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2014年3月31日 (月)

【交通事故】 神奈川県在住の原告が栃木県への遠方の通院事情認められず通院交通費の因果関係を否認した 横浜地裁平成25年10月17日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 自保ジャーナルNo1911号で紹介された横浜地裁平成25年10月17日判決です。

 通院交通費につき、神奈川県在住の原告が通院していた「G接骨院(栃木県所在)については、56日間通院し、電車賃は1回の通院で往復8120円、合計45万4720円を要したというのであるが、

 治療費及び文書料20万0240円を大きく上回るのであり、H接骨院とは別に、このような遠方の通院先を選択したことについて特別な事情は認められず、通院交通費に関する限り相当因果関係の範囲にあるものとは認めがたい」として否認し、

 H接骨院については、タクシーと電車で10万9490円を要したと主張されているが、タクシーを利用する必要性までは認めるに足りないから、電車賃9460円の限度で認めると認定しました。

 時々、遠方の病院や接骨院等に通院する方がいますが、やはり特別な事情が必要であるということなのでしょう。 

2014年3月30日 (日)

【交通事故】 Xの損害は事故後Y破産によりY免責、事故車両は自ら所有と認定して他車運転特則も免責として請求棄却しました

 自保ジャーナルNo1912号で紹介された大阪地裁平成25年6月13日判決です。

 加害者Yが破産してしまったという事案において、被害者Xが泣き寝入りされられてしまったという事案です。

 被害者Xは、加害者が全て破産したことを理由に、共済金の支払い請求を予備的にしていたのですが、裁判所は、そもそもXとYとの間で、共済契約は存在しないとして、共済に対する請求も否認してしまったという事案です。

 そういえば、加害者Yと共済の代理人弁護士が異なっていますね。

 ごくまれに、加害者が倒産してしまうというケースがあります。

 まあ、保険が適用されるのであれば、保険法22条でなんとかなるのでしょうが、今回は保険(共済)が否認されてしまったという事案です。

 こういう事案って、原告側の代理人も、胃に穴が開きそうな気分になります・・・・・ 

2014年3月29日 (土)

【交通事故】 30歳男子の低髄液圧症候群は特異な起立性頭痛や画像上の異常所見も認められず、新基準の国際頭痛分類第3版beta版等からも発症を否認 東京高裁平成26年1月15日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 自保ジャーナルNo1912号で紹介された東京高裁平成26年1月15日判決です。低髄液圧症候群を否認しました。

 判決要旨を紹介いたします。

 30歳男子会社員のXが乗用車を運転停止中、Y乗用車が追突した訴外普通貨物車に玉突き追突され、低髄液圧症候群を発症(自賠責後遺傷害非該当)したとし、国際頭痛分類第3版beta版の国際頭痛分類基準(新基準)に照らしても、Xが本件事故により低髄液圧症候群を発症したと主張する事案につき、

 交通事故により発症した低髄液圧症候群は新基準の「7.2.3特圧性頭蓋内圧低下性頭痛」に当たるところ、「新基準において、病歴を聴取するときに、発症時の頭痛の起立性の性質をよく聞かなければならない、時間が経つにつれ、この起立性の特徴がずっとより明確でなくなるかもしれないからであると記載されていること、同コメントにおいて、RI脳槽シンチグラフィーは時代遅れの検査であり、他の画像検査様式に比べて著しく精度に欠けると記載されていることが認められる」ことから、Xが「F病院の戊田医師の診察を受けるまで受診したB病院、C大学、D整形外科及びEクリニックの診療録のいずれにおいても、Xに起立性頭痛があったことを示す記載はなく、画像所見上、硬膜下液体貯留・小脳扁桃下垂の異常所見があったことも認められず、・・・・新基準の内容を考慮しても、Xが低髄液圧症候群を発症したとは認められない」として、低髄液圧症候群の発症を否認しました。

 ②RIクリアランスの亢進が認められることを低髄液圧症候群発症の診断根拠とする主張につき、RIシンチグラフィーにおける所見は、新基準においても診断基準上重視されているものではないから、RIクリアランスの亢進から髄液漏出を認めることはできない」と否認しました。

 東京高裁は、低髄液圧症候群が否認しましたが、東京高裁という権威のある裁判所での判断であるため、影響は大きそうですね。

 約6300万円弱の請求に、第1審は約180万円、第2審は約200万円という結果です。

 ホント 難しいです。 

 

2014年3月28日 (金)

【交通事故】 不動産売買における説明義務・情報提供義務について

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例タイムズNo1396号で紹介された中川博文裁判官の論文です。

 不動産売買に際しての説明義務については、弁護士としては、破産管財事件等で不動産を処分しなければならない場合に、問題となることが少なくないのではないかと思います。

 所有権の有無や制限物権の有無については、弁護士でも判明することが通常ですが、宅地造成等規制法、都市計画法、建築基準法上の摂動義務、指導要綱に規定された行政指導、文化財保護法57条の2の文化財包蔵地については、苦慮する場合があります。

 日照、通風、眺望、周辺施設については、そこまで調査する管財人はほどんどいないのではないかと思われます。

 不動産取引に対する課税、軟弱地盤、地中埋設物、土壌汚染など、考慮事項は多種多様です。

 私の場合はできるだけ宅建業者に仲に入って貰うようにしております。 

2014年3月27日 (木)

【交通事故】 反射性交換神経性ジストロフィーについての裁判例 東京地裁平成25年1月22日判決

   交通事故民事裁判例集第46巻第1号で紹介された東京地裁平成25年1月22日判決(合議)です。

 要旨を紹介します。 

 ①原告が、自転車に搭乗して直線道路を進行し、道路の左側端に停止していた被告車(普通貨物自動車)の後方から被告車の右側方を通過しようとしたところ、被告が運転席のドアを開けたため、自転車がドアに衝突、転倒した事故につき、

 原告に、被告車の右側方を通過するときに被告車右側の運転席のドアが開くことを予見することは困難で、事故の発生を回避することは不可能であったとし、過失相殺を認めなかった事例

 ②原告は、事故により左上下肢にRSD(反射性交感神経性ジストロフィー)を発症したと主張したが、

 症状等の推移及び医学的な診断基準を参考にして、事故による受傷を契機として、RSDの症状と評価すべき持続的な著しい疼痛、腫瘍、皮膚変化及び発汗異常、並びに関節拘縮及び骨萎縮等の萎縮性の変化が生じていたとは認められないとして、RSDの発症を認めなかった事例

 ③後遺障害程度の認定につき、原告は事故により受傷し後遺障害等級第7級の後遺障害が残ったと主張したが、

 後遺障害の内容は頸椎捻挫による神経症状であり、これを裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことを考慮し、局部に神経症状を残すものであるが、就労につき大きな支障となるものとはいえず、後遺障害等級第14級9号に該当する程度にとどまるとした事例

 ④原告(女・症状固定時57歳・飲食店勤務)が、事故により受傷し、後遺障害(頸椎捻挫による神経症状ー14級9号)が残存した場合について、

 諸般の事情から事故前からの原告の障害や事故後の精神状態が治療の長期化や後遺障害の残存に寄与したとは認められないとし、被告の素因減額の主張を認めなかった事例

 ⑤被害者の休業損害につき、賃金センサス女子労働者学歴計平均賃金額を基礎とし、事故日から症状固定日までの通院状況等を併せ考慮し、事故日より21日間は平均して70%、その後症状固定日までの590日間は平均して30%の休業割合を認めた事例

 ⑥被害者の後遺障害逸失利益につき、賃金センサス女子労働者学歴計平均賃金額を基礎に、後遺障害の内容程度(頸椎捻挫による神経症状ー14級9号)等に鑑み、症状固定日から7年間にわたり5%を認めた事例

