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2013年2月28日 (木)

弁護士賠償責任保険事例集

 全国弁護士協同組合連合会が出版している弁護士賠償責任保険事例集を、ざっと読んでみました。 

 けっこう、ひやりとするものがありました。

 家族の1人が他の家族の委任状も持参してきた場合、持参してきた者の意思確認して示談を成立させたような場合、まずいです。「緊急性や反復性がある場合でも、電話などで委任意思の確認をすることが必要です。」

 別件事件の依頼を受けている場合、依頼人から、別件事件以外の事件も依頼しているといわれることがあります。これも怖いですねえ。委任契約書できちんと受任の範囲を明確にする必要があります。

 第1審で請求の拡張をしなかったが説明義務違反として依頼人から損害賠償を受けた事案です。詳細な報告書を依頼人を交付していることが免責の判断につながったようですが、依頼人から後ろから切りつけられる典型的なケースですね。

 交渉中の弁護士の発言が原因で相手方が自殺してしまったというケースです。弁護士の発言自体は特に問題があるように思われないですが、解決金を支払っているみたいです。

 事務所のスタッフが間違えて依頼人の職場にFAXをしてしまったという事案です。

 保釈保証金も怖いですねえ。資金を出した人ではなく被告人に返還してしまったという事案です。この事案では、保険金も免責という最悪の結果になっています。

 代理人に和解金を支払ったことにより、相手方から請求があったような事案もイヤですねえ。

 破産管財業務は、弁護過誤のパレードのような状況になっています。

 注意する必要がありますね。

2013年2月27日 (水)

【金融・企業法務】 銀取 期限の利益当然喪失事由

 銀行法務21・2月号(No754号)で紹介された「銀行員が書いた銀取のトリセツ」という連載記事です。

 期限の利益当然喪失事由の1つに、「支払の停止」というのがあるのですが、「支払の停止」に当たるかどうか判断しにくく、問題となり得る事象が検討されています。

 ①事業再生ADR、②特定調停手続の申立て、③第1回不渡り発生、④受任通知が、「支払の停止」にあたるかどうかを検討解説されています。

 結論として、①事業再生ADRはあたらない、②特定調停手続の申立ても、申立内容や取引先の状況次第、③第1回不渡り発生も、状況次第、④受任通知は、給与所得者の場合はあたるが、それ以外は状況次第ということのようです。

 判断に迷ったら、請求喪失の方が無難のようです。

2013年2月26日 (火)

【消費者法】 シティズの請求認諾 なんじゃこれ?

 消費者法ニュースNo94号(2013/1号)で紹介された記事です。

 要旨は、以下のとおりです。

 シティズの平成18年5月1日付け金銭消費貸借契約(平成18年1月13日以降のみなし弁済事案)について、「弁済金は約定利息、損害金、元金の順に充当する」という特約があることから、任意性がなく、また貸金業法17条書面でないとして、上告受理申立をしたところ、

 なんと、最高裁が受理して口頭弁論期日を指定しました。

 これに驚いたシティズが、請求を認諾して裁判を終わらせてしまったという事案です。

 原審は、

 ①本件契約締結の際に、シティズが借主に交付した契約書及び説明書には、期限の利益喪失特約とともに、利息制限法の定めの抜粋が記載され、制限利率及びこれを超過する利息の定めは無効であることが明記されていること、②借主は、説明書を、内容の説明を受けた上で受領しましたとして署名していることから、

 借主が約定利息を支払わなければ期限の利益を喪失するとの誤解を生じさせていたと認めることはできず、

 約定利息での償還表が交付されていたとしても、各弁済には任意性を認めることができ、法43条1項のみなし弁済の適用が認められ、これには過払金は発生していない旨判断して、借主の請求は理由がないとしました。

 これに対して、借主は、任意性がなく、17条書面要件も満たさないとして上告受理をしました。

 最高裁が、任意性と17条書面性について、受理したら、シティズは請求を認めてしまったという事案です。

 なんとまあ往生際が悪いと思いました。

 ですが、シティズ事案は、第1審や第2審で負けていたとしても、上告受理申立てをすれば、請求認諾してくれるかもしれないので、負けたとしても、まだまだ希望があるように思いました。

2013年2月25日 (月)

【金融・企業法務】 反社会的勢力排除の法務と実務

 きんざいから昨年12月に出版された「反社会的勢力排除の法務と実務」という書籍です。

 目次をみると、①法令編、②市民生活・行政分野からの暴力団排除編、③企業からの反社会的勢力排除編の、3つにわかれます。

 特に、(1)金融業界、(2)建設土木業界、(3)不動産流通業界、(4)その他(①ホテル・旅館、②ゴルフ場、③飲食業、④小売店業界、⑤タクシー業界、⑥運送業界、⑦警備業界、⑧スポーツ業界等)に、業界ごとの対応策を丁寧に説明されているのは、グーですね。

 時折に紹介されているコラム、おもしろかったです。(^^;)

叔母の死

 叔母が亡くなったので、葬儀に出席しました。

 叔母は着物屋を営んでいたので、小さいころは、お茶の先生をしている祖母に連れられて店にまでお邪魔をしていたことを思い出します。

 お邪魔すると、だいたい、和菓子と熱いお茶でもてなしてくれ、いつも、「(見る度に)大きくなったねえ~」と言われていました。

 叔母は明るくて闊達な女性だったので、叔母の所にいくといつも華やかな気分になっていたものです。

 私が司法試験に合格した後も、おんまく(今治の夏祭り)のための着物を叔母のところで作ったりして、また、結婚してからは、私の嫁が叔母と気が合うのか時折遊びに出かけたりしていました。

 娘も浴衣を叔母のお店で作ったことがあります。 

 そういえば、義父母が結婚した時に仕立てた着物も叔母のところで作ったようです。

 親族の行事の時には、いつも叔母が参加し、明るい雰囲気を醸し出してくれていました。

 先日の葬儀では、母の姉達が出席していました。

 当たり前のことですが、みんな、「おばあさん」になっていました。

 葬儀の際に、ふと、作家の井上靖先生がその著作の中で、親が亡くなった際に死が近づいていることを意識させられるようになった、親がそのような意識を生じさせない防波堤になっていたというようなことを述べておられたことを思い出しました。

