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2012年1月29日 (日)

【知的財産権】 最近少しずつ増えているのかなあ 知財の相談

 最近、知財絡みの相談が微増しているような気がします。とはいっても、受任につながりそうな相談はなかなかなさそうですが・・・

 先日、日本弁理士会四国支部の研修に参加した際に、全くの白紙で望むのもどうかと思って、2冊くらいの本を眺め読みしました。

 1冊目は、「実践知財ビジネス法務」といって弁護士知財ネットが編集されている書籍です。

 もう1冊目は、有斐閣アルマ知的財産法(第5版)です。

 そして、岡口さんの要件事実マニュアル(第3版)を横において、読み進めました。

 斜め読み状態ですが、数年前の日弁連法務財団が主催した知財研修の時の記憶が少しずつよみがえりました。

 「均等論」については昔の研修の際には???ですが、今では、入口の理解はなんとかというレベルには達したような感じです(とはいえ実務的にはまだまだ使えるレベルではありませんが)。

 ちなみに、均等論とは以下のとおりに説明されるのが一般的です。

 被告製品等がクレームの文言上は原告の特許権を侵害していなくとも、次の①~⑤の要件をみたす場合、被告製品等は原告の発明と均等であるとして、特許権の侵害が認められることがあります。

 すなわち、クレームに記載された構成に被告製品等と異なる部分があっても、

① その部分が特許発明の本質的部分ではないこと

② その部分を被告製品等におけるものと置き換えても特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するものであること(置換可能性)

③ 上記のように置き換えることに、当業者が、被告製品等の製造の時点において容易に想到することができたこと(置換容易性)

④ 被告製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから出願時に容易に推考できたものではないこと

⑤被告製品等が特許発明の特許出願手続においてクレームから意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もないこと

の5要件を充足する場合には、被告製品等は当該特許発明の技術的範囲に属するというものです。

 均等論については実践知財ビジネス法務で詳説されており、理解するのに大変参考になりました。

 せっかく、弁護士知財ネットに加入しているのだから少しは頑張らんといかんなあと思っています・・・・

 いつも高松のT先生には迷惑をおかけしております。

2012年1月28日 (土)

日本弁理士会四国支部主催四国支部会員研修会 

 昨日は、松山家庭裁判所(松山)で行われた少年事件の付添人として審判に参加いたしました。

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 私の事務所では、「少年事件の付添人」もご依頼があれば積極的にお引き受けさせていただいております。ご相談下さい。

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 その後、日本弁理士会四国支部主催の、四国支部会員研修会に、参加させていただきました。

 場所は、松山市総合コミュニティセンターです。 

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 テーマは、「特許侵害訴訟のケーススタディ」です。

 原告・特許権者側が最初に弁護士に相談にいくところから、被告側の弁護士との面談、その後の訴訟、無効審判の各手続を簡単なシナリオに基づいて再現し、さらに、各場面についてどのような手続がなされているのか、どのような観点からどのような注意が必要なのかについて解説を加えていただきました。

 知財ネットに加入されている松山の弁護士の先生から声をかけていただき、参加することになりました。

 弁理士の先生が10名程おられましたが、弁護士は、私の他、市川聡毅弁護士の2名だけでした。

 知財における仮処分と本案関係、技術説明会の内容、知財事件における裁判所の考え方や和解の勧め方、米国のディスカバリー制度等、知財を豊富に取り扱っている弁護士ならではのお話をうかがうことになりました。

 これまでの知財の講義の中では、最高に理解することができた講義です。

 ひょっとして、特許訴訟、取り扱えるのでは!?と、錯覚してしまいました。

  ありがとうございました!

 

2012年1月27日 (金)

昨日は、今治商工会議所で、一日経営相談の相談員を担当しました!

