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2012年11月29日 (木)

弁護士会による取り調べ  判例時報

 高名な刑事法の学者弁護士の先生が横浜弁護士会から国選弁護人等の推薦を一時停止する処分を受けたことに対して、処分の前提である調査が杜撰・虚偽に基づくものを理由に、処分を担当した弁護士は、「地獄に落ちて永劫の業火に焼かれる」とまで書いて激しく非難している記事が、判例時報No2162号(11月21日号)に載せられていました。

 処分の決定理由には、先生の解説によれば、①打合せの際に飲酒をしたこと、②他の来客等第三者に聞こえるほど大きな声で話しをしたこと、③自己の飲食代を両親に支払わせたこと、④少年の両親に対して少年や両親の人格等に関する非難中傷を行ったことが、指摘されていました。

 まず、「グラスビール300CCを少しずつ、1時間ほどかけて飲み、のどをうるおしたことは事実であるが、これは、お茶代わりである。」と説明されてます。

 しかし、弁護の打合せで、アルコールの入ったビールを飲む必要性はなく、むしろ、アルコールの入ったビールを飲んで打合せを行う弁護士に対して、被疑者の親族がどのように思うかは、容易に想像できるのではないかと思います。喉が渇いたのであれば、水かお茶で足りるはずであり、先生の「お茶代わり」と言い切ってしまうこと自体、どうなんでしょうと思いました。

 次に、飲食店での打合せを行ったということのようですが、このような相談は、まず、事務所の応接室のような誰もいない部屋で行うべきであり、親しくもない被疑者の親族とご飯を食べながら相談にのるのも、一般的ではないのではないかと思いました。

 さらに、飲食費代を被疑者の親族に結果的に負担させているということです。国選弁護人は対価の受領が禁じられていますが、社交儀礼との境界が不明確であるため、数百円程度のお菓子の詰め合わせも受取を拒絶するのが国選弁護の場合には無難な対応というべきものです。

 とりわけ、国選事件の依頼人の場合には、通常は、紹介者などが介在しないために、後日大きなトラブルに発展することもありうることから、相応の注意を払いながら慎重に対応していることが少なくないと思います。

 横浜弁護士会の処分の手続が適正であったかどうかは私にはわかりません。

 しかし、少なくとも、被疑者弁護の打合せを、ビールを含む料理をとりながら料理店で行うのは、今回の事例のように、依頼人との関係が悪化した場合には、非常にリスクの大きいやり方ではないかと思います。

 以前の自由と正義で、飲酒して相談した事案で懲戒を受けた弁護士がいたことを思い出しました。

 主観的には一生懸命弁護活動しても、依頼人から評価されなければ、良い弁護とは言えません。気を付けたいと思います。

  

2012年11月28日 (水)

横浜にでかけてきました

   横浜に出かけてきました。

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 関内荒井ビルでの研修を受ける目的でした。関内荒井ビルから、関内駅方面を撮影したものです。

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 関内といえば、中華街が近くです。

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 関羽さんに会ってきました。髭が長いですねえ~

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 六鳳居という中華料理屋さんで、夕食をいただきました。

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 上海蟹だそうです。多分生まれて初めて食べました。

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 かゆはなかなか美味しかったです。

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 ホテルは定宿にしているベイシェラトンです。楽天経由で安く泊まれました。 

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 ホテルのロビーです。クリスマスツリーが飾られています。いつものように2回泳ぎました。

2012年11月27日 (火)

利益相反なんですねえ~

 自由と正義11月号で紹介された懲戒(戒告)事例です。

 弁護士甲は、AとBから、同人らを被告とする貸金返還請求訴訟を受任しました。

 弁護士甲は、別件事件で、Aの代理人でした。

 前記貸金返還請求訴訟において、何故か、Aに対する訴えは取り下げられましたが、Aは証人としては採用されることになりました。

 ところが、AとBとは呉越同舟、別途金銭を巡る紛争があるため、証人として採用されたAは、貸金返還請求訴訟において、Bに不利益な証言がなされる可能性がありました。

 ところが、弁護士甲は、Aが呼び出し証人であることから、反対尋問の準備を行わず、しかも、Aから別件事件を受けていることをBに説明しないばかりか、Bの了解を得ることなく突然辞任したという行為に出ました。

 事実経緯を拾っていくと、弁護士甲に対する懲戒(戒告)は仕方がないように見えます。

 ただ、これと似たような事件って、弁護士であれば経験することって少なくないのではないかと思います。

 例えば、遺産分割事件で、兄弟姉妹の複数の代理人弁護士になった場合なんて、いつ実質的にも利益相反するかわかりません。例えば、依頼人の1人が、寄与分の主張をしたいと言い出した時、或いは、依頼人のグループの中の1人が特別受益を受けていた時、なんて、あり得るのではないでしょうか?

