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2010年2月28日 (日)

松山小旅行

 休みの日は、松山に、子どもを連れて、遊びに出かけてきました。

 いつものように、伊予鉄の路面電車乗り放題付きの企画切符を今治駅で購入し、特急電車に乗りこみました。

 お昼時だっただめ、フジグラン松山の2階にある青山という広島風のお好み焼きさんで、私は、豚肉の入った広島風お好み焼き(そば)を注文しました。子どもたちは、うどん入りのお好み焼きでしたが、各自1人前をぺろりと平らげてしまいました。

 そのあとは、フジのおもちゃ売り場で、子どもたちは、パトリオ0という対戦型のポケモンのゲームを行いました。行列ができていました。フジグラン今治にも、2階に同じゲーム機があるのですが、いつも行列ができています。子どもたちの間で爆発的な人気があるようです。

 同じ階では、子ども用の衣類が安くなっており、私も、三足980円の子どもの靴下を購入しました。かわいらしくて、子どもも満足したようです。

 その後、路面電車に乗車するため、駅に向かっていたのですが、子どもが、なんと、「おなかすいた」というため、時計台という松山駅近くの喫茶店に立ち寄りました。どんな腹をしているのだろうか?

 時計台は、とても素敵な喫茶店です。私も時折商用に利用したりしています。

 チョコレートパフェを食べたいとか・・・

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 びっくりです・・・

 でも、大変美味しかったようです。

 次に、県庁前に下車して、坂の上の雲ミュージアムを訪ねたのですが、残念ながら、3月1日まで、実質的に休館でした。

 裁判所裏の、晩翠荘を訪ねました。コンサートをやっているようですが、2階は改修のため閲覧ができませんでした。明治の鹿鳴館の貴婦人のような服をお召しになられたご婦人が4,5人おられました。

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 晩翠荘の裏に、愚陀仏庵があります。

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 夏目漱石と正岡子規ゆかりの建物だそうです。裁判所裏に、こんな建物があったとは、まったく知りませんでした。

 それから、道後温泉に向かいました。

 道後温泉入口の観光案内所のひな人形です。

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 子どもたちも驚嘆の声をあげていました。りっぱですね。

 

 

 今回は、松山に宿泊したときには時折利用させてもらっている、オールドイングランド山の手に向かいました。このホテルの落ち着いた雰囲気が好きです。ただ、入浴は午後4時30分からということであるため、あきらめて他のホテルにしました。なお、大人1名1200円、子どもは小学生までは無料だとか。助かりますね。

 道後館という道後温泉を代表するホテルの一つを昔友人と利用したことを思い出したので、そこを訪ねることにしました。

 道後館の温泉は、さすがに、最高級のホテルにあることもあってか、サービスがいきどとています。気になるお値段は、大人1名1500円、子ども(小学生)は、1000円です。

 道後館で1時間近くいたあと、商店街を歩いていると、子どもがまたもや、「おなかすいた~」 どんなおなかしているのか?というと、「育ち盛りやからね」の一言。

 豆吉本舗で、子どもたちには、試食品の豆で、おなかを満たしてもらいました。大変おいしかったので、家内のバレンタインデーのお返しに、お豆を購入しました。

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 それからは、急いで路面電車に乗って、松山駅に着くと、特急電車に飛び乗って帰宅しました。

 腰が痛い一日でした。

 

2010年2月25日 (木)

サンライフ・タンポート/プロミス 契約切替事案 その2

最近の過払金請求訴訟では、契約の地位の承継に伴う過払い債務の承継という問題がホットな争点となっています。

 その中の1つに、サンライフ・タンポート/プロミス 「契約切替」事案におけるサンライフ・タンポート時代の取引を、プロミスが承継するか?という争点があります。

 形式的には、債権譲渡事案ではなく「契約切替」事案であることから、プロミスは、旧取引の承継を認めないわけです。

 現在までの私が知りうる裁判例は、以下のとおりになっています。

 過払金の承継を肯定した裁判例

 平成21年12月2日付越谷簡易裁判所(?) 司法書士代理?

 平成21年12月22日付西条簡易裁判所(大西健裁判官) 弁護士代理

 平成21年12月22日付東京簡易裁判所(田中芳和裁判官) 司法書士代理

 平成22年1月21日付美馬簡易裁判所(丸岡隆俊裁判官) 司法書士代理

 平成22年1月19日付広島簡易裁判所(谷生浩章裁判官) 司法書士代理

 平成22年2月1日付徳島簡易裁判所(坂野尚孝裁判官) 司法書士代理

 過払金の承継を否定した裁判例

 平成21年6月30日付岐阜地方裁判所多治見支部(榊原信次裁判官) 弁護士代理

 平成21年8月12日付葛城簡易裁判所(森本幸治裁判官) 弁護士代理

 平成21年9月24日付浜松簡易裁判所(平井吉彦裁判官) 司法書士代理

 平成21年10月15日付福岡地方裁判所(西井和徒裁判官) 本人訴訟

 平成21年12月18日付東京地方裁判所立川支部(木下秀樹裁判官) 弁護士代理

 平成21年12月22日付東京地方裁判所(藤岡淳裁判官)  弁護士代理

 平成21年12月22日付東京地方裁判所(藤岡淳裁判官) 弁護士代理

 平成22年1月22日付東京地方裁判所(佐々木隆憲裁判官) 弁護士代理

 

 (勝手気ままな傾向と対策)

 この東京地裁判決、なんとかならんもんやろか・・・ 

 

2010年2月24日 (水)