 昨日は、今治商工会議所で、一日経営相談の法律相談員を担当させていただきました。

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 今回で、3回目の担当になります。今治商工会議所が主宰されているので、やはり商工業者の方が多かったです。

 そして、弁理士さんや発明協会の方のブースは、満員御礼で、私の相談も知財絡みの相談で、さすが今治は四国の地の殿堂だなと思いました。

 相談終了後、商工会議所の事務所の掲示板をみていたら、今治のゆるキャラのバリィさんが撮影されているポスターがありました。

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 なんと2月11日~12日にかけて、ゆるキャラが大集合するようです。頑張れ いまばり!

2012年1月26日 (木)

【交通事故】  弁護士費用と弁護士費用特約

 相変わらず、交通事故のご相談は、多いです。

 私の事務所では、加害者側(損保会社側)と、被害者側の両方の事案を、積極的に取り扱っています。

 被害者側の事案だと、最近、弁護士費用特約を利用されることが増えています。

 ドライバーの方は、ほとんどの方が任意保険に加入されています。

 しかし、任意保険はドライバーの方が加害者になった場合に備える保険です。

 ドライバーの方が被害者になった場合には、任意保険は使えません。

 もっとも、加害者に任意保険がついている場合には、補償が受けられるので、心配がないように思われますが、加害者側の保険会社の損害についての計算書の内容が適切であるか否かの判断は難しいところです。

 交通事故の専門家である弁護士に相談や依頼しなければ判断ができないことも多いと思います。

 但し、第三者に相談や依頼ということになりますと、費用の負担が気になるところです。

 不幸なことに被害者になった場合に備えて、弁護士費用特約に加入しておれば、法律相談料として10万円・弁護士費用等として300万円(通常の場合)の範囲内で、被害者側の損害保険会社が負担してくれます!

 以前自費で相談に来られた方に保険の内容を再度確かめるようアドバイスさせていただいたら、弁護士費用特約が付保されていることがわかったことがあります。

 交通事故のご相談の際には、弁護士費用特約を付保されているのか?いないのか?を、保険代理店等に確認してみて下さい。

 私の事務所でも、被害者側の事案を取り扱っておりますので、お気軽にご相談下さい。 happy01 

2012年1月25日 (水)

【労働・労災】 船舶の建造・修繕会社の作業所において船舶の修繕作業に従事していた下請会社の作業員が中皮腫に罹患して死亡したことにつき、建造・修繕会社の安全配慮義務違反が認められた事例 大阪地裁平成23年9月16日判決

 判例時報の2132号(1月21日号)で紹介された大阪地裁平成23年9月16日判決です。

 判決の要旨は以下のとおりです。

 (1) Aは、本件製造所内において、健康被害を惹起するのに十分な石綿にばく露しており、これが原因で中皮腫に罹患し、その結果、死亡した

 (2)使用者は、支配下にある労働者に対し、その生命及び健康等を危険から保護するよう配慮する義務を信義則上負っており、このことは、元請会社が下請会社の労働者に対して実質的に支配を及ぼしている場合にも変わらないところ、Yは、実質的に使用者に近い支配を及ぼしていたAに対して、

 ① 粉じん作業によって生じた粉じんの飛散を十分に防止しなかった点

 ② 防じんマスクを支給せず、又はその着用を徹底せず、防護衣等を支給しなかった点

 ③ 必要な安全教育をしなかった点

 において、作業員が石綿粉じんを吸引しないようにするための措置を怠っていたとして、YのAに対する安全配慮義務違反に基づく責任を認めました。

 安全配慮義務についてのご相談は時折あります。また、裁判に至るケースもあります。勉強する必要のある分野の1つです。

2012年1月24日 (火)

【金融・企業法務】 簡易生命保険契約の保険金受取人が無断で保険金等の支払を受けた者に対して不法行為に基づく損害賠償を請求する場合において上記の者が損害の発生を否認して請求を争うことが信義誠実の原則に反し許されないとされた事例 最高裁平成23年2月18日判決

