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2013年4月30日 (火)

賠償科学No39 日本賠償科学会

 日本賠償科学会から、賠償科学No39が送られてきました。

 その中で、杉田雅彦先生の、弁護士は専門家かという論文は、非常に味わい深い内容が含まれていました。

 杉田先生は、僕が目標にしている弁護士の1人です。

 弁護士が専門家、つまり、非常な勉強を積まないと、判決が正義に反するような結果となることもある

 専門家して勉強すべきという言葉でした。

 米国では、控訴事件専門、飲酒運転の刑事事件専門、DVを専門とする離婚専門、弁護士過誤訴訟専門などと、驚くほど細分化されているようです。

 とはいえ、地方で、離婚専門 それ以外の事件はやりません!となってしまった場合、都会と異なり、そもそも紛争事件自体が少ないことから、干上がってしまいます。

 そのため、何でもやります!としないと、食べていけないのです。

 ただ、広く浅くと、狭く深くとでは、特に、技術的な分野が絡んでくる事件では、後者に圧倒されることもあります。

 凸凹にはなりますが、広く 凸凹で、頑張っていきたいと思います。

 なお、賠償科学No39ですが、「精神神経科の医師の患者に対する言動と上記言動に接した後にPTSDと診断された症状との間に相当因果関係があるということができないとされた事例」の新・判例診断も勉強になりました。

 それから余談ですが、某サラ金整理大手事務所の弁護士が大量入会していました。座談会の記事を読むと、余り歓迎されていないようです。

2013年4月29日 (月)

【法律その他】 東京電力に対して、自己の所有する土地上の放射性物質の除染を求めた原告の請求が権利濫用に該当するとされた事例 東京地裁平成24年11月26日判決

 判例時報No2176号で紹介された東京地裁平成24年11月26日判決です。

 本判決は、

 ①本件土地の経済的価値や利用状況、空間放射線量率、除染に必要とされる費用などに関する事実認定を前提に、本件請求を認容した場合に生じる被告の負担と原告が得られる利益を比較すると、前者が圧倒的に大きいものとならざるを得ず不均衡であること

 ②福島第1原子力発電所から放出された放射性物質によって汚染された面積が極めて広範囲に及んでいる等の事情にかんがみれば、除染を行う地域の範囲や順序、除染方法についてはきめ細かい措置を実施すべき事は高度な社会的要請となっているところ、本件請求を認容すれば、優先順位の高い箇所の除染作業に遅れが生じさせたりするなど、公共の利益を害することが予想されること

 ③原告が損害を被ったのであれば、被告に対する損害賠償請求という手段もあり、その具体的な方法としても、訴訟提起だけではく、原子力損害賠償紛争解決センターにおいて簡易迅速な救済を求めるという方法が考えられ、これによって原告の損害は実質的に填補されうるのだから、本件請求を認めなかったとしても、原告の所有権侵害について回復の手段が閉ざされることにはならないこと

 をあげ、原告の本件請求は、現時点における社会的状況下においては、権利濫用に該当し許されないと判断しました。

 権利濫用という裁判例って、少ないので、珍しいです。

2013年4月28日 (日)

【行政】 町の事業計画の用地買収につき、町長が代わり、施策が変更され、町が買取を拒否したことが不法行為にあたるとして、町の損害賠償責任が認められた事例 宮﨑地裁平成24年12月25日判決

 判例時報No2176号(4月11日号)で紹介された宮崎地裁平成24年12月25日判決です。

 裁判所は以下のとおり判示しました。

 本件は事業予定地の買収の勧誘という私経済作用上の行為にすぎないから、国賠法1条1項所定の公権力の行使にはあたらず、市が国賠責任を負うことはないが、不法行為上の損害賠償責任を負う余地はあること

                    ↓

 A町は本件事業契約を中止して、X会社との本件各土地の売買契約の締結を差し止め、本件各土地の買受契約成立に向けて緊密な信頼関係にあったXに損害を与えたが、その計画中止が天災事変等のやむを客観的事情によるものではない場合には、A町は不法行為責任を負う

                    ↓

 第一次買収時には、本件事業計画の概要が定められたのみで、X会社はA町と関係のある者からの本件事業計画に関する説明のみを信頼して買収を行ったに過ぎず、X会社のこの段階での信頼はいまだ法的保護に値しないこと

                    ↓

 第二次買収段階では、A町職員がX会社の社員に土地買収を要請し、地権者との買収交渉にも関与しており、この段階でA町がX会社の買収した土地の取得を中止するには、信義則上X会社の損害の填補措置を講ずることが必要であるといえ、これらの措置を講ずることなく右土地の買収を拒否したことにより、A町はX会社に生じた損害につき不法行為責任を負うこと

                    ↓

 第三次買収は、A町の新町長が本件事業計画は進めない旨述べ、X会社がこれを承知した後になされたものであるから、A町の買取拒否が不法行為となることはないこと

                    ↓

 第二次買収について、X会社は、当時A町が本件土地を取得するために必要な公社及び議会の議決を得られていないことを承知していること、A町との間には仮契約又は念書を取り交わしていない等の過失が認められる  → 5割減額

 ということです。

 最高裁の先例として、地方公共団体の長の交代に伴う施策の変更により、経済損害を被った地方公共団体に対する不法行為に基づく損害賠償請求を認容したものとして、最高裁昭和56年1月27日判決があります。

 

2013年4月27日 (土)

【労働・労災】 メッセンジャーが、会社との関係で、労働組合法上の労働者に当たり、会社が労働組合からの団交申し入れを拒絶したことなどが不当労働行為に該当するとされた事例 東京地裁平成24年11月15日判決

