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2013年7月31日 (水)

【労働・労災】 請負を行うための実務知識

 昨年5月に、経営書院から出版された「請負を行うための実務知識」です。

 7章に区分されています。

 ① 告示第37号の基礎知識、② 労務管理の基礎知識、③ 労働安全衛生管理の基礎知識、④請負事業を行うに当たっての基本的な事項、⑤請負契約の締結にあたって行う事項、⑥請負事業の管理を行うに当たっての事項、⑦労働行政への対応 です。

 労働行政のスペシャリストによるものですが、余り馴染みのない部分もあるためか、わかりにくいところもありました。

 

2013年7月30日 (火)

【建築・不動産】 不動産取引における契約交渉と責任

 大成出版から、昨年6月に出版された「不動産取引における契約交渉と責任」と題する書籍です。

 本書は、4章構成です。つまり、①不動産取引の交渉と法理、②売買契約の成否をめぐる裁判例、③売買交渉をめぐる裁判例、④賃貸借交渉をめぐる裁判例です。

 第1章の、○契約締結交渉における交渉打ち切りのリスク、○契約締結の交渉における留意事項等は、一読しておいて、損はありませんでした。

 多数の裁判例が紹介されていますが、簡単な概要についての見出しがあれば、なお、検索が楽になったのになあと思います。

 なお、P14~P15にかけて、升田純弁護士は、

 「確認書、覚書等のような書面を作成する場合には、その後の交渉によって契約が成立しない場合をも想定してその書面作成の経緯、内容、文言を定めることが多く、書面上、交渉の当事者が何らの法的な義務を負わないとか、書面による合意違反による何らかの損害賠償責任を負わないといった規定が定められることもある。

 契約締結の交渉の過程で作成される、これらの書面における損害賠償責任を負わない旨の合意(特約)は、契約締結上の過失責任、あるいは信義則上の義務違反による責任を免責するものであるかが問題となるが、原則として有効であると解することができるものの、事案によってはその特約の効力が否定されたり、あるいは特約が適用されないなどとして実質的にその効力が否定される可能性がある。」と記載されています。

 注意したいと思います。

2013年7月29日 (月)

【金融・企業法務】 銀行法務21・760号

 銀行法務21ですが、金融機関等の顧問をお引き受けしている関係で、定期購読(積ん読?)をしています。

 7月号は、いくつか気になる論文がありました。

 第1に、愛媛弁護士会の髙橋直人先生外1名による「財団放棄と別除権放棄ー考察」です。

 管財人が別除権の目的物を破産財団から放棄した後、別除権者が換価処分に手こずっている間に期せずして最後配当が実施されることなった場合、その手続参加に必要となる、予定不足額を確定させるための技術的な課題について論じられています。

 財団から放棄した後に別除権放棄する方法が結構大変なので楽な方法がないやろか?という質問だと思いますが、面倒なことになるので、私の場合は放棄する前に先に別除権者に問い合わせをして検討してもらってから、予告通知を送るようにしています。

 第2に、「預金者の妻が無断で同一日に2回払戻しを受けた場合の銀行の免責について」という論文です。

 どうやら、釧路地裁平成24年10月4日は、預金者の妻が同一日に異なる支店において銀行の内部規定上本人確認を要する金額とされた200万円をわずかに下回る199万円を2回、普通預金から無権限で払い戻した事案について、2回目の払戻しにつき、債権の準占有者弁済における銀行の過失が認定された事案について、消極的な立場からの論評が紹介されています。

 第3に、最高裁平成24年12月14日判決を素材に、根保証契約の随伴性についての考察が、信用金庫の実務家によって論じられています。根保証の随伴性なんて当たり前と思っていましたが、論じられる背景がよくわかっていませんでした。論者によれば、「債権管理業務に従事していた者にとってこの貸金等根保証は、・・・最たるものが根保証の随伴性・・・ 特に、個人的には当金庫の回収業務の一環であるバルクセール業務を担当していることもあり、債権の譲渡ともに根保証が随伴するか否かという問題は・・・今日に至るまで結論が棚上げされていた」と説明されており、なるほどなあと思いました。

 第4に、中国銀行の実務家による銀行取引約定書の解説です。今回は、払戻充当・利息計算等が解説されていました。預金拘束についての解説は要領よくまとめられていたと思いました。

 愛媛弁護士会からも、髙橋先生のように、銀行法務21という専門誌に論文が紹介されるという時代が来ています。

 田舎弁護士も爪の垢を煎じて飲まさせていただきます。

2013年7月28日 (日)

【労働・労災】 配転・出向・転籍

 全国労働基準関係団体連合会から3月に出版された「配転・出向・転籍」(労働調査会)という書籍です。

 とにかく、使える!、わかりやすい!、判例検索も可能!

