【倒産】 不動産賃貸借契約の終了時に再生債務者ないし破産管財人が占有を継続したことによって生ずる損害金債権が共益債権ないし財団債権となる範囲 東京高裁平成21年6月25日判決
金融法務事情No1976号(8月25日号)で紹介された東京高裁平成21年6月25日判決です。
う~ん なんで、平成21年の判決を今頃紹介することになったんやろか?
それはさておき、判旨を紹介します。
再生手続開始決定後、再生債務者が不動産賃貸借契約の解約による明渡期限経過後も当該不動産の占有を継続し、再生手続が破産手続に移行した後も破産管財人が占有を継続した事案において、
賃貸人が、約定の損害金として賃料相当額の倍額および年18%の遅延損害金を請求したのに対して、
共益債権ないし財団債権となるのは、当該不動産についての賃料相当額及びこれに対する民事法定利率による遅延損害金に限ると判断した事例。
ある程度の財団を形成できそうな事案の時に、不動産の占有が続く場合に、これが共益債権や財団債権になってしまう場合、一般債権者からクレームがでる可能性もあるために、悩ましい問題です。
特に田舎の場合には、明け渡そうにもそのための費用を捻出することができず、さりとて、賃貸人も積極的に動かない(他に賃借するような先もないため)ため、不動産の占有が続くことがあります。
結局、大家さんにデメリットを説明して、明け渡しに協力していただくことが多いのですが、今回の裁判例は、協力していただけない場合の対処法の1つとして参考になります。
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