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2013年10月31日 (木)

【労働・労災】 JAL整理解雇事件 東京地裁平成24年3月30日判決

 判例時報No2193号(10月1日号)で紹介された東京地裁平成24年3月30日判決です。

 判決文は分厚いので、要旨を簡単に説明します。

 ① 会社更生手続下の整理解雇においても、いわゆる整理解雇法理の適用がある

 ② 整理解雇のいわゆる4要素(①人員削減の必要性、②解雇回避措置の相当性、③人選の合理性、④解雇手続の相当性)の充足性の有無ないし程度を総合考慮した上、整理解雇を有効と判断

 手続きの相当性ですが、被告は、原告らの所属組合との間で、10回にわたる事務折衝、17回に亘る団体交渉、その都度関係資料を配付して人員削減の必要性等についての被告の立場を真摯に説明したり、予定されていた交渉時間を超過して協議に応じたりしていたようです。

 また、解雇対象者に提示された退職条件、退職金等は平均2280万円、最高額は3600万円、企業年金基金脱退一時金は平均670万円、最高額は1100万円、すごい金額です。

 倒産により、損をさせられた、JALの元株主としては、複雑な思いです。 

2013年10月29日 (火)

【法律その他】 国内で唯一稼働中の大飯原子力発電所の運転停止を求める住民等の保全処分申立てが却下された事例 大阪地裁平成25年4月16日決定 No5

 続きです(No5)。

 津波による具体的危険性があるか?という論点です。具体的な問題提起は以下のとおりです。

 本件発電所に対して行われたストレステストにおいて、本件発電書の設計津波高さは、基準面から2.85mであるところ、それを8.55m超過した11.4mの津波の高さがクリフエッジであり、その高さまでは、炉心や使用済燃料ピットの冷却を継続し、燃料の損傷を防止することができる対策が講じられていることが確認されている。しかし、11.4mを超える津波が襲来した場合には、全ての冷却手段を喪失するおそれがあるから、11.4mを超える津波が襲来する可能性があれば、具体的危険性があるということができます。

 この点について、裁判所は、Xらの指摘する古文書等は存在するものの、Yの文献調査や聞き取り調査の結果に照らすと信頼性が乏しいこと、津波堆積物調査はその調査方法、評価方法ともに特段問題がないと評価できることなどから、11.4mを超える大規模な津波が生じる可能性は疎明されているとはいえないと判断しました。

 抗告審では、平成25年7月施行の原発の新規制基準も大きな争点になることが予想されます。 

2013年10月27日 (日)

【法律その他】 国内で唯一稼働中の大飯原子力発電所の運転停止を求める住民等の保全処分申立てが却下された事例 大阪地裁平成25年4月16日決定 No4

 続きです(No4)。

 「F-6 破砕帯が活断層に当たるか」という争点です。

 大飯発電所敷地内には、F-6破砕帯と呼ばれる破砕帯が存在し、同破砕帯は大飯発電所の敷地内の2号機と3号機の間を概ね南北に通っており、本件発電所の非常用取水路は同破砕帯を東西に横切っているようです。

 非常用取水路は、耐震設計審査指針上、重要度分類Sクラスの設備に該当するため、F-6破砕帯が耐震設計上考慮する活断層ということになれば、その上に非常用取水路を設置することは許されないということになります。

 耐震設計上考慮する活断層としては、後期更新世(13~12万年前)以降の活動が否定できないものとするとされており、なんと、F-6破砕帯には、地層にずれがあり、このずれが、12~13万年前のものであったことから、問題となりました。

 この点について、裁判所は、有識者会合において、二度にわたって現地調査を行い、債務者の追加調査も踏まえて、評価会合を重ねて議論を行った結果、現時点では、地層のずれは地滑りによるものであるとの見解が相当有力であり、地滑りである可能性が高いと認められる。

 従って、現時点では、F-6が活断層に該当すると認めるに足りる疎明はないということになりました。

 決定文をよく読んでみると、平成25年1月16日の段階では、岡田教授と重松主任研究員が地滑りないしその可能性が非常に高いとする見解、渡辺教授は活断層であるとする見解、廣内准教授が地滑りの可能性があるが、活断層であることを否定するに至っていないという見解だったようです。京都大学の千木教授は、地滑りによる可能性が高いという見解でした。

 活断層であるとする見解もあることから、抗告審では、この点についても再び活発に議論されるのだろうなと思います。 

2013年10月26日 (土)

【法律その他】 国内で唯一稼働中の大飯原子力発電所の運転停止を求める住民等の保全処分申立てが却下された事例 大阪地裁平成25年4月16日決定 No3

 続きです(NO3)。

 「地震発生時の制御棒挿入時間」については、(1)本件発電所について、地震発生時における制御棒挿入時間の許容値は2.2秒と定められているか、(2)三連動の地震が発生した場合、本件発電所において制御棒挿入時間は2.2秒を超えるか、(3)本件発電所につき、制御棒挿入時間に関して具体的危険性があるといえるかが、争点となりました。

 まず、(1)については、地震発生時における制御棒挿入時間の許容値が2.2秒と定められていることはない。

 (2)については、三連動の地震が発生したとしても、制御棒挿入時間は、保守的な試算を含めても、2.2秒以内におさまっている。

 (3)についても、仮に、Xらが主張する「2.39秒」だとしても、原子炉安全専門審査会がとりまとめ、原子炉安全委員会が了承した「安全余裕に関する検討について」と題するものによれば、安全限界より安全側にある判断基準までは11秒程度であったこと、独立行政法人原子力安全基盤機構が発表した報告書によれば、約8秒以内に制御棒が挿入できれば炉心損傷に至らないこと、Yから原子炉安全専門審査会・制御棒挿入に係る安全余裕検討部会に出された「PWR制御棒挿入時間延長感度解析について」によれば、本件発電所と同型の原子炉について制御棒挿入時間を3.5秒として感度解析をしたところ、判断基準を満足するものであったことが認められることから、制御棒挿入時間が2.39秒であったとしても、解析結果上は何らかの危険性が生じる状況はうかがわれない

 以上から、制御棒挿入時間に関しては具体的危険性があることが疎明されているとはいえない。

 以上が、制御棒挿入時間についての裁判所の判断です。制御棒挿入については、他の事案でも大きな争点になっているところです。 

 

2013年10月25日 (金)