 こうしてみると、弁護士甲の行為も、ひょっとすれば、いつ我が身になるかわかりません。

 複数依頼人の場合には、きちんと利益相反についての説明等をきちんとしておく必要があるということです。

2012年11月26日 (月)

【建築・不動産】 平成24年度紛争処理委員実務研修 本編

 本編です。(^^;)

 全部で、3部構成です。

 第1部の、住宅品質確保法等の施行状況及び住宅瑕疵担保責任保険の概要については、国土交通省住宅局の担当官が解説されました。

 保険事故は平成24年8月末日までのデータとして、979件が報告され、半数以上の541件が保険事故として確定されているようです。発生部位は、大半が雨水の浸入を防止する部分であり、8割を占めていいます。保険金額の平均支払額は93万円程度のようです。

 第2部の、紛争解決のポイントと具体的事例は、東京の弁護士さんによる解説でした。紛争処理手続についての具体的な流れを説明されたものであり、受けた案件の処理について参考になる解説でした。保険法人の対応について、ごく一部だと思いますが、必ずしも積極的とはいえない対応をされたこともあるようであり、そのような対応をされた場合について考えさせられるテーマでした。

 第3部は、住宅の瑕疵に関する基礎知識と専門家相談等への活用と題されたものですが、前半は、建築士さんによる、典型的な住宅瑕疵に関する基本的知識、後半は、弁護士さんによる、専門家相談の参考事例と活用すべき判例知識等でした。

 前半の講義は、多数の写真を使用してのものでした。雨漏りをテーマに、①雨漏り現象・現地調査、②原因特定、③補修工事という流れで説明がなされました。

 弁護士って、建築知識には乏しいため、このような研修が欲しかったのですねえ~ 勉強になりました。

 後半は、さらに、①雨漏りに関する専門家相談の事例、②雨漏り関連の判例の分析とポイントでした。

 専門家相談の事例としては、図面どおりの仕上がりがなくても瑕疵とは評価されないことに注意されるべきだという指摘がありました。規範的なものであり慎重な検討が必要だということです。また、屋根の外部にある雨樋は、品確法の雨水の浸入を防止する部分に該当しないものであることにも注意が必要だということです。基礎部分からの雨水の浸入も、品確法の瑕疵であると直ちにはいえないので、注意が必要だそうです。

 判例分析については、①雨水の浸入の場合には、経路の立証までが要求されていること、②瑕疵が認められても補修方法や金額の認定についてはかなり厳しく認定される傾向にあること、③監理者の責任については、常駐監理か重点監理かで一義的に導かれるものではないこと、④施主の指図による免責が認められる傾向が出てきていること、⑤補修については再利用の反論が可能であることなどを教えて貰いました。

 一流の弁護士、建築士の先生方からの講義を直接受けることができる研修です。

 若い弁護士の先生、愛媛弁護士会の紛争処理委員に就任して、一緒に研修を受けましょう。 

2012年11月25日 (日)

【建築・不動産】 住宅リフォーム紛争処理支援センターの平成24年度紛争処理委員実務研修会 番外編

 先日、平成24年度の紛争処理委員実務研修のために、大阪に出かけてきました。

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 大阪駅近くの研修会場のある建物です。大きな目立つ建物です。

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 高いビルだらけです。道に迷いそうです。

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 この日は、ウェスティン大阪に泊まりました。ネットで予約すると、結構安くとれました。

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 プールは1回2100円で利用できます。 今治だと、せいぜい高い建物は国際ホテル程度しかないため、大阪などの大都会に出ると、ビルの高さに圧倒されます。

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 ちなみに、大阪の場合、弁護士会館も、ビックなサイズです。個人的には、会費負担が気になるところですが・・・

2012年11月24日 (土)

弁護士も、仕事で現場に出ることがあります (^^;)

 この日は、伯方島で仕事があったために、運転手(妻)を連れて、伯方島の現場にまで出かけました。

 仕事の後、少し汚れたため、ちょうど、ただ券をゲットしていた大三島の多々羅温泉に入りに行くことにしました。

  