サンライフ・タンポート/プロミス 契約切替事案

 最近の過払金請求訴訟では、契約の地位の承継に伴う過払い債務の承継という問題がホットな争点となっています。

 その中の1つに、サンライフ・タンポート/プロミス 「契約切替」事案におけるサンライフ・タンポート時代の取引を、プロミスが承継するか?という争点があります。

 形式的には、債権譲渡事案ではなく「契約切替」事案であることから、プロミスは、旧取引の承継を認めないわけです。

 現在までの私が知りうる裁判例は、以下のとおりになっています。

 過払金の承継を肯定した裁判例

 平成21年12月2日付越谷簡易裁判所(飯田弘子裁判官) 司法書士代理

 平成21年12月22日付西条簡易裁判所(大西健裁判官) 弁護士代理

 平成21年12月22日付東京簡易裁判所(田中芳和裁判官) 司法書士代理

 平成22年1月21日付美馬簡易裁判所(丸岡隆俊裁判官) 司法書士代理

 平成22年1月19日付広島簡易裁判所(谷生浩章裁判官) 司法書士代理

 平成22年2月1日付徳島簡易裁判所(坂野尚孝裁判官) 司法書士代理

 過払金の承継を否定した裁判例

 平成21年6月30日付岐阜地方裁判所多治見支部(榊原信次裁判官) 弁護士代理

 平成21年8月12日付葛城簡易裁判所(森本幸治裁判官) 弁護士代理

 平成21年9月24日付浜松簡易裁判所(平井吉彦裁判官) 司法書士代理

 平成21年10月15日付福岡地方裁判所(西井和徒裁判官) 本人訴訟

 平成21年12月22日付東京地方裁判所(藤岡淳裁判官) 弁護士代理

 (私の勝手気ままな傾向と対策)

 簡易裁判所は、比較的、過払金の承継を肯定してくれる傾向にあるといえそうですが、地裁は、過払金の承継を否定する裁判例もあるようなので、気を引き締めていく必要があると思います。

 実質が形式を破れるか?ということに尽きると思いますので、そのための証拠固めが必要であると思います。

 時間と手間を考えると、非常に大変です。万が一、敗訴すると、逆に負債がプロミスに残ることになってしまいますし、時間と手間は回収できないし、結構、怖いですね・・・・

(追記)

  ともはる様、情報提供ありがとうございました。<(_ _)>

2010年2月21日 (日)

弁護士需要

 「自由と正義」という日弁連が発行している月刊誌があります。

 毎月、会員ところには届けられます。

 連載で、全国の弁護士需要というテーマで、地方の単位会が2頁ほどの記事を書いています。

 奈良県の弁護士需要について、

 「急速に会員が増加した奈良弁護士会ではありますが、2008年版弁護士白書では、『若手弁護士が著しく増加しており、2000年に比べて68%も増加している。他方、訴訟需要は減少傾向にあり、弁護士一人あたりの訴訟需要は46%も減少している』と記載されています。奈良に限らず、地方では弁護士が少ないだろうから、じっとしえちても事件を多数受任できるとお思いならば、もはや、そういう時代ではないことは明らかです。」(P97)、

 「高額の報酬が必ずしも望めない扶助事件を多数抱え、国選弁護事件も積極的に受任して奈良県内を東奔西走するバイタリティーがあり、弁護士会の委員会活動などの場を通じて他の会員の信頼を得られれば、成功は十分に期待できます。」

 と記載されています。

 扶助事件や国選事件、そして、会務活動を多数抱えて、事務所の経営基盤が成り立つのか、疑問です。

 現に、別のテーマの論考では、「自分で国選を結構頑張ってやってはみたと思うのですが、売上げが自分の給料に達していなかった。国選報酬は厳しいんだなと改めて肌で感じました」(P115)、「スタッフだから経費の心配をしなくていい、売上げの心配をしなくていいというのは特に刑事の面では大きいと思うんですね。」(P117)と、スタッフ弁護士の方から言われています。

 宮崎県の弁護士需要も、同様であり、

 「先輩弁護士の事務所に勤務する若手弁護士が増えてきているため、従来のような手厚い支援を受けることは望めませんし、本庁管内では弁護士重要について、ある程度の充足感があることも否めません。」(P99)、

 「宮崎県弁護士会では、特に、弁護士過疎地域の人々への法的サービスの充実のために尽力していただける会員、小規模弁護士会ゆえに、これまで十分に対応することができなかった分野(貧困問題、子どもや外国人の権利問題等)の会務に積極的に取り組んでいただける会員を歓迎いたします。」(P99)

 と記載されています。

 このような状況であるにもかかわらず、テーマは、「全国の弁護士需要 地方での開業を考えてみませんか」という内容になっている。

 今回、日弁連会長選で、宇都宮弁護士が、多数の地方の弁護士会の票は、山本弁護士を押さえたのは、地方の増え続ける弁護士の数に対する危機感によるものだと思います。

 他方で、売上げの中心となる一般民事訴訟は減少し、他方で、割に合わない国選、扶助事件の依頼は増加している中での、弁護士の数の増加なので、地方の弁護士から大きな反発が生じたのではないかと勝手に想像しています。

 ただ、他方で、弁護士の数が増えるということは、利用する消費者側にとっては、選択の幅が広がることから、メリットがあります。

 確かに、現在の司法試験は、以前の試験制度と比べて、受かりやすい試験にはなりました。

 しかし、それだけで、能力云々ということはできないはずです。むしろ、懲戒されている弁護士は、ベテラン弁護士の方が目立つくらいです。

 後は、どう育てていくかということですが、従来のようなイソ弁を受け容れる事務所が最近は少なくなっていることから、何らかの手当が必要でないかと思います。

 

2010年2月20日 (土)

【金融・企業法務】 土地所有権を侵害する放置自転車の留保所有権者の撤去等義務 最判平成21年3月10日判決

 旬刊金融法務事情No1890号(2月15日号)で紹介された安永正昭教授の論文です。

  以前ご紹介した最高裁平成21年3月10日判決を題材にした論文(土地所有権を侵害する放置自動車の留保所有権者の撤去等義務)です。

 判旨は以下のとおりです。

 本件立替払契約によれば、Y信販が本件車両の代金を立替払することによって取得する本件車両の所有権は、本件立替金債務が完済されるまで同債務の担保としてY信販に留保されているところ、Y信販は、Aが本件立替金債務について期限の利益を喪失しない限り、本件車両を占有、使用する権原を有しないが、Aが期限の利益を喪失して残債務全額の弁済期を経過したときは、Aから本件車両の引渡を受け、これを売却してその代金を残債務の弁済に充当することができることになる。

                       ↓

 動産の購入代金を立替払する者が立替金債務が完済されるまで同債務の担保として当該動産の所有権を留保する場合において、所有権を留保した者(留保所有権者)の有する権原が、期限の利益喪失による残債務全額の弁済期(残債務弁済期)の到来の前後で上記のように異なるときは、