 久しぶりの更新です。

 金融法務事情No1938号(1月25日号)で紹介された最高裁平成23年2月18日判例です。

 なお、NO1938号は、反社対応についての特集記事がくまれています。

 判決要旨を紹介いたします。

 簡易生命保険契約の保険金受取人であるXが、無断で保険金等の支払を受けたY1およびY2に対して不法行為に基づく損害賠償を請求する場合において、

 次の①、②などの判示の事情のもとでは、上記支払が有効な弁済とはならず、Xが依然として上記保険金等の支払請求権を有しているとしても、Y1およびY2がXに損害が発生したことを否認してXの損害賠償請求を争うことは、信義誠実の原則に反し許されない。

 ① Y1およびY2は、郵便局員から上記保険金等の支払請求権がXに帰属する旨の説明を受けていながら、Xに無断で、X名義の支払請求書兼受取証を作成するなどして、支払請求手続を執った

 ② Y1およびY2が上記保険金等の支払を受けた後、Xは、日本郵政公社に上記保険金等の支払を請求したが、拒絶された

 日本郵政公社に請求できるのだから損害ないだろうというのが、自然な発想であり、現に高裁は損害の発生を否定していますが、よくよく考えると、不法行為を行った人達を免責するのはしっくりとはいきません・・・

 なお、似たような事案で、最高裁平成16年10月26日判決も以下のとおりの判断をしています。

 何らの受領権限もないのに金融機関から預金債権について払戻しを受けた者に対し、債権者が不当利得返還請求をしたという事案において、

 ①弁済受領者は自ら受領権限があるものとして払戻しを受けておきながら、訴訟においては一転して、金融機関に過失があるから上記払戻しは無効であるなどと主張するに至ったこと、

 ②仮に弁済受領者が弁済の有効性を争って上記請求の棄却を求めることができるとすると、債権者は金融機関が善意無過失であったか否かの判断をした上で訴訟の相手方を選択しなければならないという負担を受忍せざるを得なくなることからすると、

 弁済受領者が債権の不消滅を主張して債権者からの請求を争うことは信義則に反し許されないとの事例的判断をしました。

 これは以前ブログでとりあげたと思います。

 整理するまでには至りませんが、同種事案の相談はあってもおかしくないと思いますので、勉強したいと思います。

  

2012年1月18日 (水)

田舎弁護士 徳島に現れる!

 今日は、ある裁判のために、徳島の裁判所に出かけてきました。

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 徳島の裁判所には、過去何度か訪ねたことがありますが、最近はご無沙汰しているため、建物の内部で道に迷ってしまいました。

 裁判所内部は、迷路のように入り組んだ建物です。

 昼時に到達したため、裁判所前のレストランで簡単な食事をとりました。

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 手軽な感じです。丼ものをいただきました。

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 裁判所では久しぶりに司法修習同期の弁護士と偶然再会するなど小さなサプライズもありました。

 裁判終了後は、フジグラン北島店を訪ねました。

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 2年ほど前に一度訪ねたことがありますので、2回目の訪問です。

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 売り場面積が大きくて、とても清潔な印象を受けました。

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 何故か鬼の大きな風船が吊られていました。 あっ 節分か!

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 ハーゲンダッツで、シェイクをいただきました。

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 微妙な味でした・・・・ 普通のアイスクリームにしておけばよかった。連れは、ショップ限定のマンゴアイスだったようです。

 そういえば、もうすぐバレンタインですねえ・・・

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 今年、(義理)チョコいくつ貰えるのかな・・・

 北島店で買い物したら、2000円分のポイント券が出てきました。ラッキー!

