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2013年8月31日 (土)

【労働・労災】 月刊監査役8月号 労働関係法の改正と実務運用上の課題

 最近、平成24年の第180回通常国会で改正された労働契約法、労働者派遣法、高年齢者雇用安定法についての、解説記事や研修をよく目にすることが増えました。

 月刊監査役の今回の論文(労働関係法の改正と実務運用上の課題)は、どっちかというと経営者側から、今回の改正に対する疑問点が投げられた論文のように感じました。

 まず、有期労働者の期間の定めのない労働契約への転換による実務上の課題としては、次のような問題を指摘されています。

 「実務上、現実的には有期労働契約でしか締結できない労働者が存在することを看過しており、そうした分野にとっては今後極めて困難な状況に直面することが予想されます。」

 「他にも、どうしても継続して勤務を続けてほしいが、無期転換されるのは困る、という労働者が存在することは否定しがたい事実です。このような場合は、無期転換権を放棄してもらうよう説得した上で、労働契約を更新する(放棄に応じてもらえない場合は雇い止めをおこなう)ことが考えられます。なお、厚生労働省の通達においては、無期転換権を放棄することはできないとしていますが、使用者としては雇い止めをおこなう以外に選択肢はなく、使用者及び労働者のいずれにもメリットのない不合理な結論となります。」

 「契約期間の通算は、法人が同一であれば、勤務する事業所が異なっていても通算されることとなります」、「有期契約労働者は各支店に任せていることも多く、支店数や従業員数の多い企業によっては、こうした偶発的な事象が生じないとはいえないことから、有期労働契約者についても退職者リストを作成し、法人として一括管理をおこない、採用の際には過去に同法人で勤務していた従業員でないか確認を行う必要があります。」

 今回の論文は、改正労働関係法の実務上の問題について説得的な問題が提起されており、参考になります。

2013年8月30日 (金)

【建築・不動産】 建物の地下1階部分を賃借して店舗を営む者が、建物の所有者の承諾の下に1階部分の外壁等に看板等を設置していた場合において、建物の譲受人が賃借人に対して当該看板等の撤去を求めることが権利の乱用に当たるとされた事例

 判例時報No2187号(8月1日号)で紹介された最高裁平成25年4月9日判決です。

 最高裁の判旨を紹介いたします。

 本件看板等は、本件建物部分における本件店舗の営業の用に供されており、本件建物部分と社会通念上一体のものとして利用されてきたということができる。

 上告人において本件看板等を撤去せざるを得ないこととなると、本件建物周辺の繁華街の通行人らに対し本件建物部分で本件店舗を営業していることを示す手段はほぼ失われることになり、その営業の継続は著しく困難となることが明らかであって、上告人には本件看板等を利用する強い必要性がある。

 上記売買契約書の記載や、本件看板等の位置などからすると、本件看板等の設置が本件建物の所有者の承諾を得たものであることは、被上告人において十分知り得たものということができる。

 また、被上告人に本件看板等の設置箇所の利用について特に具体的な目的があることも、本件看板等が存在することにより被上告人の本件建物の所有に具体的な支障が生じていることもうかがわれない。

 そうすると、上記の事情の下においては、被上告人が上告人に対して本件看板等の撤去を求めることは、権利の乱用に当たるというべきである。

 う~ん

 権利濫用か、珍しいですねえ~

2013年8月29日 (木)

【金融・企業法務】 ソーシャルメディアのリスクと対応策 銀行法務21 No761

 銀行法務21の8月号に、「ソーシャルメディアのリスクと対応策」という特集記事が紹介されていました。

 従業員によるソーシャルメディアの利用に対する対応策も、結局、1 問題となる情報が発信される前に行う事前の対応策と、2 情報の発信後に行う事後の対応策に、大きくわかれることになります。

 事前の対応策は、①利用ガイドラインの作成、②教育・研修の徹底、③モニタリング、④労務管理の4本柱からなります。

 事後の対応策は、緊急の度合いに応じて、①事態の早期発見、②謝罪を含む初期対応、③原因究明、④再発防止策の検討、⑤原因を作った従業員への責任追及(懲戒処分を含む)が、概ね想定されています。

 最近の問題となるソーシャルメディアは、従業員が私的アカウントを取得して、炎上するような事柄を書き込むようなケースが多く、なかなか会社が私的アカウントのモニタリングを実施するといっても、プライバシーや表現の自由との兼ね合いでは、難しいものがあります。

 特集記事は、現場のいろいろな試行錯誤なども踏まえて記事になっており、この問題を考える際には、参考になりそうです。

2013年8月28日 (水)

【保険金】 保険判例2013

 書店で、「保険判例2013」(保険毎日新聞社)が出ていたので、購入してみました。

 コンセプトは、2012年度に保険毎日新聞社において発表してきた保険判例等研究会の判例評釈及び新保険判例の動向を、訂正・加筆したもののようです。

 第1部が、平成23年~平成24年にかけての「判例評釈」です。

 第2部が、責任・新種・海上保険関係、傷害・生命保険関係、火災保険関係、自動車保険関係についての、新保険判例の動向です。

 保険専用の重要判例集といったところでしょうか?

 旅行の際に読めたらいいなあ~

2013年8月27日 (火)

【流通】 ガイドライン案 総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の適用除外についての考え方(案)

 消費者庁から、7月25日、「総額開示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の適用除外についての考え方」(案)が公表されました。

 即ち、価格の表示に関する特別措置のうち、「事業者が、税込価格に併せて、税抜価格を表示する場合において、税込価格が明瞭に表示されているときは、景品表示法第4条第1項(不当表示)の規定は適用しない。」(特別措置法第11条)についての解釈をガイドラインで定めています。

 特別措置法第11条の趣旨を改めて説明します。

 特別措置法第10条第3項の規定に従って税込価格と税抜価格を併記する場合、その表示方法によっては、当該表示価格が税込価格ではないにもかかわらず税込価格であると一般消費者に誤認を与え、景品表示法第4条第1項により禁止される表示(有利誤認)に該当する可能性が出てきます。

 とはいえ、税込価格が明瞭に表示されている場合には、価格について一般消費者に誤認を与えることにはならないために、景品表示法第4条1項の適用が除外されるのですが、このことを確認的に規定したものです。