 留保所有権者は、残債務弁済期が到来するまでは、当該動産が第三者の土地上に存在して第三者の土地所有権の行使を妨害しているとしても、特段の事情がない限り、当該動産の撤去義務や不法行為責任を負うことはないが、

 残債務弁済期が経過した後は、留保所有権が担保権の性質を有するからといって上記撤去義務や不法行為責任を免れることはないと解するのが相当である。

                       ↓なぜなら

 上記のような留保所有権者が有する留保所有権は、原則として、残債務弁済期が到来するまでは、当該動産の交換価値を把握するにとどまるが、残債務弁済期の経過後は、当該動産を占有し、処分することができる権能を有するものと解されるからである。

                       ↓もっとも

 残債務弁済期の経過後であっても、留保所有権者は、原則として、当該動産が第三者の土地所有権の行使を妨害している事実を知らなければ不法行為責任を問われることはなく、上記妨害の事実を告げられるなどしてこれを知ったときに不法行為責任を負うと解するのが相当である。

                                        以上

 留保所有権者の立場に立って、撤去義務や不法行為責任を免れるのにはどうしたらいいのかが問題となります。

 撤去義務の負担を免れる意図で催告をしない、支払いの猶予をする、留保所有権を放棄するといった方法は、信義則などの一般法原則から対抗できないと説明されています。

 Yがあり得る賠償責任から逃れるためには、自動車を撤去するために、Yは、Aに無断で撤去することはできないので、仮処分手続か、民事執行により引渡を受ける必要があります。

 それ以上に、安永教授は、「実際上の判断であるが、上のようなABCの関係が生じている場合には、Cとしては、Bの経営状況を見ながら、場合によっては、換価処分の可能性の低くなった担保物件はあらかじめ手放しておくことが、このようなリスクを避ける1つの方法であろう」と指摘されています。

 

2010年2月19日 (金)

【金融・企業法務】 信用金庫が土地区画整理組合に融資するに当たり、市と締結した損失補償契約が法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律3条所定の保証契約に当たらず、有効とされた事例(東京地裁平成21年9月10日判決)

 判例時報No2061号(2月11日号)で紹介された東京地裁平成21年9月10日判決です。

 事案は以下のとおりです。

 信用金庫であるXは、平成7年訴外土地区画整理組合Aとの間に信用金庫取引約定を締結した上、平成8年3月から同9年8月までの間に、事業資金を貸しつけたが、右貸付に先立つ平成7年3月22日、Yに編入合併前のB町との間で、XがA組合に対して融資したことにより損失を被った場合、B町がその損失を補償する旨の損失補償契約(本件損失補償契約)を締結しました。

 そこで、Xは、Y市に対して、本件損失補償契約に基づいて約2億4000万円の支払いを求めました。

 これに対して、Y市は、本件契約の法的性質は、民法上の保証契約であるところ、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(財政援助制限法)3条は、「政府又は地方公共団体は、会社その他の法人の債務については、保証契約をすることができない」と定められているから、本件契約は無効であると反論しました。

 地方公共団体が、第三セクター等の借入債務について金融機関との間で締結した損失補償契約が、財政援助制限法3条に違反するか否かについては、争いがあります。

 甲説(有効説) 福岡地判平成14年3月25日、熊本地判平成16年10月8日

 乙説(無効説) 横浜地判平成18年11月15日

 今回の東京地裁は、有効説に立ちました。

 財政援助制限法3条の禁止する保証契約には、それとは法的性質を異にする損失補償契約は含まないと解するのが相当である

 本件契約は、附従性、補充性、債務の態様等の観点に照らし、財政援助制限法3条が禁じた保証契約の性質を有するものと解することはできないと判断し、Xの請求を認めました。

 こんな法律があるのですね~。初めて知りました。

 裁判例は分かれ、学説も対立があるようですが、1審で確定してしまったようです。

2010年2月18日 (木)

【交通事故】 ビデオ等での隠し撮り行為は、違法とまではいえず慰謝料増額事由にはならないとされた事例 名古屋地裁平成21年3月27日判決

 交通事故判例速報No524(交通春秋社)で紹介された裁判例(名古屋地裁平成21年3月27日)です。

 Xは、後遺障害等級第5級に相当する後遺障害が残存したとして、損害賠償請求を行いました。

 そこで、加害者Yの付保する損害保険会社は、探偵業者に依頼し、9日間にわたりXを尾行して、Xが自宅から外出する様子、勤務する様子、そば店に入る様子などをビデオにより隠し撮りをしました。

 Xは、このようなビデオの隠し撮りにより盗撮されたことが慰謝料総額事由になる旨主張をしました。

 裁判所は以下のとおり判断しました。

 裁判所は、

 ①本件訴訟においてはXが重度の高次脳機能障害の残存を主張し、請求額も5700万円にのぼること、

 ②Xが自動車損害賠償責任保険の後遺障害認定を受けておらずYがXの高次脳機能障害の残存について全面的に争い訴訟上の攻撃防御が繰り返されているという状況等からYが反証活動を行う権利は十分に保証される必要があるとしました。

 その上で、隠し撮りは、Yの反証活動に供するために行われたと解され、社会内でXの様子を知ることはYの反証活動にとって有益なものとなる可能性があることは否定できないとしました。

 そして、これらを考慮すると、隠し撮り行為が違法であるとまで解することができないと認定し、ビデオ等による隠し撮りが慰謝料増額事由には当たらないとして、Xの主張を退けました。

 違法性を阻却するかどうかについては、情報収集の目的、当該証拠を収集する必要性、訴訟上の主張との関連性、証拠態様及び方法の相当性、他の方法による代替性の有無、被侵害利益であるプライバシー等の内容等の比較考慮により、判断しています。

2010年2月17日 (水)

【交通事故】 営業車損壊による休車損害

  自保ジャーナルNo1815号(2月12日号)で紹介された裁判例です。

 紹介された大阪地裁平成21年2月24日判決の概要は、以下のとおりです。

 営業車損壊による休車損害請求には、被害者が遊休車のないことを立証すべきで、原告には車両数、運転者数等から、遊休車があるとして休車損害を否認しました。

 まず、大阪地裁は、以下のように規範を定立します。

 「事故によって、特定の営業用車両を使用することができない状態になった場合にも、遊休車等が存在し、現に、これを活用して営業収益を上げることが可能な場合には、被害者においても、信義則上、損害の拡大を防止すべき義務がある。したがって、遊休車等が存在し、これを活用することによって、事故車両を運行していれば得られるであろう利益を確保できた場合には、原則として、上記利益分については、休車損害として賠償を求めることはできないというべきである。そして、遊休車の存在については、加害者側において立証することは事実上不可能であるから、これが存在しなかったことについての立証責任は、被害者(原告)が負担すると解するのが相当である。」