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 多々羅温泉って、若いころ、妻と2人で入りに行ったことがありました。神田川のリズムを謳っていたら、「赤いマフラーなんてないわよ!」と言われました。建物は昔と変わっていません。懐かしいです。

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 道の駅で、ランチをいただきました。

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 海鮮丼です 旨かったです (^o^)

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 マハタの生け簀のようです。コラーゲンたっぷりとか! 妻はマハタの丼にしたみたいです。

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 一度、家族で自転車できてみたいものです。「多々羅大橋が今日も美しかった。キミのように」・・・なんて、恥ずかしくて言えない歳にいつの間にか、なってしまいました。

2012年11月23日 (金)

【金融・企業法務】 年金などの差押禁止債権が預金に振り込まれた場合に当該預金を受動債権とする相殺は認められるか?

 金融法務事情No1957号(11月10日号)で紹介された「金融判例に学ぶ営業店OJT 融資業務編」です。

 今回のテーマは、年金などの差押禁止債権が預金に振り込まれた場合に当該預金を受働債権とする相殺は認められるか?という内容でした。

 これについては、最高裁平成10年2月10日判決により、相殺が認められており、年金受給者の不利益は、民事執行法153条に基づく債権差押範囲の変更により対応するということになっていると思います。

 ただ、実際には、年金等の差押禁止債権のみが振り込まれている口座であることを銀行が熟知しているような場合には、銀行も、トラブルを恐れて、相殺してこないこともあるように思います。

 

 

2012年11月22日 (木)

【金融・企業法務】 預金額最大店舗方式による債権差押 東京高裁平成24年10月10日決定

 金融法務事情No1957号(11月10日号)で紹介された東京高裁平成24年10月10日決定です。

 平成23年9月20日の最高裁決定は、全店一括順位付け方式は、×と判断しました。

 今回は、債務者が第三債務者に対して預金債権を目的として、

 具体的な支店を特定することなく、

 複数の店舗に預金債権があるときは、預金債権額合計の最も大きな店舗の預金債権、

 これに該当する店舗が複数あるときは支店番号の最も若い店舗の預金債権を対象とした上、

 当該店舗の預金債権については、先行する差押え等の有無、預金の種類、口座番号等による指定の順序で請求債権額に満つるまでの債権の差押えを求めた債権差押命令の申立て(預金額最大店舗方式)についての判断です。

 東京高裁平成24年10月10日決定(齋藤隆裁判長)は、民事執行規則133条2項に求める差押債権の特定を欠き不適法であり、却下すべきものであると判断しました。

 これについては、確か、同じ東京高裁平成23年10月26日決定(確か、加藤新太郎裁判長?)は、弁護士会照会による回答をしなかったことを考慮して、決定を認めています。

 最近、差押えが空振りに終わる事案が少なくないので、私自身、預金額最大店舗方式に基づく債権差押命令を行おうかな?と思っています。(^^;)

 この件についての、松山地裁や高松高裁の動きってどんなんやろ???

2012年11月21日 (水)

【倒産】 特集 倒産法改正の論点ー債権者からの立場から

 金融法務事情No1957号(11月10日号)の特集記事です。

 倒産法改正の論点として、複数の論文が紹介されています。

 まず、①法的整理手続に関するいくつかの意見ー債権者側からの視座という論文では、回収可能性、公平性、透明性という視点から、私的整理や法的整理手続についての検討がなされていました。

 次に、②債権者に対する情報開示として更生担保権者委員会の代理人を勤めた弁護士による提言が紹介されていました。

 さらに、③再生計画に基づく弁済の実行の確実性を図るための制度的保障や④倒産手続における会社分割をめぐる諸問題等、参考になる論文も紹介されています。

 なかなかマチ弁を主要な業務とする田舎弁護士にとっては、難しい話しばかりです。

 とはいえ、執筆されている弁護士の方の、弁護士登録年月日は私よりも新しい方が相当数含まれています。難しいことはわからなくても、的確にご相談に乗れるよう頑張ってついていきたいと思います。

2012年11月20日 (火)

【医療事故】 精神科医師がうつ病で通院中で過量服用を繰り返した患者に対して抗うつ剤を処方するに際し、患者の夫に対して過量服用した場合には、医療機関の診療時間でなければ119番通報することを含めて直ちに医療機関を受診するよう指導すべき注意義務があったとされた事例 大阪地裁平成24年3月30日判決

