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2013年3月31日 (日)

【建築・不動産】 仏壇の線香放置は注意義務違反の程度が著しいとして火元の被告に失火責任法における重過失・賠償責任を認めた 広島地裁福山支部平成24年7月19日判決

 自保ジャーナルの1888(2月28日)号で紹介された広島地裁福山支部平成24年7月19日判決です。

 まず、先に、実務ポイントを紹介します(P181、P182)。

 「事業者(溶接作業のミス等)の失火や、個人でも非常識な行為(火をつけたままで石油ストーブへの給油等)による損害賠償判例は時にはあるが、日本では失火責任法により火元の軽過失が免責になっていること、かつ、火元自体も大きな損害を被っていることが通例で現実には賠償資力なしとして訴えの利益がないので、判例もほとんどない。

 火元・類焼者共火災保険等により、自己責任で防御しておくしかないのが通常の認識である。」

 「なお、本件においては、被告の重過失が認定されたが、もし火災保険者が代位求償として火元に求償した場合には、同様に重過失が認定されるとは限らない点は注意を要する。本件訴訟は、類焼者対失火者の個人間の損害賠償請求である限りにおいて認められた事例であり、損保会社が火災保険金を支払うのは契約上当然の責務であり、それを業として利益をあげている。従って、プロ事業者対アマ個人の訴訟となり、損保会社の社会的責務・妥当性とのバランスという判断が別に入ってくるので、その結論は予断を許さない。」

 判決要旨を紹介します(同書P180)。

 火元を被告とし、延焼した隣家原告が被告の重過失に対し不法行為責任等に基づく損害賠償請求につき、

 消防は本件火災原因は消し忘れた線香が何らかの原因で座布団の上に落下し、線香の火が座布団に着火して出火に至ったものと推定する、

 また、重過失認定についても、

 失火罪で起訴され、被告も公訴事実を認め罰金30万円の略式命令を受け、同命令は確定したこと

 被告はいつもろうそくの火と線香の火を消すのに消し忘れて町内の見回りに出かけ、午後6時30分ころ、自宅に戻り、すぐに2階西側の寝室へ上がり、いつの間にか寝てしまったこと

 など、被告には、通常人としての注意義務違反の程度が著しいものであったと認めるのが相当であるとして、被告は、原告に対し、不法行為および失火責任法に基づく損害賠償として、本件火災によって、原告が被った損害を賠償する義務があると認定しました。

 失火責任法の裁判例って、ほとんどきいたことがありません。

 参考になります。

2013年3月30日 (土)

【交通事故】 損害保険契約に基づく求償債権の消滅時効の起算点?

 交通事故民事裁判例集第45巻第1号で紹介された平成24年2月1日付け東京地裁判決です。 

 事案は、車両保険、人身傷害補償特約、身のまわり補償特約により、被害者が受けた損害を肩代わりした保険会社が、加害者に対して支払を請求したという事案です。

 判決要旨を一部紹介します。

 損害保険契約に基づき被害者に保険金を支払った損害保険会社が、加害者に対する損害賠償請求権を取得したとして加害者にその請求をした事案について、

 主たる債務者から委託を受けて保証した保証人が主たる債務者に対して取得した事後求償権の消滅時効は、委託を受けた保証人が弁済等をもって主たる債務を消滅させるべき行為をしたときから進行するとした最高裁判例を引用し、

 これと同様に本件保険契約に基づいて発生した求償債権の消滅時効の起算点も、

 加害者の被害者に対する債務を消滅させるべき行為をした時点であるとする保険会社の主張を排斥し、

 保険会社が保険金を支払ったことにより取得した権利は被害者の加害者に対する損害賠償請求権そのものであるから、その消滅時効は、被害者が損害及び加害者を知ったときから進行するとして、消滅時効の完成を認めました。

 保険の求償債権の場合は、通常、事故発生日から消滅時効の起算日となりますから、注意が必要ですね。

 

2013年3月29日 (金)

【金融・企業法務】 預金口座に関し銀行に対してされた弁護士法23条の2に基づく弁護士会照会について、照会に係る事件を弁護士に依頼した者が銀行に対して提起した照会に対する報告義務の確認が、認容された事例 平成24年11月26日付け東京地裁判決

 金融法務事情No1964号(2月25日号)で紹介された東京地裁平成24年11月26日判決です。

 最近、判決を得ても、執行に窮することが少なくなく、そのため、依頼者の裁判所に対する信頼が揺らいでいるようなことが発生しています。

 相手方が破産していれば諦めもつくこともあるかもしれませんが、巧妙に財産を隠されるということも、弁護士であれば度々経験するのではないかと思います。

 このような場合、せめて、税務署が相手方に持っている情報を得ることができればいいのですが、そういうわけにもいかず、せめてせめて、銀行くらいの取引の有無くらいでも判明できればありがたいなあと思っています。

 他方で、銀行も守秘義務を負っていることから、このような場合、弁護士会照会を経由しての紹介ですが、今回の東京地裁判決の事例は、大手都市銀行のようですが、預金者の同意が確認できないとして、回答を拒絶しています。預金者の同意なんてもらっていたら、差押えなんて空振りに終わること必至ですが、預金者の同意が必要だというのです。

 今回の裁判所の判決は、控訴されていますが、弁護士会照会を利用する弁護士にとってはありがたい裁判例です。

 即ち、「金融機関は、国民の実効的な権利救済のために照会事項についての報告が不可欠であり、報告をすることにより重大な利益を生じない場合には、守秘義務を負う場合であっても、弁護士会照会に対する報告義務を負う。」と判断しました。

