励みになります。クリックお願いします。<(_ _)>

  • にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

<(_ _)>

  • 弁護士ドットコム|無料法律相談・弁護士/法律事務所検索ポータル

書籍紹介(企業法務・金融)

書籍紹介(不動産・建築)

書籍紹介(法律)

« 2013年10月 | トップページ | 2013年12月 »

2013年11月30日 (土)

【金融・企業法務】 月刊監査役 2013/11号

 月刊監査役2013.11号が届きました。

 月刊監査役では、新興国カントリーリスク研究という連載がありますが、今月号は、「ベトナム進出後のリスク 従業員等の情報漏洩リスクへの対応」という記事です。

 田舎弁護士の地域でもベトナムに進出する企業があるために、興味を引く内容の記事です。

 次に、142回の連載になる「企業法務最前線」では、「会社役員の責任に関する裁判例の動向」が勉強になりました。

 親会社発行のCP引受けに関する善管注意義務違反が問題となった名古屋高判平成25年3月28日判決、環境汚染に対する監視義務違反に関する大阪地判平成24年6月29日判決、虚偽記載等についての「相当の注意」に関する東京地判平成25年2月22日判決の概要及びコメントが参考になります。

 名古屋高裁のコマーシャルペーパーは、SFCGのものです。

 SFCGは、有名な商工ローンで、契約書は束のようになっており、契約時には写真までとられるということで、被害者弁護団までできた会社です。松山に支店があったころ、一時期は、今治にも営業所がありましたが、そのころは、借り主や保証人からのご相談も度々でした。債権の二重譲渡問題などもありましたが、最近は、ほとんど名前をきくことはなくなりました。

2013年11月29日 (金)

【金融・企業法務】 大阪倒産実務交流会 銀行法務21

 銀行法務21No765号に、「割引済手形と破産・民事再生」という論考が紹介されていました。

 銀行が顧客から預かった手形につき、倒産手続開始後の取立にかかる取立金を、銀行取引約定に基づき、顧客の債務の弁済に充当することについては、破産の場合は最高裁平成10年7月14日判決により認められており、民事再生の場合も最高裁平成23年12月15日判決で認められています。

 今回の論考は、銀行が顧客から割引依頼を受けて実際に割引実行した手形について、倒産手続開始後・取立前に預金相殺等により買戻請求権の回収がなされたときも、銀行取引約定に基づき、顧客の債務の弁済に充当することは認められるのではないか?という論点の検討です。

 田舎弁護士にもわかりやすく説明されており、勉強になりました。 

明日、欠陥住宅被害全国連絡協議会 第35回 横浜大会 に参加します

 明日、欠陥住宅被害全国連絡協議会 第35回 横浜大会 に参加いたします。

 初日は、①雨漏れ被害、②鉄骨造・鉄骨コンクリート造建築物の欠陥、2日目は、③設備関係の欠陥の基礎知識です。

 建築関係については必ずしも多くの事件を取り扱っているわけではないので、このような研修の機会を得るのは大変ありがたいことです。

 それでは行ってきます。

2013年11月28日 (木)

【金融・企業法務】 みずほ銀行への行政処分を契機に金融機関に生じた懸念について

 銀行法務21No765号の森原弁護士による論考です。

 みずほ銀行の不祥事の件ですが、私も誤解していました。金融庁が、処分を出した理由は、みずほ銀行が特に2年以上放置し、抜本的に取引を防止・解消していない点を問題視にしたのであり、暴力団への融資があるから処分を出したというわけではないのです。

 暴力団への融資は回避されるべきですが、不幸にも見抜けずに融資してしまった場合には、どのようにして解消していくのかが問題となります。

 約定弁済継続中の融資取引についても、直ちに取引を解消しなければならないものかどうか?という難しい問題を論じています。

 筆者によれば、反社会的勢力に利益を残さないためにも最後の1円まで積極的に全額回収を行うべきであるが、問題は、その回収方法を、約定弁済とするか、一括回収とするかです。

 素人目からみると、一括回収に決まっているんじゃないと思いますが、筆者によれば、一括回収となると不良債権化して事実上の手残り資金を反社会的勢力に残す可能性がある。従って、最後の1円まで回収し切る約定弁済の方が金融機関の反社会的勢力との関係遮断の目的に合致するというのです。

 難しい問題です。 

2013年11月27日 (水)

【労働・労災】 メンタルヘルス不調者復職支援マニュアル

 レクシスネクシス・ジャパンから、3月に発行された「現場対応型 メンタルヘルス不調者復職支援マニュアル 」です。 

 産業医と弁護士との共著ですが、弁護士は、あの向井蘭弁護士です。向井弁護士は、いつもまにか、労務問題の第一線の弁護士として、様々な書籍や論文でよくみかけるようになりました。 

 8章にわかれています。 

 ①なぜ復職支援がうまくいかないのか、②確実に復職できる。復職支援のコツ6つのステップ、③産業医が選定されていない中小企業事業所向け復職支援マニュアル、④社内の健康管理体制づくり、⑤企業規模別 復職支援の体制づくりの実際、⑥対応が難しい事例、⑦管理監督者むけ メンタルヘルス研究マニュアル、⑧法的リスクを犯さないメンタルヘルス不調者の復職支援への対応 

 一読した感想。 

 メンタルヘルス不調者を、解雇・退職させるのは、至難の業・・・・

 私見として、解雇する場合には、下の条件を満たしていることが必要・・・

 ①主治医、会社指定の専門医、産業医のすべてに面談し、意見をきいた

 ②3,4回復職を認めたが、復職と休職を繰り返し、本来行うことを期待していた業務を行えるほど体調が回復していない

 ③就業規則に定められた休業期間、休業期間満了時の規定を守っている

 3,4回以上休職と復職を繰り返す従業員につきあわないといけないとすれば、会社の負担が大きいものがあります。

 ただ、論者がいいたいことは、「会社として最善を尽くしたことを証明する事実を積み重ねなくてはならない」ということなのでしょう。 

2013年11月26日 (火)

【金融・企業法務】 相続人中に非嫡出子がいる場合の対応

 金融法務事情No1979号(10月10日号)で紹介された実務相談室です。

 実務上の対応として、4とおりわけて説明されています。

 ① 被相続人の死亡日が平成12年6月30日以前であれば、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1であることを前提として処理することになります。

 ② 被相続人の死亡日が平成13年7月以降であれば、非嫡出子の相続分は嫡出子と同等であることを前提とすることになります。

 ③ 被相続人の死亡日が平成12年6月30日から平成13年6月までの間であれば、裁判所の判断が予測できないことから、全相続人が連署した届出等に基づき手続を行う必要が大きいといえます。そして、このような対応を得られない場合には、手続を拒絶して訴訟等に誘導し、他の相続人に対しても訴訟告知するなどして、相続分を明確にする判断を求めることも検討するべきです。

 ④ 本件決定よりも前に、遺産分割審判や、遺産分割協議等の合意が成立し、あるいは全相続人の連署による届出を金融機関が受領している場合には、原則としてそのまま手続を行うことができると考えます。

 あ~ 頭が整理できました。感謝!感謝! 

