【交通事故】 MTBI研修
(社)日本損害保険協会の主催で、弁護士医療セミナー(東京・お茶の水)に出席しました。
弁護士になってからの研修は、参加するにも交通費や宿泊費のほか、受講料(2万1000円)がかかります。
司法修習生の皆さん、弁護士になった場合の研修費等は、自分で捻出する必要がありますので、修習中の講義はどん欲に聴講されることをお勧めいたします。
お茶の水の損保会館が会場でした。
結構、大きな建物でした。
2階大会議室でした。協会の懐かしい方ともお会いすることができました。 
講師の先生は、あの有名な吉本智信先生ですが、実は田舎弁護士と同郷の方だったというのがわかり、やっぱり日本って狭いなあと思いました。
それはさておき、肝心な研修ですが、医学的な知識が大幅に掛けている田舎弁護士にとっては非常に難解な研修でした。
まず、MTBIについては、「統一された定義がない」ということです。
一番有力な定義は、2004年に発表されたWHOが提唱された定義です。
A 以下のうちの1つ以上
・錯乱や見当識障害
・30分以下の意識消失
・24時間以内の意識消失
・その他の一過性の神経学的異常(巣症状やけいれん、外科的治療の必要のない頭痛内病変)
B 受傷後30分またはそれ以降の診察時点でのグラスゴー・コーマ・スケールが13~15
←症状だけの分類であり、画像所見は必要とされていません(画像がとれにくい国もあるから)
前記基準での、MTBIの発生率は、WHOの報告では、人口10万人当たり600人、つまり、日本では年間60万人程度発生していることになるようです。
そして、「MTBIの患者に脳の器質的損傷があるか?」というテーマについては、10~20%に画像所見が認められるということが報告されています。
そして、MTBIの患者に高次脳機能障害がある場合、高次脳機能障害の原因は、器質的損傷か?というテーマについては、「既存のデータでは、高次脳機能障害の原因は、器質的損傷ではない」と報告されていることから、「高次脳機能障害の原因が器質的損傷の可能性は低い」ことになります。とはいえ、「ただし、一部の人ではそうかもしれない。現在、検討中」という付言が付されています。
WHOの報告では、「既存データでは、高次脳機能障害の原因は、器質的損傷ではない」とされていることから、MTBIに帰因する高次脳機能障害の可能性は低いということになります。
吉本先生は、賠償にとって、本当に大切なのは、MTBIの患者の器質的損傷の有無ではなく、その損傷と症状との関係の有無だと指摘されます。
WHOのMTBIよりさらに軽度の外傷において、脳の器質的損傷による高次脳機能障害が発生するという意見は、少なくとも現時点では科学的ではないとも指摘されています。
吉本先生は、意識消失、或いは、画像所見の有無が、後遺症判断にあたっては極めて重要な意味を有する旨指摘されました。
従って、画像所見もなく、意識障害もない患者において、脳の器質的損傷による高次脳機能障害が発生するかという裁判上の問題については極めて懐疑的でした。
研修の内容が難し過ぎて、私自身が短時間の意識消失を繰り返していました。(^-^;
ただ、せっかく、田舎から出てきているために、質問をしようと思い、3月に発表された自賠責保険の報告書との関係について質問してみました。
吉本先生の講義を聴いた後に、高野真人先生が作成されたレジュメを読むと、一層、理解が深くなったような気がいたしました。
MTBIを含む高次脳機能障害事案はコストをかけて勉強している分野なので、どんどんMTBI事案の依頼がくるといいのですが・・・・・













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