また、危険運転致傷罪を巡る問題状況については、法制審議会での審議、法改正についても解説されており、日頃から刑事法の改正に疎い私には参考になりました。

 次に、賠償科学ですが、医学的な論文については???ですが、研究として、「高次脳機能障害の認否が争われた裁判例の判断に関する考察」、「軽度外傷性脳損傷の後遺障害等級認定上の問題点」については、田舎弁護士でも理解が可能な内容であり、参考になりました。

 その他、判例研究会として、「適切な医療行為を受ける期待権の侵害のみを理由とする整形外科医の不法行為責任の有無を検討する余地がないとされた事例」、「吐瀉窒息事件、大阪高裁へ差し戻された事例」では、弁護士と医師による座談会であり、学際的なものとして参考になりました。

 

 

【法律その他】 ヤフーニュースで紹介されました (^o^)

裁判所に申し立てる「仮処分」ってなに?どんな場合に認めてもらえるの?

 弁護士ドットコム 4月23日(水)14時50分配信    

 北陸地方の医大から解雇処分を受けた元教授が4月上旬、大学の処分は無効だとして、地位保全を求める仮処分を裁判所に申し立てた、というニュースが報じられた。裁判に関する報道では、この「仮処分」という言葉をときどき目にする。

たとえば今年3月、カラオケの使用料を支払わなかった熊本県の飲食店経営者を相手取って、日本音楽著作権協会(JASRAC)九州支部が、カラオケの利用差止めを求める「仮処分」を熊本地裁に申し立てた。ほかにも、マンションの建設禁止を求める「仮処分」の申立てというのもある。

この仮処分とは、そもそも、どんな制度なのだろうか。また、仮処分が裁判所に認められるには、どんな条件を満たさなければいけないのか。寄井真二郎弁護士に聞いた。

●「仮処分」には2つのタイプがある

「仮処分には2種類のものがあります。一つは、係争物に関する仮処分。もう一つは、仮の地位を定める仮処分です」

どちらも難しい言葉が使われていてわかりにくいが、どんな意味なのだろうか。まず、「係争物に関する仮処分」とはなんだろう?

「係争物に関する仮処分とは、物に関する給付請求権(たとえば、不動産の引渡請求権や移転登記手続請求権)の強制執行を保全するため、『目的物の現状を維持する処分』を言います」

つまり、不動産など物に関する争いがあるとき、裁判前や裁判中に相手方がその物を第三者に譲ってしまったりすると、裁判に勝っても目的をはたせないことがある。そういう不利益を未然に防ごうというのが、この「係争物に関する仮処分」だ。

では、もう一つの「仮の地位を定める仮処分」とは、どんなものか?

「こちらは、争いのある権利関係について『暫定的な処分』を行うことによって、債権者の現在の危険を除去し、将来における終局的な権利の実現が不可能になることを防止するものです」

こう寄井弁護士は述べたうえで、次のように続ける。

「これは『係争物に関する仮処分』と異なり、権利の種類を問いません。また、強制執行の保全を目的としていません。実は、報道で目にする『仮処分』の大半は、この『仮の地位を定める仮処分』です」

●仮処分は短時間で結論が出ることが多い

具体的に「仮の地位を定める仮処分」として、どんな実例があるのだろう。

「たとえば、労働者の地位を仮に保全し、賃金の仮払いを命ずる仮処分や、生活妨害行為の差止めを命ずる仮処分等があります」

カラオケの利用差止めやマンションの建設禁止を求める場合も、こちらのタイプの仮処分にあたるということだ。では、どのようなときに、この「仮の地位を定める仮処分」が認められるのか?

「仮処分の要件は、『被保全権利の存在』と『保全の必要性』です。たとえば、労働者が勤務先を合理的な理由がなく解雇され、その地位を仮に保全したいというケースを考えてみましょう。

この場合、そのままだと労働者には給料が入りません。そのため、解雇が無効かどうかに関する裁判所の判断を待っていては、生活が苦しくなってしまうという緊急性の高い事案であれば、この要件は満たしそうです。

そのようなとき、裁判所は仮処分として、勤務先に賃金の仮払いを命じることになります」

なるほど、賃金の仮払いが認められて生活の不安がなくなれば、不当解雇された労働者もじっくり裁判で争うことができるというわけだ。

「仮処分は、訴訟と異なり、短時間で結論が出ることが多いため、最近利用されることが増えているように思われます」

不当解雇のほか、公害による生活妨害やネットでの名誉毀損表現の差止めなどにも、この「仮の地位を定める仮処分」は活用されている。法的なトラブルに直面した場合、簡便で迅速なこの仮処分という手続きを考えてみてもいいだろう。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
寄井 真二郎(よりい・しんじろう)弁護士
離婚・相続等の家族関係事案のみならず、金融・企業法務、交通事故、建築瑕疵、知的財産権等幅広く業務を行っている。「家庭弁護士の訟廷日誌」、「田舎弁護士の訟廷日誌」というブログも執筆中。
事務所名:弁護士法人しまなみ法律事務所
事務所URL:http://shimanami-law.jp/

弁護士ドットコム トピックス編集部

弁護士ドットコム 宜しくね (^o^)

2014年4月22日 (火)

【金融・企業法務】 共同相続された委託者指図型投資信託受益権および個人向け国債の当然分割性を否定した初の最高裁判例 平成26年2月25日判決

 銀行法務21・No771号で紹介された最高裁平成26年2月25日判決です。

 本判決は、共同相続された委託者指図型投資信託受益権および個人向け国債につき、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない旨を認めた初の最高裁判例です。