 営業車が損傷を受けた場合に、被害者側から、休車損害の請求が必ずといっていいほどあります。私が経験しただけでも、タクシー、トラック、クレーン車両等いろいろです。

 そして、加害者側からは、遊休車の存在を必ずといっていいほど指摘されます。

 遊休車を使用すべき義務はないとする裁判例(横浜地裁平成20年12月4日判決)もありますが、一般的には、先ほど紹介した大阪地裁判決のように考える傾向にあると思います。

 大阪地裁も、あてはめで、本件事故前である平成18年3月31日当時、原告は19台の事業用自動車を保有し、運転者数は16名であったこと及び平成17年4月1日から平成18年3月31日までの間の延実在車両数が6,935台であるのに対し、延実働車両数が4,636台であったことが認められるので、原告には遊休車両等が存在したことは明らかであると判断しています。

 この案件ですと、約780万円の休車損害の請求に対して、裁判所は、0回答です。被害者である原告が裁判所の釈明にきちんと応じていなかったことも不利に左右したのかもしれません。

 

2010年2月16日 (火)

【消費者法】 民法704条後段の趣旨 最高裁平成21年11月9日判決

 判例タイムズNo1313号(2010・2・15号)で紹介された裁判例(最高裁平成21年11月19日第2小法廷)です。

 過払金返還請求訴訟の弁護士費用が、民法704条後段の損害として、認められるかどうかが、争点になりました。

 もとより、最高裁平成21年9月4日第2小法廷が、貸金業者が借主に対し貸金の支払を請求し借主から弁済を受ける行為が不法行為を構成するのは、貸金業者が当該貸金債権が事実的、法律的根拠を欠くものであることを知りながら、又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに、あえてその請求をしたなど、その行為の態様が社会通念に照らして著しく相当性を欠く場合に限られ、この理は当該貸金業者が民法704条所定の悪意の受益者であると推定されるときであっても異ならない旨判示したことから、嫌な予感はしていました。

 民法704条後段の趣旨については、①悪意の受益者に対する責任を加重した特別の責任を認めたものであるとする説(特別責任説)と、②悪意の受益者が不法行為の要件を充足する限りにおいて不法行為責任を負うと注意的に規定した説(不法行為責任説)とが対立していました。

 この東予地方でも、以前は、今治簡裁は、特別責任説、松山地裁今治支部・西条簡裁は、不法行為責任説でしたが、この判決以降、今治簡裁も、不法行為責任説に変更となり、弁護士費用を認めてくれなくなりました。

 最高裁平成21年11月19日判決は、「上告人が残元金の存在を前提とする支払の請求をし過払金の受領を続けた行為が不法行為に当たらないことについては、原審が既に判断を示しており、その判断は正当として是認することができる」と判断しています。

 最高裁平成21年9月4日判決が示しているように、「貸金業者が当該貸金債権が事実的、法律的根拠を欠くものであることを知りながら、又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに、あえてその請求をした」という事実を立証できるかどうかにかかってきます。

 大変残念な判決ですが、仕方ありません。

 今後は、704条後段は権利根拠規定として使えないため、悔しいですが・・・・ それでも、特別責任説を前提に民法704条後段に基づく損害賠償請求をし続ける方もおられるかもしれませんね。 裁判所からは、「失当」といわれるかもしれませんが・・・

2010年2月15日 (月)

【交通事故】 交通事故事件処理マニュアル 新日本法規 平成22年1月28日発行

 私の事務所では、交通事故賠償に関連する書籍については、とりあえず、全て購入する方針をとっているため、交通関係の書籍類については、多分、四国の弁護士の中では、1、2位を争う位、そろえていると自負しています。

 ただ、むやみやたらに購入するため、後で、経理から怒られることも少なくありません・・・weep

 先月に発行された、新日本法規から出ている「交通事故事件処理マニュアル」(3,255円)を購入しました。

 ①相談・受任、②調査・検討事項、③損害の算定、④紛争の解決方法、⑤損害賠償額確定後の処理および事件処理プロセス、⑥刑事事件の処理、⑦資料という構成です。

 全体的には、駆け出し弁護士用の入門的な記述が中心で、ベテラン???の私には、若干物足りなさを感じました。ただし、ソクドクの弁護士にとっては、弁護過誤を回避するためにも、目を通しておく必要性は感じさせる書籍でした。

 

2010年2月14日 (日)

【金融・企業法務】 第145回金融法務研究会例会 反社会的勢力に向けた規定整備の現状と課題

 2月12日は、(社)金融財政事情研究会が主宰している第145回金融法務研究会例会に参加してきました。

 テーマは、「反社会的勢力排除に向けた規定整備の現状と課題」で、弁護士の久保井聡明先生の解説でした。

 まず、先生からは、象徴的な3つの事件、①蛇の目ミシン最高裁判決差し戻し審、②大阪市飛鳥会事件、③スルガコーポレーション事件を指摘され、これまでの3つの壁「時代、タブー、常識」を超えたと説明されました。

 その上で、企業経営に関連する最近の反社会的勢力対策の流れとして、6つ指摘されました。

 ① 平成19年6月の政府指針 (企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」・犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ)

   → 取引を含めた一切の関係遮断

 ② 平成20年3月の金融庁監督指針の改訂

   → ①の政府指針を受けての改訂

   → 基本方針の行内への宣言

     ※ 金融庁

 ③ 全銀協の貸出・預金規程の暴排条項ひな型の改訂

 ④ 金融機関の暴排条項への取引状況

 ⑤ 他業界での暴排条項の導入例について

 ⑥ 福岡県条例 

  

 なお、過去の裁判例などを検討すると、反社に該当するかどうかの認定問題の他、裁判所は、行為要件も重視する傾向にあることから、十分な検討が必要なようです。

 福岡県条例は、今年の4月1日から施行されます。違憲の可能性もあるのではないかとの声もあるようですが、安心して生活できるためには、必要でないかと思います。

 

2010年2月13日 (土)

【金融・企業法務】 雇用関係の先取特権に基づく債権差押命令の発令において、被担保債権および請求債権としての未払賃金から、所得税等の税金や社会保険料を控除する必要があるか?