2013年11月25日 (月)

第27回県内経済研究会合同研修会(松山)に参加しました。

 愛媛新聞社主催の第27回県内経済研究会合同研修会に参加しました。

 講師は、エコノミストの伊藤洋一氏でした。

 いろいろ難しいお話をされていたので、田舎弁護士には???が少なくなかったのですが、その中で、商売の形について言及されていたのは勉強になりました。

 高度成長期の時代は、店を作り構えを作ってお客さんが来店するのを待っていたが、江戸時代は、行商というのが多かったようです。

 そして、現在は、再び、先祖返りをして、配達をする商売がスタンダードになりつつあるとのことです。

 待っていれば、お客さんがきた時代は終わったとのことです・・・

 弁護士も、事務所を作って電話が鳴るのを待っているのが現在でも主流だと思います。

 これだと、将来的には生き残るのが難しいようです。

 現に、東京や大阪の法律事務所の中には、地方に出張して無料法律相談をしたり、或いは、無料の掲示板などを使いながら、集客のための活動をしています。

 しまなみ法律事務所は、地域の中小企業者のためにどうあるべきかを、1度原点に戻って考えてみる必要があります。  

 いろいろな法律事務所のスタイルも少し研究してみる必要がありそうですね。

 その後は、懇親会です。今回は、愛媛経済同友会の他、県内7経済研究会の合同研修会だったので、いろんな地区の方からお話をうかがえまして、参考になりました。 

 

【金融・企業法務】 信用保証と錯誤

 債務者が反社会的勢力の場合に、信用保証契約の錯誤無効が認められるかについては、神戸地裁姫路支部は錯誤無効と認めたのですが、控訴審の大阪高裁平成25年3月22日は、少々おもしろい判断を示していることが、金融法務事情No1978号(9月25日号)に紹介されています。 

 ①債務者が反社会的勢力であったために信用保証契約の錯誤無効が認められるが、当該保証がいわゆる「協会斡旋融資」に係る場合には、信用保証協会は、その2分の1の範囲で、金融機関に対し、錯誤 無効を主張することが制限される

 ②債務者が反社会的勢力であったために信用保証契約の錯誤無効が認められるが、当該保証がいわゆる「機関経由保証」に係る場合には、信用保証協会は、その全部の範囲で、錯誤無効を主張することが制限されない

 協会斡旋融資か、機関経由保証かに、わけて区別をしています。

 なんとなく、明確な基準のようにもみえますねえ~

 でも、信義則や衡平の見地からの判断なんですよねえ~ 

 

 

2013年11月24日 (日)

【金融・企業法務】 保証人が、主たる債務を相続したことを知りながら、保証債務の弁済をした場合、当該弁済は、特段の事情のない限り、主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有する 最高裁平成25年9月13日判決

 銀行法務21No765号で紹介された最高裁平成25年9月13日判決です。

 本判決は、保証人が主たる債務を相続し、保証債務を履行した場合の主債務にかかる時効中断効について、積極的に解した裁判例です。

 しかし、高裁は、消極的に解していたようです。

 最高裁は、積極的に解する理由まで明示して、積極説を採用しているために、今後は、この最高裁が実務の指針になるでしょう。

 ただ、保証債務としての弁済を延々と受領する銀行にもその債権管理に問題があるかもしれませんね。 

 

 

 

2013年11月23日 (土)

住宅リフォーム紛争処理支援センターの実務家研修会(大阪)に参加しました

   Pa0_0424_2

 AP大阪駅前で開催された(公財)住宅リフォーム紛争処理支援センターの実務家研修会に参加しました。 

Pa0_0423_2

 弁護士と建築士向けの講義です。

  Pa0_0422_2 

 テキストが分厚いです・・・・ 詳細は、後のブログで報告いたします。  

Pa0_0425
 会場の建物です。高いですねえ~

【金融・企業法務】 債務者所有不動産と物上保証人所有不動産とに設定された共同抵当権の実行による不動産競売事件における同時配当の方法 東京地裁平成25年6月6日判決

 金融法務事情No1980号(2013.11号)で紹介された東京地裁平成25年6月6日判決です。

 判決要旨を紹介します。

 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、

 同時配当が実施されるときは、債務者所有不動産と物上保証人所有不動産とに共同抵当権が設定されているときでも、

 民法392条1項が適用され、各不動産の価額に応じて被担保債権の負担を割り付けるべきである。 

 学説の対立があるようです。

 ① 民法392条1項の適用を認め、債務者所有不動産と物上保証人所有不動産の価額に応じて被担保債権の負担を案分すべきとする説

 ② 民法392条1項による債権の負担の案分を行いつつ、物上保証人所有不動産の負担した額については債務者所有不動産の負担した額について債務者所有不動産に対する抵当権の存続・代位を認め、異時配当の場合との不均衡を回避すべきである。

 ③ 民法392条1項の適用を否定し、異時配当につき判例がとっているのと同じ配当方法をとる(共同抵当権者に対し、まず債務者所有不動産から配当を行い、それで不足する場合に物上保証人所有不動産から配当を受けられる)とする説

 あ~ なんか、思い出してきました。司法試験の択一試験の勉強をしているときに、出題されたような気がします。

 なお、今回の金融法務事情は、「新しいインサイダー取引規制」についての特集記事です。東大の佐伯教授(今治西高の先輩です)の、刑法から見たインサイダー取引規制という論文が掲載されていました。

 う~ん 田舎弁護士には難しいわい。 

2013年11月22日 (金)

【弁護過誤】 升田純教授の教え  

 判例時報No2194号(10月11日号)で、弁護士の取引をめぐる裁判例として、弁護士が法律相談や訴訟を受任するにあたり、注意しなければならないことをわかりやすく説明されていました。

 以下、引用します(P7~P8)。 

 「弁護士が法律相談に応じたり、訴訟を受任したりすることを前提とし、事件の受任の打診を受けた場合には、依頼の希望者、関係者から事情を聴取する等して弁護士法、弁護士職務基本規定に違反する事情が明らかでないだけでなく、