 

 具体的な判決文を引用します。

 委託者指図型投資信託に係る信託契約に基づく受益権は、口数を単位とするものであって、その内容として、法令上、償還金請求権及び収益分配請求権という金銭支払請求権のほか、信託財産に関する帳簿書類の閲覧又は謄写の請求権等の委託者に対する監督的機能を有する権利が規定されており、可分給付を目的とするものではないものが含まれている

 このような上記投資信託受益権に含まれる権利の内容及び性質に照らせば、共同相続された上記投資信託受益は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない。

 個人向け国債の発行等に関する省令2条に規定する個人向け国債の額面金額の最低額は1万円とされ、その権利の帰属を定めることとなる社債、株式等の振替に関する法律の規定による振替口座簿の記載又は記録は、上記最低額の整数倍の金額によるものとされており、取扱機関の買取により行われる個人向け国債の中途換金も、上記金額を基準として行われるものと解される。

 そうすると、個人向け国債は、法令上、一定額をもつて権利の単位が定められ、1単位未満での権利行使が予定されていないものというべきであり、このような個人向け国債の内容及び性質に照らせば、共同相続された個人向け国債は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない。

 余り考えたことがありませんが、当然分割否定説にたったので、相談の際には注意が必要ですね。 

 

2014年4月21日 (月)

【交通事故】 5級主張の46歳主婦の左上肢CRPSは骨萎縮や皮膚変化なく関節拘縮も認められず自賠責以外の基準からも由来する症状ではないと否認して14級9号と認定した 平成25年10月31日東京高裁判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 自保ジャーナルNo1913号で紹介された東京高裁判決です。

 判決の要旨を紹介いたします。

 乗用車に同乗中にY普通貨物車と衝突して、左上肢CRPS(複合性局所疼痛症候群)と診断され自賠責5級後遺障害を残したとする症状固定時46歳女子Xにつき、

 Xには、レントゲン上、左上肢に著明な骨萎縮は認められず、皮膚温の変化や皮膚の萎縮があるとはされていないことが認められ、

 本件事故発生から約1年2ヵ月経過後に計測された上腕、前腕部の周径の値と事故発生から約2年経過後に計測されたその値とを比較すると、左上腕については後者が大きくなっており、関節拘縮のために左上肢の筋肉の萎縮が生じていることとは矛盾した計測値が記録されていることが認められるから、Xの左上肢に関節拘縮があるとは認めがたいと認定し、

 CRPSの診断には自賠責基準のみならず様々な基準があることを考慮しても、Xの症状がCRPSに由来するものとは認めがたいとして、CRPSの罹患を否認しました。

 

2014年4月20日 (日)

【金融・企業法務】 銀行が共同相続人の1人による貯金の払戻請求を拒否したことが不法行為に当たらないとされた事例  東京地裁平成25年10月29日判決

 判例時報No2211号で紹介された東京地裁平成25年10月29日判決です。

 原告は、被告が他の共同相続人が同意しないという理由で本件貯金の相続分に相当する部分の払戻しを拒否し、交渉を打ち切ったことが不法行為にあたると主張しています。

 しかし、金銭の支払債務を負っている者が、その債務を履行せず、これを拒絶する態度に出たからといって、当然不法行為となると解すべき理由はない。

 民法419条1項、2項の定めに基づけば、金銭債務の履行遅滞による損害賠償の額は法定利率又は約定利率によることとされ、それを超える損害の賠償を請求できないと解するべきであり、

 これに照らせば、金銭債務の履行の拒絶が不法行為となるのは、例えば、履行が容易であるにもかかわらず、履行しなければ債権者に多大な損害を与えることを知りながら、債権者に害をなすことを主たる目的として履行を拒否したような場合など、履行拒絶行為が公序良俗に違反する態様でされたというべき特段の事情が認められる場合に限られると解する。

 当然のことですが、よっぽどのことがない限り、不法行為という認定は受けられないということなんですね。

 

2014年4月19日 (土)

【交通事故】 わ~い 青本が届いた (^^)

 平成26年2月 24訂版の「交通事故損害額算定基準ー実務運用と解説ー」が届きました。

 いわゆる「青い本」を呼ばれている書籍です。

 弁護士にとっては、交通事故を取り扱う際のバイブルのような書籍の1つです。

 赤い本の場合は、講演録をよく参照しますが、青い本の場合には、付録ですね。

 参考のために、付録を紹介します。

 ① 脳外傷による高次脳機能障害相談マニュアル

 ② 自賠責保険請求と後遺障害等級認定手続の解説

 ③ 後遺障害認定実務の問題点

 ④ 一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理について

 ⑤ 高次脳機能障害についての考え方とその評価法(講演)

 ⑥ 子どもや高齢者の高次脳機能障害と自賠責保険での問題点(講演)

 ⑦ 人身傷害保険の解説(新掲載)

 読まないと知識を得られませんが、仕事や家族サービスで、時間が足りないですね。 

 

 

2014年4月18日 (金)

【交通事故】 無保険車両の初度登録13年のXマセラッティとYレンタカーから借受人Z運転の小型貨物車との衝突は、XとZとがBを介しての知人間の偽装事故として請求を棄却した 平成25年10月3日付け大阪高裁判決

