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2011年2月28日 (月)

(採用情報) 法律事務所のスタッフ 急募 (今治) ※決まりました。ありがとうございました。

 スタッフ(法律事務職)を急募することになりました。

 現在、弁護士2名、スタッフ(法律事務職・常勤)4名体制ですが、1名の方が、3月末日で退職されることから、1名~2名を急遽募集することにいたしました。

 当事務所が求める人物像は、

 ① 健康で明るい方

 ② 大学卒(或いは同等の学力を有する方)

 ③ ワープロ、エクセル等のPCが使える方

 ④ 協調性の富む方

 ⑤ 多数の文書を作成することに対してアレルギーがない方

 です。

 詳しい採用条件は、ハローワーク(今治)で掲示しています。

 

【行政】 今治市集中改革プラン (今治市行政改革推進審議会)

 今年度最後の「今治市行政改革推進審議会」が、今治市役所で開催されました。

 本日は、平成22年~同26年度までの新集中改革プランの答申案を、今治市行政改革推進審議会で承認した上で、午後に、今治市長に対して、今治市集中改革プランを答申いたしました。

 今治市は、平成20年度から、58億円という大きな地方交付税の交付を国から受けていますが、58億円という交付金は、平成26年度までの合併特例期間までであり、平成27年度からは、順次減らされ、平成32年度には、0円となってしまいます。

 このため、このまま何も手を打たなければ、平成32年には、なんと233億円という巨額の収支不足に陥ることになります。

 皆さん、御存じでしたか?

 「これをなんとかせねばいかん」ということで、行政改革推進審議会にて、改善のための方途を答申し、あくまで計画ですが、平成32年の収支不足を、54億円におさえるための具体的な方策の答申を行いました。

 それでも、54億円の収支不足は避けられないのですが、これは、財政調整基金等の取り崩しで対応することになっています。

 答申では、定員適正化等の人事面、経費削減等の財政面、事務業再編等の行政経営面の「3つの柱」から成り立つ個々の具体的な方策を提言しています。

 その内容は、今治市に対して、節約を求めるものが大半ですが、夕張市のようなことにならないよう、精一杯努力していただきたいものです。

2011年2月27日 (日)

【金融・企業法務】 適合性原則に違反する証券取引であったとして顧客の証券会社に対する損害賠償請求を一部認容した第一審判決を、控訴審において適合性原則に違反する証券取引ではなかったとして取り消し、顧客の請求が全部棄却された事例 大阪高裁平成22年7月13日判決

 判例時報No2098号(2月21日号)で紹介された大阪高裁平成22年7月13日判決です。

 第1審判決は、平成14年10月までの間の取引のうち、NTT株の購入(本件取引)につき、それ自体は特別に大きなリスクを伴う取引ではないが、Xにとっては、その金融資産の約64%を投入するものであって、過大な危険を伴うものであるから、Yの担当者において、Xがその取引の危険性を認識しているかどうかを確認し、購入株数が過大であることを指摘して再考を促す等の指導・助言をする信義則上の義務があったのに、同義務を果たさす行われた本件取引の勧誘行為は、適合性の原則から著しく逸脱したものであって、不法行為を構成する判断しました(但し、7割過失相殺)。

 これに対して、控訴審判決は、適合性原則違反を否定して、Xの請求を棄却しました。

 適合性原則違反を否認した理由は以下のとおりです。

 本件取引は株式の現物取引であってそれ自体、リスクが過大であるとはいえない

 NTTのような大企業にあっては、その経済的又は社会的活動等がマスコミ等により報道される場合も多く、その投資の判断が一般人であっても容易である面があるところ、本件NTT株の購入は、XがYの担当者の説明に基づいて自らの自由な判断の下に株数を決定して行い、当該担当者(ないしその上司)において、勧誘の方法、態様に違法な点があったとは認められない。

 金融商品取引における適合性違反による不法行為の成否については、最高裁平成17年7月14日判決が有名です。

 この判決は、適合性原則に違反するということが、「自己責任で行う適性を欠き、取引市場から排除されるべき者である」ということを述べているのですが、判例時報の解説者は、この判示部分がもっと重要視されるべきだと述べています。

 少し、解説を引用します(同書P64)。

 (最高裁平成17年7月14日判決の)事案における取引は、オプション取引であったところ、

 前記判示に続けて、「証券会社の担当者によるオプションの売り取引の勧誘が適合性の原則から著しく逸脱していることを理由とする不法行為の成否に関し、顧客の適合性を判断するに当たっては、単にオプションの売り取引という取引類型における一般的抽象的なリスクのみを考慮するのではなく、当該オプションの基礎商品が何か当該オプションは上場商品とされているかどうかなどの具体的な商品特性を踏まえて、これとの相関関係において、顧客の投資経験、商品取引の知識、投資意向、財産状態等の諸要素を総合的に考慮する必要があるというべきである。」との見地に立ち、

 これを当該事案に当てはめ、

 「オプション取引は抽象的な権利の売買であって、現物取引の経験がある者であっても、現物取引の経験がある者であっても、その仕組みを理解することは必ずしも容易とはいえない上、とりわけオプションの売り取引は、利益がオプション価格の範囲に限定される一方、損失が無限大又はそれに近いものとなる可能性があるものであって、各種の証券取引の中でも極めてリスクの高い取引類型であることは否定できず、その取引適合性の程度も相当に高度なものが要求されると解される。」が、

 「本件で問題となっている日経平均株価オプション取引・・・の売り取引は、単にオプションの売り取引という類型としてみれば、一般的抽象的には高いリスクを伴うものであるが、そのことのみから、当然に一般投資家の適合性を否定すべきものであるとはいえないというべき」ところ、

 被上告人の側の投資経験、証券取引の知識、投資意向、財産状態等をみると、

 被上告人が、およそオプションの売り取引を自己責任で行う適性を欠き、取引市場から排除されるべき者であったとはいえないというべきである。」と判示しています。

 解説者は、今回の判決についても、Xが本件NTT株の購入を自己責任で行う適格を欠き、本件NTT株の購入という市場取引からXが排除されるべき者であったか否かという見地からみると、その判断の是非が分かり易いと思われると指摘しています。

 参考になりそうなメルクマールですね。

 

 

2011年2月26日 (土)

【金融・企業法務】 銀行が顧客から割引依頼を受けて預かった手形を顧客に再生手続が開始された後に取り立て、その取立金を顧客に対する債権の弁済に充当することの可否 名古屋高裁金沢支部平成22年12月15日判決