 旬刊金融法務事情No1889号(2月5日号)で紹介された東京高裁の決定です(東京高裁平成21年6月29日決定)。

 決定要旨は、以下のとおりです。

 雇用関係の先取特権に基づく債権差押命令の発令において、被担保債権および請求債権としての未払賃金から、所得税等の税金や社会保険料を控除する必要はない

 なぜなら、使用者が、給料等の支払の際に、税額相当額を当該給与から天引き控除することができる権能は、徴税の便宜のために公法上認められた特別の限定的な徴収権能であって、私法上の債権とは異なるものであり、また、社会保険料についても、使用者は、被用者に対し、賃金を支払う際に、被用者の負担部分を天引き控除する権能を付与されているが、これも徴収の便宜上、公法上とくに認められた権能であって、被用者の賃金債権の範囲が、これらの徴収権能を行使し得る限度で減縮しているわけではなく、また、給与等からの天引き機能は、天引き額を賃金債権と相殺したり、賃金債権の行使を阻止したりするような性質を有するものでもないからである。

 労働事件の場合、被用者からは、使用者に対して、控除前の賃金請求がなされるのが通例です。

 話し合いで解決する際には、控除した金額を支払う内容の和解を成立させることが少なくありませんが、判決だと、控除されない形での言渡がなされることが通例です。

 解説によれば、既にいくつかの裁判例が控除を認めない形での判断を示しているようです。

 所得税の源泉徴収義務は、使用者が国に対して負う公法上の義務であり、かつ、使用者が労働者へ賃金を現実に支払う段階で徴収すべきものと定められていることから、労使間の私法上の賃金債権の存否が問題となっている訴訟においては、源泉徴収額を考慮に入れて使用者の支払うべき金額を定めるべきものではなく、また、使用者がこれを納付した後に、労働者に対して、その返還を求め得るのは当然としても、労働者の賃金債権の確定を本旨とする訴訟においては、前記税額相当分による賃金債権との相殺を許すべきものでもない。

 

2010年2月12日 (金)

【金融・企業法務】 金融円滑化法

 中小企業金融円滑化法が昨年12月に施行されました。

 相変わらず、今治地方は、地場産業等が振るわないため、景気が悪い状況が継続しています。

 金融法務例会で、円滑化法の研修があったため参加して、また、本なども購入して少し勉強をしています。金融円滑化対応ポイントは、2月10日に発行されています。金融庁のHPでは、円滑化法関連の情報が掲載されています。

 円滑化法4条は、中小企業者から、金融機関に対して、債務弁済に係る負担の軽減の申込を受けた場合には、貸付条件等の変更に努めると規定されています。

 ただし、貸付条件等の変更にどのように対応するからは、各金融機関の判断に委ねられています。

 問題にあった案件については、金融円滑化に係る金融検査指摘事例集としてまとめられています。

 私が聞いた話では、ある中小企業者がメインの金融機関に円滑化法に基づく貸付条件の変更を申し出たところ、ノンバンクから借入があることをもって、謝絶されたというのです。担当者からは、ノンバンクからの借入がある場合には、円滑化法に基づく変更は一切応じられないというのです。

 しかし、ノンバンクからの借入があるとしても、高金利業者であることから、利息制限法による引き直しによる債務減額、或いは、過払金の返還ということは考えられるところですし、仮に、このような聴き取りもなしに、謝絶されたとすれば、問題ではないかと思います。

 伝聞ですので、その正確なところはわかりません。

 円滑化法は、事業再生のためのツールの1つですので、弁護士としても、十分な知識を得ておく方が望ましいのですが、利用者側の視点に立った書籍って、まだ見たことがないのですね。

 中小企業者は、顧問弁護士はいなくても、顧問税理士は頼んでいることは少なくありません。顧問税理士は、当該企業の会計について熟知しているので、事業再生を支援するアドバイザーとして適任だと思います。他方で、金融機関との交渉については、弁護士がその職責上、慣れているため、税理士と弁護士が共同して中小企業の事業再生を担えたらと思います。

 

 

 

2010年2月11日 (木)

【保険金】 生命保険約款における無催告失効条項に対する消費者契約法10条の適用

 旬刊金融法務事情No1889号(2月5日号)では、特別論考として、①生命保険契約における継続保険料不払いと無催告失効条項の効力(山下友信教授)と、②生命保険約款における無催告失効条項に対する消費者契約法10条の適用(上山一知弁護士)が載っていました。

 東京高判平成21年9月30日判決は、保険業界に大きなショックを与えたようです。

 事案は以下のとおりです。

 Xは、Yとの間で、医療保険契約を締結していました。過去に、度々、契約の失効と復活を繰り返してきたようです。平成18年7月、特発性大腿骨頭壊死症と診断され、平成18年11月ころから電気治療を受けていました。平成19年1月を払込期日とする保険料は、預金口座の残高不足のために振替ができず、平成19年2月も、2か月分の保険料が残高不足により振り替えられませんでした。

 Xは、平成19年3月、Yに1月~3月の保険料相当額を添えて復活の申込をしましたが、YはXの健康状態を理由に承諾をせず、保険契約は平成19年2月末日の経過によって失効したと主張したため、Xは、保険契約が存在することの確認の裁判をYに対して起こしました。

 大きな争点は、無催告失効条項が、消費者契約法10条の規定により、無効になるかということです。

  消費者契約法10条の適用要件は、①民法、商法その他の法律の公の秩序に反しない規定(任意規定)の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、②民法1条2項に規定する基本原則(信義誠実の原則)に違反して消費者の利益を一方的に害することです。

 ①の要件については、第1審も、第2審も、要件充足を認めています。

 つまり、本件無催告失効条項は、Y保険会社が保険料支払の催告することを要しないとしている点及び保険会社が保険契約者に対して契約解除の意思表示をすることを要しないとしている点で、民法の任意規定(540条1項及び541条)の適用による場合に比し、消費者である保険契約者の権利を制限しているものであると、高裁判決は指摘しています。