 最近、ブログの更新が遅れていますが、正月ぼけで寝ているわけではありません。  

2012年1月15日 (日)

【交通事故】 自転車の非接触事故はY車の速度・走行位置等から結果が一般的に認められるかで20㎞メートルで間隔1メートル以上側方通過のY車の過失を否認した さいたま地裁平成23年6月29日判決

 自保ジャーナルNo1861号(1月12日号)で紹介されたさいたま地裁平成23年6月29日判決です。

 判決の要旨は以下のとおりです。

① 5メートル程度の道路の「左端から0.8メートル程度」を自転車で走行中の68歳女子がY運転の被告タクシー通過後に転倒受傷した事案につき、「原告自転車の転倒が、被告車両の運行により生じたというためには、被告車両の運行が、その態様(速度・走行位置等)からみて、自転車の転倒という結果を生じさせると一般に認められるようなものであることが必要であると解するべきである」と判示しました。

②原告を認めていたYが「道路の右側に車を寄せ」、「被告車両が時速20㎞で走行していたこと、普通自動車であることを考え併せると、1メートル以上の側方間隔を取った側方通過は、特段危険とはいえない。」、「原告自転車の転倒が被告車両の運行により生じたとは認められない」と認定して、原告の請求を棄却しました。

 道路の左側を通行している自転車は運転していてよくみかけますが、私なんか気になって気になってしかたがありません。

 

2012年1月10日 (火)

【倒産】 旅館・ホテル再生の法と実務

 銀行法務21・No739(1月号)です。

 「旅館・ホテル再生の法と実務」という特集記事が掲載されていました。

 長野県にある2つの旅館・ホテルの再生が、好対照に書かれていました。

 1つは、民事再生手続の申立てにより、危機を脱し、他の1つは、「悪しきコンサルタントの甘言」にのって会社分割という手法をとったことにより、結局、債権者からの会社更生手続開始の申立てがなされたという事案が紹介されていました。

 後者の事案は、メイン銀行はプレパッケージ型の民事再生手続の申立てを勧めていたようですが、会社分割により経営権を維持しながら事業を継続する手法を採用しました。

 しかし、これが結局債権者を刺激して、会社更生手続開始の申立てがなされ、分割会社及び新設会社に対して同時に保全管理命令を出して、一挙抜本的に解決されたようです。

 濫用的会社分割については、ここ数年来議論がさかんですが、コンサルは、自分の手がける案件では金融機関への返済を行うから詐害行為には該当しないと説明して、濫用的会社分割による事業の再生と経営権の維持を促したようです。

 実質的にはこれと似たようなケースに遭遇したこともありますが、あるべき姿に戻すためには、多大な労力を費やすことになります。コンプライアンスに従った再建が必要だと思いました。

2012年1月 9日 (月)

【消費者法】 インターネットを利用した様式の売買委託における信用取引口座設定契約締結に際しての適合性原則違反および説明義務違反の成否 大阪高裁平成23年9月8日判決

 金融法務事情No1937号(1月10日号)の判決速報で紹介された裁判例(大阪高裁平成23年9月8日判決)です。

 第1審では、消費者を勝たせましたが、第2審では、証券会社を勝たせました。

 判決要旨は以下のとおりです。

 ① 適合性の原則は、自己責任原則の妥当する自由競争市場での取引耐性のない者を、勧誘によって市場に参加させることのないように、業者に対し、そのような行為を禁ずるものであるから、顧客に対する勧誘の有無は、適合性原則違反による不法行為の成否の判断にあたってはきわめて重要な要素である。

② インターネットを経由した株式売買委託取引には安価な手数料を広告することによって顧客が誘引されるという側面があったとしても、およそ取引を行う意思もなかった者に対して、それを行うようにする勧誘とは次元が全く異なる。

③ 顧客に対するリスク説明として、顧客が自由に閲覧することができるリスク説明の書面を交付(電子交付)した上で、これについて理解したかどうかを書面ないしウェヴ上の入力で確認する手法には合理性がある。

 インターネットを経由した取引の場合には、適合性違反による不法行為は、実際上、この裁判例に従うのであれば、難しいようです。

 ただ、インターネットの場合、よく見ることなく、理解したというチェックを入れる欄にチェックを入れてしまうのは、私だけだろうか???