 判例タイムズの1379号(11月15日号)で紹介された大阪地裁平成24年3月30日判決です。

 カルテの改ざんもあり、それが裁判官の心証に悪影響を与えたかもしれませんね。

 うつ病患者の方の逸失利益については、10年程度で区切るのが一般的だと書かれていました。

 よくなる可能性があるということを含んでいるのでしょうね。

2012年11月19日 (月)

【倒産】 全国倒産ネット処理弁護士ネットワーク 第11回全国大会

 いわゆる全倒ネットの全国大会に、久しぶりに参加しました。

 今回は、大阪弁護士会館でありました。

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 立派な建物です・・・・

 弁護士会への会費も多分高いんやろなあ~

 さて、話しを元に戻します。

 全国大会のシンポジウムでは、再生手続における担保権を中心に有識者の講演やパネルディスカッションがありました。

 内容的には、民事再生法に規定されている中止命令(再生法31条1項)や担保権消滅請求(再生法148条1項)についての、実務上の問題や改正への提言でした。

 田舎弁護士の地域では、民事再生(通常の)自体、数年に1回あるかないかという程度であるため、民事再生の申立代理人か、監督委員でも引き受けていない場合には、ほとんど縁がない手続であるため、余り勉強していない分野の1つです。

 ただ、最近の実務の動向を把握していなければ、関係者に迷惑をかけることになるため、地理的に近いところであれば、できるだけこのような研修には参加するようにしています。

 同期や知っている弁護士が活躍しているのを見るだけでも、良い刺激になります。

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 弁護士会館地下の洋食屋さんのロールキャベツランチ(900円)です。美味しかったですねえ~

2012年11月18日 (日)

【交通事故】 交通損害賠償事件における非器質性精神障害をめぐる問題

 判例タイムズNo1379号(11月15日号)で紹介された現役の裁判官による「交通損害賠償事件における非器質性精神障害をめぐる問題(3)」です。

 今回の論文は、①素因減額以外の割合的解決手法を用いる場合についての分析、②素因減額を含む割合的解決についての思考の順序、考慮要素とその軽重についての類型化、③同種事案における審理・判決上の留意点について解説されたものです。

 その中で、「器質性障害が主張されている場合の非器質性精神障害の取扱い」については参考になると思われます。

 「裁判所としては、器質性障害に基づく損害賠償事案の審理過程で、当該結果が事故に起因する非器質性精神障害であるとの心証を得た場合には、不意打ちを防止し、事故以外のストレス因子等の減額要素について加害者側に主張の機会を与えるためにも、被害者側に対し、非器質性精神障害による予備的主張の有無を確認し、争点の位置づけを明確にしておくべきであろう。」と説明されていることが参考になります。

 つづけて、「もっとも、通常は、原告が器質性の障害を主張立証している場合に、何らかの精神的なものが影響している可能性がうかがわれたとしても発現時期が近接しているなどの事例でないと『事故に起因する』非器質性の精神障害との確信が得られる場合はそう多くないように思われる。原告としては、器質性の機能障害を主張している場合に、予備的に非器質性精神障害の主張を行い、そのための予備的主張を行うかどうかは、両刃となるために訴訟戦略上の難しい立場に立たされる」と説明されています。

 自賠責で後遺障害の認定がされている案件であればあまり問題ないと思いますが、非該当などの場合には、器質性とすべきか非器質性とすべきか悩みますよねえ~

 

2012年11月17日 (土)

【行政】 酒気帯び運転で検挙された市立小学校の教頭に対する免職処分が違法として取り消された事例 秋田地裁平成24年3月23日判決

 判例タイムズNo1379号(11月15日号)で紹介された秋田地裁平成24年3月23日判決です。

 裁判所の判断は、以下のとおりです。

 公務員につき、地方公務員法に定められた懲戒事由がある場合、懲戒処分を行うかどうか、どのような処分を選ぶかは、懲戒権者の裁量に任されているとした上で、

 秋田県教育委員会の定めた懲戒処分の量定に関する基準は違法とならないとしたが、

 本件行為の結果事故は起きていないこと、

 本件行為について刑事処分は科されていないこと

 Xには懲戒分限処分等の前歴はなく、同種前歴もうかがわれないこと

 Xは教育公務員として多くの実績を重ねており、高い評価を得ていること

 保護者らも寛大な処分を求めていること

 など判示の諸事情を考慮すれば、

 本件行為について免職処分をもって臨むことは、社会観念上著しく妥当を欠くものといわざるを得ないと判断し、免職処分は違法であると判断しました。

 このような類似事案って、比較的よくききますねえ。今治市や愛媛県の場合は私の事務所では難しいかもしれませんが、他の市町村の場合には対応が可能なので、困った場合にはご相談下さい。

