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2012年9月30日 (日)

【交通事故】 自研センター 交通事故事件研究コース

9月19日から21日、顧問先の損害保険会社からの熱い勧めで、千葉県市川市にある㈱自研センターで開催された2012年度交通事故事件研究コースに参加いたしました。その時の様子について報告させていただきます。

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 自研センターは、物損の査定調査員である技術アジャスターの養成や、車体の損傷状態と有効衝突速度との関係を探るための実車衝突実験を実施するなど、損害保険の健全な発展のために有益な活動をさせている会社です。

 交通事故事件研修コースでは、3日間で損害調査活動にて用いられる事故解析技法をもとに、交通事故事件における事故態様の再現やモラルリスクの対応について、自動車事故工学的視点によって解説し、交通事故事件についての知識を習得することを目的としています。

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 バリヤ衝突実験では、衝突事故現場を再現し、現象面・損傷面の観察、車両挙動のポイント、衝突速度と有効衝突速度の関係を把握することを目的にしています。

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 バリヤ衝突実験では、1台60万円程度で購入をした車を2台使って追突させるのですから、たいしたものです。

 実車実験により衝突による損傷形態や車両挙動を観察して、実際の事象と工学解析とを結びつけた講義が展開されました。

   

 午前9時から午後6時迄、みっちり講義が行われました。

 最後は、無事、修了証書をいただくことができました。

2012年9月29日 (土)

東京(千葉)に出かけてきました 

 自研センターでの研修のために、東京(正確には千葉・市川)に出かけてきました。

 自研センターは、損害保険会社の物損査定員であるアジャスターの養成学校のようなところです。

 今回は、弁護士向けに、交通事故事件研修コースが開催されたので、保険会社の熱い勧めにより、受講することにしました。

 研修での様子は後日ご報告するとして、今回は、三井ガーデンホテルという立派な提携ホテルが廃業してしまっていたことから、自分で探すことにしました。

 初日は、錦糸町にあるロッテシティホテルに宿泊しました。

 錦糸町から至近距離にある、新しいホテルでした。

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 夜は、スカイツリーがとても幻想的にみえました。

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 2日目は、場所をかえて、東陽町のオークラホテル系列のイースト21東京に泊まりました。

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 東陽町から徒歩で10分程度歩く必要があります。このホテルは、プールがありますので、足ひれをつけて泳ぎました。

 21階のラウンジの、雅というカクテルです。和をイメージしているようです。なんと光っています。

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 次は、スカイツリーをイメージした彩と言うカクテルです。

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 ただ、今回の出張は、午前9時から午後6時までのあいだ自研センターでの授業があるために、その予習復習のために、外に遊びに出かけるということができませんでした。残念なり。

 

2012年9月27日 (木)

【建築・不動産】 建築関係訴訟の極意

 第2東京弁護士会の機関誌(2弁フロンティア・8月9月合併号)に、なんと、「建築関係訴訟の極意」という魅力的なタイトルの特集記事がくまれていました。 

 パネリストは、現役裁判官の他、一級建築士、弁護士です。

 その中で、裁判官から、問題のある訴状は、3つに分類できると説明されています。

 1つめは、社会的な生の事実を法的に還元して社会的紛争の実体にふさわしい法的紛争に構成されていない訴状を挙げています。

 具体的には、時系列のままに事実を羅列しているに過ぎない訴状、契約書に瑕疵等の保証条項が盛り込まれているのに民法の担保責任を追及されている訴状をあげています。

 2つめは、実体法上の通常の解釈や通説、判例について、基本的な理解を欠いているのではないかと思われる訴状を挙げています。

 具体的には、最終工程が一応終了しているが不具合が存在する事案で、債務不履行構成をとるなどして、債務不履行構成と瑕疵担保構成の区別ができていない訴状を挙げています。

 3つめは、実体法上、訴訟法上の構造ないし訴訟、調停運営上の理解を欠いている訴状を挙げています。

 単に主張を羅列しているだけであり、また、要件論と損害論などが具体的に分析されていない訴状を挙げています。

 以下、訴状で書くべき9項目を具体的に説明していただけており、2弁から取り寄せしてでも、読んでおく必要があると思いました。

2012年9月26日 (水)

【金融・企業法務】 会社分割を考えたときに初めに読む本

 2010年1月に発行された税理士さんやコンサルさんが執筆されている「会社分割を考えたときに初めに読む本」です。

 会社分割について、一般の方向きに平易な言葉で書かれている良書です。

 会社分割について、「様々に利用できる デメリットなしの会社分割」という章をもうけて、いろいろ会社分割について説明がされています。

 ①会社の未来・企業再生のために利用する

 ②不良債権の処理にも便利に使える

 ③不動産売却での費用軽減にも利用したい

 ④新規事業を効率よくスタート可能

 ⑤M&Aを使って合併するよりも有利

 ⑥M&Aで事業譲渡(営業譲渡)するより有利

 ⑦行政許可を引き継ぐ場合にも使える

 ⑧反対株主を追い出すことも可能に?

 ⑨事業承継にも使いやすい

 ⑩株式公開時にも有利な使い方がある

 など魅力的な言葉が並んでいます。

 他方で、会社分割を行うときの注意と対策として、

 ①会社分割の税制上の優遇策

 ②会社分割に伴う税金の注意点

 ③債権・債務の特定のしかた

 ④会社分割に係る書類の作成

 ⑤行政許可の引き継ぎも重要なポイント

 ⑥競業禁止と商号の続用の方法

 ⑦従業員の引き継ぎの方法

 ⑧会社分割による担保の分割

 などが並んでいます。

 最近、この種の書籍は、コンサル系、弁護士系、会計・税理士系に分かれているように思われます。

 弁護士系が田舎弁護士にとってはわかりやすいのですが、税制関係や会計処理については、会計・税理士系でしょうし、大胆な発想はコンサル系が魅力的ですねえ。

 ただ、行き過ぎて、濫用は問題かと思いますが。

2012年9月25日 (火)

弁護士が酒気帯び運転容疑で懲戒処分(愛媛)