 そして、「債務名義を有する債権者が、強制執行、詐害行為取消訴訟等の措置を講ずるために求めた債務者ないしその関係者の預金口座の有無、送金の有無および送金先等に関する弁護士会照会について、報告を拒む正当な理由がないとして、銀行が、弁護士会に対し照会事項につき報告すべき公法上の義務を負う」と判断しました。

 但し、慰謝料については、「①被告の本件各照会に対する回答の当時のみならず現在においても、金融機関が弁護士会照会に対して法的な報告義務を負うか等の弁護士会照会と金融機関の秘密保持義務との関係について直接判断した最高裁判例はなく、確立した銀行実務上の運用基準も存在しないこと、

 ②銀行が顧客に対する秘密保持義務を果たすことは銀行の重要な責務の1つであり、顧客の同意が得られない限り報告してはならないとする考え方もあること、

 ③銀行が顧客に関する情報を不当に報告した場合、秘密保持義務違反を理由に顧客から法的責任の追及を受ける立場にあることはもとより、情報はいったん開示されてしまうとその原状回復は困難であることから、これによって当該情報に係る顧客の法的利益が回復不可能なまでに侵害されること、

 ④弁護士会照会を受けた銀行は、確認訴訟において報告義務が確立するまでは裁判外で対応することを余儀なくされるから、それだけ慎重な対応が要請されることなどの事情がある。」

 結局は、違法なんだけど、違法性を認識することができなかったということで、故意又は過失を否定しています。

 個人的には、1万円でもいいので認めてくれたらいいのになあと思いました。

 但し、もしも銀行が顧客から訴えを起こされて敗訴した場合には、弁護士会の方で金銭的な手当はしてあげるべきだとは思います。

2013年3月28日 (木)

【金融・企業法務】 取締役の説明義務違反を理由として提起された株主総会決議取消請求訴訟において、説明義務違反は認められないとしてその請求が棄却された事例 東京地裁平成24年7月19日判決

 判例時報No2171号で紹介された裁判例です。

 Yの株主であるXらが、Yの工場で産業廃棄物の不法投棄が行われていたにもかかわらず、Yの株主総会において、Yの代表取締役社長が、不法投棄の事実を否定し回答を拒絶したことが取締役の説明義務に違反し、本件株主総会で可決された決議の方法が法令に違反し又は著しく不公正であるとして、会社法831条1項1号に基づき、取消を求めたという事案です。

 株主総会において株主が質問した場合に取締役等が説明義務を果たしたかどうかについては、

 決議事項の内容、質問事項との関連性の程度、その説明内容等に加えて、質問株主が保有する資料等も総合的に考慮して、

 平均的な株主が議決権行使の前提としての合理的な理解及び判断を行い得る状態に達していたか否かが判断基準とされており、本判決もこれを踏襲しています。

 そして、あてはめですが、

 Yによる調査等の結果、A工場での廃棄物の埋立の事実や基準値を超える有害物質の検出が確認されたものの、

 周辺環境への影響は確認できず、所管行政庁であるC市長からは、右廃棄物の埋立てが当時の廃棄物の処理及び清掃に関する法律に抵触するとは直ちに判断できないとした上で、今後の対策として定期的な水質調査等が求められたにとどまったこと、

 Xらは本件質問に関する十分な知識や資料を有していた一方、他の株主からは同種の質問等がなく、本件質問が不法投棄を前提としたものであったことにも照らすと、Yの代表取締役が、不法投棄の事実を否定し、その余の質問に回答する必要がないなどと説明したことが不合理であったと認めることはできないとしました。

 そして、平均的な株主としも、その時点で廃棄物の撤去は認められておらず、今後も定期的な調査が実施される予定であると理解できるから、議決権行使の前提として合理的な理解及び判断を行い得る程度の説明があったと判断し、説明義務違反は認められないと判断しました。

 企業法務を扱う弁護士にとっては、当たり前の判決ですが、理解のために紹介しておきます。

2013年3月27日 (水)

【建築・不動産】 家賃保証会社が賃貸物件の鍵を付け替えるなどして実力で賃借人の占有を排除して賃貸物件内の動産を撤去処分した行為につき不法行為責任及び会社代表者の個人責任が認められた事例 東京地裁平成24年9月7日判決

 判例時報の2171号(2月21日号)で紹介された東京地裁平成24年9月7日判決です。

 事案は、家賃保証会社の追い出し行為が不法行為と評価されて、会社と代表者に慰謝料等を支払うよう明示されたという事案です。

 家賃保証会社の催促や取立行為は、非常識極まりないものだと思えますが、他方で、賃借人の態度も宜しくありません。判決文も、「まれに見る悪質な賃借人であると非難されてもやむを得ない不誠実な対応であったといわなければならない」とまで記載されています。

 社会問題化しているこのような家賃保証会社の追い出し行為については強く非難されて当然ですが、他方で、賃借人の対応についても、共感を抱くところにまではいきません。

 賃借人側の代理人には、日弁連の前会長が就任されているのですねえ。

2013年3月26日 (火)

【保険金】 簡易生命保険について、保険契約申込書の保険契約者の氏名欄に氏名を記載された者とは異なる者が保険契約者と認定された事例 東京高裁平成24年11月14日判決

 判例時報No2171号(2月21日号)で紹介された東京高裁平成24年11月14日判決です。

 本件は、簡易生命保険における保険契約者・被保険者・保険金受取人の認定等が問題とされた事例です。

 第1審は、保険契約者・被保険者・保険金受取人を、いずれもXの子や孫と認定し、Xの請求を棄却しました。

 第2審は、被保険者・保険金受取人については、第1審と同じ認定をしましたが、保険契約者については、Xと認定しました。

 以下、第2審の認定について解説を引用します(P49)。

 「本判決は、まず、保険契約申込書の保険契約者の氏名欄にはXの子の氏名が記載されていたものの、その住所欄にはXの住所が記載されており、さらに、保険料の払込みの方法に関する欄には、集金人が保険契約者方を訪問して集金する旨が記載されていて、実際にも、集金人がX方を訪問して集金していたことなどから、そもそも、保険契約申込書に保険契約者として特定の実在の人物が一義的に表示されているとは言い難いとした。