 RSDという難しい論点もありますが、頸椎捻挫の神経症状でありながら、労働能力喪失期間は5年ではなく7年を認定したものとしても参考になります。 

2014年3月26日 (水)

【交通事故】 平成26年の赤い本が届いた~

 平成26年度の「損害賠償額算定基準」講演録編(昨年9月14日講演)を紹介いたします。

 全部で4つです。

 ① 「運転者の疾患による責任無能力と賠償義務」ということですで、(1)運転者の不法行為責任、(2)保有者の運行供用者責任、(3)運転者を被用者とする使用者の使用者責任、(4)使用者の固有の不法行為責任が個別のテーマとなっています。 

 ② 「赤字事業を営む経営者の休業損害と逸失利益の算定における基礎収入額」ということですが、さらに、個人事業主と小規模会社の経営者の場合にわけて論じられています。

  ③ 「高齢者の損害算定に伴う諸問題」として、(1)素因減額、(2)逸失利益の算定となる基礎収入、(3)高齢者の死亡慰謝料が論じられています。その中で、素因減額の素因に該当するかどうかの病態として、骨粗鬆法や、誤嚥性肺炎がとりあげられていました。

 ④ 「自転車同士の事故の過失相殺」については、基本的な考え方が示されています。つまり、「自転車同士の事故の過失割合を検討するに当たっては、これらの自転車の一般的な特色を踏まえて、四輪車同士の事故の過失割合を参考にしつつ、具体的な事案に応じて検討していくことになります。自転車同士の事故であるといっても、自転車という車両を運転していることによって事故が発生していますから、過失割合を検討する際の基本的な発想としては、道路交通法令による規制を前提にするべきであり、道路交通法令による交通規制を知らないことや、道路交通法令が守られていない運転慣行があることを大きく考慮することについては、慎重であるべきではないかと思われます。」と紹介されています。

 

 赤い本の講演録は、交通裁判例に詳しい有能な裁判官の講演をまとめているものであり、実務上参考になります。

 また、ある損保会社から依頼を受けて開催されるセミナーでの、資料として多用させていただいております。

 

 

 

2014年3月25日 (火)

急募 法律事務所の秘書を募集します (^^)

 急遽、法律事務所の秘書を募集します。

 詳しくは、今治のハローワークに備え付けられている書類をご覧下さい。

 ハローワークの書類は、一昔前と異なり、年齢などの条件を書き込むことができなくなり、打診があってもお断りさせていただくことがあります。

 年齢としては、四年制大学の新卒から4,5年目くらいまでの方を優先したいと思います。 

 主な仕事は、法律関係書類の作成の補助、電話の対応、戸籍類等必要な書類の取り寄せです。

 若い人程、業務になれるのが早かったような印象があります。 

 

 

 

【金融・企業法務】 児童手当が預金債権へ転化した場合の差押禁止属性の承継

 愛媛の弁護士の寄井です。

 銀行法務21No768号の研究会レポートです。

 鳥取地裁平成25年3月29日判決は、差押えが禁止される児童手当であってもそれが銀行口座に振り込まれた場合には、原則として、その全額の差押えが許されるとしつつも、客観的にみて、実質的に児童手当法の精神を没却するような裁量逸脱があったものとして違法な場合には差押えが違法となると判断して、本件事案においては、例外的に許されない事情があったとして、差押処分を違法と判断したわけです。

 債務名義を取得しているのに、回収できないということになれば、裁判所に対する信頼を失うことにもなるのではないかと思います。

 とはいえ、実質的には年金そのものに等しいものまで差押えということになれば、債務者の困窮はひどいものになります。

 難しい問題です。

 民事執行法153条1項によって差押命令の全部又は一部の取消しを求めることも可能なようですが、その前に取立権を行使されてしまった場合には、もはや債務者を救う方法はないことになります。

 本当に難しい問題です。 

 

 

2014年3月24日 (月)

【労働・労災】 痴漢行為を行った市立高校教諭に対する懲戒免職処分が違法として取り消された事例 東京高裁平成25年4月11日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2206号で紹介された東京高裁平成25年4月11日判決です。

 第1審判決は、懲戒免職処分を認めましたが、第2審判決は、懲戒免職処分を取消しました。

 本判決の概要を紹介します。

 ① 地方公務員に懲戒事由がある場合、懲戒処分を行うか、いかなる処分を選ぶかは、懲戒権者は、その裁量的判断によって決定することができるが、

 懲戒権者の裁量権の行使に基づく処分が社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を逸脱し、これを濫用したものと認められる場合には違法と判断すべきものである

 ② 教育委員会は、懲戒処分を行うに際しての指針を定めているところ、教育公務員の女性への痴漢行為が、女子児童らに与える影響は大きいが、Xの行為は痴漢行為としてみても比較的軽微なものにとどまるものであること、本件についての刑事判決の確定後も、生徒らの相当数が、Xに対する信頼を失っておらず、支援、協力等を申し出ていることなどからすれば、

 指針に想定されている加重事由は存在しない

 ③ Xは、学校教員として任用されて以後約29年間、教科指導の指導能力につき良い評価を得ており、勤務態度又は教育実践が極めて良好であるに該当するとし、

 Xに対してした処分は、重きに失し、社会通念上著しく妥当性を欠くと認めるのが相当であると判断しました。

 痴漢行為の内容は、白昼、デパートの地下食品売場において、通行中の第一被害者に対し、すれ違いざまに第一被害者が着用していたジーンズの上からその股間付近を手で触り、さらに、その直後に、第二被害者に対し、すれ違いざまに第二被害者のスカートの上から臀部を手で触ったというものです。

 結構、大胆で、悪質ですよね。

 わからん。なんで教師がこんな行為に及んでしまったのか?

 飲酒でもしていたのだろうか? 

2014年3月23日 (日)

【交通事故】 X1会社がY保険会社との間でX2所有の自動車(本件車両)に自動車保険契約を締結していたところ、X2がYに対し自動車が盗難にあったと主張して保険金の支払いを請求した事件につき、本件車両盗難の外形的事実は認められず、仮にそうでないとしても、本件車両はX2及びX2の夫でX1会社の実質的な代表者であるAの意思に基づき持ち去られたと認められるとして、X2の請求を棄却すべきであるとされた事例 大阪高裁平成25年3月1日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2206号(2月11日号)で紹介された大阪高裁平成25年3月1日判決です。 

 本判決の概要は以下のとおりです。

 本判決は、

 ① 本件車両にはイモビライザー等が搭載されていたので、正規のキーを用いなければ自走させることは一般的には困難である

 ② 本件車両が自走によらずに運搬された可能性は考えがたい

 ③ Xらは、本件車両のスペアキーを1個紛失したと主張しているが、その主張は、本件車両の盗難を否定する有力な間接事実である

 ④ 本件車両には高価な追加装備がされているが、このような車両代金の高額化は、保険金請求の意図を疑わしめる

 ⑤ X2の夫でX1の実質的代表者であるAの使用車両につき、過去2回、車両保険金を請求して保険金を受領している

 ⑥ 本件旅行に本件車両を使用しなかったことについての関係者は信用できない

 などと認定し、右事情を総合的に勘案すると、本件車両が第三者に持ち去られたという盗難の外形的事実は認められないなどと判断しました。

 モラル事案は時折損保会社からご相談があります。勉強しておく必要がありますね。 

2014年3月22日 (土)

【法律その他】 司法書士が受任して作成した原告本人名義に係る訴状等によって提起された過払い金返還請求訴訟について、弁護士法72条、民事訴訟法54条1項に違反し、不適法であるとし、訴えが却下された事例 富山地裁平成25年9月10日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報NO2206号で紹介された富山地裁平成25年9月10日判決です。