 マスコミの報道によれば、昨日、愛媛弁護士会所属の弁護士が、酒気帯び運転により、懲戒(業務停止1か月)処分を受けていたようです。

 田舎弁護士の地域でも、最近、弁護士の懲戒が増えているように思います。

 一昔前であれば、「あの弁護士だったらそういうこともあるかな~」ということがほとんどだったように思いますが、今は、「えっ、あの先生が」ということも少なくありません。

 酒気帯び運転や痴漢行為は、業務停止処分必至ですので、コンプライアンス遵守が厳しい現在では、弁護士生命の命取りになりかねません。

 私自身は、弁護士と闘うさんから時折厳しいご意見を頂戴しながらこつこつと仕事を誠実に仕事をして、また、大きなストレスがたまっているからとはいえ、ストレス解消を痴漢等の犯罪行為に手を及ぼすことがないよう、スポーツや旅行等で解消していくしかないと思います。

 日ごろ積極的に人権活動に取り組まれている弁護士さんだけに、とてもとても残念です。

【倒産】 別除権対象物件の競売手続において、不動産登記記録における登記被担保債権額に基づいて作成された配当表につき、破産管財人から配当異議が申し立てられた事例 高松高裁平成24年1月20日判決

 判例タイムズNo1375号(9月15日号)で紹介された高松高裁平成24年1月20日判決です。

 論点は、民事再生手続の際に作成された別除権協定での被担保債権額減額合意の効力が、再生計画の認可確定後、再生債務者についての破産開始決定がなされた場合にも、維持されるのか?ということです。

 原審の松山地裁は、協定を解除して被担保債権の復活を認める考え方を採用し、控訴審は、復活を認めない考え方を採用しています。

 田舎弁護士の感覚からすれば、別除権者において、破産手続開始決定がされた場合にまで別除権協定による担保権の被担保債権額の減額が維持されるとは思えないのですが、高裁の見解は異なるようです。

 上告受理されているようなので、最高裁の判断まちですね。

 第1審と、控訴審との判断で結論が異なったというケースです。

 余り裁判例がないようで、どうなるのか関心があります。

 

2012年9月24日 (月)

【金融・企業法務】 会社分割ハンドブック No2

 商事法務の会社分割ハンドブックの続きです。

 今ではご相談がめっきり減りましたが、過払金返還請求の相手方が、会社分割を経ていることが時々ありますので、過払金返還請求をまじめにしている弁護士・司法書士にとっては、会社分割って、まだ親しみやすいかもしれません。

 ⑥会社分割手続は、具体的なスケジュールについての説明です。会社分割契約の締結・新設分割計画の作成、事前開示事項の本店備え置き、株主総会における承認、株式買取請求、新株予約権買取請求、債権者保護手続、分割対価の交付、会社分割の効力発生と登記、事後開示事項の本店備え置きなどについての解説です。

 ⑦は会社法以外の会社分割関連手続、⑧独占禁止法関係、⑨会社分割と人事労務問題、⑩会社分割と計算、⑪会社分割と税務ということですが、このあたりになると、会計士等も抱える精通した企業法務プロパーの弁護士でなければ対応が難しいところです。

 ただ、会社分割を巡る労務問題については、田舎弁護士でも扱うことがあるため、勉強しておく必要のあるところです。

2012年9月23日 (日)

【金融・企業法務】 会社分割ハンドブック No1

 商事法務のハンドブックシリーズは、企業法務を取り扱う弁護士にとっては、必要不可欠の書籍です。

 会社法絡みは、旧商法世代の私にとっては、未だ未だ抵抗感を感じていますが、商事法務のハンドブックシリーズは、良い助けとなります。

 今回は、会社分割ハンドブック(2011年9月)をご紹介いたします。

 全部で、11章に区分されています。①序論、②会社分割をめぐる論点、③会社分割と事業譲渡の対比、④会社分割の立案・策定・事前準備、⑤会社分割契約・計画の策定、⑥会社分割手続、⑦会社法以外の会社分割関連手続、⑧独占禁止法関係、⑨会社分割と人事・労務問題、⑩会社分割と計算、⑪会社分割と税務です。

①序論では、合併、会社分割、事業譲渡の簡単なイメージ、会社分割が用いられるM&Aやグループ内事業再編についての簡単な説明がされています。

 ②会社分割をめぐる論点では、会社分割の対象の特定、特に「日々変動する」対象をどのように特定するのか、各種契約関係の承継、各種資産・権利の承継、債務の承継・遮断とその限界、対価の調整等についての詳しい説明があります。

 ③会社分割と事業譲渡の対比は、司法試験で問われてもよいような論点です。株主対応の要否、債権者保護手続の要否、潜在債務の免責的承継、潜在債務の遮断、契約の移転、労働契約の承継、許認可等、対価とその割当先、公租公課、競業避止義務等についての対比を論じています。

 ④会社分割の立案・策定・事前準備は、実務的な話しが説明されています。特に、スケジュールと具体的なステップについての説明は秀逸です。ご承知のように、(1)秘密保持契約の締結、(2)第1次デューディリジェンスの実施/公取委への事前相談、(3)基本合意書の締結、(4)会社分割で企図される取引の公表、(5)第2次デューディリジェンスの実施、(6)会社分割締結へ向けての条件の交渉/確定、(7)分割の実行に向けた実務の準備の推進、(8)株主・従業員・取引先等の関係者への説明、(9)競争法対応/関係各省庁への事前相談/届出/許認可の取得、(10)その他(金商法上の届出等)のステップ毎の配慮すべき説明がなされています。

 ⑤会社分割契約・計画の策定は、仮に田舎弁護士がアドホック的に関わるとすれば、この方面でのご相談が少なくありません。田舎弁護士にとっては専門的なご相談になるため悩むことが少なくありません。

 つづく。

 

2012年9月22日 (土)

【労働・労災】 中国人研修生・実習生からの提訴

 判例タイムズNo1375号(9月15日号)で紹介された平成23年12月6日付東京地裁判決です。

 事案は以下のとおりです。

 外国人研修・技能実習制度に基づいて来日した中国人研修生・技能実習生である原告らが、第2次受入機関である被告に対し、

 ①原告らに支払われた賃金等の額が日本人従業員の賃金額よりも著しく低廉であるのは、労基法3条(均等待遇)に違反するとして、日本人従業員の初任給との差額賃金の支払等を求めるとともに、