 従って、「税込価格が明瞭に表示されているか否か」の考え方が重要になります。

 ガイドラインは、表示媒体における表示全体からみて、税込価格が一般消費者にとって見やすく、かつ、税抜価格が税込価格であると一般消費者に誤解されることがないよう表示されればよいと示しています。

 そして、判断にあたっては、①税込価格表示の文字の大きさ、②文字間余白、行間余白、③背景の色との対照性という要素を総合的に勘案することになっています。

 ガイドラインには、具体例のサンプルが紹介されています。結構、露骨に、税込価格を小さくしているものもあり、おもしろいです。 

【行政】 檜原村債権放棄議決事件 第一審判決 東京地裁平成25年1月23日判決

 判例時報No2189号(8月21日号)で紹介された平成25年1月23日判決です。

 概要を説明すると、

① 損害賠償の請求を目的とする訴訟を提起することの義務付けの訴えは、地方自治法242条の2第1項4号の請求に係る訴訟類型には該当しないとされた事例

② 村がその雇用されていた非常勤職員に対して手当を支給したことにつき村長に過失があるとする住民訴訟の係属中にされたその請求に係る村の損害賠償請求権を放棄する旨の村議会の議決が違法であり、当該放棄が無効であるとされた事例

 となっています。

 本件は、放棄議決の適法性に係る考慮要素を明示した最高裁平成24年4月20日判決同月23日判決が言い渡された後に、上記考慮要素に沿って放棄議決の適法性を判断した上で、放棄議決は違法であると判断された事案です。

2013年8月26日 (月)

【流通】 ガイドライン案 総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方(案)

 財務省から、7月25日に、「総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方(案)」が公表されました。

 総額表示義務に関する特例の適用を受けるためには、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」(誤認防止措置)を講じる必要があります。

 誤認防止措置としての表示は、消費者が商品等を選択する際に、明瞭に認識できる方法で行う必要があります。

 まずは、商品等を選択する際に防止措置を講じておく必要がありますので、例えば、誤認防止のための表示が、ア店内のレジ周辺だけで行われている、イ商品カタログの申込用紙だけに記載されている、ウインターネットのウェブページにおける決済画面だけに記載されていることなどにより、消費者が商品を選択する際に認識できない形で行われている場合がこの場合に該当します。

 次に、明瞭に認識できる方法で行う必要がありますので、防止のための表示が一般消費者にとって見づらいものであるなど、明瞭になされていない場合は、×です。

 税込価格のみを表示する場合の誤認防止措置については、ガイドラインは、「1個々の値札等において税抜価格であることを明示する例」、「2店内における掲示等により一括して税抜価格であることを明示する例」にわけて説明しています。

 ガイドラインは、「旧税率に基づく税込価格等で価格表示されている場合の誤認防止措置」に言及して、「1 新税率の適用後においても一時的に旧税率に基づく税込価格の表示が残る場合」、「2新税率の適用前から新税率に基づく税込価格の表示が行われる場合」にわけて説明されています。

 要は、消費者が商品等を選択する際に、誤認が生じないようにしておけ!とのことです。

2013年8月25日 (日)

【流通】 ガイドライン案 消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方

 消費者庁から、7月25日、消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方(ガイドライン案)が公表されていました。

 特別措置法は、①取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示、②取引の相手方が負担すべき消費税に相当する額の全部又は一部を対価の額から減ずる旨の表示であって消費税との関連を明示しているもの、③消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示であって②に掲げる表示に準ずるものを、禁止しております。

 また、当該表示に関する勧告、指導等は、消費者庁長官等が実施することになっています。

 禁止されている例示を見る限り、凡そ、消費税分を値引きすることを想像させるような表示は、禁止されることになります。

 従って、表示の中に「消費税」という表現を使うと、アウトになる可能性が高いです。

 もっとも、ガイドラインによれば、「『消費税』といった文言を含む表現であっても、消費税分を値引きする等の宣伝や広告でなければ、本条で禁止されることはない、例えば、『毎月20日は全品5%割引セール(なお、4月1日から消費税率が8%になります。)』との表示自体では直ちに禁止されるものではない。」とされています。

 禁止されない表現の例示は、以前のブログ記事で紹介したとおりです。

 グレーの場合って、どんなばあいだろうか? ガイドラインで、「・・・・という表示」は、直ちには、違反するとはいえないが、望ましいものではない等との説明があってもいいのではないかと思います。でも、グレーを明示すると、弊害が出てくるんだろうなあ。

 

2013年8月24日 (土)

【流通】 ガイドライン案 「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方」 No4

 ガイドラインP17~P18は、「第3 消費税率引上げに伴う下請法上の考え方」の解釈を示しています。

 下請法に違反する親事業者の行為は、特別措置法で定めている「減額」、「買いたたき」、「購入・利用強制及び不当な経済上の利益提供要請」の他、①受領拒否、②下請代金の支払遅延、③不当返品、④割引困難な手形の交付、⑤不当な給付内容の変更及び不当なやり直しが挙げられています。

 ここでも、特別措置法と下請法との関係が問題となりますが、ガイドラインでは、特別措置法が優先すると明記されています。

2013年8月23日 (金)

【流通】 ガイドライン案 「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方」 No3

 ガイドラインP13~P16は、「第2 消費税率引上げに伴う優越的地位の濫用規制等に係る独占禁止法の考え方」を説明しております。

 消費税率引上げに際して、取引上優越した地位にある事業者が取引の相手方に対し、例えば次のような行為を行う場合は、優越的地位の濫用等として独占禁止法に違反するおそれがあります。

 独占禁止法においては、①対価の一方的設定や値引き、②受領拒否、納期の延期、③不当返品、④支払遅延、⑤協賛金等の負担の要請、⑥購入・利用強制、⑦その他の取引条件の設定・変更等、⑧取引拒絶、⑨差別対価、差別的取扱いが、禁止されています。

 特別措置法とかなり重なっていますので、独占禁止法との関係が問題となります。

 ガイドラインによれば、双方のいずれにも違反する行為については、特別措置法を優先し、特別措置法の勧告に従った場合には、よしとするが、従わない場合には、独占禁止法に基づき厳正に対処すると説明されています。

 これって、結構悪質なことをしても、反省さえすれば、特別措置法の勧告ですますという変なメッセージにならないか心配ですね。

 

2013年8月22日 (木)