 購入して、後悔することは多分ないと思います。

 6章にわかれています。

 ①人事異動総論、②配転・単身赴任、③職種転換・降格・人事考課等、④出向、⑤転籍、⑥会社分割・事業譲渡・合併と労働契約の小計です。

 例えば、「出向命令と法的根拠」という項目では、まず、簡単な設例が設定されています。

 そして、ポイント解説がなされた後、多数の判例等を引用しながら具体的な解説がなされています。  

 値段も、2500円+税です。

 全基連のHPはこちらです。

2013年7月27日 (土)

【金融・企業法務】 弁護士法23条照会に対する回答義務の確認請求

 銀行法務21・7月号で紹介された東京高裁平成25年4月11日判決です。

 弁護士(会)にとっては、好ましくない判決です。

 弁護士法23条の2所定の弁護士会照会を受けた金融機関が、当該照会事項について弁護士会に回答する義務がある前提で、

 当該照会を弁護士会に求めた弁護士の依頼者が、金融機関との間で当該義務の存在確認を求める訴えの確認の利益を肯定した第1審判決が、控訴審において取り消された事例です。

 なお、判決文によれば、「XにおいてY銀行が本件各照会に回答しなかったことにより自己の権利等について危険又は不安が生じたというのであれば、

 その除去のためには、本件確認の訴えによるよりも、

 本件回答拒否が違法であることを理由とする民法709条に基づく損害賠償請求等による方がより有効かつ適切である」としています。

 この判決は、照会義務は公法上の義務に過ぎないと述べていますが、それにもかかわらず、照会拒絶は違法と評価できる場合があるという理解でいいんですよね!

 この事案も、執行力のある債務名義を有している案件です。

 このような事案ぐらいは、開示して欲しいと思います。

 「じぁあ、債務名義を取得したサラ金が弁護士を利用して開示請求を利用してきたらどうするのか?」と言われそうですが・・・

 難しい問題です・・・・

2013年7月26日 (金)

【金融・企業法務】 取引の相手方と金融実務(改訂版)

 きんざいから、今年の5月に、「取引の相手方と金融実務」(改訂版)が出ました。

 5章に区分されています。

 ①金融機関における本人確認、②個人との取引、③法人との取引、④法的整理等、⑤民事介入暴力への対応にわかれています。

 金融機関の実務家向けにはなっておりますが、各種団体、代理人等事に、類型的に、取引を開始する際の留意点が、わかりやすく説明されており、是非、購入しておきたい1冊です。

2013年7月25日 (木)

【消費者法】 顧客と貸金業者との間において相互に債権債務がないことを確認する旨の和解契約について、動機の錯誤を認めた第1審判決を取り消し、錯誤無効の規定の類推適用を認めなかった事例 高松高裁平成24年9月13日判決

 金融法務事情No1973号(7月10日号)で紹介された高松高裁平成24年9月13日判決です。

 事案は、貸金業者Aと取引をしてきたXが、Aとの間で締結した双方債権債務なしとする旨の和解契約が錯誤により無効であるなどと主張して、過払金の返還請求を行ったという事案です。

 第1審は、錯誤無効を認め、第2審は、錯誤無効を認めませんでした。

 判決要旨を紹介いたします。

 当事者が争いの対象とし互譲によって決定した事項自体に錯誤があるときには、和解契約の基本的な効力(民法696条)として錯誤の規定は適用されないが、

 本件において当事者間で紛争の対象となり互譲により決定されたのは双方が支払うべき金額の有無であるところ、顧客側の錯誤主張は、法の不知によって上記金額の有無、内容につき錯誤を生じていたということに帰するから、錯誤の規定は適用されない。

 う~ん

 過払金309万円でしょう。知っておれば、放棄しないのでは???

2013年7月24日 (水)

【金融・企業法務】 融資申込者に金融機関が融資実行するとの期待権が認められる場合において、融資を拒否した金融機関に正当事由が認められた事例 鳥取地裁平成25年2月14日判決

 銀行法務21・No760(7月号)で紹介された金融商事実務判例紹介です。

 この裁判例は、①融資申込者に金融機関が融資実行するとの期待権が認められた場合でしたが、②融資を拒否した金融機関に正当事由が認められたというケースでした。

 ②の正当事由ですが、「Yが本件融資の審査に入り、Xの民事再生歴を知るに至り、念のためXに対し、再生計画の履行状況を確認したところ、Xから、真実に反し、再生計画に基づく債務は全額返済が終わっていると答えられ、その虚偽の説明が判明したことから、経済的にも人格的にも信用できないと判断して本件拒絶に至ったと認められる」、「融資をする際には、融資元にとって、融資先の経済的手腕・資力だけではなく、返済に対する真摯な態度・性格などの人格面も重要であって、それからすれば、YがXの上記言動から不信感を持ち、本件拒絶に至ったのはやむを得ない」

 大事な事柄で嘘をつかれると、信用できなくなりますよね~

 なお、解説者の谷本誠司弁護士は私の司法修習同期になります。

2013年7月23日 (火)

【倒産】 前件破産手続において、法定の期間内に免責許可の申立てをせず、免責を受けられなかった破産者が、新たに破産手続開始の申立て及び免責許可の申立てをして、免責が認められ、免責許可決定に対する即時抗告が棄却された事例 東京高裁平成25年3月19日判決

 金融法務事情No1973号(7月10日号)で紹介された東京高裁平成25年3月19日決定です。 

 決定要旨を紹介いたします。

 前件破産手続において、法定の期間内に免責許可の申立てをせず、免責を受けられなかった破産者が、新たに破産手続開始の申立て及び免責許可の申立てをして、免責が認められ、免責許可決定に対する即時抗告が棄却された事例。

 この論点に対する現在の東京地裁破産再生部の運用は以下のとおりです。

 「免責を受けられなかった者が再度破産手続開始の申立てをした場合、破産手続を開始するか否かは、新たに精算を要する資産や負債の有無、当該申立ての目的、前件で免責許可申立てがなされなかった事情等を慎重に審理した上で開始の可否を判断する必要があり、その際に、明らかに申立ての利益がないと判断できる場合でない限り、いわゆる少額管財手続にのせた上で、破産管財人による資産調査および免責調査を行うことになるとされている」

 諦めずに申立てをしてみる必要があるようです。

2013年7月22日 (月)

【流通】 8月20日、今治商工会議所で、税理士と共同で、消費税転嫁対策セミナーを開催します!