 

2012年11月16日 (金)

【金融・企業法務】 民法258条2項所定の競売を命じる判決に基づく不動産競売と民事執行法59条及び63条の準用の有無 最高裁平成24年2月7日判決

 判例タイムズNo1379号(11月15日号)で紹介された最高裁平成24年2月7日決定です。

 事案は以下のとおりです。

 いわゆる形式的競売の1つである民法258条2項所定の競売を命ずる判決に基づく換価のための不動産競売の手続において、いわゆる無剰余取消しについて定めた民事執行法63条が準用されるかが問題となった事案です。

 最高裁の理屈はわかりませんが、結論として、準用を肯定しました。

 岡部裁判官の補足意見にあるように、形式的競売における物件を売却する必要性と担保権者の利益との調整をどのように衡量するかという問題です。

 最高裁は、後者の利益を重くみたわけですが、さりとて、共有物についての競売を命じた判決の目的を達成することができないわけです。

 共有物分割を希望する依頼人には、担保が設定されている場合には、このようなリスクも生じる可能性があることを説明しておく必要がありますね。

2012年11月15日 (木)

【金融・企業法務】 銀行からの2億円の借入れが取締役会の承認決議を欠く「多額の借財」に当たり、かつ、銀行は当該取締役会決議の欠缺について悪意であったなどとして、貸金返還を求める主位的請求が棄却された事例 東京地裁平成24年2月21日判決

 判例時報No2161号(11月11日号)で紹介された東京地裁平成24年2月21日判決です。

 多額の借財の係る事例判断は、銀行実務の参考になると指摘されています。

 以下、判旨を引用します。

 本件契約に基づく借財が、被告にとって会社法362条4項2号の「多額の借財」に該当するかについて判断する。

ア 同号所定の「多額の借財」に該当するかどうかは、当該借財の額、その会社の総資産及び経常利益等に占める割合、当該借財の目的及び会社における従来の取扱い等の事情を総合的に考慮して判断すべきである。

イ これを本件についてみるに、被告の平成18年1月27日時点での資本金が11億1800万円、平成17年9月30日時点での総資産が合計約35億円、平成17年9月期の売上が約6億8233円、経常利益が約600万円であったことに当事者間に争いがなく、他方、本件契約に係る借財の額は2億円であるから、この額は、当時の被告の資本金の約17.9%、資産の約5.7%、経常利益の約33.3%倍にも相当することになり、また、分割弁済の負担も、元金だけで年額6664万円に上りこれに支払利息を含めると、年間売上のほぼ10%に相当する程度の金額となる。このような点だけから考えても、本件契約に係る借財は、被告の財務、経営への影響が極めて大きいものということができる。

ウ 次に、上記借財の目的であるが、甲野物産に対する運転資金の転貸融資であったことは明らかである。そうすると、この借財は、被告自身の売上げに直接貢献するような性格のものではなく、また、甲野物産から確実な担保を徴求した形跡もないから、甲野物産の経営状況いかんによっては原告への支払に窮する結果となりかねないリスクの高い借財ということができる。

エ 以上の認定判断を総合すれば、本件契約に基づく借財は、取締役会の承認決議が必要な多額の借財に当たると解するのが相当である。

 問題提起 → 規範定立 → あてはめ という形式を踏んでいます。

 

2012年11月14日 (水)

【交通事故】 交通事故の加害者側が示談・訴訟の当初運転者の過失を認めながらその後これを争うに至った場合、不誠実な態度であるとして、慰謝料が増額された事例 福岡高裁平成24年7月31日判決

 判例時報2161号(11月11日号)で紹介された福岡高裁平成24年7月31日判決です。

 第1審及び第2審ともに、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料について、示談交渉の際に、加害者に過失があることを前提に示談の提案をし、本訴において、当初加害者の責任を認める旨の認否をしながら、その後その認否を撤回し、加害者の過失を争うに至っているとして、このような加害者の対応の変更は不誠実なものであるとし、かかる事情を慰謝料の算定の際に考慮することは許容されると判断しました。