【流通】 ガイドライン案 「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方」 No2

 ガイドラインP6~8は、「3 買いたたき(第3条第1号後段)」の解釈を示しています。

 「買いたたき」は、平たくいえば、商品又は役務の対価について、合理的な理由なく通常支払われる対価よりも低く定める行為を言います。

 「減額」は露骨ですから、「買いたたき」の方がより多く発生しやすいのではないかと思います。

 「買いたたき」とはならない合理的な理由がある場合として、ガイドラインは、3つ例示しています。

 ① 原材料価格等が客観的にみて下落しており、当事者間の自由な価格交渉の結果、当該原材料価格等の下落を対価に反映させる場合

 ② 特定事業者からの大量発注、特定事業者と特定供給事業者による商品の共同配送、原材料の共同購入等により、特定供給事業者にも客観的にコスト削減効果が生じており、当事者間の自由な価格交渉の結果、当該コスト削減効果を対価に反映させる場合

 ③ 消費税転嫁対策特別措置法の施行日前から、既に当事者間の自由な価格交渉の結果、原材料の市価を客観的に反映させる方式で対価を定めている場合

 まあ、消費税増税とは関係のない、代金を減額させる客観的な事情があるような場合にはOKということなのでしょう。

 ガイドラインP8~P9は、「4 商品購入、役務利用又は利益提供の要請(第3条第2号)」の解釈を示しています。

 なお、商品購入等の要請に該当しない例の1つとして、「消費税率引上げに際して、特定事業者が電子受発注システムを新たに導入し、当該システムの利用を全ての取引先との間で取引条件とするなど、受発注業務のコスト削減のために合理的必要性がある場合に、当該システムを使用させる場合」を挙げています。

 システムの利用という役務を要請させていることになるのでしょうが、この行為については許される例示に掲げられていますが、システムを利用させる条件として、利用料を徴収した場合にはどうなるのでしょうか?

 許されない利益提供の要請として、「取引先に対して、取引の受発注に係るシステム変更に要する費用の負担を要請する場合」が掲げられていますが、これとの関係が個人的には気になります。

 ガイドラインP9~P10は、「5 本体価格での交渉の拒否(第3条第3号)」、同P10~P11は、「6 報復行為(第3条第4号)」の解釈を示しています。

 報復行為については、「厳正に対処し、公正取引委員会は、報復行為に該当する行為があると認めるときは、同法第6条の規定に基づき、勧告・公表することとする。」と説明されていますので、注意が必要です。

 

2013年8月21日 (水)

【流通】 ガイドライン案 「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方」 No1

 7月25日付けで消費税転嫁対策特別措置法のガイドライン(案)に関するパブリックコメント手続が開始されました。※以下ガイドラインは特に断りがなければ、ガイドライン案を指すものとします。

 暫く、公表されたガイドラインを分析検討してみることにします。

 まずは、「消費税の転嫁拒否等の行為に係る消費税転嫁特別措置法上の考え方」です。

 特別措置法3条が定める「特定事業者は、平成26年4月1日以後に特定供給業者から受ける商品又は役務の供給に関して」消費税の転嫁拒否等の行為を行うことが禁止されていますが、ガイドラインは特別措置法の解釈の明確化を図っております。

 ガイドラインP3~P4は、「(1)特定事業者」である「大規模小売事業者」や「法人である事業者であって、資本金の額又は出資の総額が3億円以下の事業者や個人事業者等から継続して商品又は役務の供給を受ける者」の解釈を示しています。特に目新しい記載はありませんでした。

 ガイドラインP4~P5は、「(2)特定供給業者」や「(3)平成26年4月1日以後に特定供給事業者から受ける商品又は役務の供給に関し」の解釈を示しています。

 (3)については、平成26年3月31日以前に消費税の転嫁拒否等の行為を行った場合であっても、当該行為が、平成25年10月1日以後に行われ、かつ、平成26年4月1日以後に供給を受ける商品又は役務に関するものであれば、特別措置法3条に違反することになります。

 ガイドラインP5~P6は、「2減額(3条1号前段)」の具体例、及び減額とはならない「合理的な理由」がある場合について説明しています。例として、「平成26年4月1日の消費税率引き上げに際して、消費税を含まない価格が100円の商品について、消費税率引上げ後の対価を108円として契約したにもかかわらず、支払段階で消費税率引き上げ分の3円を減じ、105円しか支払わない場合である。」を挙げています。

 減額はひらたくいえば、一度決まった代金額を、合理的な理由もなく、一方的に減額してしまうということです。

 減額にはならない合理的な理由がある場合として、ガイドラインは、「一定期間内に一定数量を超えた発注を達成した場合には、特定供給事業者が特定事業者に対して、発注増加分によるコスト削減効果を反映したリベートを支払う旨の取り決めが従来から存在し、当該取り決めに基づいて、取り決められた対価の額から事後的にリベート分の額を減じる場合」が挙げられています。

 

 

2013年8月20日 (火)

弁護士に賠償義務が認められた事例!!!

 判例タイムズNo1389号(8月号)で紹介された東京地裁平成24年7月9日判決です。

 交通事故と医療過誤が競合した場合において、被害者の代理人である弁護士が、訴訟上の和解により加害者から損害賠償金の支払を受けるにあたり、医療過誤による解決金受領の事実を説明すべき義務を怠ったとして、加害者の保険会社から被害者の代理人であった弁護士に対する不法行為による損害賠償請求が認容された事例

 なんと、元金だけでも、5000万円を超えています。

 被害者は、60歳の男性のようですが、病院から6600万円、交通事故の加害者から9000万円、合計1億5600万円を受け取っていることになります。

 60歳男性の死亡事案で、1億5600万円というのは、私は聞いたことがありません。

 2重請求といわれてもやむをえない事案だと思いますが、なぜ、被害者の遺族に対して返還請求しなかったんでしょうね。清算条項がついているから難しい、或いは、紛争が蒸し返しになって面倒と考えたのでしょうか?

