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2011年8月11日 (木)

【法律その他】 精神神経科の医師の患者に対する言動と上記患者が上記言動に接した後に、PTSDと診断された症状との間に相当因果関係があるということはできないとされた事例 最高裁平成23年4月26日判決

 判例タイムズNo1348号(8月1日号)で紹介された最高裁平成23年4月26日判決です。

 元患者から、診察に対応した医師が所属する病院に対して、損害賠償請求がなされた事案ですが、なんと高裁は、病院に対して200万円余りの賠償義務を負わせているのです。

 事案は以下のとおりです。

 平成16年1月9日、Xは、Y病院のA医師の診察を受けました。A医師は、主訴である頭痛について精査するため、Xに同病院の脳神経外科でMRI検査を受けさせ、同科の医師から筋緊張性頭痛という診断を得た。

 同月30日になって、Xは、診療受付終了時刻の少し前頃、電話で強引に同日の診察を求めたことから、A医師は、検査結果を伝えるだけという条件でXと会うことを了承し、診察室に入ってきたXに対して、検査結果に異常はなく、今後は脳神経外科を受診すればよく、精神神経科を受診する必要はない旨を告げて面接を終了しようとしたところ、

 Xが質問などを繰り返したためこれに答える形で、

 Xは人格に問題があり普通の人と行動が違う、

 Xの病名は人格障害であるなどの発言をし、

 さらに質問を繰り返そうとするXに対して、話はもう終わりであるから帰るよう告げて、診察室から退出しました。

 Xは、Yに対して、A医師の言動によりそれまで抑えられていたPTSDの症状が現れた旨主張して、診療契約上の債務不履行又は不法行為に基づき、損害賠償を求めたケースです。

 裁判所は、第2審の判断を破棄して、Xさんの請求を棄却しました。

 以下、判決要旨を紹介します。

 精神神経科の医師が、過去に知人から首を絞められるなどの被害を受けたことがある患者に対し、

 人格に問題があり、病名は人格障害であると発言した後、

 上記患者が、精神科の他の医師に対し、頭痛、集中力低下等の症状を訴え、上記の言動を再外傷体験としてPTSDを発症した旨の診断を受けたとしても、

 次の(1)、(2)など判示の事情の下においては、上記の言動と上記症状との間に相当因果関係があるということはできない。

 (1)上記言動は、それ自体がPTSDの発症原因となり得る外傷的な出来事に当たるものではないし、上記患者がPTSD発症のそもそもの原因となった外傷体験であるとする上記被害と類似し、又はこれを想起させるものでもない。

 (2)PTSDの発症原因となり得る外傷体験のある者は、これとは類似せず、また、これを想起させるものともいえない他の重大でないストレス要因によってもPTSDを発症することがある旨の医学的知見が認められているわけではない。

 

 このような発言で賠償が認められるとすれば、怖くて何もいえないです。

 判例タイムズも、「本判決は、XがPTSDと診断されたことを前提として、PTSDの診断基準ないし医学的知見を踏まえ、違法と主張される行為とPTSDと診断された症状との間の相当因果関係を否定すべきであるとの診断を示したものであり、事例判断であるが、PTSD概念の一般化に伴い、訴訟に於いて、ややもすれば安易にPTSDを発症した旨の主張がされるようになっているとの指摘もある中で、実務の参考になる点も多いと思われ、紹介する次第である。」と説明されています。

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