 金融法務事情No1914号(1月25日号)で紹介された名古屋高裁金沢支部平成22年12月15日判決です。

 同裁判所の判決要旨は、銀行は、顧客から割引依頼を受けて預かった手形を顧客に再生手続が開始された後に取り立て、その取立金を顧客に対する債権の弁済に充当することができるというものです。

 田舎弁護士なので、難しいことはわかりませんが、東京高裁平成21年9月9日判決が、今回の名古屋高裁とは異なる内容の判断を示してから、金融機関からは「困った」という声が聞かれていました。

 今回の判決により、金融法務事情もその表紙で、「高裁判断イーブンに!」と記載して、金融関係者にとっては、「うれしい内容の判決」と編集後記に書かれています。

 岡弁護士が、今回の判決の判断理由をきれいに整理して説明されているために、引用いたします(同書P29)。

 ① 銀行は、長らく、本件のような商事留置手形の取立充当約定を結び、顧客に債務不履行があった場合には実際に取立・充当するという取扱いをしてきた。銀行も債務者も、割引依頼手形が上記のように取り扱われることを当然の前提としてきたし、このことは取引界において広く知れ渡っていた。銀行が、顧客に債務不履行があった場合、銀行の占有下にある手形につき、約定に基づき取立・充当することが、再生債務者の予期に反するものとはいえない

 ② 再生手続における商事留置権者としては、留置物を留置することにより、返還と引換えに、裁判所の許可を前提に、被担保債権の任意の弁済を求めることができるから、本来、留置物は再生債務者の責任財産を構成している訳ではなく、再生債務者が再生計画を遂行するための事業原資となることも予定されていなかったものともいえる

 ③ 弁済充当が許されないことは、優先弁済を期待した銀行の予期に反する結果をもたらすことになる。

 ④ 銀行による占有手形の換価は、手形交換制度という取立をする者の裁量等の介在する余地のない適正妥当な方法によるものであるし、こうした担保権の行使による優先弁済に対する銀行の期待を合理性のないものということはできない。

 ⑤ 再生手続では銀行取引約定に基づく弁済充当が許されないとすれば、再生手続における商事留置権者の地位の保護は、他の倒産手続と著しく異なる結果となり、このことは他の倒産手続と再生手続との違いを考慮しても合理的とはいえない。また、銀行及び債務者は、割引依頼手形についても担保の目的とすることを前提に取引をしているところ、債務者がいかなる倒産手続を選択するかという、専ら債務者側の事情によって、商事留置権者である銀行の地位に大きな違いが生じることになり、銀行を不安定な地位に置くことになる。

 ⑥ 上記のような事情を総合考慮すると、銀行が自ら占有する手形について商事留置権を有している場合には、銀行取引約定により、手形を手形交換に回し、取立金を被担保債権である貸金債権に充当することは、民事再生法85条1項の趣旨ないし目的に反するものとみることはできず、民事再生法53条による別除権の行使として許される

 う~ん 難しい問題ですが、田舎弁護士の地域では余り民事再生はないので、記憶の隅にでも置いておくことにしようか。

2011年2月24日 (木)

【建築・不動産】 困った 老朽貸家・貸地問題 (清文社)

 平成22年11月19日に発行された「これで解決!困った老朽貸家・貸地問題」(清文社)をざっと読んでみました。

 この本の特徴は、弁護士と税理士の執筆者による法律と税務の問題を総合的にまとめ、しかも、わかりやすく記載されている良書ということです。

 目次をみると、①貸家・貸地にかかわる法律と税務の基礎知識、②貸家問題の法律と税金の問題解決策、③借地問題の法律と税金の問題解決策、④こうして解決する老朽貸家と貸地の問題とに、区分されています。

 特に税金との関わりについての説明は、租税に疎い私のような従来の田舎弁護士にとっては大変ありがたかったです。

 それと、今年施行予定の賃借人居住安定確保法について少し触れられているのは、すっかりこの法律の存在を忘れてしまっている身にとっては、注意喚起となりました。

 この法律によって、権利の行使であっても、人の生活や業務の平穏を害するような行為は、刑罰をもって禁止されることになりましたので、本当に注意が必要です。

2011年2月23日 (水)

私立学校法関係の書籍

 田舎弁護士にとっては、余り縁のない分野の書籍ですが、ひょんなことから、私立学校法を勉強しなければならないことになり、現時点で、私が入手することができた書籍について報告させていただきます。

 同種事案を取り扱った方の参考になれば幸いです。

 まず、「私学必携(第14次改訂第二版)」(第一法規)(平成22年2月20日発行)(5600円+税)です。これは法令集であるため、大規模書店では置いていることが多いと思います。

 次に、「私立学校法講座(平成21年改訂版)」(学校経理研究会)(平成21年7月24日発行)(5040円)です。文科省の役人の方が執筆されたものであり、大変詳しいものです。平成21年に新しい版がでました。

 

 第3に、「逐条解説私立学校法」(学校経理研究会)(平成22年11月15日発行)(7875円)です。これも文科省等の役人の方が執筆されたものであり、コンメンタールとしての活用が期待できそうです。

 第4は、「解説私立学校法(新訂版)」(法友社)(平成22年11月13日)(4200円)です。これは、文科省の勤務経験のある弁護士の手によるものです。そのためか、清算手続にも少し深く説明があるので助かりました。

Photo

 財布の中は、金欠となりましたが・・・moneybag

 他によさそうな本があれば、どなたか情報を下さい。 happy01

2011年2月22日 (火)

【消費者法】 弁護士による任意整理の弁護士費用の上限が日弁連の総会で決まりました・・・

 過払金を巡っては、一部弁護士の、不適切な勧誘、受任及び法律事務の処理や、不適正かつ不当な額の弁護士報酬が、マスコミなどで報道され、社会問題の1となっています。

 このために、日弁連は、臨時総会を2月9日に開催して、債務整理事件処理の規律を定める規程案を提案し、賛成多数で可決されました。

 まず、電話だけで受任する事務所が存在したことから、原則として、弁護士が自ら依頼人である債務者と面談して、債務の内容や生活状況等を聴取しなければならないことになりました。従って、特段の事情がない限り、電話のみで受任することは、会則違反となります。

 次に、弁護士費用についての上限を定めました。減額された場合には、減額された金額の10%、過払金の返還を受けた場合には、返還を受けた金額の25%が、上限となりました。

