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2012年12月31日 (月)

皆様、今年もありがとうございました <(_ _)>

 今年も、皆様のお陰を持ちまして、無事1年を終えることができそうです。

 歳を重ねる毎に、毎年1年が確実に加速して過ぎているような錯覚に陥っております。

 プライベートな話しで恐縮ですが、7年程前に私はスポーツクラブに入り、以降、スイミングを中心にトレーニングしていますが、当時の記録をみると、1年で5㌔減量して85㌔まで落とすと書いているのですが、今なお90㌔を超える体型です。(-_-)

 つい最近入会したような気がしていますが、既に7年経過していたようです。

 いつもの台詞ですが、来年こそは、85㌔までに落とせるよう引き続き努力したいと思っています。

 仕事の面では、7年前と異なり、いろんな意味で難しい仕事のご依頼を受けることが多くなったように思います。

 駆け出しのころは経験を積むと仕事が易しくなると安易に考えていますが、全くそのようなことはなく、どの事件もいろんな意味でたくさんの難しい問題点を抱えているように感じるようになっています。

 ご依頼を受けた以上は、どんな事件でも手を抜かず一生懸命尽くしたいと思っております。「依頼して良かった~」と言われるようにしたいです。

 来年も今年と同じように引き続き宜しくお願いします。

 明日の年賀状には、今治のゆるキャラであるバリィさんに登場していただきました。

 なんと、バリィさん、弁護士バッチを付けているんですよ(日弁連さん、非弁にならないよう、バリィさんを弁護士登録させて下さい。)。

 では、失礼します。(^o^)

 

2012年12月30日 (日)

【交通事故】 車両保険に基づく保険金請求事件について 判タ1382号

 判タNo1382号(2013年1月号)で紹介された裁判官による論文です。

 車両が盗難に遭い、あるいは、いたずらによる損傷を受けたとして、被保険者が、保険会社に対して保険金の請求を行うのはよくあることですが、中には、保険事故が仮装された可能性が高いということで保険会社がその支払を拒んで紛争に発展することは、時折あるように思われます。

 この論文は、車両の盗難事案といたずらによる人為的損傷事案のそれぞれについて、事故の偶発性に係る主張立証責任を踏まえつつ、事実認定に当たって留意すべき点に若干の検討を加わえることにしたものです。

 日頃、勉強が手薄になっている分野なので、良い勉強の機会となりました。

2012年12月29日 (土)

【流通】 有害物質が混入した冷凍餃子と同じ製造元において製造され、被告が輸入し原告に販売していた他の冷凍食品について、商品に瑕疵があるとされ、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が認容された事例 東京地裁平成22年12月22日判決

 判例タイムズNo1382号(2013年1月号)で紹介された平成22年12月22日付け東京地裁判決です。

 本件の主たる争点は、①原告が被告から輸入した商品に瑕疵があるか否か、②原告が瑕疵の通知の懈怠(商法526条2項)により損害賠償請求権を失うかどうか、③損害額の3点でした。

 本件判決は、

 ①の点について、

 瑕疵担保責任における瑕疵とは、契約の目的物が、契約において当事者間で予定されていた品質・性能を欠くことをいうものと解されるとした上で、

 本件商品が食品であり、原告がこれを他社等に販売していたことから、原告と被告の間では、本件商品が消費者の消費に供しうる品質を有し、それに基づいて他社への販売が可能である商品価値を有することが予定されており、こうした品質、商品価値を欠くことが瑕疵にあたるとしました。

 その上で、冷凍餃子による中毒事件の発生後、冷凍餃子の製造元で製造された商品全般に対し、社会全体において、有害物質が混入している疑いがあるとの目が向けられていた状況や、高度な安全性の確保が必要で、有害物質混入の疑いがあるだけで商品価値を喪失する食品の性質などから、原告が被告から輸入した商品は、消費者の消費に供しうる品質やそれに基づいた他社への販売が可能である商品価値を有しておらず、瑕疵があったと認められるとしました。

 ②の点についても、

 商法526条が商人間の売買において、買主に目的物の検査義務を課し、目的物に瑕疵があること等が判明した場合に売主に対する通知を義務付けている理由は、善意の売主に瑕疵等に対する善後策を講じる機会を与えることなどにあるとした上で、瑕疵が判明した後買主がなすべき通知の程度は、売主が善後策を検討するに足りる程度、すなわち、瑕疵の種類及び大体の範囲を明らかにする程度のもので足りるとしました。

 その上で、原告が中毒事件の発生直後、商品の回収を自社のホームページにおいて告知し、取引先である被告などにもその旨の方針を伝えていたことは、瑕疵の種類及び大体の範囲を明らかにし、被告に善後策を講じさせる機会を与えるのに十分であったといえるとして、瑕疵の発見後、直ちにこれを被告に通知したと認められるとしました。

 ③の点については、破棄回収処分した商品の代金額、商品の回収保管経費、安全性確認検査費用、消費者対応や安全確認検査に要した人件費、主要新聞各社への社告掲載費用、廃棄費用、販売先への損害賠償費用が、本件商品の瑕疵によって生じた損害であると認められました。

 こんな事案って、これからもありそうです。

 瑕疵の通知って忘れそうなので、注意したいものですね。

2012年12月28日 (金)