【法律その他】 国内で唯一稼働中の大飯原子力発電所の運転停止を求める住民等の保全処分申立てが却下された事例 大阪地裁平成25年4月16日決定 No2

 続きです。仮差止めを基礎づける具体的危険性についての主張立証(疎明)責任については、概ね以下のとおり判断しています。

 人格権を被保全権利として、他人の行為を仮に差し止めることができるのは、当該行為により当該人格権が現に侵害されているか、又は侵害される具体的な危険性がある場合に限られる。

                ↓

 その主張立証(疎明)責任は、人格権の侵害又はおそれがあるとして差止めを求める債権者が負うべきであることは、当該差止行為が原子力発電所の運転である場合でも別異に解する理由はない 

                ↓ しかし

 原子力発電所の原子炉施設は、この安全が確保されないときにはその被害が人の生命身体に重大な危害を加え、環境を長期に汚染する深刻な災害を起こすおそれがあるところから、原子炉施設の安全を確保するために、法令により審査指針等の基準が定められ、原子力安全委員会による安全性の検討が求められており、これらの事情は、当該原子力施設を保有し運用する電力会社側が知り、その資料を所持している。

                ↓ 従って

 債務者Y側で本件発電所の安全性の根拠を示し、かつ、必要な資料を提出しないと事実上危険性の存在が推定される

                ↓ しかし

 これらのY側からの疎明がなされれば、債権者Xらは人の生命等が侵害される具体的危険性を主張疎明することが必要になる

(→この枠組みは、このような専門的訴訟の場合には、最近、よくみられるようになりました。)

                ↓ あてはめ

 本件事案では、本件発電所は、原子炉規制法、電気事業法等の規制や各種基準を満たすこと、

 福島第一原子力発電所の事故後、緊急安全対策及びシビアアクシデントへの対応の措置を取ったことが確認されており、ストレステストの結果報告についても、原子力安全・保安院によりその妥当性が確認され、原子力安全委員会も概ね肯定的な評価を示し、また、四大臣基準を満たしていることも確認されている 

               ↓ よって

 債務者において、本件発電所が安全性を有することを主張疎明したということができるから、債権者らにおいて本件発電所の安全性に欠ける点があり、債権者らの生命、身体、健康が侵害される具体的危険性があることについて、主張疎明されない限り、本件発電所の運転の仮の差し止めは認められないことになる。

 →抗告審では、新しい安全基準も争点になっているのではないかと思いますが、この論点を判断する上での重要な要素の1つになると思います(もっとも、具体的危険性と重なっている部分が多いと思います)。 

 

 

2013年10月23日 (水)

【法律その他】 国内で唯一稼働中の大飯原子力発電所の運転停止を求める住民等の保全処分申立てが却下された事例 大阪地裁平成25年4月16日決定 No1

 判例時報No2193号(10月1日号)で紹介された大阪地裁平成25年4月16日決定です。

 判例時報の解説を、引用します(P44)。

 本件の概要は、以下のとおりです。

 「債権者Xら(福井県、岐阜県及び近畿地方二府四県に居住する262名)が、債務者Y(関西電力)に対して、福井県おおい町に所在し、国内で唯一稼働中の大飯原子力発電所の3,4号機に、重大な原子炉事故の発生のおそれがあり、この場合、Xらの生命、健康及び生活全般に不可避的かつ回復不可能な損害を受ける具体的な危険性があるとして、Xらの人格権に基づき本件発電所の運転停止を求めた仮処分申立て事案である。」

 本件事案で大きく論じられた争点は、①仮の差止めを基礎づける具体的危険性についての主張立証(疎明)責任、②地震発生時の制御棒挿入時間、③F-6破砕帯が活断層に当たるか、④津波による具体的危険性があるか です。

 なお、平成25年7月施行の原発の新規制基準については双方が主張せず、争点になっていませんが、本決定は高裁に即時抗告されていますので、抗告審ではそれも論点になります。

 本決定は、東日本大震災以降の原発の運転の可否に対する初めての司法判断です。 

2013年10月22日 (火)

地裁判事、女性司法修習生に2回キス…依願退官

  びっくりしたニュースが飛び込んできました。

 地裁判事が司法修習生にセクハラしたという記事です。 

 「今年8月1日午前0時頃、福岡市中央区の飲食店で、女性司法修習生1人と男性5人と飲酒しながら歓談中、女性に対して、キスをしたいなどと複数回発言。さらに、女性の手を引っ張って引き寄せるなどしたうえ、女性の意に反して2回、左ほおにキスをした。」

 強制わいせつ罪に問われかねないような行為です。

 冗談でも、司法修習生に対してキスすると後がどうなるのか?容易に想像できそうですが、判事さんといえども、飲酒のため、正常な判断を欠いてしまったのでしょう。

 また、地裁判事さんは多忙であるため、ストレスも溜まっていたのかもしれません。

 司法修習生6人との飲酒ですので、仲間内的な感覚が緊張を解いてしまったのかもしれません。  

 サッカー選手の件といい、お酒がらみの不祥事が続いていますね。 

 お酒って怖いです。 

 私も、飲酒をすると、気が大きくなったりしますので、注意をする必要があります。適度がいいのですが、ついつい飲み過ぎたりすると、これまで築いたものを失いかねないので、反面教師としたいです。  

【金融・企業法務】 株式譲渡による企業買収における表明保証条項について、売主の表明保証違反が否定された事例 東京地裁平成25年1月28日判決

 判例時報No2193号(10月1日号)で紹介された東京地裁平成25年1月28日判決です。

 本判決の要旨は以下のとおりです。

 表明保証の真実かつ正確な履行が停止条件ないし履行条件であるとの主張については、

 ①買主であるYがB社の経営権を自己に移転させ、本件売買契約の目的を実現しながら、表明保証違反を理由に代金の支払自体を拒むことができるとするのは、双務契約としての対価的均衡を失すること、

 ②本件売買契約は株式の譲渡が完了した後は厳格に解除事由が制限されており、その後に生じた表明保証違反の問題は損害賠償による金銭的補償をもって調整することが予定されているものと認められ、これは株式の譲渡が完了した後は、会社の経営権も移転するものであり、原状回復が困難になるという事情を踏まえたものと解されること

 として、当該主張を排斥しました。

 表明保証違反の位置づけをどのように考えるかで、参考になる裁判例でした。 

2013年10月21日 (月)

ようやく事務所報ができあがりました (^_^)