 ②予備的に、研修期間における研修手当と最低賃金との差額分の賃金支払等を求め、

 ③技能実習期間中に賃金から控除された寮費(住宅費・水道光熱費)の額が日本人従業員よりも高額であるのは労基法3条等に違反するとして、差額分の賃金支払いを求め、

 ④被告は、原告らの意思に反してパスポート及び通帳を取り上げる等の不法行為をしたと主張して、慰謝料等を請求しました。

 

 裁判所は、①については、原告らに賃金額は外国人研修・技能実習生に対する賃金としては、合理的な範囲にあると言え、労基法3条に違反するとはいえないと判断しました。

 しかし、②については、研修期間中の労働者性を肯定して、研修期間中に支払われた研修手当と最低賃金との差額分の賃金支払請求を認めました。

 ③の寮費についても、寮費の格差について合理的な理由はないとして、原告らの賃金から当該差額部分を控除する旨の合意は、労基法3条に違反し、無効であるとして、差額部分の賃金支払請求を認めました。

 ④の原告らのパスポートや通帳を被告が預かったことについては、外国人である原告らが移動の自由に多大な制約を受けたとして、慰謝料が認められています。

 他方で、原告らは、寮を立ち退いた後、粗大ゴミ等を山積みにしており、原状回復費用として全部で7万円程度の賠償義務を認めました。

 外国人研修・技能実習制度って、田舎弁護士の地域でもそれを利用されている企業って、少なくないのではないかと思われます。

 とりわけ、1年目の研修期間中に、労基法・最低賃金法等の労働関係法規の適用が認められるのかどうかは、争いになっていることが多いようです。

 

 

9月24日午後1時30分から、今治商工会議所の一日特別相談会の相談員を担当します!

  例年のように、今治商工会議所で主催される一日特別相談会の相談員を担当させていただきます。

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  私が担当させていただく日時は、9月24日午後1時30分から午後4時までです。

  場所は、今治商工会議所3階研修室です。

  1人30分程度の相談時間ですが、なんと無料です。無料法律相談ですので、迷った場合にはご相談にきて下さい!

  特に相談の範囲は明確に限定していないと思いますので、気になっていることがあれば、ご相談にきて下さい。

  当事務所の場合、事業主の方のご相談の場合には、通常、初回45分以内で1万0500円(内税)(以降、15分ごと5250円(内税))なので、是非、商工会議所の無料相談会をご利用下さい。

 この日は、弁護士の他に、知財活用アドバイザー、税理士、社会保険労務士、中小企業診断士、日本政策金融公庫、信用保証協会、商工会議所指導員が、ご相談を承ります。  

 宜しくお願いいたします。<(_ _)>

2012年9月21日 (金)

【交通事故】 人身傷害保険約款の飲酒は、正常な運転に関わらず、道交法同様、飲酒自体を禁止と認定 平成24年5月31日岡山地裁判決

 自保ジャーナルNo1877(9月13日)号です。

 平成24年5月31日岡山地裁判決(確定)です。

 人身傷害補償条項の、「道路交通法65条第1項に定める酒気帯び運転もしくはこれに相当する状態で自動車を運転している場合に生じた損害に対しては、保険金を支払わない」という免責条項の解釈が争われたケースです。

 裁判所は、本件免責条項は、酒気帯び運転につき、道路交通法上、それ自体が禁止されていることにかんがみ、罰則の適用を受けるか否かあるいは正常な運転ができないおそれがある状態であったか否かを問わず、免責事由とすることを定めたもの」と解釈して、保険会社の免責を認めました。

 う~ん。

 ただ、判決文を見る限り、飲酒検知はされなかったようです(採血はしたが、血液中のアルコール濃度については検査しなかったとされています。)。アルコール臭がしたということのみのようです。

 これで免責って、結構厳しいですねえ。

 青年会議所の幹部の方だったようで、まだ、子どもさん、小さいでしょうね。

 なんとかならんものかなあ。

 ただ、飲酒運転だけに、難しいものがあります。

2012年9月20日 (木)

【交通事故】 日本損害保険協会 MTBI 研修 

 最近、なにかと話題になっている、軽度外傷性脳損傷(MTBI)の研修です。

 吉本智信医師による講義です。

 ただ、議論が最先端であるためか、難しくて、何回か意識を失ってしまいました。

 MTBIを日本で強く主張されている石橋徹医師に対して、批判的な立場からの講義が進みました。

 例えば、石橋医師の軽度外傷性脳損傷には、「mild TBIでは、Ommaya-gennarelli 仮説にしろ、いずれの仮説によるにしろ、損傷を受けた脳の局所では、生体反応が起こり、神経繊維の脱髄・崩壊、神経細胞の活動低下・壊死が始まる。しかし、これらの変化は外傷後一瞬にして起こるのではなく、数時間から数日以上かけてゆっくりと変化が進むといわれる」として、文献を引っ張っています。

 吉本医師は、引っ張られている文献の現物にあたった上、当該既述についての批判をされています。

 現在、MTBIの交通賠償の裁判については、被害者側に石橋医師が関与し、加害者側(損保会社)に吉本医師が関与することが少なくないようです。

 私自身、MTBIについては取り扱ったことがないため、詳しいことはわかりませんが、理論的な対立であり、大きな関心があります。

 なお、SPECT PET については、これらは機能画像であるため、検査結果の判定には十分な注意が必要なようです。

 即ち、被検者の条件(脳の活動)で変化されるものであり、再現性が保証されず、何よりも、読影する医師の主観が解釈に影響を当たるものだということです。機能画像というのは、SPECTの血流、 PETの代謝は、検査時の脳の機能を反映しているだけであり、持続する機能不全を表しているものではありません。

 また、最近は、eZIS 3D-SSP VbSEE VSRAD という統計的解析法も出てきているために、これらについての理解も必要になっているようです。

 また、MRIについても、最近では、SWIという検査法もあるようですが、ものすごく敏感な検査であり、余りにも見えすぎて逆に使えないということがあるようです。

 やっぱり、実際にMTBIの訴訟事案を取り扱わないと、実力がつかないようです。

2012年9月19日 (水)