【行政】 スーパーで食品を窃取した農業委員会事務局主査に対する懲戒免職処分は、違法無効ではないとされた事例 旭川地裁平成23年10月4日判決

 判例タイムズN01382号(2013年1月号)で紹介された旭川地裁平成23年10月4日判決です。

 本判決は、

① 本件行為当時、Xに窃盗の故意及び不法領得の意思が認められ、責任能力に問題がなかったとのYの認定には誤りがなく、Xが本件処分の処分理由の前提となる窃盗の犯罪行為をしたことが認められ、地方公務員法に定められた懲戒事由があるといえる

② Xの行った非違行為は悪質であり、非違行為後の対応も芳しくなく、他の職員及び社会に与えた影響は大きかったことからすれば、本件処分は加重であるとはいえず、裁量権の逸脱、濫用があるということはできない

 などと判断し、Xの本訴請求を棄却しました。

 人事院の懲戒処分の指針では、窃盗の場合、免職又は停職とされており、前記の事情を考慮して、免職というのも仕方がないなあ~と思う事案です。

2012年12月27日 (木)

【交通事故】 全損車両の買替時の諸費用は購入時必要とされる預りリサイクル預託金等認め、ETC手数料等を否認した 大阪地裁平成24年6月14日判決

 自保ジャーナルNo1883号(12月13日号)で紹介された大阪地裁平成24年6月14日判決です。

 判決要旨は以下のとおりです。

 本件事故で全損となった原告ワンボックス車の買替諸費用につき、「本件事故により、原告車両が全損となり、代替車両が購入されたものと認められるところ、

 当該購入に要した消費税のうち、本件事故時の車両時価額に相当する車両本体価格に対する消費税の限度で、本件事故と相当因果関係のある損害とみるべきであるとして、

 消費税のほか、「預りリサイクル預託金は、中古車購入に際しても必要とされる費用であると認められることから、本件事故と相当因果関係のある損害」等として認め、ETC手数料等は否認しました。

 現実に購入していない場合の消費税の取扱いについては、見解の対立があるようですが、前記地裁判決は肯定しています。

2012年12月26日 (水)

商工会の専門家派遣

 本日、愛媛県商工会連合会の平成24年度講習会開催事業「専門家派遣」に係る登録専門家として、近くの商工会に、私が派遣されました。

 専門家派遣の目的は、「商工会が実施する集団及び個別指導に加え、中小企業者が抱える専門的な経営課題に的確に応じるため、個々の事業者へ専門家を派遣し、一層踏み込んだ改善策を提案する」ということにあります。

 経営指導員が日常業務の中で、対応しきれない専門的相談に対して、愛媛県商工会連合会が委嘱した専門家を、直接事業所へ派遣するという制度となっています。

 申込は、商工会が窓口になっております。

 田舎弁護士の近くの商工会は、以下のとおりです。

 越智商工会

 しまなみ商工会

 周桑商工会

 北条商工会

 上島町商工会

 1企業 2回までであれば、商工会が、専門家相談の費用を負担します。つまり、2回までは、専門家がご相談者の企業様の事務所をご訪問させていただいて、ご相談にのるというシステムになっています。

 弁護士のご相談を必要に感じている方は、是非、お近くの商工会にご相談下さい。<(_ _)>

 平成24年度講習会開催事業なので、平成25年度も実施されるのかどうかわかりません。必要な方は急がれた方がいいかもしれませんね。happy01

【交通事故】 人傷社が自賠責保険を回収していた場合にはどうなる?

 昨日の続きです。

 不当利得容認説に立った場合、人傷社が不当利得している1000万円についての調整が必要になります。

 この点について、赤い本で、森裁判官は、「この点の処理は、加害者と人傷社との間で行えば、特段の不都合はないように思われます(本設例においては、加害者が自賠責から回収できなくなった1000万円につき、加害者ないし加害者の加入する任意保険会社と被害者の人傷社との間で調整することになります。)。加害者側のこの調整の負担は、もともと加害者が負っていた、自賠責からの回収手続の負担に代わったものとと捉えることができます。」と説明されています。

 ということは、赤い本の設例事案だと、人傷社は自賠責に対して1000万円を返還することになるんだろうと思います。

 そして、加害者(任意保険会社)は自賠責に対して1000万円の加害者請求をして、被害者に支払った損害の一部の支払を受けることになるんでしょう。

 他方、加害者が任意保険等に加入されておらず、被害者に支払っていないような場合には、おそらくは、被害者が被害者請求ということで1000万円の請求をすることになるのではないかと思います。

 間違っているかもしれないので、ご意見下さい!

 

2012年12月25日 (火)

【交通事故】 人傷社が自賠責保険を回収していた場合にはどうなる?

 昨日、不当利得容認説が有力になっているお話をしました。

 平成21年12月22日付け東京地裁判決も以下のとおり判示しています。

 「原告らの損害のうち、原告X1の過失に対応する損害額及び上記の『上回る部分』を控除した残額は、Aが自賠責保険から回収したか否かにかかわらず、全額が原告らに支払われるべきである。

 原告らは、人身傷害保険金のほかに自賠責保険金を受け取ったわけではないから、仮に、この自賠責保険からの受取額が原告らの被告らに対する損害賠償請求の損益相殺の対象となると、原告らは、Aに対して、損益相殺された金額を請求しなければならないことになる。

 原告らの事情でなく、Aの事情(自賠責保険から回収したかどうか)によって、原告らが不利益を受けるのは相当ではない。

 他方、損益相殺の対象とならないとすると、被告らは、自賠責保険金から回収ができなくなった部分について、Aとの間で調整をしなければならないことになるが、被告らにとっては、自賠責保険会社からの回収手続が原告側の人身傷害保険会社との調整に代わったものであるということができる。