 ようやく「しまなみ通信第18号」(2013年10月号)ができあがりました。

  年2回、4月と10月に発行しています。来年で10年ですね。

 私の挨拶に続き、「ホウ!なん」(消費税転嫁対策)(執筆者寄井)、知的なお話③(執筆者市川)、スタッフ挨拶、判例紹介(平成25年1月17日付高松高裁判決、平成24年8月23日付松山地裁今治支部判決)、瀬戸内しまなみ海道をサイクリストの聖地に(菅良二今治市長)という内容になっています。

 国際サイクリング大会は昨日行われたばかりです。bicycle

 ご懇意にさせていただいている皆様のお手元に近々お送りさせていただく予定です。

 よろしくお願い申し上げます。 

 

【金融・企業法務】 銀行が信用保証協会の保証により会社に金銭を貸し付けたところ、会社が反社会的勢力関連企業であることが判明した場合、保証につき錯誤無効が否定された事例 東京地裁平成25年4月24日判決(控訴)

 判例時報No2193号(10月1日号)で紹介された東京地裁平成25年4月24日判決です。

 保証についての錯誤無効が否定されていますが、今ひとつわかりにくい理屈です。

 保証委託契約には暴力団排除条項が含まれていることが前提に、

 主債務者Aが反社会的勢力であること、Xにおいても反社会的勢力関連企業に対して貸し付けをしない方針であること、YがA,Bにつき一応調査を実施して反社会的勢力ではないと判断したことを理由に、

 Aの反社会的関連企業でないという属性が保証契約の重要な内容であったということができない

 次に、監督指針が公益的観点からのものであること、主債務者が反社会的勢力関連企業でないことがXとYの合意の内容になっていないこと、保証契約の締結後に反社会的勢力関連企業であることが判明した場合に保証契約の効力が失われることがXとYの共通の基盤になっているとはいえないこと等を指摘し、

 本件各保証契約の解釈上、Yの認識であったAが反社会的勢力関連企業でないことが保証契約の内容になっていたとはいえないから、Yにおいて認識の齟齬がなかったならば本件各保証契約における意思表示をしなかったであろうと認められるとしても、本件各保証契約が錯誤により無効となることはない

 主債務者が反社かどうかなんて、保証の重要な内容の1つだと思いますがね・・・・

 この理屈だと、大半が、錯誤無効できなくなってしまうのでは?

 多分、東京高裁では、結論はともかく、理屈は変わると思います。 

2013年10月20日 (日)

【消費者法】 訴訟の相手方の住居所を携帯電話番号の契約者情報を基に特定するために電気通信事業者に対し調査嘱託をしたところ、秘密保持義務等を理由に回答を拒否されたことが調査嘱託の発動を求めた訴訟当事者に対する不法行為となるか? 東京高裁平成24年10月24日判決

 判例タイムズNo1391号(2013.10号)で紹介された東京高裁平成24年10月24日判決です。 

 この高裁判決は、本件調査嘱託に対する回答を拒絶した行為は直ちには不法行為にはならないものの、

 故意又は過失により回答義務に違反して回答しないため、調査嘱託の職権発動を求めた訴訟当事者の権利又は利益を違法に侵害して財産的損害を被らせたと評価できる場合には、不法行為が成立する場合もありうるとしつつ、

 本件調査嘱託の嘱託事項は、調査嘱託の目的が記載されていないので、これを受け取った被控訴人としては、本件調査嘱託の目的が判明しない以上、秘密保持等のために回答を拒否したとしても、やむをえないとして、不法行為の成立を否定しました。

 ということは、調査嘱託事項の記載にも工夫すれば、回答拒絶が不法行為になりうる場合が発生するということになり、今後、この裁判例の基準にそった形での調査嘱託が増えてくるのではないかと思われます。

 本件は、高齢の控訴人がAから運用実態のないファンドへの投資名下に金員を騙取されたものとして、不法行為に基づく損害賠償請求をしたという事案が別件訴訟として係属しています。

 ソフトバンクは、弁護士会照会等においても、秘密保持義務を理由に、携帯電話番号の契約者情報の開示を行わないと聞いておりますが、是非とも、その方針を変更していただきたいものです。 

2013年10月19日 (土)

【金融・企業法務】 多額の借財と取締役会承認の確認

 銀行法務21No764号で紹介された「営業店からの質疑応答」です。

 会社が多額の借財を行う際には、会社法の規定で、取締役会の承認が必要です。 

 例えば、他社の保証をしたり、担保を提供したりする際には、金額や財産の価値によっては、多額の借財にあたり、取締役会の承認が不可欠です。

 ところが、自社の借入れについても、多額の借財にあたるような場合には、取締役会の承認は必要ですが、「大半の金融機関は、多額の保証や重要な財産の第三者のための担保提供については取締役会決議の有無を確認しますが、会社自身に対する多額の貸出や重要な財産の担保提供に際しては、取締役会決議の有無を確認していないようです。」と記事では説明されています。

 確かに、言われてみると、そんな気がするなあ~

 しかしながら、東京地裁平成24年2月21日判決は、銀行からの2億円の借入れが取締役会の承認決議を欠く「多額の借財」に当たり、かつ、銀行の職員が会社社長から取締役会承認は不要な借入と聞いていたことから、銀行は当該取締役会決議の欠缺について悪意であったなどとして、融資契約を無効と判断しました。

 怖いですねえ~

 この裁判例って、銀行員が取締役会承認を確認したため、悪意とされてしまったんですねえ~

 なお、今月号は、特集として、「行内弁護士の現状と課題」として、地域金融機関に勤務している弁護士の座談会などが紹介されていました。

 また、元銀行マンの弁護士の小論文の中に、「行内弁護士がいても外部弁護士は必要」というテーマで、①外部の中立的な立場の専門家の意見を参照しておく必要がある場合、②専門的・先端的な事案であり、行内弁護士が十分なスキルを持っているとはいえない事案の場合、③十分な人数を確保していても、スケジュールの関係などにより要員が不足する場合、④単純・定型的な訴訟事案など、弁護士であればだれもが処理にあたれるような事案に多忙な行内弁護士を充当するのが不合理な場合 だそうです。

 田舎弁護士は、②は×だなあ~ ①もどうかな? ③か、④ですかね~ 

 よろしくお願い申し上げます <(_ _)> 

2013年10月18日 (金)