 このような事情が窺われないにもかかわらず、その後、事件を受任し、準備のための事務処理を行っていたり、訴訟の審理が進行したりした段階で前記の関連規定に違反するおそれのある事情が疑われたり、明らかになることがある(この段階では、受任した事件の処理を中止し、依頼者に説明をするとともに、辞任等の適切な措置を講ずることになる)。

 当初は事件の依頼の希望者と同行する等していた関係者が後日利害が対立する等し、事件を受任した後に、弁護士法、弁護士職務規程の前記規定に違反する事情として浮上することもある。

 事件の受任の打診がされてている段階においては、弁護士法、弁護士職務基本規程の前記規定に該当する可能性をも考慮しつつ、依頼の希望者、関係者から事情を聴取するものであるが、最初から闇雲に関連規定に違反する事情を聴取することは困難であるし、事情聴取の範囲、仕方によっては関連規定に違反する事情が表面化しないことがある。

 また、仮に弁護士法、弁護士職務基本規程の前記関連規定に違反する事情が疑われる場合であっても、その判断が容易でなかったり、事情によっては事務処理を受任し、継続することができる場合もあるため、最終的に事件を受任し、継続するか等の判断が困難であることもある。

 弁護士がこのような事態に直面した場合、先輩、同僚の弁護士に相談したり、弁護士法、弁護士倫理に関する専門書を読んだりして検討し、判断することになるが、当該弁護士の自己責任に基づく判断によることになる。

 弁護士法25条違反については、刑罰の制裁は定められていないが、弁護士職務基本規程27条、28条違反とともに懲戒事由に該当する可能性があり、懲戒の制裁を受けるおそれがある。

 また、これらの規定違反がある場合とか、規定違反が相当程度疑われる場合には、受任した事件の当事者、関係者からクレームがつけられ、クレーム対応に迫られることがある。

 クレーム対応がどのように進行するか、どのようにしたら終了するか、終息するかは、受任に係る事件の内容・進行状況、個々のクレームの内容、クレームを付けている者の属性、クレーム対応の仕方等の諸事情によるところが大きく、クレームを付けている者に主導権があることにも注意をすることが必要である。」

 含蓄のあるお言葉です。

 また、債権回収でのトラブルについても、先生は、「債権回収のために訴訟の提起を受任した場合、弁護士は、通常、訴訟手続だけでなく、判決確定後に必要になる強制執行等の手続についても説明することが通常であるが、この判決が指摘するように強制執行等の手続についても当然に受任するものではない。

 もっとも、債権回収のための訴訟手続に関係する範囲については、依頼者から質問があれば、依頼者に対して必要な回答をするし、債権回収に関係する事情を認識した場合には、依頼者に対して必要な助言をすることも通常であろう。

 仮差押え、仮処分といった民事保全手続については、訴訟の提起に関係する事情であり、訴訟の提起の前、あるいは訴訟の進行中において依頼者に手続の概要を説明し、必要に応じて助言をすることが通常であるが、費用負担、敗訴の際のリスク等の負担があり、最終的には依頼者の判断に従うものである。」

 依頼者が法的見解を理解してくれないために、裁判になったケースもあります。これについても、先生は、「この事案のような事件を処理するに当たっては、弁護士は、依頼者である遺族らに和解の内容、法的な見解を説明したものの、遺族らが納得せず、遺族らとの間に意見の対立が生じるという事態に直面したものであり、きわめて悩ましい状況であり、この事案では、依頼者である遺族らから訴訟を提訴され、リスクが現実化したものである。」と説明されています。

 弁護士は、相手方から攻撃されるのは仕方がないとして、依頼人から攻撃されるとしたら、泣き面に蜂です・・・・ 

 

 

2013年11月21日 (木)

【金融・企業法務】 株式売買価格決定申立事件において、売買価格を収益還元法を80%、配当還元法を20%の割合で加重平均した価格とした事例 大阪地裁平成25年1月31日決定

 判例タイムズNo1392号(2013.11号)で紹介された裁判例です。

 会社法144条2項に基づく売買価格の決定を申し立てた事案です。

 会社法144条2項は、「株式会社又は譲渡等承認請求者は、第141条第1項の規定による通知があった日から20日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。」と規定しています。

 本決定の概要を示します。

 本決定は、裁判所鑑定による価格を採用しているが、裁判所鑑定は、対象会社が不動産賃貸業のみを行う資産管理会社であるという特徴を考慮し、DCF法と不動産評価における収益還元法との間には流入してくる資金をもって価値を評価するという共通点があることから、

 原則として収益還元法によって算定された4件の不動産の価格の合計額から不動産事業全体にかかる本社コスト等を控除して対象会社の事業の収益を算定するという収益還元法を採用しました。

 そして、収益還元法で算定された価格に非流動性ディスカウントを15%として算定された価格を80%、配当還元法によって算定された価格を20%の割合で加重平均して、1株2460円としました。

 本決定は、申立人の対象会社が資産管理会社であるから時価純資産法を採用すべきとの主張については、対象会社が事業の継続を予定していることから時価純資産法を採用すべきでなく、対象会社の特質については裁判所鑑定の採用した上記手法において十分い考慮されているとして排斥しました。

 さらに、指定買取人の主張するマイノリティディスカウントについては、加重平均割合において考慮していることから、さらなるディスカウントをすべきではないとしてその主張を排斥しています。

 わかったようで、わからんが、頭の片隅に入れておこう! 