 自保ジャーナルNo1914号で紹介された平成25年10月3日付大阪高裁判決です。

 Bを介しての知人XとZは、ZがYレンタカー会社から借り受けた2トントラックが、Xマセラッティに衝突、損壊した事案につき、

 X車両は、初度登録年月が平成8年9月であり、無保険車両で、時価120万円程度に347万円の修理費請求等、

 Xは本件事故により大きな経済的利益を得ることができるのであるから、本件事故を偽装する動機がある等、本件事故が偽装事故であり、ZとXが意思を通じて故意に本件事故を発生させた疑いが濃厚であるというべきであるとして、棄却判決を下した。

 いわゆるモラル事案ですが、このような事案は時折損保会社からご相談を受けます。 

2014年4月17日 (木)

【金融・企業法務】 会社法改正の動向が気になりだしました・・・

 月刊監査役No625に、4大法律事務所所属の弁護士が執筆したわかりやすい記事がのっていました。

 どうやら、平成27年4月1日に、新しい会社法が施行される可能性が有力なようです。

 改正法案では、社外取締役を置いていない会社にその理由の開示が求められることになります。東証の有価証券上場規程でも、2月から、取締役である社外役員を1名以上確保する努力義務が設けられています。

 社外取締役を置かない場合には、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならないとされています。そして、社外監査役が2名以上であることのみをもって相当でない理由とすることはできないことが予定されています。

 現時点で社外取締役がいない会社については、今年の株主総会で社外取締役を選任しておかないと、来年の定時株主総会の開催時点では社外取締役がいないことになる。そうすると、社外取締役を入れない会社の場合には、来年の定時株主総会で、相当でない理由を説明しなければならなくなります。

 事業報告書についても、「社外取締役を置くことが相当でない理由」、「内部統制システムの運用状況の概要」、「親会社等との利益相反取引に関する事項」の3つが追加事項としてあげられています。

 3つめの「親会社等との利益相反取引に関する事項」については、「親会社等との利益相反に関し、株式会社の利益を害さないように留意した事項」と、「当該取引が株式会社の利益を害さないかどうかについての取締役会の判断及びその理由等」が記載事項とされています。

 グループ間取引はよくみられますので、注意が必要ですね。 

2014年4月16日 (水)

【行政】 市立斎場建設のため、市が土地所有者との間に土地売買契約を締結し、支払った金額が適正価格を超えて市にその差額の損害を与えたとして、当時の市長に対する不法行為に基づく損害賠償請求が認容された事例 平成25年9月5日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2206号で紹介された津地裁平成25年9月5日判決です。

 裁判所は当時の市長の責任を認めました。

 以下、その理由を述べます。

 ① 斎場の用地を確保する必要性、用地確保の困難性や緊急性、代金額が不動産鑑定に依拠して決定されたことを考慮しても、右代金額はあまりにも高額であり、牧場主らとの相当の交渉を経ず、市議会等に十分な資料提供や説明をしたともいえないまま決定されたことなどからすると、右売買契約を締結したYの判断がその裁量権の範囲を逸脱又は濫用したものであった

 ② Yは、単に1人の不動産鑑定士による鑑定結果を得るのみでなく、他の鑑定とも比較検討すべきであったにもかかわらず、十分な検討もせず、議会の議決に当たっても、鑑定書を提示したものの、付属書類も添付せず、議員らがこれを十分検討する機会を与えなかったことなどを総合すると、Yに重大な過失があった

 ③ 他方で、建物移転の補償契約に係る補償額については、過大であったと認められるとしたものの、決定にあたってYに裁量権の逸脱又は濫用があったとは断定できず、この点についてYに故意又は重大な過失があったともいえないと判断して、

 斎場用地の売買代金額についてのYの不法行為責任を肯定しました。

 地方公共団体の長の契約締結の違法性については、以下のような最高裁の規範を紹介しています。

  「本件では、被告が本件各売買契約及び本件物件移転補償契約を締結したことの違法性が問題となっているところ、

  地方公共団体の長がその代表者として一定の額の売買代金あるいは補償金を支払うことを約して不動産の売買契約を締結し、これに伴い物件移転の損失を補償する契約を締結することは、

  当該不動産を取得する目的やその必要性、

  契約の締結に至る経緯

  契約内容に影響を及ぼす社会的、経済的要因

  その他諸般の事情を

  総合考慮した合理的な裁量に委ねられており、

  当該契約に定められた売買代金額等が鑑定評価等において適正とされた売買代金額を超える場合であっても、

  上記のような諸般の事情を総合考慮した上でなお、地方公共団体の長の判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものと評価されるときでなければ、当該契約に定められた売買代金額等をもって直ちに当該契約の締結が地方自治法2条14項等に反して違法となるものではない」

  本件は、用地取得の代金が過大であったとして、市長の不法行為責任を肯定した極めて珍しい裁判例として紹介されています。

 

 

 

2014年4月15日 (火)

【金融・企業法務】 監査役が知っておくべき金商法の基礎講座第4回 開示規制違反

 月刊監査役No625で、金商法の開示規制違反が紹介されていました。

 金商法の開示制度とは、有価証券の発行・流通市場において、投資者が十分に投資判断を行うことができるような資料を提供するため、有価証券届出書をはじめとする各種開示書類の提出を有価証券の発行者等に義務づけ、これらを公衆の縦覧に供することにより、有価証券の発行者の事業内容、財務内容等を正確、迅速かつ公平に開示し、もって資本市場の機能の十全な発揮と投資者保護を図ろうとする制度をいいます。

 そして、証券取引等監視委員会は、金商法の規定に基づき開示検査を実施しており、検査の結果、開示書類の重要な事項についての虚偽記載等が認められた場合には、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、課徴金納付命令等の行政処分その他の措置についての勧告を行っています。