 

2012年1月 8日 (日)

【金融・企業法務】 会社から取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する銀行は、同会社の再生手続開始後の取立に係る取立金を、法定の手続によらず同会社の債務の弁済に充当し得る旨を定める銀行取引約定に基づき、同会社の債務の弁済に充当することができる 最高裁平成23年12月15日判決

 金融法務事情No1937号(1月10日号)で紹介された最高裁平成23年12月15日判決です。

 金融界を騒がせていた論点に終止符がうたれることになりました。

 取立委任手形に商事留置権を有する者は、取立金を留置することができると判断されました。

 金融機関は、ホッと安心をする一方、民事再生の申立代理人は、エッと残念がっているのではないかと思います。

 以下、判決文を引用します。

 (1)留置権は、他人の物の占有者が被担保債権の弁済を受けるまで目的物を留置することを本質的な効力とするものであり、留置権による競売は、被担保債権の弁済を受けないままに目的物の留置をいつまでも継続しなければならない負担から留置権者を解放するために認められた手続であって、上記の留置権の本質的な効力を否定する趣旨に出たものでないことは明らかであるから、留置権者は、留置物による競売が行われた場合には、その換価金を留置することができるものと解される。

 この理は、商事留置権の目的物が取立委任に係る約束手形であり、当該約束手形が取立てにより取立金に変じた場合であっても、取立金が銀行の計算上明らかになっているものである以上、異なるところはないというべきである。

 したがって、取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する者は、当該約束手形の取立てに係る取立金を留置することができるものと解するのが相当である。

 (2)そうすると、会社から取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する銀行は、同会社の再生手続開始後に、これを取り立てた場合であっても、民事再生法53条1項の定める別除権の行使として、その取立金を留置することができることになるから、これについては、その額が被担保債権の額を上回るものでない限り、通常、再生計画の弁済原資や再生債務者の事業原資に充てることを予定し得ないところであるといわなければならない。

 このことに加え、民事再生法88条が、別除権者は当該別除権に係る担保権の被担保債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の部分についてのみ再生債権者としてその権利を行うことができる旨を規定し、同法94条2項が、別除権者は別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる細管の額を届け出ななければならない旨を規定されていることも考慮すると、上記取立金を法定の手続によらず債務の弁済に充当できる旨定める銀行取引約定は、別除権の行使に付随する合意として、民事再生法上も有効であると解するのが相当である。

 このように解しても、別除権の目的である財産の受戻しの制限、担保権の消滅及び弁済禁止の原則に関する民事再生法の各規定の趣旨や、経済的に窮境にある債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ろうとする民事再生法の目的に反するものではないというべきである。

 したがって、会社から取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する銀行は、同会社の再生手続開始後の取立てに係る取立金を、法定の手続によらず同会社の債務の弁済に充当しうる旨を定める銀行取引約定に基づき、同会社の債務の弁済に充当することができる

 第1審及び第2審は、金融機関敗訴でしたが、最高裁は、金融機関を勝たせました。

 こんな経緯を辿る事案で、めったに見ることはないと思います。

 従来の理屈からいえば、東京地裁平成23年8月8日判決が指摘するどおりです。

 ①取立金は金銭である、②金銭は占有と所有が結合しており、銀行は取立金の所有者となる、③取立金は債務者の所有する物等にあたらず、商事留置権は取立金に及ばない、④分別管理され特定性が維持されたとしても、取立金の所有権が銀行に帰属することに変わりはない、⑤留置権の留置的効力を目的物の価値変形物に及ぼすのであれば、物権法定主義の見地から民法304条に類する規定が必要であり、そのような規定もないのに及ぼすと解することはできない。

 金融機関側の弁護士からは、「時代の変化に伴う新しい柔軟な判断、具体的事案に即した具体的正義をより重視した判断も、裁判所にとって必要である。本判決の新判断は、最高裁が、論点によっては、このような積極姿勢に立つことを、重ねて明らかにしたものと思う。」と評価されています。