 問題は、②の要件です。

 第1審は、猶予期間が履行遅滞における通常の催告期間よりも長めに設定されていることや自働振替貸付条項および復活条項を設けて保険契約の継続へ一定程度の配慮がなされていること等を理由として、②の要件の充足を否定しました。

 ところが、第2審は、失効した場合の不利益の度合いの大きさを指摘した上で、保険料自働振替貸付制度があっても、解約返戻金がなければ意味がないこと、復活の制度も保険会社の承諾を必要とすること当該条項を無効とすることによって保険者が被る不利益はさしたるものではないことを理由に、②の要件の充足を肯定しました。

 しかしながら、この東京高裁判決は、生命保険制度の本質を看過したものとして、その結論については、厳しい批判がよせられているようです。平成19年度だけでも、生保の失効件数は178万件もあるため、これらの大量の保険契約に対して改めて無催告解除の意思表示を要求することになれば、その保険実務に対する影響は大きいものです。

 本件事案については、最高裁に上告受理申立てがなされているため、最高裁での判断が待たれるところです。

 

 

2010年2月10日 (水)

【倒産】 破産管財人協議会

  午後から松山地方裁判所(本庁)で破産管財人の協議会が開催されましたので、私も参加してまいりました。

 議題は、多数あり、いずれも、今後の管財業務に際して、大いに参考になるものばかりでした。

 先日は、過去最高の財団が形成できた法人の破産管財事件が終結し、少し安堵をしています。

 この管財事件を処理するために、倒産関係の様々な書籍を購入したり、全倒ネットに加入したりして、研鑽に心がけていました。

 ただ、最近は、小さな破産事件の管財業務しか廻ってこないため、余り書籍を読むこともなく、知識が相当薄れがちになりがちだったため、このような協議会は、よい刺激になります。

 明日は、休日なので、久しぶりに破産法の本でも読んでみようと思います。

 

2010年2月 9日 (火)

【建築・不動産】 宅地として売買された土地の地中に井戸が存在したことが隠れた瑕疵に当たるとして売主の瑕疵担保責任が認められた事例 東京地裁平成21年2月6日判決

 判例タイムズNo1312号(2月10日号)で紹介された裁判例です。

 隠れた瑕疵であるか否かが争われた案件です。

 井戸のように地中障害物の存在については、幾つか裁判例があるようです。

 ①賃貸マンションの建築のために取得した土地に文化財が埋蔵されていてその発掘に多額の費用を要する場合(東京地判昭和57年1月21日)

 ②宅地の売買において地中に大量の材木片等の産業廃棄物、コンクリートの土間や基礎が埋設されていた場合(東京地判平成4年10月28日)

 ③都市計画による公園事業用地として買収された土地の代替地として売却された土地にコンクリート等の埋設物が存在した場合(東京地判平成7年12月8日)

 ④地中に従前の建物の地下室を伴う基礎があった場合(東京地判平成9年5月29日)

 ⑤工場建設を目的として取得した土地の地中に大量のコンクリート塊等があった場合(東京地判平成10年10月5日)

 ⑥マンション用地として取得した土地の地中に埋設基礎等の障害物が存在した場合(東京地判平成15年5月16日)

 ⑦住宅用地として取得した土地の地中にガソリンスタンドの埋設基礎等の障害物が存在した場合(札幌地判平成17年4月22日)

 

 本件では、土地の一部に手押しポンプが存在したことから、この点が問題とされました。判決は、上記手押しポンプから、本件井戸のような位置や大きさの地中障害物の存在を予見することは不動産業者であっても困難であるとして、これを肯定しています。

2010年2月 8日 (月)

 表示違反に関する罰則等について 消費者法ニュース82号

 5,6年前からでしょうか。債務整理等の消費者法案件が比較的多く取り扱うことが多かったため、消費者法ニュースという専門誌を定期購読するようになりました。

 昔は、債務整理関係が中心で、厚さも余りありませんでしたが、今では、債務整理にとどまらず、消費者法関連の分野について網羅的に編集され、そのため、厚さも昔と比べると、3倍くらいあるような厚さになっています。

 今回、特集記事で、「食品表示・安全」が採り上げられており、このテーマは、平成21年度に近畿弁護士連合会消費者保護委員会の夏期研修会で報告されたものです。

 食品表示・安全については、一消費者として気になるところですが、一弁護士としては、これまで余り興味を持っていなかった(そんな相談、田舎ではありませんからね)のですが、小売り業に少し携わるようになったことから、今では関心がある分野の1つになっています。

 私の知識の整理のために、「表示違反に関する罰則等について」(八木正雄弁護士、高橋礼雄弁護士)(同書P44~P45)から、少し抜粋したものを紹介いたします。

1 食品衛生法

 食品衛生法は、①19条において、内閣総理大臣が食品・添加物等に関する表示について必要な基準を定めることができる旨規定している(同条1項)。また、これにより表示について基準が定められた食品・添加物等は、その基準に合う表示がなければ、販売・陳列等してはならないとしている(同条2項)。さらに、②20条において、食品・添加物等に関し公衆衛生に危害を及ぼすおそれのある虚偽・誇大な表示・広告を禁止している。

 これらのうち、19条2項及び20条の規定に違反すると、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科され、又はこれらを併科される(72条直罰主義)。また、法人の代表者や、法人又は人の代理人・使用者等が、その法人又は人の業務・財産に関しこれらの違反行為をした場合は、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても1億円以下の罰金刑が科せられる(78条 両罰規定)。

2 JAS法(農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)

 JAS法は、①19の13において、内閣総理大臣が飲食料品の品質に関する表示について製造業者等の守るべき基準を定め告示しなければならないものとし、②19条の3の2において、製造業者等はこの表示の基準に従い表示をしなければならないと規定する。

 そして、19条の13に規定する基準のうち原産地(原料又は材料の原産地を含む)について虚偽の表示をした飲食料品を販売すると、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられる(23条の2。直罰主義)。法人の代表者や、法人又は人の代理人・使用者等が、その法人又は人の業務・財産に関し虚偽の表示をした飲食料品を販売した場合は、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても1億円以下の罰金刑が科せられる(29条1項。両罰規定)。

