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2010年2月18日 (木)

【交通事故】 ビデオ等での隠し撮り行為は、違法とまではいえず慰謝料増額事由にはならないとされた事例 名古屋地裁平成21年3月27日判決

 交通事故判例速報No524(交通春秋社)で紹介された裁判例(名古屋地裁平成21年3月27日)です。

 Xは、後遺障害等級第5級に相当する後遺障害が残存したとして、損害賠償請求を行いました。

 そこで、加害者Yの付保する損害保険会社は、探偵業者に依頼し、9日間にわたりXを尾行して、Xが自宅から外出する様子、勤務する様子、そば店に入る様子などをビデオにより隠し撮りをしました。

 Xは、このようなビデオの隠し撮りにより盗撮されたことが慰謝料総額事由になる旨主張をしました。

 裁判所は以下のとおり判断しました。

 裁判所は、

 ①本件訴訟においてはXが重度の高次脳機能障害の残存を主張し、請求額も5700万円にのぼること、

 ②Xが自動車損害賠償責任保険の後遺障害認定を受けておらずYがXの高次脳機能障害の残存について全面的に争い訴訟上の攻撃防御が繰り返されているという状況等からYが反証活動を行う権利は十分に保証される必要があるとしました。

 その上で、隠し撮りは、Yの反証活動に供するために行われたと解され、社会内でXの様子を知ることはYの反証活動にとって有益なものとなる可能性があることは否定できないとしました。

 そして、これらを考慮すると、隠し撮り行為が違法であるとまで解することができないと認定し、ビデオ等による隠し撮りが慰謝料増額事由には当たらないとして、Xの主張を退けました。

 違法性を阻却するかどうかについては、情報収集の目的、当該証拠を収集する必要性、訴訟上の主張との関連性、証拠態様及び方法の相当性、他の方法による代替性の有無、被侵害利益であるプライバシー等の内容等の比較考慮により、判断しています。

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