2012年1月 7日 (土)

【交通事故】 示談の効力 東京地裁平成22年11月9日判決

 示談を締結した後に、後で蒸し返されるケースというのは、交通事故事案に限らず、度々目にします。

 交通事故民事裁判例集第43巻第6号で紹介された東京地裁平成22年11月9日判決(合議)は、示談の効力について争われたものです。

 判決要旨を紹介いたします。

① 後遺障害による損害額についての示談において、後遺障害の程度に基づき損害額が定められた場合、後遺障害の程度は損害額を定める上で重要な要素であるから、後日、それと異なる確証が出てきても、原則として、錯誤無効を主張できない趣旨のものと解するのが相当である。

 自賠責の事実認定において、後遺障害として、左膝関節の運動障害について後遺障害等級12級7号、左膝から下の痺れについて12級12号、左下肢の醜状障害について12級相当、右下肢醜状障害について12級5号該当、併合11級の認定を受けた被害者(男、事故時61歳)が、後遺障害の程度は後遺障害等級11級であることを前提として示談契約を締結したが、その程度は5級であり、5級であることを認識していれば示談は締結していなかったから、示談契約は要素の錯誤により無効であるとする被害者の主張につき、後遺障害の程度が真実と異なるというにすぎず、およそ錯誤無効の原因たり得ないとした事例

  →示談締結に当たっては、十分に注意を払う必要があります。

②示談契約に、「後遺障害等級11級を超える後遺障害が発生した場合、医師の発行する診断書に基づき別途協議する」旨の合意がある場合において、

 示談契約後に症状が悪化したとしてした損害賠償請求が認められるためには、①後遺障害の状態が示談契約成立後悪化しただけでは足りず、それが後遺障害等級11級を超える等級に該当し、かつ、悪化が事故に起因すると認められることを要するものと解するのが相当である。

 被害者の左足関節の障害は、示談契約時よりも悪化していることは確かではあるが、可動域制限(他動)が2分の1以下(この場合には後遺障害等級10級11号)になっていないから、従前(後遺障害等級11級)と比べて後遺障害の程度が明らかに悪化したということはできないとした事例

 →被害者が主張するような後遺障害(5級)が認められていれば、この条項により、別途請求ができたと思われますが、裁判所は、示談締結時の11級を超えるような後遺障害を認定しなかったことから、別途請求を排斥しています。

 平成13年8月の事故で、平成16年9月に示談が成立していますが、被害者を説得して取付ができるまでの間かなりの労力を損保担当者がかけているようです。

 当初の示談の賠償額の提示が、弁護士基準から考えると相当程度安く抑えられている内容であるため、この段階で、被害者の方は、弁護士に依頼された方が良かったのではないかと思います。

 結局、今回の被害者からの請求は認められていませんので、裁判費用の部分だけ被害者の持ち出しという結果になっています。

 被害者の方も弁護士を入れる時期を間違うと、このような結果になってしまうことも、少なくないと思います。

 交通事故の被害者の方で、損保会社の賠償額提示について迷っておられるのであれば、交通事故に詳しい弁護士に相談されることをお勧めいたします。

 

2012年1月 6日 (金)

TAC 税法実務講座 税法入門コース 法人税 

 TACという会計に強い予備校から、税務の実務家等を対象とした講座として、税法実務講座税法入門コースという講座があります。

 昨年、法人税、所得税の入門コース等を聴いて、忘れがちな税務の超基本的な知識を補うことができたため、短い正月休みを利用して、再び、税法入門コースを聴いています。

 このブログを執筆している時点では、「法人税」のうち、法人税の概要、所得の計算(経費等)(減価償却・引当金等)、税額計算を聴き終わることができました。

 内容については、昨年のブログで説明したとおりですが、平成24年の税制改正は残念ながら盛り込まれておらず、税制改正についてマスターしたいのであれば、別の講座を聴く必要がありそうです。