【金融・企業法務】 新版 仮差押え・仮処分の法律相談

 新版 仮差押え・仮処分 の法律相談が、青林書院から、今年の8月26日に出版されましたので、早速購入してみました。 

 編著者の羽成先生は、中央大学の大先輩ですが、交通事故の分野でも著名な方です。あこがれますねえ。 

 5章に区分されています。①総論、②仮差押命令、③仮処分命令、④不服申立て、⑤保全命令の執行、そして、書式集となっています。

 

 旧版から9年が経過したことから、インターネットや出版等に対する各種保全処分の要請等、裁判実務においても新しい類型の保全処分がなされるようになったことから、これらについてもできるだけ具体的に紹介されている内容になっています。

2013年10月17日 (木)

【建築・不動産】 中途終了した設計監理業務の報酬額について平成21年国土交通省告示第15号を参考にするなどして認定判断した事例

 判例タイムズNo1391号(2013.10号)で紹介された大阪地裁平成24年12月5日判決です。

 本判決の要旨を説明します。

 本判決は、設計報酬と監理報酬の割合が明確に定められていない本件事案につき、告示15号が示している業務経費にかかる業務量の割合を参照としつつ、これに建物の意匠が重視されていたなどの本件事案の内容から技術料等経費分を考慮して、設計報酬と監理報酬の割合を認定したものです。

 また、狭義の出来高については、原告が積算方式(作成した図面やCGの枚数、打ち合わせ回数に単価を掛け合わせる方式)による報酬を請求したのに対して、これを採用せず、設計業務全体の進捗状況を中心とする諸般の事情を考慮して出来高を認定しました。

 報酬額の積算方式での算定は、告示15号においても採用されている方式であるが、本件事案では、そもそもの報酬額が積算方式で定められたものではなく、予想される建設工事費に対する割合(8%)により定められたものであったため、積算方式による算定は適切ではないと判断されたものだったようです。

 設計段階でキャンセルされる例は時折あります。だいたい、設計が無償と思っている方もなかにはおりますが、専門家が作成するものですから、無料と思うのはどうか?と思います。

 とはいえ、弁護士による法律相談も、無料と思っている方が増えてきているように思います。無料ほど適当なものはないと思いますが・・・・ 冷静に考えると、無料相談は、お金になるような事件の依頼を受けるための1つのツールですから、お金にならないような事件の相談はできるだけ短く簡単に終わらせるということになります。対価を得られないようなものに、わざわざ事前調査することもないように思います。

 債務整理専業の事務所の無料相談や法テラスでの無料法律相談(これも純粋な意味での無料法律相談ではありません。相談料は法テラスから弁護士に支払われます)等が普及したため、このように思われる方が増えているのでしょう。

 私の事務所では無料法律相談はできませんが、程度の高い良質な内容の回答を用意したいとは思います。 

2013年10月16日 (水)

【建築・不動産】 営業中のゴルフ場の用地に関する賃貸借契約の貸主が期間満了又は解約申入れにより同賃貸借契約が終了したとして、ゴルフ場経営会社に対し、当該土地の明渡しを求めた事案につき、明渡請求が権利濫用に当たらない等として、判決確定の日から1年間経過した日限りの明渡しが認められた事例 大阪高裁平成24年5月31日判決

 判例タイムズNo1391号(2013.10号)で紹介された大阪高裁平成24年5月31日判決です。

 本判決は、①Xら主張の債務不履行解除は認められない、②本件土地の賃貸借契約は、期間満了又は解約申し入れにより終了している、③YがXらに対して有益費償還請求権を有していないと判断した上、②に基づく明渡請求が権利の濫用に当たるか否かにつき詳細に検討を加えました。

 そして、本件判決は、

① 本件賃貸借契約は、XらとYの元代表者との特別な信頼関係の下で締結されたもので、Yの経営が元代表者らの手から離れた場合に賃貸借契約の解消を求めることが、本件賃貸借契約締結当時の当事者の意思に反するとか、身勝手とはいえないこと、

② Yが本件土地を明渡した場合においても、相当な蓋然性をもって、本件ゴルフ場が閉鎖・廃棄に至るとまで認められず、かえって、コースレイアウトを変更の上、営業を継続できる可能性が高いこと、

③ YがXらに対し本件土地を返還し、Xらが本件ゴルフ場内を通って往来しても、必要な場合に防球ネットを設置するなどすれば、その安全性が確保されること、

④ 本件土地返還によるコースレイアウトの変更のための改修工事費用の負担にうちては、会社更生手続におけるデューデリジェンスにより新たな株主が本件土地の返還の可能性の情報を入手した上で取得したものであり、Yにおいて負担を余儀なくされてもやむを得ないこと、

⑤ 本件土地の返還が本件ゴルフ場関係者等の利害関係人に与える影響もそれほど大きくないこと、

⑥ 本件土地は、一団の相当な面積の土地であり、返還後の利用価値は存在し、Xらは利用する予定を有していること

⑦ Xらの本件土地の明渡請求にはYを害する目的は認められないこと

 などを理由に、本件土地の明渡しに際し、改修工事が必要であることから、判決確定後1年間の猶予期間を認めれば、Xらの本件土地の明け渡し請求は権利の濫用には当たらないと判断しました。 

2013年10月15日 (火)

【建築・不動産】 通行地役権者が承役地の担保不動産競売による買受人に対し、地役権設定登記がなくとも、通行地役権を主張することができる場合 最高裁平成25年2月26日判決

 判例時報No2192号(9月21日号)で紹介された最高裁平成25年2月26日判決です。

 最高裁判決の要旨は以下のとおりです。

 最高裁は、通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において、

 「最先順位の抵当権の設定時」に、既に設定されている通行地役権に係る承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることが客観的に明らかであり、かつ、上記抵当権設定権者がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは、

 特段の事情がない限り、

 登記がなくても、通行地役権は上記の売却によっては消滅せず、通行地役権者は、買受人に対し、当該通行地役権を主張することができる」

 と判断しました。

 なかなかおもしろい裁判例です。 

 

2013年10月14日 (月)

【交通事故】 起立性頭痛認められず8回のブラッドパッチも症状の改善ない等から32歳女子の低随液圧症候群を否認、67歳まで5%の労働能力喪失で逸失利益を認めた 名古屋高裁平成25年6月21日判決