2013年8月19日 (月)

愛媛県犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり条例に係る指針(案)への意見の募集について

  愛媛県が、現在、「愛媛県犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり条例に係る指針(案)への意見の募集」しております。

 愛媛県犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり条例の内容は、愛媛県警のHPにわかりやすく紹介されています。

 また、愛媛県犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり条例に係る指針(案)の内容は、このHPに詳しく説明されています。

 指針の中には、防犯カメラの設置及び利用に関する指針(案)がありますが、私はこの指針(案)に対して、本日、愛媛県に対してコメントを提出しました。

 昨年、日弁連が防犯カメラに対しては消極的な意見書を公表しています。

 ただ、私自身は、防犯カメラにも一定の防犯機能のほか、発生後の犯罪捜査のための道具としても必要だと思いますので、公共の場所での一定ルールの下での防犯カメラの設置はやむをえないものではないかと考えています(当然、ルールはプライバシー等の人権に配慮する必要があります。)。

  とはいえ、昨年話題になったような市営住宅に無断でしかもカメラ監視の表示もない形での設置は、大きな問題を含んでいます。

 なお、私が子どものころは自宅に鍵を掛けずに平気で外出したりしていましたが、今ではそんなことは考えられないような社会になってしまいました。

 寂しいですねえ。

2013年8月18日 (日)

【労働・労災】 労働契約法・高年法・派遣法 2012年改正と実務対応

 第2東京弁護士会から、3月に、「労働契約法・高年法・派遣法 2012年 改正と実務対応」が出版されました。

 上京した際に、日弁連会館地下の本屋さんで購入したものです。

 4章にわかれています。①労働契約法の改正と有期雇用をめぐる実務、②高年法改正と高年齢者雇用確保措置の実務、③派遣法改正と労働者派遣の実務、④その他の法改正と実務上重要な最新判例となっています。

 改正、改正 で、最近の弁護士は大変です。

 (1)改正労働契約法18条は、無期労働契約への転換を認めたもの、(2)同19条は、雇止め法理の法定化、(3)同20条は不合理な労働条件の禁止を定めたものですが、有期雇用契約を巡る事案の際には、必ず理解しておかなければならない法律です。

 とはいえ、研修会等学習のきっかけや、学習のためにまとまった時間を確保するのも、日々の業務に負われていると大変ですね。

2013年8月17日 (土)

平成25年度日弁連夏期研修(四国地区)

 先月、JRホテルクレメント高松で行われた日弁連夏期研修に参加いたしました。

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 高松駅から近い、とても便利なホテルです。

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 第1日目は、①建築関係訴訟の最近の判例と実務、②労働契約法の平成24年改正のポイントです。

 ①建築関係訴訟の最近の判例と実務は、91もの裁判例の概要を、パンデクテン体系で説明するという非常にわかりやすいものでした。講師の先生が弁護士登録してからの裁判例をまとめたものが元になっていますが、すごいですねえ~ 見習いたいものです。

 ②労働契約法の平成24年改正のポイントは、主として、改正労働契約法18条、19条、20条の解説を、どちらかというと、労働者側に立って、解説されたものです。

 第2日目は、③弁護士倫理ですが、早く各論(設例)解説に行って貰いたかったです。案の条、全部の設例解説には至りませんでした。また、講師の先生は、弁護士の「自由と独立」を強調されていました。例えば、貸金業者の専属顧問弁護士が、貸金業者の指示するままに訴訟活動をしていることについて問題ありとしています。ただ、昨今では、組織内弁護士もたくさんいます。仮に専属顧問弁護士ではなく、貸金業者の使用人たる弁護士だったらどうなんでしょう。会社の指示に従うのが当たり前なのでは? 弁護士の「自由と独立」も、弁護士の経済的基盤の脆弱化とともに大きく揺らいでいるように私は思うのです。

2013年8月16日 (金)

【交通事故】 自動車保険契約の人身傷害補償特約の被保険者である被害者に過失がある場合において、加害者から既に損害賠償金の支払を受けた保険金請求権者が保険会社に支払を求めることができる人身傷害補償保険金の額

 判例タイムズNo1389号(2013.8号)で紹介された大阪高裁平成24年6月7日判決です。

 簡単にいえば、本判決は、人傷保険の保険金額は約款に基づいて算定すべきであるから、加害者からの損害賠償金の支払が先行した場合であっても、第1審判決のように約款を限定解釈して保険金額を算定することは困難と判断しました。

 人傷絡みの場合には、中には、加害者からの損害賠償金の支払が先行した場合には、被害者の取り分が少なくなる場合があるので、注意を行う必要があります。

 判決要旨を紹介いたします。

 次の(1)及び(2)のような条項のある自動車保険契約の人身傷害補償特約の被保険者である被害者に過失がある場合において、

 加害者から既に損害賠償金の支払を受けた保険金請求権が保険会社に支払を求めることができる人身傷害補償保険金の額を算出するに当たっては、

 上記条項の文言を重視して、人身傷害補償特約損害額算定基準に従い算出された金額の合計額から既に支払を受けた損害賠償金を控除した残額をもって人身傷害補償保険金の額とすべきであり、

 被保険者である被害者について民法上認められる過失相殺前の侵害額から既に支払を受けた損害賠償金を控除した残額をもって人身傷害補償保険金の額とすべきではない。

 (1)保険会社が保険金請求権者に支払う人身傷害補償保険金の額は、人身傷害補償特約損害額算定基準に従い算定された金額の合計額から保険金請求権者が損害賠償義務者より既に取得した損害賠償金を控除した額とする。

 (2)保険会社は保険金請求権者に支払った人身傷害補償保険金の額の限度内で、かつ、保険金請求権者の権利を害しない範囲内で、保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する。

 東京高裁平成20年3月13日判決は、第1審と同じような見解ととっており、実務上、異なる裁判例がある状態です。

 大阪高裁の判決については、上告などがされているようなので、最高裁での結論がまちどしいところです。

2013年8月15日 (木)

【流通】 消費税の転嫁対策特別措置法 5つのポイント No2

  引き続き、日本商工会議所作成の「消費税の転嫁対策特別措置法 5つのポイント」です。

 第3の、「『総額表示』義務が緩和され、『外税表示』『税抜き価格の強調表示』が認められます。」についてです。

 消費者に商品の販売やサービスの提供を行う課税事業者には、値札やチラシ等においてあらかじめその価格を表示する際に、消費税額を含めた価格を表示する義務があります。これを、総額表示義務といいます。

