励みになります。クリックお願いします。<(_ _)>

  • にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

<(_ _)>

  • 弁護士ドットコム|無料法律相談・弁護士/法律事務所検索ポータル

書籍紹介(企業法務・金融)

書籍紹介(不動産・建築)

書籍紹介(法律)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月31日 (月)

【金融・企業法務】 A社の財務部門を法人化して設立され、A社と中核とするグループ会社X社が、上記グループ会社B社に金員を貸し付け、B社の代表取締役であるYがこの貸し付けに係るB社の借入金債務を保証した場合において、B社が既に事業を停止している状況下で、X社がYに対して保証債務の履行を請求することが権利濫用に当たるとされた事例 最高裁平成22年1月29日判決

 判例時報No2071号(5月21日号)で紹介された最高裁平成22年1月29日判決です。

 最高裁第2小法廷は、B社が既に事業を停止している状況下で、X社がYに対して保証債務の履行を請求することは、次の(1)から(5)などの判示の事情の下においては、権利濫用に当たり許されないと判断し、原判決を破棄し、X社の控訴を棄却する旨の自判をしました。

 (1)B社は、A社と代表取締役を共通にするC社の支店を法人化し、上記グループに属するD社が全額出資して設立された会社であり、その設立後は、上記グループに属するE社がB社の資金を掌握するなどして、上記グループに属する各社が、B社との間で締結した経営顧問契約等の各契約に基づき、B社の売上げから顧問料等の名目により確実に収入を得ることができる体制が周到に築かれていた

 (2)B社は、その業務遂行に関し代表取締役にはほとんど裁量の余地がなく、資金繰りを含め経営判断は、A社の代表取締役等に依存し、その指示に従わざるを得ない経営体制にあった

 (3)Yは、C社の上記支店でアルバイトとして勤務を始め、B社が設立された際に同社の正社員となり、わずか数ヶ月後にB社の代表取締役に就任したものの、B社の設立の前後を通じてその勤務場所や勤務実態等に格別の変化はなく、上記(2)のB社の経営体制の下にあっては、単なる従業員とほとんど異ならない立場にあった

 (4)Yは、近い将来B社の資金繰りが行き詰まるおそれがある状況下で、強く働きかけられてB社の代表取締役に就任し、就任後間もなくしてB社の資金繰りが行き詰まるや、A社の代表取締役が全株式を保有するX社からB社が融資を受け、この融資に係る債務を保証するよう指示されたものであり、これを拒むことは事実上困難であった。

 (5)上記貸付けにおいては、利息制限法を超える利率による利息及び損害金の約定がなされていた。

 ☆保証債務の履行請求が権利濫用となるとした最高裁判例

① 昭和45年3月31日判決

  自己の債権の支払確保のために約束手形の裏書譲渡を受けた所持人が、その債権の完済を受け原因関係が消滅したにもかかわらず、手形保証人に対して手形金の支払を求めることが権利濫用になるとされた事例

② 昭和48年3月1日判決

  期間の定めのない継続的保証契約の締結後、3年余りを経て、主債務者の経営状態が悪化し、その所有の担保物件も他に売却された後に、金融機関である債権者が、保証人の意向を打診しないで、債務者に対し新たな貸付をしたなどの事情がある場合には、債権者がその貸付について保証債務の履行を請求することが、信義則に反し権利の乱用に当たるとされた事例

 

 判タの解説者によると、保証債務の履行請求が権利濫用になるとした最高裁判決はあまりないようです。

2010年5月30日 (日)

【高次脳機能障害】 30歳代女性事務員 自賠法12級12号 神戸地裁平成21年3月13日判決

 自保ジャーナルNo1822号(5月27日号)で紹介された神戸地裁平成21年3月13日付け判決です。

 高次脳機能障害について裁判所がわかりやすく解説していましたので、以下紹介いたします。

1 高次脳機能障害の定義

 高次脳機能障害とは、頭部外傷、脳血管障害等による脳の損傷の後遺症として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、これに起因して、日常生活・社会生活への適応が困難となる障害である。

 具体的には、

① 物の置き場所を忘れたり、新しいできごとを覚えていられなくなる、そのために何度も同じことを繰り返し質問したりする(記憶障害)

② ぼんやりしていて、何かをするとミスばかりする、2つのことを同時にしようとすると混乱する(注意障害)

③ 自分で計画を立ててものごとを実行することができない、人に指示してもらわないと何もできない、いきあたりばったりの行動をする(遂行機能障害)

④ 自分が障害を持っていることに対する認識がうまくできない、障害がないかのようにふるまったり、言ったりする(病識欠落)

⑤ 依存、退行、欲求コントロール低下、感情コントロール低下、対人技能拙劣、固執性、意欲低下、抑うつなど(社会的行動障害)

 の症状がある。

2 脳損傷の機序

 脳外傷は、直接的ないし間接的に頭部に強い衝撃が加わる事により発生する。外傷による脳損傷の特徴は、例えば脳卒中のように、病変がどこか1カ所にみられるのではなく、種々の病変が多発性にみられることにある。

 そして、その発生機序は、接触損傷と加速損傷の2つに大別される。

 接触損傷とは、物が頭部に当たった場合、頭蓋骨がたわんで脳にぶつかり、その部分の脳が破壊されて脳挫傷となるもの(局所性脳損傷)であり、

 加速損傷には、

 ①衝撃を受けて頭部が移動する際、脳よりも早く移動する頭蓋骨が脳と衝突し(直撃損傷)元の位置を保とうとするため、頭蓋骨と脳の間が陰圧となる空洞現象により脳が損傷され(対側損傷)、脳挫傷となるものと、

 ②衝撃を加えられた脳が移動する時に脳内部に相対的なずれ(勇断ゆがみ)が生じて神経繊維が切れるものがあり、

 ②は、びまん性軸索損傷の発生機序として重要である。

3 診断基準

a  厚生労働省が平成13年度から平成15年度にかけて行った高次脳機能障害支援モデル事業において、評価基準作業班が策定した高次脳機能障害の診断基準(モデル事業基準)は、以下のとおりである。

Ⅰ 主要症状等

① 脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されている。

② 現在、日常生活又は社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。

Ⅱ 検査所見

 MRI、CT、脳波などにより認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の存在が確認されているか、または、診断書により脳の器質的病変が存在していたと確認できる

Ⅲ 除外項目

① 脳の器質的病変に基づく認知障害のうち、身体障害として認定可能である症状を有するが上記主要症状(1の②)を欠くものは除外する。

② 診断に当たり、受傷又は発症以前から有する症状と検査所見は除外する。

③ 先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とするものは除外する。

Ⅳ 診断

① ⅠないしⅢをすべて満たした場合に高次脳機能障害と診断する。

② 高次脳機能障害の診断は、脳の器質的病変の原因となった外傷や疾病の急性期症状を脱した後において行う。

③ 神経心理学的検査の所見は参考にすることができる。

 なお、評価基準作業班は、診断基準ⅠとⅢを満たす一方で、Ⅱの検査所見で脳の器質的病変の存在を明らかにできない症例については、慎重な評価により高次脳機能障害として診断されることがあり得るとし、また、この診断基準については、今後の医学医療の発展を踏まえ、適時、見直しを行うことが適当である旨付言する。

b 自動車保険料算定会内に設置された「脳外傷による高次脳機能障害審査会」は、脳外傷による高次脳機能障害被害者の疑いがある場合として、以下の3条件を挙げる(自算会基準)。

Ⅰ 頭部外傷によることが明らかである場合(従来の画像所見で大脳表面の広範な内出血や血腫の存在が認められる必要は必ずしもないが、MRI画像で第3脳室や側脳室の拡大とこれに伴う大脳全体の萎縮が認められること

Ⅱ 受傷後の意識障害が存在すること(瞬時に回復する程度の軽度の脳震盪症も対象となるが、受傷6時間以上継続する意識障害の場合は、高次脳機能障害を第1に疑うべきであろう)

Ⅲ 意識回復後の認知障害(記憶、集中力、遂行機能、判断力等の低下)と人格変化(感情易変、攻撃性、幼稚性、羞恥心の喪失、活動力低下等)が顕著であって、これらの原因が脳外傷以外の他の疾患から説明できないこと

c 上記から明らかなように、高次脳機能障害は、いまだ診断基準が確立されていない疾患であることから、それに該当するとの認定は、慎重に行わざるをえず、上記モデル事業基準や自算会基準を軸に具体的事案における病状や検査結果及びそれらに対する医師の診断内容等を考慮して、総合的に判断するのが相当である。

 現在、控訴中です。

 

 

2010年5月29日 (土)

今治市行政改革推進審議会

 昨日、今治市で行政改革推進審議会がありましたので、出席させていただきました。

 議題は、今治市長から諮問された①今治市行政改革大綱の見直しと②新集中改革プランの作成ですが、今日は、行政改革推進審議会の方向性について議論しました。

 今治市側からは、①今治市の行政組織と職員配置、②今治市の財政の概要についての説明がありました。

 用語の説明集もあり、わかりやすく資料が作成されていました。

 審議会については、12名以内の委員で組織されるようですが、資格としては、①学識経験を有する者、②行政改革の推進に関心意欲を有するものとされています。

 委員12名中、公募の方が3名であり、女性は5名となっています。

 行政改革大綱については国政などの動向もあることから据置で、集中改革プラン、すなわち、重点項目を定めて、改革していくことになりました。

 具体的には、

(定員適正化等の人事面)

① 定員適正化計画

 ※新規採用数を退職者の3/4以内

② 給与等の適正化

 ※手当て総点検をはじめとする給与の適正化

(経費削減等の財政面)

③経費節減等の財政効果

 ※合併特例期間終了後の健全な財政運営

  経常経費の削減

  合併特例債等有利な資金を活用した建設事業の実施

  起債借入の抑制と基金の確保

  プライマリーバランス黒字を基本に

(事務事業再編等の行政経営面)

④事務事業再編・整理・統合・廃止

  ※行政評価制度の活用

⑤民間委託の推進

  ※指定管理者制度の導入

⑥ 第三セクターの見直し

 今後、一生懸命やっていきたいと思います。

   

2010年5月28日 (金)

【流通】 スーパーの裏側 東洋経済社

 東洋経済社から出ている「スーパーの裏側」(2009年4月30日発行)という書籍を読みました。

 長年、食品業界に携わった著者(河岸宏和氏)による暴露本的な書籍です。

 「お惣菜の実態」として、売れ残りでつくるのが当たり前、賞味期限はスーパーで勝手に決められることなどについて、詳しく書かれています。

 詳細は、書籍を読んで確認してください。

 著者によれば、いいスーパー、ダメなスーパーの見分け方として、たとえば、店外で見るべき3つのポイントとしては、①商品を屋外においていないか、②まわりに雑草が伸びていないか、③入口のチラシが古くないか、画鋲ホッチキスで貼っていないか、店内設備で見るべき6つのポイントとして、①手洗い場はきれいか、②トイレがきれいか、③レジ・サッカー台はきれいか、④ゴンドラの上がきれいか、⑤カゴ台が空で放置されていないか、⑥防火シャッターの下に物を置いていないかなどを、ポイントとして列挙されています。

 著者によれば、日本のスーパーで評価できる会社としては、東北を中心に展開している「ヨークベニマル」、北関東に根拠を置く「ベイシア」を挙げています。

 ヨークベニマル12章を紹介し、とくに第9章の「お客様は一度はだませても、二度はだませない」、第12章の「言葉や態度が店相をつくる。あなたはお店の代表である」は心から共感できるとしています。

 ヨークベニマル 気になるスーパーです。

昨日、高松に行ってきました

  014_2

 高松地裁に出張で行ってきました。高松は、10数年前、司法修習生として過ごした第2の故郷のようなところなので、いつも訪れるたびごとに、懐かしい思いが生じます。

015_2  高松のユメタウンです。私が修習生のころにできたと記憶しています。相変わらず、賑やかな所です。

 通路がものすごく広いですね。

 

 高松は現在雨が結構降っていて、逆に、8月が渇水するのではないかと心配されているようです。昨日は建物の内部は蒸し暑かったですが、外は意外とすごしやすい温度でした。どうしてかな?