 判例時報No2176号(4月11日号)で紹介された東京地裁平成24年11月15日判決です。

 メッセンジャーは、Xとの間で「運送請負契約書」を取り交わして配送業務に当たっており、メッセンジャーの労組法上の労働者性が問題となった事案です。

 裁判所は以下のように判示して、メッセンジャーの労組法上の労働者性を認めました。

① メッセンジャーが、営業所長の管理の下、Xの事業組織が組み込まれていたといえること、

② 契約内容をXが一方的に決定していたものといえること、

③ メッセンジャーの報酬は出来高払い制であるものの、その出来高が労務提供(労働量)に依存する側面があったこと、

④ メッセンジャーは個々の業務依頼を基本的には引き受けるべきものとされていたこと

⑤ メッセンジャーの稼動について、時間・場所・態様の各面につき、一定程度の拘束があるとみるのが相当であること、

⑥ メッセンジャーの事業者性が高いものとは評価し難いこと

 これらの事情に労組法の目的を総合考慮すると、

 メッセンジャーは、労組法上の労働者に該当する。

 メッセンジャーの一人が、営業所長でありながら、組合の執行委員長という変わった事案です。

 地方の中小企業の経営者の方は、中には、組合から団交を申し入れれても、交渉に応ぜず、無視することも少なくないように思われますが、使用者性が認められる場合には団交に応じる義務が発生しますので、対応に注意が必要です。

2013年4月26日 (金)

【交通事故】 葬儀関係費の認定について

 交通事故判例速報No562号(H25・4号)に弁護士の長城紀道先生が書かれた「葬儀関係費用の認定」という論文が掲載されていました。

 葬儀費用って、長城先生も、「裁判例は、実際に負担した費用を認定した上で、その総額が150万円を下回る場合は実額で認定し、150万円以上の場合は150万円と認定し、例外的に、同額以上の葬儀費用を要することもやむをえない、手厚い葬儀をするのも頷けるような事情が生じた場合には増額を認めている。ただし、その例外の認定は厳しく行われている印象である。」と書かれていますが、まさに私もそのような印象を受けます。

 葬儀費用って、150万円の壁が相当厚く、なかなかそれを超えるような認定って、私はほとんど経験したことがありません。

 なお、戒名料等寺院に支払ったお金は、理由はわかりませんが、お寺は領収書を作成してくれません。領収書が欲しいというと、イヤな顔をされます。 結構な大金なんですが・・・・

2013年4月25日 (木)

【交通事故】 被告大型車との衝突でブーム40㎝を路上にはみ出させた左折待機クレーン車の過失を6割認めた さいたま地裁平成24年9月14日判決

 自保ジャーナルNo1891号(4月11日号)で紹介されたクレーン車と衝突した場合の過失についての裁判例(さいたま地裁平成24年9月14日判決)です。

 判決要旨を紹介します。

 原告クレーン車が路外から左折進入のために待機中、被告大型貨物車が路上に突き出たクレーン先端部に衝突、クレーン等を損壊したとの損害賠償請求について、

 たとえ40㎝程度であったにせよ、原告クレーン車のブームを道路上にはみ出させて待機をしていた点に過失が認められる。

 他方で、Yとしても、前方を十分に注視していれば、本件事故を避け得たというべきであり、現に、本件事故の直前に、数台の車両が原告車両のブームを回避して通過したのであるが、

 原告クレーンのブームが赤と白に塗り分けられていたことを考慮しても、昼間の場合に比べて原告クレーン車のブームは視認しづらかったと認められるとし、

 本件事故における過失割合は、原告クレーン車が60%、被告大型貨物車が40%と評価すべきであると認定しました。

 クレーンのブームが道路外に出たことにより道路を走行してきた車が損傷を受けるという相談は時折受けます。

 参考になる裁判例です。

2013年4月24日 (水)

【労働・労災】 合同労組への対応  労働調査会

 最近、合同労組(いわゆる1人組合)に加入して、使用者と団体交渉を申し入れてくるケースが地方でも増えているように感じています。

 そして、このようなケースにおいて、使用者がその対応を弁護士に相談されることが増え、また、使用者側の代理人として出席を要望されることも少なくありません。

 合同労組に対する対応については、インターネットを検索すると、弁護士さんや社会保険労務士さんのもの、いろいろ出てきます。他方で、各地の合同労組のHPも、多数ヒットします。

 私の事務所でも、合同労組対応を、労務相談の1項目として、積極的にご相談や受任させていただいているところです。

 ですが、なかなか弁護士にご相談にいけない企業者様の場合でも、少なくとも、労働調査会から昨年8月に出版された「合同労組の対応」は目を通された方がよいかと思います。

 本書は、労働調査会主催の「社労士業績アップセミナー」のテキストとして使われたものです。

 その中に、「合同労組の恐ろしさ」として、「合同労組は、企業意識の弱い組合員が中心であるため、使用者の信用問題など使用者の置かれた状況を考慮しない行動をとることが多くあります。例えば、使用者や取引先、役員宅前でのビラ配布などの街宣活動や、マスコミに対する記者会見やニュース情報提供、労働基準監督署そのほか監督官庁への通報・報告・告発などが典型例です。」と書かれています。

 合同労組の全てが恐ろしいとは思えませんが、中には、過剰な反応を示すところもあるかもしれません。

 また、地方の小規模の企業様の場合には、労働組合法等に疎く、団交に応じないなど不当労働行為をしてしまう可能性があります。

 お互いに感情的になると、解決がみえてきませんので、冷静な対応が必要だと思います。

2013年4月23日 (火)

【金融・企業法務】 根保証契約の被保証債権を譲り受けた者は、その譲渡が当該根保証契約に定める元本確定期日前にされた場合であっても、当該根保証契約の当事者間において被保証債権の譲受人の請求を妨げるような特別の合意がない限り、保証人に対し、保証債務の履行を求めることができるとされた事例 最高裁平成24年12月14日判決