 この葬儀まで、私の叔母達は永遠に生きるのではないかという気持ちをなんとなく抱いていました。

 そして、葬儀のあと、なぜか私は悲しいという気持ちよりも、「叔母はもうこの世にはいないんだなあ」という寂寞とした気持ちの方に強く支配されました。

 今回の葬儀では、子どもたちも積極的にお棺に花を入れてくれるなど活躍してくれました。

 着物を作ったりしましたので、子どもたちもおぼろげながらも記憶はあるはずです。

 子どもたちがどのような気持ちで葬儀にのぞんだのかはわかりませんが、きっと良い経験になったのではないかと思います。

 ご冥福をお祈り申し上げます。    合掌

 

  

2013年2月24日 (日)

【金融・企業法務】 会社分割の理論・実務の書式(第6版)

 1月に発行された「会社分割の理論・実務と書式」(第6版)です。

 第5版は、2010年9月なんで、なんか損した気分です。

 会社分割の書籍は、本書と、商事法務の「会社分割ハンドブック」、ぎょうせいの「組織再編と事業承継」の3冊をよく参照します。

 さすがに第6版を速読するのは難しいので、第5版とどこが変わったのかというと、第5版はページが643ページですが、第6版は665ページになって、若干増えているようです。

 値段は、100円(外税)アップです。(^^;)

 はしがきによれば主に変わったところは以下の点のようです。

 「第1章 会社分割法の概要」「第2章 会社分割の実務と書式」「第4章会社分割の瑕疵」においては、法制審議会会社法制部会によって平成24年8月1日にとりまとめられた会社法制の見直しに関する要綱案(会社分割等における債権者保護のための制度)についての解説がなされています。

 また、詐害行為取消権に基づき新設分割を取り消すことができる旨を判示する最高裁判決が明らかになったため、第4章において詳しく解説しています。

 「第5章 会社分割の特別法上の取扱い」においては、独占禁止法の企業結合手続が変更され、これに伴って、平成23年6月14日にガイドライン(企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針)の改訂があったので、その部分が書き改められています。

 「第8章 会社分割の登記と担保実務」についても、大きな税制改制があったため、訂正などがされています。

 ということは、ありゃ、よく参照している「第2章 会社分割の実務と書式」は余り大きな訂正はなかったのか~

 損したかもしれん (^^;)

2013年2月23日 (土)

【法律その他】 震災・原発事故と環境法

 民事法研究会から、「震災・原発事故と環境法」という書籍が先月出版されました。

 その中で、高橋滋一橋大学副学長が書かれている「規制システムの改革」がわかりやすいのではないかと思いましたので、一部を引用します(P25~P29)。

「(B) 原子炉等規制法の改正(その1)

 次に、原子炉等規制法について、事故の教訓を踏まえて、さまざまな対策の強化が行われた。そのうち、まず、注目すべきは、過酷事故対策、バックフィット制度、高経年化炉対策等の導入である。」

「① 過酷事故対策の法的義務化

 法制度の改正により、商業用原発をはじめとする発電用原子炉施設の許可の際に判断すべき事項として、過酷事故対策が位置づけられた。また、発電用原子炉施設等の事業者に対し、炉毎に、施設の設計および運用における安全対策の総合的な評価を実施するとともに、その結果を環境大臣に届け出て、公表することを義務づけられる。」

「② バックフィット対策の導入」

「 改正後の原子炉等規制法では、施設・事業につき法が定める許可要件=災害の防止上支障がないものとして原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること に適合しない施設に対しては、環境大臣が施設の使用の停止等を命ずることができるとされている。」

「③ 高経年化炉対策の強化」

「 今回の法改正では、発電用原子炉の運転期間については、原子炉等規制法の中に40年とする規定が導入され、そのうえで、1回に限り所定の期間内の延長が認められることになった。」

 その他に、④事業者の責任の明確化、⑤災害発生時における国民の生命・健康の保全の徹底、⑥原子力安全規制の法令の一本化がなされました。

 原発については、新法や改正法が相次いでいますが、高橋副学長の「原子力規制法制の現状と課題」を読めば、概要はつかめるように説明されています。

 関心が高いテーマだと思いますので、一読をお勧めいたします。

 

2013年2月22日 (金)

しまなみ法律事務所の理念 (^_-)

 当事務所の前身である「しまなみ法律事務所」は、「しまなみ」海道の中小企業及び市民に対する良質なリーガルサービスの提供を理念に、平成11年8月に設立し、以降順調に発展を遂げ、数年前に弁護士法人化いたしました。

 ただ、私自身が未だ未だ中堅弁護士に過ぎないこともあり、経験不足や専門的な知見の乏しさなどのため、必ずしも十分な内容のサービスを提供してこれたのかというと、甚だ自信がありません。

 有用なスタッフや弁護士に助けられ、また、お客様からのアドバイス等も得て、経験不足の点は一生懸命に仕事をやることにより、知見不足の点は専門書を学習するなりして、誠心誠意仕事をさせていただきました。

 また、この大好きな地域が少しでも良くなるようにという思いで、たくさんの今治市の行政委員も引き受けさせていただきました。そこで得た経験や知識は、この地域の中小企業及び市民に対する良質なリーガルサービスの提供に資するものとなっております。

 今後も、いろんなことに挑戦して、しまなみ海道の中小企業及び市民のお力になれるよう、事務所スタッフ共々、精進していきたいと考えております。

 以上、宜しくお願いします。

                             母律子の誕生日に。 

 

2013年2月21日 (木)