2010年5月27日 (木)

【交通事故】 平成22年度(第41回)日本交通法学会定期総会

 平成22年5月22日(土曜日)、兵庫県立大学神戸学園都市キャンパス三木記念講堂において、第41回日本交通法学会定期総会がありました。

 兵庫県立大学神戸学園都市キャンパスは、緑に囲まれたとてもきもちのよい場所に立地されており、中央大学多摩校舎が思い出されました。

017

 会場の兵庫県立大学です。

016  シンポジウム休息時間の様子です。

014  未来都市のようです。

015  シンポジウム会場です。ローマ時代の建物のような・・・

個別報告は、午前10時からありましたが、私は、午後1時からの定期総会から出席いたしました。

 シンポジウムのテーマは、「人身損害賠償に関する諸問題」と題して、①運行供用者責任に関する現代的諸問題 (潮見佳男京大教授)、②損害概念についてー差額説についての再検討(田中敦大阪地裁部長)、③損害賠償額の男女間格差について(岡本友子熊本大教授)でした。

 いずれのテーマも、交通賠償における重要なものであり、愛媛から出てきた甲斐がありました。今回の交通法学会は、懇親会には参加しませんでしたが、交通法の権威の先生方や第一線で活躍されている実務家の方々と知り合う機会なので、できるだけ懇親会には参加したいと思います。

 テーマの第1は、自賠法3条の運行供用者の概念についてでした。運行支配と運行利益という判例の定義を前提に、多種多様に論じられているため、統一的には非常に理解しにくい分野の1つです。潮見先生は、運行供用者概念に与えられた原理的・体系的意義を探求する視点のもと、責任の正当化原理に依拠した運行供用者概念の構築を試みられたわけですが、私には難しかったようです・・・

 テーマの第2は、現役裁判官による差額説の再検討を論じたものです。

 最高裁判決は、差額説に立っているといいながらも、裁判所は、収入に変更がないケースにおいても、逸失利益を認める傾向にあります。規範的差額説と言われているようですが、弁護士のT先生から田中裁判官に鋭い質問がされていました。

 テーマの第3は、損害賠償額の男女間格差についてです。年少者女子の場合には、全労働者平均賃金を前提に生活控除率45%での運用が少なくないようですが、中には、女子労働者平均賃金での裁判例も散見されるようです。論者の先生は、問われるべきは、「実態」そのものの正当性であり、実態とは別の正当化がなされなければ男女格差は許容すべきではないと主張されています。なかなか言及しにくい論点ですが、私自身は余りよく考えたことのない論点なので、勉強になりました。ただ、マイクの調子が悪いのかわかりませんが、いささか聞き取りにくい箇所があったのは残念です。

 今回のシンポジウムで学んだことは、仕事に活かしていきたいと思います(さっそく、書面で偉そうに「日本交通法学会のシンポジウムで云々」と書いてしまいました・・・・)。ごめんなさい。

 

 

  

 

2010年5月26日 (水)

弁護士なのに、ニートです など

  5月23日(土)、兵庫県立大学で、「日本交通法学会定期総会」がありましたので、参加してまいりました。

 交通法学会の内容については後日説明させていただくとして、今回は日帰りの神戸出張となったため、電車に乗っている時間が8時間位になってしまいました。とくに帰りは、前を進行していた特急電車がドラム缶と接触したらしく、約1時間停止し、また、動き出しても、停止するなど、大幅に予定がくるってしまいました。

 また、往路の電車には、知人の医師と同席させていただきました。異業種の方から話をうかがえるのは勉強になりますね。

 復路の電車は遅れに遅れたため、午後11時過ぎに帰宅したのですが、なんと、子ども二人が「お父さんに会いたい」といって、起きて待っていてくれました。

 そういうわけで、電車に乗っている時間で、書籍を2冊読みました。

 一冊目は、産学社から出版されている「小売業界大研究」(2010年4月10日発行)という書籍です。

 小売業について、歴史や業態別動向、グループ系列等が記載されているわかりやすい内容でした。

 81ページでは、総合スーパーの将来について4つの方向性を指摘しています。

 1つめは、本来の大衆百貨店機能を進化させる考え方です。アメリカの百貨店チェーンメイシーズや、ジュニアデパートコールズと同じ戦略の検討を示唆しています。

 2つめは、米国ウォルマーとのスーパーセンターをモデルに、低コスト低価格のイノベーションによって業態の抜本的な転換を目指そうとする戦略

 3つめは、既存店の業態転換によって延命を図る考え方。

 4つめは、店舗閉鎖

 食品スーパーは堅調なのに、総合小売業となると苦戦している企業が少なくありません。お客様の要望を的確につかむ必要がありそうです。

 

 もう2冊目は、「弁護士ですが、ニートです。」(文芸社)(2010年3月15日発行)です。

 苦学の上、旧司法試験に合格した30歳女性の、うつ病との奮闘を明るくつづった書籍です。実父の暴力、実母の自殺、夫との別居、自殺未遂等、著者を取り巻く環境は、想像を絶するものがあります。想像を絶する内容を軽いタッチで明るく書かれていますが、残念ながら、もう第2弾を読むことはできないようです。

 たぶん、ケロヨンではないかと思われるブロ

2010年5月25日 (火)

【交通事故】 12歳男子の低髄液圧症候群はICHDーⅡ・学会基準ともに合致せず、外傷直後の意識障害ない等から高次脳機能障害ともに否認し、非器質性12級障害と認めた 福岡地裁平成22年3月17日付判決

 自保ジャーナルNo1821号(5月13日号)で紹介された福岡地裁平成22年3月17日付け判決です。

 結論としては、請求金額約2億1480万円に対して、地裁の認容金額は、約380万円です。

 裁判所は、低髄液圧症候群を判断する基準としては、①ICHD-Ⅱ及び②日本神経外傷学会基準を採用し、③脳脊髄液減少症研究会のガイドラインは不相当と判断しました。

 最近の裁判所のパターンですね。

 そして、①及び②の基準にあてはめます。

 ①ICHDーⅡの診断基準については、(1)本件事故後起立性頭痛・体位による変化がなかったこと、(2)原告の髄液圧を複数回測定した数値は80ないし110㎜水柱であり、低髄液圧(60㎜水柱未満)であるとは認められないこと、(3)ガドリニウム造影剤の頭部MRI撮影の際にも硬膜の増強効果は認められていない、(4)ブラッドパッチの施行後に原告の頭痛が消失していないことから、①の基準はみたしていないと判断しています。

 ②学会基準についても、(1)起立性頭痛が認められていないこと、(2)低髄液圧の証明がないこと、(3)造影MRIによるびまん性の硬膜肥厚増強の所見がないことから、②の基準もみたさないと判断しています。

 脳外傷による高次脳機能障害についても、

 「高次脳機能障害を医科学的に判断するためには、意識障害の有無、長さの把握と、画像資料上で外傷後ほぼ3ヶ月以内に完成するびまん性脳室拡大、脳萎縮の所見が重要なポイントになること、脳外傷による高次脳機能障害は意識消失を伴うような頭部外傷後に起こりやすく、外傷直後の意識障害がおよそ6時間以上継続する場合には永続的な高次脳機能障害が残ることが多い」

 これをあてはめて、本件事故時に原告に意識障害の存在が認められないこと、原告の頭部に客観的な画像所見も存しないこと、原告の症状は非器質性の精神症状としても十分説明がつくものであることから、高次脳機能障害を否定しました。

 最近の低髄液圧症候群に対する司法判断は非常に厳しいものがありますが、労災病院では、高次脳機能障害と診断していましたが、裁判所は認めませんでした。

2010年5月24日 (月)

【消費者法】 貸付債権の譲渡と過払金返還債務の帰趨

 金融法務事情No1898(5月25日)号のリーガルNAVIに、銀行実務家が執筆された冒頭掲示の記事が載っていました。

 いわゆる債権譲渡に伴い、過払金返還債務が承継されるのか?という過払金訴訟でホットになっている論点です。

 否定する見解は、(1)譲渡人は貸付債権という資産を譲渡しているに過ぎない以上、合意もなく過払金返還債務を承継することはない、(2)貸付債権が契約自体の効力として発生するのに対し、過払金返還債務は法律の規定によって発生するものであって、発生原因の異なるものを不可分一体であるかのように扱うのは誤りであることを理由とします。

 肯定する見解は、承継否定説の論拠を形式的すぎるとして、借入人の保護を図ることを理由としています。

 解説者は、「下級審裁判例も承継肯定説が多数を占めるうえ、一連の過払金返還請求訴訟において借入人保護を打ち出してきた最高裁のこれまでのスタンスにかんがみると、本件論点を含む事案が最高裁まで上がった場合には、理由づけはともあれ、譲受人への過払金返還債務の承継を肯定する判断が示される公算が大きいのではないかと思われる」と解説されています。

 そこで、紹介された下級審裁判例をみてみます。

 ①大阪高裁平成21年3月5日判決

 本件A社とY社との取引が貸付債権譲渡取引の形を取り、そこには契約上の地位の譲渡や過払金返還債務の引き受けと言った文言が含まれていないことを認めつつも、

 個別事情として、

 (1)譲受債権の債務者宛の督促状、領収書、新たな契約の勧誘文言上にあたかもA社と顧客との契約関係を引き継いだのような表示が繰り返されていること

 (2)Y社はA社の顧客に関する信用情報等を引き継ぐなど、譲受債権の債務者を単なる債権回収の相手方とするだけではなく、取引関係を継続し、新たな貸付を行うことで事業拡大をもくろんでいたこと

 (3)貸付債権売買契約において債権の評価額を元本額の61%としたことは大幅なディスカウントであって、その理由は過払金返還債務の負担があるリスクを考慮したこと以外には考えられないこと