【交通事故】 3年間毎年の事故で3級主張の33歳男子の軽度外傷性脳損傷を否認して、頚椎椎間板膨隆を認め12級を認定した 平成24年4月26日東京地裁判決

 自保ジャーナルNo1877号(9月13日号)で紹介された東京地裁の平成24年4月26日判決(合議)です。

 タクシーを運転中、被告タクシーと出会い頭衝突後に、軽度外傷性脳損傷(びまん性軸索損傷)を生じ、3級後遺障害を残したとする33歳男子につき、

 MRIについては、明らかな器質的損傷はないとされていること、

 MRテンソル画像については描出不良、FA-SPM画像についてはFA値に低下域が見られ、FDGーPETにつちえは脳糖代謝低下が見られると指摘するにとどまっており、事故から6年半も経過した後の画像であって、それまでのすべての画像では一切異常所見が認められなかったこととの関係について合理的な説明がされているとはいえない、上記報告をもって脳の器質的損傷の存在を裏付けるものということはできないこと、

 K大学病院等の神経心理的検査等の結果に対しても、同検査は被検者の主観や恣意が入りやすいことなどから、この結果から、ただちに精神障害が裏付けられるものではないこと、

 心因的な要因に基づく可能性を否定することができないこと、

 から、脳の外傷性損傷の存在を否定しました。

 原告側医師の、「画像検査において外傷所見が認められず、意識障害の存在も確認できない場合であっても、外傷による障害があるものが相当数あり、これらについては、精神障害及び身体的機能障害を総合的に診断して軽度外傷性脳損傷と判断し、自賠責保険の後遺障害認定においても脳外傷による高次脳機能障害と認定されるべきであるとの見解」に対しては、医学界において一般的に受け入れられているものとはいえず、「WHO(世界保健機関)の軽度外傷性脳損傷の診断基準に照らしても、軽度外傷性脳損傷を生じたものとは認められない。」と受け入れられていません。

 なお、原告は、低髄液圧症候群の主張もされていましたが、これも、起立性頭痛や体位による症状の変化がないこと、8回にわたるブラッドパッチ治療後も症状が顕著に改善されていないことなどから、否認されています。

 結局、1億2000万円を超える請求に対して、裁判所は、230万円程度の賠償しか認めていません。

 MTBIについては、最近、自保ジャーナルの裁判例でみることが多くなりましたが、テイズイとは異なり、田舎弁護士のところではほとんどありません。

 このようなケースでは、請求する金額に比して、認容される金額は小さいことが少なくありません。受ける前に、十分説明しておく必要がありそうです。

2012年9月18日 (火)

 ピエトロセントラーレ

 先日、福岡で、損害保険協会主催の「医療セミナー」に参加いたしました。

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 テーマは、軽度外傷性脳損傷、いわゆるMTBIで、講師は、吉本智信医師です。

 会場は、天神ビルです。天神ビルからの眺めです。

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 ちょうど午後1時からなので、ビエトロセントラーレでランチをいただきました。

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 ランチが700円程度でいただけます。

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 ドレッシングが美味しくて、3本とも試してみました。

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 夏野菜のミートソースです。

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 店内の様子です。みやげにドレッシング1本購入しました。

2012年9月17日 (月)

 懲戒弁護士

 日弁連の月刊誌である「自由と正義」9月号が届きました。

 今月号も懲戒弁護士がずらりです。

 ただ、京都の弁護士さんの懲戒(戒告)は、労働事件で敗訴した事件の控訴審の対応について、相談を受け、控訴については取り下げを指示し、被告を変えて別訴を提訴することを進めたものの、調べてみると、新たな証拠がないため勝訴の見込みがほとんどない旨告げて、辞任してしまったという事案です。

 怖いですねえ。

 5月13日に相談を受け、6月11日に辞任ですから、1か月を切っています。

 短い時間で、確定的な判断を示すと、万が一、間違っている場合にこのようなことに発展する可能性があります。

 時折ですが、他の弁護士が担当して敗訴した判決の控訴審のご相談を受けることがあります。

 大抵の場合、負けスジであることが多いため、依頼人の経済的な負担を説明して引き受けない場合がほとんどですが、判決の中にはどうして負けたのかわからないようなこともあります。

 ただ、控訴審からの受任って、ホント大変です。時間が短いですから。とはいえ、1審とは異なる視点での弁護ができないかどうかを考えるときは、大変勉強になります。

 懲戒もいろいろありますが、過失行為の場合には、私も同じような過失を行う可能性がないとはいえず、本当に緊張します。一応、弁護士賠償保険に加入していますが、お金ですむ問題ではないことも少なくなく、怖いです。

 最近、新人の弁護士さんが急増していますが、とりわけソクドクの方の場合、経験の乏しさが原因の弁護過誤も可能性としてはあるとは思いますが、弁護士賠償保険くらいはきちんと加入しているのでしょうか?

 弁護士と闘うというブログを時折拝見させていただいていますが、弁護過誤を引き起こして紹介されないよう、日々の業務及び研鑽を積んでいきたいと思います。

2012年9月16日 (日)

【金融・企業法務】 攻めのM&A戦略ガイド 日本経済新聞

 日本経済新聞から、4月に出版された「攻めのM&A戦略ガイド」という書籍です。

 著者は、弁護士、公認会計士、コンサルです。

 中小企業のための会社の売り方の著者も、本書の著者の1人であるため、重複した記載が少なからず見受けられます。

 第1部は、成功するM&Aの基本ノウハウとして、②株式と経営支配権、③株式取得による買収のノウハウ、④事業譲渡、⑤合併・会社分割、⑥デューディリジェンス、⑦企業価値の算定、⑧M&A後を勝ち抜く経営、第2部は、未上場企業のM&Aとして、⑨売却のノウハウ、⑩買収のノウハウ、⑪未上場企業M&Aのプロセス、第3部は、大企業のM&Aとして、⑫M&Aに関する法規制の要点、⑬TOB、⑭敵対的M&Aと防衛策から、構成されています。

 なお、独占禁止法による規制の中に、市場集中規制があります。即ち、公正取引委員会による企業結合審査ですが、従来の事前相談制度が廃止され、昨年の7月1日からは、届出前相談制度に変更されているので、注意が必要です。

2012年9月15日 (土)