 さらに、過払金の返還を受けた場合には、債務者に速やかに報告し、清算方法を協議した上、清算の結果を書面により報告しなければならないことになりました。

 この規程は、平成23年4月1日から施行されることになっています。当事務所の報酬委任契約書も、同規程に施行に伴い、一部変更いたします。

2011年2月21日 (月)

【消費者法】 武富士の更生債権届出の〆切がもうすぐ終了します

 武富士の更生債権の届出期間が、原則として、平成23年2月28日までとなっていますので、心当たりがある方は、急いだ方がいいと思います。

 私が所属する事務所でも、武富士の届出の関連で、今月は、いつもより、債務整理のご相談が増えたように思います。

 心当たりのある方は、早急に、武富士のコールセンターにまでお問い合わせをした方がいいと思います。

 とはいえ、最近は、どの消費者金融会社も、経営状態が厳しく、数年前と異なり、適切な金額の回収が難しくなっております。

 そのため、提訴する案件も増えていますが、業者の抵抗も強く、裁判も長期化しているものも、少なくありません。

 ご相談者様からは、「(長期化して)倒産しないか?」という心配が日々強くなっているように思います。

 近い将来に、相手方が倒産するのかしないのかは、残念ながら、私にもわかりません。

 しかし、いずれにしても、過払い金の請求は、早ければ早い方が好ましいといえます。 

 他方で、過払い金の回収をめぐって、弁護士や司法書士とのトラブルも増えています。

 4月からは、日弁連の債務整理規程が施行されますので、それに応じた形に、報酬規定等を変更する必要があります。

 現在、事務所のHPもリニューアルの準備中なので、来月下旬には、新しいHPで、新しい報酬規程も発表したいと思います。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。

【労働・労災】 従業員のうつ病発症については会社の安全配慮義務違反は認められるが、自殺との間には相当因果関係は認められないと判断された事例 大阪地裁平成22年2月15日判決

 判例時報No2097号(2月11日号)で紹介された大阪地裁平成22年2月15日判決です。

 本件は、Y会社において旅行関連業務に従事していた従業員Aが、うつ病に罹患し自殺したのは、Yの安全配慮義務違反又は不法行為によるものであるとして、Aの遺族Xらが、Yに対して求めた損害賠償の事案です。

 裁判所は、以下の理由に基づき、Aの精神面を含む健康管理上の安全配慮義務に違反するものであり、この行為によりAのそのころ発症した不安、抑うつ状態を持続、長期化させ、うつ病の発症に相当程度寄与したと認定しました。

 ①Yに入社後の健康診断で血清肝炎を指摘され、Yの健康指導員の指導を受けるようになり、C型慢性肝炎の治療として内服、静脈注射を受け、その間にインターフェロン治療を提案されたがこれに応じなかったこと

 ②平成16年4月、AはYの支店に異動となったが、その頃インターフェロン治療を受けることを決め、上司らに申告したところ、衛生管理担当のB次長から転勤直後に入院治療を受けることを非難するような発言をされたこと

 ③平成16年5月、Aは入院したインターフェロンの投与を開始し、副作用等による一時中断があったものの、同年7月に退院し、以後通院による治療を受けることになったこと

 ④そこでAは復職のためB次長らと面談したが、その際に、Bから「治療に専念した方がよいのではないか。自分から身を引いたらどうか。」等退職を示唆する発言がされ、Aに相当の精神的衝撃を与え不安症状を強めたこと

 他方で、

 当時のAの病態、症状等を最大限に考慮しても、Yにおいて、Aが自殺することについてまで具体的な予見可能性や予見義務があったとは認められないことから、

 Aの自殺との間に相当因果関係は認められないと判断しました。

 そして、結論的には、うつ病に罹患した慰謝料として、300万円を認めました。

 この判決は確定したようです。

 

2011年2月20日 (日)

【交通事故】 賠償科学 NO37

 日本賠償科学学会の機関誌である「賠償科学」が最近事務所に届きました。

 特集として、

 古笛恵子先生(弁護士)の「交通事故訴訟における賠償科学」というテーマにて、PTSD、RSD・CRPS、高次脳機能障害、脳脊髄液減少症・低髄液圧症候群、むち打ち損傷についての、現状についての簡潔な報告がされていました。

 また、小賀野晶一先生の「素因競合と割合的認定」も、理論面から考察されており、参考になりました。

 さらに、平林洌先生(医師)の「脊椎・脊髄を中心に」というテーマの中の、「中心性頸髄損傷と神経根症の混乱」、「外傷性椎間板ヘルニアの乱用」については、得ることが大きかったと思います。

 吉本智信先生(医師)の「軽度外傷性脳損傷(MTBI)」では、「MTBIが脳の器質的損傷による高次脳機能障害を引き起こすという根拠に基づいた医学文献は現在まで存在しない。しかし、MTBIの定義がばらばらであるという問題が存在した。今後は、2004年にWHOが提案したMTBIの定義を基にした研究が進められると思われる。」と解説されていますが、まだまだMTBIが認知される道程は遠いようです。

 そして、最後に、交通賠償実務の権威者のお一人である高野真人先生(弁護士)による「損害賠償における『器質性後遺障害』と『非器質性後遺障害』概念の持つ意味」については、拝読して、なるほどなあと感じることが多々ありました。

 学際的な学会は、非常に刺激的であり、大変勉強になります。

2011年2月19日 (土)

【法律その他】 携帯電話基地局から発射される電磁波による健康被害を理由として当該基地局の操業の差止め等を求める請求を棄却した第1審判決が、控訴審において是認された事例 福岡高裁平成21年9月14日判決

 判例タイムズNo1337(2月15日)号で紹介された福岡高裁平成21年9月14日判決です。

 電波塔から発する電磁波については、各地で反対運動が起こっているニュースを報道されることもあります。そういえば、予讃線の電車の中からも、鉄塔について反対している看板を見たことがあります。

 裁判所で争点になったのは、基地局から発せられる電磁波による健康被害の有無・程度の問題となります。

 裁判所は、

 本件基地局から発射される電磁波は、法基準値から見る限り、付近住民に健康被害をもたらすものではないが、

 その後の科学の進展から暴露の長期的影響等電磁波の健康への有害な影響が認められるのであれば、法基準値を充たしているのみでは健康被害の予防について充分ではないとして、

① 電磁波の健康への影響を示唆する研究

② EU議会の動向、フランス控訴院判決等

③ 各国における規制値

④ Xらの症状

 につき、人格権の侵害を理由とする差し止め請求の立証責任は、想定される侵害行為の有無、態様、侵害の程度、被侵害利益の性質と内容、侵害行為の持つ公益上の必要性の内容と程度などの諸般の事情を総合考慮して、

 被害が一般社会生活上受忍すべき程度を超えるかどうかによって決定すべきであるとの見地に立って検討した結果、

 本件基地局からの電磁波の放射によりXらの健康に具体的な危険が発生すると認めることはできず、本件基地局からの電磁波による健康被害のおそれがあるとはいえない

 と判断しました。

 電磁波による健康被害については、人ごとではありませんので、関心がありますが、生活を営むために不可欠であることから、悩ましい問題です。

2011年2月18日 (金)

【法律その他】 清算条項の範囲???