 被告らは、自賠責保険への請求は被害者の損害賠償請求の代位取得を前提としてしかできないから、人身傷害保険会社が自賠責保険から支払を受けた場合は、人身傷害保険会社は被保険者の権利行使を害しない残額についてのみ損害賠償請求権を代位取得できるという理由が妥当せず、自賠責保険金から支払がされた金額は、控除されるべきであると主張する。

 しかし、人身傷害保険会社が自賠責保険の請求をすることができるとされていても、人身傷害保険会社が損害賠償の代位取得できる範囲が被保険者の権利行使を害しない残額に限られることに変わりはなく、被告らの主張は採用できない。」 

 この説に立った場合、人傷社が不当利得している1000万円の調整が必要になります。

 

2012年12月24日 (月)

【交通事故】 人傷社が自賠責保険を回収していた場合にはどうなる?

 最近のホットな論点は、人傷社が自賠責保険を回収していた場合、自賠責保険は全て加害者負担分に填補されるということを維持すべきかどうか?が問題となっています。

 仮に、人傷基準で積算した被害者Vの総損害額が8000万円で、人傷社がVに人傷保険金6000万円を支払い、その後、人傷社が3000万円を回収し、さらに、Vは、加害者Aに対して、損害賠償請求訴訟を提起し、裁判所は、総損害額1億円、Vの過失割合を4割と認定した場合を考えてみます(赤い本の設例)。

 人傷社が回収した自賠責保険金3000万円を、加害者Aの負担部分6000万円に全て充当という(但し、人傷保険金は、まず被害者過失部分に充当)ことになると、AのVに対する支払金額は、6000万円引く3000万円で、差引き3000万円となります。Vの手取りは、人傷保険金6000万円+賠償金3000万円の合計9000万円となります。

 この見解を全部控除説と呼んでいます。

 ありゃ? 1000万円少ないぞ!

 これに対して、人傷社による自賠責保険金の回収は被害者本人への支払とは同視できないとして、あくまで差額説を前提として人傷社の代位取得額が定まり、人傷社が自賠責保険金を回収したかどうかで、その代位取得額が変わるものではないとの考え方があります。

 この説ですと、AのVに対する支払金額は、4000万円となりますので、人傷保険金6000万円と合算すると、被害者Vは満額回収できることになります。

 但し、この見解ですと、人傷社が回収した自賠責保険金の一部、この事案ですと、1000万円が加害者負担部分に充当されないことになるため、人傷社に1000万円の不当利得が発生します。

 最近は、不当利得容認説が有力になっているようです。

 

2012年12月23日 (日)

【交通事故】 人身傷害補償保険に基づく保険金請求権と加害者に対する損害賠償請求との関係 No2

 昨日の続きです。

 先払いの訴訟基準差額説に対して、後払いの場合には、「人傷基準で算定した損害額(人傷基準額)から加害者から既に取得した損害賠償金を控除した額を人傷保険金として支払う」という人傷保険の約款の文言からすれば、先払いよりも低額になるのはおかしいという批判があります。

 これって、まともな批判なのかなあ?

 後払いの場合でも、先払いと同じ結論にすればいいだけの話しではないかと思います。

 ところが、以前のブログ記事でも紹介しましたが、大阪高裁平成24年6月7日判決は、後払いの場合には、人傷基準差額説を採用しています。

 約款の解釈上、後払いの場合には、訴訟基準差額説を採用するのは無理だ!ということのようです。

 これって、柳原氏の著書でも批判されていたことであり、現在では、先払い、後払いとで、結果が同額になるよう約款を改正している損保もあるようです。

 

2012年12月22日 (土)

【交通事故】 人身傷害補償保険に基づく保険金請求権と加害者に対する損害賠償請求との関係 No1

 いわゆる赤い本(平成23年度版講演録)に収録されている人傷社による請求権代位の範囲についての論点です。

 数年前から議論されている論点ですが、自分の知識の整理のために、紹介します。coldsweats01

 人傷保険金の支払手順には、①人傷社から人傷保険金が支払われた後に、加害者(賠償義務者)から損害賠償金を受け取る場合(先払い)と、②加害者から損害賠償金を受け取った後に人傷保険金が支払われる場合(後払い)があります。

 これらの場合に、人傷保険金が、被害者の総損害額のどの部分に充当されるのかが議論されています。従来は、絶対説、比例説、差額説と対立がありましたが、現在は、先行払いの場合に訴訟基準差額説を採用する最高裁平成24年2月20日判決が出されたことから、訴訟基準差額説が主流となっています。

 ちなみに、絶対説とは、人傷社は、既払いの人傷保険金に相当する額全額について、被害者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得するという考え方です。

 訴訟基準差額説とは、人傷社は、既払いの人傷保険金と被害者の有する損害賠償請求権の額との合計が訴訟で認定された被害者の損害額を上回る場合に限り、その上回る額についてのみ損害賠償請求権を代位取得するという考え方です。

 赤い本の設例は、「人傷基準で積算した被害者Vの総損害額が8000万円となる場合で、Vの人傷社が、人傷保険金6000万円をVに支払った後、VがAに対して損害賠償訴訟を提起して、裁判所は総損害額1億円、Vの過失割合を4割と認定した」という事案です。