 銀行法務21・4月号(No757号)の金融商事実務判例紹介で紹介された最高裁判決です。

 民法398条の7第1項は「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない」として、元本確定期日前の根抵当権には随伴性がない旨を規定してます。これに対して、元本確定期日前の根保証については、明文の規定がありません。

 根保証についても、随伴性の有無が問題となりました。

 最高裁は、根保証契約の当事者の通常の意思を根拠に、別段の合意がない限り、という留保を付して随伴性を肯定する判断を示しました。

 根抵当って、そういえば、元本の確定前には、随伴性なかったなあ~

 忘れかけた知識を思い出しました。

2013年4月22日 (月)

【金融・企業法務】 企業内弁護士のあり方~地域金融機関の場合~

 銀行法務21・4月号(No757号)で紹介された記事です。

 最近、地域金融機関において企業内弁護士を採用するケースが増えてきているように思います。

 ただ、ルートとして、過去に金融機関で働いていた経験を有する方と、勤務経験はなく司法修習終了後企業内弁護士になった方の2通りがあるようです。

 前者は、即戦力となるものの、後者については、いくつか問題点を指摘されています。

 まず、具体的な業務経験がないために、抑えるべき点、つまり法的リスクの所在を捉えにくいという傾向があると聞いておられるようです。

 次に、法令によりどころを求めすぎ、結果として実務を行っていく上で何が問題かが明確にならず、場合によっては否定的な意見を述べるのみで、その対案を十分に示せないケースも多いと聞いておられるようです。

 これって、我が身のことのようで、耳が痛い指摘です。

 私も複数の組織の法律顧問等をお引き受けさせていただいてはおりますが、顧問会社等の業務(現場)がわかっているかというと、ほとんどわかっておらず、それ故に、反対意見を述べるだけ・・・・という、どこかの国の政党のようなことをしてしまうことがあります。

 弁護士って、否定的な意見を述べるだけではなく、じゃあ、どうすればいいのかということまでのアドバイスを述べるべきだと思うのですが、現場がわかっていないと、的確な助言を行うことが難しい場合も多々有り、いつも反省しているところです。

2013年4月21日 (日)

【金融・企業法務】 外部専門家の活用の仕方 銀行法務21・4月号

 銀行法務21・4月号に、地銀のコンプライアンス統括部法務室長の方が、「外部専門家の活用の仕方~弁護士との向き合い方~」というテーマでの記事を執筆されていました。

 解説者の方は概ね以下のように述べておられます。

 従来、法務・コンプライアンス部門が法令等の解釈、或いはその判断について最初に意見を求める外部的専門家の代表例は、顧問弁護士でした。

 しかし、金融機関にかかる法令等の制定・改正はめまぐるしいものがありますが、これらの法令等の解釈を顧問弁護士に依頼・相談する場合には、こうした情報を提供するなどの措置も必要になってきます。

 なぜなら、顧問弁護士であっても金融機関を取り巻く法令等についてすべて知っているわけではないからです。

 このような場合に、漫然と顧問弁護士に依頼すると、「細かな法令やその他いわゆる法令に準じるものについて、頻繁に公表されている資料から細かく分析することなく、結果として的確な判断に至らないケースも想定されます。」

 このような場合には、専門分野中心の弁護士活動を行っている外部の弁護士から意見をきき、顧問弁護士の意見も踏まえた判断が必要になってきます。

 ship 確かに、金融機関の顧問弁護士だからといって、金融機関を取り巻く法令等について全て知っているとは限りません。むしろ、とりわけ、地方の弁護士の場合には、「かかりつけの医者」的な業務をしている事務所がほとんどではないかと思います。

 とはいえ、金融機関のような大きな組織だからこそ、弁護士費用の負担をしてまで、外部の弁護士に意見を求めることができるのでしょうが、地方の小さな企業に難しい法律問題が生じた場合には、やはり「かかりつけの医者」的な弁護士がある程度のアドバイスをしなければなりませんが、弁護過誤になりそうで怖いですね。

2013年4月20日 (土)

【金融・企業法務】 株主総会招集許可申立事件

 金融法務事情No1967号(4月10日号)で紹介された「新しい非訟事件手続法と大阪地裁商事部の運用」の第4回です。

 株主総会招集許可申立事件については、まれですが、相談を受けることがあります。

 株主構成等の変更があったにもかかわらず、従前の経営者が会社を支配していることが、けしらからん!というのが多いのではないかと思います。

 申立ての要件が疎明されると、権利濫用と認められる場合を除き、申立ては許可されることになります。

 ただ、時折、株式の帰属等株主構成を巡って争いがあるような事案も少なくありません。

 以下、解説を引用します(P68)。

 「株主総会招集許可の申立ては、会社の支配権や経営権を巡る争いのある会社において申し立てられる例が多く、株式の帰属等株主構成自体に争いのある事案も少なくない。そのような事案について仮に株主総会の招集を許可したとしても、株主総会の決議に瑕疵が存在することになるおそれがある。

 そこで、申立てを受理した段階で、申立人に対し、株主権確認の訴え等によってまず株主構成を確定することを勧めるなどして、いったん申立てを取り下げるよう促すことも考えられる。

 しかし、申立人があくまでも申立てに対する判断を求めた場合には、申立適格についての心証に従って持株数を判断した上、要件がいずれも疎明されていると判断されている場合には、権利濫用と認められるときを除いて、申立てを許可することになる。」

 あまり相談のない申立てですが、依頼があったときに慌てないよう勉強しておきます。

 

2013年4月19日 (金)

【金融・企業法務】 借地権付き建物の競売において、敷地所有者が物件明細書では国(財務省)と記載されていたが、買受けの申出時においては他の者に所有権が移転していた場合の民事執行法75条1項の類推適用

 金融法務事情No1967号(4月10日号)で紹介された東京高裁平成24年9月28日決定です。

 決定要旨を紹介いたします。

 借地権付き建物の競売において、敷地所有者が物件明細書では国(財務省)と記載されていたが、

 買受けの申出時においては他の者に所有権が移転していたからといって、このような事情が民事執行法75条1項に定める「天災その他自己の責めに帰することができない事由により不動産が損傷した場合」に該当するとはいえず、同項を類推適用することはできない。

 なんで、敷地所有者が国から他の者に変わったのでしょうかね?