 1000万円を超える過払い金返還請求訴訟を、司法書士が事実上本人を代理していたというケースにおいて、弁護士法72条、民事訴訟法54条1項違反として、訴えが却下されてしまったという事案です。

 裁判所は、司法書士が、訴状等の他人から委嘱された趣旨内容の書類を作成する場合であれば弁護士法違反の問題は生じないが、

 専門的法律知識に基づいて判断し、その判断に基づき書類を作成する場合には弁護士法違反になると判断しました。

 地裁事件においては、司法書士の関与の程度が、訴状等の他人から委嘱された趣旨内容の書類を作成する場合を超えて、専門的法律知識に基づいて判断し、その判断に基づき書類を作成する場合には、訴えが却下される場合がありうるということです。

 多数の司法書士の先生は、簡裁の事物管轄を超える場合には、弁護士を紹介する等の適切な対応を執られているものと思われますが、中には支援が行きすぎた場合もあり、この場合には、訴えが却下される場合もあり得るということのようなので、注意が必要です。

 地裁事件に関与する司法書士の先生も、弁護士法違反に問われないよう、依頼人から委嘱された趣旨内容の書類を作成する限度にとどめておくことが、将来、依頼人からクレームを回避するために必要だと思われますね。 

2014年3月21日 (金)

日本交通法学会「人身賠償補償研究会」(東京)に参加してきました。

 交通事故ばかり取り扱っているわけではありませんが、それでも業務に占める割合が大きいので、少し専門的に勉強しようと思って、日本交通法学会に入会しています。

 毎年この時期になると、東京地裁民事27部という交通専門部の裁判官による講演が開催されるので、毎年できるだけ参加するようにしています。

 今回のテーマは3本でした。

 まず、部総括である白石判事からは、最近の事件処理の概況等についての説明がなされた後、東京地裁の最近の裁判例がいくつか紹介されていました。

 この中で、今後私の業務に大きな影響を与えそうなのが、平成25年8月6日判決です。

 交通事故により負った傷害について、被害者が医療機関と自由診療契約を締結して治療を受けた場合につき、加害者が賠償すべき治療費の額を、健康保険法に基づく診療報酬算定方法を基準として、当該事故と相当因果関係が認められる範囲に限定したという事案です。

 1点25円と計算していたものを、1点10円としたようです。これにより、被害者は、約200万円の治療費を負担していましたが、裁判所は、84万円程度しか認めていません。

 一般的な頸椎捻挫の治療費が1点25円とするのはおかしいということになっています。

 これって、損保会社側からすれば、使えそうな裁判例になりますね。

  小河原裁判官からは、「交通事故の加害者が、被害者に対し、債務不存在確認請求訴訟を提訴した場合における審理の在り方等について」と題するテーマでの講演がありました。

 事故から提訴までの時間が短い場合とか、被害者が症状固定していないという主張をしている場合とかの、審理の在り方について、ざっくりとした解説がなされていました。前者の場合には、訴権の濫用といわれるような極端な場合でない限り、相応の事情があれば大丈夫そうですが、後者の場合には症状固定がされていない場合には却下されるので結構注意が必要だなあと思いました。

 俣木裁判官からは、「企業と経営者の経済的一体性の判断ー近時の下級審判決例を中心にー」というテーマでの論文でした。一言でいえば代表者の役割の重大性が強調されるべきということのようです。但し、例えば、相応の企業の場合には、代表者が怪我しても支障がないように態勢構築義務があり、個人会社はこのような義務が発生しないような場合ではないかという私見を述べられておられました。

 また、外注費は損害としてわかりやすいが、売上げ減は他の要素もあるために難しい場合が少なくないようです。

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 田舎弁護士も、交通事故は取扱いが多いために、少し勉強するようにしています。 

 もっとも、東京の行き帰りでは、労働法の本ばっかり読んでいましたが・・・

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2014年3月20日 (木)

【法律その他】 共有物について遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合における共有物分割と遺産分割の関係

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2206号で紹介された最高裁平成25年11月29日判決です。

 3つの要旨が紹介されています

 ①共有物について、遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合、

 共有者が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は民法258条に基づく共有物分割訴訟であり、共有物分割の判決によって遺産共有持分を有していた者に分与された財産は遺産分割の対象となり、

 この財産の共有関係の解消については、この財産の共有関係の解消については同法907条に基づく遺産分割によるべきである。

 ②遺産共有持分と他の共有持分とが併存する共有物について、遺産共有持分を他の共有持分を有する者に取得させ、その価格を賠償させる方法による分割の判決がされた場合には、

 遺産共有持分を有していた者に支払われる賠償金は、遺産分割によりその帰属が確定されるべきものであり、賠償金の支払を受けた者は、遺産分割がされるまでの間これを保管する義務を負う。

 ③裁判所は、遺産共有持分を他の共有持分を有する者に取得させ、その価格を賠償させてその賠償金を遺産分割の対象とする方法による共有物分割の判決をする場合には、その判決において、遺産共有持分を有していた者らが各自において遺産分割がされるまで保管すべき賠償金の範囲を定めた上で、同持分を取得する者に対し、各自の保管すべき範囲に応じた額の賠償金を支払うことを命ずることができる。

 共有物分割と遺産分割が交錯する事案における分割実現の在り方が問題となっている事案です。  

 

2014年3月19日 (水)

【行政】 普通地方公共団体の長が補助金の支出をする旨の債務負担行為を専決処分で行った場合に、その専決処分は地方自治法179条1項の要件を欠き違法であるとして、専決処分を行った長の不法行為責任が認められた事例 東京高裁平成25年8月29日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2206号で紹介された裁判例です。 

 事案は以下のとおりです。 

 平成22年当時、千葉県a市長であったAは、市議会の会期最終日に、B鉄道会社に対し、補助金を支出する旨の補正予算案を提出しあが、議長が討論を希望するなどし議事が混乱し、同案は審議未了のまま会期が満了して閉会となった。Aは、右事態は地方自治法179条1項に定める「議会において議決すべき事件を議決しない」場合に該当するとして、B鉄道会社に対し補助金を支出する旨の債務負担行為を専決処分によって行った。

 a市の住民であるXらは、本件専決処分には法179条1項の要件を欠く違法があり、これに基づいてB鉄道会社との間で締結した贈与契約は私法上無効であり、公金の支出も違法、無効であるとして、後任の市長Yに対し、Aに対する債務不履行又は不法行為に基づく支出額の損害賠償請求を、B鉄道会社に対する不当利得返還請求をすることを求めた住民訴訟を提起した。

 第1審は、Aについては不法行為責任を認めました。

 本判決は、法179条1項に定める「議会において議決すべき事件を議決しない」場合の意義について、議決を欠く事態が出現すれば直ちにこれに当たるのではなく、外的又は内的な何らかの事情により長にとって議会の議決を得ることが社会通念上不可能ないしこれに準ずる程度に困難と認められる場合、例えば、天災地変等の議決を不可能ならしめる外的事情がある場合、議会が議決をしないとの意思を有し、実際にも議事が進行せずに議決まで至らない場合などでなければならないと解される」と判示しました。

 そして、具体的なあてはめとして、当日中に議決に至らなかったという一事をもって議会の議決が得られないと即断し、本件専決処分を選択したことは、著しく相当性を欠く判断であり、本件補正予算案については、法179条1項の「議会において議決すべき事件を議決しない」との事由に当たらないので、本件専決処分は要件を欠き、違法であると判断しました。