 平成25年8月20日午後1時30分から午後3時30分まで今治商工会議所主催で、「消費税転嫁対策セミナー 中小企業は消費増税にどう対応するのか」を、大塚良幸税理と共同で、セミナー及び個別相談会を開催します。

  大塚税理士は、消費税率の2段階引き上げによる影響、税率引き上げに伴う経過措置、実務における注意点です。
 

 私は、消費税転嫁対策特別措置法 及び 下請け取引規制についての解説を行います。
 

 お問い合わせは、今治商工会議所 ℡0898-23-3939 です。

 申込〆切は、8月9日までです!

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興味のある方は、無料ですので、お出で下さい!

弁護士の多様化

 司法改革?により、弁護士の数が増えたこと、広告が自由になったことから、いろんな弁護士が増えているように感じています。

 先般、出会い系サイトでやらせをさせてしまった弁護士が、ニュースになっていました。

 この方のホームページを見ると、ビジネス色の強い表現や構成にびっくりしました。

 また、完全成功報酬として、30%~42%の報酬がかかるようですが、この基準だと、仮に1000万円戻ってきたら、すごい金額になりそうです。

 とはいえ、需要と供給のバランスを無視して、弁護士の数を増やしたため、若手の弁護士はどうしても集客効果の高い方法により、依頼を受ける必要があります。

 そのために、このようにビジネス色の強いホームページも、ある意味、仕方がないのかなとも思います。

 若手の弁護士の方のようなので、今回の出来事を反省して、世の中のために尽くしていただければと思います。

 過払金の場合にも、同じような表現のホームページが少なくありません。

 ただ、過払金の場合には、懲戒歴を受けている弁護士のホームページも中にはあるようです。

 ホームページを信じて弁護士に依頼したものの、失敗したような場合には、依頼した方の自己責任となります。

 残念ですが、弁護士にご依頼される場合には、弁護士のことをよく調べてから依頼される必要がある時代にきています。

 調査の方法は、①ネットで懲戒歴があるかどうかを確認する、②事務所がきちんと整理整頓できているか確認する、③スタッフがいるのかどうか確認する、④報酬委任契約書等をきちんと作成してもらっているのかどうか確認する、⑤質問は弁護士が直接回答してもらえるのかどうか、⑥弁護士賠償保険に加入しているのかどうかくらいは、きちんと確認しておく必要があります。 

 恥ずかしい話しですが、後で後悔しないよう、注意が必要です。 

【交通事故】 小石は人為的でベンツの飛び石損傷は偶然な事故ではないとして、保険対象外事故と認定した 平成25年2月26日付け千葉地裁判決

 自保ジャーナルNo1897号(7月11日号)で紹介された千葉地裁平成25年2月26日判決です。

 判決要旨を紹介いたします。

 被保険車両のXベンツが高速道路を走行中に先行ダンプからの飛び石による損傷を負ったとの保険金請求につき、

 損傷は、「加害ダンプとXベンツとの位置関係上、加害ダンプの背後から飛んできた小石がぶつかるとは思われないXベンツの左右リヤードアー及び左右リヤーフェンダにも存在し、その発生機序について合理的な説明がされていない点」、

 Xベンツのフロントワイパーの下部のボンネットとフロントガラスの間等に乗っている「多数の小石は、人為的に置かれたものと解するのが合理的である」等とし、

 「本件損傷は、偶然な事故により発生したとは認められず、本件契約の対象とはならない」として、Xの請求を棄却しました。

 なお、この判決は、「仮に、小石の飛散状況及び原告車の損傷状況以外について事故目録記載のとおりの事実が存し、加害ダンプの運転が原因で原告車に若干の飛石損傷が生じたとしても、これは通常生ずる事象であるから保険対象外であると解される」とまで言い切っています。

 

2013年7月21日 (日)

愛媛県商工会連合会から、講習会開催事業における専門家として委嘱されました(継続)。 

 平成25年7月1日から同26年3月31日までの間、愛媛県商工会連合会から、講習会開催事業における専門家(法律部門)としての委嘱を受けました。happy01

 これは、経営指導員が日常業務の中で、対応しきれない専門的相談に対して、法律専門家である田舎弁護士が、直接、事業所に派遣するという制度です。upwardright

 1企業2回までは、相談費用を商工会が負担します。good

 お気軽にご相談下さい(愛媛県商工会連合会 電話番号 089-924-1103)。telephone

 喜んで、貴方の事業所にまでお伺いさせていただきます。

2013年7月20日 (土)

【金融・企業法務】 座談会・金融法務の未来

 金融法務事情No1973号(7月10日号)の創刊60周年記念企画です。

 都銀の法務コンプライアンス部門の責任者との座談会ですが、田原睦夫前最高裁判事がアドバイザーになっていました。

 その座談会の中で、「弁護士の力量の見極め」というテーマで、田原先生が、弁護士の資質の見極め方として、いくつかの条件を提示されていました。

 ① 法的知識として「相当」のレベルを保持していること

 ② 企業の中間管理職クラスなら当然に備えているべき経済、社会、政治に関する一般常識をどれほど備えているか(若手なら、それを吸収する意欲がどの程度あるか)

 ③ 相談する事案の内容を把握するについて、どれだけの意欲を示すかどうか、当該事案のバックグランドまで理解しようとする意欲を有しているか

 ④ 適正に表現する能力(口頭、文章)

