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2011年12月31日 (土)

一年も今日で終わりです・・・

 平成23年も、今日で終わりになります。

 平成23年は、3月に発生した東日本大震災のため未曾有の被害が広範囲に生じるなど良い年ではありませんでした。

 政治は相変わらずゴタゴタしており、また、景気も一向に上向きません。

 来年はできるだけ早期に被災地が復興し、また、日本の景気も良くなるよう切望しています。

 我が弁護士業界も、平成23年は弁護士登録できない司法修習生の割合が急増し、また、競争激化等に伴い既存の弁護士の横領等の不祥事もマスコミで何度も取り上げられ、さらに、12月には裁判員裁判の記録が流出する等あってはならない事態が判明しました。

 これまで弁護士の横領といえば、ギャンブルなどにのめりこんだ挙げ句のケースが多かったと思いますが、ギャンブルとは無縁の弁護士が事務所経営がうまくいかず横領してしまったというケースもあるようです。

 個人情報流出については弁護士のミスによるものですが、このようなことがないよう私の事務所でも十分な注意をしていきたいと思います。

 「自由と正義」(日弁連の月刊誌)で紹介されないよう弁護過誤には気を付けていきたいと考えております。

 他の弁護士ブログでもよく言われていることですが、これまで弁護士(マチ弁)の売上に多大に貢献してきた過払金自体の相談が大幅に激減しており、やはり、マチ弁である私の事務所でも、過払いの事案がほとんどなかった6,7年前の売上に戻り?つつあります。

 私のような小さな田舎弁護士の法律事務所がこのような厳しい経済的環境の下でもなんとかやってこれたのは、顧問先様やご紹介者様をはじめとするお客様・ご相談者様のおかげです。また、ありがたいことに、今年も顧問先が増える等嬉しいこともありました。改めて御礼申し上げます。

 そして、今年は、自治体法務、知的財産関連、民事再生手続(監督委員)、解散命令を受けた法人の清算人等これまでとは異なった分野のご依頼・ご相談も増えました。

 その都度、当事務所の市川弁護士と一緒になって悩みながら対応させていただいた案件も少なくありません。幸い市川弁護士は非常に熱心に事件に取り組んでいただける方なので、逆に私の方が教えられることが増えつつあります。

 そして、このような厳しい状況だからこそ、それに耐えられるよう事務所を筋肉質的な体質に変化させていく必要があろうかと思います。来年もご指導を賜れたら大変嬉しく思います。

 それではよいお年をお迎え下さい。fuji

 なお、(弁)しまなみ法律事務所は平成24年1月10日から執務を開始させていただきます。happy01

 

 

2011年12月30日 (金)

【建築・不動産】 東京地裁平成22年2月19日判決 ①建物新築工事に関し予定された工程は一応終了しているとして仕事の完成が認められた事例 ②建物新築工事の注文主が瑕疵修補に代わる損害賠償債権をもって請負代金債権との同時履行を主張することは信義則に反するとされた事例

 判例タイムズNo1358号(1月1日号)で紹介された平成22年2月19日付東京地裁判決です。

 事案は以下のとおりです。

 すなわち、本件は施主である被告から建物新築工事を請け負った原告が、被告に対して、当該請負契約に基づき、未払請負残代金等の支払いを求めたという事案です。これに対して、被告は、①工事は未完成であり、目的物である建物も引き渡されていない、②工事には瑕疵があり、当該瑕疵の修補に代わる損害賠償債権等で相殺するなどと反論しました。

 裁判所は、①について以下のとおり判断しました。

 「この点、

 本件工事は、予定表に沿って、基礎工事、く体工事、断熱工事、造作工事、内装工事等が施工され、現状、本件建物は住居として使用するに足りる十分なく体構造、設備、内外装等を備えていること、

 △△市建築主事は、同月25日、本件建物の検査済証を発行していること、

 ○○建築士作成に係る同年12月2日付けの完成検査報告書においても、本件建物のく体、設備、内外装等に、本件工事が未完成であると評価すべきほどの重大な問題があることをうかがわせる記載がないこと

 ・・・これらの事実に照らせば、本件工事につき予定されていた工程は、同年11月25日までには一応終了しているというべきであって、本件工事は、遅くとも同日までに完成した」

 また、裁判所は、②の点について、以下のとおり判断しました。

 「本件工事には50か所ほど瑕疵があるが、その多くは建具やキッチン、内装・クロスの調整・補修が必要であるというものであり、その程度も軽微であって、補修費用(54万9436円)は、前記2において認定した追加変更工事及び当事者間に争いがない減額工事を考慮した請負代金総額(1265万8691円)と比較すると約4%、未払残代金(825万8691円)と比較しても約7%にとどまるものである。

 また、・・・被告は原告に、本件請負契約に基づき、請負代金の一部として100万円及び440万円を支払っているが、前者については、同額の金員が被告に返還され、また、後者についても、被告は、訴外銀行からの借入金440万円の返済をせず、原告がその連帯保証債務を履行したというのであるから、被告は実質的に請負代金を支払わないまま、本件建物に居住していることになる。

 また、本件請負代金の原資とするための融資申込手続についても、被告は、原告からの働きかけにもかかわらず、合理的な理由を明らかにしないまま、予定の変更やキャンセルを繰り返すなど、当該手続に協力する姿勢が何らうかがわれないこと

 等の諸般の事情を総合考慮すると、被告が本件工事の瑕疵の修補に代わる損害賠償債権をもって本訴請求債権全額との同時履行を主張することは、信義則に反する」

 判決文からは、対応に問題のある施主さんであることをうかがうことができます。

 控訴されていますが、どうなっているのでしょうね???