 専決処分の要件の1つを規定した179条1項の意義について判示した最高裁、高裁判決はないらしいです。。。 

 

2014年3月18日 (火)

【金融・企業法務】 銀行法務21・3月号「特集 銀行法務・コンプライアンスの現状と課題」の一部を執筆しました。(^^;)

 経済法令研究会から出版されています「銀行法務21・3月号 」です。

 今月号は、「特集 銀行法務・コンプライアンスの現状と課題」ですが、田舎弁護士の代表として、私も小論文を執筆しました。

 ① 金融機関に対するいわゆる反面調査の範囲 (弁護士)

 ② 滞納税金による無益な差押えと任意売却 (銀行員)

 ③ 担保物件法の課題 (学者)

 ④ 投資信託の解約をめぐる紛争 (弁護士)

 ⑤ ピットインコインについて (弁護士)

 ⑥ 登記型集合債権譲渡担保の担保権実行の体制 (弁護士)

 ⑦ 我妻説と担保法実務 (学者)

 ⑧ SNS利用にかかる従業員教育の必要性 (銀行員)

 ⑨ 融資におけるコベナンツ活用と優越的地位の濫用 (弁護士)

 ⑩ 相続担保簡略化と債権回収 (銀行員)

 ⑪ ベンチャー企業の金融面の現状 (銀行員)

 ⑫ 経営者保証ガイドラインと新たな融資慣行の確立 (銀行員)

 ⑬ 休眠口座の減少に向けて(銀行員)

  ⑭ 反社会的勢力への対応と課題(銀行員)

 ⑮ 銀行と再生ファンドと窮境企業の鼎談(弁護士)

 ⑯ 土地を所有する高齢者のマンション経営に対する融資(弁護士)

 ⑰ 後見の後始末 (田舎弁護士担当です。) (^^;)

 ⑰の後見の後始末を担当させていただきました。田舎弁護士らしい素朴なテーマですが、それ故に、後見人をつとめる弁護士、司法書士の先生方には、少し参考になるかもしれません。

 602円+税なので、買ってみてね~ 

 

2014年3月17日 (月)

【行政】 神奈川県議会の4つの会派が平成15年度から平成17年度までの間に交付された政務調査費の一部を条例に定める使途基準に違反して目的外支出したため、県に対し合計約2億3700万円の不当利得返還義務を負ったとされ、これらの会派に対して返還請求をするよう県知事が命じられた住民訴訟の事例 横浜地裁平成25年6月19日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報の2205号で紹介された裁判例です。

 適法な住民監査請求前置の有無(住民監査請求の特定性の有無)が問題となった事案です。

 住民監査請求では、「政策検討を対象とした調査研究に資する支出以外に、通常の議員活動、政治活動・後援会活動等に関わる支出が含まれていると見られる。適切に按分すべきであるが、少なくとも3/10は使途基準に反する目的外支出である」と主張していました。

 裁判所は、以下のとおり判断しています。

 住民監査請求の特定の程度としては、

 監査請求書及びこれに添付された事実を証する書面の各記載、監査請求人が提出したその他の資料等を総合してその対象が特定の財務会計上の行為又は怠る事実であることを監査委員が認識することができる程度に摘示されていれば足り、

 右の程度を超えてまで個別具体的に摘示することを要しない。

 また、対象となる行為が複数であるが、

 当該行為の性質、目的等に照らしこれらを一体とみてその違法性又は不当性を判断するのを相当とする場合には、

 対象となる当該行為とそうではない行為との識別が可能である限り、

 個別の当該行為を逐一摘示して特定することまでが常に要求されるものではない。」

 「Xらの主張を表面的にみると各経費のそれぞれ10分の3についての不当利得返還請求権が成立するとしてその部分のみを住民監査請求の対象としているように考えられるが、

 目的外支出があるか否か、あるとして、それが10分の3以上であるか否かは、結局はその支出全体について監査しなければ明らかにならないから、XらはZらに交付された政務調査費全体の支出を包括して住民監査請求の対象としたというべきであり、

 その意味において請求の対象を特定している。」

 こんなんで特定されているといえるのかな? 

 

 

2014年3月16日 (日)

【金融・企業法務】 監査役が知っておくべき金商法の基礎講座 第3回 月刊監査役No624

 愛媛の弁護士の寄井です。

 月刊監査役の「監査役が知っておくべき金商法の基礎講座」第3回「内部者取引」です。

 金融商品取引法は、内部者取引や相場操縦、風説の流布・偽計等の不公正取引や開示書類の虚偽記載等について、禁止しています。

 そして、これらに違反した場合には、刑事罰に加えて、課徴金を課せられます。

 今回の基礎講座は、不公正取引のうち、内部者取引(インサイダー取引)が取り上げられていました。

 内部者取引とは、上場会社等の会社関係者が、当該上場会社等の業務に関する重要事実を、職務に関し知った上で、当該重要事実の公表前に、当該上場会社等の株券等を売買することをいいます。

 会社関係者から重要事実の伝達を受けた第一次情報受領者も対象となります。

 会社関係者・第一次情報受領者とは、前者は、上場会社等の役職員、帳簿閲覧権を有する株主、法令に基づく権限を有する者、契約締結者、契約交渉中の者(関与する弁護士等も含む)、元会社関係者(会社関係者でなくなってから1年以内の者)をいい、情報受領者とは、会社関係者から重要事実の伝達を受けた者をいいます。

 重要事実とは、投資判断に重要な影響を及ぼす情報であり、具体的には、新株等発行、株式交換、合併、業務提携、災害等による損害、主要株主異動、業績予想修正、その他投資判断に著しい影響を及ぼす情報等が該当します。子会社に関する情報も含みます。

 具体的な事例が3例ほど紹介されていましたが、例えば、第三者委員会の関係者が、友人にうっかりしゃべってしまったことが、インサイダー取引に該当したケースなどもあり、とにかく、上場会社の場合には、充分な注意を払っておく必要がありますね。 

 

2014年3月15日 (土)

【建築・不動産】 設計の瑕疵と施工者の責任との関係

 愛媛の弁護士の寄井です。

 消費者法ニュースNo98の弁護士の河合敏男先生による連載から引用します。 

 「東京地判平成20年5月29日は、特殊なサッシュ取り付けを指示した設計に基づく施工の結果雨漏りが生じた事案について、

 設計者は注文主の代理人であるとの前提の下で、

 『設計図書は、注文者の注文内容を請負人に伝達するために専門技術を用いて作成されたものであるから、設計図書に注文主の意図が反映されていないことが客観的に明らかである場合にまで設計図書に記載されたとおりの合意が成立したということはできず、設計図書に記載されたとおりの施工をしたからとって、瑕疵担保責任の問題を論ずる余地はないということはできない。』とした上で、

 『注文主は建築に関する専門的知識を有するものではないことからすれば、注文内容には通常想定される使用方法による限り雨漏り等の不具合が生じないような建物を建築することが含まれていると解するべきである。』と判示して、瑕疵に該当するとしている。」

 注文主の合意に基づいたとしても、瑕疵にあたると判断したわけです。

 但し、「同東京地裁判決は、施工者からの設計変更の提案を受けたにもかかわらず、設計者がこれに応じなかったという事実を捉え、注文者の指図に基づいて施工した結果生じた瑕疵として、民法636条本文により、瑕疵担保責任を否定」しました。

 民法636条本文は、くせ者ですね。

 もっとも、「京都地判平成4年12月4日は、設計に起因するマンション汚水管の詰まり及び逆流の瑕疵について、『工事請負人の担保責任を免除するような注文者の指図とは、注文者の充分な知識や調査結果に基づいて行われた指示、あるいはその当時の状況から判断して事実上の強い拘束力を有する指示などであると制限的に理解しなければならない。』として施工者の瑕疵担保責任を認めたが、