【労働・労災】 メンタルヘルス訴訟の実務

 ぎょうせいから出ている「メンタルヘルス訴訟の実務」という書籍です。

 業務上外認定、労災民事訴訟、職場復帰に関連する裁判例を要領よくピックアップされている良書だと思いました。

 最近のマスコミの報道などからすれば、上司によるパワハラ等により、スタッフが鬱病を罹患したり、或いは、自殺してしまったというような事案が、散見されます。

 また、鬱病等に罹患して休職したものの、復職をどうするかというようなケースも、少しづつですが、相談が増えているように思います。

 とはいえ、田舎弁護士の事務所では、メンタルヘルスを直接取り扱った労災民事訴訟というのは、取り扱ったことはありません。多分、地方の弁護士は、似たようなものと思います。

 ただ、労災に限らず、メンタルヘルスについては確実に相談が増えている分野なので、少しずつ勉強をしていなければならないと思いました。

 

 

2013年2月20日 (水)

【金融・企業法務】 企業不祥事に対する株式市場の評価と不祥事情報の監査への活用の可能性

 月刊監査役2月号(609号)で登載された論文です。

 その中で、企業不祥事発生のメカニズムという項目の記事は考えさせられました。

 事故が発生する原因は、偶然に偶然が重なり、些細なヒューマンエラーや、或いは、システムの設計時点では想定していなかった不測の事態が発生した際には、防護壁がその機能を十分に果たすことができず、結果として大規模な事故に至ってしまうのだそうです。

 英国の心理学者Reasonは、このような事故を組織事故と呼び、その発生リスクを最小化するためには、組織のハード面の強化ではなく、ソフト面である安全文化の強化が肝要であると結論づけています。具体的には、①報告できる文化、②正義の文化、③柔軟な文化、④学習する文化、の4つが、組織のトップから現場の作業員まで浸透して初めて、防護壁の機能が高まると説明されています。

 また、事故の他に、組織に所属する役職員による不正行為が何故発生するのかについても、分析されています。企業側は、コンプライアンス規程や社内教育、内部監査システムによるチェック機能を構築することによって、役職員による不正の発生を未然に防ぐ仕組みを構築しています。

 しかしながら、不正行為においても、体制や制度面での強化による不正行為抑制効果は限界があると言われており、むしろ組織文化を変え、組織のインテグリティを高めることが重要であると言われています。

 組織文化ってことは、結局、人の意識の問題と言う事なんですね。

 私自身、知らなかった法則なんですが、「1件の大事故の背景には、29件の軽微な事故があり、その背後には300の些細なエラーが潜んでいる」という経験則があるようです。ハインリッヒの法則と呼ばれているようですが・・・・

 この法則の意味は、無害で大事に至らなかったニアミスを注意深く分析することが大切だということです。

 うちも気を付けよう! 

 

2013年2月19日 (火)

【金融・企業法務】 中小規模会社にこそ、監査役の活用 !

 月刊監査役臨時増刊号(No698号)が届きました。昨年10月に行われました第75回監査役会議の詳細な報告が紹介されていました。

 その中に、中堅・中小企業会社における監査役監査の重要ポイントと題する分科会の様子が紹介されていました。

 中堅・中小企業といっても、①資本金約5億円、売上約230億円、②資本金約5億円、売上73億円の会社、③資本金約10億円、売上約210億円の会社からの報告ですので、例えば、田舎弁護士の地域の会社でいえば、上位50位には入るような、地元ではかなり有力な会社に入る企業さんだと思います。building

 とはいえ、地方の有力な会社といえども、本来の会社法等が予定している監査役監査を実施している会社は、多分、数えるほどしかないと想像しています。

 分科会での報告でも、取締役に対して監査役の役割を説明してもあまり関心を持たれず、苦労したようなことが報告されていました。

 とはいえ、監査役の役割を根気強く執行部に対して説明し、次第に理解を得て、取締役が善管注意義務を負わないよう、会社が不利益を被らないよう、監査役監査が効果的に実施されていることなどが紹介されていました。

 もちろん、監査役監査や内部統制システムがうまく働かず、その結果、会社に大きな不利益が被った話しも紹介されていました。

 本当に小さな会社の場合には、監査役・営業部長というような名刺をみて大変驚いたことがあるのですが、この地域の上位50社くらいは、単に会社法の規定で監査役を置いているというのではなく、執行部に対して、適度の緊張感を保つことができるよう、名ばかりの監査役ではなく、実効的な監査役を置かれたらどうかと思っています。

 地方ではそれなりの企業でも、例えば、社長の奥さんが監査役ということがありますが、会計監査に限定されていたとしても、せめて、顧問税理士を監査役とするか、或いは、制限のない監査役の場合には、そのうち1名を企業法務にある程度精通している弁護士に依頼するかなどのことを考えてもよいのではないかなあと思いました。

 私自身、監査役をしている会社に少しでもお役に立てるよう、毎月2回程は会社にお邪魔し、また、日々メールや電話などで相談に乗ったり、或いは、月刊監査役等の専門誌を読んで、経験や知見を積むよう努力しています。scissors

2013年2月18日 (月)

【金融・企業法務】 保証否認 ~錯誤  東京高裁平成24年5月24日判決

 金融法務事情No1962号(1月25日号)で紹介された東京高裁平成24年5月24日判決です。

 保証否認事案はたまにご相談を受けることがありますが、通常の場合は、合理的な理由に基づくものではないことが多いように思いますが、裁判例等をみると、問題と思われる様なケースも散見されます。

 ただ、前記控訴審は、保証否認を認めましたが、第1審は、保証否認を斥けています。裁判所によっても見解がわかれるところであり、いわゆる保証否認事案は、ケースによれば難しい事案の時もあります。

 では、控訴審判決の要旨を紹介いたします。

one 保証人は、主たる債務者の返済能力を誤信した場合であっても、

 その誤信が、主たる債務者が融資を受けて購入する物件の担保価値が十分であるため、主たる債務者が融資の返済を怠っても、保証人の責任が追及されることはないと判断しただけでなく、

 その判断が、当該融資をする債権者の担当者の当該物件の資産価値に関する誤った説明に基づくものであったときは

 動機の錯誤を理由として、当該保証契約の錯誤無効を主張することができる。

two 保証人は、主たる債務に係る債権譲渡に異議を留めない承諾をした場合であっても、保証契約の締結に錯誤が認められるときは、その無効を主張することができる。

 →融資担当者は、「10億の物件が4.5億で買える」、「2.5億も、物件がちゃんと残る」、「お兄さんには一切迷惑がかからない」、「大丈夫、大丈夫」等発言されたようです。coldsweats02