2011年12月29日 (木)

【金融・企業法務】 企業買収として行われた株式の譲渡契約中の経営等に重大な影響を及ぼす可能性のある事実の表明・保証条項の違反が否定された事例 東京地裁平成23年4月19日判決

 判例時報No2129号(12月21日号)で紹介された東京地裁平成23年4月19日判決です。

 本判決は、

 Yは本件機械売買契約に関して約定代金の80%の入金は得られるとの見通しに立ち、Xに対してもそのように説明していたことが認められるものの、

 同時に、売買の目的物である機械の性能が要求仕様に大幅に未達であること、Aとの間で依然交渉中であることなどの客観的な情報を開示していたことも認められる

 そして、YはXによるZの企業調査を受け入れることとされていたところ、実際にもXはZの営業所まで現地調査に赴いており、実態把握の機会も十分に有していたと認められること、 

 Xは本件株式譲渡契約の実行に先立ち、売買の目的物である機械のうち一台の売買契約については解除が確実である旨の連絡を受け、本件機械売買契約に係る潜在的な危険の一端が具体的に発現し、さらに拡大することも予想されたのであるから、本件株式譲渡契約の実行を繰り延べ、状況の確認を行うなどして、契約条件を見直す等の対応を行うことも十分に可能であったにもかかわらず、予定どおりに本件株式譲渡契約を実行したことが認められる。

 そして、本件においては、Yがその表明保証の対象たる事項について重要な点で不実の情報を開示し、あるいは情報を開示しなかった事実は認められず、そのほか、Xが本件株式譲渡契約を実行するかどうかを判断するに必要な情報は提供されていたというべきであって、Yが本件株式譲渡契約上の義務に違反したものであったとは認められないとして、Xの請求は棄却されました。

 「同種の表明・保証条項が盛り込まれることの多い企業買収関連の契約をめぐる紛争の処理等について参考になる裁判例である」と解説されています。

 昔の相談の中には、ある会社を買収したら、簿外債務があったため、後日売買当事者間でトラブルになったという相談を受けたことがあります。注意する必要がありますね。

 

2011年12月28日 (水)

【行政】 公立小学校における清掃時間中に生じた小学校4年生同士の衝突事故につき担任教諭の注意義務違反が否定された事例 東京地裁平成23年9月5日判決

 判例時報No2129号(12月21日号)で紹介された東京地裁平成23年9月5日判決です。

 判旨は以下のとおりです。

 一般的に、小学校の担任教諭は、その職務の性質及び内容から、担任として、保護監督すべき各児童に対して注意力を適正に配分してその動静を注視し、危険な行為をする児童を制止したり厳重な注意を与える等適切な指導を行い、児童を保護監督して事故を未然に防止する注意義務があると解される

                    ↓

① 本件事故は、小学校における清掃時間中に起きてきたものであるところ、清掃行為自体は家庭においても行われる日常的な行為であって、児童が行う場合でも特段の危険を伴う性質のものとは認められないものであるが、学校内で行われる作業として児童に危険を生ずることのないように必要な注意指導が行われるべきもの

② 本件教室内にいる児童を指導監督するために、本件教室に在室し、あるいは本件教室内に立ち寄るなどして、本件事故の発生を防止するための措置を講じなければならないという具体的な注意義務を負っていたということはできない

③ 本件事故当時の状況に照らせば、本件においては、児童が負傷するという事態を予見すべき特段の事情を認めることができない

                   ↓

 担任教諭の安全配慮義務違反を否定して、Xらの本訴請求を棄却しました。

 判例時報の解説者は、「本件における清掃作業は、学校における授業であるとみられるので、担任教師不在で清掃作業をさせることは、それ自体危険な行為でなくても、やや問題があるように思われる」とコメントされています。

 原告側は、低髄液圧症候群、高次脳機能障害等を主張しておりますが、過失がないことで判断されているため、障害の程度については判断がなされておりませんが、判決文を読む限りの印象では、余り大きな受傷ではなかったことがうかがわれます。

2011年12月27日 (火)

【行政】 介護保険法上の指定居宅サービス事業者等の指定を府知事から受けた事業者が、不正の手段によって当該指定を受けた場合において、市から受領した居宅介護サービス費等につき居宅介護サービス費等につき介護保険法22条3項に基づく返還義務を負わないとされた事例 最高裁平成23年7月14日判決

 判例時報No2129号(12月21日号)で紹介された最高裁平成23年7月14日判決です。

 事案は以下のとおりです。

 本件は、堺市の住民であるXが、A会は、厚生労働省令で定める基準に係る事項を偽って事業者の指定を受けたなどと主張し、偽りその他不正の行為により支払を受けた介護報酬の返還等について定めた介護保険法22条3項に基づき、A会に対して指定後に支払いを受けた介護報酬額1億1186万円余の返還をするようY(堺市長)に求める住民訴訟です。

 介護保険法22条3項は、市町村は、事業者が偽りその他不正の行為により介護報酬の支払を受けたときは、当該事業者に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額の加算金を支払わせることができると規定されています。

 第1審、第2審は、Xの請求を認めました。

 しかしながら、最高裁は、Xの請求を否定しました。理由は以下のとおりです。

 「介護報酬は所定の要件と基準を満たす場合に市町村から事業者に対して支払われるものであり、これを欠いた支払が事業者に対してされた場合には、市町村は事業者に不当利得の返還を求め得ると解される。

                   ↓

 そして、介護保険法22条3項は、事業者が上記支払を受けるに当たり偽りその他不正の行為をした場合における介護報酬の不当利得返還義務についての特則を設けたもの。

                   ↓

 そうすると、事業者が同項に基づき介護報酬の返還義務を負うと認められるためには、その前提として、事業者が介護報酬の支払を受けたことに法律上の原因がないといえる場合であることを要する。

                   ↓

 前記事実関係によれば、

 参加人は、本件期間において、本件各指定を受けた上で本件各事業所における事業を行っていたものであるところ、

 参加人が不正の手段によって指定を受けたという指定当初からの瑕疵の存在を理由とする大阪府知事による本件各指定の取消しはされておらず、

 また、参加人が大阪府知事から本件各指定を受けるに当たっての原審の認定に係る・・の経緯も、本件各指定を無効とするほどの瑕疵の存在をうかがわせるものとはいえない

                  ↓

 そうすると、参加人が前記の既に返還済みの部分を除いた介護報酬の支払を受けたことにつき、不正の手段によって指定を受けたことの一事をもって、直ちに法律上の原因がないということはできず、他に法律上の原因がないことをうかがわせる事情もない。