 自保ジャーナルNo1902号(9月26日号)で紹介された名古屋高裁平成25年6月21日付け判決です。

 原告は、約4200万円の請求に対して、第1審は、約2200万円の認容、第2審は、0円です(払いすぎ)。 

 第1審判決は、低髄液圧症候群を認め、後遺障害等級9級を認定した上で、25%の素因減額をしています。

 以下、第1審判決の要旨を説明します。

 原告の症状は、事故後約2ヶ月後から、頭痛、悪心、頸部痛、全身倦怠感、記銘力低下、背部のしびれ、活動性の低下、視異常等の症状が発現するようになり、ブラッドパッチ療法を8回も受けたにもかかわらず、その後症状は悪化しており、現在は歩行困難状態にまで至っていることが認められること、

 低髄液圧症候群と診断した医師の証言から、原告が発症している知覚、味覚の困難、記憶の障害、起立性頭痛などは、本件事故以外の他の原因から起こっている可能性は低い、

 頭部MRI、RI脳層シンチグラフィー、MRミエログラフィーなどにより、髄液が漏れていると判断した等によると、

 原告の症状は、低髄液圧症候群によるものであると認めることができるとし、低髄液圧症候群によるものであると認めることができる。

 第2審判決は以下のとおりです。

 乗用車を運転して信号交差点を信号待ち後に発信した際に、信号無視被告乗用車に衝突された32歳女子の原告の低髄液圧症候群につき、

 就寝中も頭痛が生じるため、寝床に頭痛薬を常備している等から、原告に生じている頭痛が、起立性頭痛であるとは認めがたいとし、

 合計8回にわたってブラッドパッチ療法を受けているものの、その施術によっても、原告の頭痛が消失することはなく、かえって増悪することもあること

 から、原告に低髄液圧症候群の発症を否認しました。

 髄液漏出の画像所見につき、原告は、B整形外科において、頸椎及び腰椎を対象とするMRI検査を受けたものの異常所見は見られておらず、

 C病院脳神経外科において行われたMRI検査等によっても、これを実施した放射線科医による画像診断報告書には、特に異常はなく、漏出を疑わせるような所見はない旨記載されている等から、原告に髄液漏出は認められないと判断しました。 

 前述のとおり、第1審では、2200万円認容されていますが、第2審では、0円です。

 裁判って、怖い・・・・ 

 

 

2013年10月13日 (日)

【金融・企業法務】 最高裁生活を振り返って 田原睦夫

 金融法務事情No1978号(9月25日号)に、田原睦夫前最高裁判事の講演録が紹介されていました。 

 田原裁判官とは昔田原先生が松山にこられた際に、会合で少しお話させていただいたことがありますが、上から目線の方で、大変緊張したことを思い出しました。coldsweats02

 それはそうとして、サラ金を取り扱う弁護士や司法書士の中では、奄美公設事件という有名な最高裁判決が話題にでることがあるのですが、かなりの分量をさいてお話をされていたのにはびっくりしました。

 「奄美大島に、日弁連ひまわり基金公設事務所に行っていた弁護士が債務処理に絡んで、後任の弁護士が代理人になって損害賠償を請求された事件があります。

 過払いの、もうかる事件だけやって、それ以外の事件を放ったらかしにして転勤したとして。それがけしからんと言って、次の弁護士が損害賠償請求して、かつ懲戒申立てをしたら、その懲戒申立てがまた懲戒事由に当たると言って、懲戒合戦をやっている。そういう事件が十何件上がってきました。

 最高裁で取り上げた事件は、いわゆる時効待ち。交渉して話がつかない事件については、もう時効を待ちましょうよということでほったらかしにしていたら、相手はプロミスですから、1万や2万円位の債権額なら時効にかけるだろうけれども、上場企業が債権を時効にかけるなどという債権管理はやっていませんから、当然訴訟を起こされてー延滞金利、法定金利に引き直してもそこそこになりますからーその請求を受けて支払うことになりました。そこでそれを時効待ちしたことがけしからんということで当初の代理人弁護士に対して損害賠償請求を行い、1審は認めました。

 1審はほかの事件もたくさん認めたのですけれども。とくに最初の事件などは、判例時報に掲載されていますから、それをお読みになれば、その弁護士がどんな人物かはよくわかります。

 破産者たる者は人格的に欠陥があって、という類いのことを言っていると1審判決が認定しているわけです。」 

 このブログでも奄美公設事件の裁判例はとりあげたことがありますが、第1審判決を読む限り、弁護士としてどうかな?と感じた部分はありました。この弁護士が執筆した「自由と正義」の論文を読んだ時も、同様の、何かしらんの違和感を感じたものです。

 私自身は、時効待ちというのはほとんどやったことがありません。やはり、お客さんと後日トラブルになりますから。また、受任通知を出しておきながら、消滅時効を援用するというのは、信義則違反ともいえるのではないかと個人的には強く思っています(多分、私だったら、依頼人が強く時効待ちを主張された場合には辞任するんだろうなと思います。)。

 しかし、「上場企業が債権を時効にかけるなどという債権管理はやっていませんから」というのは、サラ金に限ってはそうではないように思います。10年間何も支払いがないのに、突然、請求を受けたという事案は、多くはありませんが、ぼつぼつはあります。その意味で、少し、街弁である私の認識との間に相違があります。

 雲の上の最高裁での審理の過程や状況等がわかり、貴重な講演だと思いました。ただ、大変厳しい環境のようで、まったりとした田舎弁護士には到底つとめることができそうもないことだけが明確にわかりました。 

2013年10月12日 (土)

今治経済研究会10月例会

 昨日、愛媛新聞主催の「今治経済研究会」に参加してきました。

 今治FCの木村孝洋監督による講演で、演題は、 「世界のサッカー 日本のサッカー 今治のサッカー」ということでした。

 成果主義のサッカー業界において、いかに厳しい闘いが行われていると知って、大変刺激を受けました。

 

 最近の弁護士の業界にも、通じるものがあります。

 

 裁判や勝訴的和解を得なければ、満足されないお客様がほとんどですからね(昔は、医師の仕事に近くて、弁護士が一生懸命していれば、大きな不満を抱かれないお客様も少なくなかったですが・・・)。

 ただ、負け筋の事件の勝訴判決を得るというのは、実際にはあまりない(有利な和解が得られるということは時折あります。)ので、結局、証拠がそろっているかどうか等の筋によるのですが、敗訴判決を得ると言い訳めいて説明が難しいですね。 