  これじゃあ、保証否認になっても当然のように思います。

2013年2月17日 (日)

【建築・不動産】 第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合における当該建物の明渡請求と併合されている他の請求の当否等についての控訴審の判断 最高裁平成24年4月6日判決

 金融法務事情No1962号(1月25日号)で紹介された最高裁平成24年4月6日判決です。

 以前にも紹介させていただいておりますが、再度の紹介です。

 判決要旨は、以下のとおりです。

 第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合には、

 控訴審は、当該建物の明渡請求と併合されている賃料相当損害金等の支払請求の当否や同請求に対する抗弁において主張されている敷金返還請求権の存否についても、当該明渡しの事実を考慮することなく、判断すべきである。

 感覚的には変な感じですが、あくまで「仮」執行なのでということのようです。

 感覚的に変なところについて、法廷意見は、「当該確定判決に基づく強制執行の手続において考慮されるべきことである」と述べています。

 サラ金への過払金請求事案以外は、仮執行での執行はしたことがありませんが、仮執行で建物明渡しというのは、大変な勇気がいると思うので、普通はしないのではないかと思います。まあ、控訴審でも間違いなく勝てるという事案であれば別かもしれませんが・・・賃料不払い、無断転貸なので、大丈夫と判断されたのでしょうか。

2013年2月16日 (土)

【交通事故】 無保険者傷害保険と、充当方法、遅延損害金の利率、弁護士費用

 金融法務事情N01962号(1月25日号)で紹介された最高裁平成24年4月27日判決です。

 以前も紹介しましたが、再度、紹介します。

 まず、損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めのない自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づく支払われる保険金の額の算定方法についてです。

 保険金は、損害の元本の額から、「自動車損害賠償責任保険等」からの支払額の全額を差し引く方法により算定すべきであり、上記支払額のうち損害の元本に対する遅延損害金に充当された額を控除した残額を差し引くことにより算定すべきではないと判示しました。

 次に、自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づく保険金の支払債務に係る遅延損害金の利率は、商事法定利率である年6%と判示しました。

 なお、無保険車傷害保険については、他に、加害者に対して損害賠償請求をするための弁護士費用を填補するものかという問題があります。

 これについては、直接最高裁は回答していませんが、原審の名古屋高裁は、肯定しており、この点についての上告受理申立て理由は、受理決定において排除されていることから、解説には、「上記問題について、裁判例の大勢は決したように思われる。」と記載されています。

 無保険車傷害事案については時々相談がありますので、是非とも押さえておく必要の有る最高裁判決です。

2013年2月15日 (金)

【倒産】 債務者の代理人である弁護士が債権者一般に対して債務整理開始通知を送付した行為が、破産法162条1項1号イ及び3項にいう「支払の停止」に当たるとされた事例 最高裁平成24年10月19日判決

 金融法務事情No1962号(1月25日号)で紹介された最高裁平成24年10月19日判決です。

 弁護士からの受任通知の内容は、以下のとおりであったようです。

 本件通知には、債権者一般に宛てて、「当職らは、この度、後記債務者から依頼を受け、同人の債務整理の任に当たることになりました。」、「今後、債務者や家族、保証人への連絡や取立行為は中止願います。」などと記載され、甲野が債務者として表示されていた。

 もっとも、本件通知には、甲野の債務に関する具体的な内容や債務整理の方針は記載されておらず、本件弁護士らが甲野の自己破産の申立てにつき受任した旨も記載されていなかった。

 本件は、破産者の管財人が、受任通知後に支払を受けた財団法人に対して、否認を主張して弁済金の返還を求めたという事案です。

 破産者の代理人は、債権者一般に、受任通知を送付しているようです。

 ただ、代理人の中には、破産者の希望を受け入れたのかどうかはわかりませんが、サラ金だけに受任通知を送り、結果的には、一部の債権者には支払を続けさせるということもありうることで、このような事件の管財事件にあたった場合、否認権を行使すべきかどうか判断に迷うことになります。このようなケースの場合には、受任通知から申立てまでの期間も長く、偏頗弁済の金額も大きくなりがちであろうと思われます。

 判決要旨を紹介いたします。

 「債務者の代理人である弁護士が債権者一般に対して債務整理開始通知を送付した行為は、

 ① 上記通知に、上記債務者が自らの債務整理を弁護士に委任した旨並びに当該弁護士が債権者一般に宛てて上記債務者、その家族及び保証人への連絡及び取立行為の中止を求める旨の各記載がされていたこと

 ② 上記債務者が単なる給与所得者であり広く事業を営む者ではないこと

 など判示の事情のもとでは、

 上記通知に上記債務者が自己破産を予定している旨が明示されていなくても

 破産法162条1項1号イおよび3項にいう「支払の停止」に当たる。 

 なお、須藤正彦裁判官による補足意見があります。須藤裁判官は、一定規模以上の企業、特に、多額の債務を負い経営難に陥ったが、有用な経営資源があるなどの理由により、再建計画が策定され窮境の解消が図られるような債務整理の場合の支払の停止については、一概に決めがたい、自明のことだと思われるが念のために指摘しておくと述べておられます。

 親切ですねえ~happy01

2013年2月14日 (木)

【行政】 さくら市債権放棄議決事件上告審判決 最高裁平成24年4月23日判決

 判例時報No2168号(平成25年1月21日号)で紹介されていた最高裁平成24年4月23日付け判決です。

 最高裁平成24年4月23日付け判決は、①住民訴訟の対象とされている普通地方公共団体の損害賠償請求権を放棄する旨の議会の議決の適法性、及び、当該放棄の有効性に関する判断基準、②住民訴訟に係属中にされたその請求に係る市の損害賠償請求権を放棄する旨の市議会の議決が違法であるとした原審の判断に違法があるとされた事例です。

