【流通】 消費税の転嫁対策特別措置法 5つのポイント No1
日本商工会議所から、6月28日に、「消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント」という小冊子が配布されています。
ブログ執筆時点(7月20日)では、政府からガイドラインが公表されていないために、確定的な表現は避けつつも、「6月14日現在の情報を基に、法律の概要をいち早くお届け」されたものとして、参考になります。
全部で20頁足らずの小冊子ですが、ガイドラインが公表されていない中で、大変わかりやすいパンフレットになっております。
以下、パンフレットの内容の一部を紹介いたします。
まず、転嫁対策特別措置法の5つのポイント、即ち、①「消費税の転嫁拒否等の行為(減額、買いたたき等)が禁止されます」、②「消費税に関連するような形での安売り宣伝や広告を行うことが禁止されます」、③「『総額表示』義務が緩和され、『外税表示』『税抜き価格の強調表示』が認められます」、④「中小企業が共同で価格転嫁すること(転嫁カルテル)や、表示方法を統一すること(表示カルテル)が認められます」、⑤「国民に対する広報、通報者の保護、態勢整備は国等が責任をもって行うことになります」に、項目をわけて、わかりやすい解説がなされています。リンクを貼っておきますので、詳細はリンク先で確認下さい。
今回は、その中で、②「消費税に関連するような形での安売り宣伝や広告を行うことが禁止されています」ことについて見てみます。
この規制は、中小企業を含む「全ての事業者」となっています。
(1)「消費税は転嫁しません」、「消費税は当店が負担しています」などの取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示、
(2)「消費税率上昇分値引きします」などの取引の相手方が負担すべき消費税額を対価の額から減ずる旨の表示であって、消費税との関連を明示している旨の表示、
(3)「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」などの消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示であって、(2)の表示に準ずるものとして内閣府令で定める旨の表示
は、禁止されます。
では、「消費税」と言わなければいいの?という質問が当然出ると思いますが、
これに対しては、「消費税」という言葉を使わない表現については、宣伝や広告の表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ、禁止される表示にあたらないとされています。
ただ、詳細は、ガイドラインの公表まで待たないとわからないんですよね~
パンフレットには、
消費税との関連性がはっきりしない「春の生活応援セール」とか、
たまたま消費税率の引き上げ幅と一致するだけの「3%値下げ」等
は、許容される表現として紹介されていますが、後者は実際には微妙じゃないですかね???
政府の方で消費税を増税しておきながら、「消費税還元セール」を始め、消費者へのアピール手段に規制がかけられると、消費者が買い控えを行う可能性も高いと思いますが、これとの調整はどのようにされるのでしょうかね?
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