 参考までに、税法入門コース「法人税」の目次を示しておきます。

 第1章 法人税の概要

 ①法人税とは ②法人税の書類 ③納税義務者と課税所得等 ④⑤法人税の仕組み ⑥申告納付 ⑦青色申告 ⑧会社設立時の届出 ⑨⑩⑪所得の計算

 第2章 所得計算(経費等)

 ①交際費の取扱い ②寄附金の取扱い ③④給与の取扱い ⑤⑥租税公課 ⑦生命保険料会費入会金 ⑧受取配当金等の益金不算入 

 第3章 所得計算(減価償却・引当金等)

 ①②③減価償却  ④特別償却 ⑤繰延資産 ⑥⑦貸倒引当金 ⑧貸倒損失 ⑨収用等の所得の特別控除 ⑩青色欠損金    

 第4章 税額計算

 ①税額計算の概要 ②法人税の特別控除 ③所得税額控除 ④外国税額控除 ⑤留保金課税

 従来の弁護士の多くは税法は試験科目にないことから税法に疎く、また、ロースクール出身の弁護士の相当数も税法選択者以外は同様の状況にあると思われますので、新人弁護士、或いは、私のような中堅の弁護士も、一度聴講してみる価値はあるのではないかと思います。

 私も、「弁護士法人」にしてから、法人税が少しわかるようになりました。

 なお、貸倒引当金や貸倒損失等については、倒産処理を取り扱う弁護士にとっては必要な知識となっています。

 なお、TACの会員番号は、なんと、Wセミナー(早稲田司法試験セミナー)の時の番号と一緒です。懐かしいですねえ。多分、会員番号の「0621・・・・」の、「62」って、昭和62年のことだと思うので、TACの受付の方からは、超ベテランと思われているかもしれません・・・

  

2012年1月 5日 (木)

【建築・不動産】 被相続人から建物所有の目的で土地の使用貸借がされ、相続人が占有者に対して建物の収去、土地の明渡しを請求する訴訟を提起し、訴訟の係属中、右相続人の訴訟代理人弁護士の周旋等を受けて右土地を購入した者が同様な内容の請求をした場合において、右売買が通謀虚偽表示であるとされた事例 東京地裁平成23年6月28日判決

 判例時報No2130号(平成24年1月1日号)で紹介された東京地裁平成23年6月28日判決です。

 係争中の物件を、弁護士が周旋して、第三者に売却したというケースですが、判決文には信じられないような記載があります。

 「丁原弁護士は、中学高校の同級生であり、丁原弁護士の事務所にも出入りして懇意にしている参加人に対し、もうかるおいしい話があるとか、転売すれば約600万円の利益を取得できるなどといって、300万円で本件土地を買い受けないかと持ちかけた。」

 係争物件を売り渡して、転得者は建物収去の訴訟を提起して、しかも、その代理人は丁原弁護士というのですから、信じられないような内容です。

 判例時報の解説にも、「土地使用について第三者に対する対抗要件がない場合、第三者に土地を売って土地の明渡を求める(いわゆる地震売買)ことも、世上少なくないといえよう。・・・本件は、・・・典型的な地震売買であるところ、・・・本判決は、弁護士が介入していることに特色があり・・・」と記載されています。

 弁護士もいろいろです・・・

2012年1月 4日 (水)

【金融・企業法務】 破産後に販売会社に入金になった投資信託解約金と販売会社の有する債権との相殺の可否 大阪高判平成22年4月9日を契機に

 金融法務事情No1936号(12月25日号)で紹介された大阪高判平成22年4月9日判決についての特別論考です。

 事案の概要は以下のとおりです。

 「破産会社は、平成18年3月31日、証券投資信託の販売会社である銀行との間に、累積投資取引契約を締結して、証券投資信託の受益権を購入したが、平成20年6月13日、破産手続開始決定を受けた。破産管財人は、販売会社である銀行を被告として、この投資信託の解約金請求の訴訟を提起したので、被告銀行は、この提訴をもって破産管財人から投資信託の解約実行請求がなされたものとみて、投資信託の委託者に対して信託契約の解約の手続を求め、これにより委託者は投資信託を解約し、委託者から販売会社に解約金が入金になった。