 

 FC今治のホームページ です。 

 

 今治の大きな会社等がスポンサーになっているようです。

 皆さん、応援して下さいね。 

 

2013年10月11日 (金)

【流通】 消費税転嫁対策に関する講師養成研修会(大阪)に参加いたしました。

 弁護士法人しまなみ法律事務所は、「認定経営革新等支援機関」です。今回、中小企業基盤整備機構から、消費税転嫁対策に関する講師養成研修会が開催されましたので、日程の調整をつけて、参加しました。

 研修会場は、大阪駅前第三ビルの17階でした。

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 教室の扉には、研修会場の張り紙がされていました。

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 教室に入ると、早速、研修テキストをいただきました。  

 
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 タイムスケジュールは、第1部が、公正取引委員会から、消費税転嫁対策特別措置法についての、制定経緯、趣旨、転嫁対策の行為是正、第2部が、消費者庁、財務省、公正取引委員会から、転嫁を阻害する表示の是正、価格表示の特別措置、転嫁・表示カルテルでした。

 ただ、全部で2時間の研修なので、事前予習をきっちりしている田舎弁護士にはやや物足りない感じでした。 


 以下は、宣伝?です。

 経営革新等支援機関に認定されているしまなみ法律事務所は、無料の消費税転嫁対策講習会を一定の条件(1回あたり15名以上等)のもとで開催することが可能となっております。 とはいえ、当事務所単独では、講習会を実施することは考えておりません(開催の手引きをみると結構大変)。他の認定革新等支援機関からの要請があれば、原則としてお引き受けしたいと思います。

 但し、10月17日から1月末日までの開催に限定され、しかも、愛媛は枠は20しかないようですので、講習会を実施される機関は早めに動かれた方がいいかもしれませんね。 

2013年10月10日 (木)

【労働・労災】 詳解職場のメンタルヘルス対策の実務 第2版

 民事法研究会から、今年の3月15日に発行された「詳解職場のメンタルヘルス対策の実務」(第2版)です。 

 先日、高松出張の際に、宮脇書店で購入しました。 

 内容的には、ざっとしか読めませんでしたが、トラブル時の対応策として、精神疾患等をめぐる訴訟実務が具体的に説明されていること、つまり、精神疾患が紛争になればどのような点が争われるのかについて紛争事例を説明されているほか、Q&A形式の具体的なケースをとおした解説、そして、就業規則や書式例が掲載されており、参考になりそうです。

2013年10月 9日 (水)

【金融・企業法務】 財産開示の実務と理論

 今年の8月に出版された「財産開示の実務と理論 」という書籍です。

 苦労して債務名義をとった、でも、払ってくれない・・・・

 こんな経験をしている弁護士って多いと思います。

 相手が会社員や公務員のような場合にはたいてい払ってくれるのですが、無職とか、赤字の会社とかの場合は、支払ってくれず、開き直る人や会社もまれではありません。

 依頼者からは、1年も2年もかかって裁判してようやく勝ったのに回収できないなんてと、クレームが入ることもあります(受ける前に、その旨の説明は十分しているのですが)。

 財産開示制度は、逃げ得を許さない目的でもうけられたものです。

 ただ、私も複数回財産開示制度の利用を行いましたが、あまり結果はよくありません・・・・

 今回の書籍は、財産開示という実務上戦略的な類書が少ない中で、弁護士の視点から書かれたものであり、大変参考になると思います。全部で、10章にわかれています。0 序章 ①手続きの手引き ②財産開示手続を有効活用するためのヒント、③現行法の通論、④裁判例、⑤実例集、⑥諸外国の財産開示、⑦日本の財産開示、⑧展望、⑨書式資料です。

2013年10月 8日 (火)

【流通】 建設業法令遵守ガイドライン(再改訂) No4

 建設業法による下請代金回収については、民事法研究会から出版されている田中彰寿弁護士による「建設業法による下請代金回収の理論・実務と書式」が秀逸ですが、なかなか学究肌の先生らしくて、労働関連の論文も接することがあります。

 ガイドラインの続きです。

8 工期

(1) 工期に変更が生じた場合には、当初契約と同様に変更契約を締結することが必要

(2)下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず工期が変更になり、これに起因する下請工事の費用が増加した場合には、元請負人がその費用を負担することが必要

(3)元請負人が、工期変更に起因する費用増を下請負人に一方的に負担させることは建設業法に違反するおそれ

9 支払保留

(1)正当な理由のない長期支払保留は建設業法に違反

(2)望ましくは下請代金をできるだけ早期に支払うこと

10 長期手形

(1)割引を受けることが困難な長期手形の交付は建設業法に違反

(2)望ましくは手形期間は120日を超えないこと

11 帳簿の備え付け・保存及び営業に関する図書の保存

(1)営業所ごとに、帳簿を備え、5年間保存することが必要

(2)帳簿には、営業所の代表者の氏名、請負契約・下請契約に関する事項などを記載することが必要

(3)帳簿には契約書などを添付することが必要

(4)発注者から直接建設工事を請け負った場合には、営業所ごとに、営業に関する図書を10年間保存することが必要

2013年10月 7日 (月)

【流通】 建設業法令遵守ガイドライン(再改訂) No3

 建設業法のガイドラインの続きです。

 6 やり直し工事

(1)やり直し工事を下請負人に依頼する場合は、やり直し工事が下請負人の責めに帰すべき場合を除き、その費用は元請負人が負担することが必要

(2)下請負人の責めに帰さないやり直し工事を下請負人に依頼する場合は、契約変更が必要

(3)下請負人の一方的な費用負担は建設業法に違反するおそれ

(4)下請負人の責めに帰すべき理由がある場合とは、下請負人の施工が契約書面に明示された内容と異なる場合又は下請負人の施工に瑕疵等がある場合

 7 赤伝処理

(1)赤伝処理を行う場合は、元請負人と下請負人双方の協議・合意が必要

(2)赤伝処理を行う場合は、その内容を見積条件・契約書面に明示することが必要

(3)適正な手続きに基づかない赤伝処理は建設業法に違反するおそれ

(4)赤伝処理は下請負人との合意のもとで行い、差引額についても下請負人の過剰負担となることがないよう十分に配慮することが必要

 

2013年10月 6日 (日)