                 ↓

 以上によれば、参加人は、堺市に対し、被上告人の請求に係る介護保険法22条3項に基づく介護報酬の返還義務を負うものではないというべきである。

 「実務上重要な意義を有する」と解説されていますが、昨今の介護施設の増加に鑑み、このような相談は今後増えてくるかも知れませんね。

 

2011年12月26日 (月)

【流通】 アリオ倉敷 チェーンストアエイジ 12.15,1.1号

 チェーンストアエイジが送られきました。

 倉敷チボリ公園の跡地に、大型商業施設がオープンしたようです。

 倉敷チボリ公園は、たくさんの思い出がありました。

 最初に訪ねたのは、司法修習中に婚約者(今の妻ですhappy01)と一緒に行きました。そのころは、たくさんのお客さんが来られて、観覧車に乗るのも、1時間近く待ったことを覚えております。

 その後は、子どもが出来てから、子どもを連れて4,5回訪ねていると思います。

 次第にお客さんが少なくなったため、行列しなくてもアトラクションに乗れるのは良かったのですが、お店も減るなど寂しい感じがしていました。

 子どもは、マッチ売りの少女や、裸の王様等の歌を覚えており、歌ったりすることがあります。

 チボリ公園が閉園してからは、倉敷に遊びに出かけたことはありません。

 チェーンストアエイジによれば、イトーヨーカ堂が開発したアリオ倉敷と、三井不動産による三井アウトレットパーク倉敷がオープンしたようです。

 両商業施設で年商300億円を見込む大型店舗の出店ですが、一度訪ねてみたいと思います。

 未来公園に、チボリ公園の名残が残っていればいいのですが・・・

 

2011年12月25日 (日)

12月の懲戒弁護士

 自由と正義という日弁連が発行している業界の月刊誌が送られてきました。

 8人懲戒されていましたが、弁護士の登録番号が3万台の方が3人もいたのはびっくりです。

 一昔前は、懲戒を受ける弁護士さんは、ベテランの方が圧倒的に多かったように思いますが、今では、必ずしもそうではなさそうです。

 また、弁護士会が運営する法律相談において、対立している同居の親族を追い出したいという質問に対する回答において、「殺してしまう方法があるがリスクがある」という回答は、非常識極まりない回答であり、信じられないような内容です。

 とはいえ、気を抜くとやってしまいそうなケースもあり、この公告欄は、読む度に引き締まる思いが生じます。

 サンタさんからの忠告と思って読んでいます。

2011年12月24日 (土)

平成23年度紛争処理委員実務研修(高松)に参加しました

 先日、高松の全日空ホテルで開催された平成23年度紛争処理委員実務研修に、参加してまいりました。

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 高松駅の様子です。早めについたので、司法修習生の時から利用している「皇帝」という喫茶店でランチをとりました。

 その後は、宮脇書店で、またいつもようにたくさん書籍を購入しました。

 そして、会場の全日空ホテルに向かう途中、商店街のクリスマスの飾り付けが綺麗だったので、パシャリと撮影しました。

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 商店街を出て、高松駅方面に向かいました。

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 会場の全日空ホテルです。何度か宿泊したことがあります。

 今日の研修の主なテーマは、①専門家相談への対応について、②紛争解決のポイントと具体的事例の紹介、③参考判例の解説(地震関連など)でした。

 午後1時30分から午後4時30分まででしたが、今日は、事務所での仕事が残っているために、4時50分の電車に飛び乗って帰りました。

 去年は、大学の先輩と夕食をともにしたのですが・・・(元気かなあ?)

 ③の参考判例では、このブログでも複数回とりあげている「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」についての最高裁平成23年7月21日判決がとりあげられていました。2回も最高裁で差し戻されているという珍しいケースです。

 それ以外は、火災保険金請求にあたり地震免責についての判断を示した下級審裁判例、説明義務違反を認めた高裁を覆した最高裁判決、地震により倒壊して死亡した遺族からホテル等に対して損害賠償請求された事例が紹介されていました。

 事務所に戻ると、東京地裁から、早速、和解調書が届いていました。また、東京地裁での事件ないかなあ?と、思ったりしています。

 

2011年12月23日 (金)

【交通事故】 交通事故の被害者について示談成立後に重い後遺障害の認定がされた場合、新たな拡大損害の請求が認められた事例 前橋地裁平成23年7月27日判決

 判例時報No2128号(12月11日号)で紹介された前橋地裁平成23年7月27日判決です。

 ただ、今回の示談書には、示談の特約として、「今後Aの後遺障害を上回る後遺障害が認められた場合には、その差額については、別途協議する」旨の特約が付されていたようです。

 事案は、平成16年に示談した時は、後遺障害等級12級、平成22年に異議申立をしたところ、後遺障害等級は9級だったという事案ですので、比較的請求しやすいケースだったのではないかと思います。

 このような特約がない場合には、示談の拘束力を制限的に解した最高裁昭和43年3月15日判決に従い判断されることになりますが、実際には難しい場合もあります。

 それでも、3級違っていると、別途請求できるのかなあ?と思ったりしています。

2011年12月22日 (木)

【金融・企業法務】 預金債権の差押えの特定

 最近の金融機関向けの専門誌は、預金債権の差押えの特定について判断した最高裁平成23年9月20日決定か、地方公共団体の損失補償契約の有効性を判断した最高裁平成23年10月27日判決で、にぎわっているようです。

 銀行法務21の12月号も同様で、特集として前者が、実務解説として後者の最高裁の判断が紹介されていました。

 預金債権の差押えの最高裁判決は、どの金融機関も非常に好意的に述べています。

 とはいえ、以前のブログでも感想を述べましたが、判決で支払いを命じられていながら、開き直るサラ金業者が少なからず存在します。

 とはいえ、最高裁判決以降、全店一括順位付け方式は下火になりましたが、差押債権を、「預金債権額合計の最も大きな店舗の預金債権」と表示してなされた債権差押命令の申立てにつき、差押債権の特定に欠けることはないと判断した平成23年10月26日決定は、勇気づけられる決定例として、積極的に活用していきたいと思います。