 その上で、保険契約者の住所欄に記載された住所を生活の本拠とし、その場所に訪問してきた郵便局の担当職員と応対し、保険契約者がすべき意思表示をし、保険契約者がすべき払込みについて責任を持つ人物がXであることを前提として、一切の手続が何らの支障もなく進められてきたと認定し、そのような人物で、しかも保険料の出捐者でもあるXをもって保険契約者と認定するのが相当であるとしました。

 結局、Xが保険契約者と認定されたことから、受取人等が変更できるということになるのでしょうね。

2013年3月25日 (月)

【労働・労災】 今回の安西愈先生のお話から

 最近、残業手当請求事案が増えているように思いますが、それ以外にも大変心配な問題があります。

 まずは、改正労働契約法を巡る問題です。

 第1に、スタッフを1年や2年等期限を定めて雇用されている会社は多いと思います。ところが、今回の改正で、同一使用者との間で、有期労働契約が通算で「5年」を超えて反復更新された場合には、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換します。無期労働契約になるので、転換後は解雇事由が必要になります。

 第2に、雇止め法理の法定化です。雇止めとは、有期労働契約の場合に、使用者が更新を拒否した場合には、契約期間の満了により雇用が終了します。これを雇止めといいます。雇止めについえは、労働者保護の見地から、過去の最高裁判例により一定の場合にはこれを無効とする判例上のルール(雇止め法理)が確立していますが、今回の法改正はこの雇止め法理を労働契約法に条文化したものです。

 第3に、不合理な労働条件の禁止です。同一の使用者と労働契約を締結している、有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることを禁止するルールです。

 これらは、有期契約労働者の保護を図ろうとするものですが、例えば5年を超えると無期労働契約に転換するというのであれば、かえってこの段階で更新打ち切りということが数多く発生するのではないかと思われます。

 次に、高年齢者等雇用安定法の改正です。

 従来は、60歳定年の会社の場合には、継続雇用制度によって、例えば一定の基準に満たさない労働者の場合には、再雇用をしなくてもよかったのですが、今回の改正により、希望する労働者がいる場合には65歳まで再雇用しなければならなくなりました。企業の人件費は相当増加するものと思われます。

 さらに、労働者派遣法も改正され、例えば、偽装請負等違法派遣が発生した場合には、派遣先等への直接みなし雇用が認められることになりました。これは平成27年10月1日から実施されるようです。

 いずれの改正も会社にとって大きなコストとなります。後日スタッフ等との間で紛争が発生した場合には、とても大きな負担となります。御社においても、改正労働契約法、改正高年齢者等雇用安定法について、既に十分な対応を早急にご検討されることを強くお勧めいたします。

2013年3月23日 (土)

【建築・不動産】 賃料債権の差押えの効力発生後に賃貸借契約がその目的物の賃借人への譲渡により終了した場合において、その後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることの可否 最高裁平成24年9月4日判決

 判例時報No2171号(2月21日号)で紹介された最高裁平成24年9月4日判決です。

 最高裁判決は、以下のとおりです。

 賃貸人が賃借人に賃貸借契約の目的である建物を譲渡したことにより賃貸借契約が終了した以上は、その終了が賃料債権の差押えの効力発生後であっても、

 賃貸人と賃借人との人的関係、当該建物を譲渡するに至った経緯及び態様その他の諸般の事情に照らして、賃借人において賃料債権が発生しないことを主張することが信義則上許されないなどの特段の事情のない限り、

 差押債権者は、第三債務者である賃借人から、当該譲渡後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることができない

 これって、建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に、建物が譲渡され賃貸人の地位が建物譲受人に移転したとしても、建物譲受人は、賃料債権の取得を差押債権者に対抗することができないとする最高裁平成10年3月24日判決との関係が問題となりますが、解説者は、「平成10年判決は、賃貸借契約が存続し賃貸人たる地位が建物譲受人に移転することを前提として、賃料債権の帰属が争われたものであり、賃貸借契約が終了し賃料債権の存否自体が問題となる本件とは場合を異にする」と説明されています。

2013年3月22日 (金)

これからの弁護士・・・

 10年前から弁護士が量産され、法科大学院ができてからは、それが急増しているような状況です。

 そのため、司法修習を経ても、就職先がない、或いは、弁護士登録できない方が、増え続けています。

 そのため、どんどん法曹への魅力が乏しくなり、法学部の人気も下がっているように聞いています。

 優秀な方が法学部を目指さない、また、弁護士を志さないということになると、それはひいては、弁護士に対する国民の信頼も低下することにつながります。

 弁護士の数が増えているために、弁護士間での競争も激しくなっております。

 例えば債務整理(過払金)については、今年に入って、私は1件も相談にのっておりません。都会の複数の法律事務所等が、TVや折り込みチラシにより、相談者を誘引するためだと想像しております。そのために、田舎弁護士にご相談がなくなり、その結果、債務整理事件では、市場から淘汰されてしまったわけです。(T_T) まさに自由競争に負けたわけですから、これは仕方が無いとも思っています。

 そのうち、残業代、離婚、交通事故なども同じようなことが続くでしょう。

 現在の地方の法律事務所で、このような激しい自由競争に勝てるような事務所はいくつあるのでしょうか?