 交通事故事件を取り扱っていると、まれに非常に不誠実な対応に終始する加害者に遭遇することがあります。

 このような加害者の対応について慰謝料の上乗せとかできないか検討して、増額すべきだとする主張をすることがありますが、実際にはなかなか裁判所に理解してもらうことが難しいことがあります。

 今回は、地裁、高裁と引き続き、慰謝料の増額を認めたもので、実務上参考になると思います。

2012年11月13日 (火)

【金融・企業法務】 インサイダー取引規制と銀行の実務対応 銀行法務21

 銀行法務21・11月号で紹介された「事例で学ぶインサイダー取引規制と銀行の実務対応」です。

 インサイダー取引規制のポイントである重要事実については、決定事実、発生事実、決算事実、バスケット条項の4種類にわかれます。

 今回は、発生事実、決算事実がテーマです。なんとことかわかりぬくいですが、以下のように定義されています。

 まず、発生事実は、上場会社等の業務等に関して、当該上場会社等の意思決定とは関係なく発生した事実で、投資者の投資判断に影響を及ぼすものです。

 災害や業務遂行上で発生した損害、上場廃止、訴訟の提起、不渡り、債権の回収不能のおそれなど、企業活動によって生じたネガティヴな事実が多いのが特徴です。

 次に、決算情報は、上場会社等(単体)の売上高、経常利益、純利益もしくは剰余金の配当について公表がされた直近の予想値に比較して、当該上場会社等が新たに算出した予想値または当該事業年度の決算において、一定の金額の差異が生じた場合を指します。

 複数の事例を挙げて検討するスタイルをとって説明されており、比較的わかりやすいなあ~と思いました。

 田舎弁護士の顧問先に上場会社があるため、注意する必要があります。

2012年11月12日 (月)

【金融・企業法務】 新設分割設立会社にその債権にかかる債務が承継されず、新設分割について異議を述べることもできない新設分割株式会社の債権者は、詐害行為取消権を行使して新設分割を取り消すことができる 最高裁平成24年10月12日判決

 銀行法務21・11月号の金融商事実務判例紹介で紹介されている最高裁判決です。

 事案の経過は、以下のとおりです。

 A社は、平成19年9月、X社を新設すること、

 A社はX社に不動産を含む権利義務の一部を承継すること、

 X社の発行する株式の全部をA社に割り当てること

 を内容とする新設分割計画を作成し、平成19年10月に、新設分割を行いました。

 本件新設分割により、X社はA社から一部の債務を承継し、A社は前記承継にかかる債務については重畳的債務引受を行ったものの、Y社に対する保証債務についてはX社に承継しませんでした。

 不動産には3300万円程度の担保余力があったののですが、A社は、X社の株式以外には全く資産を保有しない状態になりました。

 そこで、Y社は、A社が本件不動を新設分割によりX社に承継させたことが詐害行為に当たるとして、X社に対し、その取消し及び本件不動産についてされた会社分割を原因とする所有権移転登記の抹消を求めて提訴しました。

 最高裁は概ね以下のとおり判断しました。

 会社法上、新設分割の無効を主張する方法として新設分割無効の訴えが規定されているが、詐害行為取消権の行使によって新設分割を取り消したとしても、その取消しの効力は、新設分割による株式会社の設立の効力には何らの影響を及ぼすものではない。

                   ↓

 債権者保護の必要性がある場合において、会社法上新設分割無効の訴えが規定されていることをもって、新設分割が詐害行為取消権行使の対象にならないと解することはできない。

                   ↓

 株式会社を設立する新設分割がされた場合において、新設分割設立株式会社にその債権に係る債務が承継されず、新設分割について異議を述べることもできない新設分割株式会社の債権者は、民法424条の規定により、詐害行為取消権を行使して新設分割を取消することができる。

                   ↓

 この場合においては、その債権の保全に必要な限度で新設分割設立会社への権利の承継の効力を否定することができるというべきである。

 濫用的会社分割は、ここ数年大きな話題になっていたところです。ようやく、最高裁にて、それに歯止めをする判例が出ました。

2012年11月11日 (日)