 判例タイムズNo1337号(2月15日号)で紹介された大分地裁平成20年9月16日判決です。

 和解を行う時には、必ずと言ってもよい程、「何ら債権債務の存在しないことを相互に確認する」という清算条項が入ります。

 この際に、「本件に関し」という限定のある表現を清算条項の前に記載することが少なくありません。「本件に関し」との限定を付されてる清算条項の場合には、訴訟物を中心とした権利関係を清算する趣旨であることが多いと思いますが、訴訟物以外の権利関係も清算したのか、清算したとすればどの範囲について清算したのかが、後日問題とされることもあるようです。

 裁判所は、

 乙が名義貸しをして甲との間で空リース契約を締結したことを理由とする甲の乙に対する不法行為に基づく損害賠償請求権につき、

 甲が乙に対して未払リース料ないし未払リース料相当の損害金を求めた民事調停事件において成立した調停調書の「本調停条項に定めるほか、本件に関し何らの債権債務の存在しないことを相互に確認する」旨の清算条項により、

 これが免除されているとして、甲の請求を棄却しました。

 甲は、840万円の損害を被っているにもかかわらず、調停では、わずか50万円で和解しています。しかも、調停時において、甲は、前記リース契約が名義貸しで且つ空リースであることを認識していたようです。

 う~ん。

 甲の請求は、相当に難しいと思いますが、おそらくは、調停後さらに詳細な事実が判明したため、甲としてもそのまま放置することができなかったのでしょうと、勝手に想像しています。

 和解するときにはある程度の調査の他、依頼人に対する充分な説明などの注意が必要です。とはいっても、後日に詳細な事実が判明することもあるため、難しい場合もありますが・・・

 

2011年2月17日 (木)

【建築・不動産】 近隣住民の賃貸マンションの建築確認処分の差止めを求める請求が認められなかった事例 那覇地裁平成21年1月20日判決

 判例タイムズNo1337号(2月15日号)で紹介された那覇地裁平成21年1月20日判決です。

 事案は以下のとおりです。

 訴外Aは、石垣市に7階建てマンションの建築を計画し(本件建築計画)し、沖縄県の建築主事に対して、建築確認申請を行いました。

 そこで、本件マンションの敷地の近隣住民であるXらは、本件確認申請に対して建築確認処分が行われると、Xらに生活環境、景観等に重大な損害が生ずることが明らかであるとして、行政事件訴訟法37条の4に基づき、本件建築確認処分の差し止めを求めました。

 裁判所は、まず、原告適格について、以下のとおり、判断しました。

 本件マンションの敷地の西側に隣接する土地に居住するX1は、本件マンションが倒壊した場合には、生命、身体及び財産に直接被害が及ぶ可能性があることは明らかであり、本件建築確認処分の差止めを求めるにつき法律上の利益を有する者に該当するが、 

 その余のXらは、法律上の利益を有する者に該当するが、重大な損害が生ずるおそれがあるものと認めることができず、差し止めの訴えの要件を欠き、不適法である。

 次に、裁判所は、

 本件建築計画が建築基準法19条4項に違反すると認めることはできない

 石垣市風景づくり条例、石垣市風景計画、石垣市自然環境保全条例、農振法は、いずれも建築基準関係規定にあたらず、建築基準法6条1項の建築確認審査の対象となるものではなく、X1の主張は採用できない

 と判断しました。

 X1にとっては、門前払いという結果にはなりませんでしたが、「本件建築計画に係る建物に『がけ崩れ等におる被害を受けるおそれ』があるとか、本件建築計画が本件敷地の安全性を確保する措置を講じていないことを認めるに足りる証拠はない」として、請求を棄却しました。

 マスコミなどでもとりあげられたケースのようです。

2011年2月16日 (水)

【金融・企業法務】 信用金庫の出資持分権につき譲渡命令を発令する場合において、評価人による評価を経ずに、当該譲渡価額を決定することの可否について判断(積極)した事例 東京高裁平成22年5月28日決定

 金融法務事情No1915号(2月10日号)で紹介された東京高裁平成22年5月28日付決定です。

 事案の内容は、以下のとおりです。

 抗告人(信用金庫)は、債務者の第三債務者(抗告人自身)の出資持分権(1万2500口。但し、1口20円)を差押え、その譲渡命令を申し立てました。

 抗告人は、公認会計士により上記出資持分権の評価を経なくても、第三債務者が差押債権者に交付する出資持分価額証明書により適切な譲渡価額を決定できる旨主張して、評価料の予納(66万5000円)を拒みました。

 原審裁判所は、抗告人が評価料の予納をしないので、民事執行法14条4項に基づき譲渡命令の申立を却下したところ、これに対して、本件執行抗告が申し立てられました。

 抗告審の判断は、以下のとおりです。

 譲渡命令の仕組みおよび特質からすれば、執行裁判所において、容易に債権等の価格を算定することができると見込まれる場合を除き、公認会計士等の専門的知見を有する者を評価人に選任し、これに評価を命ずることとする取扱いが相当である。

 しかし、信用金庫の持分の時価は出資1口当たり定款で定める金額(券面額)に出資口数を乗じた額とする旨の当該信用金庫が作成した出資持分価額証明書の提出がある場合には、

 一件記録記録に現れた諸事情を勘案し、特段の事情が認められない限り、上記券面額に出資口数を乗じた額となる蓋然性があるものと疎明されているとみるのが相当である。

 そして、本件では、抗告人は、執行裁判所に対し、本件出資持分権の譲渡価額がその出資額を上回ることはない旨および譲渡価額決定の資料として出資持分価額証明書を提出する用意がある旨述べており、上記疎明の余地がある。

 