 今のままではほとんどないのでは?と思います。

 しかし、本当の意味で人権擁護活動や多重債務者救済のために頑張っている赤髭のような弁護士が、このような広告を行っているのは私は目にしたことはありません。

 私のように比較的広告や広報活動を行っている弁護士(^^;)ですら、売上減少になっているのですから、広報活動等を行わない社会的弱者救済を真面目に取り組んでおられる赤髭のような弁護士は、なおさらでしょう。

 今後、弁護士は、間違いなく普通の職業の1つとして、売上や利益を気にする仕事になります。

 これが結果的に弁護士を利用する国民に良かったのか悪かったのかは、現在ではわかりません。

 但し、悪かった場合には、もう赤髭弁護士はいないことになります。

 今のような量産的な弁護士の養成課程でいいのかどうか再検討する必要があるのではないかと思っています。

  田舎弁護士が言っても、蟷螂の斧かもしれませんが・・・

2013年3月21日 (木)

本日の愛媛新聞のくらしのQ&A

 本日の愛媛新聞の「くらしのQ&A」で紹介されました。

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 今回で最終になるようです。

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 寂しいなあ~ また、会う日までごきげんよう! 正義葉勝より

【金融・企業法務】 一部の相続人からの貸金庫開扉請求

 金融法務事情No1963号(2月10日号)で紹介された実務相談室でのテーマです。

 貸金庫の開扉については、一部の相続人からの請求がされた場合には、その対応に苦慮するところです。

 貸金庫契約の法的性質は、賃貸借契約であり、且つ、貸金庫開扉の法的性質は保存行為と考えると、一部の相続人からの請求には法的な理由があるように思えます。

 とはいえ、開扉する相続人に生じる問題や、銀行が負うリスクなどを考えると、全相続人の同意がない場合には、開扉請求には応じられないことになります。

 但し、やむをえない場合には、後日のトラブルを防止するために、公証人に開扉の立会と貸金庫保護函内容物についての確認、およびそれらについての事実実験公正証書の作成を依頼すべきとされています。

 この費用は貸金庫借主の負担してもらうことになります。

 貸金庫の相談は時折受けますので、勉強しておく必要があります。

2013年3月20日 (水)

リッツカールトン大阪に泊まりました

 ホテルの接客については、東の帝国ホテル、西のリッツカールトンが有名ですが、今回、リッツカールトン大阪に宿泊しました。

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 リッツカールトンの外観は、巨大な近代的なビルです。

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 しかし、中に入ると・・・・

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 英国の貴族の館のような内部です。

 お客様に対する姿勢は、感動ものでした。事務所にも活かせないかと思い、リッツカールトン大阪営業統括支配人だった林田さんが書かれた「リッツカールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと」をジュンク堂で買って読みました。なお、林田さんは、現在は、全日空京都ホテルの社長さんをされているようです。私は京都では全日空に泊まることが多いので、サービスの感じがなんとなく似ていることからなるほどと思いました。

 また、この日は、北新地の「よし留」さんで料理をいただきました。ミシュランの★のお店です。

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 大将とツーショットです。

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 最後は、ご飯ものですが、とても美味しいおにぎりでした。おにぎり屋を目指している長男を連れてくればよかったかも?

2013年3月19日 (火)

【倒産】 破産手続開始決定前に成立した保険契約について、同決定後に保険事故が発生した場合における、保険金請求権の破産財団への帰属の有無 東京高裁平成24年9月12日判決

 金融法務事情No1963号(2月10日号)で紹介された東京高裁平成24年9月12日判決です。

 論点は1つです。

 つまり、破産者を受取人とする保険契約について、破産手続開始決定後に保険事故が発生した場合の保険金請求権が破産財団に属するかどうかについては見解が対立しています。

 保険事故の発生と同時に損害額の確定を停止条件とする債権として初めて発生すると考えれば、破産財団には属しない消極説

 破産手続開始前から抽象的な権利として発生していると考えれば、破産財団に属する積極説

 この論点については、高裁レベルでの判決はないようですが、今回、高裁レベルの判決で、積極説が採用されました。

2013年3月18日 (月)

食べ放題での無断「お持ち帰り」は犯罪なのか?がヤフーニュースで紹介されました

 ヤフーニュースで、本日、私がインタビューを受けた記事が紹介されました。

 食べ放題での無断お持ち帰りは犯罪なのか? という記事です。

 今後も、積極的に情報発信をしていきたいと思います。

 

2013年3月17日 (日)

【建築・不動産】 不動産法の知識と実務

 ぎょうせいから出ている「不動産法の知識と実務」です。

 弁護士専門研修講座の内容をまとめたものです。

 ①土地・建物の賃貸借契約締結に当たり留意すべき点

 ②不動産証券化の基礎からREITのM&Aまで

 ③最近の競売における不動産鑑定評価の実務

 ④不動産登記法改正後の登記実務

 ⑤高齢者の居住と法

 ⑥借地非訟事件における実務上の注意点

 読みごたえがありそうな本です・・・・

 出張の時にでも読みます・・・・

2013年3月16日 (土)

【労働・労災】 ビジネスガイド2月号 (日本法令)