【金融・企業法務】 銀行員が書いた銀取のトリセツ

 銀行法務21・11月号の銀行員が書いた銀取のトリセツです。

 今回は、担保権実行の方法(第4条2項)の解説でした。

 第4条2項 担保

  甲が乙に対する債務を履行しなかった場合には、乙は、法定の手続を含めて、一般に適当と認められる方法、時期、価格等により担保を取立または処分のうえ、その取得金から諸費用を差し引いた残額を法定の順序にかかわらず甲の債務の弁済に充当できるものとします(前段)。

 取得金を甲の債務の弁済に充当した後に、なお甲の債務が残っているときは甲は直ちに弁済するものとし、取得金に余剰が生じたときは乙はこれを権利者に返還するものとします(後段)。

 前段では、「一般に適当と認められる」限りかどうかが問題となりそうです。

 後段は、当たり前の規定ですが、「担保処分対価が、お取引先の債務総額を下回っていた場合にも代物弁済的に被担保債権全額が消滅するものではないことを明示することに意義があると考える見解」もあるようです。

 銀取って、よくみかけるわりには、余り意識して条項を検討したりしませんが、よく読んで理解しておく必要があります。  

2012年11月10日 (土)

【金融・企業法務】 月刊監査役 11月号

 定期購読している「月刊監査役」11月号が送られてきました。

 その中で、公認会計士が執筆している「監査役と会計監査人との連携について」(会計・監査の基本知識講座6回)は、①会計監査人の選任時、②監査契約更新時又は業務執行社員若しくは監査役の交代時、③監査計画策定時、④4半期レビュー時、⑤期末監査時、⑥随時に分けて、情報・意見交換すべき基本的事項が書かれているのは、わかりやすいなあと思いました。

 また、Net相談室というのも、現場の監査役の方からの参考となる質問に対する回答が要領よく書かれており、読んでいて大変ためになります。

 年間1万8000円程かかりますが、監査役に特化している月刊誌であり、私自身、監査役をさせていただいている企業もあるため、必読書の1つだと思っています。

 

2012年11月 9日 (金)

【金融・企業法務】 主債務の消滅時効完成前の破産免責と保証人による消滅時効援用の可否 銀行法務21

 銀行法務21・11月号の「営業店からの質疑応答」です。

 主債務の消滅時効完成前の破産免責と保証人による消滅時効援用の可否?という論点です。

 この質問事案は、連帯保証人Bに対する保証債務履行請求は訴訟にて確定判決を受け、Bから分割払いで弁済を受けていたところ、Bが、主債務者Aの消滅時効を援用することができるか?ということです。

 連帯保証人に対する履行の請求により連帯保証債務の消滅時効が中断した場合には、主債務の消滅時効も中断しますが、連帯保証人の債務承認は、主債務の消滅時効を中断しません。そこで、主債務の消滅時効の中断手続が必要となるのが原則です。

 但し、例外的に、主債務者が破産免責を受けそれが確定している場合には、その時点で主債務の時効の進行を観念することができなくなり、その結果、Bはその債権についての消滅時効を援用することができなくなります。

 最高裁平成11年11月9日判決も同様の見解に立っています。

 あ~ そういえば、そうだったなあ~

2012年11月 8日 (木)

【保険金】 債務者会社の火災保険金請求権につき差押命令により取立権を取得した債権者による保険会社に対する保険金請求について、火災が債務者会社の取締役の故意の放火によるものであるとして、棄却された事例 広島地裁福山支部平成24年1月18日判決

 判例時報No2160(11月1日)号で紹介された裁判例です。

 判決の要旨は以下のとおりです。

 本件火災は異なる2カ所から出火していることからすれば、放火によるものであると推認されるとした上で、

 本件火災当時、本件建物は施錠されていたし、第三者の侵入の形跡がうかがわれないことからすれば、本件火災の出火原因は、A会社の関係者による放火であると推認されるとし、

 A会社は、本件火災当時7000万円を超える債務を負担していたこと、

 A会社の取締役Bは本件火災の約1か月後から行方不明であること、

 本件火災は、保険契約の締結の4日後に発生していること、

 Bの本件火災前後における行動には不自然な点が多いこと

 などの判示事情からすれば、

 本件火災は、A会社の取締役であるBの故意の放火により生じたものと強く推認されると判断しました。

 福山といえば、今治からすれば、瀬戸内海を挟んだ対岸の街ですねえ。

2012年11月 4日 (日)