2013年11月20日 (水)

【金融・企業法務】 受託保証人から事前求償権に基づき求償金の支払を求められた主債務者が、受託保証人が担保を提供するまではその支払いを拒絶する旨の主張をしたにもかかわらず、受託保証人が担保の提供をしない旨主張した場合において、受託保証人の請求を棄却した事例 大阪地裁平成24年10月30日判決

 判例タイムズNo1392号(2013.11号)で紹介された大阪地裁平成24年10月30日判決です。

 本判決の概要は以下のとおりです。

 本判決は、民法460条の規定に基づき受託保証人が主たる債務者に対していわゆる事前求償権を行使した場合には、主たる債務者は民法461条1項の規定により受託保証人に対して担保を提供させる権利を有しており、その担保を提供があるまで求償に応ずることを拒絶することができるとし、

 いわゆる同時履行説を採用することを明らかにした上で、

 受託保証人から事前求償権を行使された主たる債務者において、同項の規定に基づき担保が提供されるまで求償に応ずることを拒絶する旨の主張をした場合、

 受託保証人が相当な担保の提供を申し出たのであれば、いわゆる引き換え給付の判決をすることができるとしても、受託保証人がそのような申出をしないときは、引換えの対象となる物が定まらない以上、引換給付の判決をすることができない

 そうすると、受託保証人から事前求償権を行使された主たる債務者が民法461条1項の規定に基づき担保提供の抗弁を提出したにもかかわらず、受託保証人が相当な担保の提供の申出をしない場合には、受託保証人の請求を棄却せざるをえない

 と判断しました。

 すっかり忘れていたのですが、事前求償権の支払義務と受託保証人の担保提供義務との関係については、見解の対立があります。

 先履行説

 同時履行説

 折衷説

 さらに、同時履行説において、主たる債務者が担保提供を求める旨の主張をしたにもかかわらず、それに即応する担保提供の申出を受託保証人がしない場合における採卵例は、公刊物ではみあらなかったようです。

 頭の片隅にしまっておきたい知識ですね。 

2013年11月19日 (火)

【労働・労災】 学校法人の理事と従業員である教授の地位を併有する者の従業員としての退職金不支給事由の範囲

 判例タイムズNo1392号(2013.11号)で紹介された東京高裁平成24年3月7日判決です。

 本判決の概要は以下のとおりです。

 ① 退職金不支給事由の有無

 本件退職金規程の退職手当の支給制限の定めには、教職員が理事を兼務し、理事としての義務違反があった場合の退職金不支給等については何ら定めるところがなく、そもそも理事などの役員について言及していない。

 当該規定は、教職員が、懲戒解雇処分は受けないまでも、懲戒解雇事由に準じる非違行為である「不都合の所為」により退職する場合には、退職金を支給しないか減額することができる旨を定めるものである。そうすると、この規定が、懲戒解雇があった場合に準じる場合を定めるものである以上、「不都合の所為」とは、懲戒解雇の対象となりうる従業員(教職員)の行為に限られ、その対象になり得ない理事の行為を含まないと解するのが相当である。

 したがって、Yの理事としての善管注意義務違反の行為が、従業員としての退職金の不支給事由に当たるという主張は失当である。

 ② 権利濫用

 退職金が功労報償金的性格と賃金の後払い的性格とを併有していること、Yの本件投資への関与は受動的なものであったこと、Yが本件投資について道義的責任を認め、役員退職慰労金を自主返上する等していること、Yが30年以上も教職員として勤務し、かつ重要な役職をつとめ、その間、教職員として非違行為はなかったこと等からすると、本件請求が権利濫用に当たるとは認めれない。

 第一審は、結論としては同じなんですが、理事としての行為でも、背信性の程度によっては、すなわち、従業員として永年の勤続の功労を抹消するほどの重大な事由については、退職金不支給事由にあたるという見解をとっていたようです。

 これに対して、本判決は、本件退職金規程の規定ぶりを検討した上で、懲戒解雇の対象とはならない理事の行為は従業員としての退職金不支給事由には当たらないと考えています。

 同じ結論の場合でも、考え方が異なっているんですねえ~ 

2013年11月18日 (月)

またも、弁護士の横領か!?

 昨今、リーガルサービス分野における競争が激しくなっていることについては、このブログでも度々とりあげているところです。

 そのためか、競争に敗れた弁護士が、事務所の運転資金のために、横領するようなことが増えております。

 ニュースによれば、横浜の弁護士が2400万円を横領したようです。 

 この事務所は、弁護士1人の単独事務所ではなく、所属弁護士が3名程いるようです。

 このような事務所でも、運転資金のために横領するような時代になったのです。

 ところで、最近知ったのですが、弁護士と闘う様のブログによれば、日弁連が5000万円をかけてCMを作成したようです。

 何度もCMを見ましたが、はっきり言って、できが悪いです。

 フレンドリーさを打ち出しているようですが、この内容だと逆効果だと思います。 

 こんなCMで私の会費が使われたのだとしたら、本当に情けないです。 

 一生懸命歌っているのはわかりますが、ほかの法律事務所のCMの方がアピール度は高いような気がしました。

 こんなCMに5000万円を使うよりも、弁護士被害の基金を創設した方が安心感につながると思います。

 弁護士会費は、日弁連会費月5000円、地方会会費1万円、合計月1万5000円でいいと思います。

 月5万円や6万円程度の会費なんて、論外です。

 横領した弁護士の運転資金の中には、弁護士会費も入っているはずです。

 強制加入団体でありながら、弁護士会は、政治的なアピールを行うよりも、先に、個々の会員の懐事情を心配してもらいたいです。

 このままでは、国民の弁護士に対する信頼は低下しつづけるのではありませんか?

 早急に対策を講じて下さい。お願いします。<(_ _)> 

 

【労働・労災】 八千代交通事件 最高裁平成25年6月6日判決

 判例タイムズNo1392号(2013.11号)で紹介された最高裁平成25年6月6日判決です。

 判旨要旨を紹介します。

 無効な解雇のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は、

 労働基準法39条1項及び2項における年次有給休暇権の成立要件としての全労働日に係る出勤率の算定に当たっては、出金日数に算入すべきものとして全労働日に含まれる。 

 解説によれば、労基法39条1項及び2項にいう出勤日とは、現実的には現実の出勤があった日を意味するが、同条8項により、業務上の災害・疾病による療養のための休業、育児休業、介護休業及び産前産後の休業による休業期間は出勤したものとみなすとされています。

 労基法39条8項に規定のない不就労日としては、年休取得日、使用者の責めに帰すべき事由による休業日、不可抗力による休業日、慶弔休暇等の法定外休暇、生理休暇、ロックアウトによる不就労日、ストライキによる不就労日等があり、これらの不就労日を出勤率計算上どのように取り扱うべきか、具体的には、出勤扱い、欠勤扱い、全労働日から除外のいずれとすべきかが問題となっています。

 これらの不就労日の取扱いに関する行政解釈では、年休取得日は出勤扱いとし、使用者の責めに帰すべき事由による休業日、不可抗力による休業日、慶弔休暇等の法定外休暇、ロックアウトによる不就労日及び正当なストライキによる不就労日は全労働日から除外し、生理休暇は欠勤扱いとされているようです。

 行政解釈だと、使用者の責めに帰すべき事由による休業日は、全労働日からの除外という見解でしたが、今回の最高裁は、出勤扱いとしました。

 行政解釈が間違っていたということになるのですね・・・ 

 

