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2012年10月22日 (月)

【建築・不動産】 共同住宅・店舗として建築された建物を建築主から買い受けた者が、建物に瑕疵があることを理由に、①設計及び工事監理者と、②建築工事請負人に対する不法行為に基づく損害賠償を請求したところ、建物に建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があるとして,①及び②の損害賠償責任が一部認容された事例

 判例時報No2158号(10月11日号)で紹介された福岡高裁平成24年10月10日判決です。

 ①平成15年2月24日大分地裁判決 → ②平成16年12月16日福岡高裁判決 →③平成19年7月6日最高裁判決 →④平成21年2月6日福岡高裁判決 →⑤平成23年7月21日最高裁判決 →⑥平成24年1月10日福岡高裁判決 →⑦上告上告受理申立中 という流れを辿っているとても有名な裁判です。

 第1次上告審判決の要旨です。

 建物の建築に携わる設計者、施工者及び工事監理者は、建物の建築に当たり、契約関係のない居住者等(建物利用者、隣人、通行人等)に対する関係でも、当該建物に建物としての基本的な安全性(居住者等の生命、身体又は財産を危険にさらすことがないような安全性)が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負うと回するのが相当である。

 そして、設計・施工者等がこの義務を怠ったために建築された建物に建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があり、それにより居住者等の生命、身体又は財産が侵害された場合には、設計・施工者等は、不法行為の成立を主張する者が瑕疵の存在を知りながらこれを前提として当該建物を買い受けていたなどの特段の事情がない限り、これによって生じた損害について不法行為責任を負うというべきである。

第2次上告審判決の要旨です。

 第1次上告審判決にいう、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」とは、居住者等の生命、身体又は財産を危険にさらすような瑕疵をいい、建物の瑕疵が居住者の生命、身体又は財産に対する現実的な危険をもたらせている場合に限らず、当該瑕疵の性質に鑑み、これを放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる場合には、当該瑕疵は、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当すると解するのが相当である。

 建物の構造耐力に関わる瑕疵はもとより、

 建物の構造耐力に関わらない瑕疵であっても、これを放置した場合に、例えば、外壁が剥落して通行人の上に落下したり、開口部、ベランダ、階段等の瑕疵により建物の利用者が転落したりするなどして人身被害につながる危険があるときや、漏水、有害物質の発生等により建物の利用者の健康や財産が損なわれる危険があるときには、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当する。

 建物の美観や居住者の居住環境の快適さを損なうにとどまる瑕疵は、これに該当しない

 建物の所有者は、自らが取得した建物に建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵がある場合には、第一次上告審判決にいう特段の事情がない限り、設計・施工者等に対し、当該瑕疵の修補費用相当額の損害賠償を請求することができるものと解され、

 所有者が当該建物を第三者に売却するなどして、その所有権を失った場合でも、その際、修補費用相当額の補填を受けたなど特段の事情がない限り、一旦取得した損害賠償請求権を当然に失うものではない。

 

 そして、本判決は、上各上告審の判断内容を前提として、Xらが本件建物の瑕疵として主張する箇所のそれぞれについて、①それらが建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当するかどうか、②そのような瑕疵が生じるに至ったことにつきYらの故意過失が認められるか、③そのような瑕疵によりXらが被った損害があるか否か等について個別具体的に判断したものです。

 個別具体的な議論については、技術的なことが関連しており紹介できるほどの知見をもちあわせておりませんが、第3次上告審判決って、ありうるのでしょうか?

 

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