 平成29年3月31日までの時限的なものですが、今回、総額表示義務の特例が認められています。

 「外税表示」です。但し、消費者に税込み価格との誤解や勘違いをされないための対策が必要となっています。

 また、「税抜き価格の強調表示」が認められます。即ち、税込み価格が明瞭に表示されているときは、税抜き価格を強調して、表示しても、不当表示にはあたりません。

 但し、実際にどのような表示が認められるのかは、ガイドラインの公表を待つ必要があります。

2013年8月14日 (水)

【流通】 消費税の転嫁対策特別措置法 5つのポイント No1

 日本商工会議所から、6月28日に、「消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント」という小冊子が配布されています。

 ブログ執筆時点(7月20日)では、政府からガイドラインが公表されていないために、確定的な表現は避けつつも、「6月14日現在の情報を基に、法律の概要をいち早くお届け」されたものとして、参考になります。

 全部で20頁足らずの小冊子ですが、ガイドラインが公表されていない中で、大変わかりやすいパンフレットになっております。

 以下、パンフレットの内容の一部を紹介いたします。

 まず、転嫁対策特別措置法の5つのポイント、即ち、①「消費税の転嫁拒否等の行為(減額、買いたたき等)が禁止されます」、②「消費税に関連するような形での安売り宣伝や広告を行うことが禁止されます」、③「『総額表示』義務が緩和され、『外税表示』『税抜き価格の強調表示』が認められます」、④「中小企業が共同で価格転嫁すること(転嫁カルテル)や、表示方法を統一すること(表示カルテル)が認められます」、⑤「国民に対する広報、通報者の保護、態勢整備は国等が責任をもって行うことになります」に、項目をわけて、わかりやすい解説がなされています。リンクを貼っておきますので、詳細はリンク先で確認下さい。

 今回は、その中で、②「消費税に関連するような形での安売り宣伝や広告を行うことが禁止されています」ことについて見てみます。

 この規制は、中小企業を含む「全ての事業者」となっています。

 (1)「消費税は転嫁しません」、「消費税は当店が負担しています」などの取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示、

 (2)「消費税率上昇分値引きします」などの取引の相手方が負担すべき消費税額を対価の額から減ずる旨の表示であって、消費税との関連を明示している旨の表示、

 (3)「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」などの消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示であって、(2)の表示に準ずるものとして内閣府令で定める旨の表示

 は、禁止されます。 

 では、「消費税」と言わなければいいの?という質問が当然出ると思いますが、

 これに対しては、「消費税」という言葉を使わない表現については、宣伝や広告の表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ、禁止される表示にあたらないとされています。

 ただ、詳細は、ガイドラインの公表まで待たないとわからないんですよね~

 パンフレットには、

 消費税との関連性がはっきりしない「春の生活応援セール」とか、

 たまたま消費税率の引き上げ幅と一致するだけの「3%値下げ」等

は、許容される表現として紹介されていますが、後者は実際には微妙じゃないですかね???

 政府の方で消費税を増税しておきながら、「消費税還元セール」を始め、消費者へのアピール手段に規制がかけられると、消費者が買い控えを行う可能性も高いと思いますが、これとの調整はどのようにされるのでしょうかね?

2013年8月13日 (火)

【法律その他】 走行中の原動機付自転車が陥没した道路に転落した場合、道路管理者に予見可能性がなかったとして、管理上の瑕疵が否定された事例 津地裁四日市支部平成25年3月29日判決

 判例時報No2186号で紹介された津地裁四日市支部平成25年3月29日判決です。

 本判決は、

 本件道路の陥没後は、死傷等の事故の発生する危険性が客観的に存在していたものといえるとしたが、

① 本件道路では毎日2回パトロールをしていたが、道路の陥没が通報された同日午前6時45分まで陥没を予見することはできなかった

② 本件道路下に埋設されていた本件暗渠の耐用年数を考慮しても、その亀裂を予見することはできなかった

③Yにおいては、本件道路に異常のある場合には通報を受ける態勢が取られていたが、陥没の通報がされたのはまだ職員の出勤前の時間であり、午前7時30分に出勤した職員は右通報の報告を受けるや速やかに事故現場に到着し、通行止めのフェンスの設置を開始しており、本件事故は右職員がフェンス設置にあたり事故現場を離れたわずか1,2分の間に発生したものであることを考慮すれば、本件道路の陥没後、事故の発生を未然に防止するための措置を講じていたといえるし、 職員の出勤時間前であったことから、陥没についての通報後直ちに事故現場へと赴くことができなかったとしてもやむを得ないといえる上、通報後1時間以内には到達していたのであるから、結果回避義務違反があったとはいえない

 として、Yの道路の管理の瑕疵を否定しました。

 裁判所は、道路管理者にとって回避可能性がなかったと認められる場合には管理者の責任は生じないと判断しており、今回の裁判例もそれに依拠したものです。

2013年8月12日 (月)

【流通】 消費税の転嫁対策 経済産業委員会調査室レポート No3

 引き続き、経済産業委員会調査室レポートに基づく解説です。

 レポートでは、平成元年の消費税導入時、平成9年の消費税率引き上げ時との、過去の対策との比較を行っております。

 レポートから一部を引用します。

 「今般の消費税率引上げに当たっては、過去の転嫁対策に比べ措置事項が多い。表中の①から⑤に関して、今般は法律に基づく対応とされたが、これまでは平成元年の消費税導入時に、④に関しての法的措置が応じられただけである。

 そもそも消費税は円滑に転嫁されるべきものであり、消費税の転嫁拒否等の行為に対しては、税率の引上げいかんにかかわらず、独占禁止法、下請法による規制が適用されている。

 平成元年の消費税導入時及び平成9年の消費税率引上げ時には、そうした規制の内容を分かりやすく記したガイドラインを作成することで対応していた。

 特に平成9年の消費税率引上げ時には法的措置は講じられておらず、ガイドラインが果たした役割は大きかったと思われる。

 そこで、ガイドラインの内容を含めて比較すると、総額表示義務導入後初めてのケースとなる③の価格の表示に関する特別措置を除外すれば、規制事項にあまり差はない。

 実のところ上記3つの消費税転嫁対策としては、平成9年の消費税率引上げ時に、転嫁カルテル・表示カルテルを例外措置として認めなかったことが一番の相違点である。 

 今回の転嫁対策の特徴は、平成9年の消費税率引上げ時に認めなかった転嫁カルテル・表示カルテルを復活させたこと、ガイドラインに盛り込まれていた独占禁止法、下請法、景品表示法についての考え方を特別措置法として立案し、規制の強化を図ったことと思われる。」