2013年11月17日 (日)

【労働・労災】 社会福祉法人が従業員に対してなした解雇処分が解雇権濫用に該当する場合に、同法人の役員である理事長や理事ら個人に対する不法行為責任が認められた事例 福岡地裁飯塚支判平成25年3月27日判決

 判例時報No2195号(10月21日号)で紹介された福岡地裁飯塚支判平成25年3月27日判決です。

 判旨の概要は以下のとおりです。

 知的障害者授産施設を運営する社会福祉法人が、同施設利用者らの保護者の大多数が署名押印した同法人との翌年度の契約を締結しないとする申出書の提出を受け、同施設を廃園としてその従業員らを解雇した処分に対し、

 従業員らに対する、同法人の理事長、理事ら及び保護者会会長に対する損害賠償責任が認められ、

 同法人の監督官庁であった県に対する損害賠償責任が否定されました。

 被告県の責任については、以下のような基準を定立しています。

 判旨を引用いたします。

 社会福祉法は、福祉サービスの利用者の利益保護及び地域における社会福祉の推進等を図る手段として、社会福祉事業従事者の処遇、すなわち労働条件や労働環境等を改善することもその趣旨及び目的としているが、

 これは、福祉サービスの利用者の利益の保護や地域における社会福祉の推進等という、より高次の目的達成のための手段にとどまるものであるから、

 これに対応して、社会福祉事業従事者の労働条件や労働環境等の改善に関し、所轄庁に付与されている権限も、指導及び助言にとどまり、不当労働行為の存否や解雇の有効性等の個別の労働問題についての公権的に介入する権限までは付与されていない。

 そうすると、被告県に社会福祉事業者の労働条件や労働環境等に配慮する義務があるとしても、その内容・程度は相当に限定的なものといわざるを得ず、

 被告県が、社会福祉法人の労働条件や労働環境等に問題があることを認識しながら、社会福祉法91条に基づく指導又は助言を行うことなく放置し、かえって問題状況を容認してこれを助長する処分を行うがごとき特段の事情がない限り、同義務に違反することを理由として、被告県の行為が不法行為を構成することはない(引用終わり) 

 似たような事案で、県の責任を追及される方がいますが、県に責任を負担させるのであれば、やはり、この裁判例が指摘しているような特段の事情が必要だろうとは思います。 

 

 

2013年11月16日 (土)

【金融・企業法務】 銀行の従業員による定期預金を保有する顧客に対する償還条件付き投資信託の購入の勧誘が適合性の原則及び説明義務に違反するとして、顧客の求めた銀行に対する損害賠償請求が認容された事例 大阪地裁平成25年2月20日判決

 判例時報No2195号(10月21日号)で紹介された大阪地裁平成25年2月20日判決です。

 本判決は、信託銀行の従業員が同銀行の定期預金を有する顧客に対してなした償還条件付き投資信託購入の勧誘が、適合性の原則及び説明義務に違反するとして、顧客の求めた信託銀行に対する損害賠償請求を認容したものです(過失相殺も否定)。

 77歳の女性で難聴であり、収入も年間約247万円程度の年金のみであり、金融資産も2300万円程だったのが、2100万円を使ってリスクのある本件商品を購入させたというものです。

 大きな信託銀行が被告になっていますが、いかんですねえ。 

2013年11月15日 (金)

【消費者法】 継続的な金銭消費貸借取引に係る基本契約が過払金充当合意を含む場合における、過払金について発生した民法704条前段所定の利息を新たな借入金債務に充当することの可否及びその充当方法 最高裁平成25年4月11日判決

 判例時報No2195号(10月21日号)で紹介された最高裁判例です。

 当たり前の内容の判例ですが、これまで、反対するような裁判例もあったようです。

 判旨を引用します。

 継続的な金銭消費貸借取引に係る基本契約が過払金充当合意を含むものである場合においては、

 過払金について発生した法定金利の充当につき別段の合意があると評価できるような特段の事情がない限り、

 まず当該法定利息を新たな借入金債務に充当し、次いで過払金を新たな借入金債務の残額に充当すべきものと解するのが相当である。

 当たり前の裁判例ですが、そうではない下級審裁判例もあったそうですから、注意する必要がありますね。 

 

2013年11月14日 (木)

【消費者法】 過払い金のご依頼・・・・

 ここ2年ばかり前から、急激に、過払い金返還の依頼が減少し、現在では、交渉案件を入れても、10人程度位まで減少したように思います。

 今から思うと、4年ほど前がピークで、常時、5~60人程度のご依頼はあったように思います。

 そのころは、裁判も多く、月に2,30件は提訴していたような状況です。

 ところが、現在では、他の事務所では断られたような、利息制限法で引き直しても負債が残るというケースが、ぼつぼつ相談に来られるような状況です。

 さて、今治簡裁の記事簿をみると、広く宣伝をしている松山の司法書士事務所の司法書士さんの名前を散見します。また、地裁の記事簿では、夜遅くまで相談を受けている法律事務所の弁護士さんの名前を散見します。

 企業努力しなければ、依頼につながらない時代がきているようです。 

 私の事務所でも、HPでも紹介しておりますが、過払い金については判例集等に取り上げられた裁判例をいくつか関与させていただいたことがあります。

 とはいえ、過払い金の依頼事件は大幅減少したので、この分野では、私の事務所は淘汰されつつあるようです。

 その状況の中で、当事務所の若手弁護士は、例えば、サラ金から給料を差し押さえされたお客様から依頼を受けて、差し押さえの範囲を小さくするための申立てを精力的に行ったりする等しており、脱帽するばかりです。

 私も初心に返って、依頼人のために頑張っていきたいと思います。 

 

2013年11月13日 (水)

【交通事故】 弁護士費用特約 横浜地裁平成24年10月31日判決

 交通事故民事裁判例集第45巻第5号で紹介された横浜地裁平成24年10月31日判決です。

 弁護士費用特約がある場合の弁護士費用についての裁判例です。

 原告と原告代理人間の契約では、原告が本件訴訟で勝訴し、その認容元本額が上記のアの金額である場合には、原告代理人は、これまで支払を受けたもののほか、240万円を超える報酬を取得することができる

                      ↓そうすると

 原告代理人が弁護士費用特約によって保険会社から支払いを受けているものがあるとしても、その弁護士費用の総額から原告代理人が保険会社から支払いを受けているものを差し引いた額は、240万円を上回る

                      ↓ すると

 原告と保険会社との保険契約によれば、保険会社は、弁護士費用特約の保険金を支払った場合には、原告の利益を害さない範囲で、代位によって権利を取得することが認められる

                      ↓

 弁護士費用の総額から原告代理人が保険会社から支払を受けているものを差し引いた額が240万円を上回る以上、原告は、240万円全額を弁護士費用として被告らに請求できる

 少しわかりにくい理屈ですねえ

 端的に、弁護士費用特約があっても、弁護士費用は損害として請求できるとすればいいんじゃないでしょうか

 確か、LACの基準だと、弁護士費用を含んだものを被害者に渡す必要があったように思います。間違いでしたかね??? 