 ところで、被告銀行は破産会社に対して破産前に貸金債権を有しており、これが破産申立てにより期限の利益を喪失するに至っていたので、銀行は、破産管財人からの解約金請求訴訟の口頭弁論期日において、貸金債権を自動債権とし上記解約金の支払請求権を受動債権として相殺する旨の意思表示をなし、相殺の抗弁を出した。そのため、この相殺の可否が争われた。」(同書P52~P53)

 高裁は、被告銀行の相殺を認めました。

 そのため、破産管財人が上告受理を申立てましたが、最高裁は上告受理しない旨の決定をしました。

 解説者によれば、「なお、破産管財人にとっては、本件判決により、破産後に解約実行請求をしたことによって販売会社(銀行)に入金になった解約金は、特段の事情がない限り相殺されることが確定したといえる。そのため、破産管財人としては、財団増殖の観点からは、実務上、破産後は解約実行請求ではなく、破産者が借入れをしていない他の口座管理機関への振替請求をして、他の口座管理機関から解約金の支払を受けるという方策を取ることになろう」と説明されています。

 解約実行請求ではなく、破産者が借入をしていない他の口座管理機関への振替請求を行わないと、後で大変なことになりそうですね。

2012年1月 3日 (火)

【金融・企業法務】 仮処分の担保として国債を供託中に当該国債の償還請求権が時効消滅した場合において仮処分裁判所ないし供託所の時効管理義務違反をいう供託者の主張が排斥された事例 東京地裁平成23年1月20日判決

 金融法務事情No1936号(12月25日号)の金法判例ダイジェストで紹介された裁判例です。

 事案は、裁判所に申し立てた仮処分の担保として国債を供託していたところ、当該担保の取消決定を経て、当該国債を取り戻したが、既に償還請求権が時効消滅していたという事案です。

 真っ青になりそうな事案です。

 解説によれば、担保として供託中であっても、消滅時効が進行することは妨げられないので、いわゆる時効管理が必要ですが、その義務を担保決定した裁判所が負うとか、供託所が負うとかという法的根拠はなく、供託した本人が自らその義務を負うしかないと解されているようです。

 国債の元金は、10年の経過をもって時効消滅するのですが、遺産分割事件が解決する以前に、担保である国債の時効が来てしまったようです。

 このような場合、解説に拠れば、「担保物の交換決定を求めた上で、本件国債を取り戻し、その償還を求めるとか、あるいは、供託を前提にしても、例えば、償還請求権がXらにその時点で帰属していることの確認を求めるなどとか、時効中断の措置を自ら講ずべきものであったというほかない」と記載されています。

 こわいですねえ、おそろしいですねえ、気を付けましょう。

2012年1月 1日 (日)

今年もあと365日です・・・・

 新年明けましておめでとうございます。

 平成23年が終わってしまいました。365日って、あっという間ですね。とくに、40歳代になってからは、20歳代の半年分くらいという感覚です。

 それで、今からカウントダウンを始めるという意味で、おもわず、今年もあと365日というタイトルにしてしまいました。pen

 正月休みの間に、溜まっている仕事の処理と、TACの税務実務講座(通信)、そして、子どもの勉強のサポートなどやらないといけないことが結構あります。upwardright

 今年の弁護士としての目標は、昨年とりかかった新しい分野の研修をさらに積んで恥ずかしくない程度にまで到達することです。pencil

 個人的な目標は、脂肪を落として、子どもから授かった「メタボマン」という称号を返上することです。結構プールで長時間泳いでいると思うのですが、おなかの脂肪が減りません。wobbly

 皆様の目標はいかがでしょうか?

 今年もよろしくお願い申し上げます。sun

 

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