 その後、差戻審では、債務者に対する審尋は行ったが、評価人による評価は行わず、抗告人の提出した本件証明書記載の金額に従って譲渡命令を発令し、同命令は確定しました。

 倒産案件などで信用金庫が絡んだ場合に、債務者が有している出資の処理が問題となることがあります。処理の1つの方法として、譲渡命令の申立という方法があることが今回の判例で知りました。

 但し、債務者の出資といっても数万円から数十万円程度にとどまることが少なくないでしょうから、余り費用をかけないで処理できるといいなあと思いました。

2011年2月15日 (火)

【保険金】 価額協定特約の分損評価は新規物件に復旧させる修理費と認定しコンセントからの出火を認めて保険金支払いを認容した 高松高裁平成21年12月3日判決

 自保ジャーナルNo1839(2月10日)号で紹介された高松高裁平成21年12月3日判決です。

 原審は、松山地裁平成21年6月29日判決です。

 判決要旨は以下のとおりです。

(1) 価額協定特約付店舗総合保険契約を締結しているゴルフ練習場が焼失分損した事案につき、特約なしでは「直前の状態に復旧させるために必要な修理費」に対し、特約付きでは「新規物件の状態に復旧させるために必要な修理費」であると認定しました。

(2) また、出火原因につき、「作業場には灯油、缶、シンナー缶などが置かれた」場所、トラッキングにより「2口コンセント付近にはウエス(ぼろきれ)」に「燃え移ることがないと断定することはできない」とし、Xの経済状態も欠損金に近いが「賃料収入もあった」し、コンセントの差し放しが「重過失を基礎付けるような事情であるとはいえない」として保険金支払いを認容しました。

 被告側は、被告の放火に近い状態「故意または重過失」による免責を主張しましたが、裁判所には受け入れられませんでした。

 解説者によれば、「本件の決め手は、被告の実験結果が科学的に反証として必ずしも充分信頼性に値するものではないと裁判所に判断されたこと」と解説しています。

 

2011年2月14日 (月)

【交通事故】 1級両下肢運動不能残す24歳男子は既往の知的能力に問題なく手術、リハビリ、体力作りで脳性マヒを克服、健常者並み会社員で平均賃金を得ているなどセンサス平均で100%労働能力喪失により後遺障害逸失利益を認めた 大阪地裁平成22年3月8日判決

 自保ジャーナルNo1839(2月10日)号で紹介された大阪地裁平成22年3月8日判決です。

 被告側は、原告(24歳)に幼年期に脳性マヒによる既往症があることを根拠に、労働能力喪失率を算出するにあたってはこの点を考慮すべきであると反論しています。

 裁判所は、

 原告の知的能力には問題がなかったこと

 足の障害についても、その後の各手術や、リハビリ、スポーツジムがよいによる体力作りによって靴底に足底板を装着する程度で健常者と同じように歩ける水準まで回復し、事故当時、会社に就職し、事務一般を担当して、自動二輪車の運転もしていたこと

 を理由に、事故前の既往症については考慮しませんでした。

 また、判決文を読む限りでは、被害者と、加害者やその保険会社との間では、かなり大きな感情的なシコリがあったことを垣間見ることができます。

 

2011年2月13日 (日)

【交通事故】 36歳男子空手指導員の14級9号後遺障害逸失利益は年195万円余の確定申告額を基礎に5年間7%労働能力喪失等から心因性で20%控除した さいたま地裁平成22年9月29日判決

 自保ジャーナルNo1839号(2月10日号)で紹介された裁判例(さいたま地裁平成22年9月29日判決)です。

 いわゆるむち打ち症例の事案(事故平成20年2月、症状固定平成20年8月)ですが、裁判所は、後遺障害逸失利益について、労働能力喪失率は7%、喪失期間は5年、但し、心因性の素因により、20%を減額しています。

 労働能力喪失率は、一般的には、5%ですから、それ自体は被害者に有利に斟酌されています。

 その根拠としては、原告が本件事故当時に就いていた職務の性質と、症状固定後の職務制限状況、実際の収入減の状況等を総合考慮して、判断されたようです。

 労働能力喪失期間については、5年ですから、標準的な労働能力喪失期間を認めています。原告は、15年として請求していますが、裁判所は、症状固定後の自覚症状の推移や通院状況を考慮して、5年と判断しています。

 但し、事故の程度、愁訴の内容等を考慮して、心因的な理由で、20%を減額しています。

松山日帰り旅行 ~エミフル松前~

 昨日から子どもがおもちゃを買って欲しいと願ってくるため、エミフル松前にまで子どもを連れて出かけることにしました。

 いつものようにJR及び伊予鉄(私は1デイチケット及び郊外線600円、子どもはイーカード)を利用して、エミフル松前にまで行ってきました。

 エミフル松前は、今日もたくさんのお客さんで大変にぎわっていました。

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 古泉駅方面から見たエミフル松前の様子です。

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 明日がバレンタインなので、綺麗なチョコがたくさん並んでいました。

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 こんなお店いつのまにできていたのでしょうか・・・・入ってみたい

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 「明日のジョー」が始まっているようです。子どもが興味津々。

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 もう1人の子どものために、LUSHで、ソープのお買い物をしました。

 お腹が減ったので、万豚記に入ってランチをとることにしました。

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 とても大きな餃子です。

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 スパイシーチキン炒飯です。とても辛かったです。

 エミフルでは、子どものお目当てのベイブレードのコマや、私の靴下(50%引き)を購入して、今度は、三越松山店を訪ねることにしました。

 三越では、ちょうど、「黄金の世界店」が開催され、今日が最終日でした。

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 「太閤秀吉の黄金の茶室」が復元されており、興味津々でした。

 乗った体重が金だとしたら、いくらになるのか表示される体重計ならぬ金重計が置かれていました。

 子どもが約1億円強、私が約4億円弱でした。

 金、金、金で、子どもも、目が lovely になっていました。

 松山を満喫した後は、キスケのゆで、ゆったりと温泉に入って、帰りました。

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 少し寒かったですが、とても楽しかったです。

2011年2月12日 (土)

【建築・不動産】 あれれ 最高裁平成22年4月20日判決

 金融法務事情No1915号(2月10日号)の判決速報で紹介された最高裁平成22年4月20日判決です。

 事案は、以下のとおりです。

 本件建物は、もとCの遺産でした。BとY(上告人)は、Cの子で、その相続人です。Cは、平成3年に死亡して、Bが遺産分割協議書により本件建物を取得しました。従って、Yは、本件建物については、何らの持分を有していません。他方、Bは、平成9年に死亡して、その妻であるX1(被上告人)が持分2分の1、子であるX2(被上告人)及びAが持分各4分の1を取得しました。