 なお、12月号では、「債権譲渡の譲渡通知の主体」という滝澤裁判官の論文も紹介されていました。生き字引のようにすごい人だなあといつも感心しながら拝読させていただいております。

2011年12月21日 (水)

住宅紛争処理機関検討委員会(東京)に参加しました

 先日、日弁連の住宅紛争処理機関検討委員会の委員になっていることから、日弁連会館(東京)を訪ねました。

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 相変わらず、ものすごく大きな建物です。クオレという2階にある講堂で、全体会議がありました。

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 クオレを訪ねるのは、10年ぶり位ではないかと思います。一番最初に訪ねたのは、弁護士登録してすぐにこの場所で研修会を受けたのが最初ではないかと思います。

 日弁連会館の地下にも食堂やはんこ屋さん、本屋さんがあります。とくに本屋さんについては日弁連会館を訪ねた時には立ち寄るようにしています。

 住宅紛争処理機関検討委員会は、年3回全体会議があり、うち1回は上京する必要があります。

 私自身、余り会務活動をしていませんが、なぜか、住宅紛争処理機関検討委員会については、熱心に?参加するようしています。

 

2011年12月20日 (火)

【交通事故】 医療審査「覚書」 井上久著

 井上久医師による書籍です。自保ジャーナルから9月30日に発行された書籍です。

 井上医師は、損保会社の顧問医を長く続けられている方ですが、この書籍は、損保会社の担当者に対して結構厳しい意見を呈しておられます。

 東京出張中の行き帰りに、気楽に読まさせていただきました。

 全部で2章に分かれており、第1章が基礎編、第2章が実務編となっています。

 この書籍の中で、一番参考になったことは、医師に対する医療照会のコツをわかりやすく説明されていることです。

 また、医師との接し方についても、留意すべき点が書かれており、今後の実務において参考になりそうです。

 交通賠償を扱う弁護士は、被害者側、損保会社側、いずれの立場に立っていても、読んでおく必要のある書籍の1つだなあと感じました。

 仙台の小松亀一先生(弁護士)も、ご自身のHPでこの書籍を紹介されていました。

 私自身は、被害者の案件を中心に、特定の損保会社のご依頼もお引き受けさせており、どっちもよく取り扱っています(都会は知りませんが、田舎ではどっち側も担当するという弁護士は少なくありません。)。

2011年12月19日 (月)

【建築・不動産】 愛媛建築住宅センター 建築物調査の業務拡大

 週間愛媛経済レポートに、平成24年1月から、㈱愛媛建築住宅センターが、建築物調査の業務を拡大することが紹介されていました。

 同社は平成12年設立され、主に建築確認検査・住宅性能評価・構造計算適合性判定等を行っています。

 平成19年から、愛媛県知事の指定を受け、延床面積5千㎡超は大阪府の財団法人、以下は同社に自動的に割り振られていましたが、平成23年11月から、愛媛県は、建築確認申請・事前相談の円滑化を促進を図るために、東京の1機関を加えて、計3機関としました。

 加えて、面積での割り振りがなくなり、3機関とも全ての建築物の構造計算適合性判定が行われることになり、競争激化が見込まれることから、平成24年1月から、業務を拡大することにしたようです。

 弁護士の業界でも、隣接職種からの法律事務への進出の他、弁護士間の競争も激しくなっていますが、田舎弁護士のような地方の法律事務所でも油断が出来ない状態になっています。

 今年は司法修習生卒業者で弁護士未登録者が400名を超えたようです。

 どんどん新人の勤務弁護士の給料も減少傾向にあるようですが、それでも、ノキ弁やソクドクにならないだけまだマシかも知れません。

 

【金融・企業法務】 銀行は預金契約解約後の相続人に対し取引経過開示義務を負うか?

 金融法務事情No1935号(12月10日号)で紹介された東京高裁平成23年8月3日判決です。

 論点は、銀行は、預金契約解約後の相続人に対して、取引経過開示義務を負うか?ということです。

 弁護士会照会を利用しています。

 銀行が弁護士会照会に対して取引経過の回答を拒絶した場合に、不法行為責任が生じるか?については、見解が対立しており、本件でも、第1審が肯定説、第2審が否定説を採用しています。

 本件は、そのこと以外にも、解約後の相続人に対して、取引経過開示義務を負うか?ということですが、第1審は、限定肯定説を採用し、第2審は、否定説を採用しています。

 弁護士としては、第1審判決の結論が妥当と思わざるを得ませんが(でなければ依頼人のニーズを満たすことができない)、金融実務家によれば、解約された後の検索は非常に手間が大きいため、第2審判決の結論が金融実務家からすれば歓迎されているようです。

 この事案も最高裁に不服申立てがされているので何らかの回答が最高裁からありそうです。

 

 

2011年12月18日 (日)

【金融・企業法務】 共益債権・財団債権の代位弁済絡みの最高裁判決

 金融法務事情No1935号(12月10日号)の最高裁判決特報で紹介された2つの最高裁判決です。

 最高裁平成23年11月24日判決は、弁済による代位により民事再生法上の共益債権を取得した者は、同人が再生債務者に対して取得した求償権が再生債権にすぎない場合であっても、再生手続によらないで上記共益債権を行使することができると判断しました。

 最高裁平成23年11月22日判決は、弁済による代位により財団債権を取得した者は、同人が破産者に対して取得した求償権が破産債権にすぎない場合であっても、破産手続によらないで上記財団債権を行使することができると判断しました。

 従来、共益債権にせよ、財団債権にせよ、弁済しても、共益債権や財団債権にはならない場合もあるので、注意が必要というアドバイスを行うことが多かったと思います。

 この判決の解説記事が載っていないので、きちんとしたコメントは述べられないのですが、少なくとも、最高裁判決と同種事案においては、少し心配が減りそうです。

 まあ、田舎弁護士には余り関係がないかもしれませんが・・・

 

2011年12月17日 (土)

