【流通】 幼児が祖母からこんにゃく入りゼリーを与えられ、食べた際に、喉に詰まらせ窒息死した事故について、こんにゃく入りゼリーの設計上の欠陥、警告上の欠陥が否定された事例
判例時報No2096(2月1日)号で紹介された神戸地裁姫路支部平成22年11月17日判決です。
この判例は、平成20年7月ころ、幼児がこんにゃく入りゼリーを食べ、喉に詰まらせ窒息した事故について、その欠陥(設計上の欠陥、警告上の欠陥)の有無が問題となったケースです。
こんにゃく入りゼリーは、私の子どもも大好物だったため、人ごとではありません。
但し、裁判所は、子どもの遺族からの請求を棄却しました。
まず、設計上の欠陥については、ミニカップ容器の上蓋をはがせないような乳幼児には保護者等が本件食品を適当な大きさに切りわけるなどして与えるべきであり、切り分けしないで与え、誤嚥したとしても、それは本件食品の設計上の欠陥を徴表するものではないとしました。
次に、警告表示上の欠陥については、本件食品の外装の表面には子ども、高齢者が息苦しそうに目をつむっているイラストが、裏面には、子ども・高齢者が喉を詰まらせるおそれがあり、食べないよう赤字で警告されている等の記載があり、一般の消費者に対し誤嚥による事故発生の危険性を周知するのに必要十分であったとして否定しました。
痛ましい事件ですが、保護者等周りの方が注意するしかないようです。
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