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2010年7月13日 (火)

【倒産】 複数の債権の全部を消滅させるに足りない弁済を受けた債権者が、特約に基づく充当指定権を行使することが許されないとされた事例 最高裁平成22年3月16日付け判決

 判例タイムズNo1323号(7月15日号)で紹介された最高裁平成22年3月16日判決です。

 事案は、以下のとおりです。

 A(中小企業金融公庫)は、Bに対して、合計5口の債権を有していました。B及びCは、それぞれ自己の所有する不動産に、これら5口の債権を被担保債権とする根抵当権を設定し、Dは、BのAに対する5口の債務について保証をしました。

 主債務者であるB及び保証人Dは、債権者Aとの間で、BのAに対する複数の債務につき、その全部を消滅させるに足りない弁済がされたときは、Aにおいて任意の時期に弁済充当の指定をすることができ、その充当に対して、B及びDは異議を述べない旨の弁済充当特約(本件弁済充当特約)を結びました。

 主債務者Bと保証人Dについて、破産手続開始決定がされ、その後、債権者Aは、上記根抵当権の行使として、主債務者B及び物上保証人Cから担保目的物の任意売却による弁済を受けました。

 しかし、その弁済額は、5口の債権の総額を満足させるには足りませんでした。

 この場合、保証人Dの破産手続における債権者Aの破産債権の額が問題となり、債権者Aは、破産裁判所に対して、破産債権査定申立を行いました。

 破産裁判所は、破産債権の額を約1億2700万円と査定しました。

 これに不服な破産管財人は、破産債権査定異議の訴えを提起して、大阪高裁は、破産債権の額を約2244万円と判断しました。

 Aは、保証に係る複数債権の総額が満足されない限り、破産法104条2項の所定の「その債権の全額が消滅した場合」に当たらず、全体について開始時現存額主義が適用され、破産手続開始時における債権総額をもって破産債権額とされることになると主張し、控訴審では、さらに、開始時現存額主義が個別の債権ごとに適用される事態に備え、物上保証人Cから受けた弁済金について、本件弁済充当特約に基づく充当指定権を行使し、各債権に按分して充当する旨を主張しました。

 大阪高裁は、

 物上保証人によって弁済がされた場合の開始時現存額主義の適用について、物上保証人Cにより複数の被担保債権のうち一部の債権についてその全額が弁済された以上、上記弁済に係る保証債権については、「その債権の全額が消滅した」ものであり、債権者Aは上記債権を破産債権として行使することはできないと判断した上で、

 債権者Aが物上保証人Cから受けた弁済金につき本件弁済充当特約に基づく充当指定権を行使することはゆるされないと判断して、

 管財人の主張を認めました。

 最高裁も、

 複数の債権の全部を消滅させるに足りない弁済を受けた債権者が、上記弁済を受けてから1年以上が経過した時期に初めて、債権者において任意の時期に弁済充当の指定ができる旨の特約に基づく充当指定権を行使する旨を主張するに至ったなど

 判示の事実関係の下においては、上記充当指定権の行使は、法的安定性を著しく害するものとして許されない

 と判断し、大阪高裁の判断を是としました。

 弁済充当って、その順番を巡って時折悩んだりしますね・・・

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