 開示検査の概要については、以下のとおり説明されています。証券取引等監視委員会事務局開示検査課は、公益又は投資者保護のために必要かつ相当であると認めるときは、有価証券届出者、発行登録書の提出者、有価証券報告書の提出者等に対して、報告徴取・立ち入り検査を実施します。開示検査の結果、有価証券報告書等の開示書類に重要な事項について虚偽記載等が認められる場合には、監視委員会は、金融庁設置法20条に基づき、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、課徴金納付命令等の発出を求める勧告を行うことになります。

 

 最近では、「役員が会社の財務・会計システム上のデータを改ざんして、取引先から支払われるリベート(仕入値引)を過大計上することで、売上原価を圧縮させて業績をよく見せていた」という経営者等の会社幹部が主導して不適正な会計処理が行われるケースが増えているようです。

 金商法がらみになると、田舎弁護士も業務としては多くはありませんが、皆無ではないので、月刊監査役や金融法務事情などで勉強しておく必要があります(ただ、金融法務事情の記事は難解なんですね。月刊監査役の方がわかりやすいです。)。 

 

2014年4月14日 (月)

【流通】 コンビニの店舗内で顧客が転倒受傷した事故につき、コンビニの経営者に過失がないとして、顧客のコンビニ経営者に対する損害賠償請求が棄却された事例 平成25年11月29日名古屋地裁判決

 判例時報No2210号で紹介された裁判例です。

 本件は、顧客Xが本件コンビニエンスストアの店内で、折からの降雪により店内の床が濡れていたため転倒し受傷したとして、この事故は、同店の経営者が店内の床を乾いた状態に保持すべき注意義務を怠ったために発生したと主張された事案です。

 裁判所は、Xの請求を認めませんでした。

 Xの転倒事故の原因は、Xが出入口のマットで草履の底面に付着した雪を十分に拭かなかったことにあり、経営者であるYらとしては、来店者がそれぞれ靴底の状態に応じて外マット及び内マットでそれに付着した雪を拭くものと信頼してマットを設置したものであるから、それ以上に特別のマットを設置する等の措置を講じるまでの注意義務はないと判断しました。

 裁判所はいいことを述べています。

 軽率な来店者が多いからといって、コンビニエンスストア等の店舗がそれらの軽率な行動を予見して、万全の措置を講ずる注意義務を一方的に負わされるというのは、軽率な来店者が転倒事故のリスクを何らの負担もなしに店舗側に転嫁できるということにほかならず、衡平にかなうところではない

 軽率な行為の結果は、自己責任というのは当然のことです。

 最近は周囲への転嫁を求めようとすることが少なくないように思いますが、自己責任ということを肝に銘じておくべきです。 

2014年4月13日 (日)

司法修習生のときのお勉強

 私たちのころは司法修習期間は2年あり、現在の司法修習の倍でしたので、盛りだくさんの企画もあり、いろんな意味で勉強になりました。

 もっとも、弁護士会での研修は、1、2時間程度の研修が2,3コマあったのは覚えていますが、研修といっても、人生訓のようなお話が中心でした。残念ながら、今では、そこで出てくるケーキとホットコーヒーのおいしさの記憶しかありません。

 勉強熱心な司法修習生も少なくなく、司法修習生の有志で自主的な勉強会をしていたのを思い出します。

 検察官や裁判官にお願いして時間外で検察実務や要件事実等の勉強会を開催してもらったことがあります。

 また、4人程集まって、数ヶ月、私の家で、民事保全・民事執行等の勉強会を開催して、その後は、鍋料理で豆腐などで一緒に夕食をとりました。

 私の場合は、退庁後に、もう1人の修習生を誘って、半年ばかり簿記学校に通学して経理を学びました。他の修習生も、渉外弁護士希望の者は、外国語学校に通学したり、ゴルフのレッスンを受けていた者もいました(これは勉強と言わないか?)。 

 修習生の場合、基本的には、実務でいろんな経験を積むということが大切だと思いましたので、検察、裁判、弁護、いずれの修習においても、手を抜くことなく一生懸命修習に専念していました。

 弁護修習でも、訴状、準備書面、陳述書、弁論要旨等、実務担当の先生の事件の半分近くは起案していたように思います。もっとも、頭でっかちの修習生が起案しても直ちに実務で使える代物ではなく、先生からは見事に原型をとどめない位の校正を受けましたが・・・・

 「教えて貰って当然!」という態度がとれるのは、せいぜい授業料を支払っている大学生までではないかと思います。

 司法修習の場合は、貸与制とはいえ、授業料は支払っていないのですから、自ら、指導を受ける弁護士、裁判官、検察官に、貪欲に、教えてもらうべきなのです。

 大学生やロー生と、司法修習生は違うのです。 

 弁護士になったら、自ら求めなければ、誰も教えてくれないぞ! ということを肝に銘じていただければと思います。

 しかも多くは研修費がかかります。。。 

 私は、現在も、そのポリシーを貫いています。 

 