最近、地元の景気が悪くなっているような印象を受けます

 最近、よく通っていた料理屋さんが立て続けに廃業してしまいました。

 お客さんが入らない、とりわけ、夜はさっぱりというような感じらしい。

 食のために、5000円位のお金を使うお客さんがめっきり減ってしまったということのようです。

 そういえば、法律相談料も、だいたい5000円位かかりますが、最近、一見の有料相談のお客さんは減少傾向にあります。

 かかってくる予約の電話も、無料法律相談を前提とするものが増えているみたいです。

 私の事務所は、顧問先からの事件がそれ相応にあるために、なんとか赤字にならずに経営が出来ている状態ですが、顧問先の少ない若手の法律事務所は結構厳しいのでは?と想像しています。

 顧問先は、食の世界では、常連さんということになるかもしれませんね。

 常連さんを大切にし、また、常連さんを増やす努力をしなくてはならないと思っております。

 スタッフ一同、「まいどおおきに!」の精神で頑張っていきたいと思っております。

 

2012年9月14日 (金)

【金融・企業法務】 中小企業のあめの会社の売り方 (日本経済新聞)

 今年の5月に出版された「中小企業のための会社の売り方」という題名の書籍です。

 著者は、住友銀行OBです。

 12章にわかれています。①中小企業の現状と事業の承継、継続、②売却のためのノウハウ、③買い手(承継先)の見つけ方、④会社内部での売却、⑤相談相手と秘密保持、⑥中小企業M&Aの手順、⑦株式の売却と手取額、⑧事業を売却する、⑨営業権の考え方、⑩事業の評価、⑪M&Aの体系と事業提携の活用、⑫M&A契約のひな形と実例に分かれています。

 日々の業務の中で、例えば、相続絡みや同族会社の内部紛争絡みで、株式譲渡契約書等の作成を行うことがありますが、これって、立派なM&Aの1つです。ただ、複雑な事案は少ないことから、当事者だけの言い分をきいて、或いは、会社の顧問税理士さんのアドバイスを受けつつ、比較的簡単に作成することがあります。

 本書は、中小企業のM&Aの手順についての解説をされています。

□ 評価・方針検討段階

(1)事前相談

① アドバイザーを選ぶ

② 初期のヒアリング

(2)必要書類の提供

① 必要書類の範囲

② 会社や事業価値の概算

③ 資料に基づく会社や事業内容の精査と検証

④ 事業概要と補足説明の作成

⑤ 基本条件を決める

⑥ スケジュール表の作成

□ 売却先の探索・調査段階

(3)売却の打診

(4)必要書類を提供、買い手候補が内容を検証、調査、分析

(5)基本的な買収条件を提示

□ 基本合意書段階

(6)双方が基本的な条件を合意

① 基本合意書ないしは覚書の締結

② スケジュール表の作成

(7)買収調査の実施

□ 正式契約段階

(8)売買価額の決定

(9)最終条件の調整と決定

① 継承事項

② 役員の処遇

③ 売り手オーナー経営者の個人保証の解除

④ 法定の届出

(10)クロージング

① 正式契約の案を作成

② 契約日と必要書類の準備

③ 必要書類

(11)本契約の調印

 大ざっぱに項目を拾うと以上のとおりです。

 

2012年9月13日 (木)

【金融・企業法務】 金融債権者から働きかける法的整理の実務 

 銀行法務21の9月号増刊号(No794)です。

 「金融債権者から働きかける法的整理の実務」というタイトルの書籍です。

 西村あさひ法律事務所の弁護士によるものです。斜め読み程度ですが、基礎編としては、①法的整理に関する情報収集と情報発信・不服申立て、②個別的権利行使の禁止と倒産手続参加、③担保権者としての権利行使、④権利行使に対する事後的制約としての相殺禁止や偏頗行為否認、応用編としては、①債権者による法的整理の申立て・管理型への移行、②債権者による再生・更生計画案の提出、③再生・更生計画認可後の諸問題、④手続外における履行請求や責任追及、番外編として、私的整理における対象債権者と主要債権者の実務、から成っています。

 金融機関の顧問といっても、田舎では、法的整理については、金融債権者からの視点で物事を考えることは少なく、どうしても、申立人代理人の視点、管財人等の視点で考えることが多いです。

 余り考えたことのない視点での書籍なので、参考になりました。

 

2012年9月12日 (水)

【金融・企業法務】 新規開拓の融資先について担保不動産の交渉をしているが、抵当権の本登記には応じてもらえない。次善の対応としてどのような方法があり、それぞれ留意する点はなにか?

 銀行法務21・9月号で紹介された融資法務Q&Aです。

 地方の企業では余りみかけませんが、経営状態が良い会社からはまれに質問にあるような要求を受けることがあるようです。

 本登記が望ましいのはいうまでもありません。

 しかしながら、債権保全面でのリスクは認識の上、登記留保で対応されることもあるようです。 

 ①仮登記(本登記必要書類預かりあり・なし)、②登記留保(登記必要書類預かりあり・なし)の4種類があります。

 まず、仮登記と登記留保とでは、債務者兼抵当権設定者が法的整理になった場合に大きな差が生じます。登記留保の場合は、支払いの停止後に(支払停止を知って)登記をしようとしても抵当権設定契約日から15日以上経過している場合は否認されますが、仮登記があれば、この仮登記を本登記にすることについては15日以上経過していても問題がありません。

 本登記に必要な書類の預かりですが、A所有権の登記識別情報、B登記委任状、C印鑑証明書、D債権者が債権保全上必要と判断したときにはこれらのものを使って本登記することができる旨の念書を取り付けます。

 念書には、Aの登記識別情報については失効させないこと、B代表者変更があった場合には差し替えること、C3か月毎に更新することについて記載がされます。

 預かりなしの場合には、当面は登記を留保するものとするが、債権者が債権保全上必要と判断したときには登記に協力する旨の念書を受理します。

 なお、前記の4つの類型以外にも、担保留保、つまり、登記のみでなく、担保権設定契約自体を留保し、担保のために債務者が目的物件を留保しておくというものです。この担保留保は、登記留保よりも、さらに債権保全のレベルは後退することになります。無担保との違いは、債権者から請求があれば担保権を設定するという念書を債務者から受領するということです。

 いろいろあるんですねえ~

2012年9月11日 (火)