【流通】 建設業法令遵守ガイドライン(再改訂) No2

 数年前は経済法がらみの相談は田舎弁護士にはほとんどありませんでしたが、最近は、下請法、独占禁止法、建設業法、消費税転嫁対策特別措置法等、下請け取引規制にかかわる相談やセミナーの依頼があるようになりました。

 時代においていかれないよう勉強していく必要があります。

 ガイドラインの続きです。

 3 不当に低い請負代金

(1)不当に低い請負代金禁止の定義

(2)事故の取引上の地位の不当利用とは、取引上優越的な地位にある元請負人が、下請負人を経済的に不当に圧迫する取引等を強いること

(3)通常必要と認められる原価とは、工事を施工するために一般的に必要と認められる価格

(4)建設業法第19条の3は契約変更にも適用

 4 指値発注 

(1)指値発注は建設業法に違反するおそれ

(2)元請負人は、指値発注により下請契約を締結することがないよう留意することが必要

 5 不当な使用資材等の購入強制

(1)不当な使用資材等の購入強制の定義

(2)建設業法19条の4は、下請契約の締結後の行為が規制の対象

(3)自己の取引上の地位の不当利用とは、取引上優越的な地位にある元請負人が、下請負人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いること

(4)資材等又はこれらの購入先の指定とは、商品名又は販売会社を指定すること

(5)請負人の利益を害するとは、金銭面及び信用面において損害を与えること

(6)元請負人が使用資材等の指定を行う場合には、見積条件として提示することが必要

 

 

 

 

2013年10月 5日 (土)

【流通】 建設業法令遵守ガイドライン(再改訂) No1

 建設業法令遵守ガイドラインが平成24年7月に再改訂されていました。

 建設業法にも、下請法と似たような下請保護規定があります。建設業法についての下請保護については、民事法研究会から出版されている「建設業法による下請代金回収の理論・実務と書式」が勉強になりますが、建設業法令遵守ガイドラインは、建設業法についての下請保護を理解するためには、不可欠な手引きです。 

 ガイドラインの目次を拾うだけでも勉強になります。 

 1 見積条件の提示

 (1)見積りに当たっては下請契約の具体的内容を提示することが必要

 (2)望ましくは、下請契約の内容は書面で提示すること、さらに作業内容を明確にすること

 (3)予定価格の額に応じて一定の見積期間を設けることが必要

 2 書面による契約締結

  2-1 当初契約 

  (1) 契約は下請工事の着工前に書面により行うことが必要

  (2) 契約書面には建設業法で定める一定の事項を記載することが必要

  (3)注文書・請書による契約は一定の要件を満たすことが必要

 ア 当事者間で基本契約書を取り交わした上で、具体の取引については注文書及び請書の交換による場合

 

イ 注文書及び請書の交換のみによる場合

(4)電子契約によることも可能

(5)建設工事標準下請契約約款又はこれに準拠した内容を持つ契約書による契約が基本

(6)片務的な内容による契約は、建設業法上不適当

(7)一定規模以上の解体工事の場合は、契約書面にさらに以下の事項の記載が必要

2-3 工期変更に伴う変更契約

(1) 工期変更にかかる工事の着工前に書面による契約変更が必要

(2) 工事に着工した後に工期が変更になった場合、追加工事等の内容及び変更後の工期が直ちに確定できない場合の対応

(3)下請負人の責めに期すべき理由がないにもかかわらず工期が変更になり、これに起因して下請工事の費用が増加したが、元請負人が下請工事の変更を行わない場合は、建設業法違反

(4)下請負人の責めに帰すべき理由がないにもかかわらず工期が変更になり、これに起因して下請工事の費用が増加した場合に、費用の増加分について下請負人に負担することは、建設業法第19条の3に違反するおそれ

(5)追加工事等の発生に起因する工期変更の場合の対応

 

弁護士の逮捕が相次ぐ・・・ 日弁連さん、「人権」とか言っている場合ではないのではないでしょうか?

 

 今週は、弁護士業界にとっては、驚天動地のニュースが2件報道されました。

 1つは、元日弁連常務理事の逮捕(巨額の詐欺)、もう1つは、中堅弁護士の逮捕(殺人)です。

 いずれも容疑を否認しているために、軽々に論じることはできませんが、仮に真実であれば、弁護士の国民からの信頼を大きく損なう行為であり、とんでもない話です。

 後者の、殺人事件の場合は、兄弟間の出来事なので、仮にやっているとすれば、自制心のない弱い人間だったのでしょう。司法修習51期で現在の年齢を考えると、おそらく司法試験の順位は500番以内だったと思いますが、それほど苦労して得たバッチを失うような行動に出てしまった行為に至る経緯については今後分析が必要だと思います。事務所の同僚弁護士の方がテレビに出て、容疑者のことを消極的に評価されていましたが、そうすると、独立開業しても、競争の激しい東京の事務所であることを考えると、経営も結構厳しかったのではないでしょうか。

 前者の、詐欺事件は、弁護士の国民からの信頼を損なうという点では、仮に真実であれば、後者よりも深刻だと思います。元日弁連常務理事、元弁護士会副会長などなど、肩書きがすごいのです。私のような田舎弁護士でも、肩書きをみると、信頼してしまいます。そのような大物弁護士が、詐欺を働いたとすれば、国民は、弁護士を信頼することができなくなるのではないかと思います。別件で後見人の弁護士が横領したことがありましたが、 その方も弁護士会副会長経験者でした。なぜ、大物弁護士がこのような危ないことに手を出すようになったのか、事件の背景を分析すべきだと思いますが、まずは、日弁連、単位弁護士会は、依頼人等から損害賠償請求を受けている弁護士等を調査して、危なそうなところは、なんらかの対応を講ずる必要があるのではないでしょうか。

 懲戒も、一昔前は、長老に属するような方が中心でしたが、最近は、若手から長老まで年齢層が広がっているように感じています。

 本人特有の資質の問題と片付けることができたらいいのでしょうが、特に、詐欺、横領等は少なくない件数が発生していると感じていますので、最近の弁護士固有の問題が背景にはあるのではないかと思います。

 もしそうだとすれば、今後も同様の詐欺、横領は発生します。

 弁護士の国民の信頼を得るためには、①新人から長老を含めての能力担保、②中の上程度(大卒の賃金センサスくらいの収入は必要です。今では院卒)の安定した経済的な収入、③弁護士会による個々の弁護士の監督権強化、そして、④不祥事を起こした場合の補償制度を構築していくことが必要ではないかと思います。