 ビジネスガイドは、関心のあるテーマが特集でくまれているときに、購入するようにしています。

 大阪に出かけてきた際に、ビジネスガイドを購入してきました。

 特集記事「裁判例を踏まえたタイプ別能力不足解雇における事例分析と法的リスクの低減策」は、最近、ご相談の増えている分野についての記事ですので、早速購入しました。

 「仕事ができない人間を採用してしまったんだけど、なんとかやめさせることができないか?」という悩みは、事業主であれば誰でも思うことです。

 ですが、いきなりの解雇や、執拗な退職勧奨は後で問題になる場合が発生します。特に解雇の場合には、いろいろと難しい問題があるため、手続を践んでいく必要があります。

 まず能力不足と思われる事実の記録化を行います。

 そして、速やかに本人に対する指導を実施して、客観性の高い指標を用いた評価を実施します。

 そして、何度も問題点を本人と話し合い、認識を共有しておきます。

 それでも改善がなされない場合には、本人と協議し、やむをえない場合に、所定の手続をふんで解雇を行います。

 と書くと簡単なようですが、実際には難しいものです。興味があれば、購入してみて下さい。

2013年3月15日 (金)

【労働・労災】 雇用延長制度のしくみと導入の実務 

 改正高年法がイヨイヨ4月1日から施行されます。事業主の皆様、対応は十分ですか?

 そういうわけで、改正法に対応したアドバイスを行うことができるよう、日本実業出版社から出ている「雇用延長制度のしくみと導入の実務」という書籍を大阪で購入しました。

 全部で9章にわけて説明されています。

 ①65歳までの雇用確保が無条件で義務づけられた

 ②継続雇用制度と対象高年齢者基準

 ③さまざまな雇用延長制度のしくみ

 ④再雇用パートタイマー制度の導入ポイント

 ⑤再雇用したパートの賃金制度

 ⑥再雇用派遣社員制度の導入ポイント

 ⑦高年齢者の労務管理のポイント

 ⑧就業規則・労使協定の作成ポイント

 ⑨高年齢者を雇用するともらえる給付金

 読んでいると、様々な雇用延長制度があるのがわかりましたが、よくこんなことを考えられるなあと感心しました。

2013年3月14日 (木)

日弁連住宅紛争処理機関検討委員会 第3回全体会議

 今日は、日弁連住宅紛争処理検討委員会第3回全体会議が東京の日弁連会館で開催されたのですが、今回は、年度末ということもあって多忙なため、愛媛弁護士会館のテレビ会議システムを利用して参加いたしました。

 住宅リフォームに係る専門家相談(無料)が、4月1日から1回のみに変更されるようですね(現在は3回まで無料)。出張相談もなくなるみたいです。

 予算の都合らしいですが、残念です。

 それと、来年度の日弁連夏期研修(四国地区)のテーマが、私が希望していた「建築関係訴訟の最近の判例と実務」になったようです。(^o^)

 ウレピー  (^^;)  古い

【労働・労災】 高年齢者処遇の設計と実務 (労務行政)

 2月4日に出版された改正法対応版の「高年齢者処遇の設計と実務」という書籍を大阪で購入しました。

 改正高年齢者雇用安定法が4月1日から施行されることに伴い、この改正法への対応についての相談が事業者から散見されるようになっております。

 そのため、急遽、改正高年齢者雇用安定法についての書籍を複数購入しました。

 これまで定年に達した人を引き続き雇用する継続雇用制度の対象者を労使協定で限定されていた仕組みが廃止され、なんと継続雇用を希望する労働者については、全員65歳まで雇用しなければならないこと(原則)になりました。

 就業規則の相談については、だいたい顧問の社労士の先生と相談されていることが多いですねえ。感覚的なものですが、希望者のうち一定の者を再雇用の対象外とする例が多いような気がします。

 本書は、①法律解説、②判例解説、③実務解説、④緊急調査に項目をわけて説明されており、わかりやすかったです。

2013年3月13日 (水)

【消費者法】 リース契約において、サプライヤーとユーザーとの間ではサプライヤーのユーザーに対するホームページの作成に係る役務の提供を予定していたが、ユーザーとリース会社との間では当該ホームページ作成に係るソフトウェアの提供を約定していた場合に、ユーザーは、サプライヤーからホームページの作成に係る役務の提供がないことを理由として、リース会社に対するリース料の支払いを拒絶することができるか? 大阪地裁平成24年5月16日判決

 金融法務事情No1963号(2月10日号)で紹介された大阪地裁平成24年5月16日判決です。

 時折相談を受ける事案ですね。ホームページの作成をお願いしたところ、なぜかソフトウェアのリース契約を結ばされてしまったというケースです。

 判決要旨を紹介します。

 リース契約において、サプライヤーとユーザーとの間ではサプライヤーのユーザーに対するホームページの作成に係る役務の提供を予定していたが、

 ユーザーとリース会社との間では当該ホームページの作成に係るソフトウェアの提供を約定していた場合に、ユーザーは、ユーザーとリース会社との契約がサプライヤーとユーザーとの関係とは別個のものであって、両者の齟齬が直ちに一方の不成立または無効を招来するものではない以上、サプライヤーのユーザーに対するホームページの作成に係る役務の提供がないことを理由として直ちにリース会社に対するリース料の支払いを拒絶することはできない

                 ↓しかし

 リース物件とされたソフトウェアの存在自体が疑われる状況にある

 ホームページ作成ソフトを一本入手すればパソコン用、携帯用を含め、複数のホームページを自由に作成できること

 ユーザーが小規模事業者であり、第三者のためにホームページの作成を請け負うことを予定して高額なプロ用のソフトを購入するとは考えがたいこと

 短期間に高額なソフトを買い替えあるいは同時に複数のソフトを購入すること自体異例であること

 などを総合すると、

 リース会社としては、サプライヤーが、真実は役務の提供を目的としつつ、名目上はソフトウェアを対象とするリース契約を利用しようとするものであることを若干の注意を払えば了解可能であったのに、