宇和島に出かけてきました

   宇和島に出かけてきました。

 宇和島といえば、宇和島城です。

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 次に、天赦園です。

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 そして、伊達博物館。

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 最後に、きさいや広場

 

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 個人的に、裁判所と、フジ宇和島店です。

 宇和島の裁判所

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 フジ宇和島店 Fj310148

 

 同じ裁判所を見ても、仕事で見るのと、旅行で見るのとは気分が違います(当たり前か?)。

2012年11月 2日 (金)

【金融・企業法務】 過半数を超える支配的な株主として退職慰労金支給決議を実質的に決定することができる立場にあった者が、みずから内規のとおり退職慰労金を支給する旨を説明したにもかかわらず、故意又は過失によって過半数を超える支配的な立場を利用して不支給決議を主導した場合には、相当といえる特段の事情が認められない限り、退任取締役に対して不法行為責任を負うとされた事例 佐賀地裁平成23年1月20日判決

 判例タイムズNo1378号(11月1日号)で紹介された佐賀地裁平成23年1月20日判決です。

 「類似の裁判例は見当たらない」ようです。

 判タの要約は以下のとおりです(P190)。

 本判決は、取締役報酬名目で子会社から金銭を横領し、または、それに加担したとして取締役を解任された原告らが、退職慰労金に関する内規にしたがって計算した解任時までの退職慰労金の支払いを求めた事案において、

 ①たとえ取締役就任の際に内規にしたがって退職慰労金を支払う旨を就任取締役と代表者が合意したとしても、当該合意は効力を有するものとはいえず、

 また、②本件会社には、解任された場合にも内規に従って退職慰労金を支払う旨の事実たる慣習も存在しないが、

 ③取締役任用契約時に、退職慰労金を内規に従って支払う旨を説明した実質支配株主が、故意又は過失によって、過半数を超える支配的な立場を利用して、支給決議に賛成しないことが相当といえる特段の事情が認められないのに、退任後の退職慰労金不支給決議を主導した場合には、会社に対する具体的な退職慰労請求権を取得し得る退任取締役らの法的保護に値する権利又は利益を侵害したものとし、

 ④保険では、原告らが横領した事実もなければ、他に支給約束に反して不支給決議を受けても違法とはいえない特段の事情がなかったとして、

 実質支配株主と退職慰労金不支給決議を共同して主導した現在の代表取締役個人に対して、不法行為ないし共同不法行為に基づく損害賠償を命じたものである。

 これって、改訂前の神田先生の教科書に載っていた学説に近い見解では???

 中小同族会社って、この種のトラブルって、少なくないんです。

 解任された役員からの相談の場合、株主総会決議を確かめ、或いは、内規や慣行を確かめ、大抵それらもないことから、やはり、どうしたらいい???と悩むことがあります。

 この佐賀地裁の規範は、結構、応用がききそうなので、今後はこれを使って裁判してみるのもいいかもしれませんね。

2012年11月 1日 (木)

【消費者法】 プロミス 債権譲渡事案の最高裁判決 平成24年6月29日判決

 判例時報の1378号(11月1日号)で紹介された最高裁平成24年6月29日判決です。

 いわゆる契約切替事案においては、前の取引の承継を最高裁は認めていますが、債権譲渡事案においては、前の取引の承継を最高裁判決は認めていません。 

 それは、①債権譲渡基本契約には、個別の債権譲渡によりAの契約上の地位がYに移転する旨又はAの負担する過払金返還債務が当然にYに承継される旨を定めた条項はないこと、②Xは、上記債権譲渡に係る通知を受けてから上記の併存的債務引受けに係る条項が効力を失うまでの間に、Yに対し、弁済をしただけであって、上記条項に係る受益の意思表示とみる余地のある行為をしていないことが、理由になっています。

 最近、首都圏の債務整理専門の事務所が折り込みチラシやTV等で派手なコマーシャルをしているためか、10月に入って、少し、債務整理の相談が増えているように思います。

 とはいえ、昨年の初めころに比べると、過払いの相談件数は、10分の1以下ですね。

 過払金訴訟って、結構理屈で勝負するところも多く、また、文書提出命令申立て等もあることから、結構勉強になっていました。

 簡裁(の掲示板)は、TVで有名な司法書士さんのお名前ばかり・・・

 田舎弁護士は、過払金とは縁遠い顧問先様からのご依頼事件のお陰様で生活できています (^^;)

  

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