 弁護士賠償保険は、弁護過誤のときには支払い対象となりますが、最低限これを付保しておく必要があります。

 ただ、弁護士会で上記のような議論がされているのかどうかは、末端の田舎弁護士のところまでは届いていません。  

 このまま不祥事が続き、対策が甘いと、弁護士自治なんて、奪われてしまうでしょう。 

2013年10月 4日 (金)

【労働・労災】 メンタルヘルス問題とその対応策 Q&A 労働開発研究会

 労働開発研究会から5月に発行された「最新判例から学ぶメンタルヘルス問題とその対応策Q&A 」を、横浜弁護士会(地下1階)の書店で購入しました。

  最近、メンタルヘルス事案のご相談が増えています・・・

 この書籍は5月17日に発行された「メンタルヘルスにまつわる募集・採用、休職発令、休職者の処遇、治癒と職場復帰、復職後の勤務(リハビリ勤務を含む)・処遇、再発した場合の取扱、退職・解雇など雇用のステージ毎に生ずる問題点について述べ、さらに、メンタルヘルスと労災認定・安全配慮義務にまつわる問題、そしてメンタル不調の防止策と就業規則の整備について触れています」。

 章は10章に区分されています。

 ①メンタルヘルスと採否、②メンタルヘルスと休職発令、③休職者に対する処遇と病状報告義務、④治癒と職場復帰にまつわる諸問題、⑤復帰後の勤務・処遇及び配置、⑥復職後メンタルヘルス不調が再発した場合の取扱、⑦メンタルヘルス不調と退職、解雇、⑧メンタルヘルスと労災認定、⑨メンタルヘルスと使用者の安全配慮義務、⑩メンタルヘルス不調の防止策とメンタルヘルス対応を踏まえた就業規則の整備です。

 メンタル事案は、解決が長引く場合も少なくないので、早期に弁護士に相談されることをお勧めいたします。 

 

 

2013年10月 3日 (木)

【労働・労災】 労働審判紛争類型別モデル(第2版)

 大阪弁護士協同組合から7月20日出版された「労働審判紛争類型 モデル」(第2版)です。

  29の類型ごとに整理されています。

 第1章 解雇・退職

 ①採用内定の取消し、②試用期間満了による本採用拒否、③傷病による能力欠如を理由とする解雇、④整理解雇、⑤業務量減少による雇止め、⑥私生活上の非行による懲戒解雇、⑦懲戒解雇(懲戒解雇事由の追加、普通解雇の主張の追加)、⑧退職届の撤回と無効、⑨退職勧奨の禁止と損害賠償請求

 第2章 賃金・賞与・退職金・残業代等の請求 

 ①未払賃金請求(私傷病による労務の提供の許否)、②賃金債権と損害賠償請求権の相殺合意、③賞与請求(支給日在籍条項)、④解雇予告手当請求(解雇か退職か)、⑤退職金請求(退職金請求と不支給・減額条項)、⑥退職金請求(従業員兼務取締役の退職金)、⑦残業代請求(残業の指示、定額残業代の適法性)、⑧残業代請求(管理監督者と管理職)、⑨残業代請求(仮眠時間、休憩時間、手持ち時間)、⑩人事考課(基本給の昇給査定、賞与査定)、⑪賃金切り下げ(役職降格等に伴う役職手当減額、賃金切り下げ)、⑫賃金の切り下げ(就業規則の不利益変更)

 第3章 人事・損害賠償その他

 ①配転(遠隔地配転命令)、②出向(復帰を予定しない出向、出向か転籍か)、③懲戒処分(公益通報・企業批判)、④セクシャアルハラスメントに対する損害賠償請求、⑤パワーハラスメントに対する損害賠償請求、⑥労働災害による損害賠償請求、⑦派遣労働契約の中途解約、⑧高年齢者雇用安定法と雇用継続拒否 

 ざっと、斜め読みした感じだと、現在のところ、労働審判関係の書籍では実務上使いやすい書籍の1つだと思いました。

 

 

 

 

2013年10月 2日 (水)

【交通事故】 リーガルプログレッシブ 交通損害関係訴訟(補訂版) 

 今年の7月31日に、リーガル・プログレッシブ・シリーズの「交通損害関係訴訟 」が出版されていたので、購入しました。 

 同書は、東京地裁民事27部、つまり、交通専門部に所属していた裁判官の手によるものであり、大変参考になる書籍の1つです。 

 私自身は、交通事故事案の際に、高裁の或る裁判官がこの書籍を机の横に置いていたことから、是非、購入して読んでおく必要があるなあと思って、旧版を購入したことを思い出しました。 

 ただ、正確には、補訂版であり、「必要最小限度の改訂」にとどまっているようです。

2013年10月 1日 (火)

弁護士考

  判例タイムズNo1391号の「第5回裁判の迅速化に係る検証結果について」という記事をみると、私が危惧するようなデータが紹介されていました。

 弁護士の売り上げの大半を占めるであろう民意第1審訴訟ですが、平成15年は、過払い金を除くと、約11万4000件、平成23年は、約9万件、平成24年は、約9万2000件になっています。過払い金も、平成21年の約14万4000件をピークに減少を続け、平成23年には約10万6000件、平成24年には約6万8000件にまで減少しています。

 これに対して、弁護士の数は、平成4年は約1万4000人だったのが、平成15年には、約1万9000人、平成24年には、約3万2000人と、大幅に増加しています。

 弁護士会等の法律相談は、平成15年ころには無料が約29万件、有料が25万件だったのが、平成23年には、無料が約51万件、有料が9万9000件になっています。

 法テラスの民事相談援助も、平成19年には、約14万件だったのが、平成23年には約28万件に増加しています。

  このデータからも、弁護士業界を取り巻く経済的な環境は年々厳しさを増していることがわかります。 

  このような状況の中で、高い弁護士会費、立派な弁護士会館などは見直しされるべきです。

 また、経済的な環境が年々厳しくなる中、弁護士による横領は、今では珍しくなくなりました。司法書士の団体は、後見人が横領した場合には、500万円であれば補填するという記事を読んだことがあります。弁護士会も同様の制度を創設するべきです。

 司法試験合格者の数も需要がないにもかかわらず増やし過ぎたのは大きな誤りです。せいぜい1000人程度で十分ではないかと思います。   

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