 (4)消費者金融業者と顧客との間の基本取引契約には、継続的取引関係の中で発生した過払金をその後に発生する新たな借入債務に充当する合意が含まれており、過払金返還債務のみを基本取引と切り離すことは当事者の意思に反すること

 などを認定した上で、Y社に対してXへの過払金の支払いを命じました。

 ②大阪高裁平成19年11月30日判決

 貸付債権と過払金返還債務とは二者択一、表裏一体の関係にあって切り離すことができず、一体的な取扱いがなされるべきものであるとして、より直截的に債権譲受人への承継を肯定しています。

 解説者は、銀行が過払金返還の対象となるような貸付債権を譲り受けるケースとしては、「譲渡担保として取り込む場合が考えられる。もちろん譲渡担保として取得しただけの段階では担保権者にすぎない銀行が過払金返還請求の対象となることはなかろうが、担保実行の方法として帰属清算の方法を選択する場合には、当該銀行自身が過払金返還債務を承継したとされる可能性があることを認識すべきであろう。また、担保実行の方法として処分清算の方法を選択する場合であっても、買受人において過払金返還債務を引き受けることを余儀なくされるということになれば、担保処分の価額は相当減価されることになり、担保処分がうまく進まなければ過払金返還のリスクだけを背負い込むことにもなりかねない。」と、警告されています。

 私が過去関与したケースでも、債権譲渡のケースで、過払金返還債務の承継を否定した案件はなかったように思います。

【建築・不動産】 共有者の一人が共有不動産から生ずる賃料を全額自己の収入として所得税の額を過大に申告し、これを納付した場合における事務管理の成否 最高裁平成22年1月19日判決

 判例時報Np2070号(5月11日号)で紹介された最高裁平成22年1月19日判決です。

 事案は、兄弟げんかが絡む良くあるようなケースです。

 つまり、兄弟であるXとYの共有財産から生じる賃料をYが単独で取得していたため、Xが、Yに対して、不当利得返還請求をしたのに対して、Yが、当該賃料収入をYの所得として税務申告した結果、所得税及び市県民税を余計に支払ったことなどが事務管理にあたるとして、事務管理に基づく費用償還請求権との相殺を主張して争った事案です。

 「感覚的」には無理やろうという事案です。

 第1審は、Yの納付した所得税及び市県民税はY管理不動産の維持、管理のために必要な費用ではないから、これを経費として控除することはできないとして、Yが取得した賃料のうち、Xに帰属すべき2分の1相当額3545万5850円から、右不動産に係る固定資産税及び修繕費並びに亡父母の相続税のうちXの負担すべき額2151万2291円のみを控除した残額1394万3559円について、Xの請求を認めました。

 ところが、第2審は、賃料収入のうちXが帰属する部分を含めてYの収入として確定申告した結果、Yが過大に支払うこととなった所得税及び市県民税合計230万7800円についても事務管理の成立を肯定して費用償還請求権との相殺を認め、1審判決の認容額から更に右金額を控除した1163万5759円の支払いに減額しました。

 最高裁は、

 共有者の一人が共有不動産から生ずる賃料を全額自己の収入として不動産所得の金額を計算し、納付すべき所得税の額を過大に申告してこれを納付したとしても、過大に納付した分を含め、消費税の申告納付は自己の事務であるから、他人のために事務を管理したということはできず、事務管理は成立しない

 と判断しました。

 余分に払った税金の取り戻し請求ができるのか?という質問は、よく相談を受けますが、固定資産税については事務管理が成立するが、所得税や市県民税については事務管理は成立しないということのようです。

2010年5月23日 (日)

市民の目線で第二次司法改革へ 宇都宮健児日弁連会長

 金融法務事情No1897号(5月10日号)の冒頭で、宇都宮日弁連会長の巻頭言が載っていました。

 宇都宮会長は、市民、とりわけ社会的経済的弱者といわれている市民に光が当たるような司法改革が行われているかどうかという視点で検証することが重要だと言われています。

 そして、小泉さん以降、貧困と格差の広がりは、大きな社会問題となっていますが、現在の法曹養成システムも、もてる者でなければその過程に進むことができない状況になっており、改善が必要です。

 平成21年に日弁連が司法修習生に調査したところ、半数以上が奨学金を利用しており、平均が318万円、最高額は1200万円になっていることが判明しています。また、今年の11月からは、司法修習生の給費制から貸与制に改められ、300万円近くの債務を負うことになります。

 私の事務所で借金を相談にこられる方の個人の最多負債額は、200万円~300万円位ですから、すでに多重債務で相談に来られる方並或いはそれ以上の負債を抱えて、弁護士になることなります。

 その上、弁護士になってからといって、事務所に就職できない弁護士はごろごろいるという状態ですから、これらの負債を返済していくことも非常に厳しい情勢です。

 弁護士の不祥事が増えて、姉歯事件のようなことにならなければいいがと思います。

 宇都宮会長には是非頑張っていただきたいと思います。

 

2010年5月22日 (土)

【倒産】 代位弁済に基づく財産債権性(共益債権性)の承継

 金融法務事情No1897号(5月10日号)で特集されていたテーマです。

 ある債権が、破産手続における財団債権または再生手続における共益債権とされる場合、当該債権が第三者に移転した場合、当該債権がいかなる根拠に基づいて財団債権または共益債権とされているものか、また、債権の移転がいかなる原因によるものかにかかわらず、第三者は、自ら取得した当該債権を財団債権または共益債権として主張することが許されるのかが最近議論されています。

 これって、結構、「弁護過誤」になりかねない論点なのです。

 というのは、弁済による代位の法律構成、法定の債権譲渡であると考えられていますが、そうすると、元々の性質をそのまま引き継ぐように考えてしまうからです。

 現に弁護士の中には、破産手続の際に、租税を立て替えて支払ったとしても、優先権あるからとアドバイスして、その後、弁護士賠償保険の申請をしたという話をきいたことがあります。

 現に、労働債権が問題となった大阪高裁の案件では、さすがに、弁護士は、相談を受けた際に、「勝手なことをしてはいけない。私は許可しない。給料は管財人が支払えばよいことだ。」と述べて相談者を怒ったようですが、あきらめきれない相談者は、今度は、公認会計士に複数回電話をして問いあわせを行い、会計士が「給料は優先権があるので立て替えても大丈夫」とアドバイスを行い、立て替えてしまったというケースでした。

 この点についての裁判例は、以下のとおりです。

1 租税債権

① 東京高裁平成17年6月30日判決

 原債権が租税債権で、債務者につき再生手続開始決定がされた後、金融機関が保証債務の履行として関税を弁済し、その後、債務者が破産したという事案です(原審は東京地裁平成17年3月9日判決【請求棄却】)。

 裁判所は、租税債権は、高度の公共性、公益的な要請により、破産法の手続上優先的な効力を付与されたものであるが、私人が代位による弁済によって租税債権を取得した場合は、当該私人まで優先的な効力を付与すべき理由がないとして、訴えを却下しました。

② 東京地裁平成17年4月15日判決

 原債権は租税債権であり、債務者につき再生手続開始決定がされたが、それ以前に納付通知のあった関税を、保証人であった金融機関が再生手続開始後に代位弁済した事案です。

 裁判所は、

 租税債務が、再生手続開始決定前に発生し、保証契約も再生手続開始決定前に締結されていたから、求償権が「再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権」に該当するとした上、求償権は、共益債権ではなく再生債権であると判断しました。

 そして、租税債権が一般優先債権とされる趣旨は、租税は国家の存立の財政的基盤であることから、租税収入の確保を図るという点にあるところ、代位弁済により租税収入の確保を図ることができた以上、租税債権を一般優先債権とした趣旨は既に達成されていたとしました。

 その上で、代位弁済によって、租税債権に一般優先債権として代位することはできないと判示して、再生計画によることなく弁済を行うことはできないとして、請求を棄却しました。

2 労働債権

① 大阪高裁平成21年10月16日(小松コート)

 本件は、Xが、Yに対し、従業員が破産会社に対して有する給料債権を原債権として取得したとして、原債権に基づく請求をした事案です(原審は、大阪地裁平成21年3月12日判決【請求認容】)。

 裁判所は、まず、求償権は破産債権に当たり、使用人の給料請求権は財団債権であるとした上、

 「第三者が破産手続開始前の使用人の給料を立替払した場合には、労働者保護の必要性という政策的目的は既に達成されている。この場合に、労働者でない第三者が弁済による代位によって取得した原債権をも財団債権として扱うことは、本来は総債権者のための共益費用という財団債権の性質を有しないにもかかわらず、政策的見地から財団債権とされた債権を、当該政策目的を越えて、総破産債権者らの負担において保護することに他ならない。」

 「原債権によって確保されるべき求償権が破産債権によらず、破産手続によらなければ行使することができない権利である以上、求償権に対し附従性を有する原債権についても、求償権の限度でのみ効力を認めれば足りることとなるから、第三者が弁済による代位によって取得した原債権たる労働債権は財産債権ではなく、一般の破産債権として取り扱われるもの」と判示しました。

 そして、原債権は、破産手続によらず行使することはできないとして、原判決を取り消して、訴えを却下しました。

3 その他

① 大阪地裁平成21年9月4日判決

 原債権が再生管財人の選択によって双務契約が解除された場合の前渡金返還請求権であり、委託を受けた保証人が弁済したという事案です。

 裁判所は、「民法501条柱書の『自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内』とは、求償権の存在や額を行使の上限とする趣旨にとどまらず、求償権の行使に実体法上又は手続法上の制約が存する場合には、原債権がその制約に服することも意味している。」とした上で、

 原債権は共益債権であるが、Xの求償権は再生債権であるから、「再生計画の定めによらなければ弁済等が許されないという行使についての手続上の制約が存するから、原債権を求償権と独立して行使することができない以上、原債権たる本件請求権の行使については、再生債権と同様の制約に服する」として、訴えを却下しました。

 

 ただ、佐々木修先生が指摘されているように、管財人が先に弁済した場合には、財団の負担となるのに、たまたま先に原告が代位弁済した場合には、求償権に過ぎないとして、破産債権扱いしかされないのは、「感覚的には」、おかしいような気がします。

 労働債権の事案は、約240万円の事案ですが、最高裁に上告受理されています。代位弁済した者としては、よっぽど悔しかったのでしょう。金額の問題ではないように思えます。

 これが、労働者健康福祉機構による立替払いの場合には、性質を承継するという考え方が強く、現に大阪高裁も同様の指摘をしていますが、理屈からいえば一緒のような気がします。

2010年5月21日 (金)

【交通事故】 重度知的障害者の死亡逸失利益について県最低賃金額を基礎として生活控除率70%で認めた事例 青森地裁平成21年12月25日判決

 交通事故判例速報No527号(平成22年5月号)で紹介された青森地裁平成21年12月25日判決です。

 事案は、交通事故案件ではなく男子重度知的障害者であったV(16歳)が知的障害児施設の浴槽内で溺死したという案件です。

 Vの状態は、自閉症、てんかん、行動障害及び重度の知的障害を負っており、平成15年1月に実施された知能検査ではIQ24と判定されていました。

 青森地裁は、重度知的障害者の死亡逸失利益について、県最低賃金を基礎に(但し、1か月の稼働日数20日)、生活控除率70%で、認めました。

 障害者の方の場合、就労の可能性について争われることが少なくないため、今回の地裁の判断は事例的なものではありますが、大いに参考になりました。

2010年5月20日 (木)

【流通】 フジ 株主総会

 本日は、午前10時から、フジの株主総会がありました。

 昨年5月から、監査役を拝命し、微力ながら、フジの企業価値向上のため、1年間邁進させていただきました。

 任期まであと1年ですが、引き続き、頑張っていきたいと思います。

 夜は、道後山の手ホテルで、懇親会がありました。諸先輩方のお話をうかがい、まだ未だ未熟さを反省するばかりです。

 弁護士としてだけではなく、人間としても成長しなければならないと決意を新たにいたしました。

2010年5月19日 (水)

【流通】 派遣・返品強要疑い

 今日の日本経済新聞に、岡山の大手スーパーが、3年ほど前から、新規店舗のオープン時に、店舗改装等の際に、納入業者から強制的に従業員を動員したり、協賛金を強要するなどをした独占禁止法違反(優越的地位濫用)容疑で、公正取引委員会が、18日に、立ち入り検査をしたことが報じられていました。

 新聞報道によれば、独占禁止法の優越的地位濫用(独禁法2条9項5号)が問題となったようですが、一般的にこのような場合には、独禁法の補完法である下請法の問題となると思いますが、何故、下請法ではなく独禁法での調査となったのでしょうかね?

