励みになります。クリックお願いします。<(_ _)>

  • にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

<(_ _)>

  • 弁護士ドットコム|無料法律相談・弁護士/法律事務所検索ポータル

書籍紹介(企業法務・金融)

書籍紹介(不動産・建築)

書籍紹介(法律)

« 【行政】 県立高校の生徒が陸上競技大会に出場し、棒高跳び競技中に負傷した場合、顧問教諭に過失があったとして、県の国家賠償責任が認められた事例 福岡高裁平成22年2月4日判決 | トップページ | 【行政】 市立保育所に入所中の児童が保育所内で熱中症で死亡した事故につき、保育士に重大な過失があったとして市の国家賠償責任が認められた事例 平成21年12月16日さいたま地裁判決 »

2010年7月29日 (木)

【行政】 生命保険年金二重課税訴訟 最高裁平成22年7月6日判決

 判例タイムズNo1324号(8月1日号)で紹介された最高裁平成22年7月6日判決です。

 年金払特約付きの生命保険契約の被保険者兼保険料負担者であった夫の死亡により、保険会社から保険金としての年金の支払いを受けたXさんが、相続税の課税を受けておきながら、年金部分について所得税の課税を受けるのは、同一の所得に2重に課税するものとして、所得税法9条1項15号(現在16号)により、許されないとして、所得税の更正処分についての取り消しを求めた事案です。

 旧所得税法9条1項15号 次に掲げる所得については、所得税を課さない。 (15) 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの

 第1審は、年金受給権に相続税を課した上、更に個々の年金に所得税を課すことは、実質的・経済的には同一の所得に対して課税するものであることを理由に、Xの請求を認めました。

 これに対して、第2審は、基本債権としての年金受給権とこれから発生する支分権に基づく年金とは法的には別の財産であって、年金受給権はみなし相続財産として所得税法9条1項15号の非課税財産に当たるが、個々の年金はこれに当たらないとして、Xの請求を認めませんでした。

 最高裁は、第1審とも第2審とも異なる考え方をとりました。

 個々の年金の支給額を、被相続人死亡時の現価に相当する部分その余の部分とに分け、現価に相当する部分は、相続税法24条1項1号の規定により相続税の課税対象となる経済的価額と同一のものであるから、所得税法9条1項15号により、所得税の課税対象とはならない。

 ① 被相続人死亡時の現価に相当する部分 ← ×

 ② その余の部分 ← ○

                   ↓

 本件年金は、被相続人の死亡日を支給日とする第1回目の年金であり、その支給額は被相続人死亡時の現価そのものであるから、これに対して、所得税を課すことは許されない

 今回問題となった年金で受けとる場合の年金受給権の相続税価額は、1380万円とされているため、

 第1回目  230万円支給   現価 230万円

 第2回目  230万円支給   現価 202万円位

 第3回目  230万円支給   現価 177万円位

 最高裁判決に従うのであれば、各現価の金額をそれぞれの支給額から差し引いた金額が、各回の年金の所得税対象額となるものと考えられることになります。

 

 また、最高裁は、所得税法旧207条所定の生命保険契約等に基づく年金の支払いをする者は、当該年金が同法の定める所得として所得税の課税対象となるか否かにかかわらず、その年金について所得税の源泉徴収義務を負うと判断しました。

 これは、「生命保険契約等に基づく年金の中に所得税が課される年金とそうではない年金とがあり、更に1つの年金の中にも所得税の課税対象となる部分とそうでない部分とがあることになり、これらを細かく仕分けさせることが支払者の手間と費用を増大させる結果にもなりかねないことから、一律に所得税法207条、208条を適用して、確定申告において個別に精算させるのが相当であるとの実質上の理由によるものである」(同書80~81)と明記されています。

 新聞でも大きく報道されていましたが、ようやくその内容がわかりました。

 

« 【行政】 県立高校の生徒が陸上競技大会に出場し、棒高跳び競技中に負傷した場合、顧問教諭に過失があったとして、県の国家賠償責任が認められた事例 福岡高裁平成22年2月4日判決 | トップページ | 【行政】 市立保育所に入所中の児童が保育所内で熱中症で死亡した事故につき、保育士に重大な過失があったとして市の国家賠償責任が認められた事例 平成21年12月16日さいたま地裁判決 »

2018年7月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

書籍紹介(労働・労災)

無料ブログはココログ