【保険金】 人身傷害保険金の時効起算日は権利の同一性の維持から被害者の症状固定日から進行する 東京地裁平成23年9月20日判決

 自保ジャーナルNo1859号(12月8日号)で紹介された東京地裁平成23年9月20日判決です。

 事案は、平成13年7月20日に発生した事故で、平成17年3月18日に症状固定となり、後遺障害等級1級が認定され、被害者との間で人身傷害補償保険契約を締結していた損保会社が平成18年10月16日に約7500万円を支払い、被害者は、平成19年12月26日に、加害者に対して、損害賠償請求訴訟を提訴し、また、前記損保会社も、被害者に対して支払った人身傷害補償保険金の支払いを求めて、加害者に対して提訴したという事案です。

 時系列的には、以下のとおりです。

平成13年7月20日 事故発生

平成17年3月18日 症状固定 後遺障害等級1級

平成18年10月16日 人傷社 7500万円支払

平成19年12月26日 被害者提訴

平成22年6月25日  人傷社提訴

平成22年12月27日 被害者和解

平成23年5月17日  加害者 人傷社の請求について消滅時効

 症状固定が平成17年3月18日であることからすれば、平成19年12月の被害者提訴は、時効の問題が生じません。

 ところが、平成22年6月の人傷社の提訴は、症状固定を起算点とすれば、時効の問題が生じます。

 なぜ、人傷社の提訴がここまでおくれたのかが理由がきになります。

 それは、加害者と被害者との別件訴訟において総損害額及び過失割合が確定しなければ、具体的な人身傷害補償保険金の金額が確定しないために、実際上は請求が困難だったということに理由があるのではないかと思います。

 損保会社としては、人傷についての時効管理については、被害者の加害者に対する損害賠償請求権と同じような方法で管理していく必要があることを示した裁判例として実務上参考になりました。

 以下、判旨の概要を紹介します(同書P139~P140)。

 人身傷害保険金についても、「権利の同一性を維持したまま保険会社に移転した損害賠償請求権について、被害者側が締結した保険契約に基づく人身傷害保険金の支払という加害者が何ら関与していない事情によって、その消滅時効の起算点がこれにより遅れると解すべき理由は見当たらない。」、

 「被告が、原告が保険代位により首都kすいた損害賠償請求権につき消滅時効を援用することは、信義則に反するものではないし、権利濫用にもあたらない。」、

 「保険代位の範囲について訴訟基準差額説を採るか否かによって左右されるものではない」と判断して、症状固定日からの起算を認めました。

 人傷社にとって厳しい判決です。

 人傷保険の時効管理については注意が必要です。

2011年12月16日 (金)

【労働・労災】 取引先の従業員の引抜等を会社が設置したコンプライアンス室に内部通報した従業員を3度にわたり配置転換した場合において、最初の配転命令が内部通報をしたことを動機とする不当なものであり、続く二度の配転命令がその延長であるとし、上司の不法行為責任、会社の使用者責任が肯定された事例 東京高裁平成23年8月31日判決

 判例時報No2127号(12月1日号)で紹介された東京高裁平成23年8月31日判決です。

 マスコミで大きく報道された事件ですが、現在では、別件でも大変なことになっている日本有数の優良会社の1つだった会社が舞台です。

 裁判所は、

 内部通報を受けたコンプライアンス室の担当者が運用規定に従って通報者であるXの秘密を守りつつ、適切に対応しなければならなかったのに、

 Xが承諾しないにもかかわらず、Xの氏名、通報内容を開示する等し、

 主として個人的な感情に基づき、制裁的に配転命令をおこなったとして、コンプライアンスヘルプライン運用規定に違反するとして、上司及び会社に賠償を認めました。

 判時は、「本判決は、特に会社が自ら内部通報等に関するコンプライアンスヘルプライン等を定めた場合には、公益通報者保護法よりも、広くその違反が不利益取扱いを無効とし、損害賠償責任を惹起することを示した事例として、重要な意義をもつ」(同書P124)と説明しています。

 内部通報制度は、私が所属する事務所でも取り扱っていますが、このようなことが発生しないよう、細心の注意を払って取り扱っていきたいと思います。

2011年12月15日 (木)

田舎弁護士 再び 東京地裁に現れる!

 先日、裁判で、東京地方裁判所を訪ねました。

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 東京地裁正面玄関から撮影しました(裏かもしれませんが)。

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 巨大な建物です。民事第37部の担当事案で、部屋は514号室でした。

 エレベーター手前ではたくさんの人が並んでいました。

 今回は、地下一階を訪ねてみました。

 食堂や郵便局、コンビニ、本屋さんなどがありました。

 裁判所の本屋さん、10%引きでした。

 田舎弁護士にとっては、東京地裁での裁判はほとんどないために、まさにテレビなどでしかみない建物の1つでした(最近は、東京家裁立川支部に申し立てのために東京を訪ねた等、すこしずつかかわりが増えていますが)。

 空港の保安室のようなボディーチェックを、弁護士等法曹以外は受けることになります。

 また、期日も、ファイルのようなもので確認する必要があります。

 さらに、出頭した場合には、台の上に置かれている書面にサインをする必要があります。

 田舎弁護士にとっては、刺激的な東京地裁訪問でした・・・

2011年12月14日 (水)

【金融・企業法務】 全店一括順位付け方式の最高裁決定

 判例タイムズNo1357号(12月15日号)で紹介された最高裁平成23年9月20日判決です。

 全店一括順位方式での差押えがアウトになった決定ですが、では、昨今のサラ金のように、判決を得ても誠意をもって支払おうとはしない業者に対してはどのように対応すればいいのか?教えて欲しいものです。

 最高裁は以下のように述べます。

1 債権差押命令の申立てにおける差押債権の特定は、債権差押命令の送達を受けた第三債務者において、直ちにとはいえないまでも、差押えの効力が上記送達の時点で生ずることにそぐわない事態にならない程度に速やかに、かつ、確実に、差し押さえされた債権を識別することができるものであることを要する。

2 大規模な金融機関の全ての店舗又は貯金事務センターを対象として順位付けをする方式による預貯金債権の差押命令の申立ては、差押債権の特定を欠き不適法である。

 逃げ得を許さないよう何らかの方策が必要ではないかと思います。

2011年12月13日 (火)