 地方でも、経済法が問われるケースはあるので、勉強していく必要がありますね。

【消費者法】 サラ金業者の契約切替と取引の承継

 消費者法ニュースNo83(2010年4月)に、西条簡易裁判所平成21年12月22日付判決の判決文と解説が紹介されていました。

 「契約切替」という手法により、サンライフからプロミスに変更された取引について、サンライフ時代の取引も、プロミスが承継したとして、同社に対して、過払金返還を命じたものです

 私も、現在、同種争点の案件を複数の裁判所で複数抱えています。

 しかし、いずれの案件も、審理が長期化しており、大変な手間がかかっているような状態です。

 同種案件の各地の判決状況については、消費者法ニュースNo83(2010年4月)号の解説(335ページ)を読んでいただければと思いますが、私の知る限りでは、愛媛県内では、簡裁の判決はあっても、地裁の判決はまだ存在しない状況です(あれば教えてください。)。

 勝訴判決を得られるよう、頑張っていきたいと思います。

 なお、時折、このブログを読まれた方から、同種争点の事案(控訴事件)のご依頼がありますが、第1審から受けていない今治以外の裁判所の事案については、出張を伴うために、お断りさせていただいております。

 また、西条簡裁の判決文等については、消費法ニュースを購入してご確認下さい。

 大変申し訳ありません。

2010年5月18日 (火)

最近、外に出かけることが多いです。

 今日は、午前中、松山で仕事があったため、午前7時56分の特急電車に乗って松山に行きました。

 仕事は午前10時からだったので、その間、松山東映ホテルの喫茶室で、コーヒー(350円)を飲みながら、「下請法の実務」(公正取引協会)を読んでいました。松山東映ホテルの喫茶室には、元気いっぱいの女給さん(古い言い方。カフェ丸玉事件の表現みたいですね)がいて、はきはき明るい声をきくととても元気が出ます。ありがとうございました。happy01

 それから、午前中の仕事をすませてから、フジグラン松山2階のトンカツ屋さんで食事をとりました。

 ここのトンカツ屋さんは、料理を作っている様子が、よくわかりますので、それを眺めていてもとても楽しくなります。

 それから、ジュンク堂松山店を初めて訪ねました。

 雰囲気は、ジュンク堂らしいのですが、レジがなんと1階だけのようなのです。法律書も、結構そろえてあったので、これからはちょくちょく訪ねようかなと思っています。

 ただし、1万円以上購入しても、喫茶券はありません。少し、床面積が狭いかなあと思いました。昔は、紀伊国屋書店だった場所ですが、紀伊国屋の時には、法律書の品揃えについては今ひとつだったので数回くらいしか訪ねたことがありませんでした。紀伊国屋書店の新宿店は、司法浪人時代よく訪ねていましたけど・・・ 地下1階のカレーショップ目的でもあったのですが・・・ ジュンク堂は、神戸でも、大阪でも、池袋でも、広島でも、よく利用させていただく本屋さんです。特に大阪店には、2か月に1回程度出没しています。いつか、ジュンク堂から表彰状を貰いたいくらい利用させていただいています。 

 午後からは、今治で裁判なので、特急電車に急いで戻りました。

 明後日は、役員をさせていただいているフジの株主総会に出席する予定なので、行きつけの散髪屋さんを訪ね、子どもと一緒に散髪してもらいました。

 散髪が終わるや否や、子どもが「遊びたい」とせがむために、フジグラン今治を訪ね、子どもは、おもちゃ売り場で無料のゲームをしており、私は、スーパーで買い物と、2階本屋で書籍(貧困ビジネス)を購入しました。

 今日は、購入してきた本をじっくり読む予定です。

【行政】 酒気帯び運転をしたことを理由とする市役所職員に対する懲戒免職処分が裁量権を濫用したものであるとして取り消された事例 神戸地裁平成20年10月8日判決

 判例タイムズNo1319号(5月15日号)で紹介された裁判例(神戸地裁平成20年10月8日判決)です。

 酒気帯び運転をしたY市役所のX課長さんが、懲戒免職処分を受け、これに対して、XさんがY市に対して取り消しを求めた裁判です。

 神戸地裁は、

 懲戒権者は、懲戒処分をすべきかどうか、どのような懲戒処分をすべきかをその裁量により決定できるが、その裁量権を濫用したと認められる場合には、公正原則(地方公務員法27条)、平等原則(同13条)に抵触し違法であるとの判断枠組みを示した上で、

①本件酒気帯び運転が、職務と無関係な、休日であること

②Xが進んで飲酒をしたわけではないし、酒気帯びの程度が道路交通法で処罰される最低限の水準にとどまっており、第三者に被害を及ぼしたり、公務に支障を来していないこと

③前科前歴、懲戒処分歴はなく、本件酒気帯び運転を隠蔽していないとの事情は有利にくむべきであること

④本件指針では無免許運転などの悪質な交通法規違反でも減給戒告にとどまるのに、前科前歴、懲戒処分歴のない職員でも、酒気帯び運転で免職とするのは、均衡を欠くきらいがあること

⑤退職が予定されていたXにとって、収入だけでなく、退職金も受けられなくなる本件処分により被る損害は甚大であること

との事情を踏まえると、Y市長は裁量権を濫用したと判断して、本件処分を取り消しました。

 解説によると「近時、酒気帯び運転に対する社会的な非難が高まっているのを受けて、酒気帯び運転を理由とする公務員に対する懲戒処分も重くなり、本件処分のように、事故を起こさなかった場合にも免職処分がされる事例もみられる。」(同書87ページ)と記載され、懲戒処分の取り消しを求める裁判も多くなり、結論も分かれているようです。

 今回、Y市では、摘発された当時は、「停職、免職」ということだったようですが、平成18年9月以降は改正され「免職」だけになったようです。

 飲酒運転は、交通三悪の1つであり、決して軽く考えていいものではありませんが、Xさんのケースでは、Xさんにとって有利な事情をいろいろ考慮して、裁判所がぎりぎりに救済してくれたのでしょう。

 なお、今回の判例タイムズは、「担保不動産収益執行」についての特集がされていました。

 

2010年5月17日 (月)

【行政】 県知事が所定の要件を満たしていないのにこれを看過して一般建設業の許可をしたために、当該許可を受けた業者が瑕疵ある工事をして損害が発生したとして、当該業者に住宅の建設を注文した者が県に対してした損害賠償請求が棄却された事例 東京高裁平成21年12月17日判決

 判例タイムズNo1319号(5月15日号)で紹介された裁判例です。

 建設会社Zが一般建設業の許可申請に当たり、建設業法7条2号所定の専任技術者をおいていないにもかかわらず、専任技術者が20日前から勤務している旨記載した虚偽の出勤簿を申請書に添付して県知事に提出し、県知事が同出勤簿が虚偽のものであることを看過してZ会社に許可を与えました。

 即ち、建設業法は、建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事(木造の場合には、代金1500万円未満の工事又は延べ面積150㎡未満の工事)のみを請け負うことと目的とするものでない限り、建設業法に基づく許可を得なければならないと規定しています。

 Xさんは、本件許可後にZに住宅の建設(但し、軽微な工事に該当)を発注したが、工事に瑕疵が多かったため、契約を解除し、また、許可をしたY県を相手に、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めました。

 第1審は、建設業の許可事務について、国土交通省が作成したガイドラインや県が作成した手引きには、専任技術者をおいていることを示す添付資料として、出勤簿のほか、住民票、給与台帳及び健康保険証等の書類が記載されていることを指摘し、この点の審査に当たっては、これらの書類に基づきその者の勤務状況、給料の支払状況及びその者に対する人事権の状況等の要素を考慮して判断すべきものであって、

 出勤簿のみによってこの要件を満たしているものと判断したことは、要件の審査を尽くしたものとはいえず、国家賠償法1条1項の違法性が認められると判断しました。

 高裁は、

 まず一般論として、建設業法7条2号は専任技術者が許可申請前に一定期間常勤していることを要求してはおらず、単に許可申請時に専任技術者が常勤していることを要求しているにとどまり、申請者はこのことを証明する書面を申請書に添付しなければならないが、

 その書類の種類については特に定めがないから、県知事は、申請者にその事案に即した適切な書類を申請書に添付させ、その記載等からして常勤の専任技術者がおかれていると認めることができれば、当該申請を許可しなければならないと解するべきであり、

 県知事及び許可申請を受理する担当者には、このような法の趣旨を遵守すべき行為規範が与えられているとしました。

 その上で、本件の事実関係の下では、提示を求めうるのは出勤簿のみであり、これと申請者の説明のみによって上記要件については判断したことは、法の趣旨に沿った扱いであったと認めるのが相当であり、国家賠償法1条1項にいう違法な行為があったとは認めがたいとしました。

 行政処分の違法と国家賠償法1条1項にいう違法との関係については、

 A説 行政処分の違法=国家賠償法1条1項の違法

と、

 B説 行政処分の違法+職務上の行為規範に違反している=国家賠償法1条1項の違法

とが対立しているようですが、第1審も第2審も、B説に立ちつつ、県知事又は処理担当者に与えられた行為規範の解釈により、判断を異にしたようです。

 

2010年5月16日 (日)

【消費者法】 「貸せない」金融 角川新書

 最近、小林幹男という方が書いた「貸せない」金融というタイトルの新書を読みました。

 著者は、最近の消費者金融や信販会社の規制によって消費者が借り入れができないことから生じる消費活動の停滞により、かえって中小の事業者や消費者にとって悪影響が出ていると指摘しています。