 ※最近の改正についての解説(同書P46)

 近時、食品の原産地偽装事件が頻発し社会問題化したことや、原産地偽装は農業や漁業の産地振興にも反することから、平成21年4月、JAS法の規律する表示違反のうち、原産地偽装に限っては直ちに罰則を科すことができるようにした同法の改正案が国会で可決成立し、この改正法は同年5月30日より施行されている。同時に、罰則も加重され、従来、個人の罰則は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金であったが、これが2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に引き上げられた(23条の2)。さらに、業者に改善を指示・命令すれば、あわせてその旨を公表することも規定された(19条の14の2)。

3 健康増進法

 健康増進法は、①32条の2において、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、内閣府令で定める健康保持増進効果等について著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならないとしている。②32条の3において、32条の2の規定に違反して表示をした者があり、それが国民の健康の保持増進に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、内閣総理大臣は、その者に対し当該表示に関し必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる旨の規定を定めた上(同条1項)、その勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に係る措置をとらなかったときは、内閣総理大臣は、その者に対して勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができるとしている(同条2項)。そして、32条の3第2項の規定に基づく命令に違反すると、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる(36条の2。内閣総理大臣の命令に違反したときに罰則が科されるとしており、直罰主義ではない。)。

4 不正競争防止法

 不正競争防止法は、商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量又はその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような虚偽の表示をした者は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処され、又はこれらが併科されると規定している(21条2項4号。直罰主義)。法人の代表者や、法人又は人の代理人・使用者等が、その法人又は人の業務・財産に関し虚偽の表示をした場合には、行為者を罰するほか、その法人または人に対しても3億円以下の罰金刑が科せられる(22条1項。両罰規定)。

5 不当景品類及び不当表示防止法(景表法)

 景表法は、商品・役務の取引について、優良誤認表示(事実に反して、商品の品質、規格その他の内容について実際のものよりも著しく優良であると表示することにより、不当に顧客を誘引し公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示)、有利誤認表示(事実に反して、商品の価格その他の取引条件について実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示)等、消費者に誤認されるおそれがある不当な表示をすることを禁止している(4条1項)。これに違反する表示がなされたときは、内閣総理大臣が措置命令を出すことができる(6条1項)。

 そして、業者が措置命令に従わない場合、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処され、又はこれらを併科される(15条。措置命令に従わないときに罰則が科されるとしており、直罰主義ではない。)。法人の代表者や、法人又は人の代理人・使用者等が、その法人又は人の業務・財産に関し、確定した排除命令に従わない場合は、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても3億円以下の罰金刑が科せられる(18条)。

 

 少しずつ、勉強をして深めていきたいと考えています。

2010年2月 7日 (日)

被疑者国選の休日当番

 6日(土曜)と7日(日曜)は、被疑者国選の休日当番になっていたことから、事務所の定休日である日曜日(土曜日は、スタッフが出社しています)には、家内に終日事務所で待機してもらいました(事務所に、法テラスから依頼の電話がかかってくる可能性があるからです。)。

 私は、携帯電話を持参して、子ども2人を連れて、湯ノ浦温泉にあるクアハウスに子どもを連れて、遊びに行きました。その後は、子どもがはまってしまっているポケモンパトリオ0というゲームをさせに、フジグラン今治に遊びにいきました。

 元々、私は刑事事件の弁護が苦手であるため、少年事件を除き、私選の刑事事件は、ほとんど受けていません。しかし、国選事件は、地方では引き受ける人が少ないため、最低限度の範囲で、受けています。

 私は、国選事件を一生懸命やっている弁護士さん、特に若手の方をみると、頭が下がります。

 ただ、事務所を経営するようになると、ボランティアに近い仕事というのは、余りできなくなります。殊に、現在のように、弁護士等間で競争が激しい時代になりますと、なおさらです。

 とはいっても、国選弁護で得られる報酬が安いからといって手抜き弁護をすると、後で、懲戒等面倒なことになるので、今のところは、できる範囲で「精一杯のこと」はしていますが、本音としては、可能であれば早く足を洗いたいと考えています。

 その分、専門分野・開拓分野の研修や研鑽の方に、時間をかけたいわけです。

 毎月1回、必ず、妻に多大な迷惑をかけているわけですし・・・・wink

 ですが、今日は、法テラスから依頼の電話がかかってこなかったですね。喜ぶべきか、悲しむべきか、複雑な気持ちです・・・

 昨日は、1件かかってきましたが、おそらく、手間がかなりかかるような案件のようです。coldsweats01

 本当は、新人弁護士さんを入れれば、多少楽にはなるのかもしれませんが(かえって多忙になったと言っていた方もいました・・・)、最近は、採用に費やす時間を考えると、消極的になっています。やっぱり、昔のように、非常に信頼できる先輩からのご紹介をいただけるのが、楽ですね。

2010年2月 5日 (金)

【金融・企業法務】 中小企業金融円滑化法

 12月に参加した際の金融財政事情研究会主宰の金融法務例会のテーマが、中小企業等に対する金融円滑化法の解説を含んだ研修会が行われ、それ以来、中小企業金融円滑化法についての記事は、金融機関側ではなく、利用者側の立場で、少し関心をもって見るようにしていました。

 昨年の12月4日から施行されていますが、要は、金融機関は、中小企業又は住宅ローンの借り手から、申込があった場合には、貸付条件の変更等を行うよう努力しなければならなくなりました。

 強制ではないのですね。

 貸付条件の変更等を実行するにあたり、中小企業者については、事業についての改善または再生の可能性その他の状況を、住宅資金借入者については、財産及び収入の状況を、勘案することになっています。

 貸付条件の変更等を行うことによる資金繰り改善効果が見込まれない場合にまで、貸付条件の変更等の努力義務を課すものではありません。

 また、昨年の12月15日から、条件変更対応保証制度も施行されているようです。条件変更対応保証制度とは、中小企業の既往債務に対して、後から信用保証協会が保証を付することにより、金融機関が当該既往債務についての条件変更、返済負担軽減に対する要請に応じやすくする制度です。なお、本制度を利用した場合、経営改善計画及び返済計画を、金融機関が支援を行いながら、利用中小企業が作成提出しなければならず、定期的に、金融機関から信用保証協会に報告が必要であり、金融機関が経営改善計画の実行支援を行っていない場合には、代位弁済を拒絶することもできるという仕組みになっています。