 買い受け人は、国から敷地を購入することを希望していたようですが、買いうけ人が国に打診した際には、既に名義が変更になっていたようです。

 怖いですねえ~

2013年4月18日 (木)

【建築・不動産】 改正法対応 土壌汚染対策法と企業の対応

 2010年9月に、改正法対応「土壌汚染対策法と企業の対応 Q&A129」という書籍を、霞ヶ関の日弁連会館の本屋さんで購入しました。

 (1)土壌汚染対策法の施行によって生じ得る紛争への対応マニュアル、(2)事業者のための土壌汚染対策に係るリスクコミュニケーションガイド、(3)資料編にわかれています。

 特に、(1)については、0土壌汚染対策法の制定及び改正の背景とその特徴、①土壌汚染対策法の目的と対象、②土壌汚染状況調査、③要措置区域及び形質変更時要届出区域の指定、④要措置区域内の土地の汚染の除去等の指示及び措置命令、⑤土地の所有者等に対する汚染の除去等の措置の指示及び措置命令、⑥汚染原因者に対する汚染の除去等の措置の指示及び措置命令、⑦法に基づく費用請求権、⑧民法上の請求権、⑨請求権の行使方法、⑩要措置区域内の土地の形質の変更の禁止、⑪形質変更時届出区域内における土地の形質の変更の届出及び計画変更命令、⑫自主的な調査に基づく指定の申請及び自主的な措置の実施、⑬汚染土壌の搬出等に係る規制、⑭汚染土壌の運搬に関する基準、⑮汚染土壌処理施設に区分され、Q&A式で解説されています。

 結構分厚い書籍なので、参考書扱いですね。 

【消費者法】 債務整理で時効待ちはアウト!

 債務整理の際に時効待ちという手段を弁護士が講じることができるかについて、最高裁平成25年4月16日判決がでました。

 最高裁の判決文を引用します。

 「本件において被上告人が採った時効待ち方針は,DがAに対して何らの措置も採らないことを一方的に期待して残債権の消滅時効の完成を待つというものであり,債務整理の最終的な解決が遅延するという不利益があるばかりか,

 当時の状況に鑑みてDがAに対する残債権の回収を断念し,消滅時効が完成することを期待し得る合理的な根拠があったことはうかがえないのであるから,

 Dから提訴される可能性を残し,一旦提訴されると法定利率を超える高い利率による遅延損害金も含めた敗訴判決を受ける公算が高いというリスクをも伴うものであった。

 また,被上告人は,Aに対し,Dに対する未払分として29万7840円が残ったと通知していたところ,回収した過払金から被上告人の報酬等を控除してもなお48万円を超える残金があったのであるから,これを用いてDに対する残債務を弁済するという一般的に採られている債務整理の方法によって最終的な解決を図ることも現実的な選択肢として十分に考えられたといえる。

 このような事情の下においては,債務整理に係る法律事務を受任した被上告人は,委任契約に基づく善管注意義務の一環として,時効待ち方針を採るのであれば,Aに対し,時効待ち方針に伴う上記の不利益やリスクを説明するとともに,回収した過払金をもってDに対する債務を弁済するという選択肢があることも説明すべき義務を負っていたというべきである。

 しかるに,被上告人は,平成18年7月31日頃,Aに対し,裁判所やDから連絡があった場合には被上告人に伝えてくれれば対処すること,Dとの交渉に際して必要になるかもしれないので返還する預り金は保管しておいた方が良いことなどは説明しているものの,時効待ち方針を採ることによる上記の不利益やリスクをAに理解させるに足りる説明をしたとは認め難く,また,Dに対する債務を弁済すると
いう選択肢について説明したことはうかがわれないのであるから,上記の説明義務を尽くしたということはできない。

 そうである以上,仮に,Aが時効待ち方針を承諾していたとしても,それによって説明義務違反の責任を免れるものではない。」

 また、この最高裁判決を受けて、日弁連は、以下のようなコメントをしています。

 「本日、最高裁判所において、当連合会らが支援して設立された奄美ひまわり基金法律事務所(公設事務所)初代所長の債務整理事件の処理方針(いわゆる時効待ち方針)に関して説明義務違反が問われた事件につき、上記所長が損害賠償義務を負うことを認め、損害の点等について審理を尽くすために福岡高等裁判所に差し戻す判決が言い渡された。

 当連合会は、上記所長について、多数の依頼者の方々から苦情が出ていることに鑑み、本件問題が発覚した後、奄美ひまわり基金法律事務所の依頼者の方々に対して、奄美ひまわり日弁連ホットラインを設置するとともに、調査票を発送の上、奄美市において現地相談会を開催するなどして、その対応に努めてきた。

 また、当連合会は公設事務所の運営に関して、受任件数の確認、支援委員会における指導等の措置を定めるなど再発防止のための各種規定を整備し、さらには、債務整理事件処理の規律を定める規程を制定するなどして、再発防止に努めてきたところである。

 当連合会としては、弁護士過疎・偏在地域における公設事務所所長の活動に関し、最高裁判所において判断が下されたことを厳粛に受け止め、今後も関係者の方々への対応と再発防止のために活動し、引き続き、弁護士過疎・偏在地域における市民の法的サービスの向上と弁護士、弁護士会に対する信頼の回復に向け、努力を続ける所存である。」