 まず、争点①については、最高裁は、地方議会の裁量権の逸脱又はその濫用を審査する際の考慮要素として、(1)当該請求権の発生原因である財務会計行為等の性質、(2)当該議決の趣旨及び経緯、(3)当該請求権の放棄又は行使の影響、(4)住民訴訟の係属の有無及び経緯、(5)事後の状況その他の諸般の事情を掲げています。

 次に、争点②では具体的なあてはめを行っております。

 本件売買については前町長は水道事業の管理者として用地取得の早急な実現に努めるべき立場にあり交渉の期間や内容等につき相応の裁量も有しており、仮に本件土地の取得を断念すれば水道事業の拡張計画がさらに遅れて町及びその住民全体の利益に反する結果となる状況にあったこと

 本件売買の価格を売主が要求したのは不動産鑑定士の鑑定結果に依拠しており、その適否の判定は中立的な専門家の関与なしには困難で、限られた期間内の当事者同士の交渉によって売主から代金額の大幅な引き下げが可能であったか否かは明らかではないこと

 等からすれば、原審の認定した事情のみから直ちに前町長の帰責性が大きいと断じることはできないと判断しました。

 →この争点についてのはじめての最高裁判決であり、勉強しておく必要があります。

2013年2月13日 (水)

【行政】 神戸市債権放棄議決事件 最高裁平成24年4月20日判決

 判例タイムズNo1383号(2013・2号)で紹介された最高裁です。

 今回紹介する①神戸市債権放棄議決事件の最高裁判決(公益的法人に給与相当額の補助金又は委託料を支払ったケース)の他、②大東市債権放棄議決事件(最高裁平成24年3月20日判決)(非常勤職員に退職慰労金を支出したケース)、③さくら市債権放棄議決事件(最高裁平成24年4月23日判決)(土地の購入代金が過大であると主張されたケース)も、紹介されていました。

 神戸市債権放棄議決事件の最高裁判決の骨子は以下のとおりです。

 one 市がその職員を派遣し又は退職の上在籍させている団体に対し公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律所定の手続によらずに上記職員の給与相当額の補助金又は委託料を支出したことにつき、市長に過失があるとはいえないとされた事例

 two 普通地方公共団体が条例により債権の放棄をする場合におけるその長による意思表示の要否

 three 住民訴訟の対象とされている普通地方公共団体の不当利得返還請求権を放棄する旨の議会の適法性及び当該放棄の有効性に関する判断基準

 four 住民訴訟の係属中にされたその請求に係る市の不当利得返還請求権を放棄する旨の条例の制定に係る市議会の議決が適法であり、当該放棄が有効であるとされた事例

 →判タには、「本件は、議会が住民訴訟の対象となる不当利得返還請求権を放棄する議決をした場合のその議決の適法性について、最高裁が初めて判断枠組みを示した事案であり、その当てはめ、首長の過失の判断を含めて実務上意義を有する」と紹介されています。

 

2013年2月12日 (火)

【行政】 国定公園内の普通地域の土地を開発分譲しようとする業者に対し、県の担当者が自然公園法上の特別地域であることを前提とする誤った行政指導をしたことにつき、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求の一部が認容された事例 東京地裁平成24年8月7日判決

 判例時報No2168号(1月21日号)で紹介された東京地裁平成24年8月7日付け判決です。xmas

 本件は、自然公園法上の普通地域であるにもかかわらず、第2種特別地域であるとの誤った前提で、第2種特別地域としての規制の充足を要求する行政指導が行われたという事案です。sign05

 このことが国賠法1条1項の適用上違法となることについては、異論がないと解説されていました。eye

 ここで私が得た知識は、自然公園法上の特別地域と普通地域で開発規制について大きな相違があるというところです。

 田舎弁護士の地域では国定公園が結構広い範囲で存在しており、時折、管財事件や相続財産管理事件で売却等を行わなければならないことがあるため、この知識は必要不可欠です。

 簡単に開発規制の概要を説明します。thunder

 自然公園法13条1項所定の特別地域においては、都道府県(国定公園の場合)又は環境大臣(国立公園の場合)の許可を受けなければ、工作物の新築等、土地の形状の変更等の行為をすることができません。

 その許可基準については、自然公園法施行規則11条が細かく定めています。

 他方、国定公園内の土地であっても、特別地域等の指定のない普通地域であれば、高さ13㍍又は床面積1000㎡を超える工作物の新築等、土地の形状を変更すること等の場合に都道府県知事に対する届出が必要となるにすぎず、前記の規制は適用されません。

 ああ勉強になった coldsweats01

2013年2月11日 (月)

弁護士の一連の不祥事に関する理事会決議

 先月25日、日弁連から、弁護士の一連の不祥事に関する理事会決議が採択され、その概要について記載がなされたFAX文書が送信されてきました。

 例えば後見人である弁護士が預り金を横領することが続いていることから、「預り金の取扱いに関する規程案」を策定して、5月の定時総会に付議するようです。

 弁護士による不祥事が続いているのは、昨今の弁護士数の急増、隣接士業等の法律事務への進出、広告の自由化等による、弁護士等間の競争が激しくなっており、従来型の弁護士の経済的環境が年々悪化を辿っていることが背景にあります。

 規程案によれば、預り金口座の開設と入出金状況の記録の義務付けとなっていますが、弁護士はいつからこんな当たり前のことも出来なくなったのでしょうか?

 悲しいことです。

 とはいえ、このような内容の規程では、弁護士による横領を防止するのは凡そ期待できないのではないでしょうか?