【交通事故】 同乗中追突された59歳男子の46ヶ月後の脳脊髄液減少症診断は本件事故での発症を認め53ヶ月ほぼ治癒、長期化の素因を否認 大阪高裁平成23年7月22日判決

 噂の脳脊髄液減少症を認めた大阪高裁判決(平成23年7月22日判決)をようやく見ることができました。

 自保ジャーナルNo1859号(12月8日号)で紹介されていました。

 高裁は、国際頭痛分類基準は、厳格に過ぎるとして、日本神経外傷学会の基準によるべきだとして、間接事実から、当該学会基準を満たすこと、そして、ブラッドパッチ療法によって従前の症状が著しく改善したことを理由に、脳脊髄液減少症の発症を認めました。

 まあ、学会基準をみたすのであれば、「低髄液圧症候群」の認定は当然だと思います。

 とはいえ、起立性頭痛が認められないケースでの認定であることや、大阪高裁という高裁レベルでの認容事例であるため、同じく、肯定した名古屋高裁平成23年3月18日判決と同じく、今後の脳脊髄液減少症の動向には注意が必要だと思います。

2011年12月12日 (月)

【交通事故】 日本賠償科学会 第59回研究会 (昭和大学)

 日本賠償科学会第59回研究会(東京・昭和大学)に参加いたしました。

 医師と弁護士の学際的な学会で、数年前から私も研究会に参加するようしています。

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 会場の昭和大学上條講堂です。第一部のシンポジウムは、痛みの医学的法学的考察というテーマで、①なぜむちうち損傷後の頚部痛は慢性化するのか、②外傷後難治性疼痛への挑戦、③被害者に発症したCRPSのジレンマ だれのための補償か、④痛みと損害賠償でした。

 第2部では、①ワクチンによる有害事象の特徴とわが国におけるその賠償について、②医療事故剖検例から学ぶことというテーマでした。

 医学的知見に乏しい田舎弁護士には、なかなか理解が難しい分野の研究会でしたが、それでもきいているだけでなんとなくわかるところもあり、今後の業務に参考になりそうです。

 また、あの著名な古笛恵子先生(弁護士)の「痛みと損害賠償」というテーマの講演は、慢性疼痛を3種類に分類しつつも、繊維筋痛症を中心に裁判例なども紹介していただきました。

 研究会終了後の懇親会には当然参加いたしました。

 下のイルミネーションは、昭和大学の正門付近のものです。おしゃれですねえ~

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 来年の第60回研究会は横浜で開催するようです。

2011年12月11日 (日)

【倒産】 DIP型民事再生手続の実務とM&A戦略 (商事法務)

 時折、裁判所から、民事再生の監督委員や個人再生委員に任命されることがあります。

 通常の民事再生の申立てに関わったことはありませんが、監督委員は過去に複数回あります。

 田舎弁護士の地域では、通常の民事再生の申立ては、数年に1回程度しかありません。

 そのため、あまり勉強しない分野の1つです。

 とはいえ、数年に1回程度の申立てはあるため、いざ監督委員として関わることになると、「勉強していないので」とは到底言えません。

 そのため、暇をみつけて、破産や民事再生絡みの書籍を購入して呼んでいます。

 昨年、東京の「倒産村」の弁護士が田舎弁護士の事務所にきて、「いろいろ本があるじゃないか」とのお褒めの言葉を頂戴いたしました(決して、いろいろ呼んでいるじゃないかではありません。)。

 それはさておき、DIP型の民事再生手続を詳しく解説された書籍を探していたところ、大阪のジュンク堂で、「DIP型民事再生手続の実務とM&A戦略」という書籍(商事法務)(2009年6月発行)を発見して購入いたしました。

 著者は、あの著明な藤原総一郎弁護士です(実は、この弁護士さんのお名前は、司法試験受験時代に、模範答案で度々拝見していました。)。

 私が以前監督委員として関与していたケースも紹介されていました。

 スポンサー契約書の書式等も複数紹介されており、実務上参考になるかもしれません。

 

2011年12月10日 (土)

【交通事故】 弁護士医療セミナー(日本損害保険協会)に参加しました

 先月、社団法人日本損害保険協会が主催された「弁護士医療セミナー」(東京)に出席いたしました。

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 2,3か月前にも、損保会館で研修を受けましたので、損保会館での研修は、2回目になります。

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 大きな建物です。研修では、脳神経外科領域である重点難事案についての解説をしていただきました。

 具体的には、PTSD(外傷後ストレス障害)、脳脊髄液減少症、高次脳機能障害(なかんずく、MTBI)についてです。

 医療セミナーって、受講したての頃は、内容が難しくて、講師の先生の言葉の半分も理解できなかったのですが、最近は、8,9割は講師の先生の解説が頭の中に入ってくるようになりました。

 低髄液圧減少症については、厚労省研究班が、10月14日、「脳脊髄液漏出症」の診断基準を発表されたようです。

 早速、厚労省のHPで確認しました!

 とはいえ、最近、私の事務所でも、脳脊髄液減少症絡みの相談は、減少し、高次脳機能障害絡みの相談が増加しているので、最近の関心事は、高次脳機能障害の方に移っています。

 研修では、研修所同期の同じクラスの弁護士と再会しました。相変わらず、元気一杯の方で、よい刺激を受けました。

 損保会館は、私が青春時代(司法浪人)を過ごしたお茶の水にあります。

 ランチは、合格する1年前、毎日のように通学した中央大学駿河台記念館でいただくことにしました。

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 青春を過ごした駿河台記念館です。とはいえ、偶然ですが、3週間くらい前にも、中央大学法修会研修室の総会で訪れているのですが・・・

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 ランチバイキング(1050円)です。

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 ニコライ堂です。司法浪人時代、このお寺の鐘が鳴ると、休憩をとったりしていました。

 あれから、10数年経つのですねえ~ 時が経つのははやいですが、精神的な成長はまだまだのようです。

 

2011年12月 9日 (金)

【労働・労災】 労働事件使用者のための反論マニュアル(日本法令)