 本件施工せざるを得なかった根本的原因は、本件建物の設計自体に存するとして、『民法636条の法意にかんがみ、同法418条の過失相殺の規定を準用して、本件施工による損害の5割を減額すべきである。』としている。」

 瑕疵担保責任が認められましたが、残念ながら、大幅に過失相殺されてしまいました。。。。 

2014年3月14日 (金)

【金融・企業法務】 消費税転嫁問題への対応 月刊監査役

 愛媛の弁護士の寄井です。

 月刊監査役No624号で紹介された「消費税転嫁問題への対応」という記事です。

 消費税転嫁特措法については、このブログでも度々取り上げていますが、要領よく概要がまとめられていましたので、一部を引用します。

 「消費税転嫁対策特措法は、

 ①大規模小売事業者等が消費税の転嫁を拒絶することの禁止(転嫁拒否の禁止)、

 ②「消費税還元セール」など小売店等が消費税を転嫁していないかのような表示を行うことの禁止(消費税転嫁阻害表示の禁止)、

 ③総額(税込み価格)表示義務の緩和、及び

 ④転嫁カルテル及び表示カルテルの独禁法適用除外、

 の4つの柱からなる。

 転嫁拒否の禁止(①)は、実質的に消費税増税分の値上げに応じる義務を買手側に負わせるものであり、消費税転嫁問題にとって直接的な施策であって、実務上最も重要である。法的な位置づけとしては独禁法の優越的地位の濫用及び下請法の特例であるので、公取委が所管する。

 消費税転嫁阻害表示の禁止(②)は、「消費税還元セール」といった表示を一般消費者が見ると消費税を負担しなくてもいいのだと誤解し、ひいては消費税制度に対する信頼を損なうことから定められた措置である。景表法の特例であるので、消費者庁が所管する。

 総額表示義務の緩和(③)は、1年半の間に2度の税率引上げに際して小売業者の値札貼り替えやカタログ印刷等の負担軽減のための措置である。消費税法上の総額表示義務の特例であるので、財務省が所管する。

 転嫁・表示カルテルの除外(④)は、事業者間で消費税を転嫁すること及び消費税の表示(外税・内税の別など)について共同で決定すること(カルテル)を公取委へ届出することにより独禁法の適用除外とする措置である。独禁法上の不当な取引制限の特例であるので、公取委が所管する。」

 わかりやすく、要領よくまとめられていました。

 実務解説 消費税転嫁特別措置法も購入しました。

 「みんなの独禁法 」というブログも執筆されておられます。 

2014年3月13日 (木)

【建築・不動産】 2013年度日弁連住宅紛争処理機関検討委員会に出席しました(テレビ会議)

 愛媛の弁護士の寄井です。

 本日、テレビ会議システムを利用して、日弁連の住宅紛争処理機関検討委員会第3回全体会議に参加してきました。

 既に、国道交通省から公表されていますが、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案」が、2月28日に閣議決定され、近い将来、法律として成立する可能性が高いようです。

 簡単にいえば、耐震性不足の認定を受けたマンションについては、区分所有者等の4/5以上の賛成で、マンション及びその敷地の売却を行う旨を決議できるようにして、耐震性不足のマンションの建て替え等の円滑化を図るというものです。

 マンション敷地売却制度といわれるものですが、田舎弁護士の地域でも、古そうなマンションは少なからず存在しているので、相談が発生するかもしれません。

 勉強せんといかんですね。 

【消費者法】 債権譲渡・異議を留めない承諾と抗弁権の喪失

 愛媛の弁護士の寄井です。

 消費者法ニュースNo98号で紹介された東京高裁平成25年8月28日判決です。

 事案は以下のとおりです。

 マルフクからの債権譲渡を受けたディック(CFJ)が、債権譲渡の際に、借主から、債権譲渡時までの約定利率によって計算された債権が譲渡されたことについて、異議なき承諾書をとっていたことから、民法468条1項により借主は、利息制限法により引き直された債権が譲渡されたにすぎないことをCFJに対抗することはできないとして争ってきた事案です。

 つまり、CFJは、マルフクの業務体制を知らなかったのであり、マルフクとの資産譲渡契約書でも、マルフクはみなし弁済が成立していることを表明、保証していたから、みなし弁済不成立については善意であり、抗弁事由について悪意であることの立証責任は、借主にある旨主張しました。

 東京高裁判決は、マルフクの定型契約書面における法定記載要件の欠如、及び、最判平成23年12月1日を根拠として、マルフク取引において、みなし弁済が成立しなかったことについて、ディックは悪意重過失であると判断されています。

 一昔前の論点のような気がしますが、解説によれば、CFJは平成24年あたりからこのような主張をしてきているようです。

 ところで、田舎弁護士の事務所でも、過払い金返還請求訴訟が激減しており、以前のように、常時30件程度は抱えていたという時代が懐かしいです。まあ、10年前に戻ったと考えればいいのですが。裁判所の掲示板をみると、TV、新聞の折り込み広告でチラシを配布しているような弁護士、司法書士事務所が少なくありませんね。地元の事務所ではないところもあり、お客様からすれば、かえって、面倒ではないかとも思いますが、そのような遠方の事務所が受任できるのも、企業努力のたまものなのでしょう。。。   

2014年3月12日 (水)

【金融・企業法務】 通貨オプション取引に係る契約の錯誤無効、詐欺取消し、信義則違反による無効、金融機関担当者による通貨オプション取引の勧誘・販売に係る適合性原則違反、説明義務違反が、いずれも認めら得なかった事例 東京地裁平成25年11月28日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 金融法務事情No1986号で紹介された東京地裁平成25年11月28日判決です。

 判決要旨を紹介いたします。

 金融機関である被告の担当者が、顧客企業である原告に対し、通かオプション取引の基本的な仕組みやリスク等を説明していたという判示の事実関係のもとにおいては、

 原告主張にかかる原告の誤審や被告担当者の虚偽説明は認められず、同取引の勧誘および同取引に係る契約の締結行為が信義則に違反するものということもできない。

 また、上記取引は、将来の為替変動の予測が当たるか否かのみによって結果の有利不利が左右されるものであって、その基本的な仕組みは少なくとも企業経営者にとっては複雑であるとはいえず、その理解が一般に困難なものではないこと、

 原告は過去に多数の為替デリバティブ取引を経験していたこと、

 被告担当者が同取引の基本的な仕組みは原告に説明していたこと等、

 判示の事実関係のもとにおいては、被告が適合性原則から著しく逸脱する勧誘を行ったとか、被告に説明義務があったとは認められず、被告の不法行為は成立しない。

 通貨オプション取引をめぐっては、適合性原則違反や説明義務違反等が問題とされることが多いが、今回の裁判例も、同種事案においては参考になりそうです。

 なお、この号については、「座談会デリバティブ取引に関する裁判例を考える」が特集されています。  

2014年3月11日 (火)

【金融・企業法務】 月刊監査役 2014.1

 愛媛の弁護士の寄井です。

 月刊監査役No623は、昨年10月に開催された第77回監査役全国 会議の収録記事です。 

 主題は、クローバル時代のコーポレートガバナンスと監査役

 シンポジウム分科会は、①企業集団経営と監査、②監査役による会計監査を巡る最新動向、③中小規模会社の監査役監査基準の手引き書公表にあたって でした。

 田舎弁護士とっては、中小規模会社の監査役監査基準の手引き書公表が参考になりました。

 たまに顧問先企業などの社長から、監査役に就任してくれないか?と言われることがあるのですが、顧問の方が活動が自由であるため、やんわりと断っています。。。

 監査役は、取締役の職務の執行を監査する義務があるため、緊張関係を持ちながら社長と接する必要があるのですが、中小企業の場合は、まだまだ、弁護士の監査役=法律顧問 と同じように考えている方が少なくないように思います。