2013年11月12日 (火)

【交通事故】 後縦靱帯骨化症と素因減額 大阪地裁平成24年9月19日判決

 交通事故民事裁判例集第45巻第5号で紹介された大阪地裁平成24年9月19日判決です。

 後縦靱帯骨化症は難病ですが、時々遭遇します。

 通常であれば頸椎捻挫等の受傷にとどまる軽微な事故を契機として経済的に頸椎後縦靱帯骨化症による脊髄症状を発症し、長期間にわたる治療後に後遺障害(5級2号)を残した被害者には、

 もともと後縦靱帯骨化症の素因があって脊髄症状を発症しやすい状態にあったが、事故前には無症状であって、事故がなくとも数年内に後縦靱帯骨化症による脊髄症状を発症する可能性が高い状況にあったとまではいえないから、

 後遺障害に対する素因(後縦靱帯骨化症)の寄与度は、50%であるとして、素因減額を認めた事例

 素因減額っていやですねえ 

 症状が出ていないものまで、大きな減額がなされてしまうのですから~

 また、心因的な要因の場合こそ、大きな減額がされていいと思うのですが、逆にこの場合には減額は小さいですねえ~ 

2013年11月11日 (月)

認定支援機関向け経営改善・事業再生研修に参加してきました(松山)

 11月10日から2日間連チャンで、公認会計士による、経営改善・事業再生研修に参加してきました。

 午前9時から午後5時です。

 座り放しです。

 しかも、ディスカッションあります。

 Pa0_0381

 結構、しんどかったです。ここまで長い講座を受講というのは、司法試験の勉強以来かもしれません。

 講義の内容は後から報告します。

 Pa0_0386

 参加者は税理士の先生が多いように感じました。弁護士は私1人だったようです。

 刺激になりましたわい。  

 


 

【交通事故】 停止したタクシー車の追い越し 大阪地裁平成24年9月14日判決

 交通事故民事裁判例集第45巻第5号で紹介された大阪地裁平成24年9月14日判決です。

 片側2車線の道路の左側車線に停止した原告車(タクシー)を追い越す際に、被告車(中型貨物自動車)が、原告車の右前ドア及び原告車の右側面横に立っていた原告の右手指に衝突した事故の過失割合について、

 被告がわずか約50センチメートルしか間隔を開けずに通過したことは明らかに重大な過失があるというべきであるが、

 原告においては、原告車を車線の中央部分に停止させて、後続車を車線変更しなければ通過できない状況に置き、その進行を妨げていたのであるから、被告車の進路はどうであるかにつき、配慮することが必要であったといえることから、原告にも過失相殺すべき事情もあるとし、

 その責任割合は、原告5 被告95 と認めた事例

 これって、原告の右手指ではなく、右前ドアだけだった場合には、過失割合ってどうなっていたのでしょうね??? 

 

2013年11月10日 (日)

【法律その他】  和解・調停条項と課税リスク (新日本法規)

 平成25年9月6日に発行された「和解・調停条項と課税リスク 」という書籍は、弁護士であれば、是非備えておく必要性の高いものの中の1つです。

 目次をみると、全部で10章にわかれています。

 ①税務のポイントと税率、②金銭請求に関するもの(損害賠償を除く)、③不動産の所有権に関するもの、④不動産の使用収益に関するもの、⑤不動産以外の資産の所有権に関するもの、⑥労働契約に関するもの、⑦債務不履行に関するもの、⑧不当利得、不法行為に関するもの、⑨相続に関するもの、⑩離婚に関するもの です。

 税務関係って、弁護士の場合あまり注意を払わないことがありますが、落とし穴になりかねない所なので、一定の知識と配慮が必要になります。

 

 

2013年11月 9日 (土)

奄美ひまわり基金法律事務所初代所長の債務整理事件処理に関する最高裁判決についての日弁連コメント

 今年の4月に、奄美事件についての日弁連コメントが発表されていました。

 日弁連コメントは以下のとおりです。 

 「本日、最高裁判所において、当連合会らが支援して設立された奄美ひまわり基金法律事務所(公設事務所)初代所長の債務整理事件の処理方針(いわゆる時効待ち方針)に関して説明義務違反が問われた事件につき、上記所長が損害賠償義務を負うことを認め、損害の点等について審理を尽くすために福岡高等裁判所に差し戻す判決が言い渡された。

 当連合会は、上記所長について、多数の依頼者の方々から苦情が出ていることに鑑み、本件問題が発覚した後、奄美ひまわり基金法律事務所の依頼者の方々に対して、奄美ひまわり日弁連ホットラインを設置するとともに、調査票を発送の上、奄美市において現地相談会を開催するなどして、その対応に努めてきた。

 また、当連合会は公設事務所の運営に関して、受任件数の確認、支援委員会における指導等の措置を定めるなど再発防止のための各種規定を整備し、さらには、債務整理事件処理の規律を定める規程を制定するなどして、再発防止に努めてきたところである。

 当連合会としては、弁護士過疎・偏在地域における公設事務所所長の活動に関し、最高裁判所において判断が下されたことを厳粛に受け止め、今後も関係者の方々への対応と再発防止のために活動し、引き続き、弁護士過疎・偏在地域における市民の法的サービスの向上と弁護士、弁護士会に対する信頼の回復に向け、努力を続ける所存である。」

 このコメントだけを読むと、初代公設事務所の所長は、とんでもないことをした弁護士に思えます。

 最近の金融法務事情の田原元最高裁判事のコメントも、初代公設事務所の所長の行為については否定的なコメントでした。現地の地裁判決も、結構厳しい評価だったと記憶しております。

 日弁連自身がこのようなコメントを公表している以上、懲戒処分はおりるのではないかと思われます。 

 ただ、私自身は採用したことはありませんが、時効待ちという手法も、クレサラ系の弁護士の中では、皆無ではなかったような気がします。また、田原元裁判官は、上場企業である以上きちんと消滅時効を管理していると言われていますが、私の経験からすれば、必ずしもそうではないような気がします。