 日本法令から、今年の8月に出版された使用者側の労働マニュアル本です。

 

2011年12月 8日 (木)

【金融・企業法務】 契約締結上の過失に基づく損害賠償請求について、信頼利益侵害の主張・立証がないとして棄却された事例 東京地裁平成22年10月6日判決

 判例タイムズNo1356号(12月1日号)で紹介された東京地裁平成22年10月6日付判決です。

 裁判所は、以下のとおり判断しています(同書P191から引用)。

 信義誠実の原則は、契約締結の準備段階においても妥当する。そして、当事者の一方の行動や言動が、相手方に契約の成立に対する強い信頼を与え、その結果相手方が契約の成立を信頼して費用の支出等を行ったにもかかわらず、合理的な理由もなく契約交渉を破棄したとような場合には、信義誠実の原則上要求される注意義務に違反したと評価され、不法行為又は債務不履行に基づき、相手方が契約の成立を信頼して支出した費用分を賠償する責任を負う。

                 ↓

 本件において、Y1は、X1がYらからの本件スキームへの参画を前提として、本件土地の売買を仲介していることを認識し、かつ、Yらにおいて本件スキームに参画する意思を有していなかったにもかかわらず、本件土地の取得後は、X1に設計監理等を行わせる態度をとっていた。

 そして、Yらの真意を前提とすれば、Y2に本件土地を取得させることは、Xらが本件スキームにより得られる履行利益を失う危険をはらむものであり、実際にも、Yらは、本件土地の取得後、本件スキームへの参画を事実上拒否していることからすれば、YらがXらに対し、本件スキームに参画すると信頼させた行為は、信義誠実の原則にもとる行為である。

                   ↓しかし

 XらがY1の契約締結上の過失と因果関係を有すると主張する損害は、いずれも本件スキームの遂行によって得られる履行利益獲得のための先行投資費用等であり、契約締結上の過失によって賠償されるべき信頼利益ではない。

                  ↓

 したがって、X1の契約締結上の過失に基づく損害賠償請求は理由がない。

 

 契約締結上の過失を認定されながら、信頼利益による損害の主張がなされていないとして、結果としては、原告が負けてしまった事案です。

 履行利益とか、信頼利益とか、学生に戻った気分です~

 

2011年12月 7日 (水)

【金融・企業法務】 銀行ATM提携解消と独占禁止法 金融法務事情

 金融法務事情No1934号(11月25日号)で紹介された特別論考です。

 いわゆる銀行ATM提携解消に関する東京スター銀行の東京地裁平成23年7月28日判決です。

 三菱東京UFJ銀行(BTMU)による応答拒否(BTMUの顧客が東京スターのATMを利用しようとした際に必要な電文を発信しないこと)は、独占禁止法2条9項6号イを受けた一般指定2項に該当する不当な取引拒絶であって同法19条に違反するとして、同法24条による差止めが請求された事案です。

 裁判所は、まず一般指定2項に関する一般論を以下のように述べます。

 「一般に、事業者は、取引先を選択する自由を有しているから、事業者が価格、品質、サービス等の要因を考慮して独自の判断によって他の事業者との取引を拒絶した場合には、これによって、たとえ相手方の事業活動が困難となるおそれが生じたとしても、それのみでは直ちに公正な競争を阻害するおそれがあるということはできないから、不当な取引拒絶には該当しないというべきである。

 もっとも、例えば、市場における有力な事業者が競争者を市場から廃除するなどの独占禁止法上不当な目的を達成するための手段として取引拒絶を行い、このため、相手方の事業活動が困難になるおそれが生じたというような場合には、このような取引拒絶行為は、もはや取引先選択権の正当な行使であると評価することはできないから、公正な競争を阻害するおそれがあるものとして、一般指定2項に該当するというべきである。」

 そして、本判決は、上記一般論を本件にあてはめて、不当な目的があるとはいえないと判断しました。

 本判決の基準については、本判決が依拠したと思われている平成3年の流通取引慣行ガイドラインの基準とも異なるところがあるため、問題が生じているようです。

 もっとも、大きな銀行間の紛争はあまり田舎弁護士には関係ないかもしれませんが・・・

2011年12月 6日 (火)

【行政】 夜間自転車を運転し市道を走行中の大学生が、遊歩道に下る階段に気づかず転落し、用水路で溺死した事故につき、市及び県に対し、市道、階段、遊歩道、用水路等の諸施設の設置・管理に瑕疵があるとして、国家賠償責任が認められた事例 岡山地裁平成23年7月19日判決

 判例時報No2126(11月21日)号で紹介された平成23年7月19日付岡山地裁判決です。

 裁判所は、遺族の請求を認めましたが、大学生(当時20歳)に4割の過失があるとして、過失相殺を行いました。

 Y1市は、本件市道を設置管理し、また付近にあるサウスヴィレッジに沿って位置する本件用水路を所有しその水量管理をしており、Y2県はサウスヴィレッジを開園し、本件用水路と本件市道から遊歩道に降りる通路と階段を設置したこと

 Aは午後8時頃本件市道を自転車で走行し本件通路に進入して遊歩道に転落し、頭部を打ち脳挫傷を負い、さらに本件用水路に転落して溺死したこと

 これらの諸施設は、設置された当初からその設置された土地、用水路と一体のものとして、Y1市及びY2県がその管理につき共同の責任主体の地位にあること

 本件市道から本件用水路に通じる通路は、その4メートル先遊歩道へ降りる階段が続き、この先に本件用水路が存在するが、この通路付近には、標識や看板等が設置されておらず、また、階段手前には幅約0.8メートルを置いて、両端に1本ずつポールが設置されていたものの、その間にはチェーン等はかけられていなかったし、遊歩道上には、本件用水路への転落を防ぐ防護柵等は設置されていなかったこと

 また、現場付近は、本件事故時のような日暮れ時に対応する証明設備はなく、自転車の照明のみでは本件ポールを発見するためには6メートルから9メートルに接近することを要し、運転者の反応時間及び空走時間を入れると安全な位置での停車は困難であり、階段から転落すれば死亡という重大な結果を発生する危険性は高いことからすると、本件施設は通常有すべき安全性を欠くものと評価され、その設置管理に瑕疵があったということができる