 そして、①改正貸金業法の総量規制は白紙として金融庁の指導方針にとどめること、②貸出金利を国債利回り+25~35%程度とすること、③過払い金返還請求は多重債務者に限定すること、④信販業者が割賦販売にクレジットをつけられるようにすることを提言しています。

 まあ、いろいろ反論したいことはありますが、サラ金業者側の思考を知る上では一読もいいのではないかなあと思いました。

ネオテニージャパン 等など

 今日は、被疑者国選の休日当番なので、事務所には留守番の妻を残し、子どもを連れて、松山に遊びに出かけました。

 午前10時40分の特急電車に飛び乗り、午前11時過ぎに松山駅に到着。子どもは、子ども用のICカード(伊予鉄)が使いたいらしく、さっそく路面電車に乗車して、大街道で下車して、「坂の上の雲ミュージアム」を訪ねました。子どもは無料でしたが、大人は1名400円でした。

 明治時代の双六や、無線信号機で遊びました。壁等に飾っているものは、子どもに難しかったようです。

 それから、晩翠荘に向かったのですが、ちょうど、薔薇の販売展示会をしていたため、非常に混雑しており、中に入るのはあきらめ、晩翠荘の奥にある愚陀佛庵を訪ねました。子どもと一緒に訪ねるのは、2回目になるのですが、子どもが、「正岡子規さんはいつくるの?」と言っていたのがおもしろかったです。

 こどもが「おなかがすいた」と言い出したので、好古弁当を売っているロープウェイ駅近くのおにぎり屋さんに行きました。好古弁当と五穀米のおこげ等を購入して、ロープウェイに向かいました。

 リフトを使い下車してからは、子どもと競争して松山城までかけっこをしました。

 松山城で好古弁当を食べていると、観光客らしいおじいさんから、「お父さん 弁当持参なの? 竹皮で包んだ弁当久しぶりに見た」と話しかけられました。そうなんです。好古弁当は、竹皮に、おにぎりや鳥の空揚げなどを包んでいるのです。

 松山城には有料の望遠鏡があるのですが、フジグラン松山がくっきり正面に写ったので、子どもが、「結構近いねえ」とか言っていたのがおかしかったです。そりゃ、望遠鏡で見れば、近く見えるよ・・・

 そのあと、スペシャルドラマ館を訪ねました。ここでは、スタッフの方がいろいろ説明してくれるので、ある意味坂の上の雲ミュージアムよりも、いいかもしれません。

 料金は600円ほどかかりますが、子どもは楽しめたようです。

 それから、「のどが渇いた」というので、愛媛物産館を訪ね、手作りジュースを飲みました。ただ、量はさほどないのですが、280円なので、高い気はします。残っている妻のために、おみやげをそこで購入しました。

 そして、ネオテニージャパンが愛媛県立美術館でやっているということを妻から聞いていたので、子どもを観に行きました。私には、余り理解できないような絵だけでしたが、子どもは結構おもしろがっていました。世代格差を感じました。ここでも、妻のために、おみやげを購入しました。

 また、路面電車を使って、松山駅で下車して、フジグラン松山で、チーズの詰め合わせを購入しました。3個どれでも好きなチーズを組み合わせることができ、それで980円ですから、かなりのお得感があります。

 最後に、キスケの湯に入って、また、特急電車に飛び乗って、今治に帰りました。

 今日は、熟睡しそうです。

2010年5月15日 (土)

【行政】 固定資産評価基準及び市の評価要領に基づき宅地の価格に比準する方法によって決定された市街化区域内の農地等の価格につき、当該区域が市街化区域としての実態を有していないことのみを理由として上記価格が適正な時価を上回るとした原審の判断に違法があるとされた事例 最高裁平成21年6月5日判決

 判例時報No2069号(5月1日号)で紹介された最高裁平成21年6月5日判決です。

 事案を簡単に述べると、西宮市の地主さんが、平成12年度の、市街化区域内の農地や原野、雑種地について、固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成12年自治省告示第217号による改正前のもの)及び西宮市が同評価基準に基づいて土地を評価するために定めた西宮市土地評価要領に基づき、宅地の価格に比準する方法を用いたことについて、西宮市固定資産評価審査委員会の棄却決定を取り消すを求めた行政事件です。

 なんと、平成13年に提訴され、第2審の判決は、平成18年3月という、非常な長期裁判です。

  大阪高裁は、

 本件区域はいまだ都市計画法7条2項にいう「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とはかけ離れた状況にあり、一般的にはその区域内の農地、原野及び雑種地が宅地に準じた価格で取引される状況にはなく、西宮市長が決定した本件各土地の各価格はいずれも当該土地の適正な時価を上回ると認められるとして、前記各決定のうち本件各土地に係る部分は違法であると判断しました。

 ところが、最高裁は、原審に差し戻ししてしまいました。

 すなわち、固定資産評価基準等所定の市街化区域内の農地、原野及び雑種地の評価方法は適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものということができるから、西宮市長が決定した各価格が、固定資産評価基準等に従って決定されたものと認められる場合には、それらの定める評価方法によっては本件各土地の価格を適切に算定することのできない特別の事情が存しない限り、その適正な時価であると推認するのが相当であり、

 本件区域全体の市街化の程度、見込みのみをもって直ちに、かかる特別の事情があるということはできないと判断しました。

 最高裁は、本件区域全体の市街化の程度や見込みではなく、個々の農地の所在地その他の条件を具体的に検討が必要だととしたものです。

四国銀行新頭取に 野村直史氏

四国銀行の頭取に、野村直史専務が昇格されることが決まったようです。

 野村新頭取は、私が法律事務所を開業した平成11年当時は、四国銀行今治支店の支店長さんでした。

 昔、父の会社と四国銀行さんとが取引があったことから、私が独立開業した当時、野村支店長さんには、いろいろとご心配をしていただき、また、野村支店長さんが直々に昔の事務所にまで大きな花束を届けていただいたこともあり、大変気さくなお人柄の方でした。

 開業したときに花束をいただいた金融機関は、四国銀行さんだけだったなあ。

 また、旧事務所で最寄りの金融機関は、四国銀行さんだったので、現在の新事務所に移転するまで、継続して、お取引をさせていただいていました。

 今治支店の後は、本店の部長などを歴任されていたとうかがっていたのですが、ついにトップになられたようです。

 懐かしい方のお名前を日経新聞で見たので、つい10年前の昔を思い出しました。

 四国銀行は、気さくな雰囲気がする銀行なので、愛着があります。是非、野村新頭取には、頑張っていただきたいと思います。

2010年5月14日 (金)

びっくりしたなあ!  「弁護士をストーカー規制法違反容疑で書類送検」

 今日の愛媛新聞の朝刊をみて驚きました。

 以下、愛媛新聞の記事を一部引用します。

 伊予署と県警生活安全企画課は13日までに、女性に付きまとうなどしたとしてストーカー規制法違反の疑いで、弁護士を松山地検に書類送検した。

 容疑は2009年1月上旬、面識のある20代女性に、携帯電話のメールを複数送り、自分と会うよう義務のないことを要求したほか、松山市内の路上で付きまとうなどした疑い。

 県警生活安全企画課によると、同弁護士は任意の取り調べに対し、メールを送信した事実は認めた上で「ストーカー行為ではない」と容疑を否認したという。同弁護士は愛媛新聞社の取材には「ノーコメント」としている。

 09年1月中旬に女性が伊予署に被害を相談し6月に告訴。被害届を受理した伊予署が11月以降、弁護士から任意で事情聴取するなどし、生活安全企画課と合同で捜査を進めていた。 

 (以上引用終わり)

 今頃、弁護士会も大変な騒ぎになっているだろうなあ。

 「書類送検」の段階であること、容疑を受けている弁護士は「否認」していることなどから、軽々しくコメントはできませんが、立場を考えると、愛媛新聞の取材には応じてご説明された方がいいようにも思えます。

 ただ、新聞報道をみていると、匿名ではあるものの、結構特定できそうな情報を報道しており、このような報道の仕方によって受けたこの弁護士の信用低下は非常に大きいものがあります。

 また、マスコミの報道の仕方として、「男性弁護士」、「嫌がる女性」という表現を用いていることも気になります。

 この段階での報道であれば、例えば、年齢位は40歳代とか50歳代とか、もっと抽象的なものでも良かったのではないかと思います。

 なお、一般論として、男女関係問題は、昔から理性を失いかねないケースですが、私も、注意していきたいと思います。 

【金融・企業法務】 契約当事者ではない金融機関が、契約に深くかかわった場合における金融機関の説明義務

coldsweats02 銀行法務21・5月号(No716号)に、大阪経済大学の松田佳久先生が執筆された論文が掲載されていました。

 取引先が融資を受け不動産や金融商品等を購入する場合に、購入目的物の瑕疵につき金融機関に取引先への説明義務が課されるケースがあります。

 このようなケースにおいて、金融機関の説明義務を認容するスキームとしては、松田先生の分析によれば、①説明義務を是認する根拠となりうる特段の事情を認定するもの(特段の事情スキーム)と、②融資契約と売買契約との一体性を重視するもの(契約一体性スキーム)とがあります。

 特段の事情のスキームは、融資契約と他の契約とを別個の契約として捉え、特段の事情が存在する場合に金融機関に説明義務を認容するものです。

 契約一体性スキームは、融資契約と他の契約とを一体であると判断した上で、補充事情がある場合に、金融機関に説明義務を認容するものです。

 前者のスキームは、主に売買目的物が不動産である場合に適用され、後者のスキームは、融資一体型変額保険の勧誘事案に適用されると説明されています。

 このスキームの関係については、松田先生は、以下のとおり説明されています(P30~P31)。

 つまり、「契約の一体性あり」とされる水準に満たない場合には、特段の事情スキームの適用となり、契約一体性スキームを適用できる場合よりも、特段の事情がより必要になる。

 これに対し、契約一体性ありと判断される水準に達している場合には、一体性スキームを適用し、補充事情(融資による不動産や金融商品等の購入事案の場合には、金融機関職員の積極的勧誘・主体的関与の程度)が判断されることになる。

 この場合の金融機関職員の積極的勧誘・主体的関与の程度は、特段の事情スキームでの特段の事情よりも低いレベルであっても、説明義務が認容される場合がありえるということになる。

 このような差異の他、契約一体性スキームを適用する場合には、①一方契約の債務不履行等による他方契約の解除、②両契約の錯誤無効などの法的効果も可能となる

 以上のとおり説明されています。

 その上で、「積極的勧誘・主体的関与と認められる言動や行為はすべきではなく、あくまでも取引先が主体的に判断するような状況を保持する必要がある」と指摘しています。

 今月の解説は、他にも、弁護士による「独占禁止法改正と銀行実務」という論文が掲載されていましたが、田舎弁護士にとっては、縁のない分野なので、「読む」気力がなく、パスしておきます。coldsweats01

 

 

2010年5月13日 (木)