 「奄美ひまわり日弁連ホットライン」までがもうけられています。 

 最高裁判決が出た以上、元初代所長は、「弁護士過疎・偏在地域における市民の法的サービスの向上と弁護士、弁護士会に対する信頼」に反する行為を行ったと断じられているようです。

 しかしながら、時効待ちという手法は、私自身は賛成できませんが、依頼人に説明しているのであれば、手法としては、ありうる手段の1つです。日弁連の会長が宇都宮さんだったら、ここまでのコメントにはならなかったのではないかと思われます。

 なぜ、ここまで初代所長が叩かれるのかについては、多分、彼が以前執筆した「自由と正義」の論文にあるのではないかと想像しています。あの論文は、残念ながら、違和感を覚えた弁護士は少なくなかったのではないかと思われます。

 とはいえ、論文は、若気の至りだったと評価することも可能です。 

 彼が、日弁連によってここまで厳しく非難されるのであれば、その前提となる「上記所長について、多数の依頼者の方々から苦情が出ていること」をもう少し詳しく公表していただきたいと思います。

 最高裁判決が出たからといって、高裁では勝訴していた弁護士を、日弁連が具体的な事実の摘示もなく、ここまで厳しく非難されるのはどうかな?と思います。

 最高裁の判断が間違っていたという可能性はないのかな?  

 田舎弁護士には、難しくてよくわからないなり。 

2013年11月 8日 (金)

日弁連って、会員を宝の小槌と思っているのかな?

 日弁連から、分厚い書類が送られてきました。

 臨時総会招集通知らしい。知らなかった。

 第1号議案は、少年・刑事財政基金のための特別会費の徴収が平成26年5月で切れることから、現行の4200円から3300円に減額するものの、平成29年5月まで徴収期間を延期するという内容でした。 

 第2号議案も、法律援助基金のための特別会費の徴収が平成26年5月で切れることから、現行の1300円から1000円に減額するものの、平成28年5月まで徴収期間を延期するという内容でした。

 前者は被疑者援助、後者は法テラスへ業務委託している事業の支出にあてるものらしい。

 事業の内容からして、国ではなく、個々の弁護士が自腹で負担しなければならないことなのか疑問を感じます。

 昨今の厳しい経済環境を考えると尚更に感じます。

 強制加入団体の会費の負担は、必要最低限でお願いしたいところです。 

 どうしても会費を徴収しなければならないのであれば、昨今多発している弁護士不祥事のための基金を創設して、そちらの方に廻してほしいと思います。

 相次ぐ横領等の弁護士の不祥事により弁護士に対する国民の信頼は大きく傷ついているように感じます。

  日弁連は、理想的なことよりも、まずは、多発している弁護士の不祥事について、早急な対策を行うべきではないかと思っています。 

2013年11月 7日 (木)

【交通事故】 休業損害と逸失利益算定の手引き

 保険毎日新聞社から、ここ数年毎年のように出版されている「損害賠償における休業損害と逸失利益算定の手引き 」です。

 著者は、税理士の方のようですが、東京海上の損害サービス業務部の顧問にも就任されており、交通賠償について深い知見のある先生のようです。

 全部で8章とQ&Aにわかれており、①逸失利益算定の対象となる所得、②事業所得者の逸失利益算定のための基準額の算出手続き、③事業所得者の逸失利益の算定手順、④給与所得者の逸失利益算定のための基準額の算出手続き、⑤給与所得者の逸失利益の算定手順、⑥法人の役員の逸失利益の算出手続き、⑦極小規模法人の役員の休業損害額の算定、⑧個人の所得に課税される税金となっています。

 内容的にはとても良い本なのです(何度かお世話になりました。)が、5000円近い本なので、できれば、毎年出版されるのではなくて、HP等で訂正を告知した方が、読者の懐には優しいでしょう。 

 

2013年11月 6日 (水)

愛媛新聞社主催の今治経済研究会に参加しました (^o^)

 今日は、正午から、愛媛新聞社主催の今治経済研究会に参加しました。

 講師は、松山経済研究会の代表幹事でもある日本銀行松山支店長です。

 今日のテーマは、経済分析が中心でしたので、法学系の田舎弁護士には、支店長が述べられる数字が呪文のようにきいて、ウトウトしてしまいました。 

 まあ、愛媛は余り景気がよくないということがわかりましたが、北海道が景気が良いというのは驚きました。

 それと、日本と中国の2009年以降のドルベースのGDPを比較した表が作成されていたのですが、2009年でほぼ肩を並べられ、2013年には、1.75倍の格差が生じているようです。

 中国の経済成長ってすごいものがありますね。 

2013年11月 5日 (火)

独立行政法人 中小企業基盤整備機構 認定支援機関向け経営改善・事業再生研修に、参加します。

 11月10日から11日にかけて、独立行政法人中小企業基盤整備機構主催の、認定支援機関向け経営改善・事業再生研修に参加いたします。

 連日の午前9時から午後5時迄となっています。学校みたいです。

1日目の講義内容

 第1章 経営改善計画書・事業再生計画書の事例紹介

 第2章 認定支援機関業務の位置づけ

 第3章 中小企業金融をめぐる現状認識

 第4章 経営改善・事業再生等の取組み開始

 第5章 経営課題の把握

2日目の講義内容

 第6章 経営改善実施の策定

 第7章 数値計画の策定

 第8章 金融支援案の策定

 第9章 バンクミーティング

 第10章 モニタリング

 第11章 添付資料・別冊資料

 講義内容を見ると盛りだくさんです。テキストは当日配布のようです。事前に目が通せるよう事前配布してほしいですね。

 弁護士の場合、小さな事業者の破産手続であれば、一通りのことをこなせるとは思いますが、事業再生ということになると、???と感じられる方が少なくないと思います。田舎弁護士もそうです。

 ただ、昨今は、会社分割等を利用した事業再生も活発であり、これに携わるコンサル業もネット検索すると出てきます。田舎弁護士も、少し勉強しておく必要があるなあと思い、研修に参加することにしました。

 頑張ります。  

2013年11月 4日 (月)

【弁護過誤】 弁護士委任契約で報酬額を依頼者が得た金員の20%とする旨の一義的に明確な合意が成立している場合において、契約時に成功報酬額につき弁護士と依頼者との間でその他のやりとりがされていないときには、契約文言のとおりの合意がされたと解するのが相当である 東京高裁平成25年3月13日判決