 適切に調査確認せず、そのために多数のリース契約が締結される結果に至っている判示の事実関係のもとにおいては、

 サプライヤーからの役務提供がないことを理由とする抗弁を、信義則上、リース会社に対しても主張できると解するのが相当であるから、少なくとも未払いの残リース料の支払を拒絶することができる。

2013年3月12日 (火)

【保険金】 自動車の所有者がその所有の被保険自動車が盗難にあったとして保険契約に基づき保険金の支払いを請求した事件につき、保険契約者以外の第三者が駐車場から自動車を持ち去ったという盗難の外形的事実が合理的な疑いを超える程度にまで証明されたということはできないとして、請求を認容した原判決が取り消され、請求が棄却された事例 大阪高裁平成23年9月27日判決

 判例時報NO2170号(2月11日号)で紹介された大阪高裁平成23年9月27日判決です。

 メルセデスベンツが盗難にあったという事案で、車両保険が請求されています。

 第1審は、保険請求を認めましたが、第2審は、保険請求を否定しました。

 ①本件自動車が何者かによって盗まれているのを発見したというXの供述は信用することができず、X以外の者が本件駐車場から本件自動車を持ち去ったという外形的事実が合理的な疑いを超える程度にまで証明されたということができない

 ②本件自動車の盗難が非常に困難であることに加え、第三者の持ち去りと認めるには疑わしいX側の事情に照らすと、本件自動車がX以外の第三者によって持ち去られたことを認めるに足りる証拠はない

 Xは、神戸市に勤務する公務員だったようですが、他方で、スナックを実質的に経営しており、このことを暴力団員から脅されていたようです。

 

2013年3月11日 (月)

【労働・労災】 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準に基づく再雇用の制度を導入した事業主とその従業員との間に、当該制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係の存続が認められた事例 最高裁平成24年11月29日判決

 判例時報N02170(2月11日)号で紹介された最高裁平成24年11月29日決定です。

 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、継続雇用を希望する高年齢者のうち当該基準を満たす者を再雇用する旨の制度を導入した事業主が、

 継続雇用を希望する高年齢者たる従業員につき、当該基準を満たしていないとして再雇用しなかった場合において、

 次の(1)~(3)などの判示の事業の下では、当該事業主と当該従業員との間に、従前の雇用契約の終了後も当該制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているものとみるのが相当である。

(1)当該基準は、高年齢者の在職中の業務実態及び業務能力に係る査定等の内容を所定の方法で点数化し、総点数が○点以上の高年齢者を再雇用するというものであり、当該制度においては、再雇用される高年齢者の継続雇用の最長期限及び労働時間の上限が定められ、従前の基本給の額及び再雇用後の労働時間から所定の計算式で算出される金額が本給の最低基準とされていた

(2)当該従業員は、在職中の業務実態及び業務能力に係る査定等の内容を上記方法で点数化すると、総点数が1点となり、当該基準をみたす者であった

(3)従前の雇用契約の終期の到来により当該従業員の雇用が終了したものとすることをやむをえないものとみるべき特段の事情はうかがわれない

 この法律って、本来は60歳から年金をもらえるはずだったのが、65歳にしたことにともなう弥縫策ですよね。私自身は、60歳で引退したいなあ。でも、年金もらえないから、65歳まで働くしかないかなあ。

2013年3月10日 (日)

【交通事故】 軽微追突された46歳男子の5級脊髄症状との因果関係を認め、後縦靱帯骨化症が難治性の特定疾患として5割素因減額した 大阪地裁平成24年9月19日判決

 自保ジャーナルNo1887号(2月14日号)で紹介された大阪地裁平成24年9月19日判決です。

 人傷保険金の場合、契約者自身の過失に相当する部分には充当されることは明らかですが、契約者自身の素因減額に相当する部分に充当されるのかについては、私もよくわからない状況でした。

 保険会社の担当者ベースで尋ねると、過失相殺の場合と同じように考える回答とそうではない回答があり、???と思っていました。

 私自身は、素因減額の場合は過失相殺と同じようには考えられない見解に立っていましたが、今回の大阪地裁の判決も私と同じ見解でした。

 判決要旨を紹介いたします。

 原告受領の人身傷害保険金は、「本件保険契約の約款の人身傷害条項は、その文理上、自動車事故による人身損害に対して人傷保険金を支払う(同1条1項)と定めていることが明確であり、素因がある場合の人傷保険金は、素因がない場合の人身損害(素因減額後の損害)を対象として支払われるものと解するほかない。

 原告は、過失相殺の場合との類似性を主張するが、同約款上、過失については素因と同様の規定(過失があった場合は、支払う人傷保険金は過失相殺後の損害相当額である旨の規定)がない以上、支払われる人傷保険金は自動車事故による人身損害の全体を対象としたものと解されるのに対し、素因に関しては上記規定がある以上、扱いが異なるのは当然であり、不公平とはいえない」として、素因減額後の損害から人身傷害保険金を控除すると認定しました。

 当たり前のことだと思いますが、文献がないところなので、紹介しておきますね。

2013年3月 9日 (土)

【交通事故】 性風俗接客従業者の収入は違法性を含み無申告等からもセンサス女子同年齢の70%と認めた 名古屋地裁平成24年9月10日判決

 自保ジャーナルNo1887号(2月14日号)で紹介された裁判例です。

 デリバリーヘルス孃の休業損害が問題となったようです。

 名古屋地裁平成24年9月10日付け判決の要旨は以下のとおりです。

 デリバリーヘルスの接客従業者の原告の収入認定につき、

 原告の収益には、対価の支払を伴う接客行為の際に性行為に及ぶという公序良俗に反して違法な行為による部分が含まれていることや、

 原告が現に取得した収益に基づく適切な所得申告を行っていないこと

 等の事情に照らすと、原告の収益の減少自体が法の保護に値する休業損害であるということはできないし、適法に稼動して所得申告を行っている者の平均収入をもって休業損害の算定の基礎とすることも相当ではないと認定しました。