 私自身は、依頼された債務整理事件において、時効待ちのようなリスクの大きい解決策?をとったことはありませんが、おそらくは、債務整理を取り扱う弁護士の中には、時効待ちという手法をとった弁護士も一定数は存在するのではないかと思います。

 時効待ちという手法をとった弁護士は、過去の記録を読み返して、依頼人に対してリスクなどを再度説明する必要があろうかと思います。

2013年4月17日 (水)

【交通事故】 交通事故の被害者の損害賠償金の仮払仮処分命令申立事件について、請求できる損害賠償額以上の賠償金が支払済みであるとして、その申立てが却下された事例 横浜地裁平成24年10月11日決定

 判例時報No2175号(4月1日号)で紹介された横浜地裁平成24年10月11日決定です。

 交通事故の、仮払い仮処分って、私はあまり経験したことがありませんが、判時の解説には、「交通事故の被害者が生活の危険に瀕し、金銭の支払を求める必要がある場合には、損害賠償金の仮払いを求める仮処分を求めることが少なくなく、裁判例では、6か月程度の仮払いを認めるものが多い」と記載されています。

 なお、今回は、損保会社に対する被害者からの直接請求の要件が問題となっております。直接請求の要件としては、

① 債務者が債権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、債務者と債権者との間で、判決が確定するか、裁判上の和解若しくは調停が成立すること

② 債権者と債務者との間で損害賠償の額について書面による合意が成立したこと

③ 債権者が債務者に対する損害賠償請求権を行使しないことを債務者に対して書面で承諾したこと

④ 債務者又はその法定相続人の破産、生死不明、或いは債務者が死亡しその法定相続人がいないこと

⑤ 損害賠償額が保険限度額を超えることが明らかになったこと

 のいずれかが必要とされていると説明されています。

 直接請求の要件については余り考えたことがないので参考になります。

2013年4月16日 (火)

【交通事故】 転倒自動二輪車の非接触も片側2車線道路交差点で対向車線に約1㍍右折進入した普通貨物車に6割過失を認めた 横浜地裁平成24年11月8日判決

 自保ジャーナルNo1890号(3月28日号)で紹介された平成24年11月8日判決です。

 非接触の、右折、直進という事案は、ものすごく揉めます。

 この事案も揉めました。

 判決の要旨を紹介します。

 50㌔㍍制限道路における直進原告自動二輪車と右折被告普通貨物車の非接触転倒事故につき、

 本件事故当時は雨が強く降っており、被告普通貨物車は、大型とはいえないものの、高さが3㍍以上あり、原告に一定の圧迫感を与えたことは否定できず、したがって、原告は、心理的に切迫した状況にあったと考えられることなどを考慮すると、原告と比較して、被告の側に大きな過失があったといわざるを得ない

 しかしながら、他方で、被告には右折方法違反の過失はない上、

 右折を開始した時点で原告自動二輪車との間にはある程度の距離があったこと、

 被告普通貨物車は、車体の一部が対向車線に進入したにすぎず、進入した距離は最大でも1㍍程度であることなども考慮すべきである。

 これら諸般の事情を考慮すると、原告の過失は40に対して、被告の過失は60であると認めるのが相当である。

 この事案も、被告は無過失を主張されています。

 が、被告の主張がとおることはこの種の事案の場合相当に困難な印象を持っております。

2013年4月15日 (月)

【建築・不動産】 賃料増額と過払金返還  東京高裁平成24年11月28日判決

 判例時報No2174号(3月21日号)で紹介された東京高裁平成24年11月28日判決です。

 ① 借家契約において、賃貸人の賃料増額請求の一部のみを正当とする判決が確定し、これに照らすと賃料が過払となっていた場合において、賃貸人が返還すべき過払金について、借家法32条2項本文は類推適用されない

 ② 借家契約において、賃貸人の賃料増額請求の一部のみを正当とする判決が確定し、これに照らすと賃料が過払となっていた場合において、その過払金の受領につき賃貸人が民法704条の悪意の受益者に当たると認められた事例

 ③ 借家契約において、賃貸人の賃料増額請求の一部のみを正当とする判決が確定し、これに照らすと賃料が過払となっていた場合において、賃貸人が返還すべき過払額の算定に関し、過払金をその後に支払期の到来する賃料に充当することなどを内容とする合意が成立していたものと認められた事例

 賃料増額請求されたところ、とりあえず増額された部分を支払って、後日の確定裁判にて賃料の相当性を争い、その結果、増額については一部のみが正当とされた場合の、過払金を請求したという事案です。

 こんなケースは余りないようにおもいますが、同種事案の際には参考にしたいと思います。

2013年4月14日 (日)

【金融・企業法務】 犯罪収益移転防止法上の本人確認義務 成年後見人と破産管財人の違い

 金融法務事情No1966(3月25日)号で紹介された金融判例に学ぶ営業店OJTです。

 鹿児島地裁名瀬支判平成20年1月25日の判決を例にとっています。

 このケースでは、後見人に就任した弁護士が、貯金の払戻を請求したところ、破産管財人と同様に裁判所の証明書があれば本人確認は不要であると主張して、貯金の払戻請求を行ったというものです。

 裁判所は、成年後見人の場合には、破産管財人と同じように考えることはできないとして、成年後見人の本人確認を必要と判断しました。

 至極当然だと思いますが、「営業店へのアドバイス」の中に、???と思うことがあったので、指摘しておきたいと思います。

 白田調査役は、「ちなみに、成年後見人の場合には法務局作成の登記事項証明書によりその資格を証明することになりますので、破産管財人と異なり、裁判所に資格証明書の発行が義務付けられておらず、本件のように裁判所作成の成年後見人証明書が提出されることはまれだと考えられます。」というのは、???です。