【金融・企業法務】 不動産に対する商事留置権の成立の成否 

 銀行法務21(9月号)(No748号)で紹介された論文の中に、不動産に対する商事留置権の成立の成否が言及されたものがありました。

 事案は、以下のとおりです。

 X銀行は、平成19年12月、訴外A社の土地に、極度額約3億5000万円の根抵当権を設定しました。M建設は、平成20年8月、Aから本件建物の建築工事を約3億6000万円で請け負い、平成21年に完成させました。M建設は、その後、本件建物の所有権を代物弁済により確定的に取得しました。

 X銀行は、根抵当権の実行として本件土地建物の一括競売を申立てましたが、執行裁判所は、商事留置権が成立することを理由に本件競売申立てを却下しました。

 X銀行は、これを不服として、抗告しました。

 大阪高裁平成23年6月7日決定は、商事留置権の成立及びその効果について次のように判示して、本件競売の申立てを認めました。

 商事留置権の成立については、M建設が、所有者との間の請負契約に基づき、材料を提供して本件建物を完成させ、その所有権を原始取得し、請負代金を、着工時に約3600万円、竣工引渡時に残額を支払うことになっていたことから、本件建物完成時に、M建設が、本件建物の所有権を取得するとともに、本件建物の敷地の占有を取得し、同時に被担保債権の期限が到来したことを理由に、本件土地についてM建設の商事留置権の成立を認めました。

 また、商事留置権の効力について、裁判所は、抵当権設定登記後に成立した不動産に対する商事留置権を、民事執行法59条4項の使用及び収益をしない旨の定めのない質権と同様に取り扱い、同条2項の対抗することができない不動産に係る権利の取得に当たるものして、抵当権者に対抗できないとしました。

 結論として、建築業者にとって酷な結果となっています。

 建築業者の債権保全策といっても、先取特権も要件が厳格であることに鑑みると、難しいようです。

 

 

2012年9月 9日 (日)

【金融・企業法務】 シ・ローンの貸出残高が59兆円をこえる!

 シンジケート・ローンの6月末時点での貸出残高が59兆円を超えているということが、銀行法務21・9月号で紹介されていました。シローンは、田舎弁護士には縁遠い分野と思っていましたが、最近では、地域金融機関がアレンジャーを努めるケースもあるようですので、「田舎弁護士じゃけん。何もしらん」とは言ってはいけないようになっています。

 そもそもシ・ローンは、1人の貸付人が単独で1人の借入人に貸付を行う相対貸付とは異なり、アレンジャーが招聘した複数の貸付人が1つのローン契約に基づき借入人に貸付を行うものです。

 そのため、貸付人を団体的に扱う規定や、貸付人間の公平な権利行使に関する規定を契約の中に設定しています。

 プロラタ返済にかかる規定、プロラタ相殺に係る規定、許容担保権、借入人の誓約事項等です。中身は読めばわかるのですが、でも、プロラタってなんやろ? 解説記事には説明ないから、基本的な用語なんだろうか?

 なお、例によって、シ・ローンにおけるアレンジャーの情報提供義務が論点になった名古屋高裁判決が取り上げられていました。名古屋高裁判決は、参加金融機関は、アレンジャーにインフォメーションメモランダム等に記載された事項について質問することができるが、借入人に対して直接質問することはできないという事実認定を前提にしていますが、金融実務家からは、実務慣行の理解に疑問を唱えられているようですが、いずれにしても、被招聘金融機関は、プロフェショナルとして、主体的かつ独自的に与信審査を行うべきであると指摘されています。

 現実の、シ・ローンン契約書って、田舎弁護士は見たことがありませんが、そのうち、頻繁に見るようになるのだろうか? 

【保険金】 被保険者が自動車運転中に公園内の池に転落して死亡した場合、心筋梗塞を起こし、意識障害等により運転を誤り池に転落したとして、保険金の請求が認められなかった事例 名古屋地裁平成24年4月25日判決

 判例時報No2156号(9月21日号)で紹介された名古屋地裁平成24年4月25日判決です。

 亡くなったAの死体検案書には、死亡の直接原因として、「溺死(溺水による窒息)」と記載されていたようです。

 そうすると、単純な田舎弁護士は、「これって、急激かつ偶然な外来の事故じゃん」と思ってしまいした。

 ところが、裁判所は、「急激かつ偶然な外来の事故」を否定しました。判旨の概要は以下のとおりです。

①Aの死体検案書は、死亡の直接原因は、「溺死(溺水による窒息)」となっているが、附記として心臓発作の記載がみられ、右検案書及び作成した医師の供述によっても気管内に水があったとか、白色微細泡沫があったとは認めがたい

②Aの事故態様は、駐車場を出て、そのまま直進し、縁石を乗り越え、つばさ池に転落したものと推認される

③Aには糖尿病の既往症があり、また、検視の際の心臓血トロポリン検査では陽性を示している、などとし、Aが心筋梗塞を起こし、意識障害等により運転を誤り、つばさ池に転落したものと考えるのが合理的であると判断し、

 本件事故は急激かつ偶然な外来の事故に該当するというのには疑問が残るとして、請求を棄却しました。

 死体検案書の記載だけに着目してしますと、間違ったアドバイスをしてしまいそうです。

 ただ、解剖や死因の鑑定もなされていない事案であり、結構微妙な事案ではないかと思われます。

2012年9月 8日 (土)

【金融・企業法務】 第165回金融法務例会(大阪銀行協会)

 金融財政事情研究会主催の、第165回金融法務研究会に参加してきました。テーマは、金融取引と家事事件です。

 講師は裁判官の方でした。

 前半は、家事事件の一般的な説明、家事事件手続法の概略でした。

 後半は、事件類型と金融取引の関わりというテーマで、遺産分割事件、遺言書検認、遺言無効確認訴訟、不在者・相続財産管理事件、夫婦関係事件、婚姻費用・養育費、後見等についての説明がありました。

 その中で、特に強い興味を抱いたのは、2つです。

 まず、遺留分減殺に基づく預金払戻請求ですが、抽象的な遺留分割合にての払戻ができるのか?ということです。

 わたしなんて単純ですから、できると思っていましたが、講師によれば、「まだ未解決の、すなわち、最高裁の判決によって、取扱いが統一されていない事案である」と説明されています。遺留分の具体的な割合を決めるためには様々な事情を考慮する必要があることが問題の所在のようです。