 誰かが、監査役の立ち位置について、四書「中庸」の「和して流せず、中立してかたよらず、強なるかな矯たり」という言葉を紹介していましたが、まさにこの関係を保つ必要があります。 

 

【金融・企業法務】 銀行法務21・3月号で、「銀行法務・コンプライアンスの現状と課題」を執筆(共著)しました

 銀行法務21・3月号です。

 今月号は、銀行法務・コンプライアンスの現状と課題という特集がくまれています。

 なんとなんと、私が執筆した「後見の後始末」というテーマの小さな・小さな論文が紹介されています。 

 有名大学の先生や、バンカー、著名法律事務所の弁護士に混じって、片田舎の田舎弁護士が1人紛れ込んでいます。(^^;)

 地方の弁護士って、なかなか専門分野を確立することができず、浅く、広くというのがスタンダードな姿勢だと思われます。

 ただ、私は、金融でも、家事でも、交通事故でも、行政でも、建築でも、地方の一般的な弁護士よりは、1割増しくらいの知見と経験を積みたいと日頃から思っております。

 そのため、仕事の間や出張の時間を利用して、専門誌を読むようにしております。

 片田舎の弁護士ですが、都会の弁護士に負けないよう情報発信していきたいと思います。 

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2014年3月10日 (月)

【行政】 行政法のお勉強 No4 「行政法の知識と実務」

 愛媛の弁護士の寄井です。 

 「弁護士専門研修講座」の第3章は、「自治体債権の種類と消滅時効ー自治体を債権者とする債権債務関係の処理」というテーマをとりあげています。

 自治体債権の種類は、まず、①公法上の金銭債権(公債権)と、②私法上の金銭債権(私債権)とに区別することが可能です。

 また、公債権のなかに、地方税のような強制執行が可能なものとそうでないものがあります。便宜上、前者を強制徴収公債権、後者を非強制徴収公債権とに分けて説明しております。

 なお、公債権については、送達の推定規定があるようです。私債権については推定規定はないので注意が必要です。

 それと、公債権は時効期間が到来すれば援用を待たずに時効消滅するということになります。従って、時効消滅した債権の督促は架空請求と評価されかねないので注意が必要です。 

 例えば、自治法236条にて消滅時効制度がもうけられていますが、公債権であれば、5年、私債権であれば民法等の規定に従うことになります。

 国の普通財産売払代金債権、地方公務員の給料、日当手当、国賠法に基づく損害賠償請求権、安全配慮義務に基づく損害賠償請求権などはどのように考えたらいいのか、裁判例等で説明されています。

 水道料金については、裁判例で私債権と位置づけられて2年とされた裁判例があるようですが、下水料金の場合はどうか? 上水道よりも公益性が高いということになれば、公債権と考えるべきではないかということを指摘されています。

 ゴミの処理費用についても、ゴミの処理費用が公債権に位置づけるのが自然のような気がするが、コンビニが中に入っている場合、自治体がコンビニに対して有している債権は、公債権と位置づけられるのかについて疑問を投げかけています。

 公債権か、私債権かの区別は、公益性の有無、程度、民間の契約等との類似性などを総合して区別することになっていますが、「具体的な事案に当たって判断するとなると、私たち弁護士としてもなかなか難しいです」と説明されています。 

 裁判例は6つ紹介しています。

 ① 国の普通財産売払代金債権と会計法30条(最高裁昭和41年11月1日判決)

 ② 一般職に属する地方公務員の日直手当請求権の消滅時効(最高裁昭和41年12月8日判決)

 ③ 国家賠償法に基づく普通地方公共団体に対する損害賠償請求権の消滅時効と民法145条の適用

 ④ 国の安全配慮義務違背を理由とする国家公務員の国に対する損害賠償請求権の消滅時効期間(最高裁昭和50年2月25日判決)

 ⑤ 公立病院における診療に関する債権の消滅時効期間(最高裁平成17年11月21日判決)

 ⑥ 原子爆弾被弾者に対する援護に関する法律等に基づき健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が外国へ出国したことに伴いその支給を打ち切られたため未支給の健康管理手当の支払を求める訴訟において支給義務者が地方自治法236条所定の消滅時効を主張することが信義則に反し許されないとされた事例(最高裁平成19年2月6日判決) 

 自治体債権については、最近、今治市以外の自治体からも相談を受けることがあり、少し勉強しているところです。 

 

2014年3月 9日 (日)

【知的財産権】 前勤務先の顧客情報の一部につき、現勤務先における使用の事実を認めたが、その秘密管理性が否定された事例 東京地裁平成24年6月11日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報の2204号で紹介された東京地裁平成24年6月11日判決です。

 秘密保持義務違反についての解説が参考になるため、一部を引用しますね。

 「ある情報が営業秘密(不正競争防止法2条6項)に該当するためには、①非公知性、②秘密管理性、③有用性を有することを要するものとされるところ、

 このうち、②秘密管理性の有無については、事業主体者において、情報へのアクセス制限(情報記録媒体の金庫保管や保管場所への立ち入り制限、パスワードの設定等)、秘密保持義務の設定等の充分な情報流出防止策が執られているかどうかを、事業主体者における事業規模等の具体的状況に照らして判断するべきものとされる。

 このうち、秘密保持義務の設定は、事業の遂行に当たり、事業主体から情報の開示を受ける内部者との関係で、外部への情報流出を防止するものである。

 役員又は従業員は、取締役の善管注意義務若しくは忠実義務、又は従業員の雇用契約上の付随義務としての誠実義務として、事業主体との関係で、秘密保持義務を負うが、

 これに加えて、雇用契約書や誓約書において秘密保持義務条項を設け、あるいは、就業規則において秘密保持義務条項を設けることによって、より明確な形で秘密保持義務を負担する場合がある。

 しかし、ある情報につき秘密管理性を認めるためには、単に抽象的に秘密保持義務を設定するのみでは足りず、当該情報が秘密保持義務の対象となること、すなわち、当該情報が秘密保持義務の対象であることが従業員等に客観的に認識できる程度に当該情報につき秘密管理が行われていることが必要であり、

 このような管理がされていない場合には、当該情報は営業秘密に該当するものとは認められず、その帰結として、当該情報に係る秘密保持義務違反の債務不履行責任又は不法行為の成立も認められないことになる。」

 この事案でも、顧客情報のうち、営業担当者の手控えとして残っていた部分につき、退職時に顧客連絡先等の手控えの有無を確認し、その廃棄を求めるなどの措置を執っていなかったことから、前記の意味における秘密管理がされていなかったと認定し、その持ち出しが秘密保持義務違反にあたるとは認められなかったものです。

 このケースは、印刷業者屋さん同士の紛争だったようです。 

2014年3月 8日 (土)

【行政】 行政法のお勉強 No3 「行政法の知識と実務」

 弁護士専門研修講座「行政法の知識と実務」(ぎょうせい)の「行政事件訴訟法改正とその後の運用・裁判例について」(越智敏裕弁護士)です。

 前回の入門編と異なり少し難しくなっています。 

 建築確認申請の事例を使って、(1)申請者が原告となる場合の、行政庁の不作為・拒否処分に対する法的対応と、そうではなく、(2)申請者ではない第三者が処分に対する法的対応とにわけて、丁寧に説明されていました。