 ⑤ 迅速な処理能力

 この5つの条件を提示されていました。

 私自身がこの条件を満足させているかといえば、coldsweats02 な状態です。

2013年7月19日 (金)

【労働・労災】 Q&A人事・労務リスクマネジメント実務全書

 今年の4月に出版された「Q&A人事・労務リスクマネジメント実務全書」です。

 1100頁を超える膨大な書籍なっており、積ん読状態です。

 編は6編で構成されています。

第1編 BCP(事業継続計画)におけるリスクマネジメント

第2編 事業継続に欠かせない人材の確保と労務管理

 ①採用内定・就職、②賃金・退職金、③労働時間・休憩・休日・休暇と賃金、④事業継続に不可欠な人事異動、⑤退職・解雇、⑥企業再編と労務関係、⑦就業規則に関する問題

第3編 労務管理上の問題

 ①仕事と生活の調和と男女共同参画社会、②パート・派遣社員・契約社員等の非正規雇用、③労働組合と団体交渉、④労働契約と従業員の義務、⑤従業員の不始末

第4編 労災等をめぐる問題

 ①交通事故、②過労死・過労自殺、通勤途上災害、海外勤務、②従業員の健康管理

第5編 会社の個人情報管理

第6編 社内犯罪への対処法

 ①社内犯罪の類型と事前対策、②社内犯罪への具体的な対応

第7編 東日本大震災と各種給付等の特例

 となっております。

 とても分厚いので、参考書みたいな使い方ですね。

2013年7月18日 (木)

【金融・企業法務】 経営陣報酬に関する近時の動向

 月刊監査役7月号(615号)で紹介されていた企業法務最前線の記事です。

 最近、我が国の経営陣報酬については、業績連動型・株価連動型の導入、報酬決定の方法の透明性に関する議論が活発に行われています。

 従来、日本の伝統的な報酬は、年俸(月額報酬)・賞与・退職慰労金でした。

 しかし、最近は、退職慰労金は廃止され、株式報酬型ストックオプションや、役員持株会への拠出金額を年俸に上乗せする等の動きがみられるようになっています。

 また、報酬体系についても、単純に、株価や単体の業績に連動するのではなくて、連結ROE・連結ROAなどに連動させるケース、事業計画の年度と連動した中長期のインセンティブ型報酬も、出ているようです。

 さらに、報酬決定の方法の透明性に関する議論についても、従来は、株主総会で、取締役全体の報酬の枠だけを決めて、個々の取締役ごとの具体的な配分については、取締役会、或いは、代表取締役に一任されていることが多いようにみえ、そうすると、必ずしも、透明といいうるものではないように思えるところから、最近では、報酬決定に際しては、取締役会等の任意の諮問委員会として、独立役員・社外役員を含む報酬委員会を設置し、報酬の決定を諮問する例もあるようです。

 田舎弁護士は、地方ですから、まだまだ従来型の報酬決定が少なくないのですが、いずれ地方にも波及するでしょうから、勉強しておく必要がありますね。

 

2013年7月17日 (水)

【交通事故】 自動二輪で進行中にタクシーに衝突されて頸髄損傷等の傷害を受け、人口呼吸装着下で全身管理され意識障害(自賠責1級1号)の後遺障害のある被害者について、自宅介護を前提とする治療費は否定し、将来の介護費用は月額25万円の定期金賠償方式で認定した事案 東京高裁平成25年3月14日判決

 交通事故判例速報No565号で紹介された裁判例です。

 解説によれば、定期賠償については、次のような見解があるようです。

Ⅰ 定期金賠償方式の肯定例

① 一時金賠償方式で請求するか定期金賠償年金方式で請求するかは、原告の選択に任されている

② 平均余命までの生存を前提に損害を算定をする一時金賠償方式では不公平の恐れがある

③ 将来看護費は定期金賠償方式になじみやすい

④ 実質的な支払は任意保険の会社が行うから、定期金払いとしても将来的に履行は確保される

⑤ 自宅介護開始の医師の証明書提出を条件に、付添看護費等につき、定期金賠償方式を肯定

Ⅱ 定期金賠償方式の否定例

① 平均余命までの生存を前提に損害を計算する一時金賠償方式が相当である

② 平均余命の一定限度までの生存を前提に損害を算定する一時金賠償方式が相当である

③ 原告が一時金賠償方式で請求している場合、定期金賠償方式を命ずることはできないとして、定期金賠償方式を否定

④ 死亡逸失利益の性質から、定期金賠償方式を否定

 Q 被害者が一時金賠償方式で請求し、定期金賠償方式に反対している場合でも、裁判所は定期金賠償方式を命じることは可能だろうか?という論点については、私は、×と回答してしまいます。

 それは、昭和62年の最高裁判決が、損害賠償請求権者が訴訟上一時金による支払を求めている場合には、定期金による支払を認めることはできないと判示しているからです。

 しかしながら、平成8年の民事訴訟法の改正により、117条が新設されたことから、裁判所が、裁量により定期金賠償方式を採用することができると判断する見解が出ており、それにそう裁判例もあるみたいです。

 知識がどんどん古くなっていっているようです。

2013年7月16日 (火)

【建築・不動産】 ゴルフ場経営を目的とする地上権設定契約及び土地賃貸借契約につき借地借家法11条の類推適用をする余地はないとされた事例 最高裁平成25年1月22日判決

 判例時報No2184号(7月1日号)で紹介された最高裁平成25年1月22日判決です。

 第1審は、借地借家法の適用はないが、事情変更の原則による減額を認めたという判決、第2審は、借地借家法11条の類推適用を認めて減額を認めたという判決、これに対して、最高裁は、事情変更も否定、類推適用も否定したということになりました。