【建築・不動産】 借地借家契約特約・禁止条項集

 新日本法規から、2月に借地借家契約特約・禁止条項集 というおもしろい本が出ました。

 例えば、「賃借人が期間内解約した場合には、残存期間中の賃料分の違約金を受け取りたい」場合にどうするか?等おもしろいです。

 GMS関係もいくつかあります。

 固定賃料と売上比例賃料の合計額を家賃としたい。

 貸しビルのテナントに対して、賃貸借契約締結前の原状を回復させるようにしたい。

 ショッピングセンター内の店舗位置の変更の際に契約内容を変更し、変更によって生じた費用は賃借人に負担させたい。

 商業施設のテナントに対し、無断で3日以上休業したら、契約を解除できるようにしたい

 ショッピングセンター改装に当たり、テナントに位置変更を認めさせたい

 なども参考になりますね。 

2014年4月12日 (土)

【金融・企業法務】 破産・民事再生の実務 第3版

 愛媛の弁護士の寄井です。

 平成26年2月に発行された「破産・民事再生の実務【第3版】破産編 」です。 

 Q&A方式の手引き書のようなものです。

 600頁を超える分厚い書籍です。

 ところが、最近私の事務所では、破産関連事件が減少しており、今のところ、管財事件が1件、申立てが3件位にまで、減少しております。

 数年前に比較的大きな管財事件を担当しましたが、それ以降はさっぱりですね。

 やっぱり配当までいく管財事件を継続的に担当していないと、経験値があがりません。

 また、管財事件って、ある程度、事件の処理になれた事務員さんがいなければ、作業が大変になります。 

 スタッフをどう育てるかも大切です。 

2014年4月11日 (金)

【交通事故】 交通事故民事裁判例集

 愛媛の弁護士の寄井です。

 ぎょうせいから出版されている「交通事故民事裁判例集」は定期購読しています。

 今回は平成23年1月~12月までの索引・解説号でした。

 解説編ではいくつか興味ある裁判例が紹介されていましたので、紹介いたします。

 大阪地裁平成23年1月27日判決は、交通事故とくも膜下出血との因果関係が問題となった事案です。

 「原告の脳動脈瘤が破裂することによるくも膜下出血は、本件甲事故発生直後に発症したものというべきであり、他にくも膜下出血が発症した原因を認めるに足りる証拠が存在しないことからすれば、本件甲事故と原告のくも膜下出血の間には相当因果関係が認められるというべきである。」と判示しています。その上で、脳動脈瘤を素因減額として考慮して、50%減額しています。

 解説によれば、「脳動脈瘤を扱った裁判事例では、脳動脈瘤という体質的素因は、加齢によって誰にでも生じうる身体的特徴であるとしたうえで、事故によって被害者が感じていたストレスとがあいまって、くも膜下出血が生じているという認定がなされる、という傾向を見いだすことができる」と説明されています。

 東京地裁平成23年5月31日判決は、交通事故診療につき一括払を行った任意保険会社が、医療機関に対して不必要で過剰な診療による報酬相当額分及び過大な診療報酬単価相当額分の返還を求めた訴えにおいて、一点10円とするのが相当とされた事例です。

 この事案は、保険会社が一括払いで対応していたにもかかわらず、不当利得返還請求をしたという事案であり、信義則違反に反するかどうかが問題となりました。

 これについては、

 Aは、交通事故の被害者である本件の各患者と医療機関であるBの便宜を図って一括払いに応じていたものであって、それ以上に診療内容や診療報酬単価を異議なく承認する旨を明示して支払っていたのではないから、Aが診療内容や診療報酬単価を承認していたものと認めることは相当ではない

 診療内容や診療報酬単価の必要性、相当性については、診断書や診療報酬明細書のみで判断することは困難であって、診療録、これに対する専門的知識を有するものの所見等を検討しなければ、その当否を検討することは困難というべきであるから、保険会社であるAに対し、一括払いの時点で、診療内容や診療報酬単価について異議を述べることを期待することは無理を強いるものであるし、かえって一括払い制度の趣旨に反することになりかねないとして、

 Aが一括払いを行ったからといって、債務額を承認したものということはできないのであって、Aが不当利得返還請求をすることは信義則に違反しない

 と判断しました。

 それ以外にも、解説は、損害賠償額算定における「既存障害」の考慮についての裁判例の整理、後遺障害非該当の醜状障害による慰謝料の算定事例などが紹介されています。 

 

2014年4月10日 (木)

【労働・労災】 弁護士専門研修講座 労働法の知識と実務Ⅱ 

 今年の2月5日に出版された書籍です。

 東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会編ですが、この弁護士専門研修講座の書籍は、実務的な視点から書かれていることが多いため、重宝しています。

 今回は、労働法の知識と実務Ⅱ  ということで、以前のシリーズの続編となります。

 この中で、特に参考になったのは、第1に、ユニオンの執行委員長が講師の「ユニオンによる団体交渉の実際、労働問題解決への取り組み」です。

 昨年来、私の事務所では、なぜか団体交渉事案が増加しており、使用者側の代理人として団交の現場に出席することも度々です。

 一言でユニオンといっても、千差万別で、硬軟両面で対応しておりますが、本書の中で、「ユニオンから見た団体交渉における企業の弱点」という項目は、なるほどなあとおもうことが書かれており、参考になります。  

 第2に、「労働基準監督署による事業所調査、臨検等の実際と対応」は、弁護士の場合、後方支援に廻ることが多く、臨検等の実際には立ち会いをすることは余りないので、参考になりました。

 第3に、「労働事件解決の過程で、社会保険・労働保険はどうなるか」というテーマも、これも、紛争中、解決後、社会保険や労働保険の消長について、質問を受けることがあり、その都度、ネット情報?を元に考えていたことから、専門家からのアドバイスは大変ありかたぐ思いました。

