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2010年7月30日 (金)

【行政】 市立保育所に入所中の児童が保育所内で熱中症で死亡した事故につき、保育士に重大な過失があったとして市の国家賠償責任が認められた事例 平成21年12月16日さいたま地裁判決

 判例タイムズNo1324号(8月1日号)で紹介された平成21年12月16日付けさいたま地裁判決です。

 事案は、当時4歳の男の子が、市立保育所に入所して保育を受けていたところ、平成17年8月10日、保育所で所在不明となり、同日午後0時25分ころ、保育所に設置されていた本棚の中で発見されたものの、熱中症で亡くなってしまったというケースです。

 記録を読んでいて疑問に感じたのは、なぜ、男の子が本棚の収納庫に入り込み、出てこれなかったのか?ということです。これは、裁判の結果でも、未解明のままに終わっています。

 原告も、同級生の子たちが何らかの関与をしたのではないか?と主張されていますが、記録上よくわかりません。

 裁判所は、保育士らの動静把握義務の懈怠は、重大な過失であると認定しています。

 以下、少し、半分を引用します。

 「本件において、Bが所属していた4歳児クラスきく組の担当保育士であったK保育士とL保育士は、・・・、本件事故当日、散歩から・保育所へ帰った際に、園内において、きく組児童らの人数を改めて確認することもせず、そのまま漫然と、自由遊びの時間として、児童らを保育室内のみならず廊下やホールなどでてんでばらばらに遊ばせていたにもかかわらず、両保育士とも、きく組保育室内で児童らとの遊びに夢中になり、午前10時25分ころから午前11時35分ころまでの1時間以上にわたって、人数確認もしなかったのであり、L保育士においては、一度も同保育室から出て保育室の外にいる児童の様子を窺おうとすらせず、K保育士においても、一時的に同保育室から出たものの、L保育士あるいは他の保育士らと声掛けを行うこともなかったのである。

 そして、両保育士は、同保育室内にいなかったBについて、散歩から帰った後、保育所内でその姿を一度も確認することがなかったにもかかわらず、Bは保育室と廊下を出たり入ったりしていたPやXと一緒に遊んでいるのだろうという漠然とした認識を持っているだけで、その状況について何らの危機感も持たないまま、昼食の準備を始め、皿が余っている状態になって初めてBがいないことに気がついたのである。

 このように、K保育士とL保育士が、1時間以上もの間、Bの動静を把握することを怠ったことは明らかであるところ、

 4歳の児童が大人の予想がつなないような行動をとって危険にさらされることは十分にあり得ること

 別紙図面1からも明らかなように、園舎内であってもトイレや廊下など一般的に危険な場所であるにもかかわらず死角となっていて、児童が助けを求めても声も聞こえないような場所が存在すること

 に照らせば、

 両保育士による1時間以上に渡る動静把握義務の懈怠は、・・・重大な過失というべきである。」

 この亡くなった男の子は、夫が38歳、妻が33歳の時の子であり、長い間不妊治療を行った結果、ようやく授かった子であり、夫の家では、初孫で唯一の孫になるようです。

 この男の子が在籍していたクラスには、モンスターペアレンツのような父兄が在籍していたようで、この父兄は、児童の怪我に関して休業補償を請求したり、児童の通院に保育士の付添を要求したり、ひっかき傷がのこるようであれば訴えるなどの要求をされていたため、原告らは、保育士らが上記児童以外の児童らに対する関心、注意に遺漏が生じたのではないかという主張もされ、裁判所もその主張を認めています。

 亡くなった男の子は、明るくて、素直で、人の気持ちを察することができる気持ちの優しい性格だったようです。

 保育の現場は、どうしても小さな子どもが対象とするため、保育士も大きなストレスがかかる職場だと思います。日頃の危機管理態勢の構築が大切だなあと感じました。 

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