 最高裁判決の要旨解説を引用します。

 本判決は、概略、

① 借地借家法の借地に関する規定は、建物の保護に配慮して、建物の所有を目的とする土地の利用関係を長期にわたって安定的に維持するために設けられたものと解されること、

② 同法11条の規定も、単に長期にわたる土地の利用関係における事情の変更に対応することを可能にするというものではなく、上記の趣旨により土地の利用に制約を受ける借地権設定者に地代等を変更する権利を与え、また、これに対応した権利を借地権者に与えるとともに、裁判確定までに当事者間の権利関係の関係を図ろうとするもので、これを建物の所有目的としない地上権設定契約又は賃貸借契約について安易に類推適用すべきものではないことを述べたうえで、

 地上権設定契約及び土地賃貸借契約において、ゴルフ場経営を目的とすることが定められているにすぎず、当該土地が建物の所有と関連するような態様で使用されていることもうかがわれないという事実関係の下においては、

 借地借家法11条の類推適用をする余地はない

 と判断して、原判決を破棄しました。

 なんと!

 第1審、第2審が認めた減額を、最後で、ひっくり返したのです。

2013年7月15日 (月)

西条の裁判所に出かけてきました

 先日、西条の裁判所に出かけてきました。

 今回は、資料が多かったので、妻の送迎付きでした。

 帰りに、フジグラン西条によってから帰りました。

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 裁判所から車で5分くらいかな~

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 西条らしいです。太鼓台がありました。 

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 店内に生け簀があったのはびっくりです。また、かつお1尾が999円とは!

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 このお店は、外国産のチーズが今治店よりも豊富なので、よいです。少し前まではフジグラン松山の食品売場が、チーズ専門店のような感じで、多種多様のチーズが売られていたのですが、今では以前と比べると少なくなっているので、フジグラン西条のチーズ売場は私の大好きな外国産のチーズが売られているので、なかなか良いです。

 チーズ好きな方は、フジグラン西条を覗いてみるのもよいかもしれませんね。

2013年7月14日 (日)

福山の裁判所に出かけてきました

 福山の裁判所に出かけてきました。2回目になります。

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 福山駅からタクシーで20分程度のところにあります。福山は高速バスを使えば、今治から1時間少しで行くことが可能です。

 ご利用下さい。

 

 

2013年7月13日 (土)

【建築・不動産】 土地区画整理事業の施行地区内の土地を購入した買主が売買後に土地区画整理組合から賦課金を課された場合において、上記売買の当時、買主が賦課金を課される可能性が存在していたことをもって、上記土地に民法570条にいう瑕疵があるとはいえないとされた事例 平成25年3月22日判決

 判例時報No2184号(7月1日号)で紹介された最高裁平成25年3月22日判決です。

  論点は、仮換地の売買当時は賦課金が発生しておらず、売買後に買主が賦課金納付義務を負うにいた至ったという場合において、売主が瑕疵担保責任を負うか否か?という点です。

 最高裁は、売買当時賦課金の発生する可能性が一般的抽象的な程度しか存在しなかった場合には、瑕疵を否定しました。

 解説によれば、売買当時賦課金納付義務を負っていた場合には、瑕疵に該当するが、売買当時賦課金の発生が具体性を帯びていた場合には、どのように考えるのか、今後更に検討されるべき問題であろうとされています。

2013年7月12日 (金)

【金融・企業法務】 建設業法による下請代金回収の理論・実務と書式 No3

 建設業法による下請代金回収の理論・実務と書式です。

 今回は、下請代金法と建設業法との異同について考えてみたいと思います。

 下請代金法では、4つの義務と11の禁止行為が有名です。

 まず、4つの義務から検討してみます。

①下請代金法の「書面の交付義務」については、建設業法では「契約書作成義務」という形で規定しています。但し、下請代金法とは異なり、刑罰規定はありません。

②書類等の作成保存、③下請代金の支払期日を定める義務、④遅延利息の支払義務については、建設業法でも同様の規定があります。

 つぎは、11の禁止事項です。

 ①下請事業者の給付の受領を拒むことについては、建設業法では、検査及び引渡しに対する規制という形で盛り込まれています。

 ②下請代金をその支払期日の経過後なお支払わないことにうちては、建設業法でも同様の規定があります。

 ③下請代金の額を減ずることについては、直接の規定はありませんが、19条の3に含まれると考えられています。

 ④下請事業者の給付を受領した後、下請事業者にその給付に係る物を引き取らせることについては、建設業法には規定はありません。

 ⑤通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めることについては、不当に低い請負代金の禁止として、19条の3で規定されています。

 ⑥自己の指定する物を強制して購入させ、または役務を強制して利用されることについては、建設業法でも同様の規定があります。

 ⑦報復措置の禁止については、直接の規定はありませんが、認定基準10に定めがあります。

 ⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止については、直接の規定はありませんが、認定基準9に定めがあります。

 ⑨割引困難な手形を交付の禁止については、建設業法に同様の規定があります。

 ⑩不当な経済上の利益を提供させることについては、建設業法に規定はありません。

 ⑪不当な給付の内容を変更、やりなおしの禁止についても、建設業法に規定はありません。

 他方で、建設業法には、下請代金法には存在しない規定として、下請労働者保護規定があります。例えば、特定建設事業者の下請負人への指導を認めた規定、特定建設業者に対する不払賃金の立替払いの勧告を認められた規定です。

 P22の、下請代金法、建設業法、独占禁止法下請保護該当規定比較表は、非常にわかりやすいと思いました。

 