 預り金自体については、後見人であれば、毎月、通帳原本を家裁に持参するよう義務付けた方がよっぽど効果的ではないかと思います。

 日本裁判官ネットワークシンポジウムでは、佐藤教授は、「直接の当事者である法曹は一時的にがまんし、国民の法的サービスへの本来的需要に応えるべき事態に立ちいっている」と述べています。

 しかし、裁判官(元も含む)からも、

 「修習生を一気に増やした結果、資質や能力の面でびっくりするような人が法曹になっている」、

 「法科大学院と合格者増加による修習生のレベルの格差の大きさには驚きより不安を覚える。」、

 「毎期修習生が就職困難に直面している。」、

 「指導した修習生は就職先が見つからず即独を選んだ。即独では事件経験を積むのも難しい。そのため資質の差が登録後さらに拡大していく」、

 「司法試験合格者の質が低下している。OJTが十分ではない現状で、能力不足した弁護士をちまたに溢れさせている。」

 等と、法曹人口の拡大には否定的な意見の方が多いようです。

 弁護士を市場の原理で淘汰させようとするのであれば、経営手腕のない弁護士(たとえ弁護士としての能力や人柄は問題がなくても)は淘汰の過程で、悪い心を抱く可能性は捨てきれません。

 むしろ、従来の社会的弱者救済の事案の多くは、経営手腕のある弁護士よりも、赤髭のようなマチ弁によって担われてきたことは否定できないように思います。

 本当に市場原理に委ねて良いのかを考えてみる必要があるのではないかと思います。 

2013年2月10日 (日)

【交通事故】 高速道路走行中の飛び石等による車両損傷の保険金請求は、事故発生の事実を具体的に特定して主張立証すべきとして、請求を棄却した 東京地裁平成24年10月1日判決

 自保ジャーナルNo1186号(1月24日号)で紹介された東京地裁平成24年10月1日判決です。drama

 なお、同号は、同じ飛び石事故を取り扱ったケースとして、さいたま地裁平成24年5月16日判決ロータスエリーゼ等保有する原告は3年4か月に3度の飛び石被害で2度の保険金受領後も慎重さに欠け偶然性証明ないと保険金請求を棄却した事案)が紹介されています。ear

 それでは話しを元に戻します。

 飛び石事案は時折損害保険会社からご相談を受けます。結構難しい事案であり、技術アジャスターの方からの調査報告等がなければ対応できない案件でもあります。

 平成24年10月1日東京地裁判決を紹介いたします。

one被告甲損保と車両保険契約を締結する原告が、原告所有のベンツやポルシェで高速道路を走行中、先行する大型貨物車からの土砂等の飛び石により、車両前面を中心に無数の傷が付いたとして保険金請求する事案につき、

 原告が所有車両を運転している際、前方にダンプカーのような大型車が走行していたときに「ぱらぱら」という音が聞こえたとすれば、飛び石による傷を懸念してすぐに停止の上、車両の状況を確認するはずであるが、事故当日に傷の存在に気付かなかったばかりか、事故報告まで8日も要していて、その行動は不合理であり、

 また、両車両に生じている傷は広範囲に点在しており、1回の事故で生じたとすれば、相当な飛び石等があったことになるが、原告は音がしたことがあったと説明するのみであって、損傷の状況を合理的に説明できる事故があったことをうかがわせるものはなく、

 具体的な事故発生の事実の主張立証はしていないと認定しました。

two 原告は、両車両に生じた無数の傷が、いつ、誰のせいでついたものであるかを特定することは不可能であって、保険期間中に生じた傷であれば、甲損保に保険金の支払義務があるとする主張につき、

 車両保険金の支払を請求する場合、保険金請求権者は、単に損害の発生のみを主張立証するだけでは足りず、客観的、外形的な事故発生の事実を具体的に特定して主張立証すべきものと解される、原告の主張は採用できないとして、請求を棄却しました。

 →損害の発生のみを主張立証するだけでは足りず、客観的、外形的な事故発生の事実を具体的に特定する必要が、保険金請求者にあります。

2013年2月 9日 (土)

【建築・不動産】 顧客がその所有する不動産を売却する際に、宅建業者が、媒介ではなく直接買い受ける取引においては、媒介契約によらずに売買契約に寄るべき合理的根拠を具備する必要があり、これを具備しない場合には、宅建業者は、売買契約による取引ではなく、媒介契約による取引に止めるべき義務がある旨判示した事例 福岡高裁平成24年3月13日判決

 判例タイムズNo1383号(2013・2号)で紹介された福岡高裁平成24年3月13日判決です。signaler

 判決の概要は以下のとおりです。book

 本判決は、

 宅建業法46条が宅建業者による代理又は媒介における報酬について規制しているところ、

 これは一般大衆を保護する趣旨をも含んでおり、これを超える契約部分は無効であること(最判昭和45年2月26日判決)、

 被控訴人らは宅建業法31条1項により信義誠実義務を負うこと

 からすれば、宅建業者が、その顧客と媒介契約によらずに売買契約により不動産取引を行うためには、

 当該売買契約についての宅建業者とその顧客との合意のみならず、媒介契約によらずに売買契約によるべき合理的根拠を具備する必要があり、

 これを具備しない場合には、宅建業者は、売買契約による取引ではなく、媒介契約による取引に止めるべき義務がある

 ←このケースの宅建業者は、直接取引を行いその後転売することによって、600万円の利益を得ています。媒介の手数料は上限は72万4500円ですから、差額の527万円程は丸儲けとなります。dollar

  売主が知ったら当然激怒すると思います。pout

  当然の判決だと思います。が、第1審は、宅建業者が勝っていたようです。

 ←なお、本件物件が2100万円で売却された場合の、媒介手数料の上限についても、判決文で説明がなされています。

  建設省告示第1552号によれば、200万円以下の金額については、100分の5.25、200万円を超え400万円以下の金額については100分の4.2、400万円を超える金額については100分の3.15という計算式で計算され、それによると、72万4500円と計算されます。

 うろ覚えの部分なので、勉強になりましたpencil

2013年2月 8日 (金)

【法律その他】 スポーツセンターから発生する騒音について、受忍限度内であるとして、住民の騒音差止め等と損害賠償請求が棄却された事例 さいたま地裁球熊谷支部平成24年2月20日判決

 memo判例タイムズNo1383号(2013・2号)で紹介された裁判例です。

 時折相談のあるいわゆる近隣者の騒音問題事案です。building

 さいたま地裁熊谷支部平成24年2月20日判決です。flair

 判決の概要を紹介いたします。pencil

 本判決は、

 本件騒音の程度等、本件騒音の種類・性質、Xらの被害の程度等、本訴提起に至る経緯等、Yが行った騒音低減のための措置等、本件施設の公益性ないし社会的価値等について認定した上で、