 判例時報No2194号(10月11日号)で紹介された東京高裁平成25年3月13日判決です。 

 仕事の内容は、遺言検認事件、遺言無効確認等請求事件(第1審、控訴審)、相談に関与した行政書士に対する損害賠償請求事件(第1審、控訴審)、遺言執行者選任申立て事件、遺言執行者事務の代理関係事務を行ったようです。

 高裁の加藤新太郎裁判官も、「執務それ自体は格別の問題はなかった」と肯定的に評価されています。

 弁護士が着手金について説明したところ、相談者が支払えないと言ったので、完全成功報酬制で受任することになりました。この時に、遺産については、4000万円と聞いていたことから、「得た金額の20%」という取り決めをして、受任されたようです。

 この時は、当事者の認識としては、4000万円の20%ということに近かったようですが、実際に回収できた遺産は、約3300万円だったので、依頼人が3300万円の20%だと主張してきたというケースです。 

 第1審判決は、弁護士の主張にも配慮して、弁護士費用を770万円と評価して、75万円程の支払いを弁護士に命じました。

 しかし、第2審判決は、弁護士でしょう、契約の文言通りにしなさいということで、元依頼人の請求が認められてしまいました。 

 これだけ複雑で複数の事件の依頼ということになれば、弁護士費用も結構な金額になるとは思います。完全報酬制ということになれば、成功時には着手金の部分を付加してももらわないと、ひどいことになります。しかも、負けたら、0円です。

 私は、とてもではありませんが、完全報酬制なんてはできないですねえ。

 特に、本件のように法定相続人のいる被相続人から血縁関係のない従業員にすぎない元依頼人に対する全財産の遺贈というとても難しい案件なんて、事務所経営を考えるとできません。

 裁判所も、元依頼人に対して和解を進めたようですが、理解を得ることはできなかったようです。

 元依頼人とのトラブル、しんどいですねえ。

 教訓として、契約書の契約条項で決まるので、報酬基準を盛り込む場合には、注意するということでしょうか。

 

 

2013年11月 3日 (日)

【金融・企業法務】 信用保証協会が締結した保証契約の主たる債務者が反社会的勢力であった場合と当該保証契約の錯誤無効の成否 大阪高判平成25年3月22日判決

 金融法務事情No1979号(10月10日号)で紹介された大阪高裁平成25年3月22日判決です。

 このブログでも何度か取り上げている論点についての裁判例です。

 信用保証協会が締結した協会斡旋保証及び金融機関経由保証による各保証契約の主たる債務者が反社会的勢力であった事案について、

 第1審判決は、各保証契約の動機の錯誤による無効を認め、Yが錯誤無効を主張することは信義則に違反するということができないとして、信用保証協会に対する保証債務履行を全部棄却しました。

 第2審判決は、端的に各保証契約の要素の錯誤による無効を認めたが、

 協会斡旋保証に係る保証債務履行請求の2分の1について錯誤無効を主張して履行を拒絶することは信義則ないし衡平の観念に照らして許されないとするともに、 

 金融機関経由保証に係る保証債務履行請求について錯誤無効を主張して履行を拒絶することが信義則ないし衡平の理念に照らして許されないということはできないとして、

 上記請求のうち、協会斡旋保証に係る保証債務履行請求の2分の1の限度で認容し、その余は棄却すべきものとしました。

 この判決は、要素の錯誤による無効を認めた点のほか、協会斡旋保証に係る保証債務履行請求の2分の1について信義則により錯誤無効の主張を制限した点が注目されるとされています。

 この裁判例については、「最三小判平13.3.27は、加入電話契約者の承諾なしにその未成年者の子が利用したいわゆるダイヤルQ2事業における有料情報サービスに係る通話料のうちその金額の5割を超える部分につき、第1種電気通信事業者が加入電話契約者に対してその支払請求をすることが信義則ないし衡平の観念に照らして許されないとし、権利行使に対する信義則に基づく制約の在り方として割合的解決を打ち出した。本判決は、この最高裁の考え方に通ずるものがあるように思われる。」と紹介されています。

 ただ、信義則違反って・・・・ 伝家の宝刀的なものなので、何か理屈で説明できるといいですねえ。 

 

2013年11月 2日 (土)

【労働・労災】 請負・業務委託・アウトソーイングの法律と実践契約書式49

 松山のジュンク堂を訪ねた際に、購入してきました。

 三修社から出ている「請負・業務委託・アウトソーイングの法律と実践契約書式49 」という書籍です。

 誰が執筆したものかよくわかりません。監修者として若い弁護士さんの名前が出ています。

 入門的な内容の書式と、比較的簡単な書式で構成されている本です。

 書式は、わりと豊富なので、汎用性があるのではないかと思います。 

2013年11月 1日 (金)

【金融・企業法務】 ヤマトホールディングスにおける内部統制と監査役の役割 月刊監査役10月号

 月刊監査役を定期購読しています。

 私と会社との関わりは、主として、法律顧問という立場が主流ですが、中には、社外役員をさせていただいている会社もありますので、勉強のために、数年前から月刊監査役を購入して監査役を少し勉強するようにしています。

 10月号は、大和ホールディングスの内部統制と監査役の役割と題して座談会が紹介されていました。

 社長は、社外役員への期待として、

 「我々は社内の論理でしか訓練されていないので、私たちが当たり前だと思っていたことが実は当たり前ではなかったりします。社外の方には、そういうことを指摘してほしいのです。全く次元の異なる仕事をやっていらした方から見た大和ホールディングスについて、ストレートに意見をいただくことで、我々がこれからやろうとしていることが世の中からどのように見えるか知ることができます。

 また、専門家の視点から、例えば、鼎さんなら法律家として、横瀬さんなら会計の視点から、大川さんなら経営や企業再生或いは元銀行員としての知見から、これがベストなのか、ご意見をいただけるのです。こういう意見は社内の人間だけで議論してもなかなか出てこないのです。」等と説明されています。

 私の場合は、弁護士ですから、法律家の視点からということになりますが、そうはいっても、監査の対象となる事業のことをよく知らなくては、的確な意見を申し上げることは難しいでしょうから、ご依頼を受けた会社の事業等にも十分に理解しておく必要があります。

 企業価値の維持・向上に寄与できなければ、企業とすれば、無駄なコストとなるでしょうから、田舎弁護士といえども日々研鑽を積んでいく必要があります。

 がんばっていきたいと思います。 

« 2013年10月 | トップページ | 2013年12月 »

2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

書籍紹介(労働・労災)

無料ブログはココログ