 むしろ、成年後見人に就任しても、法務局作成の登記事項証明書を入手できるのが、就任後1か月強程度は必要なことも少なくなく、他方で、以前の預貯金の通帳を後見人名義に変更する必要性も高いことから、登記事項証明書がない段階でも預金通帳を作る場合がほとんどというのが、複数の成年後見人を引き受けている私の印象です。

 最大手の地方銀行はその辺りの事情もよく御存じで、裁判所の証明書にて通帳が比較的容易に作成できるのですが、一部の金融機関は、マニュアルに登記事項証明書が必要と書いていることから、登記事項証明書が絶対必要、中には、さらに、弁護士会の証明書も必要!というところもあり、急いでいるときに面倒なことを言う金融機関には預入を行う気も失せます。後見や破産管財の通帳は長期間預金することが多いので、預金獲得の良い機会だと思うのですが・・・

 鹿児島地裁の事案も、裁判所の証明書を示しているということですので、一般的な後見実務を踏襲しているものと個人的には思います。「本件のように裁判所作成の成年後見人証明書が提出されることはまれだ」というのは、私の感覚にあいません。(^^;)

2013年4月13日 (土)

【行政】 措置命令処分等義務付け請求控訴事件 福岡高裁平成23年2月7日判決

 判例タイムズNo1385号で紹介された福岡高裁平成23年2月7日判決です。

 福岡高裁の判決の概要は以下のとおりです。

 産業廃棄物処分場の周辺住民が、県知事に対し、生活環境の保全上支障が生じ、又は生じるおそれがあるとして、主位的に前記支障の除去等の措置を講ずべきことの義務付けを、

 予備的に処分場の事業者に対し前記支障の除去等の措置を講ずべきことを命じることの義務付けを求めた事案につき、

 周辺住民である控訴人らの一部につき生命、健康に重大な損害を生ずるおそれがあると認めて、訴えを却下した原判決を取り消した上、予備的請求を認容した事例

 数年前まで行政関連法規なんて田舎弁護士には関係がないと思っていましたが、2,3年前から公共団体から相談を受けることが増え、少しずつ勉強していますが、分野が広いために???という状態です。行政法規に明るい市川先生がいてよかったなあ~

2013年4月12日 (金)

【金融・企業法務】 経営革新等支援機関の認定制度

 日弁連から日弁連速報が送られてきました。

 2012年8月30日に「中小企業の海外における商品の需要
の開拓の促進等のための中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律等の一部を改正する法律」(「中小企業経営力強化支援法」)が施行され、「経営革新等支援機関の認定制度」ができました。

 政府は、この認定を受けた経営革新等支援機関(「認定支援
機関」)をこれからの中小企業支援策の中核的な担い手と位置
づけ、様々な事業を行うこととしています。

 これらの事業の中で、特に重要なものは「中小企業の経営改善
計画策定支援事業」です。

 これは、中小企業金融円滑化法により金融機関から債務返済条件の緩和を受けている中小企業(30万社とも40万社とも言われています)のうち、同法が2013年3月末で終了することによって経営困難に陥るおそれのある企業に対し、認定支援機関がその経営改善計画の策定を支援し、事業再生を促進する、というものです。

 具体的には、弁護士や税理士等の認定支援機関のチームが、中小企業に対して支援(財務・事業の分析、経営改善計画案の立案、金融機関との交渉等)を行い、金融機関と合意をするなどして経営改善計画を策定した場合、認定支援機関の報酬やその後のモニタリング費用の総額の2/3(上限200万円)まで国庫から補
助がなされます。

 中小企業庁は、合計1万に達するまで支援機関を認定する予定
で随時申請を受付中ですが、

 2012年11月から開始した支援機関認定は2013年3月20日ころには累計で6700機関程度に達する予定です(うち税理士・税理士法人は約5000機関ですが、弁護士・弁護士法人は約500機関に止まっています)。

 さっそく、私の事務所も中小企業庁に申請を行いました。

2013年4月11日 (木)

【金融・企業法務】 漁業協同組合が会計担当者により現金を横領されたことにつき、同組合の代表理事に善管注意義務違反及び忠実義務違反があったとして、同組合が同代表理事に対してした水産業協同組合法39条の6第1項等に基づく損害賠償請求が認められた事例 松山地裁今治支部平成24年8月23日判決

 判例時報N02173号(3月11日号)で紹介された松山地裁今治支部平成24年8月23日付け判決です。

 漁業協同組合が会計担当者により現金を横領されたことにつき、同組合の代表理事に善管注意義務違反及び忠実義務違反があったとして、同組合が同代表理事に対してした水産業協同組合法39条の6第1項等に基づく損害賠償請求が認められた事例が、紹介されていました。

 判例時報の解説によれば、「本件のおいては、Yが、行政庁の常例検査等の際に不祥事に係る指摘を受けなかったことを自身に過失がなかったことを基礎付ける主要な事情として主張したのに対し、本判決は前記のとおり当該主張を排斥しているが、漁業協同組合の自主性を尊重する趣旨から、その健全な発達を図るために必要な限度で法定されており、常例検査の際に指摘のないことをもって不祥事が存しないことを保証する性質を有するものではないことはもちろん、不祥事が存しないことを推認させる重要な間接事実になるとも評価し難いと思われる。」、「本判決は、漁業協同組合の代表理事の水協法等に基づく善管注意義務・忠実義務違反を認めてその損害賠償責任を肯定した数少ない裁判例の1つとして、参照価値を有するものと思料するため、紹介するものである。」と紹介されています。

 海の街らしい、裁判例ですね。

2013年4月10日 (水)

【交通事故】 自動車保険契約の人身傷害保障条項の被保険者である被害者に過失がある場合において、上記条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲 最高裁平成24年5月29日判決