 今回の特別措置法は、過去の転嫁対策では、ガイドラインで対応していた規制内容を、特別措置として立法したということが、大きな特徴のようです。

2013年8月11日 (日)

【流通】 消費税の転嫁対策 経済産業委員会調査室レポート No2

 引き続き、消費税転嫁対策法について、経済産業委員会調査室レポートに基づいて解説いたします。

 第2に、「消費税の転嫁を阻害する表示の是正に関する特別措置」についてです。

 簡単にいえば、事業者が消費税に関連するような形で安売りの宣伝や広告を行うことを禁止しています。

 まず、「消費税は転嫁しません」、「消費税は当店が負担します」等の取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示は、禁止されています。

 また、「消費税率上昇分値引きします」等の取引の相手方が負担すべき消費税を対価の額から減ずる旨の表示は、禁止されています。

 さらに、「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」等の消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示として内閣府令で定めるものは禁止されています。

 第3に、「価格の表示に関する特別措置」についてです。

 価格の張り替え作業など事業者の事務負担の配慮の観点から、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じている場合には、税込価格を表示することを要しないとされました。

 第4に、「消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別措置」についてです。

 カルテルについては独占禁止法3条で禁止されていますが、事前に公正取引委員会に届け出ることを前提に、転嫁カルテルと表示カルテルを認めています。

 第5に、「転嫁拒否等に関する相談体制の整備」です。

 平成29年3月31日までの間、転嫁拒否等に関する電話相談、メール相談に対応する政府共通の相談窓口が設置されます。

 

 

2013年8月10日 (土)

【流通】 消費税の転嫁対策 経済産業委員会調査室レポート No1

 消費税転嫁対策法については、ブログ執筆時の7月19日現在、ガイドラインが公表されていないようなので、具体的なことがわからず、困っています。

 ただ、参議院の経済産業委員会調査室から、レポートが公表されており、消費税転嫁対策法について、比較的詳しく説明がなされているので、参考になります。

 以前のブログ記事と重複する部分もあるとは思いますが、私の理解の整理のために、再度、ご説明いたします。

 消費税転嫁対策法は、いうまでもありませんが、平成29年3月末までの間、消費税の転嫁拒否等の行為に是正等について、独占禁止法や下請法等についての特例を定めたものです。

 消費税転嫁対策法の主な措置事項は、5つです。①消費税の転嫁拒否等の行為の是正に関する特別措置、②消費税の転嫁を阻害する表示の訂正に関する特別措置、③価格の表示に関する特別措置、④消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別措置、⑤相談体制の整備です。

 第1に、消費税の転嫁拒否等の行為の是正に関する特別措置についてです。

 大規模小売事業者等の特定事業者は、特定供給事業者に対して、平成26年4月1日以後の商品又は役務に関して、(1)減額、買いたたき、(2)購入強制、役務の利用強制、不当な利益提供の強制、(3)税抜き価格での交渉の拒否、(4)報復行為を行ってはならないことにしています。

 なお、上記の行為に該当しない転嫁拒否等の行為は、独占禁止法・下請法によって規制されることになります。

2013年8月 9日 (金)

 訃報 堀士忠男先生、佐藤武彦先生

 7月号の「自由と正義」で、弁護士の堀士先生と佐藤先生がお亡くなりになっておられることがわかりました。

 堀士先生は、20数年前に私が中央大学の学生だったころに、その当時、所属していた司法試験受験団体である法修会研究室の先輩弁護士であり、以降、お付き合いをさせていただいていました。2年前の法修会研究室での総会では、お元気そうだったのですが、昨年の総会は欠席されておられ、心配していました。堀士先生からは、お会いする度に、弁護士としての信条等について多々アドバイスをしていただき、大変感謝しております。総会の常連OBなので、非常に寂しく感じます。

 佐藤先生は、元裁判官であり、先生が松山の裁判所時代に初めておめにかかりました。その時、佐藤先生は裁判長として裁判を担当され、駆け出し弁護士であった私の尋問について、尋問中に佐藤裁判官からあれこれ注文が入るために「(新人弁護士に対して)なんて意地○な人だろう」と感じたりしたのですが、今から思うと、駆け出し弁護士の私に対する教育的指導ということだったように感じ、また、ご指摘自体極めて的確な内容だったために、今では、その指導に対して大変感謝しております。

 両先生には、法曹会の大先輩として、今後もご活躍していただきたかったのですが、大変残念です。

 ご冥福をお祈りいたします。

2013年8月 8日 (木)

【流通】 平成25年7月25日から、消費税転嫁対策特別措置法のガイドライン(案)に対するパブリック手続開始 及びブログ記事についてのお断り

 公正取引委員会のHPに、7月25日から、消費税転嫁対策特別措置法のガイドライン(案)に対するパブリックコメント手続が開始されたことが紹介されていました。

 ガイドライン案は、4つです。

 第1に、「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方」(案)(公正取引委員会)

 第2に、「消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方」(案)(消費者庁)

 第3に、「総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方」(案)(財務省)

 第4に、「総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の適用除外についての考え方」(案)(消費者庁)

 パブリックコメントの意見提出期限は、8月23日までです。

 なお、8月の消費税転嫁対策特別措置法の解説したブログの一部には、ガイドライン案発表前に執筆したものが含まれております。ご容赦下さい。

2013年8月 7日 (水)

【金融・企業法務】 取締役につき従業員による不正行為を防止するた目の適切なリスク管理体制の構築義務違反の有無が争われた事例

 金融法務事情No1974号です。

 取締役につき従業員による不正行為を防止するための適切なリスク管理体制の構築義務違反の有無が争われた事案としては、

① 大和銀行ニューヨーク支店で従業員の無断取引等により巨額の損失が発生した事件に関して、取締役らの株主代表訴訟において、担当取締役らの内部統制システム構築に関する善管注意義務、忠実義務違反を認めた大阪地判平成12年9月30日判決、

② 雪印食品牛肉偽装事件に関し、当時の取締役らに対する株主代表訴訟において、当該取締役らの監視義務違反等を否定した東京地裁平成17年2月10日判決、

③ 牛乳食中毒事件に関し、会社が解散し、解散された従業員から代表取締役に対する商法266条の3に基づく損害賠償請求において、当該取締役の重過失による任務懈怠を認めた名古屋高裁金沢支判平成17年5月18日判決、