 (1)の場合には、行政庁がなかなか結論を出さない、或いは出しても拒否処分した場合に、申請者としては、どのように対応していくか?ということの説明でした。

 (2)の場合には、建築確認が認められて、マンションが建ってしまう、マンションにより日照被害や或いは良好な景観が壊れてしまう近くの住民はどうしたらいいのか?ということの説明でした。

 (2)の場合だと、住民に原告適格が認められるのかが問題となりますので、従来の判例の考え方、小田急事件大法廷判決や改正行訴法の考え方、そして、それ以降の下級審裁判例を紹介しています。

 それ以外にも、行政指導の処分性が問題となった医療法に基づく病院開設中止の勧告や、従来使われなかった確認訴訟への期待等がわかりやすく記述されています。 

 なるほどな と思いました。 

2014年3月 7日 (金)

【倒産】 独占禁止法上の課徴金は、会社更生法上、独占禁止法に違反する行為が更生手続開始前にされた場合には、課徴金納付命令が更生手続開始後にされたとしても、更生債権として扱うべきであるとの判断を示し、当該課徴金債権につき更生計画認可の決定によりその責任を免れたとされた事例 東京高裁平成25年5月17日判決

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例時報No2204号で紹介された東京高裁平成25年5月17日判決です。 

 被告である公正取引委員会は、仮に本件課徴金債権が更生債権であるとしても、会社更生法204条1項3号(更生手続開始前の罰金等の請求権)あるいは4号(更生手続開始前の租税等の請求権のうち、逋脱等につき刑に処せられまたは通告処分を受けた場合の、その逋脱した請求権で届け出のないもの)の類推適用により、更生計画認可決定によっても、例外的に免責されないものと解すべきであると主張しました。

 裁判所は、3号については、本件課徴金債権と罰金等の請求権は、制裁としての性質は共通する点があるが、

 会社更生法は、更生手続において、本件課徴金債権が該当するところの租税等の請求権と罰金等の請求権とを、法的性格が異なるものとして明確に峻別し、その取扱を全く異にしているから、これを類推適用することはできないとし、

 4号についても、特段の要件の下で特殊例外的な位置づけの規定であり、制裁という点で性質を同じくするとしても、

 本件課徴金債権について特段の要件がないにもかかわらず、これを類推適用することができないとしました。

 余り考えたことがないケースです。 

 

2013年度弁護士医療コース研修(2.5日間)に参加してきました

 愛媛の弁護士の寄井です。

 今、午前を廻りました。深夜に東京から戻り、残業をしているところです。

 講義内容は、盛りだくさんでした。

 頭部外傷については、

 頭部の解剖と生理、頭部外傷総論(外傷の特徴と分類、病態)、頭部外傷各論(頭蓋内血腫、脳挫傷、外傷性てんかん、高次脳機能障害)、

 頚部損傷については、

 頚部の解剖と生理、頚部損傷の病態と病型分類、診断・治療、頚部損傷の慢性化と鑑別疾患

 リハビリテーションについては、

 歴史と概要、リハビリテーション医療とチームアプローチ、リハビリテーションにおける評価と処方の実際

 後遺障害の歴史と課題、

 骨折については、

 骨・関節・筋の解剖と生理、骨・関節の外傷(骨折総論、関節の外傷)、主な部位の骨折各論、CRPS

 についてでした。

 私自身、損保会社からの依頼を受けて、継続的に交通事故事案を取り扱うようになって、10年以上が経過しますが、今回の講義は、ある程度の期間、多くの交通事故事案に携わっていないと、ちんぷんかんぷんになりかねないようなハイレベルの授業でした。

 この勉強の成果を、被害者側事案、加害者側事案、ともにご依頼いただきましたら、最大限に出していきたいと思います。 

 

2014年3月 6日 (木)

【建築・不動産】 新築住宅の木製窓から雨水が浸入し、窓に腐食や変色等が生じたことについて請負人に設置上の瑕疵が認められた事例

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例タイムズNo1395号です。

 東京高裁平成25年5月8日判決ですが、解説が勉強になるので、概要を紹介いたします。

 「本件は、新築住宅の建設に際し、木製窓等を使用した結果、雨水が浸入したり、木製窓が変色、腐食するなどした事案である。住宅建築の際の瑕疵について、訴訟まで発展したケースは少なくなく、解決まで多数の年月を要しているものが散見される。

 本件も提訴から5年を経過している事案である。

 本件と類似しているものとして、

① 新築建物に使用した竹集成材にかび、ゆがみが生じ虫害が発生した等の事案について設計監理会社等の責任を認めたものとして東京地裁平成16年9月14日判決

② 新築建物に雨漏りが発生した事案で瑕疵修補費用相当額の損害賠償を認めたものとして東京地判平成19年2月16日判決

③ 東京地判平成4年12月21日が、建物建築に関する監理業務契約上の債務不履行に基づく損害賠償請求債権は、請負人の瑕疵担保責任が除斥期間の経過におり消滅した場合には、同時に時効により消滅すると解した事例があることにも留意

④ 最判平成4年10月20日は、売買の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権を保存するためには、少なくとも、売り主に対し、具体的に瑕疵の内容とそれに基づく損害賠償請求をする旨を表明し、請求する損害額の算定の根拠を示すなどして、売主の担保責任を問う意思を明確に告げる必要があるとされており、このことは建築請負契約の場合も同様」

 建築瑕疵がらみは、法律問題もそうですが、事実問題も専門的な要素を含み、難解な場合があるため、田舎弁護士にとっては、やりがいのある事件の1つです。 

2014年3月 5日 (水)

【行政】 電気事業法施行規則93条の3の規定による経済産業大臣の定期検査終了証の交付が行政事件訴訟法3条2項の「処分」に当たらないとされた事例 大阪高裁平成25年6月28日判決 No2

 愛媛の弁護士の寄井です。

 昨日の続きです。

 ② 実用発電用原子炉等の事実状態に着目した調整運転と営業運転ないし商業運転という用語は法令上の根拠を有する概念ではなく、調整運転と営業運転ないし商業運転との間で法的効果において何らかの差異があるとは認められない、

 ③ 定期検査終了証の交付を受けた者が技術基準適合維持義務や次回の定期事業者検査実施義務ないし定期検査を受けるべき義務が免除されるものではなく、経済産業大臣はこれらの検査が実施されるまでの間であっても技術基準適合命令を発することを妨げられないから、これらの各義務との関係で定期検査終了証の交付に法的効果が付与されていると解することはできない、

 ④ 定期検査終了証の交付が定期検査を受けようとする場合の定期検査の申請に対する応答処分としての法的効果を有するものとはいえない

 ⑤ 行政手続法5条1項を受けて経済産業大臣が定める法に基づく同大臣の処分に関する審査基準の記載内容から同大臣が定期検査の申請に対する応答は行政処分性を有しているとの見解をとっているとしても、そのことから定期検査終了証の交付に処分性を認めることはできない

 

 定期検査終了証の交付については、行政処分性を否定した裁判例ですが、これまでこのような裁判例はなかったようです。

 

2014年3月 4日 (火)