 本件騒音レベルは環境基準をわずかに上回っているとしたものの

 自宅外においても日常会話が困難なほどのものではなく、Xらの主張する症状は本件騒音によって生じたものとは必ずしも認められないこと、

 本件施設の使用頻度の減少等に伴い、本件騒音は低減していること、

 Yは、相応の費用を支出して防音工事を行い、大会の開催を中止するなどして、本件騒音の低減のために努力してきたこと、

 本件施設は単なる営利目的の施設ではなく、一定程度の社会的価値が認められること

 などを総合的に考慮すると、

 本件騒音は、受忍限度内のものにとどまるというべきであると判断し、Xらの本訴請求を棄却しました。

 golfオーソドックスな判断手法ですが、判決文に、「騒音に関する公報上の規制」が紹介されており、之が参考になります。

 one 環境基準 

 環境基本法は、16条1項にて、政府は、騒音等に係る環境上の条件について、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとしています。そして、「環境に関する環境基準について」(平成10年環境庁告示第64巻、改正平成17年環境省告示第45号)は、同項の規定に基づき、騒音に係る環境上の条件について、生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい騒音の基準(環境基準)を定めています。

 two 規制基準

 騒音規制法は、同法2条2項にて、特定施設(工場又は事業場に設置される施設のうち、著しい騒音を発生する施設であって政令で定めるものをいう。)を設置する工場又は事業場(特定工場等)において発生する騒音の特定工場等の敷地の境界線における大きさの許容限度(規制基準)を定めています。

 同法では、都道府県知事が、住居を集合している地域、病院又は学校の周辺の地域その他の騒音を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認める地域を、特定工場等において発生する騒音等について規制する地域として指定し、同地域について、環境大臣が定める基準の範囲において、時間及び区域の区分ごとの規制基準を定めることとされています。 

 sharp判例文に接すると、疑似体験が可能なので、勉強になります。

 

2013年2月 7日 (木)

【労働・労災】 労働契約の終了をめぐる判例考察

 昨年11月に発行された、労働契約の終了をめぐる判例考察という書籍です。

 複数の弁護士による共著ですが、まだ弁護士登録してそれほど経過していない弁護士さんも結構含まれています。

 それにもかかわらず、このような書籍を出せるなんて、とてもすごいと思いました。

 目次をみると、①採用内々定、内定の取消、②試用における本採用拒否、③退職(辞職・合意解約)、④整理解雇を除く普通解雇、⑤整理解雇、⑥懲戒解雇(諭旨退職)、⑦休職期間満了に伴う退職・解雇、⑧雇止めによる労働契約の終了、⑨継続雇用制度にわかれています。

 現在、全てに目を通す時間はないので、東京や大阪などに出張に出かけるときにでも読みます。(^^;)

2013年2月 6日 (水)

【金融・企業法務】 保証の実務 

 新潟県弁護士会から出ている「保証の実務」という書籍です。

 保証の実務って、昔から、新潟弁護士会から出しているものがありますが、今回はそのリニューアル版みたいです。

 章立ては、①保証契約の不成立・瑕疵、②保証責任の限定、③主債務者の法的整理と保証、④訴訟上の留意点、⑤求償に区分されています。

 新潟県弁護士会って、中規模会だと思うのですが、弁護士会としてこのような専門書を出すことができる力のある単位会なんですねえ~

 愛媛弁護士会も見習いたいものです・・・

2013年2月 5日 (火)

【労働・労災】 現代型問題社員対策の手引 第4版

 私の事務所では、中小企業の経営者の方からのご相談が少なくないため、時々、従業員の問題もご相談を受けることがあります。

 民事法研修会の「現代型問題社員対策と手引」(第4版)が、昨年10月に出版されていたので、しばらくの間積ん読状態にしておきました。

 目次をみると、①近時特に悩ましい問題社員とその対応、②依然悩ましい問題社員とその対応、③対応・予防をめぐる問題点(手続、懲戒解雇の有効要件など)、④関連書式・参考書式と、なっております。

 なかなか通読するのは難しいので、問題となる事案の時に参考にしています。

 最近相談の増えている、メンタル不全、能力不足の社員への対応等にも、結構ページをさいて説明されているので、助かっています。

2013年2月 4日 (月)

【交通事故】 交通事故Ⅰ 責任論 信山社

 昨年11月に、信山社から、交通事故Ⅰ責任論が出ました。藤村和夫教授が執筆されています。

 この判例総合解説というのは、少し変わった判決等も収録されていることがあり、重宝しています。

 自賠法上の責任では、①運行供用者責任、②他人性、③運行起因性、④3条免責が、民法上の責任では、①709条、②714条、③715条、④717条、⑤718条、⑥719条、⑦刑事上の責任、⑧信頼の原則が、国賠法上の責任では、①1条、②2条が、説明されていました。

 但し、裁判例の判旨が延々と続くところが少なくないので、慣れていないとかえって読みにくいかもしれません。

2013年2月 3日 (日)

【建築・不動産】 大阪地裁建築・調停事件における現況と課題 

 判例タイムズNo1381号(12月15日号)は、大阪地裁の各専門部における現況と課題についての特集記事がくまれていました。

 最近関心の強い建築事件における現況と課題を読んでみました。

 よく「一覧表による争点整理」と裁判所から指示されますが、これについて、参考になる指摘がなされていましたので、ご紹介いたします。

 「建築関係訴訟事件においては、多数の瑕疵や多数の追加変更工事が主張され、それに対する認否・反論等や関連する証拠も錯綜しがちであり、これが円滑な審理を阻害する要因となっている。

 特に、瑕疵主張をしているのに、現状とあるべき状態が混然と主張されていて理解しがたかったり、

 あるべき状態が合意に基づくものか、法令に基づくものか、社会通念上備えるべき技術水準に基づくものかが明確でなかったりすることが多く、

 また、追加工事を主張しているのに、本契約の内容が明確に主張されていないために本契約に含まれないか否かが明確でなかったり、

 主張と書証の結びつき自体が不明確であったりすることも多く、こういったことを意識した上で主張を整理する必要がある。」

 うまいことを書いていますねえ~

 私自身は、専門的な分野の事件が当たりますと、コスト度外視でたくさんの書籍を取り寄せしていろいろ勉強してしまいます。(^^;)