2013年7月11日 (木)

【金融・企業法務】 建設業法による下請代金回収の理論・実務と書式 No2

 引き続き、「建設業法による下請代金回収の理論・実務と書式」です。

 この書籍の魅力は、類型毎に、詳細な書式が紹介されているというところです。

 書式は大きく分けて5つに分類されています。つまり、①未払下請負代金の支払催告、②親会社への未払事実通告、③弁護士会照会、④公正取引委員会への措置請求等を求める申立書、⑤公正取引委員会に直接措置を求める申立書、⑥立替払いの勧告を求める申立書、です。

 この書式については、「下請負人はとにかく資金繰りに忙しい。今日の下請代金の回収ができなければ倒産へ直結する場合も少なくない。訴訟のように長期化して全額回収できても下請負人が倒産してしまっては意味がない。したがって、下請負代金の回収は時間との闘いである。」ということで、大いに参考になるものです。

2013年7月10日 (水)

【金融・企業法務】 建設業法による下請代金回収の理論・実務と書式 No1

 昨年、建設業法による下請代金回収の理論・実務と書式という書籍(民事法研究会)を購入しましたが、長い間、積ん読状態でした。

 下請代金というと、下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)が中心で、建設業法による下請保護は、相談も少なく、また、余り勉強するところでもありません。

 本書は、建設業法の下請代金回収のために、建設業法の下請保護規定を利用し、下請代金法と同じように、監督官庁への申立てを行い、下請代金の回収を利用する方法について、論じたものです。

 本書によれば、下請代金法と、建設業法下請保護規定との相違点については、4つ説明されています。

 第1に、特定建設業者規定の創設です。

 建設業法は、一定規模の建設工事の元請負人の資格を財政状態など一定の要件をもつもの(特定建設業者)に限定していますが、これは、下請代金法とは異なる構造となっています。

 第2に、下請代金法は、「親事業者、下請事業者」としているのに対して、建設業法では、「元請負人、下請負人」となっています。

 第3に、下請代金法では、適用対象を、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託の4種類に特定していますが、建設業の下請契約とは、建設工事を他の者から請け負った建設業を営む者と他の建設業を営む者との間で当該建設工事の全部又は一部について締結される請負契約のことをいいます。

 第4に、下請代金法では、親事業者が発注する場合に書面の交付を義務付けており、無書面の発注に対しては、罰金刑を付していますが、建設業法では、罰則規定がありません。

 この違いを押さえておく必要がありそうです。

 

2013年7月 9日 (火)

【交通事故】 間接損害?

 交通事故民事裁判例集第45巻第3号(ぎょうせい)が送られてきました。

 その中で、京都地裁平成24年5月9日判決が、間接損害についての判例であったため、ご紹介いたします。

 交通事故の被害者であり理容室の店長であった原告Bが理容室を休業したことによって、理容室を開設した原告Aが、理容室の収益から毎月BからAに支払われるべき収入が受けられなくなったとして、被告らに損害賠償請求をしたという事案です。

 裁判所は、AとBとは経営委任関係に類似する契約関係にあるそれぞれ独立した事業者であってAの損害は間接損害であるところ、

 両者の間には経済的一体性があるとはいえないとして、Aの請求を認めませんでした。

 間接損害関係の事案は、実務上よく経験しますが、実際のところ、間接損害といえるかどうかについては微妙なケースもあり、悩ましいところです。

2013年7月 8日 (月)

【交通事故】 43歳有職主婦の併合14級後遺障害はパニック障害が心因的素因となり他覚的所見を超える自覚症状として3割の素因減額を適用した 東京地裁立川支部平成24年11月30日判決

 自保ジャーナルNo1896号(6月27日号)で紹介された東京地裁立川支部平成24年11月30日判決です。

 自賠責保険が、右肩痛について14級9号、頚部痛・右上肢しびれについて14級9号、併合14級の認定をしているというケースです。

 判決文の一部を引用します。

 「原告の痛みの訴えは、B医療センターでは、当初は、「右肩痛、右肘痛」であったところ、最終の診察日には、「項頚部痛、背部痛、腰痛、上肢のしびれ、放散痛」となっていること、

 すべての診療機関の検査で他覚的所見は認められないこと、

 事故から1年3ヶ月後にパニック障害と診断されていること、

 丁山医師の照会に対する回答を総合すると、本件事故による受傷は、右肩及び右肘打撲であるところ、その後、後遺障害として認定された右肩痛、頚部痛、右上肢しびれは、原告のパニック障害が心因的素因となり、他覚的所見を超える原告の自覚症状となっていることが推認できる。」

 「原告の自覚する障害は、原告の心因的素因の影響が大きいことが認められるのであるから、損害の算定においては、民法722条の趣旨を類推適用して3割の素因減額を認めるのが相当である」

 14級神経症状事案で、3割の素因減額を認めたという事案です。

 

2013年7月 7日 (日)

【保険金】 最高裁は48歳男子の飲酒を伴う食事後に薬物服用し、うたたね後の誤嚥が傷害保険約款の「外来の事故」と認定した 最高裁平成25年4月16日判決

 自保ジャーナルNo1896号(6月27日号)で紹介された最高裁平成25年4月16日判決です。

 判決要旨を引用します。

① 最高裁は、48歳男子Aの自宅でうたた寝後の誤嚥は、傷害保険約款における「急激かつ外来の事故」に該当すると判断した。

② 吐物誤嚥死による傷害保険金請求につき、

 「本件約款において、保険金の支払事由である事故は、急激かつ偶然な外来の事故により被保険者の身体に傷害を被ることのあるものとされているのであるから、本件においては、Aの窒息をもたらした吐物の誤嚥がこれに当たるというべきである。