 実体法的には、

 X1 2分の1、X2 4分の1、A 4分の1 の持分を有しているわけです。

 ところが、本件建物には、

 Y 2分の1、X1 4分の1、X2 8分の1、A 8分の1とする所有権保存登記(本件保存登記)がされていました。

 そこで、Xらは、本件建物につき、Yは何ら持分を有していないのに、Yの持分を2分の1とする本件保存登記がされている旨主張して、Yに対して、共有持分権に基づき、本件保存登記のうちYの持分に関する部分の抹消登記手続を求めました。

 第1審、第2審ともに、Xらの請求を認めました。

 形式上は、Xらが勝訴したわけですが、両手をあげて喜んでいわれないようなことになっています。

 それは、「原審は、被上告人らの本件登記部分の抹消登記手続請求を認容すべきものとしたにとどまると解しうるとしても、そのような判断は、1個の登記の一部のみの抹消登記手続を命ずるものであって、不動産登記法上許容されない登記手続を命ずるものといわざるを得ない」と最高裁が示しているように、登記ができないという恐ろしい状態になっています。

 そして、最高裁は、

 Xらの本件登記部分の抹消登記手続請求は、本件登記部分を実体的権利に合致するための更正登記手続を求める趣旨を含むものと解することができること

 但し、Xらは、自己の持分についての更正登記手続を求めることができるにとどまり、Aの持分についての更正登記手続を求めることはできないとして、

 X1 2分の1 X2 4分の1 Y8分の1 A8分の1

 というにとどめました。

 つまり、本来無権利者であるYの持分8分の1が登記上残る形になっています。

 Yの上告理由自体は簡単に排斥していますが、職権で原判決が破棄されています。Xらにとっては怪我の功名というべきか?どうかわかりませんが、登記できるようにはしてくれたわけです。

 但し、今後登記上残るYの持分 8分の1については、どのように処理されるべきなのでしょうか?

 XらがYの持分8分の1を承認されるのであれば、共有物分割でしょうかね?

 或いは、AがYに対して更正登記手続請求訴訟を申立を行うのでしょうかね?・・・・

 難しくて私にはわかりません・・・・

 なお、解説には、「本判決は、以上に述べた判例法理を改めて確認するものではあるが、同種事案を取り扱う関係者に注意を促すものとして、参考になると思われるので、紹介する」と記載されています。

 最近、司法書士の先生から、「審判や判決書で登記できないことがあるんだよね」という言葉を聞いたことがありますが、弁護士は必ずしも登記には精通していないことも少なくありませんので、登記関係訴訟は、専門家である司法書士の先生のリーガルチェックを経て、申立をする必要がありそうです。

2011年2月11日 (金)

辞任と、実費

 辞任や解任された場合の弁護士費用について、弁護士の遠藤きみ先生が非常に参考になる記事を書いておられました。

 私も、弁護士を開業して10年以上経過していますが、依頼された事件を実質的に解任されたのは、10年以上前の1件だけですが、自ら辞任したもの(但しいずれも合意解約書をとりかわしています。)は、数件ほどあります。

 前者は、ごく初期の段階で解任されました(これも合意解約という形式をとっています。)が、後日、乗り換えた弁護士に不満があると言って、こともあろうか私に相談にこようとしたことがありましたが、丁重にお断りさせていただいたことがあります。遠藤先生のC事例に相当するものです。

 後者については、事件を進めるにあたって依頼人との信頼関係を築くことが困難であることが予想されるものや、調査をした結果利害関係等が判明したものや、約束された債務の弁済金を支払わないものなどがほとんどです。

 着手金等の返還については、依頼者に交付している報酬委任契約に基づいて返還することもありますが、ケースにより実費を含めてすべて返還することもあります。

 調査費用位は請求してもいいのですが、自ら辞任を申し出た場合には言いにくいですね。

 債務整理の場合には、業者に支払う弁済金を立て替えるケースもあり、途中で辞任した場合には、まれに、報酬どころか赤字が生じることもあります。

 遠藤先生の記事を読む限り、弁護士費用については、まだまだ地方の人の方が、寛大な方が多いなあと思いました。 

 田舎弁護士でよかったです・・・

【金融・企業法務】 貸金庫取引をめぐる実務上の諸問題について

 銀行法務21No726(2011年2月号)で紹介された今月の解説は、「貸金庫取引をめぐる実務上の諸問題について」というテーマでした。

 貸金庫の相談は、時折、銀行の営業店から相談を受けることがあります。

 記事で紹介されている質問、例えば、「貸金庫の使用料を長期にわたって支払われず、解約手続もなされていない顧客が行方不明になってしまいました。そのように対応すればよいでしょうか?」というのは、典型例の1つです。

 最終的には、「内容物を取り出して、別保管」とすべきなのですが、この際に、誰が内容物を確認するのか?ということです。

 これについては、「公証人の立会を求め、その過程を事実実験公正証書にしておく」というのが回答なのですが、公証人の先生も立会に消極的なことがあり、困ったということがありました。

 また、記事では、「貸金庫の内容物に関して、裁判所から差押命令がきました。貸金庫の内容物に関する差押えとは、どのような手続なのでしょうか?」という質問です。

 これについては、解説では、①動産執行による場合と、②動産の引渡請求権に対する債権執行による場合に区別して検討されるべきとされています。

 さらに、記事では、「貸金庫の借主が死亡した場合の対応について、教えてください。」という質問ですが、この質問も多いですね。

 特に、一部の相続人からの開扉請求は、どちらの立場にたっても、相当に悩ましい事柄です。

 解説者の先生も、相当に悩みながら解説記事を執筆されたことをうかがうことのできる好記事となっています。

2011年2月10日 (木)

【金融・企業法務】 数社を介在させて順次発注された工事の最終の受注者XとXに対する発注者Yとの間におけるYが請負代金の支払を受けた後にXに対して請負代金を支払う旨の合意が、Xに対する請負代金の支払につき、Yが請負代金の支払いを受けることを停止条件とする旨を定めたものとはいえず、Yが上記支払を受けた時点又はその見込みがなくなった時点で支払期限が到来する旨を定めたものと解された事例 最高裁平成22年10月14日判決