 絶対説だと、支払われた人傷保険金が、加害者Aの負担部分と一致しますので、人傷社が代位する金額は6000万円となり、被害者Vの未回収分は4000万円となります。

 他方で、訴訟基準差額説だと、人傷社が代位する金額は2000万円、加害者Aに対する金額は4000万円となり、被害者は全額回収できることになります。

 

2012年12月21日 (金)

【法律その他】 原判決の説示に民訴規則170条1項に基づき調書記載が省略された証人の証言等が挙げられたことは手続上違法ではあるが、判決に影響を及ぼすことが明らかではないとして上告が棄却された事例 東京高裁平成24年7月25日

 判例時報No2165号(12月21日号)で紹介された裁判例です。

 簡裁事件の尋問の録音テープの取扱って余り研究したことがありません。

 今回の裁判例は録音テープの取扱いが問題となりました。

 結構、細かな話しかもしれませんが・・・・

 民訴規則170条1項の調書記載の省略は、簡易裁判所の民事訴訟事件は、通常1,2回の期日にわたる証拠調べによって、口頭弁論が終結される簡易なものが多く、その判決に対する控訴率も低いことから、証人等の陳述や検証の結果を調書に記載する必要性は地方裁判所と比べると低いという理由から、平成8年制定の民訴規則において新設された制度であり、同条2項では、1項の調書記載の省略が行われた場合、当事者の裁判上の利用に供するため、録音テープ等に証人等の陳述を記録し、当事者にその複製を許可することを規定しています。

 この録音テープって、口頭弁論の調書や訴訟記録の一部にはならないものになります。

 他方、民訴規則68条1項は、簡裁に限らず、証人等の陳述を録音テープ等に記録し、調書の記載に代えることが出来る制度を設けています。同条2項によれば、この場合は、訴訟が完結するまでに当事者の申出があったときや、訴訟が上訴審に係属中である場合に上訴裁判所が必要があると認めたときは、裁判所は、証人等の陳述を記載した書面を作成しなければならないとされています。この時の録音テープは、訴訟記録の一部となっています。

 裁判所での尋問の際の録音テープの位置づけって、今までよくわかりませんでしたが、これで整理できたような気がします。

2012年12月20日 (木)

【金融・企業法務】 任期10年の取締役の業績不良を理由とする解任につき、解任取締役が求めた不当な解任を理由とする損害賠償請求が棄却された事例 横浜地裁平成24年7月20日判決

 判例時報No2165号(12月21日号)で紹介された横浜地裁平成24年7月20日判決です。

 判決の概要は以下のとおりです。

 本判決は、Xは、取締役に就任してボウリング事業を事業として行うことにしていたのであるが、

 ボウリング事業の売上げは、平成22年7月22日に入金した7万円に過ぎず、Xにはボウリング事業を展開しているだけの能力がなかったものであり、これによりYはボウリング事業から撤退するとの経営判断をしたものであり、Xを解任するについて正当な理由があったというべきであるとして、Xの請求を棄却しました。

 Xは裁判所から手厳しく批判されています。

 例えば、「原告は、既に原告代理人に相談するなどしており、被告代表者の提案を受け入れる余地はないと考えておりながら、被告代表者の提案をはっきりと拒絶すると、本件イベントを開催することが危ぶまれることから、被告代表者から3か月分の報酬の支払と本件イベントのために100万円を拠出するとの提案がされた際に、被告側の提案を受け入れることはできず、不当な解任であることを理由に損害の賠償を求めるとの意見表明を意図的に差し控えたとしか考えられない。

 原告は、そのような態度をとれば、被告代表者の人柄などからして原告が辞任に応じたものと信じるのを承知しながら上記のような対応をとったものというほかはないのであって、そのような原告が本件請求をするのは信義に反し、許されないというべきである」

 まあ、被告は、原告のことを好意を抱いていた(結婚も視野に入れていたようです)ため、結構な報酬を支払っていたようですが、原告自身には被告との交際を苦痛に感じていたようです。

 会社法の事件にはなってはいますが、実質的には男女の交際のもつれに近い事件ですかね?

2012年12月17日 (月)

【交通事故】 人身傷害保険約款における酒気帯び免責規定は、罰則適用の有無あるいは正常な運転の可否に関わらず、酒気帯び運転自体を免責事由とすることを定めたものと判断した事例 岡山地裁平成24年5月31日判決

 交通事故判例速報No558号です。

 酒気帯び免責規定の解釈が問題となった事案です。

 現行の自動車保険約款は、人身傷害補償条項、搭乗者傷害条項、自損事故特則、無保険者傷害保険、車両保険のいずれも、本件免責条項と同様、「道路交通法第65条第1項に定める酒気帯び運転もしくはこれに相当する状態で自動車を運転している場合に生じた損害」については、免責としている。

 従来の保険約款は、酒気帯び運転についても、「(酒に酔って)正常な運転ができないおそれがある状態」で自動車を運転した事故を免責としていたことから、従前は、「正常な運転ができないおそれのある状態か否か」が争われることが多かったようです。

 今回の原告の、「薬物等の服用下での運転の均衡を考慮して、本件免責条項における酒気帯び運転は、その影響により正常な運転ができないおそれがある状態での運転と限定的に解釈すべき」との主張も、従来の保険約款での解釈の流れをくんだ主張となっています。

 裁判所は、

 道路交通法において、薬物服用下の運転については、正常な運転ができないおそれがある状態での運転が禁止されているにとどまるのに対して、酒気帯び運転及び無免許運転については、禁止の範囲を限定することなく、それ自体を禁止していること