 次に、預金支払請求事件と遅延損害金という問題です。これについては、「まだ、裁判上の取扱いの確定していない問題と考えられる。」、「考えられる対応策は、以下の2つ。」、「支払義務が裁判上確定するまで、あるいは、ある一定の時期までは、預金の払戻義務は遅滞に陥らないという法律論を考える。」、「権利者に争いのある部分を、債権者不確知によって供託することにより、支払義務を免れる。」と説明されています。

 それと、最近、多発している後見人の横領ですが、広島高裁で国にも賠償が命じられた事例の紹介がありました。どうやら、知的障害者の方を後見人に任命し、しかも、裁判所がそれがわかってから7か月もの間、対策を講じていなかったことが問題視されたようです。なお、裁判所は、金融機関に対して、後見人管理口座の凍結をとることが可能なようです。

 実務的な話しが多く、大変勉強になりました。

2012年9月 6日 (木)

【交通事故】 債務不存在確認請求訴訟 東京高裁平成23年8月4日判決

 交通事故民事裁判判例集第44巻第4号(ぎょうせい)で紹介された東京高裁平成23年8月4日判決です。

 債務不存在確認請求の確認の利益やその不法行為性が問題となった事案です。

 判旨は以下のとおりです。

① 加害車両につき自動車損害賠償責任保険契約を締結していた保険会社(被控訴人)が、被害者(控訴人)に対して自賠法16条1項に基づく損害賠償額支払債務がないことの確認を求めた訴えにつき、

 債務不存在確認訴訟は、訴訟物と当該債権(原告からいえば債務)の存否を既判力をもって確定することにより、紛争の抜本的解決を図るための法制度であり、

 当該訴訟に確認の利益があるというためには、被告が当該債権(原告からいえば債務)があると主張していることが必要であり、当該債権の要件事実の1つに争いがあるというだけでは確認の利益があるということはできないとしたうえ、

 本件において、被告とされた控訴人は、被控訴人に対する当該債権があるとは主張していないとして、被控訴人請求の債務不存在確認の訴えは、確認の利益を欠くとした事例

② 民事訴訟の提起、遂行が相手方に対する違法な行為となるのは、当該訴訟において権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものであるうえ、提訴者がそのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起し、これを遂行したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるとしたうえで、

 本件において、被控訴人が自賠責保険の後遺障害の認定基準を開示したのは控訴人からの指摘を受けた後であるが、このことが本件訴訟の進行を阻害したことは認められず、

 被控訴人が控訴人主張の後遺障害と本件事故の因果関係を否認したことが、事実的、法律的基礎を欠き、裁判制度の趣旨、目的に照らして著しく相当性を欠くものであったということはできないから、被控訴人が控訴人に対し、債務不存在確認の訴えを提起し、これを遂行したことが、不法行為に該当すると認めることはできないとした事例

 後遺障害の事前認定において、7回異議申立てた後、処理機構に調停申立てをされた方のようです。

 

2012年9月 5日 (水)

9月24日は、今治商工会議所で、無料法律相談を承ります!

 9月24日午後1時30分から、私は、今治商工会議所3階研修室にて、経営相談を承ります。

 基本的には、予約制のようなので、無料法律相談を希望される方は、直接、今治商工会議所にお電話をされて、ご予約下さい。

 この日は、金融・税務・経理・労働・経営・特許発明・その他各種の相談を受ける特別相談日となっております。

 事業者からのご相談の場合、当事務所では、45分までで1万0500円(内税)ですので、是非、この特別相談日をご利用下さい。とにかく、無料ですから。happy01

 

2012年9月 4日 (火)

現新65期修習生採用んついてのお願い

 日弁連や愛媛弁護士会から、現在の司法修習生の就職について、協力を要請する内容のFAXが届きました。この種の内容のお願いは最近増えています。

 昨年度は、司法修習終了時に400名が弁護士になれていなかったようですが、今年度もほぼ同程度で推移しているという報告でした。

 「事務所の事件毎に歩合を支払い、給与なし」、「完全独立採算」などどんな形態の採用でもいいので、採用を考えている事務所は、連絡が欲しいという内容でした。

 昔のようにきっちり2年指導があった時代の司法修習生であればともかく、今のように大量合格し、しかも、1年しか指導のない時代の司法修習生に、安心して事件を任せられることができるはずありません。

 うちの事務所の成績優秀な弁護士(^_^;)でも、1年間はきっちりした指導が必要でした(次第に力がつき、最近では、逆に教えて貰うことが増えています。)。

 司法試験合格者2000人を維持して、今年も終了時に400名が弁護士登録できないというのであれば、司法修習生だからといって、当然に弁護士になって生活するという時代は、残念なことですが、過去のものになっているのではないでしょうか?

 この際に、公務員試験や民間企業への就職も勧めてあげたらどうでしょうか?

 私の事務所のようなマチ弁は、売上の相当多くを占めていた過払いの依頼は激減しているところが多いはずです(法テラスか無料の事務所にいっているんでしょうね)。

 田舎弁護士の地域では、おそらく1つの法律事務所に弁護士3名というのは、その売上から考えると、採算割れするのではないかと思われます。また、小さな事務所だからこそ、成績優秀で、相性もあう弁護士でなければ、毎日が喧嘩ばかりで大変なことになります(なかには、ネット等で書き込むような方もおられますので、注意が必要です。)。

 「完全独立採算」等で給与の負担がないとしても、新人弁護士が採用できるはずがありません。それ相応の報酬を新人弁護士に支払い、きっちりとした指導をしなければ、お客様が迷惑を受けるばかりです。

 もう、うちのようなマチ弁では、新人弁護士を吸収するのは無理といわざるを得ません。

 他方で、今や、消費者の方が弁護士を選択できる時代です。

 厳しい競争にさらされて、身銭を切ってまで新人弁護士を雇用し、指導する時間はありません。

 私の事務所も、地域の中小企業から選んでいただけるようさらに弁護士のみならずスタッフを含めて研鑽を積んでいく必要があります。

 私自身も、企業法務、金融法務、交通事故、建築にもっと力を言えて、勉強する必要があります。相棒の市川弁護士は、消費者問題、知的財産、自治体法務、金融法務に力を入れて勉強しています。また、相続、離婚等の家族問題については、共通の関心事です。二人あわせて、三人くらいの力が出せたらいいなあと思っています。