④ ダスキン肉まん事件に関し、取締役らに対する株主代表訴訟において、当該取締役らに未認可添加物が混入しないようなリスク管理体制を構築すべき義務の違反がないとした大阪高裁平成18年6月9日判決、

⑤ 日本システム技術事件に関し、株式会社の従業員らが営業成績を上げる目的で架空の売上を計上したため有価証券報告書に不実の記載がされ、株主が損害を被ったことにつき、会社の代表者に従業員らによる架空売上げの計上を防止するためのリスク管理体制構築義務違反の過失がないとした最高裁平成21年7月9日判決

 です。

 会社法及び同法施行規則所定の内部統制システムを適切に整備、運営することを怠った場合には、役員の責任が問われることがありますので、注意が必要ですね。

2013年8月 6日 (火)

【金融・企業法務】 商品先物取引の受託会社の取締役らが、当該会社の従業員が適合性原則違反などの違法行為をして委託者に損害を与える可能性があることを十分に認識しながら、法令遵守のための従業員教育、懲戒制度の活用等の適切な措置をとることなく、また、従業員による違法行為を抑止し、再発を防止するための実行的な方策や、会社法および同法施行規則所定の内部統制システムを適切に整備、運営することを怠り、業務の執行またはその管理を重過失により懈怠したとして、会社法429条1項に基づく損害賠償責任が認められた事例 名古屋高裁

 金融法務事情No1974号(7月25日号)で紹介された名古屋高裁平成25年3月15日判決です。

 解説を引用いたします。

 本判決は、Y会社の取締役らの責任について、

①Y会社が、長年にわたり顧客との間で多数の紛争を抱え、全国各地で多数の紛争を抱え、全国各地で多数の訴訟を提訴され、本件と同様に委託者が借入金で取引を行った事例を含め、適合性原則違反や特定売買などの違法行為を認める判決が数多く出されていたこと、

②Y会社が、行政当局等から、適合性原則違反や無敷・薄敷等を繰り返し指摘されて業務の改善を求められ、日本商品先物取引協会から過去3度にわたって過怠金を含めた制裁を受けていた上、本件取引の4ヶ月半後に行われた立ち入り検査等の結果に基づき、主務省から受託業務停止処分(14営業日)および業務改善命令という極めて重い行政処分を受けるに至ったこと

③上記行政処分の中で、Y会社における内部管理体制の抜本的な見直しと体制整備の必要性が指摘されたこと

④Y会社では、取締役会及び経営会議を毎月開催するなどして改善策を協議するなどしていたが、その後も依然と顧客との間で多数の苦情、紛争、訴訟が発生し続けていたこと

⑤このような状況であるにもかかわらず、Y会社で長年管理部の責任者をしてきた取締役が、別件訴訟において、判決の内容に不服がある場合には、担当者に対してそれほどの指導はしていない旨、繰り返し被告として訴訟提起された従業員についても、起きている苦情につき当該従業員にそれほど非があるとは考えていない旨の供述をし、また、長年、Y会社の代表取締役を務めてきた取締役も、Y会社に組織的な欠陥はなく、上記の受託業務停止処分および業務改善命令に対して納得がいかない部分があるなどと供述していること

⑥本件で被告とされた担当従業員らが、これまでも繰り返し違法行為をしたとして委託者から訴訟提起をされてきたこと

 などの事情を総合すれば、

 Y会社が行ってきた業務に関する準則やマニュアルの制定、従業員に対する研修制度や業務監査制度の導入、主務省および商品取引所の監査や指導等を受けての業務改善等の制度や施策の実効性は疑問であり、

 本件取引当時、取締役らは、Y会社の従業員が適合性原則違反などの違法行為をして委託者に損害を与える可能性があることを十分に認識しながら、法令遵守のための従業員教育、懲戒制度の活用等の適切な措置を執ることなく、また、従業員による違法行為を抑止し、再発を防止するための実行的な方策や、会社法および同法施行規則所定の内部統制システムを適切に整備、運営することを怠り、業務の執行またはその管理を重過失により懈怠したものというべきである。

 判決文から見る限り、コンプライアンス意識が薄い会社のようですね。

2013年8月 5日 (月)

【金融・企業法務】 銀行と顧客との間で固定金利と変動金利を交換してその差額を決済するという金利スワップ取引に係る契約を締結した際に銀行に説明義務違反があったとはいえないとされた事例 最高裁平成25年3月7日判決、最高裁平成25年3月26日判決

 金融法務事情No1973号(7月10日号)で紹介された2つの最高裁判決です。

 事案は、いずれも、地方の中堅企業であるXらが、メガバンクであるY銀行との間で行った金利スワップ取引に係る契約を締結した際、Y銀行に説明義務違反があったと主張して、Y銀行に対して、損害賠償を求めたというものです。

 判決要旨を紹介いたします。

 銀行と顧客企業との間で、変動金利が上昇した場合のリスクヘッジのため、同一通貨間で、一定の想定元本、取引期間等を設定し、固定金利と変動金利を交換してその差額を決済するという金利スワップ取引が行われた場合において、

 次の(1)~(3)の判示の事情のもとでは、

 上記取引に係る契約締結の際、銀行が、顧客に対し、中途解約時の清算金の具体的な算定方法等について十分な説明をしなかったとしても、銀行に説明義務違反があったということはできない。

(1)上記取引は、将来の金利変動の予測が当たるか否かのみによって結果の有利不利が左右される基本的な構造ないし原理自体が単純な仕組みのものであって、企業経営者であれば、その理解が一般的に困難なものではない

(2)銀行は、顧客に対し、上記取引の基本的な仕組み等を説明するとともに、変動金利が一定の利率を上回らなければ、融資における金利の支払よりも多額の金利を支払うリスクがある旨説明した。

(3)上記契約の締結に先立ち銀行が説明のために顧客に交付した書面には、上記契約が銀行の承諾なしに中途解約をすることができないものであることに加え、銀行の承諾を得て中途解約をする場合には顧客が清算金の支払義務を負う可能性があることが明示されていた

 私も、投資信託等の投資をしていますが、仕組みってもよくわかってないなあ~ 

 

 