 このような道路交通法の規定と本件免責条項の規定とを対比すると本件免責条項においても道路交通法の禁止内容に対応した規定がなされていること

 から、本件免責条項は、酒気帯び運転につき、罰則の適用を受けるか否かあるいは正常な運転ができないおそれがある状態であったか否かを問わず、免責事由とすることを定めたものと約款解釈しました。

 まあ、飲酒運転自体が交通事故発生の危険を増大させることは明らかであり、このような飲酒運転を行いながら、保険金請求が可能と考えるのは、感覚からいってもおかしいような気がします。

2012年12月15日 (土)

【建築・不動産】 住宅紛争審査会における紛争処理手続について 

 「自由と正義」12月号に、「住宅紛争審査会」における紛争処理手続についての解説記事が特集として紹介されていました。

 そもそも住宅紛争審査会とは、住宅品確法に基づき国土交通大臣が指定した全国の弁護士会に設置された裁判外紛争処理機関です。

 住宅紛争審査会においては、

①住宅品確法に基づき建設住宅性能評価書が交付されている住宅(評価住宅)や、

②住宅瑕疵担保履行法に基づき住宅瑕疵担保責任保険が付されている住宅(保険付き住宅)の

 トラブルについて、あっせん・調停・仲裁の紛争処理手続を行っています。

 住宅紛争審査会の特徴及びメリットは、以下のように紹介されています。

(1) 専門家の関与

 弁護士や建築士等住宅紛争に関する専門家による公平で専門的な審理や判断が得られる。

(2) 手続の非公開

 解決までの過程は非公開で行われるため、プライバシーや営業の秘密が守られる。

(3)迅速な解決

 過去の紛争処理事例の審理回数は平均5.2回(期間にすると平均236.3日)

(4)安価な手数料

 申請手数料は1万円。現地調査費用、鑑定費用等は原則として負担しなくてもよい

(5)支援センターによるサポート

 但し、時効中断効がないこと、債務名義としての効力がないことには、注意が必要です。

 ★裁判するよりは利用しやすいと思いますので、評価住宅や保険付き住宅のトラブルで悩んでいる方は、検討してみて下さい。

2012年12月14日 (金)

愛媛で、2人も弁護士が懲戒・・・・  びっくりです・・・

 先日、「自由と正義」という日弁連が出している月刊誌(12月号)が送られてきました。

 1人目の方は、いわゆる事件放置と思われ、2005年4月に受任して破産申立てが2011年8月になったというものです。約6年3ヶ月の間、申立てを行わなかったことを理由に、戒告処分を受けています。

 2人目の方は、酒気帯び運転(自損事故)ですが、自己申告等を理由に業務停止1月となっております。

 12月号に愛媛の2人の弁護士の懲戒が載るなんて、極めて異例の状態になっております。

 その他、主張書面に懲戒請求者の人格を非難する表現を用いたことを理由に、戒告処分を受けた者がいました。

 他方で、懲戒請求書にて、懲戒申立書の記載表現について、東京弁護士会では、人格に対する誹謗中傷として戒告したものが、日弁連では人格を攻撃するものではないとして取消になっているものが、紹介されていました。

 また、登録してそれほど立っていない方だと思われますが、委任の意思確認をきちんとせず、親しい方からの説明だけで受任通知を送付した行為について、戒告とされていました。

 面前での意思確認の必要性を感じました。

 面前での意思確認ができない場合には、電話による意思確認をとりあえず行い、その後、委任状などを本人に直接郵送して、さらに電話で意思確認をさせていただくようにしています。

 懲戒を受けないよう注意したいと思います。

 

2012年12月13日 (木)

【建築・不動産】 土地の賃借人が工事を施工し、地中に底盤コンクリートを残置したまま返還し、賃貸人らが土地上にマンションを建築した場合、残置による損害の発生が認められないとし、賃借人の債務不履行、不法行為が否定された事例 東京地裁平成24年7月6日判決

 判例時報No2163号(12月1日号)で紹介された裁判例です。

 底盤コンクリートを残置したまま賃借していた土地を返還したため、債務不履行、不法行為に基づく損害賠償が請求されたという事案です。

 一見すると、けしからん!ということで、地主の主張が認められそうです。

 しかしながら、裁判所は、賃借人の債務不履行、不法行為を否定しました。

 本件判決は、X2及びX3が、本件底盤コンクリートの残置によって、本件土地上に本件マンションを建築することができなくなったことはない、また、X1が、費用を支払って右コンクリートを撤去費用相当額を支払ったとも認められないとして、損害の発生を否定しました。

 こんなこともあるんですね~

2012年12月10日 (月)

住宅紛争処理検討機関検討委員会参加のために、東京に出かけました。

   日弁連の会務活動などのために、東京に出かけてきました。 

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 全国の弁護士の、総本山である日弁連会館です。

 第2回全体会議での議題は、住宅品確法及び履行確保法の施行状況について、専門家相談の実施状況について、各弁護士会における住宅建築関連紛争の運用体制について等でした。

 全国住宅紛争処理機関連絡会議では、国土交通省、すまいるダイヤルの担当官等を交えての協議でした。

 平成24年度版の住宅紛争審査会における紛争処理事例集は、大変わかりやすく構成されており、実務に大変役立てそうな内容でした。

 夕食は、知人の弁護士と一緒に、日比谷の松本楼で食事をしました。

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 日比谷松本楼は、大変な老舗の洋食料理屋さんですが、値段は高くはありません。