 判例タイムズNo1336(2月1日)号で紹介された最高裁平成22年10月14日判決です。

 事案は以下のとおりです。

 Aは、指名競争入札により、一部事務組合から浄水場内の監視設備工事を請け負い、上記工事のうち監視設備機器(本件機器)の製造等については、AからB、C、D、Y(被上告人)、X(上告人)と順次発注されて、それぞれ請負契約が締結されました。

 A→B→C→D→Y→X

 Xは、本件機器を完成させて、Aに引き渡し、AからB、Cと請負代金が支払われました

 A→B→C(倒産)

 ところが、Cが破産手続開始決定を受け、Xは請負代金の支払いを受けていません。

 そこで、Xは、Yに対して、請負代金3億円余りの支払いを求めました。

 XとYとは、請負契約の締結に際し、「入金リンクとする」との記載(本件入金リンク条項)という。)がある注文書と請書とを取り交わし、Yが請負代金の支払を受けた後にXに対して請負代金を支払う旨を合意しており、Yは、本件入金リンク条項は、Xに対する請負代金の支払につき、Yが請負代金の支払を受けることを停止条件とする旨を定めたものであるとして、Xの請求を争いました。

 第1審、第2審は、本件リンク条項を停止条件と考えて、Xの請求を否定しました。

 これに対して、最高裁は、本件請負契約においては、Yが請負代金の支払を受けた時点又はその見込みがなくなった時点で支払期限が到来する、すなわち、不確定期限の合意がされたものと解するべきであるとして、本件を原審に差し戻しをしました。

 不確定期限の合意ですから、Xの請求が認容される可能性が高まりましたが、第1審・第2審ともに負けても、最高裁で覆ることが最近見かけることが多くなりました。

 最高裁は変わったのかな???

2011年2月 8日 (火)

今日は、一日、松山でした

 午前一杯は、関与させていただいている会社のコンプライアンス委員会に出席し、午後からは、松山地裁大会議室で開催された「管財人等協議会」に出席いたしました。

 管財人等協議会では、協議議題の提出が特定の先生に偏っているような印象を受けました。もっと若手・中堅の弁護士からの出題が欲しいなあと思いました。

 私は、松山では、喫茶店に入って美味しいコーヒーをいただくのが趣味のようになっているのですが、松山で相当昔からあったと思われる喫茶店に久しぶりに訪ねたのですが、大幅に、改装されていました。ひょっとして、店名も変更しているかも知れません。

 以前の客の前でサイホンでコーヒーを入れる姿を見るのが楽しみだったのですが、普通の喫茶店のようになってしまっていたのが残念です。

 店舗内では、高そうな絵画が飾られており、雰囲気が悪くなかったのですが、私は、昔の少し雑然とした雰囲気の方が良かったなあと思いました。

 余り綺麗なところは、逆に落ち着けない性格なので・・・

 夕方は、特急電車に飛び乗り、急いで事務所に帰り、山積みされた仕事をかたづけているのですが、午後10時30分を過ぎても、仕事をしています。私の机の向こうでは、新人弁護士の方も、忙しそうに仕事をしています。

 最近、忙しいなあ~

2011年2月 7日 (月)

【消費者法】 消費者法ニュースNo86

 消費者法ニュースNo86が届きました。

 サラ金等裁判については、愛知の瀧先生のわかりやすい解説が大変参考になりました。

 1悪意の受益者、2契約切替・債権譲渡ータンポート・プロミス、3無担保貸付から不動産担保への切替、4調停無効・17条決定無効の各論点に対する簡潔にしてわかりやすい解説が、大変参考になりました。

 タンポート サンライフ・プロミス切替事案については、松山地裁民事第1部と第2部とで、見解が異なり、高松高裁第2部と第4部とで、見解が異なるという、きわめて錯綜している状態です。

 どう考えても、プロミスの主張は信義則違反と思うのですが、一部の裁判官は必ずしもそのように考えないようです。

 この件については、万が一、高裁で負けるようなことがあれば、最高裁で結論を出してもらうしかないようです。

 また、CFJがらみだと、マルフクの契約承継については、CFJは否定してくるために、これも、一大論点となっています。

 この点、マルフク時代の取引の承継を認めた名古屋高裁平成22年4月15日判決は、大いに勇気づけられます。

 名古屋の裁判所って、サラ金裁判では、先進地域ですね。四国の裁判所もこのようになればいいのになあと思います。

2011年2月 6日 (日)

【流通】 幼児が祖母からこんにゃく入りゼリーを与えられ、食べた際に、喉に詰まらせ窒息死した事故について、こんにゃく入りゼリーの設計上の欠陥、警告上の欠陥が否定された事例

 判例時報No2096(2月1日)号で紹介された神戸地裁姫路支部平成22年11月17日判決です。

 この判例は、平成20年7月ころ、幼児がこんにゃく入りゼリーを食べ、喉に詰まらせ窒息した事故について、その欠陥(設計上の欠陥、警告上の欠陥)の有無が問題となったケースです。

 こんにゃく入りゼリーは、私の子どもも大好物だったため、人ごとではありません。

 但し、裁判所は、子どもの遺族からの請求を棄却しました。

 まず、設計上の欠陥については、ミニカップ容器の上蓋をはがせないような乳幼児には保護者等が本件食品を適当な大きさに切りわけるなどして与えるべきであり、切り分けしないで与え、誤嚥したとしても、それは本件食品の設計上の欠陥を徴表するものではないとしました。

 次に、警告表示上の欠陥については、本件食品の外装の表面には子ども、高齢者が息苦しそうに目をつむっているイラストが、裏面には、子ども・高齢者が喉を詰まらせるおそれがあり、食べないよう赤字で警告されている等の記載があり、一般の消費者に対し誤嚥による事故発生の危険性を周知するのに必要十分であったとして否定しました。

 痛ましい事件ですが、保護者等周りの方が注意するしかないようです。

2011年2月 5日 (土)

【IT関連】 ソフトウェア開発に当たり、請負人が、注文者に対し、追加費用を支払わなければソフトウェア開発を続行できないなどと告知し、ソフトウェア開発委託契約を解除したことについて、請負人に債務不履行(履行不能)、告知義務違反、契約締結上の過失があるとはいえないことを理由に、注文者の請負人に対する損害賠償請求が棄却された事例 東京地裁平成22年7月22日判決

 判例時報No2096(2月1日)号で紹介された東京地裁平成22年7月22日判決です。

 ソフトウェアの開発にあたり、請負人が追加請求し、注文者が支払ってくれないために、ソフトウエア開発委託契約を解除したため、注文者が、請負人に対して、損害賠償を請求したケースです。