 と判断しました。

 このような構造の道路は、多分、ちまたには少なくないのではないかと思いますが、今一度、点検が必要です。

2011年12月 5日 (月)

【金融・企業法務】 外部委託先からの会員情報の漏えい ビジネス法務9月

 ビジネス法務9月号に「外部委託先からの会員情報の漏えい」というテーマでの記事がのっていました。

 情報漏えい時の対応、漏えいルートの調査、情報漏えいを未然に防ぐためのポイントなどが解説されていました。

 特に、委託先の従業員がファイルを自宅に持ち帰っているような場合、従業員のパソコンをどうやって調査するのかが問題になろうかと思います。

 個人PCを調査する場合、PC内のデータを意図的に改変される可能性があることから、どうやれば、速やかに個人PCを調査できるのかを検討する必要があります。

 まず、自宅以外の場所で本人と面談して、直接依頼を行い、了承がとれたらただちにその足で本人と自宅まで同行して個人PCを回収する事が必要です。

 また、それを担保するために、社内規則や雇用契約書などに調査協力義務を盛り込むことが必要です。

 個人情報保護法って、企業法務を取り扱う弁護士にとっても重要ですが、私たちの業務でも個人情報保護法に則した管理態勢を整える必要があります。

2011年12月 4日 (日)

今治タオル

 中四国のGMSであるフジが展開しているフジグラン広島がリューアルオープンしたのですが、その時に配布されたフジのタオルをいただきました。 067

 なんと、今治タオルです。

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  今治タオルのマークも入っています。

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 もちろん、フジグラン広島の文字も入っています。

 メーカーはなんと私の顧問先のタオル企業でした。早速使いました。今治タオルは、浴槽から出た後に身体を拭いた際に、吸水率が高いことから、きれいに水を拭き取ることができます。

 今治タオルは、このショップから注文するといいと思います。heart01

 私も、事務所の15周年の時の贈答品は、今治タオルで決まりです。 

2011年12月 3日 (土)

【金融・企業法務】 ビジネス法務9月号(中央経済社)

 時折、中央経済社から出されている「ビジネス法務」という月刊誌を購入しています。

 今回ご紹介するのは、数ヶ月、積ん読状態になっていた「ビジネス法務9月号」です。coldsweats02

 執筆者の弁護士は、4大法律事務所の所属の方が多かったように思います。

  9月号の特集としては、①不祥事が起きた時の初期対応と②特許法改正を読み解くがくまれていました。

  日本企業が知るべきインド労使紛争に関する法律とか、インド企業結合規制の概要なんては、田舎弁護士にとっては、難しい哲学書を読んでいるのと等しそうです。。。。

 今回は、「不祥事が起きた場合の初動対応」というテーマの特集記事に興味がひかれ購入しました。

 その中で、栗原正一弁護士の「10のケースでみる企業不祥事の初動対応」については参考になります。

 

2011年12月 2日 (金)

【金融・企業法務】 判例に見る会社法の内部統制の水準(商事法務)

 著明なビジネスロイヤーである中村直人弁護士が書かれた書籍です。

 「判例に見る会社法の内部統制の水準」(平成23年9月30日発行)です。

 平易にわかりやすく書かれているように思うんですが、上場会社の企業実務家向けに書かれているため、これでも田舎弁護士には少し難しいところもあり、happy02な感じで読み進めました。

 このような状況だったのですが、粉飾リスクの項目で紹介された日本システム技術事件の分析はおもしろかったです。

 代表取締役の責任を、地裁高裁は、認め、他方、最高裁は、否定した事案です。

 その理由として、「根本的に、内部統制システム構築義務違反の判断の構造が異なっている、ということなのである。

 発生した不正から始まり、その原因のリスクを特定し、それが予見可能であれば義務違反とする、という不正行為オリジンな発想(原因特定説)と、

 まず体制はどうであったから始まり、通常想定されるリスクを防止できるかをチェックし、その後現実化したリスクを予見すべき特段の事情があったかという内部統制オリジンな発想(総合判断説)の違いである。」(同書P132~P133)。

 地裁高裁は、リスクがあれば、即、義務違反という論理であるのに対して、最高裁は、採用していた内部統制の仕組みをチェックして、通常想定される不正行為を防止できる体制かどうかを吟味する枠組みです。

 第3章では、総合判断説と原因特定説とで立証責任の分配がどうなるのか?ということについても解説されています。興味のある方は、このブログからぼっちと押して、購入してね。

 田舎弁護士でも、勉強する範囲が広くて大変です!

2011年12月 1日 (木)

【消費者法】 わかりやすい貸金・保証関係紛争解決の手引(民事法研究会)

 平成23年9月に発行された園部厚東京簡裁判事によるわかりやすいシリーズ本です。

 今回は、貸金・保証関係紛争解決の手引きという書籍です。

 余りご相談は多くはないのですが、実は過払い状態になっていたにもかかわらず、調停の場ではそれに気付かず、誤って、残債務ありの民事調停が成立したり、民事調停法17条の調停に代わる決定が行われたケースの相談を受けることがあります。

 調停の場合には、まだ錯誤無効が言いやすいのですが、民事調停法17条の調停に代わる決定の場合には、17条決定に法的性質も絡んで、錯誤無効が認められるのかどうか問題となります。

 裁判例は現在のところわかれていますが、手引きでは、錯誤無効を認めた裁判例の方をたくさん紹介していました。

 例えば、高松高裁平成21年9月10日判決を紹介されていました。

 「17条決定に服するか否かを当事者からの異議申立てがなされるか否かに係らしめていることに照らすと、私法上の契約と動揺に要素の錯誤等による無効を主張することができ、一部の取引履歴しか開示されなかったために残債務を正確に把握することができなかった場合には、17条決定に異議を申し立てるか否かを判断する前提を欠き、債務者には残債務額について錯誤があり、重過失があったとはいえないとして、錯誤無効を認めた。」

 あきらめてはいけませんね。

 

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