【金融・企業法務】 債務者の相続開始と債権管理

 銀行法務21・5月号(No716号)で連載している「営業店からの質疑応答」は、第一線で活躍されている銀行実務家の執筆によるものですが、いつも参考にさせていただいています。

 というのは、私が顧問をさせていただいている銀行からも、似たような質問を受けることがあり、その際に、「偉そうに」回答するのに大いに役立っているからです。happy01

 今回は、遺言があるケースで、特定の相続人に全て相続させる場合の対応策について記載されたものです。

 最高裁平成21年3月24日付判決を引用して、Aの遺産全部をCに相続させるとの遺言があり、相続債務もすべてCが相続するものと解される場合には、甲銀行がこれを承認することにより、Cに対して、相続債務全額を請求できますと回答され、また、根抵当取引をCに承継させるには、根抵当権の債務者をCとする合意の登記を相続開始後6か月以内に行う必要がある旨回答されています。

 そして、C以外の相続人から遺留分減殺請求があった場合でも、最高裁平成22年3月24日判決を引用して、遺留分を侵害しているかどうか、計算を行い、遺留分減殺があったとしても、Cが取得した減殺後の積極財産が甲銀行の債務を上まわるケースであれば、債権ほぜんとしてはまず問題がないと解説されています。

 きんざいの金融法務例会にも、是非、講師として呼んでいただきたい専門家の1人ですね。

2010年5月12日 (水)

【金融・企業法務】 偽造印を使用した預金払戻請求に応じ預金を払い戻した銀行の免責が否定された事例(確定) 名古屋高裁平成21年7月23日判決

 銀行法務21・5月号(No716号)で紹介された裁判例です。

 無権利者からの払戻にY銀行が応じてしまった事案です。Y銀行の照合事務担当者(窓口業務の経験は10年)は、印鑑照合機で届出印と払戻請求書の印影を照合し、払戻請求書の印影を真ん中で半分に折り画面上の届出印の印影に重ねたりして確認し印影が一致していると判断しました。その後、預金役席のベテラン行員が印鑑照合を行い、預金払戻請求者にX名義の預金を払い戻しをしました。

 第1審は、Xの請求を否定しました。

 理由は以下のとおりです。

 (1)払戻請求書の印影が届出印の印影と酷似していること、(2)Xが問題とする印影の相違点の内容・程度は、押印時における着肉量、央圧力、押圧台等の使用条件の違いの影響によって生じうる範囲内のものにすぎないこと

 第2審は、Xの請求を認めました。

 理由は以下のとおりです。

 銀行の照合事務担当者に対して社会通念上一般に期待される業務上の相当の注意がどのようなものであるかは、・・・印章偽造技術の進歩やその悪用例の存否等とも関連するところ、・・・副印鑑制度がなくなった後も、副印鑑の顕出されている古い預金通帳を保存している預金者もあり、既存の印影を利用して印章を作成しそれを悪用するおそれがなくなったわけではない。

 したがって、照合事務担当者としては、少なくとも次の3点を念頭に置いて照合する必要があるというべきである。

 第1は、既存の印影を写真撮影、スキャン等して印章が偽造された場合には、当該偽造印章により顕出された印影は、一見して元の印章による印影と極めて類似していること、

 第2は、重ね合わせ等により印影の文字線や円周線を比較するのみでは、両印影が異なる印章により顕出されたものであることを見抜くことは困難な場合があり、偽造印の文字線をやや補足する等の修正がされていると文字線の太さ(幅)の差を印肉、紙質、押捺の圧力等の押捺時の条件の差によるものと見間違いやすいこと

 第3は、払戻請求者の印影に届出印影と差異がある場合において、それが印章の相違から来るものであるときは、当該印章により何度印影を検出しても同一の差異が見られるということである。

 解説者は、第2審は、重ね合わせ照合ではなく、平面照合を行っておれば、印影相違に気づくはずということについては、銀行に対して、「やや厳しすぎる判断」と評しています。

 第2審で、預金者が、逆転勝訴した事案ですが、預金者のみならずその代理人の喜びも大きいでしょう。反面、銀行にとっては、???ということになるとは思いますが・・・・

2010年5月11日 (火)

【金融・企業法務】 抗告人らが船舶の所有者等の責任の制限に関する法律95条所定の船舶先取特権に基づき貨物船の船舶競売を申し立てた事案において、船舶先取特権の存在を証する文書の提出がないとして当該申立てを却下した原決定が維持された事例 東京高裁平成21年8月6日決定

 金融法務事情No1896号(4月25日号)で紹介された裁判例です。

 私の事務所では、原則として、海難事故は取り扱わないため(但し、海難事故で起訴された船員さんの刑事事件の私選弁護は取り扱ったことがあります。)、余り馴染みのない分野の裁判例ですが、相手方の名前をみると、なんと田舎弁護士の地元の企業だったため、ついつい、誤って? 解説を読んでしまいました。 

 解説を読んでしまった以上、紹介しないわけにはいけません。

 事案は、以下のとおりです。

 貨物船と漁船の衝突事故により死亡した本件漁船の乗組員の法定相続人である抗告人らが、本件貨物船の船長及び一等航海士について民法709条、719条に基づき、本件貨物船の共有者らについては商法690条に基づき、それぞれ本件事故により発生した損害を連帯して賠償する責任がある旨主張し、同人らを債務者とする船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(船主責任制限法)95条所定の船舶先取特権に基づき、本件貨物船について船舶の競売を申し立てました。

 決定要旨は、以下のとおりです。

1 原決定の認定によれば、本件貨物船の一等航海士は、同船と本件漁船がほとんど間向かいに行き会う状況になった時点で、海上衝突予防法14条1項本文に従い、進路を右転させ、法規に従った行動を取っており、他方、証拠によれば、本件漁船が法規に従って右転せず、かえって左側に進行し、本件貨物船から疑問信号が発せられていたのであるから、本件漁船はこれに気付いて進路を変えるべきであったのに、本件貨物船の前を突っ切るように進行して衝突に至った経緯が認められ、同航海士において、上記のような本件漁船の法規違反を予測して、本件貨物船が減速すべき義務があつたとまで直ちに認めることは困難である。

2 また、当審で追加された証拠資料を併せて検討しても、本件事故当時における本件貨物船と本件漁船の位置関係、航行経路、それぞれの航行速度、制動距離等は必ずしも明らかではなく、したがって、同航海士が本件貨物船を減速させていれば、本件事故を回避できたとまでは認めることができず、同航海士が上記減速の措置を採らなかったことと本件事故との間に因果関係があったと認めることもできない。

3 本件申立ては、疎明資料による仮処分ではなく、船舶の競売という強制執行であり、それにより相手方が被る影響は重大であるところ、本件に現れた証拠資料からは、上記のとおり認定判断するほかなく、相手方の反論や反対証拠の提出がない本件申立事件の手続の中で、抗告人らが提出している証拠資料のみから抗告人らの主張する過失の存在を認めるのは困難であると言わざるをえない。

 よくわからないのですが、遺族は、なぜ、船舶先取特権という方法をとったのでしょうか?

 認定された事実からすれば、漁船側に大きな過失があり、場合によっては、貨物船側は免責される可能性もあるようなケースのように感じられました。

 東京高裁の抗告棄却に対しても、申立人は、抗告許可申立や特別抗告を申し立てています。

 感情的なものが背景にありそうな事案にように思われます。

2010年5月10日 (月)

【労働・労災】 高齢者等の雇用の安定等に関する法律9条は直截的に私法的効力を求めた規定とまで解することはできない 大阪地裁平成21年3月25日付判決

 判例タイムズNo1318号(5月1日号)で紹介された裁判例です。

 高年齢者雇用安定法は、数年前に、顧問先から相談があった際に、知った法律ですが、いよいよ高年齢者雇用安定法が問題となる案件が出てきたのですね。

 高年齢者雇用安定法が問題となった裁判例としては、①徳島地裁平成21年2月13日判決、②東京地裁平成21年11月16日判決などがあります。

 本件事案でも、高年齢者雇用安定法9条が問題となりました。

 9条

 定年(65歳未満のものに限る)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置のいずれかを講じなければならない。

1 当該定年の引き上げ

2 継続雇用の導入

3 当該定年の定めの廃止

 争点は、(1)高年齢者雇用安定法9条1項の効果として、不法行為責任が生じるかが問題となりました。

 裁判所は、高年齢者雇用安定法9条の私法的効力については、事業主である被告は、原告に対して、同条1項に基づいて私法上の義務として継続雇用制度の導入義務ないし継続雇用義務まで負っているとまではいえないと判断しました。

 次に、(2)被告が高年齢者雇用安定法9条1項2号の措置を採っているといえるか(本件制度が高年齢者雇用安定法9条1項2号の継続雇用制度に合致しているか)について、

 裁判所は、被告は、高年齢者雇用安定法9条1項2号で定める継続雇用制度に該当する本件制度を実施しており、被告が同号に反して何らの措置も採っていないとはいえないと判断しました。

 高年齢者雇用安定法って、年金受給年齢を65歳に引き上げたため、従来一般的な定年年齢である60歳を65歳に引き上げることによって、年金受給を遅らせることによる弊害を、緩和させるためにもうけられた制度ではないかと個人的には思っています。

 私は、60歳で仕事はやめたいと考えていますが、年金が65歳からだと、やっぱり65歳まで働かんといかんのだろうなあ・・・

 しかし、退職直前で、年金分割の請求がきたらシャレになりませんね。。。crying

 

2010年5月 9日 (日)

エミフルMASAKI に行ってきました

 先日、GWを利用して、子どもを連れて、エミフルに出かけてきました。

 今回のエミフルは、高速道路を使っての訪問です。

 まず、子どもが大好きな映画館に直行しました。

162 座席がすべて予約制になっていました。希望する座席が選べるようです。フジのカードで割引きになりました。

161 映画館通路の様子です。トイレも利用させていただきましたが、まるで高級ホテルのように綺麗でした。トイレが綺麗だと気持ちがいいですね。

 映画館では、銀魂という元は少年ジャンプに連載していたアニメを映画化した映画を観ましたが、ギャク満載でおもしろかったですね。子どもも笑い転げていました。

 映画を観た後は、いつものように、ポケモンのパトリオ0というゲームを子どもにさせました。フジグラン今治と異なり、2台あるので、あまり並ばずにゲームをさせることができました。

 そのあと、家内がお気に入りの靴をみつけたようなので、購入しました。私は、筆記用具を購入しました。おしゃれな筆記用具でしたね。さすが、品ぞろえは四国一と思える位です。

 160  

 GWということもあって非常に混雑していました。

158 屋上駐車場からみた、屋外駐車場の様子です。満車であることがよくわかりました。

 なお、今治方面に、高速を利用して帰るのであれば、松前に行ってはいけません。伊予方面に出てください。松前方面に出ると、迷ってしまいます(前回これで失敗しました)。

  エミフルまさきの写真集発見。

毎日のように、フジグラン今治にいっています

 今日は、昼からは、子どもに自転車の乗り方を教えていました。今日は、結構暑かったため、子どもも私も、結構汗をかきました。

 場所は、蔵敷公園ですが、今回は、私もMTBを持参して、子どもと競争したりしていました。蔵敷公園ですが、滑り台に、お客さんがいただけで、今日も貸切のような状態でした。