 割り増し賃金は、もう少し増えるのかなと思いましたが、意外と相談は少ないです。解雇、雇い止め、配置転換、退職金のトラブルが多いですね。 

 なお、この研修講座の講師の中の弁護士の1人が、以前、私の事務所に就活にこられた方がいますが、もう難しい分野の講師をされているのを知って、時の流れの早さを感じました。 

 私自身は、余り進歩をしていていないので、大変刺激になりました。 

2014年4月 9日 (水)

【行政法】 行政法のお勉強 No5 行政法の知識と実務

 愛媛の弁護士の寄井です。

 引き続き、行政法のお勉強です。そういえば、先日、今年度の弁護士会の夏期研修のテーマの希望を募る案内が届いていました。早速、行政法の希望を出しておきました。今年も希望が通ればいいな!と思います。

 今回は、第4章の「住民訴訟の訴訟要件ー適正な行政執行を確保するためにー」の紹介です。

 住民訴訟の訴訟要件を中心に説明されています。

 住民訴訟において原告になるためには、監査請求を行った者であることが必要です。そのためには、適法な監査請求を行っている必要があります。監査請求の対象が特定されているかどうかの論点の1つに、将来行われる財務会計上の行為の特定が問題となります。

 土地区画整理事業に関連する公金の支出については、最判平成18年4月25日が参考になります。

 以下、判旨を紹介します。

 住民監査請求においては、その対象が特定されていること、すなわち、対象とする財務会計上の行為又は怠る事実(以下「当該行為」)が他の事項から区別して認識できるように個別的、具体的に摘示されていることを要する。

 しかし、その特定の程度としては、監査請求書及びこれに添付された事実を証する書面の各記載、監査請求人が提出したその他の資料等を総合して、住民監査請求の対象が特定の当該行為であることを監査委員が認識することができる程度に摘示されているのだれば、これをもって足り、上記の程度を超えてまで当該行為を個別的、具体的に摘示するものではない。 

 また、対象となる当該行為が複数であるが、当該行為の性質、目的に照らしこれらを一体とみてその違法性又は不当性を判断するのを相当する場合には、対象となる当該行為とそうでない行為との識別が可能である限り、個別の当該行為を逐一特定することまでが常に要求されるものではない。

 そして、地方公共団体が特定の事業(計画段階であっても、具体的な計画が立案され、1つの特定の事業として準備が進められているものを含む)を実施する場合に、

 当該事業の実施が違法又は不当であり、これにかかわる経費の支出全体が違法又は不当であるとして住民監査請求をするときは、

 通常、当該事業を特定することにより、これにかかわる複数の経費の支出を個別的に摘示なくても、対象となる当該行為とそうでない行為との識別は可能であるし、当該事業にかかわる経費の支出が全て違法又は不当であるという以上、これらを一体として違法性又は不当性を判断することが可能かつ相当ということができる。

 また、当該行為を防止するために必要な措置を求める場合には、これに加えて当該行為が行われることが相当の蓋然性をもって予想されるか否かの点についての判断が可能な程度に特定されていることも必要になるが、

 上記のような事案においては、当該事業を特定することによって、この点を判断することも可能である場合が多い

 したがって、そのような場合に、当該事業に係る個々の支出を1つ1つ個別具体的に摘示しなくても、住民監査請求の特定がかけることにはならない。」

  よくわかりませんが、区画整理事業に伴う支出といえば他と区別がつくでしょうという、おおざっぱな切り口で、特定が認められてしまったものです。

 なんか、よくわからないなあ~ 

 

 

 

2014年4月 8日 (火)

【金融・企業法務】 銀行訴訟対策アドバイス 銀行法務21No769

 銀行法務21No769で紹介された「銀行訴訟対策アドバイス」です。

 銀行が投資信託等のリスク商品を巡り、顧客とトラブルに発展した場合の、段階毎の対応策をわかりやすく説明されています。

 まず、クレームの段階、金融ADRの段階、調停の段階、そして、訴訟の段階。

 訴訟では、訴訟提起時の段階、第1回口頭弁論時の段階、証人尋問期日前の段階、最終口頭弁論時の段階、判決の段階ごとに、わけて、ワンポイントアドバイスまで指摘しています。

 なお、金融ADRのうち、全銀協のADRについては、モラルハザード、あらゆる案件が救済対象になるという風評が立たないのか?等と、厳しい指摘をされています。どうやら、最近の実績ではほぼ全件で、銀行が何らかの負担をする和解が成立しているからのようです。。。 

2014年4月 7日 (月)

弁護士採用雑感

 私が経営する弁護士法人は、所属する弁護士は現在2名です。

 一昔前は、弁護士1人事務所が主流でしたが、今では、諸事情等から複数事務所化が進んでいることから、所属する弁護士の数が3名程度以下であれば、小規模零細という評価を受けるものと思われます。  

 弁護士という仕事は職人の要素も含んでいることから、弁護士1名で経営する方が気が楽という弁護士さんもまだまだ少なくないと思います。 

 実は私もその1人です。

 他方、東京では数百人規模の法律事務所も登場しており、地方でも、5人、6人規模の法律事務所はボツボツ現れています。

 私の事務所では、顧問先様を中心に仕事をいただいている関係や立地上の経済規模から考えると、現時点では、5,6人規模以上の法律事務所をめざず必要はないと考えております。

 とはいえ、私が全ての分野に習熟しているかというと決してそのようなことはないため、私が余り関与したことがない分野については他の弁護士が補うことができるという目的で、現在、弁護士2名体制としています。