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 ごちそうさまでした。

2012年12月 9日 (日)

【交通事故】 日本賠償科学会第61回研究会 高次脳機能障害の今日的問題ー軽度外傷性脳損傷

 12月1日、東京の日大法学部3号館で、日本賠償科学会第61回研究会が開催されました。

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 総合テーマは、「高次脳機能障害の今日的問題ー軽度外傷性脳損傷(MTBI)」となっています。

 第1部は、MTBIの医学的考察として、4人のドクターによるシンポジウムがありました。

 第2部は、MTBIの医学的考察として、2人の弁護士によるシンポジウムがありました。

 吉本智信医師によれば、

 「これまでに報告が無かったからといって、一部の少数のMTBIの人の高次脳機能障害の原因が脳の器質的損傷である可能性は残っている。しかし、MTBIにおける高次脳機能障害の原因が器質的損傷である可能性が低いことは確か」、

 「WHOはMTBIの定義から画像所見を外している。つまり、画像所見はあってもなくてもよい。そして、何らかの意識障害が定義上必須であるとしている。そのように定義された患者において、現在のところまで、脳の器質的損傷による高次脳障害が発生したという確実な証拠はないと報告していた。翻って日本では、札幌高裁の判決にあるように画像所見なく意識障害もない患者において、脳の器質的損傷による高次機能障害が発生するかどうかが裁判上の問題となっている。WHOのMTBIよりさらに軽度の外傷において、脳の器質的損傷による高次脳機能障害が発生するという意見は、少なくとも現時点では科学的ではない

 と説明されています。

 他方で、先崎章教授は、

 「あくまで演者の私見として、誤解を恐れずに言及すると、患者の(経済的、心情的)救済を求めるなら石橋の著作の内容にそったものになる。一方で、科学的な真実の追求を理念とし、断定できることと、断定はできずに憶測にすぎないことを正確に判別すると吉本の著作の通りとなる。それだけMTBIの診断に難しい例がある。MTBIの症状とするには疑問を抱かざるをえない、執拗にあらゆる症状を主張する例がいる一方で、本来なら救済されるべき、医学的にMTBIと診断できる例が放置されているという現状がある。」

 と説明されています。

 MTBIの取扱いについては、議論の対立がありますが、医学界の方でも取扱いを調整してもらいたいものです。

 法学的検討では、高次脳機能障害(主として軽度外傷性脳損傷)に関する判例の検討と考察の中で、弁護士の佐野真先生が、「若干の考察」として、4つの点を指摘されていました。

 第1に、精神障害についての裁判所の考え方として、「精神症状の態様、症状出現時期、症状の信憑性(詐病でないか)等を考慮し、事故を契機として症状が発現したことが明らかであれば、後遺障害として認められる。」

 第2に、器質的損傷としての高次脳機能障害認定の傾向として、「事故時の意識障害がなく、MRIの画像所見も認められない場合、非器質性精神精神障害が限度。MRIの画像所見は乏しいものの、一過性ないし軽度の意識障害が認められたケースでは、顔面骨折、歯牙障害等、頭部に強い衝撃を受けたことを推認させる事実が認められると、高次脳機能障害が認定される場合がある。」

 第3に、WHOの提唱した軽度外傷性脳損傷(MTBI)概念の影響については、「精神障害が器質性か非器質性かを判断するにあたり、意識障害、画像所見を必ずしも重視しない判例の出現、軽度外傷性脳損傷の該当性の問題と、高次脳機能障害の該当性の問題に混乱」、

 第4に、平成23年3月4日付「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムの充実について」示された考え方については、「MTBIは機能的障害に基づく定義であり、MTBIの定義に該当しても直ちに器質的脳損傷が認められるわけではない。MTBI後の精神障害は、大多数で1年以内に正常化する。それを超えて精神症状が遷延する要因としては、訴訟・補償問題など心理社会的因子が最も有力である。器質的損傷としての高次脳機能障害を判別するにあたっては、意識障害及び画像所見が重視されるべきである。」、「自賠責における高次脳機能障害認定システムの基準が、現時点で最も妥当性を有する知見として、裁判所にも浸透・定着しつつあるのではないか」

 と説明されていました。

 私も、MTBIが絡んだ事案については、まだわずかしか経験したことがありません(損保側としてですが・・・)。

 せっかく田舎ながらも勉強しているところなので、少なくとも、常時1件くらいは受任或いはご相談を受けている状況にしておきたいです。  

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 参加者の皆様、大変お疲れ様でした。

2012年12月 8日 (土)

 上野に出かけてきました

 先日、上野に出かけてきました。

 国立西洋美術館では、ちょうど特別展をしていました。

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 国立西洋美術館の建物を、世界遺産に! という看板が目に付きましたが、どのくらいすごい建物なんでしょう。

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 カレーの市民です。近くに考える人の像もあります。幼稚園くらいの子が考える人の格好をしていたのをみて、みんな噴き出していました。可愛かったです。

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 ダンテの神曲の一場面だと思いますが、見ていてあきがきません。

 

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ランチは、美術館の中でいただきました。

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 まあ、うますぎるというわけではありませんでした。

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 中庭がとてもきれいですね~

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 その後は、科学博物館を訪ねました。来年の家族旅行のための下見です。

 上野は、博物館、美術館、動物園等、とても楽しい施設が沢山あるところです。

 東京に住んでいたころは余り行かなかったのですが、愛媛に帰ると度々訪ねる場所となりました。不思議です。

2012年12月 6日 (木)

お歳暮の時期がやってきました (^^;)

 12月に入り、お歳暮の時期になりました。

 今年お世話になった方々にお歳暮を贈らせていただくのですが、従来は、○越のカタログでしたが、今年の冬からは、フジの「選べるギフト」に変えることにしました。

 特に、フジの「ふるさとの逸品」では、中四国の生産者の方が、愛情を込めた「うまい」を取りそろえられています。

 例えば、愛媛でいえば、愛媛県認定漁業士協同組合の幻の高級魚真はた鍋セット(7000円)とかは、県外の方には珍しくて喜ばれるのではないでしょうか?