 

2012年9月 3日 (月)

【保険金】 自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲 最高裁平成24年5月29日判決

 判例タイムズNo1374号(9月1日号)で紹介された平成24年5月29日最高裁第三小法廷判決です。

 保険会社は保険金請求権者の権利を害さない範囲内に限り保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する旨の定めがある自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において、

 上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は、上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は、

 上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が民法上認められるべき過失相殺前の損害額を上回るときに限り、

 その上回る部分に相当する額の範囲で保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する

 事案は、亡春男(過失35%)と甲野(過失65%)との交通事故が原因で、春男が死亡し、春男の相続人が人傷社に対して、人身傷害保険金を請求し受領したので、人傷社が原告となって、加害者に対して、求償したというケースです。

 ところが、高裁は、人傷社が代位取得した春男の相続人らの加害者に対する損害賠償請求権の範囲につき、春男に係る人傷基準損害額に35%の過失相殺をした金員から、既払金等を控除した約270万円の限度で認めました。

 これに対して、加害者側は、裁判基準の損害額で計算すべきだとして(「裁判基準損害額は、人傷基準損害額よりも多額であるのが通例であり、その場合には、人傷社が代位取得する上記損害賠償請求権の範囲は、原審の損害額よりも少額となる」)、上告受理したという事案です。

 田原裁判官の「同一の約款の下で、保険金の支払と加害者からの損害賠償金の支払との先後によって、被害者が受領できる金額が異なることは決して好ましいことではない」と意見が参考になります。

 

2012年9月 2日 (日)

【法律その他】 第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合における当該建物の明渡請求と併合されている他の請求の当否等についての控訴審の判断

 判例タイムズNo1374号(9月1日号)で紹介された最高裁平成24年4月6日判決です。

 判決要旨は以下のとおりです。

 第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合には、控訴審は、当該建物の明渡請求と併合されている賃料相当損害金等の支払請求の当否や同請求に対する抗弁において主張されている敷金返還請求権の存否についても、当該明渡しの事実を考慮することなく、判断すべきである

 それじゃ、義務者の権利を害するのでは?と単純に考えてしまいそうですが、最高裁は、「上記の給付がされた事実を控訴審が考慮しなかった結果第1審判決が確定したとしても、上記の給付がされたことにより生じた実体法上の効果は、仮執行宣言が効力を失わないことを条件とするものであり、当該確定判決に基づく強制執行の手続において考慮されるべきことであるから、上記の給付をした者の権利が害されるとはいえない。」と判断しています。

 よく考えると当たり前の結論ですが、錯覚してしまいそうです。

2012年9月 1日 (土)

弁護士と元依頼人とのトラブル

 判例タイムズNo1374号(9月1日号)で紹介された東京地裁平成24年1月30日付け判決です。

 原告X(元依頼人)から、被告Y(弁護士)に対して、預り金(500万円)の返還と、名誉毀損等を理由とする損害賠償(220万円)が請求されたという事案です。 

 このタイトル記事を見るだけでは、最近増えている、弁護士の方に大きな問題のある事案かなあと思っていましたが、判決文を読むと必ずしもそのような事案ではないようです。

 経緯は以下のとおりです。

 XとXの妻との間の離婚案件を、Yが受任しました。これ自体は、着手金30万円程度、成功報酬金50万円の支払いを受けて終わっています。その際の合意書には、Xの妻の連帯保証人を今後5年をかけて解消する旨が記載されています。

 Xの妻が、Xの連帯保証人になっていたことから、YはXの代理人として、Xの債権者である金融機関と交渉を開始しました。ただし、うまくいかなかったようです。

 その後、Xは、Yに対して債務整理を依頼し、100万円を預けました。

 Xの妻との約束が履行できないため、Xは、Yに対する報酬支払いとXの妻に対する解決金の支払いを相談しました。

 その結果、Xは、400万円をYに、うち200万円はXの妻への詫び料、うち200万円はYの弁護士報酬の支払いのために、預けました。これに従って、Yは、Xの妻側に200万円支払いました(YはXに対して領収書の写しを送って説明しています。)。

 Xは、別の債権者から訴訟を起こされ、第1審で敗訴、第2審で和解を成立させました。

 ところが、XがYに対して、500万円の返還を求めました。

 これに対して、Yは、①200万円はXの妻への支払いに充てていること、②100万円はYに対するXの妻への示談交渉のための弁護士費用、③残りの200万円は債務整理費用及び弁護士費用等に充てるために預金したとの回答をしました。

 Xは、この回答に対して、弁護士費用は50万にして欲しいと言われたものの、Yは、①Xの妻との示談交渉については、弁護士費用として100万円は了承してもらっていたと思っていたが、大阪出張までしたこともあったので、70万円ではどうか、②別債権者の訴訟については、地裁高裁あわせて手数だけはかかってしまったので、23万円程度でどうか、③金融機関との交渉相談は50万円でどうか、④意見があれば知らせて欲しいという回答をしております。

 Yとすれば、500万円のうち、△200万円+△70万円+△23万円+△50万円=△343万円、即ち、157万円を返金するということだったようですが、Xは納得がいかないということで、提訴しました。

 裁判所は、Yの適正な報酬得額を100万円程度と考えて、Xの妻に支払った200万円を控除して、200万円の返還をYに対して求めました。

 これを読んでまずなんで裁判になったのかな?と思いました。紛議調停の申立てをすれば解決していたのではないかと思われます。結果的には、弁護士費用の一部について否認されているものの、交渉経緯に照らす限り、Yは大きく問題のあるようなことはしていないように思われます。

 ただ、Yとすれば、自認する157万円を先に返金しておけばよかったのかなと思います。

 なお、抵当債務額が評価額を上回る不動産の任意売却による債務整理の委任を受けた弁護士の報酬について、不動産価格の1割を任意売却による経済的利益とみて、その着手金相当額に基づき、委任契約が解除された場合の相当額の報酬を算定しました。アパートの評価額が8000万円であれば、経済的利益を800万円として、弁護士報酬規程に基づく割合を乗じて、50万円と認定しています。

 参考になりそうですね。

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