 そして、誤嚥は、嚥下した物が食道にではなく気管に入ることをいうのであり身体の外部からの作用を当然に伴っているのであって、その作用によるものというべきであるから、本件約款にいう外来の事故に該当すると解することが相当である。

 この理は誤嚥による気道閉塞を生じさせた物がもともと被保険者の胃の内容物であった吐物であるとしても、同様である」とし、

 保険金支払いを否認した控訴審は、「法令の違反がある」として差し戻し判決を下した。

 第1審は、請求者勝訴、第2審は、請求者敗訴、最高裁で第2審取消という結果になっています。

 これって、原告訴訟代理人にとっては、ゼットコースターに乗ったような気分を味わったのではないかと思います。ひやひやもんです。

2013年7月 6日 (土)

今治市行政改革推進審議会が開催されました。

 6月27日午後3時15分から、今治市役所で、今治市行政改革推進審議会が開催されましたので、参加いたしました。

 新しく委員が選任されましたので、その顔合わせと、平成23年度に策定した今治市集中改革プランの進捗状況についての報告でした。

 会長は、松山大学法学部教授の妹尾教授が、副会長には、私が、選任されました。

 「新たな公共」の構築と持続可能な行政基盤の確立というテーマですが、要は無駄遣いがないかどうかを市民の立場で検証していくという作業を行っていきます。

 平成23年度の今治市集中改革プランは現状ではまずまず達成されているようで、安堵しております。

 

2013年7月 5日 (金)

【交通事故】 車両損壊による車両保険金請求についても、車両損壊の事実は認められるものの、保険契約者が故意に発生させたものであるとして、保険金請求が否定された事例 大阪高裁平成23年9月28日判決

 判例タイムズNo1388号(2013/07号)で紹介された大阪高裁平成23年9月28日判決です。

 事案は、Xが本件車両を運転中、運転を誤り本件車両もろともため池に突っ込んで水没させたため、本件車両が修理不能の損傷を受けたとして、保険金の支払を求めたのに対して、Yが、本件事故はXが保険金を不正に取得する目的で故意にため池に突っ込んで発生させたものであるから、免責条項に該当するとして支払を拒絶したというケースです。

 判決の要旨は以下のとおりです。

 本判決は、①本件車両及びその入手経路等、②X方からの本件現場までの行程に関するXの供述、③本件現場の状況、④本件事故の状況、⑤本件事故後のXの行動、⑥ため池から引き上げられた本件車両の状況、⑦Xの本件事故状況に関する説明の各事項を認定しました。

 その上で、本判決は、

ア 本件車両の取得に関するXの供述は、実際は低価で購入した本件車両の入手経路や、取得価格を明らかにすることを拒否するための言い訳と取られてもやむをえないものであること

イ Xは本件事故当時、当初からゴルフ用品店に行く予定などなく、本件車両をため池に転落させて、保険金を取得しようという意図があったのではないかというとの疑いを払拭できないこと

ウ Xの運転方法に関する供述は不自然・不合理であって、本件現場に進入した直後に誤ってアクセルを踏んだのではなく、当初から保険金を取得する目的で、ある程度のスピードで進入し、その後スピードを加速させて直進し、故意にフェンスに衝突させてため池に転落させたのではないかとの疑いを払拭できないこと

エ ため池から引き上げられた本件車両の運転席側の窓、運転席のシート、シートベルト等の状況に照らしても、本件事故はXの故意によるものと推定できること

オ 水に溶解するという運転免許証再交付のスタンプのインクの性質に照らせば、Xは本件事故当時、運転免許証を所持していたとは認められないが、このことは、Xが本件車両の水没をあらかじめ分かっていたからではないかという疑いを払拭できないことを

それぞれ認定しました。

 そして、本件事故は、Xが保険金取得目的で故意に発生させたものであると認定し、上記免責条項の適用を認め、Xの控訴を棄却しました。

 いわゆるモラル事案は、最近、少しずつ増えているような印象を受けています。

2013年7月 4日 (木)

【流通】 消費税転嫁対策特別措置法 No3

 消費税転嫁対策特別措置法 第三弾です。

 ブログ執筆の6月20日現在、公正取引委員会からのガイドラインはまだ公表されていません。

 3番目は、③価格の表示に関する特別措置についてです。

 2つのルールが定められています。

 1つめは、消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必要があるときは、現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り、税込価格を表示することを要しないとされています(総額表示義務の特例措置)。

 消費税は、税込価格を表示する必要があると思うのですが、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じているとき」は、税込価格を表示しなくてもよいとされていますが、誤認されないための措置については、具体的には明記されていません。

 参考になるHPがあったのでリンクしておきます。

 2つめは、事業者が、税込価格に併せて、税抜価格を表示する場合において、税込価格が明瞭に表示されているときは、景品表示法第4条第1項(不当表示)の規定は適用しないとされています。

 当たり前のことですが、税込価格が明瞭に表示されている場合には、不当表示にはあたらないということです。

 消費者に、税込価格と誤解を与えるような表示は、不当表示になります。なんでこんな当たり前のことが規定されたのか不思議です。

 4番目は、④消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別措置です。

 転嫁の方向の決定に係る共同行為(転嫁カルテル)、表示の方法の決定に係る共同行為(表示カルテル)は、独占禁止法の適用除外(公正取引委員会への届出制)としています。

 転嫁カルテル、表示カルテルについては、平成元年の消費税導入の際には、OKとしましたが、今回の消費増税も、転嫁カルテル、表示カルテルをOKとしたわけです。

 具体的なことは、ガイドライン待ちですねえ~

2013年7月 3日 (水)

【流通】 消費税転嫁対策特別措置法 No2

 消費税転嫁対策特別措置法の第二弾です。

② 消費税の転嫁を阻害する表示の是正に関する特別措置

 事業者は、消費税の円滑かつ適正な転嫁を阻害する以下の表示を行ってはならないとされています。

(1)取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示

(2)取引の相手方が負担すべき消費税に相当する額の全部又は一部を対価の額から減ずる旨の表示

(3)消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示

 う~ん

 これって本当にいけないことなんですかね???

