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2010年5月24日 (月)

【消費者法】 貸付債権の譲渡と過払金返還債務の帰趨

 金融法務事情No1898(5月25日)号のリーガルNAVIに、銀行実務家が執筆された冒頭掲示の記事が載っていました。

 いわゆる債権譲渡に伴い、過払金返還債務が承継されるのか?という過払金訴訟でホットになっている論点です。

 否定する見解は、(1)譲渡人は貸付債権という資産を譲渡しているに過ぎない以上、合意もなく過払金返還債務を承継することはない、(2)貸付債権が契約自体の効力として発生するのに対し、過払金返還債務は法律の規定によって発生するものであって、発生原因の異なるものを不可分一体であるかのように扱うのは誤りであることを理由とします。

 肯定する見解は、承継否定説の論拠を形式的すぎるとして、借入人の保護を図ることを理由としています。

 解説者は、「下級審裁判例も承継肯定説が多数を占めるうえ、一連の過払金返還請求訴訟において借入人保護を打ち出してきた最高裁のこれまでのスタンスにかんがみると、本件論点を含む事案が最高裁まで上がった場合には、理由づけはともあれ、譲受人への過払金返還債務の承継を肯定する判断が示される公算が大きいのではないかと思われる」と解説されています。

 そこで、紹介された下級審裁判例をみてみます。

 ①大阪高裁平成21年3月5日判決

 本件A社とY社との取引が貸付債権譲渡取引の形を取り、そこには契約上の地位の譲渡や過払金返還債務の引き受けと言った文言が含まれていないことを認めつつも、

 個別事情として、

 (1)譲受債権の債務者宛の督促状、領収書、新たな契約の勧誘文言上にあたかもA社と顧客との契約関係を引き継いだのような表示が繰り返されていること

 (2)Y社はA社の顧客に関する信用情報等を引き継ぐなど、譲受債権の債務者を単なる債権回収の相手方とするだけではなく、取引関係を継続し、新たな貸付を行うことで事業拡大をもくろんでいたこと

 (3)貸付債権売買契約において債権の評価額を元本額の61%としたことは大幅なディスカウントであって、その理由は過払金返還債務の負担があるリスクを考慮したこと以外には考えられないこと

 (4)消費者金融業者と顧客との間の基本取引契約には、継続的取引関係の中で発生した過払金をその後に発生する新たな借入債務に充当する合意が含まれており、過払金返還債務のみを基本取引と切り離すことは当事者の意思に反すること

 などを認定した上で、Y社に対してXへの過払金の支払いを命じました。

 ②大阪高裁平成19年11月30日判決

 貸付債権と過払金返還債務とは二者択一、表裏一体の関係にあって切り離すことができず、一体的な取扱いがなされるべきものであるとして、より直截的に債権譲受人への承継を肯定しています。

 解説者は、銀行が過払金返還の対象となるような貸付債権を譲り受けるケースとしては、「譲渡担保として取り込む場合が考えられる。もちろん譲渡担保として取得しただけの段階では担保権者にすぎない銀行が過払金返還請求の対象となることはなかろうが、担保実行の方法として帰属清算の方法を選択する場合には、当該銀行自身が過払金返還債務を承継したとされる可能性があることを認識すべきであろう。また、担保実行の方法として処分清算の方法を選択する場合であっても、買受人において過払金返還債務を引き受けることを余儀なくされるということになれば、担保処分の価額は相当減価されることになり、担保処分がうまく進まなければ過払金返還のリスクだけを背負い込むことにもなりかねない。」と、警告されています。

 私が過去関与したケースでも、債権譲渡のケースで、過払金返還債務の承継を否定した案件はなかったように思います。

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