 金融法務事情No1965号(3月10日号)で紹介された最高裁第三小法廷の平成24年5月29日付判決です。

 判決要旨を示します。

 保険会社は保険金請求権者の権利を害さない範囲内に限り保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する旨の定めがある自動車保険契約の人傷傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において、

 上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は、

 上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が民法上認められるべき過失相殺前の損害額を上回るときに限り、

 その上回る部分に相当する額の範囲で保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する

 第一小法廷では、既に、平成24年2月20日に、同じ趣旨の判決を言い渡しています。

 但し、第一小法廷の宮川補足意見は、???でしたが、今回の田原裁判官の補足意見は、首肯できる内容でした。

 

2013年4月 9日 (火)

【倒産】 どんどん破産申立ての件数が減っている・・・ 

 金融法務事情No1965号(3月10日号)で紹介された特集記事です。

 「高松地方裁判所における破産事件の運用状況」が紹介されていました。

 破産事件の新受件数は、平成15年の1024件をピークに年々減少し、平成20年には635件、平成23年は440件、平成24年は358件まで減少しています。

 代理人弁護士申立事件は、割合こそ、平成15年の約60%から、平成24年は約85%と上昇しておりますが、件数としては、平成15年は606件だったのが、平成24年はわずか305件と半減しています。

 そういえば、平成15年ころは私の事務所でも毎月1件程度は破産申立てをしていたような記憶がありますが、今は半年に1件位ですねえ。寂しい限りです。

2013年4月 8日 (月)

【金融・企業法務】 スポット運用の清算人

 スポット運用の清算人って、時折、依頼がくるときがあるのですが、文献が少なく(大阪地裁のHPが充実していたくらい)、選任されるごとに、「はにゃ?」状態になっていました。

 金融法務事情No1965号(3月10日号)では、大阪地裁商事部の清算に関する事件について、書式付きの分かり易い解説が紹介されていたので、次回からは、依頼があった場合にはこれを参考にすることができます。

 気になる報酬は?

 よくある①意思表示受領は、5~10万円程度、②不動産の任意売却で残余金が生じない場合には、15~30万円程度、残余金が生じる場合には、残余金の多寡による、③破産財団剰余財産分配、④滞納処分庁の公売に伴う事務は、20万円と記載されており、まずまずの報酬のようです。

 田舎の裁判所よりも若干報酬が高いように思われます。ありがたいですね。

 なお、清算業務中の問題点として、①別件の不動産売買等の依頼があった場合、②清算人就任中に他の不動産競売開始決定の送付を受けた場合、③訴えを提起された場合、④余剰金が生じた場合について、わかりやすい説明がなされていました。

 また、清算人については、「原則として推薦には応じず、弁護士の中から適切な候補者を裁判所が人選する。破産手続により解散した会社で破産事件が終了している場合には、清算会社の事情を知っている元管財人を清算人候補者とする取扱いが多い。」とされています。

 さらに、登記についても、「会社法では、選任後2週間以内に登記することとなっており、登記手続は選任された清算人自身が行う。」とされています。但し、取消の登記嘱託は裁判所の職権です。

 スポット運用についてわかりやすく解説されており、一読をお勧めいたします!

2013年4月 7日 (日)

【法律その他】 将来の給付の訴えを提起することができる請求としての適格を有しないものとされた事例 最高裁平成24年12月21日判決

 金融法務事情No1965号(3月10日号)で紹介された裁判例です。

 判決要旨を紹介します。

 共有者の1人が共有物を第三者に賃貸して得る収益につき、その持分割合を超える部分の不当利得返還を求める共有者の請求のうち、

 事実審の口頭弁論終結の日の翌日以降の分は、その性質上、将来の給付の訴えを提起することができる請求としての適格を有しない

 はにゃ?

 多分、将来にわたり発生する蓋然性が高いとまではいえなかったのでしょうね。

2013年4月 6日 (土)

【法律その他】 不法に被害者を監禁し、その結果、被害者に外傷性ストレス障害(PTSD)を発症させた場合について、監禁致傷罪の成立が認められた事例 最高裁平成24年7月24日判決

 判例時報N02172号(3月1日号)で紹介された最高裁平成24年7月24日決定です。

 「被告人は、本件各被害者を不法に監禁し、その結果、各被害者について、監禁行為やその手段等として加えられた暴行、脅迫により、一時的な精神的苦痛やストレスを感じたという程度にとどまらず、いわゆる再体験症状、回避・精神麻痺症状及び過覚醒症状といった医学的な診断基準において求められている特徴的な精神症状が継続して発現していることから、精神疾患の一種である外傷後ストレス障害の発症が認められたというのである。」

2013年4月 5日 (金)

【倒産】 別除権者に対していわゆる「不足額」がないことを前提に配当を実施した破産管財人に善管注意義務違反を理由とする損害賠償責任が認められた事例 札幌高裁平成24年2月17日判決

 金融法務事情の1965号(3月10日号)で紹介された札幌高裁平成24年2月17日判決です。

 判決要旨を紹介いたします。

 別除権者に対していわゆる「不足額」がないことを前提に配当を実施した破産管財人は、

 当該別除権者が不足額について債権届出をした後、不足額確定報告書を提出するなどして不足額を証明しなかった場合でも、

 当該別除権の対象不動産が売却代金の一部を別除権者に交付する前提で破産管財人に受け戻されて任意売却が実施されているため、自ら当該別除権者の不足額を充当計算によって確定し得たときには、

 善良注意義務違反を理由として、その義務違反がなければ当該別除権者が配当を受け得た配当額に相当する損害を賠償する責任がある。

 管財人には約900万円の賠償義務が認められています。怖いですねえ。最高裁に上告しているようですが、弁護士賠償保険に入っているのでしょうかね。

 管財事件は結構リスクがあるので、裁判所も報酬にあたっては考慮してもらいたいものです (^^;)