 これはかなりの効果を上げています。 

 もっとも、弁護士2名でもカバーできる分野は限られていることから、弁護士3,4人くらいまでは、より専門的なアドバイスを行うためにも、その程度の規模の拡大はしたいとは思います。

 職人的な弁護士が集まった法律事務所にしたいと思います。 

 そのため、弁護士を採用する際にも、私が余り関与したことがない分野に興味を持っているのかどうかなども、点検の材料にしています。

 それと同時に、「田舎弁護士」になることについて高い誇りをもっている方にきていただきたいと考えております。私の事務所では、弁護士を第一志望としない方には遠慮していただいております。

 法曹人口の増加がさらに進み、弁護士の在り方については、近い将来大きな変化が生じるだろうと思っております。このような激動の状況の下において、弁護士として生きていくためには、何が必要なのかを、弁護士志望の司法修習生の方には考えて貰いたいと思っております。

 私自身もわかりませんが、試行錯誤しながら弁護士として生き残れるよう努力は積み重ねていきたいと思います。

2014年4月 6日 (日)

【流通】 セブンーイレブン値引き制限訴訟判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2209号で紹介された裁判例です。

 ①東京高裁平成25年8月30日判決です。

 (1)コンビニエンス・ストアのフランチャイザーがフランチャイジーに対してディリー商品の見切り販売による値引きをしないように求めたり、見切り販売が禁止されている旨を言明したり、同販売をしたときには加盟店契約の更新に影響があるとか、更新されない旨の言動などをした場合には、フランチャイズ契約に定められた経営指導、助言の域を超えるものであって、見切り販売妨害行為として独占禁止法の禁止する優越的地位の濫用に当たり、公正取引委員会の排除命令に違反するとされた事例

 (2)同見切り販売妨害行為による独占禁止法25条に基づく損害賠償請求の損害額につき、公正取引委員会の損害額に関する意見及び原告らの損害額算定方法に関する主張を採用せず、民訴法248条に基づき謙抑的かつ控えめに裁量認定するのが相当であるとされた事例

 ②福岡高裁平成25年3月28日判決です。

 (1)コンビニエンスストアのフランチャイザーが特定のフランチャイジーのコンビニエンスストアと商圏の重なる場所に競合店を出店させたことがフランチャイズ契約上の信義則に違反するとはいえないとされた事例

 (2)フランチャイズ契約の締結に当たって、フランチャイザーにフランチャイジーに対するロイヤルティ(チャージ金額)算定方式について説明義務違反があるとはいえないとされた事例

 (3)コンビニエンスストアのフランチャイザーがフランチャイジーに対してディリー商品の見切り販売による値引きをしないよう求めた言動は、フランチャイズ契約に定められた経営指導、助言の範囲に止まるものであって、独占禁止法の禁止する再販売価格拘束に当たらないとされた事例

 ③福岡地裁平成25年3月28日判決です。

 (1)コンビニエンスストアのフランチャイズ契約の締結に当たって、フランチャイザーにフランチャイジーに対するチャージ金額の算定方式及び商品廃棄ロス等に関する説明義務違反があったとはいえないとされた事例

 (2)フランチャイザーがフランチャイジー三者に対して、ディリー商品の見切り販売による値下げをしないよう求めるに際して、恫喝に近い態度を示したり、値下げ販売がフランチャイズ契約上の違反行為になるなど虚偽の事実を述べたことが、フランチャイジーの価格決定権を侵害した不法行為に当たるとして損害賠償責任が認められた事例

 (3)フランチャイザーが既存フランチャイジー店の開設の数年後に競合店を開設させたことが債務不履行ないし不法行為にならないとされた事例

 難しそうな事案ですねえ。 

 

2014年4月 5日 (土)

懲戒弁護士が続々と。。。

 愛媛の弁護士の寄井です。

 自由と正義3月号です。

 相手方の勤務先に対して、勤務先の住所にはいないことを知って、親展、本人限定受取等の指定をせずに、内容証明郵便を送付したというケースです。戒告は仕方がないのかもしれませんが、油断するとしてしまいそうなミスです。

 不在者の財産管理人に選任され、債務を認識しておきながら、財産目録等に記載しなかったというケースです。あってはならないミスですが、うっかりすると、してしまいそうなミスです。

 2010年6月に破産申立ての依頼を受けながらも、2012年9月まで破産申立てをしなかったというケースですが、これはアウトですね。

 同様に、2006年に破産手続を受任しておきながら、2013年まで破産申立てをしなかったというケースですが、事務員さんが処理をすっかり失念してしまっていたというミスです。怖いです。うちの事務所の場合は、護で作業登録して弁護士が確認するようにしているので、こんなミスはしたことはありませんが、これも注意しておかな ければ大変なことになります。

 それはそうとして、66期の司法修習生の登録集中日は、12月19日だったようですね。確定申告が必要な場合には、中途半端になりそうなので、登録は1月がいいかもしれませんね。 

 

 

2014年4月 4日 (金)