【交通事故】 61歳男子には事故直後の継続的な意識障害なく7級高次脳機能障害を否認して、12級非器質的精神障害を認めた事例

 自保ジャーナルNo1910号で紹介された東京地裁平成25年9月13日判決です。

 既払い金のほか、約3000万円請求して、認められたのは約30万円という事案です。

 自賠責では、併合6級だったのが、判決では、併合9級になってしまいました。

 判決要旨を紹介いたします。

 自賠責異議申立てで7級4号高次脳機能障害等併合6級後遺障害を残す61歳男子につき、「原告に本件事故直後から継続的な意識障害があったと認めることはできない」等、原告には、平成19年8月15日の「本件事故から3年半以上が経過した平成23年3月まで、脳外傷による高次脳機能障害の判断のために実施された神経心理学検査の結果が見られず、平成23年3月にされたウェクスラー成人知能検査では全検査IQが58であるなど知能低下がみられ、いまだに回復傾向が認められないこと、原告は運転手の職を続けることができず精神的な落ち込みが目立つこと、乙側作成に係る意見書においても、非器質的な精神障害が示唆されていること等に鑑みると、原告の精神障害(記憶障害、言葉が直ぐに出ていない等)は、本件事故及びその後の社会心理的因子の影響による非器質的精神障害であり、その日常生活に支障が生じるものであるとしても、せいぜい後遺障害等級12級に相当するものにとどまるというべきである」と認定しました。

 時折、自賠責の認定よりも、低くなってしまうことがありますね。

 被害者側の弁護士とすれば、(T_T)です・・・・ 

2014年3月 3日 (月)

弁護士業界の現状 (T_T)

 愛媛の弁護士に寄井です。

 判例時報No2203号で紹介された升田純中大ロー教授の論文の中で、現在の弁護士業界の現状について的確な指摘をされている部分がありましたので、紹介します。

 「多くの弁護士、多くの法律事務所は、地域、事件の種類を問わず、需要が減少傾向にあり、弁護士、法律事務所によっては急激な減少傾向にある」

 「構造的な現象であるとの見解も根強いのが現実である。」

 「最近は、法律事務所の海外進出、大規模法律事務所の地方進出、依頼事件の競争入札の増加、事件報酬の値引き、営業活動の活発化等の現象が見られる」

 「大規模法律事務所の地方進出等は、法律事務、事件の受任競争を東京だけでなく、地方の中核都市、さらには地方の主要な都市に波及することになり、受任競争が徐々に、あるいは急激に激化する」 

 「企業等の相談、依頼に係る法律事務、事件の減少が指摘されているが、近年、企業の事務部門の縮小・節約、国内の企業活動の低迷・縮小、国内企業の競争力・業績の低下、企業の海外進出の増加、企業活動の国際化の拡大とこれに伴う法律問題の国際化、外国人弁護士の定着、国内企業の企業内弁護士の増加等の現象が見られる」

 「弁護士に対する法律事務、事件の需要が減少し、あるいは低迷し、他方で新規の弁護士の参入が見られるとすると、弁護士にとっては、事件等の受任競争が様々な内容・態様で激化することは容易に予想されるところであり、法律事務所の経営悪化、経営破綻が現実化することも容易に予想される」

 地方でも、次第に、同業者や隣接士業等との間での競争が激しくなっており、また、少子高齢化も一層すすむことから、法律事務所の経営悪化はますますその程度を深めていくことが予想されます。

 田舎弁護士が生活をしている簡裁の開廷表をみても、会社の担当者や司法書士さんによるものが相当数占めているような印象を受けました。

 生き残るためには、弁護士資格だけではなく、+アルファが必要です。 

 

 

2014年3月 2日 (日)

~採用試験を終えての雑感~

 昨日、1日かけて、面接等試験を実施しました。

 書類選考で絞った上での、面接等試験でした。

 採用試験の実施も、手間がかかることから、弁護士にとっては大きな負担になります。 

 私は、私が考える就活のポイントはこのブログでも何度か紹介させていただいております。

 簡単にいえば、採用する側が何を考えているのかを、考えることができる人にきてもらいたいということです。

 面接等試験とはしていますが、ウェットに富んだ会話は人を楽しくしますし、また、面接等試験を実施した後に感想等を書いたメールを送って貰えるのは大変うれしいものです。

 面接等試験を終了して1時間足らずで御礼のメールをいただいたのは、私の予想を超えるほどすばらしいことです。 

 これからの弁護士は、お客様の立場に立ち、お客様から満足(敗訴しても少なくとも大きな不満が残らない)させることが必要だろうし、だからこそ、決して安くはない費用をいただくこともできるのだろうと思います。  

 また、私の事務所では年2回の事務所報を発行していますが、面談の際にざっとみてもらって感想の内容もチェックしたりしています。

 さらに、私は、うちの事務所についてどの位知っているのか質問しています。就職しようとする事務所のことをほとんど調査していないような方は採用したくないからです。 

 ご縁を大切にすることができる方、相手方の視点に立って考えることのできる方が、望ましいといえます。

 やむを得ず採用できなかった方から丁寧なメール等をいただくことがありますが、やはり、そのような方についてはずっと記憶に残りますし、また、弁護士になって良い仕事もしています。ただ、このような対応ができるのは、やはり、社会人経験のある方ですね。ストレートに進学してきた方からは、このような対応を受けた記憶がありません。 

 採用試験を終えての雑感です。

 後は、熟恋?するばかりです。 

 

弁護士医療コース研修(2.5日間)

 愛媛の弁護士の寄井です。

 近々、日本損害保険協会主催の2013年度「弁護士医療コース研修(2.5日間)」を受講いたします。

 伊豆の月ヶ瀬で実施されたころは、遠方ではあるものの、宿泊や食事の提供もあったのですが(しかも温泉!)、今回のは、残念ながら、損害保険協会(東京・神田)の近くの施設で行われることになっています。

 月ヶ瀬のころは、近くが湯ヶ島なので、散歩がてらに湯ヶ島を訪ねたことがあります。湯ヶ島って、私の心のふるさとなのですが、この話はまた別に・・・・

 久しぶりに、懇意にさせていただいている損保会社の担当者さんの勧めで、受講させていただくことにしました。 

 さて、受講科目は、頭部外傷、頸部損傷、リハビリテーション、骨折の4科目で、応用編となっております。

 ただ、受講にかかる費用は、いろいろいれると、15万円前後になります。

 とはいえ、交通事故にさらに詳しい弁護士になるためには、必要な自己投資です。

 頑張ります。

 私の事務所の市川弁護士は、2月に医療研修を受講してパワーアップしています。 

 損保協会の研修は、定員が決まっており、しかも、損保会社の推薦がなければ、受講できません。しかも、費用もかかります。

 地方の法律事務所では、所内の専門的な研修は期待できないところが少なくないのではないかと思います。このような外部の専門的な研修機関等の研修を受けられる体制が、事務所内にあるかどうかは、若い弁護士の今後にとって大きく異なってくるように思いますね。 

 他の弁護士と少しだけ差をつける、そのためには、日頃の勉強の他に、このような研修や学会等に参加することが必要だろうと思っています。

 とはいえ、全ての案件について、差をつけるというのは至難の業ですが・・・・ 

 

2014年3月 1日 (土)

【行政】 行政法のお勉強 No2 「行政法の知識と実務」(ぎょうせい)

 弁護士専門研修講座「行政法の知識と実務 」(ぎょうせい)に収録されている「行政事件訴訟入門」(関葉子弁護士)です。

 行政事件訴訟入門では、行政訴訟のうち、抗告訴訟、特に、「処分取消訴訟」の①処分性、②原告適格を中心に説明されていました。

 処分性については、否定的な例として、私法行為、具体的な私的効果の発生しない行為、公共施設の設置、行政庁の内部行為、立法行為について、例をあげつづ説明されていました。但し、最近の裁判例は、処分性については広げようとする方向に傾向が変わってきているようです。

 原告適格については、行訴法9条1項の法律上の利益を有する者の解釈が問題となっており、これも処分性と同じく最近の裁判例は拡大傾向にあるようです。

 裁決取消訴訟、無効等確認訴訟、不作為の違法確認訴訟、義務付け訴訟、差止訴訟は、比較的簡単に説明されています。 

 「入門者」用には、グッド!です。 

 

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