 風俗孃の休業損害については、①ソープランド孃の休業損害算定につき、月額平均90万円の収入のうち、公序良俗に反する行為の部分を75%とし、これを控除した月額22万5000円を基礎に収入認定した神戸地裁平成元年5月31日判決、②月平均120万円の収入があったとする28歳女子ソープランド孃の休業損害算定につき、休業期間に相当するセンサス同年齢を基礎に算定した東京地裁平成4年7月16日判決があります。

 

 

2013年3月 8日 (金)

【行政】 情報公開条例に基づき非公開決定をした地方公共団体の機関が、異議申立てを受け手から約10か月ないし1年2か月を経過した後に審査会に諮問したことについて、国家賠償法上違法とはいえないとして、国家賠償請求が棄却された事例 東京高裁平成24年11月29日判決

 判例時報No2170号(2月11日号)で紹介された裁判例です。

  第1審は以下のとおりです。

 非公開決定に対する異議申立てを受理した実施機関は、条例に定める除外事由がない限り、遅滞なく情報公開審査会に審査すべき義務を負っており、

 諮問までの通常所要期間は、他の2地方自治体の定め及び国の情報公開に関する連絡会議申合せを参考にすれば、諮問するに当たって改めて調査・検討等を行う必要がない事案については最長30日間、その他の事案については、特段の事情がない限り、最長90日間であると解するのが相当である

 本件は、諮問するに当たって改めて調査・検討等を行う必要がない事案であるから、諮問までに前記の期間を要したYの措置は国家賠償法上違法である

 第2審は以下のとおりです。

 これに対して、本判決は、

 Yによる情報公開審査会への諮問及び審査会の答申は、いずれも公開請求者を名宛人とする行政処分ではなく、行政機関の内部的な手続ないし行為であるから、Yの審査会への諮問の時期が遅滞したかどうかが国家賠償法上の違法事由に係る問題となることはなく、また、Yの審査会への諮問の時期とYの異議に対する決定の時期とを総合して考察しても、当該諮問が国家賠償法違法ということはできない

 と判断しました。

 解説に寄れば、条項公開条例の内容に関して、裁判上争われることが多い類型としては次のようなものがあるようです。

 第1は、情報公開の申立てに対し、非公開決定がされたことが違法であるかどうかをめぐって、行政処分取消訴訟の形で争われるもの

 第2は、非公開決定をしたことが違法であるとして国家賠償を求めるもの

 第3は、開示請求に対する応答の遅滞が違法であるとして国家賠償を求めるもの

 です。

 今回は第3類型に属するものですが、開示請求から応答までではなく、実施機関の審査会への諮問が遅滞したことを国家賠償事由とする点で観点が異なっています。

 

2013年3月 7日 (木)

【金融・企業法務】 普通預金債権のうち、差押命令送達時後同送達の日から起算して1年が経過するまでの入金によって生ずることとなる部分を差押債権として表示した債権差押命令の申立てが、差押債権の特定を欠き不適法であるとされた事例 最高裁平成24年7月24日判決

 判例時報No2170号(2月11日号)で紹介された最高裁平成24年7月24日判決です。

 判決の概要を紹介します。

 本決定は、

 債権差押命令の申立てにおける差押債権の特定についての最高裁平成23年9月20日決定を引用した上で、

 本件申立てにおける差押債権の表示のうち将来預金に関する部分については、第三債務者において、特定の普通預金口座への入出金を自動的に監視し、常に預金残高を一定の金額と比較して、これを上回る部分についてのみ払戻請求に応ずることを可能とするシステムは構築されていないなどの事情の下においては、

 差押債権の特定を欠き、不適法であると判断した。

 有名な最高裁決定ですが、復習の意味で紹介しました。

2013年3月 6日 (水)

【行政】 弁護士が弁護士会等の役員としての活動に伴い支出した懇親会費等の一部が、その事業所得の計算上必要経費に算入することができ、また、消費税等の額の計算上課税仕入れに該当するとされた事例 東京高裁平成24年9月19日判決

 判例時報No2170号(2月11日号)で紹介された東京高裁平成24年9月19日判決です。

 必要経費に該当するかどうか?が問題とされました。

 裁判所は、

① 弁護士会等の役員等として出席した懇親会等の費用については認めましたが、弁護士会の会長として執行部を構成するメンバーと執行部会後に行った懇親会と懇親会等後の2次会については認めませんでした。

②弁護士会会長又は日弁連副会長に立候補した際の活動費等に要した費用の内、日弁連副会長候補選挙規定に基づく立候補費用は認めましたが、一般的な選挙活動に要した費用は認めませんでした。

③それ以外の費用については認めませんでした。

 判決の結論はなんとなくそんなもんかな~と思いました。

 それよりも驚いたのは、多分原告の先生は仙台弁護士会の会長ということですから、地元の大物弁護士だと思うのですが、平成16年度の総所得額が約1300万円、平成17年のそれが約3100万円ということです。2000万円近くも所得が違っています。ここまでの大物弁護士でも、年度の総所得に大きな相違がみられるのですから、田舎弁護士のような小物(^^;)は、なおさらかもしれません。

 

2013年3月 5日 (火)

岡山に出かけてきました。

 岡山に出かけてきました。

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 出迎えてくれるのは、桃太郎とその仲間達です。

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 駅前商店街ですが、残念ながら、松山の方が活気があるように思いました・・・