2013年8月 4日 (日)

【IT関連】 インターネット・クレーマー対策の法理と実務

 民事法研究会から今年の6月に出版された「インターネット・クレーマー対策の法理と実務」という書籍です。

 著者は、升田純弁護士です。升田弁護士は、中央ローの教授でもありますが、執筆活動も盛んで、多数の論文や著作があります。

 いつ執筆しているんだろう・・・

 升田教授の文章力には圧倒されます。

 傾向として、判例分析という手法をよく使われているようですが。

 本書は、4章に区分されています。

 ①インターネット・トラブルの概要と裁判の実効性、 ②インターネット・トラブルをめぐる判例と被害救済の実情、③法的な責任を追及された場合の対応、④インターネットを安全・安心して利用するために です。

 インターネット絡みの時の相談があれば、事前に読んでおきたい書籍の1つです。 

2013年8月 3日 (土)

【金融・企業法務】 同族会社・中小企業のための会社経営をめぐる実務一切

 自由国民社から、昨年8月に出版された「同族会社・中小企業のための会社経営をめぐる実務一切」という書籍です。

 内容的には、一般の方か、駆け出し弁護士向けの書籍です。

 執筆者は、弁護士登録15年以下の弁護士から構成される東京弁護士会の親和全期会という会派に所属する弁護士たちです。

 執筆者紹介のところには、個々の弁護士の氏名や住所、メールアドレス等が明記されています。

 本書にはしがきには、太文字で、「本書を読んで、弁護士に相談してさらに突っ込んで聞きたいと思った方は、巻末の相談シートに記入して、本書の執筆者宛てにお気軽にFAXしてください」と書かれています。

 こんな時代が来たのですねえ~

 なお、本書は、①経営者に突然の不幸があったら ②第三者が株主として経営に関与することになったら ③安定したベンチャー経営のためには ④会社の基本を定める株主総会 ⑤会社と役員の間に争いが生じたら に区分されています。

2013年8月 2日 (金)

【金融・企業法務】 金融機関における債権回収の実務

  今年の6月に、経済法令研究会から、「金融機関における債権回収の実務」という書籍が出版されました。

 中央総合法律事務所という金融事案に強い事務所の弁護士が主として執筆されています。なぜか、1名だけ、検察官が執筆していますが・・・

 全部で11章に区分されています。

 ①弁済、②相殺、③人的担保等、④債権譲渡、⑤コベナンツ、⑥流動化取引、⑦債務者のM&A、⑧担保による回収、⑨法的回収、⑩時効管理、⑪個人情報と債権管理 です。

 金融機関からの相談を受ける弁護士であれば、一読をお勧めしたいと思う書籍の1つです。

 400頁を超えるために、旅行の時等に持参して読んでおきたいですね。

 

2013年8月 1日 (木)

【流通】 消費税転嫁対策特別措置法のガイドライン(案)に関するパブリックコメント手続の開始

 7月25日から、消費税転嫁対策特別措置法のガイドライン(案)に関するパブリックコメント手続を開始していることを、公正取引委員会のHPで知りました。

 税法絡みはそもそも専門外ですが、消費税転嫁対策特別措置法は、税法という要素よりも下請法や独占禁止法等の経済法の要素が強いため法律家にとってはなじみやすいこと、また、8月以降に消費税転嫁対策特別措置法についてのセミナーの講師を務めることから、ガイドライン(案)を印刷して勉強してみました。

 ガイドライン案は4つ公表されています。

 私は、公正取引委員会から公表された「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法の考え方(案)」を一読して、第1部「消費税の転嫁拒否等の行為関係」についてパブリックコメントを提出することにいたしました。

 とはいえ、私の知見では、パブリックコメントというよりも、単なる疑問点というレベルのものに過ぎませんが・・・・

 以下、7月30日に公正取引委員会に提出したコメントを引用いたします。

                     記

1 特別措置法と独占禁止法乃至下請法との関係

 ガイドラインによれば独占禁止法乃至下請法との関係では、適用が競業するような案件であれば、いずれも特別措置法が優先的に適用される旨説明されている。

 ところが、下請法の場合であれば格別独占禁止法適用事案であれば独占禁止法で認められている排除措置命令や課徴金納付命令が、特定事業者が特別措置法の勧告に従った場合には適用しない旨明記されている。

 しかしこれでは、特別措置法の違反制裁が独占禁止法の違反制裁よりも軽いところから、かえって競業適用するケースにおいては特定事業者から軽視されることに繋がる可能性はないのか懸念を感じる。

2 ガイドラインP4のイで記載されている「継続して」の解釈が今ひとつわかりにくい。

 例えば、継続としても、例えば、取引に中断がある場合には継続ともはやいえないのかどうか、中断がある場合でも継続と評価される場合があるのかについても解釈を示して欲しい。

3 ガイドラインP8の4(3)において、「事実上、購入を余儀なくさせていると認められる場合も含まれる。」も、第3条第2号の適用事例と紹介されている。

 しかしながら、「事実上」という概念が抽象的な概念であるために、例えば、具体的にどのような場合であれば事実上購入を余儀なくされたといえるのかを明示しなければ、現場は混乱するのではないかと思われる。

 また、特定事業者の要請が、黙示的なものである場合にはどうか?等、要請についても解釈指針を示すべきである。

4 ガイドラインP8の(4)イは、「消費税率引き上げについて、特定事業者が電子受発注システムを新たに導入し、当該システムの利用を全ての取引先との間で取引条件とするなど、受発注業務のコスト削減のために合理的必要性がある場合に、当該システムを使用させる場合」を適用外としています。システムの利用を役務の利用と評価されているのだと思われますが、仮に、システム変更に要する費用ではなくシステム利用の対価として適切な利用料を徴収した場合にはどうなるのかについても、明記して欲しい。

5 今回、特別措置法で、減額・買いたたき、購入強制等、税抜き価格での交渉の拒否、報復行為を、禁止されている。

 しかしながら、これらの行為については、独占禁止法、下請法のいずれによっても、禁止されている行為ではないか? 

 それにもかかわらず、特別措置法であえて4つの行為を重ねて禁止したことは、国民に、特別措置法が失効した後は、遵守しなくてもよいという誤ったメッセージを送ることにはならないのかが気がかりである。ガイドラインはその旨の明記がなく、不安である。
                                        以上

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