 これをやると、供給業者が消費税を転嫁しにくくなるという理由なんでしょう。

 還元セール禁止については、わかりやすいHPがあったので、リンクしておきます。

 

2013年7月 2日 (火)

【流通】 消費税転嫁対策特別措置法 No1

 消費税転嫁対策特別措置法は、平成25年6月12日に公布され、同年10月1日から施行されるわけですが、商工会議所から、対応セミナーの講師の依頼を受けたため、今、急遽、消費税転嫁対策特別措置法の勉強をしているところです。

 近々、ガイドラインが公表されるとは思いますが、6月19日現在、ガイドラインの発表がないため、手探りになりますが、条文をよく読んで先に理解しておこうと思いました。

 特別措置法は、①特定事業者による消費税の転嫁の拒否等の行為の是正に関する特別措置、②消費税の転嫁を阻害する表示の是正に関する特別措置、③価格の表示に関する特別措置、④消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別措置を、盛り込んでいます。

 ①の消費税の転嫁拒否等の行為の是正に関する特別措置については、以下のとおりです。

(1) 特定事業者は特定供給業者に対しては、以下の4つの行為を行ってはならないとして、特定事業者の遵守事項を定めています。

 ⅰ 減額・買いたたき

 ⅱ 購入強制・役務の利用強制、不当な利益提供の強制

 ⅲ 税抜き価格での交渉の拒否

 ⅳ 報復行為

 「特定事業者」は、①大規模小売業者、②特定供給事業者から継続して商品又は役務の提供を受ける法人事業者を意味します。

 「特定供給事業者」は、①大規模小売事業者に継続して商品又は役務を供給する事業者、②資本金等の額が3億円以下である事業者、③個人事業者を意味します。

 特定供給事業者が3億円以下の事業者であれば、大規模小売事業者と取引しようが、そうでない事業者と取引しようが、転嫁を拒否されたらこの法律によって保護されることになります。

 また、大規模小売事業者に継続的に商品又は役務を提供する事業者であれば、仮に供給事業者が大規模小売事業者よりも大きな会社だとしても、保護の対象となります。

 転嫁拒否等の行為に対する検査、指導については、(1)報告・検査、(2)指導・助言、(3)措置請求、(4)勧告・公表が定められています(措置法4条~6条)。

2013年7月 1日 (月)

【流通】 消費税の転嫁問題 竹島一彦前公正取引委員会委員長の講演

 月刊監査役6月号に、竹島前公取委委員長の「独占禁止法の強化とコーポレートガバナンス」という講演(4月9日)が収録されていました。

 その中で、最後に、消費税の転嫁問題について少し触れられていました。

 消費税については来年4月に8%、再来年10月に10%に増税されます。

 消費増税については、6月5日に、消費税の転嫁拒否等を取り締まるための特別措置法が成立し、12日に公布されました。消費税転嫁対策特別措置法は、平成25年10月1日から施行されますが、態勢作りについては6月15日に既に施行されています。

 平成元年の消費税導入の際には、転嫁カルテル、価格表示についての表示カルテルを実施されましたが、今回は、転嫁拒否等の行為に対する処理スキームという制度が導入されることになりました。

 特定事業者による特定供給事業者に対する転嫁拒否等の行為が規制されることになります。

 具体的には、「消費税の増税部分を丸々認めない、又は、一部にせよ減額する」、「消費税の転嫁は受け入れるけれどもほかに何か買ってくださいと他のメリットを要求する」、「税抜きでの価格交渉を拒否する、つまり、本体価格ベースで交渉し、それで決まったものに8%を掛けるという、税抜価格での交渉を拒否する」というようなことが、禁止されています。

 転嫁を拒否された場合には、個別に、まず所管の各省庁が対応し、当該企業に対して事情聴取をして、「それはやはりこの法律に違反しますよ。おやめください。」と指導します。それでも言う事をきかない場合には、各省庁から公取委に措置請求がなされ、法律に基づく措置、具体的には、下請法と同じように勧告、公表を公取委が行うことになります。

 下請法と同じような制度になっているようです。

 とはいえ、下請法の場合と比べて、釈然としません。

 例えば、私の顧問先にも、規模は上場企業から、従業員数名規模の会社まで多種多様な企業が顧問先にあります。田舎ですから、老舗であっても、規模的には中小零細企業に属するものも少なくありません。そのような会社に、消費税が増額したという話しを社長に持っていって、快くわかったといって貰えるかどうかといえば、大きな疑問があります。中小零細企業の生活をわかっていない!、これを機会に、顧問契約を打ち切りということも発生するかもしれません。

 消費増税が国民の納得が得られたものであれば、理解もされやすいでしょう。増税だけが先行して、生活は豊かになりません。

 暫く、消費税転嫁対策特別措置法について考えてみたいと思います。 

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