 ただ、継続してこないと、せっかくの知見が徐々に失われてしまいますけど・・・

2013年2月 2日 (土)

【流通】 洋菓子チェーン・フランチャイズ事業を営むフランチャイザーが消費期限切れの原料使用問題によりブランド価値維持義務に違反するとされたものの、損害との因果関係が否定された事例 東京地裁平成22年7月14日判決

 判例タイムズNo1381号(12月15日号)で紹介された裁判例です。

 判決の概要を引用します。

 Yは、使用を許諾した商標、サービス・マーク等のブランド価値を自ら損なうことがないようにすべき信義則上の義務を負うとし、また、本件契約において、X又はYが「相手方若しくは洋菓子チェーン・フランチャイズシステムの信用、名誉、のれんを傷つける行為をしたとき」は、事前の催告を要せず、直ちに本件契約を解約することができる旨の定めがあることなどに照らし、Yは、洋菓子チェーン・フランチャイズシステムの信用、名誉、のれんを傷つける行為をしてはならないとの契約上の義務を負っているものと解すべきであるとして、Yのブランド価値維持義務違反を肯定しました。

 他方、本判決は、Xが、フランチャイズチェーン店の開店後休業期間までいずれも赤字であったことや、休業期間の後、1度も営業を再開することなく営業を止めたことから、Yの消費期限切れ原料使用問題によって廃業に追い込まれたというものではないことが明らかであるとし、

 また、同チェーン店の従業員らが退職したのは、XがYから休業補償金を受領しながら、その趣旨に反して従業員らに対して給与を支払わなかったことにあるとして、Yによるブランド価値維持義務違反とX主張の各損害との間の因果関係を否定しました。

  判決文を見る限り、Xの請求は無理筋な印象を受けます。

 例えば、「原告は、被告から、従業員の給与等の販管費を賄えるようにするため、本件休業期間中、1週間ごとに、前年同期の売上げの36%に当たる本件休業補償金の支払を受けていたにもかかわらず、本件FC店の従業員らに対して、本件休業期間中、従前どおりの給与を支払わず、原告の経営する別の店舗で勤務させたり、別の店舗で勤務させられない者に対しては平成19年1月21日以降給料を支払わなかったというのであるから、本件FC店の従業員らが退職したのは、原告が被告から本件休業補償金を受領しながら、その趣旨に反して従業員らに対して給与を支払わなかったことになるものというべきである。」

 む~ん。

 

2013年2月 1日 (金)

【金融・企業法務】 シンジケートローンへの参加の招聘に応じた金融機関Xらに対するアレンジャーである金融機関Yの信義則上の情報提供義務違反が認められた事例 最高裁平成24年11月27日判決

 金融法務事情No1959号(12月10日号)で紹介されていた平成2年11月27日付け最高裁判決です。

 金融実務家であれば、誰でも知っているシンジケートローンへの参加の招聘に応じた金融機関Xらに対するアレンジャーである金融機関Yの信義則上の情報提供義務違反が認められたという事例です。

 この事案って、第1審の時はあまり大きく取り上げられませんでしたが、第2審の判決文の一部について金融実務家から厳しい批判が行われ、金融誌などで大きく取り上げられるようになった経緯があります。

 以下、判決文を一部紹介します。

 「アレンジャーである上告人から本件シ・ローンの説明と参加の招聘を受けた被上告人らとしては、

 上告人から交付された資料の中に、資料に含まれる情報の正確性・真実性について上告人は一切の責任を負わず、招聘先金融機関で独自にA社の信用力等の審査を行う必要があることなどが記載されていたものがあるとしても、

 上告人がアレンジャー業務の遂行過程で入手した本件情報については、これが被上告人らに提供されるように対応することを期待するのが当然といえ、被上告人らに対し本件シ・ローンへの参加を招聘した上告人としても、そのような対応が必要であることを容易に思い至るべきものといえる。

 また、この場合において、上告人が被上告人らに直接本件情報を提供したとしても、本件の事実関係の下では、上告人のA社に対する守秘義務違反が問題となるものとはいえず、他に上告人による本件情報の提供に何らの支障があることをもうかがわれない。

 そうすると、本件シ・ローンのアレンジャーである上告人は、本件シ・ローンへの参加を招聘した被上告人らに対し、信義則上、本件シ・ローン組成・実行前に本件情報を提供すべき注意義務を負うものと解するのが相当である。」

 この事案においては、情報提供が金融機関の守秘義務となるかどうかが問題となっておりますが、いつものように田原裁判官のわかりやすい補足意見があります。

 「一般に金融機関は、取引先から入手した情報については第三者に対する守秘義務を負っているといえる。

 しかし、借受人が金融機関にシンジケート・ローンのアレンジャー業務を委託した場合において、その業務の遂行に必要な情報は、借受人とアレンジャーとの間で別段の合意がない限り、当然に招聘先に開示されるべきものであり、借受人はアレンジャーに対し、守秘を求める利益を有しないものというべきである。」

 業務の遂行に必要な情報は、原則として、招聘先に開示されるべきというのは当たり前だと思います。

 ただ、別段の合意があれば例外的のようですが、借受人の経済状態に関わる情報を守秘する合意って、本当にそのような合意をしたら、詐欺等の犯罪行為になりうると思いますので、実際には、別段の合意は極めて限定された場合に限られるのではないでしょうか?

 それと、田原裁判官は、上告受理申立理由書において、過失相殺について触れています。本件事案では原審までにその主張をしていないのでアウトということですが、将来同様の事案が生じた場合には、予備的にでも過失相殺の主張をしておかなければ、弁護過誤にもなりかねませんね。

 最近の最高裁の補足意見って、実務上役に立つようなアドバイスが含まれていることが多いですねえ~ 

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