 金融円滑化法については、旬刊金融法務事情No1887、No1888に、詳しく記事が載っています。

 目利き力を最大限発揮して、立ち直る可能性がある場合には、つぶさないで、活かして、回収するということです。

 

2010年2月 4日 (木)

【金融・企業法務】 デパ地下商品販売コーナへの送達

 銀行法務21・1月号の金融商事判例紹介で紹介された東京地裁平成21年1月22日判決です(←記事では地裁となっていますが、多分高裁の間違いではないかと思うのですが・・・)。

 これは、う~ん、ひょっとすれば、自分にもありえるケースで、非常に怖い思いをしました。

 Xは、Yに対して、誤振込金相当額の支払いを求める裁判を提訴しましたが、Yの登記簿上の住所地(代表者の住所と同一)に送付したものの、転居先不明で戻ってきました。

 そこで、Xの弁護士は、担当書記官に対して、Yがデパ地下で食品販売コーナーを有していることを指摘して、そのコーナー宛への送達を求めました。

 しかし、担当書記官は、食品販売コーナーは民事訴訟法103条1項に言う営業所または事務所には該当しないと回答したため、Xは、やむなく、公示送達の方法により、送達させました。

 ところが、高裁は、原判決を破棄して、食品販売コーナーは、営業所に該当すると判断したのです。

 事案の概要で指摘されている記載だけからすれば、Xに同情させられてしまいますが、やはり公示送達ですます場合には、きちんと調査が必要なようです。

 なお、1月号は、「期限の利益喪失前の預金拘束の適法性」という論文も掲載しています。参考になると思います。

 

2010年2月 3日 (水)

【金融・企業法務】 事業譲渡時における会社法22条に基づく商号続用責任とその類推適用

 銀行法務21・2月号には、「事業譲渡時における会社法22条に基づく商号続用責任とその類推適用」という論文が掲載されていました。

 ざっと見た感じでは、過払い債務の承継にも応用できそうな論文で、似たような案件の際に参考になりそうです。

 代表的な最高裁判決2例を紹介して、あとは分類毎に、下級審裁判例の事例を整理している構成です。

 ゴルフクラブ名の続用をした場合には、会社法22条1項が類推適用されることがあるとの判決ですが、サラ金の中には、買収した会社の商号を商品名として使っているところがあるので、そのようなケースの場合には、使える理屈かなと思いました。

 ただ、解説者は、「債務者としてはいかに債務を免れるかを考えているわかであるから、こうした問題点についてのいろんな対処方法を考え出してさらにこうかつな手段を弄してくることもありうる」と指摘されています。

2010年2月 2日 (火)

【金融・企業法務】 株式会社が株主総会の決議等を経ることなく退任取締役に支給された退職慰労金相当額の金員につき不当利得返還請求をすることが信義則に反せず権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

  銀行法務21・2月号の金融商事実務判例紹介で紹介された最高裁判決です(最高裁平成21年12月18日)。

  株式会社が株主総会の決議等を経ることなく退任取締役に支給された退職慰労金相当額の金員につき不当利得返還請求をすることが、信義則に反せず権利の濫用に当たらないとした原審の判断に、違法があるとされた事例

 最高裁は、Xの株主総会決議がない以上、Yが本件金員の支給を受けたことが不当利得になることは否定しがたいが、

 以下の①から④の事実を前提とすれば、特段の事情がない限り、Yの信義則違反等の主張は認められる。

 ① Xでは、従前から、通常、事前の株主総会決議を経ずに、発行済株式総数の99%以上を保有する代表者が決済して、株主総会に代えてきた

 ② Xが本件金員の返還を明確に求めたのは、本件送金後1年近く経過した平成19年2月21日であったのだから、Yが、本件送金の担当者と通謀していたのであればともかく、本件送金につきX代表者の決裁を経たものと信じたとしても無理からぬものがある

 ③X代表者が、本件送金されたことを、その直後に認識していたとの事実が認められるのであれば、X代表者において本件送金を事実上黙認してきたとの評価を免れない

 ④Yは、Yが従前退職慰労金を支給された退任取締役と同等以上の業績をあげてきたとの事実も主張している。

 そうすると、③のX代表者の認識や④のYの業績等の事実、特段の事情の有無について審理判断していない原審は、審理不尽の結果、法令適用を誤った違法があるといわざるをえない

 事案的には珍しいですね。一旦支払った退職金の取り戻しですから・・・

2010年2月 1日 (月)

ハリソン電機 主力の放電灯事業で生産拠点の海外移転を発表

 ハリソン東芝ライティング㈱(本社今治、資本金41億1000万円)の記事が東京商工リサーチにのっていました。

 これによれば、平成22年3月末までに、主力の放電灯事業の生産拠点を、今治から、中国・韓国の2拠点に集約し、また、580名の人員については、平成22年6月までに東芝グループ内で配置転換するようです。

 ハリソン電機は、ノートパソコン等の液晶画面のバックライトに使われる陰極放電事業で世界トップシェアを誇るまでに成長し、平成20年3月期には、ピークの年商715億円を売り上げたようです。

 確かに、私は、ハリソン電機の正門の前をよく通るのですが、数年前は、ハリソン電機のユニフォームを着た人が数多く正門を出入りされていたことを、思い出します。

 ところが、平成20年秋のリーマンショックで売上げが大幅に落ち込み、大きな赤字を計上してしまったようです。

 主力の放電灯事業は、平成21年3月期で年商の約64%を占めていることから、この主力事業が海外に移転することは、当然のことながら、今治には主力事業のための人は不要になることを意味することになります。

 ハリソン電機といえば、今治造船、日本食研等と並ぶ今治が誇る企業の1つです。

 記事によれば、海外拠点に移転することにより、コスト競争力を強化することを目的としているようです。どうしても、日本の場合は、人件費は、他のアジア諸国と比べて割高になります。このままだと、日本の産業がどんどん海外に移転してしまうのではないかと大変危惧しています。

 本社移転まではないようなので、再び、ハリソン電機が活力を取り戻していただけることを大変期待しています。

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