 マハタは、先日、伯方島に仕事で出かけた際に立ち寄った道の駅のレストランで食しましたが、大変美味しかったです。コラーゲンがたっぷりとか!?

 あと1ヶ月足らずで平成24年も終わりますが、1年間ありがとうございました。(^o^)

2012年12月 5日 (水)

【金融・企業法務】 窓口での預金払戻しに際して不審点が生じた場合の対応

 金融法務事情No1958号(11月25日号)で紹介された「金融判例に学ぶ営業店OJT」(窓口での預金払戻しに際し不審点が生じた場合の対応」にて紹介された大阪地裁平成18年4月11日判決です。

 裁判所は、①本件各払戻しが各口座の大半に及び、かつ、②口座開設店以外で行われたことから、銀行には通常以上の高度な注意義務があるとしましたが、

 ①及び②の事情、

 ③氏名の誤記(惠が恵)

 ④住所の誤記(西成が西城)

 ⑤当初は届出住所(浪速区)と異なる住所(西成)を記載したこと

 ⑥口座Ⅱについての当初の払戻請求書の記載金額1000万円が残高173万円を上回る金額であったこと

 ⑦来店者が帽子をかぶっていたこと

 などでは、来店者の本人性に不審を抱く状況にあったとはいえないとしました。

 本判決は、その理由として、

 ③については、恵と全く異なる字ではなく他の漢字は正確な字であることや、Xが韓国籍であることから必ずしも漢字を正確に書けない可能性があること、

 ④の点は、西成区と西城区はある程度似た記載でそもそも届出住所と異なったことが問題だったこと

 ⑤の点は引越の場合等によくあることで担当者からの質問に対して届出住所に一致する住所を速やかに返答していること

 ⑥の点は、残高1021万円の口座Ⅰと誤ったと推認されること

 ⑦の点は、女性が帽子をかぶっていることも特別不自然ではなく、また運転免許証の写真と来店者を見比べることができたこと等を示しました。

 微妙じゃないのかな~と思いますが、裁判所は銀行の過失を否定しました。

 この事案は、強盗犯が、通帳と届出印、キャッシュカード、運転免許証を奪われた上、同カードの暗証番号を言わされた内容のようです。

2012年12月 4日 (火)

【金融・企業法務】 銀行預金を共同相続人の一部に相続させる旨の遺言によって指定された遺言執行者からの預金払戻請求を銀行が拒絶した場合における不法行為の成否 東京地裁平成24年1月25日判決

 金融法務事情の1958号(11月25日号)で紹介された平成24年1月25日付け東京地裁判決です。

 判決要旨は以下のとおりです。

 銀行預金を共同相続人の一部の者に相続させる旨の遺言によって指定された遺言執行者からの預金払戻請求に対して、

 銀行が二重払いの危険回避等を重視して支払を拒絶した場合であっても、

 金融機関において遺言執行者からの預金払戻請求に慎重な態度で臨み、事案に応じて、相続人の全部又は一部の意思確認を求めることにも一定の合理性を見いだすことができるから、

 上記預金の払戻拒絶行為が直ちに不法行為に該当するような高度の違法性を有するとは認められず、他の共同相続人の意思確認ができていなかったなど判示の事情のもとにおいては、銀行は不法行為責任を負わない。

 預金の払戻拒絶が不法行為になるというのはなかなか理解しずらいですが、裁判例は分かれているようです。

2012年12月 3日 (月)

【金融・企業法務】 ホテル運営会社が、暴力団を「破門」された元暴力団員との間で締結した結婚式および披露宴を行う契約を暴力団排除条項に基づき解除した場合の債務不履行又は不法行為責任の成否 大阪地裁平成23年8月31日判決

 金融法務事情No1958号(11月25日号)で紹介された大阪地裁平成23年8月31日判決です。

 事案は以下のとおりです。

 本件は、Yとの間で、Yの運営する本件ホテルで結婚式および披露宴を行う契約(本件契約)を締結したXらが、本件ホテルの宴会規約に規程されている、いわゆる暴力団排除条項(本件規約条項)に基づき、Yから一方的に契約を破棄され、予定どおりに結婚式および披露宴を行うことができなかったと主張して、Yに対して、債務不履行または不法行為に基づき、損害賠償を求めた事案です。

 金融法務事情の解説を引用します(P118~)。

 「本判決は、結論において、X1が本件契約の締結時および解除時において暴力団員であったと推認できるとして、本件規約条項に基づく解除の合理性・有効性を認め、Xらの主張を退けている。

 その際の考慮事項として、

 ①Yの代理人弁護士の申し出に基づき、大阪弁護士会が大阪府警察本部に対して、弁護士法23条の2に基づき、X1が現役の指定暴力団員であるか否かについて照会をしたところ、指定暴力団員として把握していますという回答を得たことのほか、