 本件判決は、債務不履行(履行不能)に基づく責任の有無について、

 まず、ソフトウェアの開発は、注文者と請負人との間で開発すべきソフトウェアの性能、仕様、形態等に関する具体的なイメージを共有するため、注文者の技術担当者と請負人の技術担当者との間に密接な協力関係があることが必要不可欠であるところ、

 特に、開発の出発点である要件定義を確定する工程については、注文者の意向によってその内容を決せられることになるのであるから、注文者側がどのような内容のソフトウエアの開発を望んでいるかを提示又は説明する責任は、注文者側にそのような能力がないことが前提になっているなどの事情がない限り、注文者側にあるというべきであること

 次に、要件定義が定まらない時点で締結されるソフトウエアの開発委託契約については、一般に、開発規模それ自体の大きさなどを想定して契約金額が定められるのであるが、その後の打ち合わせにおいて、備えるべき新たな機能の追加など、当初の契約段階で客観的に想定されていた開発規模を超える内容を注文者が求めたような場合には、契約当事者の合意の基礎となった事情に変更が生じているのであるから、注文者は、ソフトウエア開発を当初の契約金額の範囲で受注者に対して製作することを求めることはできないとを判示しました。

 近時、ソフトウエア開発を巡ってのトラブルは増加傾向にあるような印象を持っていますので、今回の裁判例は大いに参考になるものと思われます。

2011年2月 4日 (金)

平成22年度愛媛弁護士会定時総会

 今日、松山の国際ホテルで、平成22年度愛媛弁護士会定時総会が開催されました。

 日弁連法曹人口政策会議についての報告があり、多数の会員から種々の意見が出されました。

 法曹人口、特に弁護士の数についての意見については、増員に積極的な意見を持つ方と、懐疑的な意見を持つ方とに大きく別れており、平行線を辿っているような状態です。

 私自身は、新人弁護士の就職難、裁判所が取り扱う事件数の減少などから、増員については懐疑的な意見を持っていますが、他方で、増員がなければ、弁護士過疎は解消しなかったことや弁護士が身近な存在にならなかったことなど、一定のメリットが生じたことも否定できません。

 ただ、現状では、増員に対する司法的基盤や社会の弁護士の受け入れ体制が極めて不十分であるため、登録しても生活ができない弁護士の数が増えたり、そもそも登録することができないようなことも発生しているようです。

 登録しても食べていけない資格を目指す若者は少数でしょうし、そのため、優秀な人は弁護士になることを避ける可能性も少なくないだろうと思います。

 バランスをとりながら改善を図る必要があるとは思いますが、個人的には、1500人前後ではないのかな?と思っています。

 まあ、3000人になっても生活に困ることがないように、地域一番の事務所になれるよう、頑張っていきたいと思います。

2011年2月 3日 (木)

【金融・企業法務】 土地の賃貸人及び転貸人が、転借人所有の地上建物の根抵当権者に対し、借地権の消滅を来すおそれのある事実が生じたときは通知する旨の条項を含む念書を差し入れた場合において、賃貸人及び転貸人が地代不払の事実を土地の転貸借契約の解除に先立ち根抵当権者に通知する義務を負い、その不履行を理由とする根抵当権者の損害賠償請求が信義則に反するとはいえないとされた事例 最高裁平成22年9月9日判決

 判例時報No2096(2月1日)号で紹介された最高裁平成22年9月9日判決です。

 事案は以下のとおりです。

 土地の転借人であるAが土地上に所有している建物に根抵当権の設定を受けた銀行であるXが、根抵当権の設定を受けるに当たり、土地の所有者兼賃貸人であるY1及びY2と、これらの者から土地を賃借してA社に転貸していた会社であるY3から、A社の地代不払などのおそれのある事実が生じた場合にはXに通知をし、借地権の保全に努める義務を負う旨を約した念書(本件念書)の差入れを受けました。

 ところが、Yらから何らの通知がされないまま、Y3とA社の間の土地転貸借契約がA社の地代不払を理由に解除され、建物が収去されてXの根抵当権が消滅して損害を被ったと主張して、Yら各自に対し、債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案です。

 最高裁は、本件念書を差し入れたYらは、A社の地代不払の事実を土地転貸借契約の解除に先立ってXに通知する義務を負うというべきであり、その不履行を理由とするXの損害賠償請求が信義則に反するとはいえないと判断しました。

 そして、Yらが、本件念書の内容、効力等について、Xから直接説明を受けておらず、本件念書を差し入れるに当たりXから対価の支払いを受けていなかったなどの事情があっても異ならないと述べています。

 怖いですねえ~ 

2011年2月 1日 (火)

【交通事故】 男子個人タクシー運転手の自賠責14級認定は、2か月後にゴルフコンペに参加、緩解診断等から賠償対象の後遺障害を否認した 大阪地裁平成22年4月15日判決

 自保ジャーナルNo1838号(1月27日号)で紹介された大阪地裁平成22年4月15日判決です。

 頚椎捻挫で自賠責14級認定されていたケースでしたが、裁判所は、後遺障害の認定自体を取り消した案件です。

 そのため、約500万円近い請求が、わずか約7万円弱程度しか、損害として認められませんでした。

 恐ろしい結果となりました。

 自賠責で後遺障害等級が出ていると、相談でも、これを前提にした計算を行うのが通常だと思います。

 つまり、相手方損保の後遺障害慰謝料の提示は、裁判所基準から言えば少なすぎるので、もう少し増額を主張したら?とか、思い切って裁判してみたら?とか、相談する弁護士の方も少なくないのではないかと思います。

 ここで、裁判した結果、等級が下がる、いや、後遺障害自体が取り消されることもあるよというアドバイスをする弁護士は、少ないのではないでしょうか?

 紹介した裁判例は、本件事故後2か月程度経過した平成19年5月にはゴルフコンペに参加して、18ホールにわたってラウンドした事実があったことなどから、後遺障害が否定されてしまいました。

 相談って難しいですね。

 取り消しされる可能性があるなんていうと、損保の提案する金額そのまま同意してしまうケースもあるのではないかと思いますが、裁判をアドバイスして、そのアドバイスの結果とおりにならなければ、依頼人からクレームも来そうだし・・・・ 

 どうしようです。

 ただ、私自身は、自賠責で認定されているにもかかわらず、裁判で後遺障害自体が否定されたケースなんて、経験したことがありませんが・・・

 

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