【交通事故】 治療費が合理的な説明ができない治療に基づいて発生したものが多いとして治療費の全額を認めなかった事例 京都地裁平成26年1月14日判決

 交通事故判例速報No573号で紹介された京都地裁平成26年1月14日判決です。

 裁判所の判断の概要を紹介しますが、病院の対応に疑問を感じます。

 まず、裁判所は、両肩関節周囲炎の診断について、診断時に症状が存在しなかったことと診断要件を満たさないことを理由に、不合理であると判断しました。

 次に、バレー・リュー症候群の診断について、医学文献等やH医院医師作成の陳述書等を検討し、診断時に症状がないことを理由に、不合理であるとしました。

 また、裁判所は、バレーリュー症候群の傷病名下でなされた治療に関して、「星状神経ブロックも考えたが、1ヵ月の治療費があがり、もっと早く打ちきりとなることを考慮して、リハビリ、薬、外用、胃薬で治療を続けた」とするH医院医師の陳述について、このような事情で、有効とされる一般的な治療は存在せず、初期に選択した治療を1年間続けたというのは、本末転倒で不合理であると指摘し、バレーリュー症候群の傷病名下でなされた治療について、被告に賠償義務を課すことはできないと判示しました。

 最後に、外傷性頚部症候群については、本件事故態様や症状と矛盾しないとしつつ、H医院の治療は、合理的な説明ができない治療に基づいて発生したものが多く、かつ、このような治療によって難治長期化した可能性が高いとして、被告に治療費を負担させることはできないとしました。

 ごくまれですが、素人の私からみても、???と思うような治療を継続される医師がおられます。ただ、このような医師にかかると、治る病気も治りにくくなったり、治療費を否認されたり、踏んだり蹴ったりです。

 注意する必要があります。 

2014年4月 3日 (木)

【金融・企業法務】 信用保証協会の保証付融資の融資金が詐取された場合において、信用保証協会の錯誤無効等の主張が排斥され、金融機関の保証契約履行請求が認容された事例 東京高裁平成26年1月30日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 金融法務事情No1988号です。

 判決要旨を紹介いたします。

 信用保証協会の保証付融資について、詐欺により融資金が騙取されたことが融資後に判明し、かつ、信用保証協会としては正常な融資であると信じて信用保証をしたとしても、

 金融機関が当該信用保証協会の保証付融資案件について金融機関に期待される相当な融資審査を行った場合には、融資金詐欺によって信用保証協会に生じるリスクは、信用保証協会の保証付融資において想定される範囲内のリスクであり、信用保証協会が正常な融資であると信じて信用保証をしたことを理由として、信用保証契約が要素の錯誤により無効となるものではない。

 信用保証協会の要素の錯誤については、裁判例は、積極説と消極説にわかれています。

 裁判例がわかれているところなので、しっかり押さえておく必要がありますね。  

2014年4月 2日 (水)

【行政】 土地収用法94条7項又は8項の規定による収用委員会の裁決の判断内容が損失の補償に関する事項に限られている場合にその名宛人が上記裁決の取消訴訟を提起することの可否 最高裁平成25年10月25日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2208号で紹介された最高裁判決です。

 事案は以下のとおりです。

 徳島県は、平成19年9月ころ、県道の改良工事の附帯工事として、Xが所有する自宅敷地に接する里道を拡幅して阿南市の市道となる道路を新設する工事を実施しました。

 Xは、平成20年12月ころ、阿南市長に対して、本件工事により自宅敷地への出入りに支障が生じているとして、道路法70条1項に基づく通路の新設を請求したものの、阿南市が応じなかったため、Xは、平成21年3月ころ、徳島県収用委員会に対し、道路法70条4項に基づき、土地収用法94条の規定による裁決の申請をしたものの、徳島県収用委員会は、本件道路からXの自宅敷地への出入りは可能であり、本件工事による損失は生じていないなどとして、Xの申請を却下する旨の裁決をしました。

 第1審、第2審は、いずれも、本件裁決の取消訴訟は不適法であるとして、これを却下すべきものとしました。

 その理由は、本件裁決は、Xに本件工事による損失が生じておらず損失の補償は不要であるとしたもので、道路法70条4項に基づく土地収用法94条8項の規定による裁決であって、損失の補償に関する事項についてしか判断していないことから、損失の補償に関する事項については土地収用法133条2項の損失の補償に関する訴えによるべきであると判断しました。

 最高裁は、土地収用法94条7項又は8項の規定による収用委員会の裁決の判断内容が損失の補償に関する事項に限られている場合であっても、その名宛て人は、上記裁決の取消訴訟を提起すうることができると判断しました。但し、収用委員会の採決の取消訴訟において主張し得る違法事由は、損失の補償に関する事項以外の違法事由に限られる旨、理由中で判示しております。

 ということは、結局、差し戻されても、審理の対象が限定されていることからすれば、余り意味がないのでは???

 

2014年4月 1日 (火)

【建築・不動産】 建物の地下一階部分を賃借して店舗を営む者が建物の所有者の承諾のもとに1階部分の外壁等に看板等を設置していた場合において、建物の譲受人が賃借人に対して当該看板等の撤去を求めることが権利の濫用にあたるとされた事例

 愛媛の弁護士の寄井です。

 金融法務事情No1985で紹介された最高裁平成25年4月9日判決です。田原裁判官の補足意見がいつものように勉強になります。

 判決要旨は以下のとおりです。

 繁華街に位置する建物の地下1階部分を賃借して店舗を営む者が建物の所有者の承諾のもとに1階部分の外壁等に看板等を設置していた場合において、建物の譲受人が賃借人に対して当該看板等の撤去を求めることは、次の(1)から(4)など判示の事情(省略)のもとでは、権利の濫用に当たると判断されました。 

 看板については、対抗力を持たないので、アウトのようにみえますが、最高裁は権利濫用と判断して救済しております。

 田原裁判官の看板等の設置と建物賃借契約との関係、原審が仮執行宣言を付したことに対する当否についての意見は興味深かったです。 

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