 それから、子どもが「おなかすいた」と言い始めたので、ハナマルでうどんを食べにいきました。ここのうどんは、こしが強くておいしいです。

 今日は、母の日なので、子どもを連れて実家を訪ねました。花を注文して配達をお願いしていたのですが、花屋さんが結構綺麗にアレンジしていただけていました。

 それから、ヒマラヤで、バトミントン道具を購入して、フジグラン今治で、買い物をして帰りました。

 こどもは当然のようにパトリオ0というゲーム機で遊びました。

 帰宅すると、近くの子どもが遊びにきてくれたので、みんなでバトミントンをして遊びました。

 腰が痛かったです・・・・

  それから、テンプレート変えてみました。

 田舎の弁護士ですが、常に情報発信は都会の弁護士に負けないようにという思いからです。

2010年5月 8日 (土)

今治の春祭

 今日は、今治の吹上神社の春祭りのため、みこしが街中を移動して大変賑やかでした。わがしまなみ法律事務所の前も昼過ぎに通りました。

 御輿は、2つあり、男御輿と女御輿でした。元気よく通過していきました。

 今日の午後は、子どものプールの送迎当番であるため、子どもたちと一緒に、スポーツクラブを訪ね、その帰りに、フジグラン今治に、今度は、スーパーマリオカードという車のゲームを子どもたちにさせるため、立ち寄りました。フジグラン今治横では、今治名物のタオルフェアも開催されており、賑やかでした。

 フジグラン今治を出た時は、午後6時前でしたが、昼過ぎにみた御輿が、フジグラン今治の中に入っていく姿を見物することができました。早速、今週購入した携帯電話で撮影しました。

 御輿の人たちは、ほとんどの方が、くたくたな状態のように見えました。大変お疲れ様です。happy01

【流通】 チェーンストアエイジ 5月1日号

 チェーンストアエイジ5月1日号には、「10業態のシェアから流通業界の動向が見える」と題した特集記事が組まれていました。

 百貨店、総合スーパー、ホームセンター、生協の市場規模は減少傾向にあり、特に、百貨店は、1年で8000億円も減少するなどとんでもない状況に陥っています。

 成長傾向にある業態が、ドラックストア、総菜専門店であり、数パーセント成長しています。

 しかし、どの業態も、オーバーストアであることは否めません。

 日本リティングセンターチーフコンサルタントの渥美俊一先生によれば、4つの空白業態に注目し、ニューフォーマットの構築を目指せと提言されています。

 第1は、意外と思ったのですが、しまむらのようなミドルポュラープラスの衣料品だけを品揃えをする業態です。

 第2は、バラエティストアです。「完全に生活必需品であるマストハブで低廉な商品を取り扱う業態」ということですが、残念ながら、私には具体的にどのような業態なのかよくわかりません。おそらくは、生活必需品を取り扱う店だと思うのですが、それだと、既に多数存在しているような印象を受けます。渥美先生、教えてください

 第3は、西松屋チェーンが属する、乳児と幼児・子ども用衣料専門店、とくに少年少女用衣料専門店です。これはなんとなくわかります。ついでにいえば、障害者のための専門店も少ないですね。

 第4は、ホームファニシング、ホームファッションの領域です。

 そして、ニューフォーマットを構築せよと提言されています。

 そのための条件として、①売り場面積一坪あたり年10万円以上の営業利益高を確保すること、②収益を上がる売り場を1ずつ増やしていくことが必要だと述べられておられます。

 そして、「ニューフォーマットづくりで2010年代の新しい小売業の世紀が開かれるものと考えている。しかし、オーバーストアの環境の中で、我が社がいままでどおりのガンバリズムで戦っていくのであれば、2010年代には、会社自体が消えてなくなることを覚悟しなければならないだろう。」と結んでいます。

 弁護士という業界は、これまで、「真面目に丁寧に仕事」をしてさえしておれば、食べて行くには困らない業種でした。ところが、弁護士数の著しい増加、都会の事務所のTVやラジオ、チラシ等による顧客獲得活動の活発化、弁護士法人の支所開設や法律相談会による進出、認定司法書士との競合、法テラスとの競合等、過払いを除く一般民事訴訟事件の減少により、「真面目に丁寧に仕事」をしてさえしておれば、顧客を得ることができるという時代ではなくなりつつあります。

 流通業界の現況を知ることは、将来の法律事務所の在り方にも大きな示唆を与えてくれそうです。

 

2010年5月 7日 (金)

【消費者法】 過払金 の ご相談

 相変わらず、債務整理のご相談は、一日、1~2件くらいあります。私の事務所では、一日、6件から7件のご相談(新規)が入っているため、業務の相当部分が債務整理で占めることになります。

 ただ、最近では、①引き直しをしても、負債が残る事案、②ご相談の前に支払督促や提訴されている事案、③他の法律事務所や司法書士事務所で断わられた業者の事案などが増えています。

 また、相談する時期が遅れたため、④個別計算を前提であれば、過払金が消滅時効期間が到来している案件、⑤相手先の業者が倒産したり廃業したりしている案件も、増えています。

 昨年と比べても、提訴が必要な場合が格段に増えているような状況です。

 最近、取り扱う量が増えているのは、(1)クラヴィス・サンライフ契約切替案件(対プロミス)、(2)ネットカード譲渡案件(対旧ニッシン)、(3)マルフク譲渡案件(対CFJ)です。

 これらの案件の中には、敗訴すると、負債が残存する場合も少なくなく、非常な緊張感があります。

 また、提訴ということになると、交渉に比して格段に労力を費やし、時間もかかることから、過払金の請求金額が小さいような場合には、赤字覚悟で引き受けているような状況です。

 また、長期間かけて、裁判では、勝訴した結果、判決で、サラ金業者の預金を差押えしても、数百円しかない場合も、ざらにあります。

 さらに、上場企業でありながら、約束した弁済期日の延長を申し出てくるところもあります。これが最近本当に多いのです。一度約束した弁済期を、さらに延長するよう申し出てくるのは、資金不足のためだと思われますが、本当に約束した過払金を払ってくれるのか非常に心配です。

 提訴すると、以前は、弁護士が代理人に就任されたサラ金も、最近は、支配人が出てくることも多くなりました。弁護士費用がないのでしょうか?

 他方、負債が残る場合に、以前は、将来利息は0%にしてくれた所が、最近では、一括弁済を要求したり、年18%程度の将来利息を口にするようになりました。

 過払金返還の急増を受けて、サラ金業者も懐が非常に厳しい状況になっています。

 他方で、元債務者の中には、得た過払金で高価品を購入される方もいて、今後の生活について非常に心配させられることもあります。

 多重債務者の生活の立て直しのためには、過払金の返還が有効な手段の1つですが、それが急増すると、サラ金業者が倒産するなど結果的に返還を受けられないという事態も生じます。

 二律背反するため、立場によっては評価がわかれる難しい問題です。

 

2010年5月 6日 (木)

先輩からの手紙

 母校の中央大学の先輩(大学の司法試験受験団体)で、弁護士でありながら、中央大学法科大学院の教授もなさっている遠山信一郎先生から、最新の中央大学法科大学院のガイドブック(2011版)と、遠山先生が法務省の法制審議会民法成年年齢部会で参考人として意見陳述された時の発言をまとめられた小冊子を送っていただきました。

 最近の中央大学法科大学院の復活ぶりは、めざましく、新司法試験合格者数は、第4回までの累計で、①東大 714名 ②中大 642名 ③慶大 589名、④京大 467名 ⑤早大 381名 となっています。

 私が合格した時は、合格者数は、5位だったので、東大に肉薄するとことまで、復活したように思えます。

 ガイドブックには、当然、遠山先生の授業風景も紹介されており、生活紛争と法という科目をご担当されておられるようです。

 写真で見る遠山先生は、私が学生時代の時に知っているような怖~い先生ではなく、とても穏やかな優しい表情をされていました。

 法制審議会の記録はとても難しいことが書かれているため、必ずしも十分に理解できているわけではありませんが、成年年齢を引き下げることに伴い、様々な問題が生じることから、国民的コンセンサスの重要性を述べておられました。

 先生からのお手紙から、私の健康をとても心配されておられるようでした。

 大変ありがとうございました。

2010年5月 5日 (水)

【交通事故】 自賠責14級 → 高次脳× PTSD○ 9級 素因減額40% (大阪地裁堺支部平成22年2月19日判決)

 自保ジャーナルNo1820(4月22日)号で紹介された大阪地裁堺支部平成22年2月19日判決です。

 争点は、第一次的に、器質性障害の高次脳機能障害と認められるか? 第二次的に、非器質性のPTSDと認められるか?ということです。

 原告側は、E大学医学部等の著明な医師らの鑑定意見をもとに、本件事故の衝撃度やPET等の検査結果、事故後に現れた認知障害等の所見から高次脳機能障害が有力であると主張しました。

 裁判所は、

 高次脳機能障害の重要な認定基準である、「事故直後、被害者に意識障害がないこと」、「事故後3か月以内に完成する脳室拡大及び脳萎縮による画像所見がないこと」等を理由に、器質性の高次脳機能障害を否認する判断を行った。

 しかし、PTSDについては、スクリーニングテストの結果及び問診結果などから、事故直後は、長男の自殺という出来事が第一義的にきていたが、その後、徐々に、本件事故の恐怖心が上まわるようになり、約2年くらいまで反応性うつ病の症状として現れ、被害者の症状形成につながったとする鑑定意見を採用し、PTSDであると認定した。

 そして、被害者を取り巻く環境要因すべてが一体となって現行の精神症状が露呈している感もみうけられるとして、素因減額40%としています。

 PTSDが認められてなんて、最近では余りないのではないでしょうか?