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 若い方と、外国人が多いような印象を受けました。 

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 路面電車は、中も外も可愛らしい・・・

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 伊予鉄は、坊ちゃん列車以外は、まあかわりばえがしませんねえ~。高知も、路面電車 結構 かっこいいのが走っています。

2013年3月 4日 (月)

第169回金融法務研究会に参加しました。

 きんざいが主宰している金融法務研究会に参加しました。

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 会場はいつものように大阪銀行協会です。今回のテーマは、「リスク商品販売に関する裁判例からみる高齢者の意思確認」でした。講師は、弁護士の亀井洋一先生です。

 高齢者に元本割れリスク等がある投資商品を販売する場合、どのような方法で顧客がリスクを理解した上で購入したことを確認すればよいかを裁判例から検討されています。

 特に、ノックイン型のリンク債や投信についての裁判例を要領よく紹介されています。

 ノックインって、よくわからないように思えますが、要は、株価指数が当初指数の一定割合である所定のノックイン水準以下となることが発生しなければ、元本額が償還されるが、一度でもノックインが生じた場合には、時価で償還されるという仕組みのことをいうようです。

 ノックインが発生する可能性が低ければいいのですが、結構あるような場合には、リスクが大きくなります。

 実質的には、金融法務事情No1856号の特集記事の解説講義でしたが、まあ、1人で読んでいるよりも、理解がしやすいように思えました。

 今年度最後の金融法務研究会でした。

2013年3月 3日 (日)

【建築・不動産】 中古の建物と敷地の売買契約において建物が傾斜していたことにつき、建物の基礎の隠れた瑕疵を認め、売主の瑕疵担保責任が肯定された事例 東京地裁平成24年6月8日判決

 判例時報No2169号(2月1日号)で紹介された東京地裁平成24年6月8日判決です。

 判決の概要は以下のとおりです。

 本件建物の傾斜は本件土地の不同沈下によって発生したものであるから、本件建物の基礎に隠れた瑕疵があると認められる

                  ↓

 右傾斜を補修することにより居住用建物として利用可能であるとして売買契約を解除することはできない

                  ↓

 Yの損害賠償責任として、本件建物の傾斜の原因・補修方法に関する調査費用、補修費用相当額、弁護士費用等を賠償すべきことを命じた。

 なお、売買は平成14年8月8日、Xらが建物が傾斜していることを感じたのは、平成18年1月 とすれば、瑕疵担保責任の除斥期間が心配になります。

 これに対しては、平成18年1月ころは、本件建物の傾斜の程度、方向等を正確に認識していなかったこと、一級建築士に調査を依頼して傾斜の程度や方向等を具体的に知った平成19年2月が除斥期間の起算点とすること、平成19年5月に内容証明郵便を送っていることから、セーフとしています。

 建築瑕疵って、最初はとっきにくいですが、経験を積んで用語などに慣れてくると、そうでもないように感じます。

2013年3月 2日 (土)

【医療事故】 下腹部痛及び呼吸苦を訴えて救急車で搬入されて入院した患者が大動脈解離で死亡した場合に、医療水準にかなう医療行為が実施されていたならば死亡時点においてなお生存した相当程度の可能性は認められるとして、診療契約上の債務不履行に基づき患者に対して慰謝料400万円を支払うのが相当であるとされた事例 札幌地裁平成24年9月5日判決

 判例時報No2169号(2月1日号)で紹介された裁判例です。

 判決の概要は以下のとおりです。

 Aの胸部単純CT検査画像上、胸部大動脈病変を疑うべき所見が認められ、所定の診療を行うべき義務があったと認められる

                  ↓

 腹部単純CT検査や胸腹部造影CT検査を実施しなかったのであるから、Yには、診療契約上の注意義務違反が認められる

                  ↓

 右義務違反とAの死亡との間に因果関係を認めることはできない

                  ↓

 医療水準にかなう医療行為が実施されていたならばAが死亡時点においてなお生存した相当の可能性を認めることができる

                  ↓

 相当程度の可能性を侵害されたことに対する慰謝料は400万円

2013年3月 1日 (金)

【交通事故】 自動車損害賠償保障法15条所定の保険金の支払を請求する訴訟において、裁判所が同法16条の3第1項が規定する支払基準によることなく保険金の額を算定して支払を命ずることの可否 最高裁平成24年10月11日判決

 判例時報No2169号(2月1日号)で紹介された最高裁平成24年10月11日判決です。

 事案は以下のとおりです。

 まず、被害者Xは、自賠責保険金1500万円を受領しました。

 Xは、Yに対して、提訴したものの、①Xの損害が7500万円であること、②Xの過失が60%とすること、③YはXに対してさらに1500万円を支払うことを内容とする和解をしました。

 YがXに対して1500万円を支払ったので、Yは自賠社に対して、1500万円を加害者請求しました。

 ところが、自賠社は、Xは重過失であるから自賠責保険金は1500万円であるから、これ以上支払うべき義務はないとして支払を拒絶しました。

 そこで、X(正確には任意社)は自賠社に対して1500万円の支払いを求めました。

 高松高裁は、Xの損害は7500万円、Xの過失は7割とみて、支払基準によれば2100万円の自賠責保険金を支払う義務があるにもかかわらず、1500万円しか支払っていないとして、600万円の支払いを認めました。

 最高裁は、Xの損害は7500万円、Xの過失割合は80%、Xが請求できるのは1500万円、Xは自賠社から1500万円を受け取っているので、請求できないと判断しました。

 これって、実際は、任意社と自賠社との紛争だったのですが、仮に、Xに任意社がない場合に、今回のような和解をしたら、「もしかして、弁護過誤?」になっていたかもしれません。

 恐ろしい~

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