【流通】 消費税の転嫁対策 経済産業委員会調査室レポート No3
引き続き、経済産業委員会調査室レポートに基づく解説です。
レポートでは、平成元年の消費税導入時、平成9年の消費税率引き上げ時との、過去の対策との比較を行っております。
レポートから一部を引用します。
「今般の消費税率引上げに当たっては、過去の転嫁対策に比べ措置事項が多い。表中の①から⑤に関して、今般は法律に基づく対応とされたが、これまでは平成元年の消費税導入時に、④に関しての法的措置が応じられただけである。
そもそも消費税は円滑に転嫁されるべきものであり、消費税の転嫁拒否等の行為に対しては、税率の引上げいかんにかかわらず、独占禁止法、下請法による規制が適用されている。
平成元年の消費税導入時及び平成9年の消費税率引上げ時には、そうした規制の内容を分かりやすく記したガイドラインを作成することで対応していた。
特に平成9年の消費税率引上げ時には法的措置は講じられておらず、ガイドラインが果たした役割は大きかったと思われる。
そこで、ガイドラインの内容を含めて比較すると、総額表示義務導入後初めてのケースとなる③の価格の表示に関する特別措置を除外すれば、規制事項にあまり差はない。
実のところ上記3つの消費税転嫁対策としては、平成9年の消費税率引上げ時に、転嫁カルテル・表示カルテルを例外措置として認めなかったことが一番の相違点である。
今回の転嫁対策の特徴は、平成9年の消費税率引上げ時に認めなかった転嫁カルテル・表示カルテルを復活させたこと、ガイドラインに盛り込まれていた独占禁止法、下請法、景品表示法についての考え方を特別措置法として立案し、規制の強化を図ったことと思われる。」
今回の特別措置法は、過去の転嫁対策では、ガイドラインで対応していた規制内容を、特別措置として立法したということが、大きな特徴のようです。
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