 ②X1は、遅くとも平成21年6月以前に、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律による指定暴力団である山口組に所属していたこと

 ③平成21年9月頃の大阪府S市で行われる格闘技イベントの主催に関わっていたところ、同月10日付で警察署に対して、六代目山口組・・・名義で上申書が提出されていること

 ④平成21年10月27日に大阪府警がb会の組事務所を捜索したところ、b会会長から依頼を受け、同所に赴いて捜索に立ち会い、警察に対して証拠物件を任意提出していること

 を挙げていました。

 一方で、「破門状」の作成送付に関しては、それのみでは暴力団の構成員ではなくなるかどうかは明らかではないとした上で、

 X1が破門時期以降も、所属団体名や暴力団組長との関係を継続していること

 破門の時期が本件契約締結時に近接していること

 といった事実関係に照らして、破門によっても、直ちに暴力団との関係がなくなるものではなく、暴力団員であると同様に、その周辺に暴力の危険が生じていることになり、本件規約条項が適用されるべき場合に当たるといいうる

 と判断しています。

 なお、最近では、本件規約条項の属性用件としては、「暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者」という条項を入れるのがトレンドのようです。

 警察照会に関しては、平成23年12月22日丙組企分発第42号、丙組暴発第19号警察庁刑事局組織犯罪対策部長通達「暴力団排除等のための部外への情報提供について」により、共生者に関する情報が得られやすくなりました。

 最近、暴力団排除条項については、それが盛り込まれる契約書が一般化しつつあります。

 今回の裁判例は、警察から暴力団員であることを告げられた等の諸事実によれば、原告は本件契約の当時暴力団員であったと推認でき、被告が本件規約条項に基づいて解除の意思表示をし本件契約上の債務を履行しなかったことに違法性はなく、債務不履行及び不法行為のいずれも成立しないと判示したものであり、実務上参考になると思いました。

 同じ組でも、(小学)1年2組であれば可愛いのですが・・・

 

2012年12月 2日 (日)

日本損害保険協会医研センター 医療セミナー 「小児外傷」 続き

 医療セミナー 「小児の外傷」 の続きです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 小児頭部の特徴として、

□ 頭部のサイズ 

頭部が大人と比べて身体比が大きい

顔面が大人と比べて頭蓋比が小さい

□ 頭蓋が変形しやすい

縫合が閉じていない(1歳半までは頭の形が変わる)

骨化が発達途上

□ 髄鞘が未発達

水分含有量が多い

細胞骨格が殆ど無い

□ 頚部筋群が弱い

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 小児の場合、衝撃の瞬間に起こる一次性脳損傷で死亡することは少なく、小児においては、二次性脳損傷が脳損傷を増悪させる病態であることに注意する必要があるようです。

 頭蓋(ICP)内圧亢進、低血圧、低酸素血症、高炭酸ガス血症、高熱、低Na血症、痙攣には、特に注意が必要とのことです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 頭蓋内圧との関連で、モンロー・ケリーの法則という法則があるようです。即ち、脳組織の容量+脳血液量+脳脊髄液量=一定

 ※頭蓋内圧は拡張不能であり、各要素の容量の総和は常に一定である。

 ※もし頭蓋内圧病変が発生した場合、血液あるいは髄液が押し出される

 ※頭蓋内圧の代償機構が破綻した場合、頭蓋内圧は飛躍的に上昇する

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 重傷頭部外傷治療については、日本神経外傷学会が、重傷頭部外傷治療・管理ガイドラインが作成されており、来年3月には第三版がでるようです。

 研修では、その他に、「虐待による頭部外傷」、「小児の脳死と臓器提供」が取り上げられていました。

 虐待によるお話は、思わず涙が出てしまいました。いたいけな子どもが親による虐待により死亡したり重度の障害を負ってしまうのは、本当になんとかならんのやろかと考え込んでしまいました。

2012年12月 1日 (土)

日本損害保険協会医研センター 医療セミナー 「小児外傷」 

 先日、横浜の関内荒井ホールで損保協会主催の医療セミナー(小児の外傷)に参加いたしました。

 小児の場合、大人と比較して次のような解剖学的特徴・生理学的変化があるため、次のような損傷形態が生じやすいようです。

 □ 概してサイズが小さく臓器が密集 → 多臓器損傷が起きやすい

 □ 相対的に頭部の比率が大きい → 頭部外傷が起きやすい

 □ 上気道が小さい、狭い、漏斗型をしている

      → 軟部組織による気道閉塞が起きやすい

 □ 椎間関節が平坦で、靱帯が柔らかい

      → 骨傷を伴わない頸髄損傷が起きやすい

 □ 胸壁が薄く、肋骨が折れにくい → 肺挫傷の頻度が高い

 □ 肋骨は並行に走り、肋間筋が弱い → 横隔膜で呼吸しがちに

 □ 縦隔が移動しやすい → 緊張性気胸には影響を受けやすい

 □ 腹腔内の臓器はより前方にあり腹腔内死亡が少ない 

      → 腹腔内臓器損傷や出血を起こしやすい

 □ 骨組織は柔らかく、骨膜が厚い → 不完全骨折の頻度が高い

 □ 骨端線は成長過程にあり、癒合していない 

      → 骨端線骨折による成長障害

 □ 血管収縮により循環動態を代償しやすい

      → ショックの早期には血圧が正常であることが多い

 □ 対表面積が大きい → 体表露出により体温低下が著しい

 子どもって、大人と異なることが多いみたいです。

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