 但し、金額的には、約8400万円請求して、約810万円の認定です。

 合議事件のようです・・・・

再び、フジグラン今治

  GWは、フジグラン今治を度々訪ねました。

 今日も、毎度のようにフジグラン今治を訪ねました。

 今日は、天気が良かったことから、子どもの自転車乗りの指導のために、蔵敷公園を訪ねました。蔵敷公園は、祖父母の家が近くにあったため、私も小さい頃によくそこで遊んでいました。幸いないことに、誰も利用している人はいないため、のびのびと公園を利用させていただきました。本当に、子どもは少なくなったようで、1時間ほど利用させていただきましたが、利用者は、犬の散歩に訪れた方1名と1匹だけでした。

 それはさておき、子どもは最初のことは運転はぎこちありませんでしたが、公園内をぐるぐる廻っているうちに慣れたのか、余りこけないで運転することができるようになりました。

 1時間ほど練習して、汗びっしょりになった子どもが、ジュースを飲みたいと言い出したため、近くの喫茶店で、子どもはカルピスを、私はコーヒーを注文しました。コーヒーがサイホン式だったため、化学の実験器具のようなガラス瓶をみて、子どもがかなり関心を示していました。

 自転車には、鍵がついていなかったことから、ヒマラヤに行きましたが、残念ながら、ヒマヤラには、サイクル関係の器具は置いていないということだったため、フジグラン今治のサイクル売り場を訪ねました。

 フジグラン今治のサイクル売り場には、たくさんの鍵があり、その中から、子どもが気に入った鍵を購入しました。くまのぷーさんの鍵もあったのですが(私は気に入ったのですが)、子どもからは、「こんな子どもぽいもの、いやだ。」と言われてしまいました。

 子どもにとっては当然ですが、いつものポケモン・パトリオ0もせがまれて、1回だけ遊ばせてしまいました。

 子どもからは、「また、日曜日に練習にこようね。」と言われたので、しばらくは付き添うつもりです。

2010年5月 4日 (火)

【交通事故】 3か月弱の間に3回の事故は1個の加害行為とはみなさず、共同不法行為を否定、各自単独不法行為の寄与度を50%、30%、20%と認定した(横浜地裁平成21年12月17日判決)

 自保ジャーナルNo1820(4月22日)号で紹介された横浜地裁平成21年12月17日判決です。

 第1事故から2ヶ月半後の第2事故、その11日後に第3事故と3回も3か月弱の間に交通事故の被害者になった人の案件です。

 このような案件は、ごく稀にご相談を受けますが、難事件であることが少なくありません。

 裁判所は、いずれも客観的な関連性を認めることはできないとして、共同不法行為ではなく、単独の不法行為として、各加害者は損害賠償の義務を負うと判断しました。

 その上で、第1事故は、普通貨物車の後退による逆突事故、第2事故は、速度を減じた時点での出会い頭衝突で、衝突後の第2車両の移動が0.2㍍、第3事故の追突事故の寄与度は、50%、30%、20%と認定しました。

 裁判所は、異時事故についての共同不法行為が成立する場合としては、時間的場所的に近接しており、前者の事故により後者の事故が発生したという関係が認められ、各不法行為と損害との間に因果関係が認められる場合に、共同不法行為が成立すると基準を定立しています。

 

フジグラン 今治

happy01 昨日、事務所の庭の草取りをしていたら、ぐいといって、ぎっくり腰になったようです。happy02

 たいしたことがないだろうと安易に考え、午前、スポーツクラブを訪ね、シャワーを浴びたとたん、くしゃみが出てしまい、その反動で、ぎっくり腰が酷くなりました。crying

 そのため、午後からはベッドに横になり、佐高信の本などを読んだり、ブログを執筆したりなどして過ごしていましたが、ひどくなりそうな気配を感じたので、フジグラン今治にある元気堂にいってきました。

 約2時間やってもらい、大変楽になりました。気持ちよかったです。

 また、携帯電話機の機種変更のため、フジグラン一階のAUショップを訪ねました。混雑していましたが、延べ40分くらいで機種変更が終了しました。

 その後は、フジグラン今治でお買い物をして、子どものために、ハーゲンダッツのアイスクリーム(特売で200円弱です。安い)と松山ウィンナー3個を買って帰りました。

 今日は別行動していた妻も、フジグランで買い物をしたようで、松山ウィンナーが冷蔵庫には既にたくさん入っていました・・・・coldsweats02

2010年5月 3日 (月)

【交通事故】 後遺障害非該当 → 9級相当 (岡山地裁平成21年4月30日判決)

 交通事故民事裁判例集第42巻第2号で紹介された岡山地裁平成21年4月30日付け判決です。

 自賠責保険上は、後遺障害非該当と判断されました。

 理由は、①外傷性クモ膜下出血は最終時点において吸収されていること、②脳挫傷痕の残存や脳萎縮の進行等、外傷に起因する異常所見は見いだし難いこと、③既存障害として躁鬱病があり、事故後の外傷性クモ膜下出血後の通過症候群による朦朧状態も、県立病院退院時には症状の改善を認められていることです。

 裁判所は、

① 証言等から事故後被害者に相当重大な人格変化が生じたことは明らかであること

② 事故の態様と被害者のクモ膜下出血受傷の事実によれば、被害者の脳に相当大きな衝撃が加わったことが優に推認されること

③ 被害者の脳の両側前頭葉と左側頭葉に血流低下があり、これが高次脳機能障害の場合によく生じる症状であること

 を理由に、9級に相当する高次脳機能障害を認定しました。

【告知】おかげさまで、新人弁護士の採用が終わりました <(_ _)>

 おかげさまで、今年の12月から、新人弁護士の方が、当事務所に入所していただけることになりました。その結果、12月から、弁護士2人及びスタッフ5人体制で、業務を遂行する態勢が整うことになりました。

 弁護士も10年もやっていると、田舎弁護士といえども、遠方への出張が増え、事務所も留守にしがちとなります。また、当然、訴状や準備書面等の書面作成にも時間がとられます。このため、どうしても、事務所でのご相談に応じることができる時間が限られてしまい、現在、ご相談が予約して2週間ということも珍しくない状態になっています。

 混み合っているときは、一時期、一般のお客様の場合、1か月先ということもありました。

 前述の事情により、弁護士が事務所にいないことが多いことが主たる原因となっています。

 来年からは、弁護士2人体制となりますので、弁護士が事務所に在所している時間帯が増えます。

 従って、来年以降は、ご相談の予約をいただいて、2週間お待ちしていただくということはないと思いますので、今暫くお待ち下さいますようお願いいたします。

 新人弁護士の紹介については、入所後に、ご紹介させていただきます。

 司法修習生の方からは、多数のご応募をいただきました。大変、ありがとうございました。 <(_ _)>

 

2010年5月 2日 (日)

【交通事故】 後遺障害等級非該当 → 併合2級 素因減額20% (東京地裁平成21年3月31日判決)

 交通事故民意裁判例集 第42巻第2号搭載の東京地裁平成21年3月31日付け判決です。

 高次脳機能障害については、自賠責保険上非該当と判断されたものです。

 頭蓋に外傷性の所見がみあたらず、また、意識障害の有無もはっきりしなかったことが理由です。

 これに対して、裁判所は、

 「記憶障害・学習障害・注意障害・遂行機能障害・社会行動能力低下・持続力低下・知能低下」については、事故の衝撃が大きく、事故直後に意識障害と記憶障害があり、両側の頭頂から後頭葉領域にも血流低下が認められ、事故前に記憶障害等の症状もなかったことから、事故で受傷したびまん性脳損傷に基づく高次脳機能障害の症状であるとして、交通事故の相当因果関係を認めました。

 その上で、「左顔面から頚部の不随意運動・構音障害・講音障害・左上下肢から頚部の筋緊張の亢進と異常姿勢・運動障害等については、中心性脊髄損傷とはいえず、筋緊張の亢進と異常姿勢が認められることからすると、ジストニアの疾病素因が事故を契機に発症したと認められるとした上で、高次脳機能障害のみの後遺障害等級が5級乃至3九に該当し、ジストニアの症状と併せると、併合2九に相当するものの、素因減額として、20%の減額を認めました。

2010年5月 1日 (土)

【交通事故】 高次脳機能障害No3ー高次脳機能障害の診断基準

 前日の続きです。

ウ 高次脳機能障害の診断基準

(ア) 自賠責保険保険が高次脳障害の認定に用いている要素として、以下のaないしeが挙げられ、このような要素に該当する症例であれば、高次脳機能障害が問題となる事案として、自賠責保険審査会の高次脳機能障害専門部会で審査・認定を受けられるシステムになっている。

 a 初診時に頭部外傷の診断があること

  b 頭部外傷後に以下のレベルの意識障害があったこと

 (a) 半昏睡ないし昏睡で、開眼・応答しない状態(ジャパン・コーマ・スケールで3桁、グラスゴー・コーマ・スケールで8点以下)が、少なくとも6時間以上続くこと

  (b) 軽度意識障害(ジャパン・コーマ・スケールで1乃至2桁、グラスコー・コーマ・スケールで13点ないし14点)が少なくとも1週間以上続くこと

 c  経過の診断書又は後遺障害診断書に、高次脳機能障害、脳挫傷、びまん性軸索損傷、びまん性脳損傷等の記載があること

d  経過の診断書又は後遺障害診断書に、上記cの高次脳機能障害等を示唆する具体的な症例が記載されていること、またWAIS-Rなど各種神経心理学的検査が施行されていること。

e  頭部画像上、初診時の脳外傷が明らかで、少なくとも3か月以内に脳室拡大・脳萎縮が確認されること

(イ)しかし、上記(ア)の判断基準は、自賠責保険が高次脳機能障害の認定に用いているものであるところ、

 bの要素に関しては、短期間の意識消失が起こる軽度頚部外傷でもより軽いびまん性軸索損傷が起こるとする趣旨の文献や、意識障害を伴わない頭部外傷によるびまん性軸索損傷の存在を示唆する文献も見られ、

 意識障害がないことのみにより、びまん性軸索損傷を含む脳の器質的損傷が生じていないと断定することはできない。

(ウ)また、同様に、eの要素に関しても、局在性損傷のないびまん性軸索損傷のみの外傷については、CTやMRIの画像所見では発見しにくく、画像診断において見落としされる可能性が高いとする趣旨の文献があり、意識障害についてと同様に、現在の画像診断技術で異常が発見できない場合に、外傷による脳の器質的損傷が存在しないと断定することはできない。

 実際、脳外傷についての診断基準として、名古屋市総合リハビリテーションセンターにおいては、問診によって頭部外傷の事実が確認できることを前提として、CTあるいはMRI上、脳損傷が認められない場合でも、ポジトロン断層法(PET)により脳代謝の低下が認められれば、脳外傷と診断されている。

 なお、PETは、脳血流量、脳酸素代謝、脳糖代謝等を計測することができるが、検査機器が高価であるため、検査が可能な施設は限られている。他方、単光子放出断層撮像法(SPECT)は、投与される放射性薬剤がPETとは異なるため、脳酸素代謝、脳糖代謝等を計測することはできないが、脳血流量を計測することはでき、検査が可能な施設も多い。

 さらに、脳外傷は、医師による問診、身体所見の評価、簡易的な認知機能評価、画像診断と臨床検査による評価と、心理学的評価、言語機能評価及び局所脳損傷による認知障害の評価と併せて総合亭に判断されるが、CTあるいはMRI上、脳損傷が認められず、PETを用いて評価しても器質的な損傷の存在を証明する客観的なデータが全くない事例も少数あり、このような事例においても、本人の訴えを良く聞き、家族、職場の同僚や上司から受傷後の日常生活や社会生活における変化について詳しく情報を収集するとともに、脳疾患に関わる専門医に助言と求めて、脳外傷が疑われれば積極的に脳外傷と診断し、訓練を行うべきであるともされている。

 

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

書籍紹介(労働・労災)

無料ブログはココログ