 とはいえ、このごろ、中型規模以上の倒産事件の管財依頼がないので、ものすごく腕が鈍ってきているのですが・・・・

2013年4月 4日 (木)

【建築・不動産】 建物の賃貸借契約に伴って賃借人が差入れした資本維持積立金(預り金)の現在残高の返還請求権を有していることの確認訴訟につき確認の利益が認められた事例 東京地裁平成24年7月20日判決

 判例時報No2172号(3月1日号)で紹介された東京地裁平成24年7月20日付判決です。

 このケースをみた瞬間、建物の賃貸人が敷金交付の事実を争って、その返還義務を負わないと主張した事案の、敷金返還請求権の存在確認訴訟の確認の利益を認めた最高裁平成11年1月21日付け判決を思い出しました。

 東京地裁の事案は、建物の賃貸借契約に基づいて賃借人から資本維持積立金の名目で賃貸人に差し入れられた預り金について、賃貸借契約期間中に一定の範囲で賃借人に返還される等の性質があったことを前提に、その残額についての返還請求が未だ発生しない時点においても、当該時点における残額についての確認の利益を認めたという事案です。

 資本維持積立金って、はじめてききました。 

 

2013年4月 3日 (水)

【金融・企業法務】 預金拘束実務の現状と課題

 銀行法務21・3月号(No755)では、「預金拘束」が大きく特集記事として紹介されています。

 ①問題の所在と若干の検討 (銀行実務家)

 ②預金拘束の適法性と内部規程のあり方(座談会)

 ③預金拘束実務Q&A(弁護士)

 ④預金拘束に関する裁判例の外観と分析(弁護士)

 ⑤アンケート結果の分析と規定化のポイント(銀行実務家)

 債権保全のための預金拘束については、期限の利益喪失後は、OK しかし、期限の利益喪失事由はある賀期限の利益請求前の段階は、債権保全を必要とする客観的合理的な事情がなければ、×ということのようですが、座談会をみていても、重大な法令違反の場合、取引約定に違反した場合等、その判断が微妙な場合は、悩ましいとしかいいようがありません。

 中小企業金融円滑化法の期限は到来してしまっておりますが、期限の利益が喪失していないケースで、預金拘束という問題が発生した場合、金融機関に対してどのようなアドバイスを行うべきなのか?難しいところだと思います。

2013年4月 2日 (火)

【交通事故】 他覚所見なく追突移動距離も1㍍を2㍍と当法廷においてさえ誇張等からも後遺障害の残存を否認した 横浜地裁相模原支部平成24年12月4日判決

 自保ジャーナルNo1888(2月28日)号で紹介された横浜地裁相模原支部平成24年12月4日判決です。

 自賠責では後遺障害非該当ということでしたが、原告は12級後遺障害が発生したとして、被告に対して請求した事案です。

 判決文をみる限り、12級後遺障害の具体的な主張は丁寧になされていますが、いかんせん、それを裏付ける資料がなく、また、法廷で誇張気味の供述をしてしまったことが、裁判官に悪印象を与える結果となったようです。

 以下、判決要旨を紹介します。

 ①衝突速度30~40㌔㍍を40~60㌔㍍、移動距離1㍍を2㍍と当法廷においてさえ誇張気味の供述をしていることに鑑みると、これらの症状の程度についても、やや誇張されているのではないかとの疑いを払拭することができない

 ②他覚的所見や③事前認定時の判断、④追突時の状況等を参酌・考慮すると、⑤医学鑑定を行っていない本件において、

 ⑥原告の陳述書の記述及び⑦当法廷の供述をもとに、自賠法上の後遺障害等級12級又は14級に該当する後遺障害が残存したものと認めることはできないといわざるをえないとして、

 後遺障害を否定しました。

 ⑥原告の陳述書と⑦当法廷での供述の信用性は、①にて減殺されています。

 ②や③は、もとよりなく、④についても①により減殺され、結局、⑤医学鑑定もないので、後遺症は×ということになっております。

  

2013年4月 1日 (月)

【交通事故】 自賠責保険がない任意保険

 交通事故民事裁判例集(ぎょうせい)第45巻第1号で紹介された大阪地裁平成24年2月29日判決です。

 「自動二輪車につき自賠責保険の更新手続をしないまま同車両を運転中に対人死亡事故を起こした原告が、任意保険契約を締結した被告保険会社に対し、任意保険契約は自賠責保険等が付保されていることを前提としている保険商品であるとし、被告保険会社は原告の自賠責保険未更新を確認しないまま契約したことから、債務不履行に基づき、自賠責保険による支払額に相当する額の損害を賠償すべきであるとの原告の主張」に対して、

 被告保険会社には原告が自賠責保険等に加入していることを確認すべき契約締結上の付随義務があるとは認められないとして、原告の主張を否定しました。

 「任意保険契約が自賠責保険の上積み保険であることを明示している約款」につき、「任意保険について自賠責保険料と比較してはるかに保険料が高額であるにもかかわらず、事故発生時に自賠責保険分の保険金が支払われない事態を引き起こす任意保険契約は無意味で、被告保険会社及び被告代理店が原告所有自動二輪車について自賠責保険が未更新であることを知っているか、容易に知りうべき状況で任意保険契約の締結、更新をした場合、右条項は民法1条2項信義則に基づく消費者の権利・利益につき規定した消費者契約法10条により無効であるとの原告の主張」に対して、

 同約款が保険法等任意規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限しているとはいえないとし、

 原告自身が支払った保険料の対価部分の保険金額が支払われていることから任意保険契約の締結が無意味ともいえないし、

 自賠責保険更新手続の確認のほか、その未加入やそれにより自賠責保険分の保険料が支払われないことを消費者が認識することは特段難しいことでもないことをあげ、

 同約款が信義則に反して消費者の権利を一方的に害するものとは認められないとして

 原告の主張を否定しました。

 

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